取 扱 説 明 書

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取 扱 説 明 書 | Manualzz

取 扱 説 明 書

ポ ー タ ブ ル 振 動 計

型式:

VM-4424S/H

製 作 者

取扱説明書番号 TVE-6-379

1

作 成 年 月 日 2012年 8月 7日

表 紙 共

V e r s i o n

改訂履歴

日付

2012.3.3

2012.3.22

2012.4.9

2012.8.7

版番号

1.0.0

新規

内容

1.0.1

画面、文言の訂正

オプション製品の追記

1.0.2

計測の章に準備を追加

用語集を追加

H 関数等の説明を追記

1.0.3

H 関数、BRG モードの表示を追加

目 次

1.はじめに

...................................................................................................................................1

1-1.画面構成

.........................................................................................................................2

1-2.構成品

............................................................................................................................3

2.概要

...........................................................................................................................................4

2-1.機器概要

.........................................................................................................................4

2-2.特長

................................................................................................................................4

3.計測

...........................................................................................................................................5

3-1.準備

................................................................................................................................6

3-2.計測画面

.........................................................................................................................7

3-3.計測時の操作

..................................................................................................................8

4.設定

.........................................................................................................................................10

4-1.モード設定

...................................................................................................................11

4-2.演算設定

.......................................................................................................................12

4-3.

Filter ...........................................................................................................................14

4-4.オートレンジ

................................................................................................................15

4-5.

H 関数結合 ...................................................................................................................15

4-6.

AC・DC 出力の感度設定 .............................................................................................16

4-7.デジタルボリューム

.....................................................................................................18

4-8.電池タイプ

...................................................................................................................18

4-9.オートパワーオフ

........................................................................................................19

4-10.コントラスト

............................................................................................................19

4-11.言語選択

...................................................................................................................19

4-12.バージョン

................................................................................................................20

4-13.電源情報

...................................................................................................................21

5.ハイエンドモデル(

VM-4424H)の機能 ...............................................................................22

5-1.

FFT ..............................................................................................................................22

5-1-1.

FFT 表示 ...........................................................................................................22

5-1-2.

FFT 設定 ...........................................................................................................23

5-2.波形データ保存

............................................................................................................24

5-2-1.波形データの保存

..............................................................................................24

5-2-2.波形データ保存の設定

......................................................................................27

6.機器仕様

.................................................................................................................................28

6-1.本体

..............................................................................................................................28

6-2.ピックアップ

................................................................................................................28

7.トラブルシューティング

........................................................................................................29

8.取扱上の注意事項

...................................................................................................................29

9.ピックアップの取付け方法と振動数特性

...............................................................................30

10.用語解説

..............................................................................................................................31

1.はじめに

このたびは、ポータブル振動計

“VM-4424”をお買い上げいただき、誠にありがとうございます。

本装置の機能を十分に引き出し、末永くご愛用いただくために、この「取扱説明書」をよくお読

みください。

また、安全にご使用いただくために、次の注意事項をお守りください。

意 事 項

1. 計測する対象機器の部位が高温の場合や、動機械の「回転軸、可動

部分の近く」である場合は、機械の停止時にピックアップの固定取付け

を行ったうえで計測をしてください。このような場所で、ピックアップを

手持ちの状態で計測することは、火傷やケーブル巻き込みなど、非常に

危険ですから、絶対にやめてください。

2. 電池の交換・廃棄は電池に記載されている注意事項に従って、処理を

行ってください。交換時には極性に注意をしてください。

なお、不明な点や異常を感じた場合には、最寄りの営業所か品質保証部へ

ご連絡ください。

1

1-1.画面構成

VM-4424 にはスタンダードモデルとハイエンドモデルがあり、電源を入れたときに表示され

2 つのアイコンが表

る画面に違いがあります。ハイエンドモデルの画面には

示されています。それぞれの画面を下記に示します。

「スタンダード画面」

(日本語) (英語)

「ハイエンド画面」

(日本語) (英語)

基本的な計測操作に関しては、スタンダードモデルの画面で説明をします(第

3 章)。ハイエ

ンドモデルの機能については第

5 章で説明しています。ハイエンドモデル(VM-4424H)をお使

いのお客様は第

5 章もお読みください。

2

1-2.構成品

VM-4024S/H の標準校正品とオプション類です。

(1)標準構成品

品名 員数 型名 備考 外観

スマートバイブロ

1 VM-4424S/H

ピックアップ

同上用プローブ

出力ケーブル

乾電池

取扱説明書

1

1

1

1

1

VP-4416

圧電式加速度型

手持押付用、ナット付

φ

6mm x 195mm

1.5m 方端ミニプラグ付

・ストロボスコープ、記

録計等への出力

単三アルカリ電池

2 本入りパック)

検査証付

SD カード 1

- ハイエンドモデルのみ

(2)オプション

品名

ピックアップ用

長尺ケーブル

2 小型強力マグネット

ラバージャケット

AC アダプタ

型名

CE-3004-3 (3m)

CE-3004-6 (6m)

CE-3004-10(10m)

MH-201R

備考

測定物から離れて計測し

たいときなどにお使いい

ただけます。

測定対象にピックアップ

を固定したい場合にご使

用ください。

外観

(イメージ)

PC-3024

シリコン製の本体カバー

PS-3024-S AC100~240V 対応

5 キャリングケース

C-3024

本体やピックなどを収納

することが出来ます。

仕様・外観は改良のため予告無く変更することがあります。

3

2.概要

2-1.機器概要

本器は加速度計と

H 関数(エンベロープ処理)の計測をも可能とした解析重視の加速度計で

す。機能アップにより、加速度量の計測や低速回転機軸受での変動成分の把握など様々な観点

からの機器チェックが行え、ベアリングなどの解析にとどまらず、幅広い計測用途にご使用い

ただけます。

2-2.特長

■解析機能

加速度の実効値、及び

H 関数計測により、的確なデータ収集と判断が可能

■同時計測

センサからの速度信号を

CPU で高速処理し、加速度・速度・変位の同時表示が可能です。

■液晶表示

タッチパネルを採用し、計測条件などの様々な設定が可能です。

■FFT 分析機能(VM-4424H のみ)

振動の周波数成分を確認したい場合、最低限の条件設定を行うだけで、リアルタイムに

FFT 分析が可能です。

■波形保存(VM-4424H のみ)

データ保存モードでは、波形データの保存が可能です。

付属の

SD カードに保存された波形データは、簡単にパソコンに取り込むことができます。

■日本語・英語対応

設定を変更するだけで、日本語と英語の表示を切替えることができます。

■音量調節

デジタルボリュームにより、音量調節が可能です。

4

電源スイッチ:

3.計測

本体各部の名称は以下の通りです。

AC OUT ジャック:

計測値を

AC 出力します。

DC OUT ジャック:

計測値を

DC 出力します。

コネクタ:

センサピックを取り付けます。

タッチパネル液晶:

計測値の表示と設定等を行います。

バックライトボタン:

多機能ボタン:

設定画面の表示や、測定中のレンジ

画面表示を行います。

測定ボタン:

測定開始や停止を行います。

DC ジャック:

電源アダプタ用ジャック

( 電 源 ア ダ プ タ は オ プ シ ョ ン

となります。)

Fig.1

SD スロット:

SD を挿入し、波形記録に使う

ことができます。

VM-4424H のみ)

5

3-1.準備

(1)速度、加速度、変位共に表示する演算方法を選択することができます。詳しくは4-

2項を参照ください。尚、一般的な設定としては下記を推奨します。

■加速度: rms

■速度 : rms

■変位 :

EQP(等価ピーク)

(2)単三の電池(

Ni-Cd もしくはアルカリ電池)を 2 本、背面のバッテリボックス内に入

れてください。(電池の極性にはご注意ください)

+

DC ジャック

+

AC アダプタを使用する場合には、装置底面の DC ジャックに接続ください。

(3)ピックアップケーブルを筐体上部コネクタに取り付ければ準備は終了です。

実際の計測は次節以降の項目を参照ください。

また、測定時には振動ピックアップを対象物に押し付けます。

★ピックアップを固定する場合には

25 ページを参照ください。

(4)表示言語の切り替え

必要に応じて日本語⇔英語を切替えることができます。

4-9節を参照ください。

6

3-2.計測画面

機器本体の電源(左側面オレンジ色のスイッチ)を入れると計測画面が立ち上がります。

操作はこのタッチパネル液晶画面と、液晶画面下にある

2 つのスイッチを用いて行います。

(1)

(2)

(4)

(3)

(6)

(5)

(日本語) (英語)

Fig.2 計測待機画面

(1)通常計測モード

VM-4424S ではこのモードしか表示されません。

(2)レンジバー

レンジに対する計測値のレベルを表示します。絶対的なものではなく、目安とお考え

ください。

(3)2つの押ボタンの機能表示

現在、有効な押ボタンの機能を表示します。この例では「停止」と「レンジ」が有効

になっていることを示します。

(4)電池インジケータ

電池容量が少なくなると表示されます。

(5)測定開始・停止ボタン

計測時にはこのボタンを押すことで、計測と停止が切り替わります。また、設定変更

のモードではこのボタンで電源の状態を確認することができます。(

4 章を参照)

(6)レンジボタン

計 測 中 に こ の ボ タ ン を 押 す と レ ン ジ 画 面 が 表 示 さ れ ま す 。 ま た 、

FFT モ ー ド

VM-4424H のみ)では詳細表示と簡易表示とを切替えます。(5 章を参照)また、

レンジ設定は

4 章を参照ください。

7

3-3.計測時の操作

停止状態では

Fig.3 のようにハードスイッチの機能表示が「開始」となっていますので、

液晶下の左側のボタンを押すことで計測が開始されます。同じボタンをもう一度押せば、計

測が停止し、その時点での値が表示されます。

拡大時に押す場所

(日本語) (英語)

Fig.3 計測中の画面

「レンジの変更方法について」

4 章の設定で、オートレンジをオフにすると、計測中にレンジボタンが有効になります

Fig.3 参照)。計測中に右側の多機能ボタンか液晶パネルの「レンジ」をタッチするとレ

ンジの変更画面が表示されますので、適切なレンジになるよう適宜修正してください。ま

た、レンジオーバの場合には画面右上に が表示されます。(

Fig.4 参照)

「画面の拡大について」

また、画面中央のレンジバーのあたりを押すことで、拡大画面を表示することが出来ま

す。元の画面に戻すには同様に画面中央を押してください(

Fig.5 参照)

8

(日本語) (英語)

Fig.4 レンジ操作の画面

縮小時に押す場所

(日本語) (英語)

Fig.5 拡大画面

9

4.設定

ここでは、計測モードなど各種設定の方法について説明します。

Fig.6 にあるようにハードス

イッチに「設定」が有効な状態で液晶画面下の右側のスイッチを押すと設定画面が表示されます。

Fig.7 参照)

(日本語) (英語)

Fig.6 設定が有効になっている状態

(日本語) (英語)

Fig.7 モードと演算の設定画面

10

4-1.モード設定

Fig.7 にあるように「モード」で「Vel.」が選択されていると、計測画面の一番上にその物

理量が表示されます。また、拡大画面での表示もその物理量になります。

(日本語) (英語)

Fig.8 モードの設定

ボタンを押すたびに、

Acc.」→「Disp.」→「BRG」→「Hfunc」→「Vel.」の順番で設定

モードが変わります。「

BRG」と「Hfunc」の処理は以下の通りです。

BRG

BRG(ベアリング)モードでは 1kHz~10kHz の帯域にフィルタを固定して処理を行

っています。

VM-4416 では、このモードでのレンジを A~E で単位を無名数としてい

ましたが、

VM-4424 では本来の物理量である加速度で表示するようにしています。レ

ンジも加速度と同様の

6 レンジあります。通常の計測とちがい、計測画面では「BRG」

と表示され、全て加速度の値が表示されます(速度や変位は表示されません)。

H 関数

2kHz~15kHz での振動量とその変動波形をエンベロープ処理することにより、BRG

では直接捉えられない帯域もカバーしています。レンジも加速度と同様の

6 レンジあ

ります。通常の計測とちがい、計測画面では「

Hfunc」と表示され、全て加速度の値

が表示されます(速度や変位は表示されません)。4-5節の

AC、DC の切替えに対

応して出力が次のように変わります(

AC 出力端子は常に変動成分だけを出力します)。

11

(1)

AC の場合

VM-4416 で言う「ENV の場合」に相当します。この設定では H 関数の変動成

分(エンベロープ波形)だけを整流し、表示と

DC 出力を行います。H 関数は

低い周期(

1kHz 以下)の振動発生源による高い成分 2kHz~15kHz を計測す

るのに適し、聴音もベアリングでは聞こえない帯域信号を

1kHz 以下の信号に

変換した上で聴くことが可能となります。

(2)

DC の場合

2kHz~15kHz 成分を整流し、そのときのレベルと 1kHz 以下の変動成分(エ

ンベロープ)を合せて表示、出力します。これを

H 関数と呼びます。

4-2.演算設定

演算設定では計測した物理量をどのような形で表示するかを設定できます。

Fig.7 で「Set」

ボタンを押すと

Fig.9 が表示されます。

(日本語) (英語)

Fig.9 演算方法の選択画面

Fig.9 で設定した演算方法が計測画面に表示されます。

12

(日本語) (英語)

Fig.10 設定例

演算設定もボタンを押すたびに切り替わります。切り替わり方は以下の通りです。

速度 :「 rms」→「EQP」→「ピーク」

加速度:「 rms」→「EQP」→「ピーク」

変位 :「

EQP」→「ピーク」

注)演算手法について簡単に説明します。 rms:日本語で、二乗平均と呼ばれています。測定した時系列データを二乗して足しこみ、

測定個数で割って平方根を取ったものです。

EQP:上で求めた rms 値を√2 倍した値です。

ピーク:時系列データの最大値を意味しています。

注)詳細な説明は

11 章の用語の説明を参照ください。

13

4-3.

Filter

ハイパスとローパスフィルタの設定を行うことが出来ます。「

Set」ボタンを押すと Fig.11

の画面が表示されます。それぞれの上三角と下三角を押すことでフィルタの周波数を変更で

きます。

(日本語) (英語)

Fig.11 フィルタ設定例

フィルタの設定範囲は以下のようになります。

HPF:5Hz~999Hz

LPF:100Hz~10kHz

14

4-4.オートレンジ

設定画面の切替えは画面上部のアイコン部分を押すことで切り替わります。押す場所はア

イコン部分ならどこでもよく、

→ →

の順に切り替わります。

(日本語) (英語)

Fig.12 オートレンジの設定画面

オートレンジを「

ON」にすると計測時にレンジが自動的に切り替わります。従って、計

測画面に「レンジ」が有効なことを示す「レンジ」の文字は表示されません。この場合、誤

って、ハードスイッチを押しても何の影響もありません。

ON」、「OFF」の切替えはオートレンジボタンを押すことで切り替わります。

4-5.

H関数結合

H 関数の結合(カップリング)を AC と DC から選択します。Fig.12 で「DC」と書かれ

たボタンを押すことで「

AC」と「DC」が切り替わります。AC 出力端子は常に変動成分を

出力しますが、表示値と

DC 出力はこの設定で異なります。

(4-1節も参照ください)

15

4-6.

AC・DC出力の感度設定

のタブを有効にすると

Fig.13 の画面が表示されます。

(日本語) (英語)

Fig.13 AC 出力/DC 出力の設定画面

AC 感度出力は AC OUT の電圧値に対するフルスケールを指定します。「Set」ボタンを押

すと

Fig.14 が表示されます。

速度・加速度・変位のそれぞれに対して、電圧

1V がどの程度の数値になるかを設定しま

す。

Fig.14 では、

速度 :電圧

1V が 1500mm/s に相当

加速度:電圧

1V が 450m/s

2 に相当

変位 :電圧

1V が 75μm に相当

と、設定されます。

AC OUT から出力される物理量は、モード設定で設定された物理量になります。数値は数

字が表示されたボタンを押すことで変更できます。切り替わり方は以下の通りです。

速度 :「

1500」→「150」→「15」→「15000」

加速度:「

45」→「4.5」→「450」

変位 :「

75」→「7.5」→「0.75」→「0.075」

16

(日本語) (英語)

Fig.14 AC 感度出力の設定画面

一方、

DC 感度出力は DC OUT の電圧値に対するフルスケールを指定します。「Set」ボタ

ンを押すと

Fig.15 が表示されます。

(日本語) (英語)

Fig.15 DC 感度出力の設定画面

17

設定の仕方は

AC 感度出力に同じです。設定できる数値は下記のようになります。

速度 :「

1500」→「150」→「15」→「15000」

加速度:「

45」→「4.5」→「450」

変位 :「

15」→「1.5」→「0.15」→「150」

4-7.デジタルボリューム

AC 出力のジャックにイヤホンを差し込むと、計測時の音を聞くことができます。この音

量を

Fig.13 のボリューム調整ボタンで変更することが出来ます。10%~100%まで 10%刻み

で設定することが出来ます。

4-8.電池タイプ

Next Page」を押すと 2 ページ目に移動します。ページは全部で 3 ページあり、1→2→3→1

と変わっていきます。

2 ページ目の画面を Fig.17 に示します。

(日本語) (英語)

Fig.17 電池/オートパワーオフ/コントラストの設定画面

「電池タイプ」では「

Ni-MH(充電式の Ni-Cd 電池)」と「LR6/R6(アルカリ電池)」を選

択できます。電池寿命の指示値はこの電池タイプによって異なりますので、お使いの電池種

類に従って正しく設定ください。これら以外の電池を用いた場合、電池寿命の指示値が正し

く表示されない場合があります。

18

4-9.オートパワーオフ

「オートパワーオフ」を「

ON」にすると約 30 分後に自動的に電源が切れます。

4-10.コントラスト

「コントラスト」を

-50%~+50%まで+25%刻みで設定することが出来ます。

4-11.言語選択

3 ページ目では「言語の選択」と「バージョン情報」の確認ができます。

(日本語) (英語)

Fig.18 言語選択とバージョンの設定画面

Fig.18 にあるように言語選択で「en」を選択して電源を一旦切って再投入すると、英語

で画面が表示さます。日本語表記にしたいときは「 jp」に設定します。

19

4-12.バージョン

ファームウエアのバージョンが確認できます。

Fig.19 のバージョン横の「View」ボタンを

押すとバージョン情報が表示されます。

(日本語) (英語)

Fig.19

20

4-13.電源情報

「電源情報」が表示されている状態で押しボタンを押すと電源情報が確認できます。

(日本語) (英語)

Fig.20 電源情報が有効な画面

(日本語) (英語)

Fig.21 電源情報の表示画面

21

5.ハイエンドモデル(

VM-4424H)の機能

VM-4424S の上位機種である VM-4424H には FFT 機能と波形データの保存機能があります。

以下、これらの機能について説明します。

VM-4424S をお使いのユーザは本項を読む必要は特に

ありません。

FFT:このタブを有効にすると FFT モードになります。本機能は VM-3024H のみで

使用することが出来ます。

データ保存:このタブを有効にするとデータ保存モードになります。

SD に波形データ

をテキストとして保存します。

5-1.

FFT

5-1-1.

FFT 表示

<FFT>を選択してください。選択すると Fig.21 の画面が表示されます。

(1)

(2)

(3)

(日本語) (英語)

Fig.22 FFT の表示

(1)

FFT グラフ画面

縦軸は上部に表示されている物理量になり(

Fig.22 では速度)、横軸は周波数です。

(2)最大値の周波数とその値を表示します。

(3)ハードスイッチを押すと詳細画面が表示されます(

Fig.23 参照)

22

(1)

(2)

(3)

(日本語) (英語)

Fig.23 FFT の詳細画面

(1)ピーク値間をカーソルが移動します。カーソルは画面上黒丸で表示されます。

(2)

MAX:取得データの最大値を常に表示します。

Cur :カーソルが当っている部分の数値を表示します。

(3)カーソルの移動を行います。

5-1-2.

FFT 設定

FFT の設定画面は Fig.24 に示します。FFT ライン数では、周波数の刻みを指定します。

10Hz」、「5.0Hz」、「2.5Hz」の中から選択します。

また、

FFT 周波数では「Mid」、「Low」、「High」の中から選択します。周波数軸の範囲

が指定されますが、測定モードによって下記のように設定されます。

加速度

速度

変位

ベアリング

H-関数

Low

5Hz~1kHz

Mid

50Hz~5kHz

High

1kHz~10kHz

10Hz~1kHz 10Hz~1kHz 10Hz~1kHz

10Hz~150Hz 10Hz~150Hz 10Hz~150Hz

1kHz~10kHz 1kHz~10kHz 1kHz~10kHz

5Hz~1kHz 5Hz~1kHz 5Hz~1kHz

23

(日本語) (英語)

Fig.24 FFT のパラメータ設定

5-2.波形データ保存

5-2-1.波形データの保存

計測モードの画面から

れます。

<波形保存>を選択します。選択すると Fig.25 の画面が表示さ

(日本語) (英語)

Fig.25 波形データ取得画面

24

Fig.25 で「開始」のハードスイッチを押すとデータ取得モードに移行し、Fig.26 の画面

が表示されます。

(日本語) (英語)

Fig.26 波形採取の待機画面

Fig.26 で「採取開始」のハードスイッチを押すと実際にデータ取得を開始します。デ

ータ取得が終了すると、

Fig.27 の画面が表示されますので、「保存」を押してデータを

SD に保存します。SD への保存は「0000」番から順番にナンバリングされてファイル保

存されます。

SD カード内のデータ例」

25

(日本語) (英語)

Fig.27 波形採取終了時の画面

26

5-2-2.波形データ保存の設定

波形データの設定画面を

Fig.28 に示します。設定画面より

目の保存データ数を選択します。

(日本語) (英語)

Fig.28 波形データ保存のパラメータ設定

保存する時間を指定します。

指定できる時間は「

1s」、「0.5s」、「0.2s」、「0.1s」となります。

を選択し、

2 ページ

27

6.機器仕様

6-1.本体

サンプリング周波数

振動数範囲

振動数特性

指示

精度

出力

測定範囲(フルスケール)

51200Hz

加速度 :

10Hz~10000Hz

ベアリング :

1kHz~10kHz

H 関数 :3Hz~1kHz(2~15kHz の BPF によるエンベロープ処理)

±

5%(10Hz~5kHz)

±

30%(5Hz~10kHz)

加速度(

BRG、H-Func):6 レンジ(1000,300,100,30,10,3m/s

2

),オートレンジ

速度

:6 レンジ(1000,300,100,30,10,3mm/s),オートレンジ

変位

:6 レンジ(10,3,1,0.3,0.1,0.03mmp-p),オートレンジ

EQP(加速度・速度・変位)

PEAK(加速度・速度・変位)

RMS(加速度・速度)

感度誤差 :

±5%(1kHz 基準)

感度切替誤差:

±2%(1kHz 基準)

指示値直線性:

±0.5%(FS に対して)

AC OUT:0~±1V(負荷 10kΩ 以上)

DC OUT:0~+1V(負荷 10kΩ 以上)

FFT(VM-4424H のみ) Δf:6.25Hz,12.5Hz,25Hz

波形保存(

VM-4424H の

み)

表示

電源

SD カードに採取波形を保存

0.1 秒、0.2 秒、0.5 秒、1 秒

日本語・英語切り替え表示

電池:単

3 電池x2 本(連続 20 時間以上)

電池警告

:液晶画面に電池のアイコンを表示

使用範囲:

0~+50℃、95%RH 以下

環境条件

本体寸法・重量

精度保証:

5~+35℃、85%RH 以下

保存範囲:

-10~+60℃、95%RH 以下

ただし、いずれも結露無きこと

74(W)x32.5(D)x148(H)mm

230g(電池含む)

6-2.ピックアップ

検出方式

検出方向

電圧感度

使用温度範囲

材質(ケース)

質量

ケーブル

コネクタ

構造

圧電式加速度型

1方向

10.0[pC/(m/s

2

)](標準)

-10~50℃

アルミニウム

ピックアップ:約

40g、プローブ:約 70g

直出し、

1.5m カールケーブル

BNC コネクタ

防塵、防まつ

28

7.トラブルシューティング

(1)オーバレンジが点灯した場合

使用中にオーバレンジのアイコン が表示された場合には、

Fig.4 のレンジ画面でレン

ジを変更してください。オートレンジの場合には、自動的に調整します。

(2)液晶画面が表示されない

次のような原因が考えられますので、チェックしてください。

(A)電池電圧が 2.0V 以下

(B)電池の極性が逆になっている

(C)ピックアップケーブルと本体との接続不良

(D)AC アダプタを接続している際、AC アダプタの故障あるいはコネクタ部の接続不良

(A)~(D)の異常がない場合には、電源 SW を入りきりしてみてください。

8.取扱上の注意事項

1.長期間使用しない場合は、電源

SW を切り、電池を取り外してください。

2.本体は

ABS 樹脂製ですのでケトン、シンナー等、有機溶剤に注意してください。汚れは

柔らかい布でふき取るか少量のエチルアルコールを使用してください。

3.本器はバッテリボックスのフタ以外はあけられません(分解することはできません)。

4.表示器はガラス製品ですので強い機械的衝撃は避けて御使用願います。

5.液晶部分等の保護のため、高温や高湿度の環境はなるべく避け、

35℃以下の乾燥した場所

で保存してください。

また、直射日光下での放置や閉め切った車内での放置は避けてください。

29

9.ピックアップの取付け方法と振動数特性

振動ピックアップを振動体に取付けるとその接触部に一つの振動系が形成され、その系の

固有振動数が決まり、これを接触共振振動数と呼びます。

接触共有振動数は振動ピックアップのベース底面と振動体の面との、取付け方法や接触状

態によって変化、特に高域特性に影響を及ぼします。

ピックアップの取付け方法には(1)ねじ取付け(2)瞬間接着剤(3)両面接着テープ

(4)マグネット(5)手による押付けなどの方法があります。

圧電式加速度型ピックアップは高振動数の高加速度に適したピックアップのため、本来正

確な計測を行うには(1)ねじ取付け(2)瞬間接着剤取付けの必要があります。本器で

は通常、検出器プローブを使用し、プローブによる特性への影響は大きいのですが、同じ

計測対象物に対しての総体振動の増減と傾向は十分に計測把握でき、聴音することでさら

にその機能を補完することが出来ます。

必要に応じて、取付け方法を考慮してください。

また、上向きや斜め方向の押付けはできませんので注意してください。

★ピックアップは強い衝撃(

1000m/s

2 )により破損する恐れがあります。注意して取り

扱ってください。

(1)ネジ

(2)接着剤

(3)両面テープ

(4)マグネット

(5)手による押し付け

(6)斜め、下方からの押し付け

(5-1)

(5-2)

30

10.用語解説 rms:実効値(Root Mean Square) とも呼ばれます。ある区間内における瞬時瞬時の各

測定値の

2 乗平均値の平方根です。ISO 規格では振動速度の rms(実効値)を評価

基準として決めており、振動シビリアリティといわれています。

V(t)

2

(rms)

2 t1 t2

T

EQP:等価ピーク値(Equivalent Peak)とも呼ばれます。正弦波と仮定した場合のピー

ク値換算値を言います。本器の場合、( rms)x √2 を採用しています。

(正弦波の場合、ピーク値の値が rms の√2 倍となるため、このような演算を行っ

ています)

ピーク:時系列データの最大値を意味しています。

ピーク値

P-P 値

V(t)

31

エンベロープ波形:包絡線波形で、振動波形のピークの軌跡を意味します。例えば、ころ

がり軸受け劣化による振動は回転による

DC~1kHz の帯域で発生し、

軸受部の固有振動数(

2~15kHz)で変調されて軸受けハウジングに伝

わります。この振動を検出して、絶対値

(両波検波)を取り、1kHz のロ

ーパスフィルタ処理で

2~15kHz の高域振動波形のピーク軌跡を得る

ことが出来ます。

H 関数 :エンベロープ処理で 1kHz のフィルタを 2~15kHz 信号が通過すると、

整流されて直流成分となり、この上に

DC~1kHz のエンベロープ波形

が重畳された波形となります。この波形を

H 関数と呼び、高域振動量

の大きさと変動量を示します。

H 関数から直流成分を除き、DC~1kHz の変動成分だけを取出した波

形を

VM-4424 では VM-4416 同様 AC 出力とし、指示計と DC 出力で

H 関数と変動成分を切替ることができます(4-5節参照)

傷によるベアリングの振動

H 関数処理波形

エンベロープ波形

AC 出力波形

整流

H 関数 DC 出力

整流

エンベロープ

DC 出力

32

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