G2070-96125 ChemStation の理解

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G2070-96125 ChemStation の理解 | Manualzz
Agilent ChemStation
ChemStation の理解
ChemStation の理解
Agilent Technologies
注意
© A g i l e n t Te c h n o l o g i e s , I n c . 2 0 0 4 ,
2005-2008
保証
このマニュアルに含まれる内容は
本マニュアルは米国著作権法および国
「現状のまま」提供されるもので、
際著作権法によって保護されており、
将来のエディションにおいて予告
Agilent Technologies, Inc.の書面による事
なく変更されることがあります。
前の許可なく、本書の一部または全部
また、Agilent は、適用される法律
を複製することはいかなる形式や方法
によって最大限に許可される範囲
(電子媒体による保存や読み出し、外国
語への翻訳なども含む)においても、 において、このマニュアルおよび
それに含まれる情報に関して、商
禁止されています。
マニュアル番号
G2070-96125
エディション
07/08
Printed in Germany
Agilent Technologies
Hewlett-Packard-Strasse 8
76337 Waldbronn
ソフトウェアリビジョン
本ガイドは、Agilent ChemStation ソ
フトウェアの B0.04.xx 版に対して有
効です。この xx はソフトウェアの軽
微な修正に言及するもので、本ガイド
の技術的正確さに影響を及ぼしませ
ん。
品性および特定の目的に対する適
合性の暗黙の保証を含みそれに限
定されないすべての保証を明示的
か暗黙的かを問わず一切いたしま
せん。Agilent は、このマニュアル
またはそれに含まれる情報の所
有、使用、または実行に付随する
過誤、または偶然的または間接的
な損害に対する責任を一切負わな
いものとします。Agilent とお客様
の間に書面による別の契約があ
り、このマニュアルの内容に対す
る保証条項がこの文書の条項と矛
盾する場合は、別の契約の保証条
項が適用されます。
技術ライセンス
このマニュアルで説明されているハー
ドウェアおよびソフトウェアはライセ
ンスに基づいて提供され、そのライセ
ンスの条項に従って使用またはコピー
できます。
安全に関する注意
注意
注意は、危険を表します。こ
れは、正しく実行しなかった
り、指示を順守しないと、製
品の損害または重要なデータ
の損失にいたるおそれがある
操作手順や行為に対する注意
を喚起します。指示された条
件を十分に理解し、条件が満
たされるまで、注意を無視し
て先に進んではなりません。
警告
警告は、危険を表します。こ
れは、正しく実行しなかった
り、指示を順守しないと、人
身への傷害または死亡にいた
るおそれがある操作手順や行
為に対する注意を喚起します。
指示された条件を十分に理解
し、条件が満たされるまで、
警告を無視して先に進んでは
なりません。
ChemStation の理解
このガイドの内容
このガイドの内容
このガイドでは、Agilent ChemStation の様々な概念を説明します。
ChemStation がどのように動作するかの理解を高めることを目的としていま
す。
ChemStation の使用に関する情報は、一般的なヘルプシステムやオンラインヘ
ルプ「チュートリアル」を参照してください。
1 Agilent ChemStation の機能
本章では、ChemStation の主要コンポーネントと機能について説明します。
2 メソッド
本章では、メソッドのコンセプトと扱い方について説明します。
3 データ取り込み
本章では、データ取り込み、データファイル、ログブックなどのコンセプトに
ついて説明します。
4 積分
本章では、ChemStation のインテグレータアルゴリズムの積分のコンセプトに
ついて説明します。積分アルゴリズム、積分、およびマニュアル積分について
説明します。
5 定量
この章では、ChemStation が定量を行う方法について説明します。面積 % およ
び高さ % の計算、外部標準 (ESTD) 計算、補正 % 計算、内部標準 (ISTD) 計算、
および同定されていないピークの定量に関する詳細を説明します。
6 ピーク同定
本章では、ピーク同定のコンセプトについて説明します。
ChemStation の理解
3
このガイドの内容
7 キャリブレーション
本章では、ChemStation で行われるキャリブレーションについて説明します。
8 自動化
本章では、自動化の概念について説明します。具体的には、ChemStation 内で
シーケンスを使用する方法、シーケンスの実行時に起こること、およびシーケ
ンスのカスタマイズ方法を説明します。
9 データレビュー、再解析、バッチレビュー
本章では、データをレビューする可能性とシーケンスデータの再解析方法につ
いて説明します。さらに、バッチレビュー、バッチコンフィグレーション、レ
ビュー機能、バッチレポートのコンセプトを説明します。
10 ChemStation レポートの使用
本章では、レポートの概念について説明します。内容は、レポート結果、定量
結果、レポートスタイル、レポート出力先、およびシーケンスサマリレポート
についての詳細になります。
11 システムスータビリティの解析
本章では、分析機器がサンプル分析に使用される前と分析メソッドが定期的に
使用される前の両方の時点で事前解析を行うために、および分析システムが定
期的な分析に使用される前および分析の実行中にパフォーマンスをチェックす
るために、ChemStation では何ができるかについて説明します。
12 システムベリフィケーション
本章では、ベリフィケーション機能および ChemStation の GLP ベリフィケー
ションの特徴について説明します。
4
ChemStation の理解
目次
目次
1 Agilent ChemStation の機能
9
一般的な説明 11
ChemStation ハードウェア 14
ChemStation ソフトウェアについて 15
機器コントロール 32
マニュアル 33
ChemStation のディレクトリ構造 35
ナビゲーションペイン 39
2 メソッド
41
メソッドの詳細 42
メソッドの各部分 43
メソッドのステータス 46
メソッドの作成 48
メソッドの編集 49
メソッドのディレクトリ構造 51
メソッドの実行時に行われる事柄
メソッド操作のまとめ 57
3 データ取り込み
52
59
データ取り込みとは 60
データファイル 61
オンラインモニタ 63
ログブック 64
ステータス情報 65
4 積分
67
積分とは 69
インテグレータの働き 70
ChemStation のインテグレータアルゴリズム
概要 73
用語の定義 77
ChemStation の理解
71
5
目次
操作の原則 79
ピーク認識 80
ベースライン割り当て 89
ピーク面積の測定 101
積分イベント 104
マニュアル積分 109
5 定量
113
定量とは 114
定量計算 115
補正係数 116
キャリブレーションされていない計算の手順
キャリブレーションされた計算の手順 119
ESTD 計算 120
補正 % 計算 122
ISTD 計算 123
6 ピーク同定
118
127
ピーク同定とは 128
ピークマッチングルール 129
ピーク同定のタイプ 130
絶対リテンション / マイグレーションタイム 132
補正済みリテンション / マイグレーションタイム 134
ピーククォリファイア 136
同定プロセス 139
7 キャリブレーション
141
用語の定義 142
キャリブレーションテーブル 143
検量線 144
未知サンプル 146
キャリブレーションの種類 147
グループキャリブレーション 154
ピーク和 155
リキャリブレーション 156
6
ChemStation の理解
目次
8 自動化
161
自動化とは 163
シーケンス / シーケンステンプレートとは 164
プレファレンス - シーケンスタブ 165
シーケンスパラメータ 167
シーケンステーブル 169
シーケンスの作成 ( シーケンスとシーケンステンプレート ) 170
シーケンスを用いた作業 ( シーケンスとシーケンステンプレート ) 172
シーケンスログファイル 175
シーケンスが実行されると何が起こるか ? 176
シーケンスデータファイル構造 ( ユニークなフォルダ作成オン ) 178
シーケンス内のデータファイルの命名 179
ポストシーケンス処理 181
自動リキャリブレーション 182
リキャリブレーションの指定 183
シーケンスの種類 186
明示的キャリブレーションシーケンス 187
周期的シングルレベルキャリブレーションシーケンス 188
周期的マルチレベルキャリブレーションシーケンス 189
明示的および周期的キャリブレーション両方 193
ブラケットを含む周期的キャリブレーションシーケンス 195
標準の同じ希釈率を含むマルチバイアルを使用した周期的リキャリブ
レーションシーケンス 199
9 データレビュー、再解析、バッチレビュー
203
データ解析でのナビゲーションテーブル 204
バッチレビューとは 209
インストール済みの ChemStation OpenLAB Option でバッチレビュー機能
を有効にする 210
バッチ設定 211
レビュー機能 214
バッチレポート 215
10 ChemStation レポートの使用
217
レポートとは 218
結果のレポート 219
定量結果 221
ChemStation の理解
7
目次
カスタムフィールド値のレポート
レポートスタイル 223
他のレポートスタイルパラメータ
レポート出力先 227
シーケンスサマリレポート 229
11 システムスータビリティの解析
222
226
233
ノイズ測定 237
ピーク対称性の計算 242
システムスータビリティの式および計算 244
一般定義 245
パフォーマンステスト定義 246
再現性に関する定義 252
内部保持されている倍精度数へのアクセス 256
12 システムベリフィケーション
259
ベリフィケーションおよび診断ビュー
GLP セーブレジスタ 263
DAD テスト機能 265
8
260
ChemStation の理解
ChemStation の理解
1
Agilent ChemStation の機能
一般的な説明 11
追加機器モジュール 12
追加のデータ解析モジュール
データ解析専用の製品 13
ChemStation ハードウェア
12
14
ChemStation ソフトウェアについて 15
オペレーティングシステム 15
メソッドとシーケンス 15
システムコンフィグレーション 15
データモデル 16
ファイルの命名規則 16
ソフトウェアユーザーインターフェイス 18
データ取り込み 20
データ解析 — 表示 21
データ解析 — 積分 22
データ解析 — 定量 22
データ解析 — データレビュー、データ再解析およびバッチレ
ビュー 22
データ解析 — 標準的なレポート 23
データ解析 — 特殊レポート作成 24
ユーティリティと互換性 26
カスタマイズ 27
自動化 27
GLP 29
機器コントロール 32
ネットワーク 32
マニュアル
33
ChemStation のディレクトリ構造
35
Agilent Technologies
9
1
Agilent ChemStation の機能
このガイドの内容
ナビゲーションペイン 39
ナビゲーションボタン 39
ChemStation エクスプローラ
39
本章では、ChemStation の主要コンポーネントと機能について説明します。
10
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
一般的な説明
1
一般的な説明
GC、LC、LC/MSD、CE、CE/MSD および A/D システム用の ChemStation に
は、以下の機器に対応した、コントロール、データ取り込みおよびデータ解析
システムが装備されています。
• Agilent 7890A ガスクロマトグラフ、
• Agilent 6890N、6890Plus および 6890A ガスクロマトグラフ、
• Agilent 6850 ガスクロマトグラフ、
• 5890 シリーズ II ガスクロマトグラフ
• Agilent 1100/1200 シリーズの LC モジュールおよびシステム、
• Agilent 1100 シリーズ LC/MSD、
Agilent 6100 シリーズシングル四重極 LC/MSD、
• 1090 シリーズ液体クロマトグラフ、
• 1046 FLD および 1049 ECD 検出器
• Agilent キャピラリ電気泳動システム (CE)
• Agilent CE/MS システムおよび
• Agilent 35900E デュアルチャンネルアナログ / デジタルインタフェース。
ソフトウェアは、IBM 互換のパーソナルコンピュータで、Microsoft® Windows
XP Professional オペレーティング環境下で動作するように設計されています。
ソフトウェアは、5 種類のシングル仕様の ChemStation として販売されていま
す。これらには、1 台の分析機器用の、データ取り込み、機器コントロール、
データ解析 ( 積分、定量およびレポート )、自動化、およびカスタマイズ機能
が含まれています。1 台の機器は、固有の基本時間で動作しながら、複数の検
出器から同時にデータを取り込むことができます。5 種類は以下のとおりです
:
• ガスクロマトグラフ (GC) システムのシングル仕様 ChemStation、製品番号
G2070BA、
• 液体クロマトグラフ (LC) システムのシングル仕様 ChemStation、製品番号
G2170BA、
• キャピラリ電気泳動 (CE) システムのシングル仕様 ChemStation、製品番号
G1601BA、
ChemStation の理解
11
1
Agilent ChemStation の機能
一般的な説明
• 液体クロマトグラフ / 質量選択検出器 (LC/MSD) システムのシングル仕様
ChemStation、製品番号 G2710BA、
• 外部イベントコントロール機能を持つ、アナログデータ取り込みのシングル
仕様アナログ / デジタル (A/D) ChemStation、製品番号 G2072BA。
ChemStation ソフトウェアの機器コントロール機能は、追加機器データ取り込
みおよびコントロールモジュールをご購入いただくと、複数の機器、混合した
技術的な構成に対応するように拡張できます。
追加機器モジュール
追加機器モジュールは以下のとおりです :
• 追加 GC 機器コントロールおよびデータ取り込みモジュール、製品番号
G2071BA、
• 追加 LC 機器コントロールおよびデータ取り込みモジュール、製品番号
G2171BA、
• 追加 CE 機器コントロールおよびデータ取り込みモジュール、製品番号
G2172BA、
• 追加 LC/MSD 機器コントロール、データ取り込みモジュール、および追加
データ解析モジュール、製品番号 G2715BA
• 追加アナログデータ取り込みモジュール、製品番号 G2073BA
追加のデータ解析モジュール
下記の追加データ処理モジュールをご購入いただくと、ChemStations のデー
タ処理機能をさらに拡張できます。
• 追加ダイオードアレイ検出器 (DAD) スペクトル解析モジュール、製品番号
G2180BA
• 追加 ChemStore サンプル管理および結果データベースモジュール、製品番
号 G2181BA
• LC/MSD デコンボリューションおよび生物分析データ解析モジュール、製品
番号 G2720BA (LC/MSD ChemStation のみ使用可能 )
12
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
一般的な説明
1
各 ChemStation には、最大 4 台のクロマトグラフ機器を構成できます。分光
検出器 ( 液体クロマトグラフまたはキャピラリ電気泳動用のダイオードアレイ
検出器 ) を持つ機器を構成した場合、1 台の ChemStation で 2 台より多くのダ
イオードアレイ検出器はサポートされず、サポートされる機器の数は 3 台に制
限されます。LC/MS 用の ChemStation を Agilent 1100/1200 シリーズ LC/MS
モジュール ( オプションとして 1 台の Agilent 1100/1200 シリーズ LC または
1090 シリーズ Ⅱ LC と一緒に ) をコントロールするために使用する場合には、
PC 上で他の機器はサポートされません。
データ解析専用の製品
機器を構成できない、データ解析専用の製品は、3 種類用意されています。こ
れらは、オフィス環境でのデータ解析で使用するように設計されています。
• LC 3D データ解析用 ChemStation 製品番号 G2190BA には、ダイオードア
レイスペクトルデータ解析機能と基本データ解析用 ChemStation の機能が
含まれています。
• LC/MSD データ解析用 ChemStation 製品番号 G2730BA には、ダイオード
アレイスペクトルデータ解析機能、質量スペクトルデータ解析機能、および
基本データ解析用 ChemStation の機能が含まれています。
ChemStation の理解
13
1
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ハードウェア
ChemStation ハードウェア
ChemStation ハードウェアの詳細は、『ChemStation のインストール』」マ
ニュアルを参照してください。
14
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
1
ChemStation ソフトウェアについて
オペレーティングシステム
ChemStation は、Microsoft Windows XP Professional SP3 または Windows
Vista Business SP1 オペレーティングシステムを必要とします。
ChemStation のコントロールチャート機能は Microsoft Excel を必要とします。
メソッドとシーケンス
分析メソッドは、特定の分離をどのように実行されるかを記述するものです。
これには、積分、定量およびレポートを含む、機器コントロール、データ取り
込みおよび解析に関するすべてのパラメータが含まれています。システムは、
多数のサンプルから異なるメソッドでデータを取り込むように設定できます。
この種の操作のためのコントロールファイルはシーケンスと呼ばれ、個別のサ
ンプル情報、適切なメソッドの参照、および自動的なリキャリブレーションの
条件が収められています。メソッドおよびシーケンスについての詳細は、「自
動化」27 ページ 図とオンラインヘルプシステムを参照してください。
システムコンフィグレーション
機器システムのコンフィグレーションは、コンフィグレーションエディタプロ
グラムによって行います。これを使えば、使用している機器、その GPIB また
は LAN アドレス、データのディレクトリ、シーケンスとメソッドおよび
ChemStation ソフトウェアの画面で使用する色を定義することができます。詳
細は、追加 ChemStation モジュールに付属しているハンドブックを参照して
ください。
ChemStation の理解
15
1
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
データモデル
ChemStation ソフトウェアは、レジスタと呼ばれるメモリ構造体に基づくデー
タモデルに従って設計されています。レジスタは、多目的の構造体で、分析
データと、2 次元の情報 ( 時間 / 強度など ) および 3 次元の情報 ( 時間 / 強度 /
波長など ) の両方の情報を格納できます。
ChemStation は、レジスタの構築、拡張、抽出、および主要なデータを変更し
ない場合には編集を行うためのコマンドと機能を提供します。詳細は、オンラ
インヘルプとして利用できる『マクロプログラミングガイド』を参照してくだ
さい。
ファイルの命名規則
命名規則
次の規則によって、ChemStation ではファイルとディレクトリで有効な名前の
作成と処理ができます。
以下の文字はファイルまたはディレクトリ名には含めません。
• < > : " / \ | @ % * ? 空白 ( スペース ) など。
インストールフォルダにこれらの文字が含まれていた場合には、解析画面は起
動しません。また、インストールフォルダに「%」文字が含まれていた場合に
は、
「Agilent Chemstation B0.04.01」の一部のショートカットは正しく動作し
ません。
次の規則も適用されます。
表 1
制限された文字
ChemStation パラメータ
文字
メソッドファイル名 :
% アンド .( 小数点 ) は使用できませ
ん
データファイル名 ( プレフィックス / カウンタ )
空白は許可されない
データサブディレクトリおよびシーケンスサブ
ディレクトリ :
[] + = ; , . ( 小数点 ) 空白 ( スペース )
は使用できません
次の予約済みデバイス名は、ファイル名としては使用できません。
16
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
1
• CON、PRN、AUX、NUL
• COMx ( ここで x は 1 ~ 9 の数字 )
• LPTx ( ここで x は 1 ~ 9 の数字 )
また、この名前を拡張子の前に付けることも避けてください (Nul.txt など )。
ノート
英語、日本語、中国語のオペレーティングシステムは、命名規則をテストする
のに使用されます。Agilent では、英語以外のオペレーティングシステムとそ
の特殊文字をサポートしません。
ChemStation のファイル名およびサブディレクトリの最大長
ファイル名およびサブディレクトリの Agilent ChemStation 仕様は、以下に記
載されています。
表 2
ChemStation のファイル名およびサブディレクトリの最大長
データファイル / サブディレクト
リ / パス
最大入
力長
自動付加
例
データファイル名
38
.D
Demodad.d
プレフィックス / カウンタを使用
するデータファイル名
15
.D
longname000001.d
メソッド シーケンス ハイパーシー
ケンス ライブラリ カスタマイズさ
れたレポートテンプレート
40
.M
.S
.HYP
.UVL
.FRP
def_lc.m
def_lc.s
def_lc.hyp
demodad.uvl
areapct.frp
データファイルサブディレクトリ
40
demo ( サンプル情報で )
データシーケンスサブディレクト
リ
40
demo ( シーケンスパラ
メータで )
ChemStation の理解
17
1
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
表 2
ノート
ChemStation のファイル名およびサブディレクトリの最大長
データファイル / サブディレクト
リ / パス
最大入
力長
シーケンスデータコンテナ名
40
データパス
メソッドパス
シーケンスパス
ハイパーシーケンスパス
ライブラリパス
カスタマイズされたレポートテン
プレートパス
100
自動付加
例
test_date_time ( シーケン
ス設定を使用して作成 )
100
c:\chem32\1\data
c:\chem32\1\methods
c:\chem32\1\sequence
c:\chem32\1\hyper
c:\chem32\speclib
c:\chem32\repstyle
データファイル / シーケンス / メソッド名を表示するツールバーは、18 文字ま
で表示できるようにリサイズされています。
ChemStation のすべてのログブックはシステムメッセージを拡張されたフォー
マットでレポートし、情報文字列は複数行に渡って印刷されます。シーケンス
レポートなどの特定のレポートは、すべての情報がレポートテンプレートに収
まるように、ファイル名を切り詰めることがあります。
ソフトウェアユーザーインターフェイス
ChemStation のユーザーインターフェイスは、ビューに分けてデザインされて
おり、ソフトウェアの機能を典型的な分析タスクに従ってグループ化します。
以下の 3 つ標準的なビューは、すべてのソフトウェアコンフィグレーションに
存在します。
• [ メソッド&ランコントロール ] : コントロールと機器からのデータ取り込
み、
• [ データ解析 ] : 取り込んだデータの確認と再解析、
• [ レポートレイアウト ]: 特定のレポートレイアウトの設計
18
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
1
追加データ解析モジュールを注文した場合、または機器診断およびベリフィ
ケーション手順をサポートする特定の機器コンフィグレーションの場合には、
追加のビューが存在します。機器オペレータが、使いやすい、構成済みのテー
ブルからサンプルを分析するのが望ましい場合には、[ChemStation コンパニ
オン ] ビューが利用可能です。
ナビゲーションパネルにはナビゲーションボタンがあり、ChemStation の
ビュー、およびツリーベースの ChemStation エクスプローラの間を素早く切
り替えることができます。ChemStation エクスプローラの内容はビューに応じ
て変わり、異なる ChemStation のエレメントにアクセスできます。
それぞれのビューは、メニューとツールバーを含む、標準的なユーザーエレメ
ントのセットから構成されます。標準的なツールバーを使えば、メソッドや
シーケンスなど、共通のシステム仕様情報に素早くアクセスすることができま
す。[ メソッド&ランコントロール ] ビューには、システムステータスバー、
シングルの分析または自動化された分析に合わせて構成できるサンプル情報エ
リア、および GC、CE および LC コンフィグレーション用の図表的な機器イン
タフェースダイアグラムが付加的に組み込まれています。図表的な機器インタ
フェースダイアグラムはホットスポットを使用しており、機器パラメータや、
各分析の進行に伴いステータスをアニメーション化したグラフィカルな概要に
素早くアクセスすることができます。図表的な機器インタフェースダイアグラ
ムは必要でないときにはオフにすることができ、メモリや Windows の他のリ
ソースを節約できます。
[ データ解析 ] ビューでは、特定のデータ奇跡モードに応じて標準的なツール
バーが拡張されています。これらのデータ分析モードには、積分、キャリブ
レーション、レポート、注釈、シグナル比較、およびモジュールがインストー
ルされている場合には他の特別なモードが含まれます。これら個別のデータ解
析モジュールはそれぞれ、モード固有のツールセットによってサポートされま
す。
[ レポートテンプレート ] ビューを使えば、ユーザーは、特定のレポートスタ
イルのレイアウトを、グラフィカルオブジェクト指向の方法で、グラフィカル
に定義することができます。また、このタスクに固有のツールバーのセットも
使います。
ChemStation の理解
19
1
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
データ取り込み
機器のステータスは、ソフトウェアがウィンドウとして表示されているときで
も、アイコン化されたときでも継続してモニタされ、分析の経過時間とともに
ディスプレイ上で更新されます。エラーおよび分析の開始および終了時の機器
の状態を含む、分析中に生じたトランザクションは、システムのログブックに
記録されます。その摘要が、すべてのデータファイルに保存されます。
液体クロマトグラフの流量、温度、圧力および溶媒の組成など、機器の状態
は、記録されて各データファイルに保存されます。これらの機器パラメータ
は、表示、プロットして、各分析の品質を確認することができます。実際にど
のようなパラメータが記録されるかは、テクニックと構成された機器の性能の
両方に応じて決まります。
機器が取り込んでいるデータをリアルタイムにモニタするために、1 つまたは
複数の表示ウィンドウを使用することができます。データは、mAU、ボルト、
℃または bar など、実際の測定単位で表示されます。ウィンドウはそれぞれ、
複数のクロマトグラフ / 電気泳動シグナル、または圧力などの機器パラメータ
を、重ね書きで表示することができます。表示のデフォルト設定は、調整し、
システムに記憶させることができます。それでユーザーは、自分の設定を機器
のデフォルトとして設定することができます。ウィンドウにはズーム機能があ
り、カーソルは、任意の時点での特定のシグナルのレスポンスを表示するため
に使用することができます。
分析の間も、ChemStation のすべての機能はオフラインコピーを通して使用す
ることができます。取り込みを行っている間、機器のオンラインセッションの
データ解析部分はアクセスできないので、データの確認はオフラインコピーで
実行する必要があります。
分析の完了前にデータの処理を開始したいと思うユーザーは、スナップショッ
ト機能を利用できます。スナップショットは、機器セッションのオフラインコ
ピーで取る必要があります。これはすぐに確認用として表示されます。
図表的な機器インタフェースダイアグラムを含む、シグナルおよびステータス
情報ウィンドウのレイアウトは、自動的に保存されます。
データ取り込みについての詳細は、「データ取り込み」59 ページ 図およびオン
ラインヘルプシステムを参照してください。
20
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
1
データ解析 — 表示
[ データ解析 ] ビューでは、標準的なツールバーが拡張され、積分、キャリブ
レーション、レポート、注釈、およびシグナル比較ツールセットを含む、タス
クグループ化されたデータ解析機能が追加されています。以下のような、主要
グラフィカル操作が可能です。
• クロマトグラム / エレクトロフェログラムを読み込んだときには、単一また
は複数シグナルの表示が選択可能です、
• 異なるサンプルからのクロマトグラム / エレクトロフェログラムを重ね書き
できます、
• あるクロマトグラム / エレクトロフェログラムから他のものを減算すること
ができます、
• 視覚的に比較しやすくするために、シグナルを縦または横に並べられます、
• 視覚的に比較しやすくするために、シグナルを上下または左右に反転できま
す、
• グラフィカルなズームおよびスクロール機能があります、
• チックマーク、ベースライン、軸、リテンション / マイグレーションタイム
および化合物名を含む、表示属性を調整できます。( ユーザーは、RT および
化合物ラベルのフォントの選択、表示のサイズと向きの調整、表示を重ね書
きするか別々に表示するかの選択、および倍率の選択を行えます )、
• クロマトグラム / エレクトロフェログラム表示には、構成された機器の性能
に応じて、機器パラメータをグラフィカルに重ね書きしたものを含めること
ができます、
• ユーザー定義の注記を、フォント、サイズ、テキストの回転および色を選択
して、表示に対話的に追加することができます ( いったん定義した注記は、
グラフィカルに移動、編集または削除できます )、
• ディスプレイを Windows のクリップボードに、メタファイルとビットマッ
プの両方の形式でコピーできます、
• ピックモード機能を使って、個別のデータポイントの値を検出器の単位で表
示できます、そして
• デジタル化された時間 / 強度のポイントを Microsoft Windows のクリップ
ボードにエクスポートできます。
ChemStation の理解
21
1
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
データ解析 — 積分
ChemStation のインテグレータアルゴリズムは、耐久性、信頼性および使いや
すさに焦点を当てた、新しい世代の 2 番目のバージョンです。
データ解析 — 定量
ChemStation のデータ解析ビューのキャリブレーション モードを使えば、次
のものを同時に表示することができます。
• キャリブレーション中のシグナルと、現在の化合物のリテンション / マイグ
レーションタイムウィンドウの表示、
• キャリブレーションパラメータの包括的な選択によって表示を構成できる
キャリブレーションテーブル、および
• キャリブレーション中の化合物のキャリブレーションカーブ。
すべてのキャリブレーションモードウィンドウはリンクしているので、いずれ
かを変更すれば、自動的に他のものに反映されます。このモードを使えば、
キャリブレーションデータをグラフィカルに選択して、修正できます。
定量は、ピーク面積または高さから計算された %、標準化された %、外部標
準、外部標準の %、内部標準、および内部標準の % 計算に基づいて行われま
す。キャリブレーションはマルチレベルで行うことができ、複数の内部標準定
義を含めることができます。キャリブレーション履歴は自動的に保存され、リ
キャリブレーション計算の重み付けに使用されます。
キャリブレーションと定量についての詳細は、「キャリブレーション」141
ページ 図を参照してください。
データ解析 — データレビュー、データ再解析およびバッチ
レビュー
データ解析ビューでは、次の 2 つの追加ツールセットを使用できます。
• ナビゲーションテーブル
• バッチレビュー
22
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
1
ナビゲーションテーブルでは、次のような、いくつかの主要なグラフィカル操
作が可能です。
• ソート、オプションのドラッグアンドドロップ、カラムの選択、希望するナ
ビゲーションテーブルのコンフィグレーションを指定するための項目のグ
ループ化などの、標準のテーブルコンフィグレーション機能
• シグナルの読み込み、シグナルの重ね書き、データのエクスポート、レポー
トのプリントを行うための、右マウスクリック機能
• ナビゲーションテーブル内の行を拡張することによる、シグナルの詳細のレ
ビュー
• 読み込まれたメソッドまたは個別のデータファイルメソッド DA.M を使用す
る、シグナルのレビューと ChemStation レポートの作成 ( マニュアル積分
イベントのレビューなど )
• シーケンスデータの再解析 (ChemStation Rev. B.02.01 以降から取り込んだ
シーケンスデータ )
バッチレビューでは、次のような、主要なグラフィカル操作が可能です。
• ( キャリブレートされた ) データファイルの自動またはマニュアルのレ
ビューと再解析の定義
• キャリブレーションテーブルのリキャリブレーション
• キャリブレートされたメソッドの化合物テーブルのレビュー
• 特有のバッチレポートの作成
データ解析 — 標準的なレポート
サンプルレポート用のユーザー定義可能なレポートスタイルの標準的なセット
は、レポートの指定画面から選択できます。それぞれの標準的なレポートタイ
プは、標準の情報グループと、オプションの情報グループを含んでいます。
使用可能なレポートスタイルについての詳細は、「ChemStation レポートの使
用」217 ページ 図を参照してください。
ChemStation の理解
23
1
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
データ解析 — 特殊レポート作成
ChemStation は、より特殊化したレポートのセットを必要とするアプリケー
ション用に、高度なレポート機能も含んでいます。これには、分離の品質につ
いての統計、サンプルとユーザー定義のレポートレイアウトの間での傾向分析
を含むレポートが含まれます。
システムスータビリティレポート
システムスータビリティレポートを使えば、個々の分析に対するシステムのパ
フォーマンスパラメータをレポートすることができます。これらのレポートに
は 3 つのバリエーション、つまりスタイルがあります。
標準性能レポートは、次の内容を含むキャリブレーションされていないメソッ
ドのパラメータを印刷します。
• リテンション / マイグレーションタイム
• 容量ファクタ (k’)、
• ピーク面積
• ピーク高さ
• 対称性
• 真の半値幅、
• プレート数の効率、
• 分離度、および .
• 選択性。
キャリブレートされたメソッドの場合には、ピーク面積、ピーク高さ、選択性
のカラムの代わりに、化合物名とアマウントが表示されます。
レポートのヘッダーには、標準のヘッダーおよびフッター、サンプル情報ブ
ロック、分析カラムパラメータ、およびオプションとしてクロマトグラム / エ
レクトロフェログラムのプロットが含まれます。
パフォーマンスとノイズスタイルでは、シグナルノイズの解析が、最大 7 つの
ユーザー定義の解析範囲で、パフォーマンスレポートスタイルのデータに追加
されます。ノイズパラメータは、ピークまたはキャリブレートされた化合物ご
との S/N 比、およびシグナルごとのノイズテーブルとしてレポートされます。
各ノイズテーブルには、6 倍の標準偏差、ピーク to ピーク、ASTM メソッド、
およびうねりやドリフトが含まれます。
24
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
1
拡張パフォーマンススタイルでは、ピークの開始と終了時間、半値幅とベース
ラインをグラフィカルに示す、個別のピークごとのプロットを追加します。こ
のスタイルには、標準のパフォーマンスレポートでレポートされるものに加え
て、次のパラメータが含まれます。
• 面積、高さおよびアマウント、
• 歪み、
• 超過、
• USP テーリングファクター、
• データポイント間の時間間隔およびピーク上のデータポイント数、
• 統計モーメント (M0 ~ M4)、
• 真の、5 シグマ、タンジェントおよびテーリングメソッドで計算された半値
幅、および
• 半値幅、5 シグマ、タンジェントおよび統計メソッドで計算されたプレート
数 / カラムおよびプレート数 / メートル。
ユーザーは、自分自身のノイズ解析範囲と、これらのパフォーマンス基準の受
け入れ可能な限界を定義できます。ユーザー定義による受け入れ可能な限界値
は、レポートに表示されます。
システムスータビリティの計算についての詳細は、「システムスータビリティ
の解析」233 ページ 図を参照してください。
シーケンスサマリレポート
シーケンスサマリレポートは、一連の自動分析の最後に生成されます。そのア
プリケーションの範囲は、分析されたサンプルの短いサマリから、同じメソッ
ドで分析された異なるサンプルの間の、ユーザーが選択したパラメータのグラ
フィカルで詳細な定量性または傾向分析にまで及びます。
シーケンスサマリレポート作成についての詳細は、オンラインヘルプシステム
と「シーケンスサマリレポート」229 ページ 図を参照してください。
カスタマイズレポート
カスタマイズレポートデザインビューは、自分独自のレポートの内容を定義す
ることを望むユーザーのために、ChemStation に含まれています。ユーザー
は、一般的なサンプル情報、シグナル、積分や定量分析の結果の情報を含むレ
ポートのレイアウトを、グラフィカルに定義できます。ユーザーは、テキス
ト、テーブル、グラフィックスなどの個々のエレメントを定義し、それらを情
ChemStation の理解
25
1
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
報セクションで整理し、定義された各エレメントの相対位置、サイズ、向きを
グラフィカルに調整することができます。個々のセクションは、追加、削除、
並べ替え、ネストが行えます。
ユーザーは、各ページに表示されるヘッダーとフッター、レポートのタイムス
タンプ、page x of y 形式でのページ番号を定義できます。任意の ChemStation
またはユーザー定義のパラメータを、レポートの情報として含めることができ
ます。
レポートをデザインしたら、特定のメソッドと関連付けて、特定のタイプの分
析のデフォルトのレポートフォーマットにすることができます。
カスタマイズレポートは、画面、プリンタ、およびファイルに出力できます。
画面へのレポートにはグラフィックが含まれます。
レポートのレイアウトについての詳細は、オンラインヘルプシステムを参照し
てください。
コントロールチャートレポート
ChemStation ソフトウェアには、コントロールチャート機能が含まれていま
す。この機能をインストールして選択すると、ユーザーは、メソッドの毎回の
実行時に、化合物の選択したパラメータを自動的に追跡することができます。
これらのパラメータは次の通りです。アマウント、レスポンスファクタ、リテ
ンションタイム / マイグレーションタイム、面積。
これらのカスタムおよびコントロールチャートレポートについての詳細は、オ
ンラインヘルプシステムを参照してください。
ユーティリティと互換性
一般
ChemStation は、データファイルを Analytical Instrument Association (AIA),
revision 1.0, copyright 1992 の andi (Analytical Data Interchange) クロマトグ
ラフフォーマットでインポートおよびエクスポートできます。データのイン
ポートはコンプライアンスレベル 1 ( サンプル情報およびシグナルデータ ) で、
データのエクスポートはコンプライアンスレベル 2 ( サンプル情報、シグナル
データおよび積分結果 ) でサポートされています。
26
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
1
ChemStation には、Microsoft Windows プラットフォームの動的データ交換
(DDE) 規格をサポートするコマンドと機能が、DDE クライアントおよび DDE
サーバーの両方として含まれています。コマンドセットには、接続の確立と終
了、双方向の転送情報、およびリモート関数の実行のためのコマンドが含まれ
ています。
カスタマイズ
ChemStation は、強力なコマンドセットを使用してカスタマイズすることがで
きます。これらのコマンドはグループ化して、特定の機能を自動的に実行でき
ます。このようなグループはマクロと呼ばれます。マクロを記述するユーザー
は、自分独自の変数の定義、条件およびループ構造の作成、ファイル処理およ
びユーザー対話を含む物理 I/O の実行、マクロのネスト、スケジュール設定、
および他の MS-DOS または Microsoft Windows アプリケーションとのデータ
交換を行えます。
カスタマイズについての詳細は、オンラインヘルプとして利用できる『マクロ
プログラムガイド』を参照してください。
自動化
ChemStation はマルチメソッドのシーケンスを実行できます。
シーケンスパラメータは、自動生成されたファイル、または 15 字までのユー
ザー定義のプレフィックスを持つ連番ファイルを使用するように定義できま
す。ユーザーは、完全な分析を実行するか、またはデータ再解析だけのシーケ
ンスを実行するかを選択できます。また、エラーが生じた、またはすべての分
析が完了した後のシーケンスの終了時に実行するものとして、シャットダウン
コマンドに固有の一連のテクニックのいずれか、またはユーザー定義のシャッ
トダウンマクロを選択することができます。
シーケンステーブル、つまり実行する分析のリストは、表計算に似たユーザー
インタフェース内で構築することができ、ユーザーは、バイアル番号およびサ
ンプル名、分析メソッド、またサンプルアマウント、倍率や希釈率、キャリブ
レーションの指定、データ交換パラメータ LIMSID および繰り返し注入の回数
を含む、サンプル定量パラメータを指定できます。構成された機器及びモ
ジュールによっては、他のフィールドにアクセスできます。たとえば、Agilent
1100/1200 LC システムにフラクションコレクタが含まれている場合には、
ChemStation の理解
27
1
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
シーケンステーブルに [ フラクション開始 ] カラムが表示されます。シーケン
ステーブルの外見は、ユーザーが構成できます。ユーザーは、テーブル内の
個々のセル間をジャンプできます。また、個々のセル、行全体、または一連の
行をカットまたはペーストして、シーケンスを効率的または素早く構築するこ
とができます。
サンプルは、シーケンステーブル内で不明、キャリブレーション、またはコン
トロールサンプルタイプとして識別できます。サンプルタイプは、次のよう
に、サンプルの特別な解析処理を決めます。
• 不明なサンプルは、メソッドの指定に従って解析され、レポートされます。
• キャリプレーションサンプルは、後述するように、メソッドの定量化合物を
リキャブレートするために使用されます。そして
• コントロールサンプルは、メソッドで定義された各成分の限界に基づいて解
析されます。結果が、指定されたパラメータ範囲外になった場合には、シー
ケンスの実行は停止されます。
キャリブレーションサンプルは、シンプル、反復またはブラケットとして定義
されます。シンプルリキャブレーションは、シーケンスでキャリブレーション
サンプルが定義されるたびにリキャブレーションが行われることを意味しま
す。反復リキャリブレーションは、一連の不明物の分析中に、定義された間隔
で行われることを意味します。一連の不明なサンプルをブラケットすると、2
つのキャリブレーションセットが分析されます。それから、不明なサンプルの
定量レポートは、2 つのキャリブレーションセットを平均したキャリブレー
ションテーブルを使用して、計算されます。
部分シーケンス機能を使えば、ユーザーは、シーケンスの実行の順序を確認で
きます。また、個々のサンプルエントリを選択して、再分析または再解析する
ことができます。すでに取り込んだデータの再解析を行う場合、ユーザーは、
再解析で元のサンプル定量データを使用するか、それともシーケンスのサンプ
ルテーブルに入力された新しいデータを使用するかを指定できます。
シーケンスは、他のメソッドで単一の注入プライオリティサンプルを分析する
ように一時停止して、それから、自動化を中断せずに再開することができま
す。サンプルは、シーケンスの実行中にシーケンステーブルに追加することが
できます。
シーケンスと部分シーケンステーブルは、両方とも印刷できます。
シーケンスについての詳細は、「自動化」161 ページ 図およびオンラインヘル
プシステムを参照してください。
28
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
1
GLP
ChemStation は、国際的に認識されるデザインおよび開発標準で開発され、特
に、標準化された環境でユーザーが操作する上で助けとなる多くの機能を持っ
ています。これらの機能は、メソッドが意図した使用に適しているかどうかに
ついての、完全なメソッド指定とバリデーションの分野に関するもので、その
システムの操作をチェックし、データの追跡可能性、オリジナリティ、品質を
確保することができます。
開発プロセス
各ソフトウェアパッケージに付属するバリデーション証明書には、ソフトウェ
ア開発および開発サイクルの一部として実行されたテストステップについて記
述されています。開発プロセスは、ISO 9001 品質規格に登録されています。
これは、バリデーションバインダー Agilent ChemStation for LC に、オンサイ
トリバリデーションプロトコルとともに記述されています。
メソッドの指定と使用
• グローバルなメソッド - 1 箇所に保存されている、機器およびデータ解析の
指定全体です。メソッドには、定量の結果がキャリブレートされた範囲外に
適用されていないかどうかチェックするための、個別の化合物範囲の指定が
含まれています。
• メソッドの変更履歴ログ機能を使えば、検証されたメソッドのユーザーは、
メソッドがいつどのように変更されたかを自動的に記録することができま
す。ユーザーは、オプションとして、変更履歴ログにコメント理由を追加で
きます。変更履歴ログは、自動的に、メソッドの一部としてバイナリ形式で
保存されます。レコードが許可されていない仕方でアクセスされるのを防ぐ
ため、レコードは、後述の方法で、ユーザーアクセススキームによって保護
されています。変更履歴ログは表示し、印刷することができます。
• データ解析定量のセクションで説明しているように、クロマトグラフ / エレ
クトロフェログラムの数およびシステムパフォーマンスパラメータについ
て、各メソッドの化合物単位で制限を割り当てることができます。これらの
パラメータ範囲を超える結果は、自動化のセクションで説明しているよう
に、自動化シーケンスの実行をコントロールするために使用されます。これ
らは、適切な分析レポートに示されます。
• システムパフォーマンスまたはスータビリティレポート ( 前述のレポートの
セクションを参照 ) では、分離の品質についての詳細な分析が提供されてい
ます。
ChemStation の理解
29
1
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
ChemStation は、オペレータレベルとマネージャレベルという、2 つのユー
ザーアクセスレベルにアクセスを制限するように構成できます。マネージャレ
ベルはパスワードで保護することができ、ChemStation のすべての機能にアク
セスできます。オペレータレベルは、ユーザーを、主要な機能と、分析メソッ
ドで定義された実行操作に制限します。オペレータレベルは、研究室での通常
の分析で使用するためのものです。特に、ユーザーがメソッドを修正したり、
新規作成したりするのを防ぎます。
メソッドの堅固さ
シーケンスサマリレポート (「シーケンスサマリレポート」229 ページ 図を参
照 ) には、メソッドの堅牢性をテストするための手段が用意されています。
ユーザーが選択した基準に対する拡張フォーマットレポートは、傾向チャート
としてレポートされ、実際的な操作の限界を決定するために使用することがで
きます。その後、これらの限界をメソッドに組み込んで、コントロールサンプ
ルの分析中、メソッドが指定した範囲内で運転するようにすることができま
す。
システム操作
ChemStation ベリフィケーションキットは、標準ソフトウェアの一部で、テス
トを実行したときに生成された結果と前もって記録された既知の値とを比較す
ることにより、ソフトウェアのデータ解析部が正しくインストールされて、動
作しているかどうかを、自動的にチェックします。ベリフィケーションキット
を使えば、ユーザーは、自分独自のデータファイルとメソッドを定義して、テ
ストの基礎とすることができます。
データの追跡可能性、オリジナリティおよび品質
ランタイムログブックには、システム全体のトランザクションログが記録され
ています。これにはまた、異常なイベント ( エラーや分析中のパラメータ変更
など ) や、分析前後の機器の状態が記録されます。関連するログブックの摘要
のコピーは、それぞれのデータファイルに保存されます。
圧力、流量、および温度など、それぞれの分析中に生じた実際の機器の状態
は、構成された機器がこの機能をサポートしている場合には記録されます。
データはそれからクロマトグラム / エレクトロフェログラムとともに表示し
て、特定の分析中の機器の実際の状態を示すことができます。またこれは、レ
ポートにも含められます。
30
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ChemStation ソフトウェアについて
1
データファイルとともに保存されたメソッドは、分析時の実際のメソッドを記
録するので、後ほど、レポートされたデータを完全に再構成することができま
す。メソッドは、すべての分析ステップが完了すると、保存されます。
すべてのレポートには、タイムスタンプと、追跡可能なページ番号 (page x of
y の番号付けスタイル ) が付けられます。ユーザーは、レポートごとに、詳細
さのレベルを、簡単なサマリレポートから、完全なシステムの詳細に至るまで
選択することができます ( 前述の「レポート」セクションを参照してください
)。
メソッドコンフィグレーションの一部として指定された GLP Save レジスタ
ファイルは、サンプル情報、データ解析メソッド、クロマトグラフ / エレクト
ロフェログラムシグナル、機器の状態、積分と定量の結果、レポートデータお
よび分析ログブックを含む、オリジナルのすべてのデータを、1 つのチェック
サムで保護されたバイナリファイルに保存します。これは編集不可のバイナリ
形式で、結果のオリジナリティを確保します。ファイルには、データが再解析
されたかどうかを示すリビジョニングスキームが含まれます。
コントロールサンプルタイプは、シーケンステーブルで定義することができ、
機器を無人で動作させるときに、機器のパフォーマンスを、品質コントロール
サンプルの結果を基にして自動的にチェックするために使用できます。結果
が、ユーザーが指定した受け入れ可能な範囲内に入らなかった場合には、機器
の自動実行は停止されます。
ChemStation の理解
31
1
Agilent ChemStation の機能
機器コントロール
機器コントロール
ChemStation の機器コントロール機能は、追加機器モジュールをご購入いただ
くと、複数の機器、複合技術コンフィグレーションに対応するように拡張でき
ます。詳細は、追加 ChemStation モジュールに付属しているハンドブックを
参照してください。
ネットワーク
ChemStation は、IEEE 802.3 CSMA/CD 仕様に基づき、Agilent の
LanManager ソフトウェア、Microsoft Windows XP Professional、Microsoft
Windows Vista Business 製品でテストおよびサポートされています。これは、
Microsoft Windows のプログラム規格と互換なものであれば、どのネットワー
クソフトウェアとも互換であるはずです。
これらの製品を使えば、ChemStation で、プロッタやプリンタのような物理デ
バイスを研究室の他のコンピュータと共有し、また、データファイルやメソッ
ドのような情報を共有することができます。
クライアント / サーバー
ChemStation ソフトウェアは、適切なネットワークサーバーにインストールし
て、必要なときにクライアントの PC にダウンロードすることができます。各
クライアントに固有なコンフィグレーションにより、異なるテクニックと個別
のユーザーに適した環境を確保することができる一方で、一元化されたソフト
ウェアインストールにより、1 つの作業環境内の同一の ChemStation インス
トールの複数のコピーを管理するという負担を軽減することができます。
LAN ベースの機器コントロール
ChemStation ソフトウェアは、Agilent 7890 GC、Agilent 6890 GC、Agilent
35900E A/D コントロールモジュールおよび Agilent 1100/1200 シリーズ LC 用
に、LAN ベースの機器コントロールおよびデータ取り込み機能を提供してい
ます。これらを、ChemStation PC が存在する LAN に接続すれば、機器を容易
にコントロールし、モニタできます。この方法により、ChemStation PC を、
コントロールしている機器とは別の場所に配置することができます。
32
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
マニュアル
1
マニュアル
マニュアルのセットには、次のものについての固有のセクションが含まれてい
ます。
• ChemStation ソフトウェアのインストールと学習、
• ChemStation ソフトウェアの使用方法、
• ソフトウェアの動作の原則の理解、および
• ChemStation のカスタマイズです。
インストールと学習
ChemStation のそれぞれのソフトウェア製品には、インストールマニュアルが
付属しています。これには、PC ハードウェアとソフトウェアの要件、機器イ
ンタフェースのインストール、ChemStation のインストール、およびインス
トールの適格性確認の主要なステップの詳細が含まれています。. インストー
ルマニュアルは購入したコンフィグレーションに固有のもので、トラブル
シューティング、システムの記録、およびシステムメンテナンスのアドバイス
が含まれていることもあります。
ソフトウェアの使用方法、
一般のユーザー用に、付加的な 2 種類のオンライン情報のカテゴリが用意され
ています。
ChemStation には、包括的でウィンドウスタイルの、索引の付いた状況依存型
のオンラインヘルプが含まれています。このシステムにより、各画面の詳細な
説明と、画面上のパラメータの意味を見ることができます。適切な箇所では、
詳細な説明にグラフィックスが付いています。これらは、Windows のクリッ
プボードにコピーすることができ、ユーザー自身のドキュメントに組み込んだ
り、印刷したりすることができます。
オンラインヘルプにはオンラインチュートリアルが含まれており、自分自身の
メソッドやデータを扱いながら、ソフトウェアについて学べます。これによ
り、データ取り込みとデータ解析の最初のステップの概要を知ることができま
す。
ChemStation の理解
33
1
Agilent ChemStation の機能
マニュアル
オンラインヘルプの使い方の部分には、システムが正しく設定されていること
を確認したいと思う、経験の少ないユーザーの助けとして、より複雑な技術固
有のタスクと、クロマトグラフ共通のタスクのチェックリストも含まれていま
す。これらのチェックリストは、詳細なオンラインヘルプの情報に直接リンク
されています。
原則の理解
ChemStation の理解マニュアルでは、ソフトウェアの操作およびデータ操作で
使用されるアルゴリズムについての原則が説明されています。
カスタマイズ
ChemStation の操作をカスタマイズしたい、または付加的な機能を追加したい
と思う経験を積んだユーザーは、マクロを書くことができます。
オンラインヘルプで利用できる、主要なリファレンスマニュアルであるマクロ
プログラミングガイドには、機能例の包括的なセットと、内部データタイプと
構造体の完全な説明が含まれています。
ChemStation の [ ヘルプ ] メニューまたは [ コマンド表示 ] ダイアログボック
スから直接アクセスできるコマンドヘルプファイルは、プログラマの機能リ
ファレンスです。これには、構文とパラメータについての説明、および多くの
コマンドの使用方法を示すマクロ例が含まれています。オンラインなので、
ユーザーは例とコマンド構文を、自分自身のマクロソースファイルにコピーす
ることができます。
34
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ChemStation のディレクトリ構造
1
ChemStation のディレクトリ構造
次の例は、ChemStation のディレクトリ構造を示しています。これは、構成さ
れたすべての機器で共有されるディレクトリと、機器固有のディレクトリから
なっています。ソフトウェアインストールプログラムは、構成された機器ごと
に、ChemStation ディレクトリ ( デフォルトでは CHEM32) のサブディレクト
リを、機器番号を付けて作成します。このサブディレクトリには、デフォルト
でこの機器のデータ、メソッド、シーケンスが保存されます。プレファレンス
を使えば、データ、メソッド、シーケンス用の付加的なサブディレクトリを追
加できます。その後、ChemStation エクスプローラから、新たに追加された場
所に移動して、データ、メソッド、シーケンスを読み込むことができます。.
新たに追加した場所は、ChemStation のメニュー項目内の各選択ボックスでも
利用できます ( たとえば、シーケンスパラメータのパス設定など )。
ChemStation のサブディレクトリは次の通りです。
ChemStation の理解
35
1
Agilent ChemStation の機能
ChemStation のディレクトリ構造
8=:B('
G:EHINA:
8DG:
E>8IJG:H
AVc\jV\Z
]ZaeZcj
&%')
-%%
IddaWVgHjeedgi;^aZh
A8
<8
8:
BH
>FI
9G>K:GH
AVc\jV\Z
-%%
IddaWVgHjeedgi;^aZh
<8>
GVe^Y
&
I:BE
96I6
9:BD
B:I=D9H
9:BD
H:FJ:C8:
K:G>;N
heZXa^Wh
図 1
36
ChemStation のディレクトリ構造
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ChemStation のディレクトリ構造
表 3
1
ChemStation サブディレクトリ
ディレクトリ
目次
Chem32
このディレクトリは、ChemStation ソフトウェアを設定お
よび起動するためのプログラムから構成されています。
これは、PATH 変数の一部である必要があります。代わり
を指定しない限り、プログラムをインストールすること
でこのディレクトリは自動的に追加されます。
REPSTYLE
レポートテンプレートエディタを用いて定義されるレ
ポートテンプレートに使用されます。
CORE
すべてのクロマトグラフ / エレクトロフェログラム機器
構成で共有されるソフトウェアの中心コンポーネントに
使用されます。これは ChemStation の作業用ディレクトリ
です。
PICTURES
ChemStation で必要とされるグラフから構成されます。
Language
ソフトウェアのこの部分の言語固有のコードに使用され
ます。
1024, 800, ToolbarSupport
Files
グラフィカルユ ― ザーインターフェース用の初期ファイ
ルから構成されます。変更しないでください。
helpenu
該当するソフトウェア部分のヘルプファイルの英語 ( 米国
) 版に使用されます。
BACKUP
インストール中の古いファイルのバックアップコピーに
使用されます。
DRIVERS
機器ドライバーから構成されます。
1
設定された機器 (1 ~ 4) に使用されます。このサブディレ
クトリは、DATA、METHODS、SEQUENCE、VERIFY、TEMP
の 5 つの追加サブディレクトリから構成されます。
DATA
分析のデフォルト結果ディレクトリから構成されます。[
サンプル情報 ] または [ シーケンスパラメータ ] ダイアロ
グボックスを用いて定義することで、作業に合ったサブ
ディレクトリを持つディスクを作成する場合、より多く
のサブディレクトリを構成することもできます。結果
ディレクトリは、.D 拡張子の付いた名前で識別されます。
データファイルの構造についての詳細は、「データ取り込
み」59 ページ 図を参照してください。[ プレファレンス ]
を用いて、追加データパスを追加できます。
ChemStation の理解
37
1
Agilent ChemStation の機能
ChemStation のディレクトリ構造
表 3
38
ChemStation サブディレクトリ
ディレクトリ
目次
METHODS
.M 拡張子の付いたデフォルトマスターメソッドディレク
トリから構成されます。目次の詳細は、
「メソッドのディ
レクトリ構造」51 ページ 図を参照してください。[ プレ
ファレンス ] を用いて、追加メソッドパスを追加できま
す。
SEQUENCE
シーケンステンプレートのデフォルトパスから構成され
ます。これらのディレクトリのシーケンステンプレート
には、.S 拡張子が付いています。[ プレファレンス ] を用
いて、追加シーケンスパスを追加できます (「プレファレ
ンス - シーケンスタブ」165 ページ 図 と 「シーケンスパ
ラメータ」167 ページ 図 を参照してください )。
VERIFY
データファイル、メソッド、レジスタ (.REG) ファイルで共
有されるデータ解析の結果から構成されます。これらの
ファイルにより、オンラインヘルプで説明された
ChemStation ベリフィケーション作業を実行します。各ベ
リフィケーションテストに、一組のデータ、メソッド、
レジスタファイルが使用されます。
TEMP
TEMP サブディレクトリは、一時作業用ファイルとログ
ブックファイルから構成されます。たとえば、機器 1 の
場合、オンラインログブックは INSTR1.LOG と呼ばれ、オ
フラインログブックは INSTR1-2.LOG と呼ばれます。
LC、GC、CE、MS
INI ファイルなどの機器ドライバ固有のコード
IQT
IQT レポート作成に必要なファイルから構成されます。
speclibs
スペクトルライブラリから構成されます。
ChemStation の理解
Agilent ChemStation の機能
ナビゲーションペイン
1
ナビゲーションペイン
ChemStation ビューの左側にあるナビゲーションパネルは、主要な
ChemStation 要素の多くへのアクセスを高速化するためや、ビューを素速く切
り替えられるように設計されています。ナビゲーションパネルには、ツリー
ベースの ChemStation エクスプローラと、構成可能なボタンエリアがありま
す。これにはまた、ChemStation ワークスペースが妨げられないようにするた
めの自動非表示機能があり、ナビゲーションボタンエリアのサイズ変更、およ
び再配列などの標準的な機能も提供しています。
ナビゲーションボタン
特定のナビゲーションボタンをクリックすれば、ChemStation のビューを切り
替えることができます。ナビゲーションボタンのセクションは最小化、拡張、
再配置が行えます。
ChemStation エクスプローラ
ナビゲーションパネルの内容は、ビューに応じて変わります。[ メソッド & ラ
ンコントロール ]、[ データ解析 ] および [ レポートレイアウト ] では、
ChemStation エクスプローラを使えば他の ChemStation エレメントにナビ
ゲートできます。デフォルトでは、データ、メソッドおよびシーケンスのこれ
らのエレメントは、コンフィグレーションエディタの設定に基づいています。
これらの項目の場所は拡張できます。また、メソッド、シーケンス、データの
場所の新しいノードは、[ 表示 ] メニューの [ プレファレンス ] オプションを使
用して指定できます。
表 4
ナビゲーションパネルの項目
ナビゲーションボタン
ChemStation エクスプローラ要素
メソッド&ランコントロール
シーケンステンプレート / マスターメソッド
データ解析
データ / マスターメソッド
レポートレイアウト
マスターメソッド
ChemStation の理解
39
1
Agilent ChemStation の機能
ナビゲーションペイン
表 4
40
ナビゲーションパネルの項目
ナビゲーションボタン
ChemStation エクスプローラ要素
ベリフィケーション (LC および
LC/MS)
ベリフィケーションビュー固有のショートカッ
ト
診断 (LC および LC/MS)
診断ビュー固有のショートカット
チューン (LC/MS)
チューンビュー固有のショートカット
ChemStation の理解
ChemStation の理解
2
メソッド
メソッドの詳細
42
メソッドの各部分 43
メソッド情報 43
機器コントロール 43
データ解析 43
ランタイムチェックリスト
44
メソッドのステータス 46
保存されたメソッド 46
現在のメソッド 47
メソッドの作成
48
メソッドの編集 49
メソッドの編集可能な部分
メソッドのディレクトリ構造
49
51
メソッドの実行時に行われる事柄 52
メソッド操作 52
プレランコマンドまたはマクロ ( ランタイムチェックリスト
) 53
データ取り込み ( ランタイムチェックリスト ) 53
データ解析 ( ランタイムチェックリスト ) 54
カスタムデータ解析 ( ランタイムチェックリスト ) 55
GLP データ保存 ( ランタイムチェックリスト ) 55
ポストランコマンドまたはマクロ(ランタイムチェックリスト
) 56
データファイルにメソッドのコピーを保存(ランタイムチェッ
クリスト ) 56
メソッドの実行時に行われる事柄 52
メソッド操作のまとめ
57
本章では、メソッドのコンセプトと扱い方について説明します。
Agilent Technologies
41
2
メソッド
メソッドの詳細
メソッドの詳細
メソッドには、取り込みやデータ解析のためのすべてのパラメータと、特定の
サンプルのプレランおよびポストランタスクからなります ( 必要な場合 )。
利用可能なメソッド (*.m) ファイルは、ChemStation エクスプローラに表示さ
れます。素早く簡単にナビゲーションできるように、[ プレファレンス ] ダイ
アログボックスの [ パス ] タブを用いて、追加のメソッドの場所を
ChemStation エクスプローラの選択ツリーに追加できます。
42
ChemStation の理解
メソッド
メソッドの各部分
2
メソッドの各部分
メソッドは、40 字までの英数字によって識別されます。メソッドであること
を示すために、ファイル名には必ず .M という拡張子が付けられます。メソッ
ドは、メソッドのコンポーネントに関連した個々のファイルを含むディレクト
リとして保存されます。
メソッドは、次の 4 つのコンポーネントから構成されます。
• メソッド情報、
• 機器コントロール、
• データ解析、および
• ランタイムチェックリストです。
メソッド情報
このセクションでは、メソッドについての説明となる情報を定義します。
機器コントロール
機器またはそのコンポーネントをコントロールするパラメータを定義します。
LC 機器の場合には、移動相の組成、流率、注入量、検出器の波長などのパラ
メータが、ポンプ、インジェクタ、検出器をコントロールします。GC 機器の
場合には、注入口の温度、注入口の圧力、パックドカラムの流量設定などが、
機器をコントロールします。
データ解析
データ処理をコントロールするパラメータを定義します。
ChemStation の理解
43
2
メソッド
メソッドの各部分
シグナル詳細
データ解析で使用するシグナルとそのプロパティを定義します。
積分イベント
クロマトグラム / エレクトロフェログラムの特定のリテンション / マイグレー
ションタイムで生じるタイムイベントを定義します。これらのタイムイベント
は、シグナルが積分される方法を変更するために使用されます。
ピーク同定
クロマトグラム / エレクトロフェログラムでのピークの識別に関連したデータ
処理パラメータを定義します。
ピーク定量
各ピークに対応するサンプル成分のアマウントまたは濃度を決める定量計算に
影響する、データ処理パラメータを定義します。
キャリブレーションおよびリキャリブレーション
キャリブレーションとそれが行われる頻度に影響するデータ処理パラメータを
定義します。
カスタムフィールド
メソッドに使用できるカスタムフィールドに関連するサンプルまたは化合物の
プロパティを定義します。カスタムフィールドにより、サンプル中のサンプル
または化合物にカスタム情報を追加できます。
レポート
分析後に印刷されるレポートの形式を定義します。
ランタイムチェックリスト
メソッドの実行時に、メソッドのどの部分が実行されるかを定義します。
ランタイムチェックリストは、次の目的で使用できます。
44
ChemStation の理解
メソッド
メソッドの各部分
2
• データを取り込み、保存、処理して、レポートを生成する、
• メソッドの一部だけを実行する、
• データを取り込み、保存して、解析は行わない、
• 既存のデータファイルを再解析する、
• データ解析、プレランおよびポストラン処理のために自分自身のマクロを使
用する、
• 解析の結果を、GLP の目的でレジスタに保存する。
ChemStation の理解
45
2
メソッド
メソッドのステータス
メソッドのステータス
メソッドは、保存されたメソッドまたは現在読み込まれているメソッドの 2 つ
の状態で存在する可能性があります。
保存されたメソッド
コンピュータのディスクに保存されたメソッドがあります。保存されたメソッ
ドは、40 字までの英数字に .M という拡張子が続く名前を持ちます。
ChemStation では、メソッドは以下の最大 3 箇所に保存されます。
• マスターメソッドは methods のサブディレクトリに保存され、
ChemStation エクスプローラのメソッドのノードで使用できますが、デー
タコンテナとは直接関連はありません。
• シーケンスを実行する場合 ( オプション「ユニークなフォルダ作成オン」を
用いて ) (「プレファレンス - シーケンスタブ」165 ページ 図 を参照 )、シー
ケンスで使用されるすべてのマスターメソッドのコピーを、シーケンスデー
タファイルとともにシーケンスデータコンテナに保存します。これらのメ
ソッドは直接シーケンスにリンクされ、シーケンスが再解析される場合にも
使用されます。これらのメソッドへの変更は、マスターメソッドには影響し
ません。変更は、シーケンスが再解析される間にシーケンスコンテナメソッ
ドの他、個々のメソッド (DA.M) にも反映されます。データを取り込むため
に更新されたシーケンスコンテナメソッドを使用する場合、次のいずれかを
行う必要があります。
• このメソッドを、シーケンスデータコンテナから、定義済みのメソッド
パスのいずれかにコピーする、または
• [ 名前を付けて保存 ] オプションを用いて、更新されたメソッドをマス
ターメソッドとして保存します。
アップデータされた新しいメソッドは、マスターメソッドとしてメソッ
ドビューの ChemStation エクスプローラで使用できるようになります。
• さらに、サンプルを実行するために使用されたメソッドの 2 つのコピーは、
データファイル ( データファイル個別メソッド ACQ.M および DA.M) と一緒
に保存されます。ACQ.M は取り込みメソッドで、DA.M はデータ解析メ
ソッドです。DA.M は、[ プレファレンス ] ダイアログボックスの [ シグナ
ルオプション ] タブにある「データファイルから DA メソッドを読み込む」
46
ChemStation の理解
メソッド
メソッドのステータス
2
チェックボックスがオンになっている場合は、データファイルとともに読み
込まれるメソッドです。このメソッドへの変更 ( たとえば、タイム積分イベ
ント ) は、関連するデータファイルに固有なもので、シーケンスメソッドや
マスターメソッドには影響しません。
ナビゲーションテーブルでは、メソッドの行項目を右クリックすることで、
個々や一連のメソッドを対応するシーケンスまたはマスターメソッドに更新す
ることができます。[ マスターメソッドの更新 ]/[ シーケンスの更新 ] を実行す
ると、選択したメソッドのデータ解析パラメータは対応するマスター / シーケ
ンスメソッドに上書きコピーされます。ターゲットメソッドのメソッド履歴は
この自動更新を反映します。
表 5
更新の有効性 ...[ メソッドメニュー ] の [ ナビゲーションテーブル ] の
メソッド機能
読み込んだメソッド
使用可能な更新オプション
個々のデータ解析メソッド (DA.M)
マスターメソッドの更新
シーケンスメソッドの更新
シーケンスメソッド
マスターメソッドの更新
マスターメソッド
----
現在のメソッド
保存されたメソッドをディスクから呼び出すと、それは現在のメソッドになり
ます。メモリには常に現在のメソッドがあります。ChemStation を最初に起動
したときには、Agilent Technologies によって提供されたデフォルトのメソッ
ドが、スタートアッププロセスの一部として読み込まれます。たとえば、これ
は次のいずれかになります。
• LC 機器には DEF_LC.M
• GC 機器の場合には DEF_GC.M
• CE 機器には DEF_CE.M
デフォルトのメソッドのコピーがメモリに置かれて、現在のメソッドになりま
す。この時点で、別のメソッドを読み込むことができます。それが現在のメ
ソッドになります。
ChemStation の理解
47
2
メソッド
メソッドの作成
メソッドの作成
新しいメソッドを作成するには、現在のメソッドを修正して、新しいメソッド
名で保存します。現在のメソッドを変更しても、変更を保存しない限り、ディ
スク上のバージョンは変化しないことに注意してください。
メソッドの作成方法についてはいくつかの選択肢があります。メソッドを作成
して、分析の一部またはすべてを実行できます。たとえば、メソッドを作成し
て、データ取り込みのみを実行できます。データの分析とライブラリサーチレ
ポートの作成の準備ができている場合は、メソッドを修正して、データ処理タ
スクを実行できます。
48
ノート
サンプルを分析するメソッドを読み込む場合には、必ず ChemStation エクス
プローラのメソッドノードから、マスターメソッドをロードしてください。(
シーケンスデータコンテナの ) シーケンスメソッドや、データファイルと関連
付けられた個々のメソッド (ACQ.M または DA.M) は使用しないでください。
ノート
デフォルトのメソッド (DEF_LC.M、DEF_CE.M または DEF_GC.M) は削除し
ないでください。これらのメソッドは、メソッドを新規作成するためのテンプ
レートとして使用されます。
ChemStation の理解
メソッド
メソッドの編集
2
メソッドの編集
既存のメソッドは、[ メソッド ] メニューの [ メソッド全体の編集 ] 項目を使用
して編集できます。すべてのメソッドダイアログボックスを設定するようにガ
イドされ、最後にメソッドを保存できます。このプロセスは次のとおりです。
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図 2
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メソッドの編集
メソッドの編集可能な部分
各メソッドは、個別に編集できる 4 つのコンポーネントからなっています。
以下のサブセクションの一部は特定のダイアログボックスに言及しており、他
のものは一般的な説明です。
• メソッド情報 は次のものから構成されています。:
• メソッドについてのテキストによる説明。
ChemStation の理解
49
2
メソッド
メソッドの編集
• 機器コントロールはコンフィグレーションに依存しており、たとえば次のも
のから構成されています。:
• オーブンパラメータ、
• インジェクタパラメータ、および
• 検出器パラメータです。
• データ解析は次のものから構成されています。
• シグナル詳細、
• 積分パラメータ、
• 定量パラメータ、
• キャリブレーションパラメータ、
• カスタムフィールドセットアップパラメータ、
• レポートパラメータです。
• ランタイムチェックリストは次のものから構成されています。:
• メソッドのうち、実行される部分。
ノート
50
メソッドは、ChemStation の 3 つの場所に保存されている可能性があることに
注意してください。正しいメソッドを編集するようにしてください。
ChemStation の理解
メソッド
メソッドのディレクトリ構造
2
メソッドのディレクトリ構造
メソッドは、メソッドディレクトリに保存されたファイルのグループからなっ
ています。
メソッドサブディレクトリは、.M という拡張子を持つメソッドサブディレク
トリすべてからなっています。追加のメソッドサブディレクトリは、プレファ
レンス設定を用いて追加できます。
.MTH という拡張子を持つメソッドファイルは、パラメータセットを含んでお
り、UNICODE 形式です。ファイル INFO.MTH は、メソッドコントロールパラ
メータからなっています。
機器パラメータを含むメソッドファイルには、関連する分析モジュールの名前
が付いています。たとえば、次のようになっています。
表 6
メソッドファイルの例
LC1090.MTH
1090 の取り込みメソッドからなる。
GC5890.MTH
5890 の取り込みメソッドからなる。
HPCE1.MTH
キャピラリ電気泳動用の取り込みメソッドからなる。
DAD1.MTH
HP 1090 用の取り込みメソッドからなる。
FLD1.MTH
HP1046 蛍光検出器用の取り込みメソッドからなる。
ECD1.MTH
HP 1049 電気化学検出器用の取り込みメソッドからなる。
ADC1.MTH
Agilent 35900 の取り込みメソッドからなる。同一の機器が 2 台構
成されている場合には、メソッドファイルは ADC1.MTH、
ADC2.MTH となる。
DAMETHOD.REG
データ解析用。
LALS1.REG
Agilent 1100/1200 シリーズオートサンプラのパラメータからな
る。他の Agilent 1100/1200 シリーズモジュール用のメソッドファ
イルは、lxxx1.reg という命名規則に従う。ここで xxx はモジュー
ルの略号。
ChemStation の理解
51
2
メソッド
メソッドの実行時に行われる事柄
メソッドの実行時に行われる事柄
[ ランタイムチェックリスト ] ダイアログボックスでは、分析の開始時にメ
ソッドのどの部分が実行されるかを指定します。
ランタイムチェックリストには、次のような、8 つの部分があります。
• プレランコマンドまたはマクロ、
• データ取り込み、
• 標準データ解析、
• セカンドシグナルの分析メソッド (GC のみ )、
• カスタムデータ解析、
• GLP データ保存、
• ポストランコマンドまたはマクロ、および
• データファイルと一緒にメソッドのコピーを保存することです (RUN.M)。
メソッドを実行すると、[ ランタイムチェックリスト ] ダイアロググボックス
で定義されたメソッドの、指定された部分が実行されます。
メソッド操作
この図は、メソッド操作中の ChemStation のステータスの概要を示していま
す。ここでは、ランタイムチェックリストのすべての部分を選択しています。
ノート
52
「ユニークなフォルダ作成オフ」モードの場合、ACQ.M と DA.M は作成されな
いことに注意してください。詳細は、「プレファレンス - シーケンスタブ」165
ページ 図を参照してください。
ChemStation の理解
メソッド
メソッドの実行時に行われる事柄
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ᤨ㑆
図 3
メソッド操作
プレランコマンドまたはマクロ ( ランタイムチェックリスト )
プレランコマンドまたはマクロを指定した場合には、それは分析が始まる前に
実行されます。この部分は通常、他のソフトウェアパッケージと組み合わせ
る、システムカスタマイズのために使用されます。
データ取り込み ( ランタイムチェックリスト )
• すべてのパラメータは、現在のメソッドで指定された初期状態に設定されま
す。
• 指定された場合には、注入プログラムが実行され、注入は現在定義されてい
るバイアルから行われます。
• モニタ表示には、クロマトグラム / エレクトロフェログラムの情報、および
利用できる場合にはスペクトルデータを含む、分析の進行状況が表示されま
す。
• データは取り込まれて、データファイルに保存されます。
ChemStation の理解
53
2
メソッド
メソッドの実行時に行われる事柄
• データの取り込みが完了すると、現在実行されているメソッドのコピーが
データファイルの ACQ.M としてデフォルトで保存されます。
データ解析 ( ランタイムチェックリスト )
停止時間が経過すると、分析は完了して、すべての生データはコンピュータの
ハードディスクに保存されます。すべての生データが保存されると、ソフト
ウェアのデータ解析の部分が開始します。
積分
• シグナルのクロマトグラム / エレクトロフェログラム オブジェクトは、[ 積
分イベント ] ダイアログボックスで指定された仕方で積分されます。
• ピークの開始、ピーク頂点、リテンション / マイグレーションタイムおよび
ピークの終了が決定されます。
• 各ピークの下のベースラインが定義され、最終的なピーク高さと面積が決定
されます。
• 積分の結果は、積分結果リストとして作成されます。
ピーク同定と定量
• リテンション / マイグレーションタイムと、オプションのピーククォリファ
イアを使い、それらをキャリブレーションテーブルで定義された既知の化合
物と参照することによって、ソフトウェアはピークを同定します。
• ピーク高さとピーク面積を使い、キャリブレーションテーブルで指定された
キャリブレーションパラメータを使用して、ソフトウェアは検出された各化
合物のアマウントを計算します。
スペクトルライブラリサーチ (ChemStations for LC 3D、CE、CE/MS
および LC/MS システムのみ )
利用可能な UV 可視スペクトルを持つすべてのピークの場合、UV 可視スペク
トルに基づいてサンプル内の化合物を同定するために、定義済みのスペクトル
ライブラリの自動検索を行うことができます。詳細は、「スペクトルモジュー
ルの概要」を参照してください。
54
ChemStation の理解
メソッド
メソッドの実行時に行われる事柄
2
ピーク純度のチェック (ChemStations for LC 3D、CE、CE/MS および
LC/MS システムのみ )
UV 可視スペクトルを持つピークの場合、そのピークの純度ファクタを計算し
て、レジスタに保存することができます。自動ライブラリサーチを指定したと
き、または適切なレポートスタイルを選択したときに、[ 純度チェック ] ボッ
クスをチェックした場合には、メソッドの一部として、各分析の最後にピーク
純度を自動的に決定することができます。詳細は、「スペクトルモジュールの
概要」を参照してください。
レポートの印刷
分析で検出された化合物の同定結果とアマウントを示すレポートが生成されま
す。
カスタムデータ解析 ( ランタイムチェックリスト )
解析データを評価するために、自分独自のカスタマイズしたマクロを実行する
ことができます。
GLP データ保存 ( ランタイムチェックリスト )
バイナリレジスタ GLP セーブ Reg を、デフォルトのデータファイルサブディ
レクトリに、データ解析メソッドとともに保存します。. この機能は、データ
のオリジナリティおよび個々の分析の質が保証するために設けられました。
GLP セーブ Reg バイナリファイルは、編集不可の、チェックサムで保護され
たレジスタファイルとして、次のような情報を含んでいます。
• 主要な機器の設定値 ( グラフィカルにレビュー可能 )、
• クロマトグラフまたは電気泳動のシグナル、
• 積分結果、
• 定量結果、
• データ解析メソッド、および
• ログブックです。
ChemStation の理解
55
2
メソッド
メソッドの実行時に行われる事柄
これらのデータは、ランタイムチェックリストのチェックボックスで [GLP
データ保存 ] 機能を有効にした場合にのみ、保存されます。ChemStation の
データ解析メニューでは、GLP データのレビューは行えます。編集は行えませ
ん。
ポストランコマンドまたはマクロ ( ランタイムチェックリス
ト)
ポストランコマンドまたはマクロを指定した場合には、データの解析後に実行
されます。たとえば、データをバックアップのためにディスクにコピーするな
どです。
データファイルにメソッドのコピーを保存 ( ランタイム
チェックリスト )
これは、ランタイムチェックリストでデータ取り込みが有効になっている場合
に限り、データ取り込み後に行われます。これは、現在のメソッドをデータ
ディレクトリに、RUN.M という名前でコピーします。
56
ChemStation の理解
メソッド
メソッド操作のまとめ
2
メソッド操作のまとめ
次のリストは、ランタイムチェックリストのすべての部分を選択した場合の、
メソッド操作の流れを示しています。
1 プレランコマンドマクロ
分析を開始する前のタスクを実行します。
2 データ取り込み
インジェクタプログラムを実行します。
サンプルを注入します。
生データを取り込みます。
データを保存します。
3 データファイルと一緒にメソッドのコピーを保存 (RUN.M) - ランタイム
チェックリストのオプションで
4 データと一緒にメソッドのコピーを保存 (ACQ.M) - ChemStation デフォルト
5 データ解析 ( データ処理 )
データファイルを読み込みます。
データファイルを積分します。
ピークを同定し、定量します。
利用可能であれば、スペクトルライブラリを検索します。
利用可能であれば、ピーク純度をチェックします。
レポートを印刷します。
6 カスタムデータ解析
ユーザーのマクロを実行します。
7 GLP データ保存
バイナリレジスタ GLP セーブ Reg を保存します。
8 ポストランコマンドマクロ
分析完了後のタスクを実行します。たとえば、カスタマイズされたレポート
を生成します。
9 データと一緒にメソッドのコピーを保存 (DA.M) - ChemStation デフォルト
ChemStation の理解
57
2
58
メソッド
メソッド操作のまとめ
ChemStation の理解
ChemStation の理解
3
データ取り込み
データ取り込みとは
データファイル
60
61
オンラインモニタ 63
オンラインシグナルモニタ 63
オンラインスペクトルモニタ 63
ログブック
64
ステータス情報 65
ChemStation ステータス 65
ステータスバー 65
システムダイアグラム 66
本章では、データ取り込み、データファイル、ログブックなどのコンセプトに
ついて説明します。
Agilent Technologies
59
3
データ取り込み
データ取り込みとは
データ取り込みとは
データ取り込み中、分析機器によって取り込まれたすべてのシグナルは、検出
器内でアナログシグナルからデジタルシグナルに変換されます。デジタルシグ
ナルは ChemStation に電子的に転送され、シグナルデータファイルに保存さ
れます。
利用可能なデータ (*.d) ファイルは、ChemStation エクスプローラに表示され
ます。素早く簡単にナビゲーションできるように、[ プレファレンス ] ダイア
ログボックスの [ パス ] タブを用いて、追加のデータファイルの場所を
ChemStation エクスプローラの選択ツリーに追加できます。
60
ChemStation の理解
データ取り込み
データファイル
3
データファイル
データファイルは一群のファイルからなっており、デフォルトでは、データ
ファイル名と .D 拡張子を持つサブディレクトリである、データディレクトリ
に保存されます。データファイル名は、拡張子を含めて 40 文字までで、マ
ニュアルで定義できます。ディレクトリ内の各ファイルは命名規則に従いま
す。追加のデータディレクトリは、[ プレファレンス ] 設定を用いて追加でき
ます。
表 7
データファイル
名前
説明
*.CH
クロマトグラフ / 電気泳動シグナルデータファイルです。ファイ
ル名は、モジュールまたは検出器のタイプ、モジュール番号およ
びシグナルまたはチャンネルの識別子から構成されます。たとえ
ば、ADC1A.CH の場合、ADC はモジュールタイプ、1 はモジュール
番号、A はシグナル識別子、.CH はクロマトグラフを表す拡張子で
す。
*.UV
UV スペクトルデータファイルです。ファイル名は、検出器タイプ
とデバイス番号から構成されます ( ダイオードアレイおよび蛍光
検出器の場合のみ )。
REPORT.TXT、
REPORT.PDF
等価なシグナルデータファイルのレポートデータファイルです。
SAMPLE.MAC
サンプル情報マクロです。
SAMPLE.MAC.BAC オリジナルのサンプル情報マクロのバックアップ。再解析中に、
オリジナルのサンプルパラメータ ( 乗数のような ) が更新される
と、このファイルが作成されます。
RUN.LOG
分析中に生成されたログブックエントリです。ログブックは、分
析の記録を保持します。すべてのエラーメッセージと、
ChemStation の重要なステータス変更は、ログブックに記録されま
す。
LCDIAG.REG
LC の場合のみです。機器カーブ ( グラジェント、温度、圧力など
)、注入量、および溶媒の説明が含まれます。
ACQRES.REG
カラム情報を含みます。GC の場合には、注入量も含みます。
ChemStation の理解
61
3
データ取り込み
データファイル
表 7
データファイル
名前
説明
GLP セーブ REG
[GLP データ保存 ] を指定した場合、データファイルの一部になり
ます。
M_INTEV.REG
マニュアル積分イベントを含みます。
メソッドは、結果ファイル (run.m) に保存することができます。この場合、メ
ソッドディレクトリは、ランタイムチェックリストの [ データファイルにメ
ソッドを保存 ] を使用して、データファイルディレクトリのサブディレクトリ
として保存されます。
ChemStation リビジョン B.02.01 以降で取り込まれたデータの場合、各データ
フォルダ (*.D) には以下の 2 つのメソッドフォルダが含まれます。
• 個別のデータファイルごとの取り込みメソッド (ACQ.M)
• 個別のデータファイルごとのデータ解析メソッド (DA.M)
個別の取り込みメソッド ACQ.M は取り込みパラメータを保存するためのもの
なので、将来ののデータレビューの際もこのメソッドは変更しないことを推奨
します。DA.M は、特定のデータファイル用の個別のデータ解析メソッドです。
たとえば、キャリブレーションテーブルの更新の場合、DA.M メソッドは、実
行ごとに異なります。ChemStation B.03.01 以降では、「ユニークなフォルダ作
成」を無効にすることで、この動作をオフに切り換えることができます。
62
ChemStation の理解
データ取り込み
オンラインモニタ
3
オンラインモニタ
2 種類のオンラインモニタ、オンラインシグナルモニタとオンラインスペクト
ルモニタがあります。
オンラインシグナルモニタ
オンラインシグナルモニタを使えば、複数のシグナルを、そして関連機器がサ
ポートしている場合には機器パフォーマンスプロットを、同じウィンドウでモ
ニタできます。表示するシグナルを選択し、時間と吸光度軸を調整できます。
この機能をサポートしている検出器の場合には、バランスボタンが使用できま
す。
ディスプレイ内で十字線のカーソルを移動すれば、メッセージ行に絶対シグナ
ルレスポンスを表示できます。
オンラインスペクトルモニタ
オンラインスペクトルモニタは、スペクトル解析をサポートしている
ChemStation でのみ使用できます。これは、吸光度を波長の関数として表示し
ます。表示された波長範囲と吸光度のスケールは、両方とも調整できます。
ChemStation の理解
63
3
データ取り込み
ログブック
ログブック
ログブックには、分析システムによって作成されたメッセージが表示されま
す。これらのメッセージは、モジュールからのエラーメッセージ、システム
メッセージまたはイベントメッセージになります。ログブックは、これらの
メッセージを、表示されるかどうかにはかかわりなく記録します。ログブック
のイベントに関する詳しい情報を入手するには、適切な行をダブルクリックし
て、説明となるヘルプテキストを表示します。
64
ChemStation の理解
データ取り込み
ステータス情報
3
ステータス情報
ChemStation ステータス
[ChemStation ステータス ] ウィンドウには、ChemStation ソフトウェアの全
体的なステータスが表示されます。
シングル分析の実行中には、次のようになります。
• [ChemStation ステータス ] ウィンドウの最初の行には、実行中の分析が表
示されます。
• ステータスウィンドウの 2 行目には、現在のメソッドのステータスが表示さ
れます。
• 生データファイル名は、分単位の実分析時間と一緒に 3 行目表示されます
(GC 機器の場合、フロントおよびバックインジェクタのファイルも表示され
ます )。
[ 機器ステータス ] ウィンドウには、機器モジュールと検出器についてのス
テータス情報が表示されます。これらは、個別のコンポーネントのステータス
と、適切な場合には、圧力、グラジェント、流量データなど、現在の状態が表
示されます。
ステータスバー
ChemStation のグラフィカルユーザーインタフェースは、ChemStation の [ メ
ソッド&ランコントロール ] ビューのツールバーとステータスバーから構成さ
れています。ステータスバーは、システムステータスフィールドと、現在読み
込まれているメソッドおよびシーケンスに関する情報からなっています。読み
込み後に修正された場合には、黄色の歯車でマークされます。LC 用の
Agilent 1100/1200 シリーズのモジュールの場合には、黄色い EMF 記号によ
り、消耗品 ( ランプなど ) に対して設定された使用期限が切れたことをユー
ザーに知らせます。
ChemStation の理解
65
3
データ取り込み
ステータス情報
システムダイアグラム
構成された分析機器でサポートされている場合には (LC 用の
Agilent 1100/1200 シリーズモジュールまたは Agilent 6890 シリーズ GC など
)、ChemStation システムのグラフィカルなシステムダイアグラムを表示でき
ます。これにより、システムのステータスを一目でチェックできます。ダイア
グラムを有効にするには、[ メソッド&ランコントロール ] ビューの [ 表示 ] メ
ニューから [ システムダイアグラム ] を選択します。これは、ChemStation シ
ステムをグラフィカルに表現したものです。各コンポーネントはアイコンに
よって表されます。下に示すカラーコーディングによって、現在のステータス
が表示されます。
表 8
システムダイアグラムのカラーコーディング
カラー
ステータス
灰色
非アクティブまたはオフ
黄色
ノットレディー
緑色
レディー
青色
分析
赤色
エラー
加えて、実際のパラメータ設定のリストを表示することができます。ステータ
スの概要のほかに、ダイアグラムでは、システムコンポーネントごとのパラ
メータ設定のためのダイアログボックスに素早くアクセスできます。
システムダイアグラムの詳細は、オンラインヘルプシステムの装置の部分を参
照してください。
66
ChemStation の理解
ChemStation の理解
4
積分
積分とは
69
インテグレータの働き
70
ChemStation のインテグレータアルゴリズム
インテグレータの機能 71
概要 73
初期ベースラインの定義 74
ベースラインの追跡 74
ベースラインの割り当て 75
ピークの主要なポイントの識別
用語の定義 77
主要なポイント 77
溶媒ピーク 77
ショルダー ( フロント、リア )
スロープ 78
操作の原則
71
76
78
79
ピーク認識 80
ピーク幅 80
ピーク認識フィルタ 81
バンチ化 82
ピーク認識アルゴリズム
非ガウス型の計算 86
83
ベースライン割り当て 89
デフォルトのベースラインの設定
ベースラインの開始 90
チックマーク 90
ベースラインの終了 90
ベースラインの落ち込み 91
89
Agilent Technologies
67
4
積分
ステータス情報
ピーク / 谷比 92
タンジェントスキム 94
割り当てられないピーク
ピーク分離コード 99
ピーク面積の測定 101
面積の決定 101
単位と変換ファクター
99
103
積分イベント 104
初期イベント 104
タイムイベント 107
自動積分 107
マニュアル積分
109
本章では、ChemStation のインテグレータアルゴリズムの積分のコンセプトに
ついて説明します。積分アルゴリズム、積分、およびマニュアル積分について
説明します。
68
ChemStation の理解
積分
積分とは
4
積分とは
積分は、シグナルのピークを同定し、そのサイズを計算するための操作です。
積分は、次のもののために必要なステップです。
• 定量、
• ピーク純度の計算 (ChemStations for LC 3D、CE、CE/MS および LC/MS シ
ステムのみ )、および
• スペクトルライブラリサーチ (ChemStations for LC 3D、CE、CE/MS およ
び LC/MS システムのみ ) です。
ChemStation の理解
69
4
積分
インテグレータの働き
インテグレータの働き
シグナルを積分するとき、ソフトウェアは次のことを行います。
• 各ピークの開始および終了時間を識別し、これらのポイントを垂直のチック
マークでマークします。
• 各ピークの頂点を見つけます。これは、リテンション / マイグレーションタ
イムです。
• ベースラインを確定します。そして
• ピークごとの面積、高さ、ピーク幅を計算します。
このプロセスは、積分イベントと呼ばれるパラメータによってコントロールさ
れます。
70
ChemStation の理解
積分
ChemStation のインテグレータアルゴリズム
4
ChemStation のインテグレータアルゴリズム
ChemStation のインテグレータアルゴリズムは、耐久性、信頼性および使いや
すさに焦点を当てた、新しい世代の 2 番目のバージョンです。
インテグレータの機能
インテグレータアルゴリズムには、以下のような主要な機能が含まれていま
す。
• インテグレータの初期パラメータを設定する、自動積分機能、
• 複数のシグナルまたは複数の検出器を使用している場合に、クロマトグラム
/ エレクトロフェログラムシグナルごとに個別の積分イベントテーブルを定
義する機能、
• ユーザーがイベント時間をグラフィカルに選択できる、積分イベントの対話
的な定義、
• 人間による解釈を必要とするクロマトグラム / エレクトロフェログラムのグ
ラフィカルなマニュアルまたはラバーバンド積分 ( これらのイベントはメ
ソッドで記録して、自動化された操作の一部として使用することもできます
)、
• 積分結果の表示と印刷、および
• クロマトグラム / エレクトロフェログラムごとに少なくとも 1000 ピークの
積分を行う能力。
• 基本的なインテグレータ設定を設定または修正するためのインテグレータパ
ラメータの定義。以下の設定が含まれます。面積リジェクト、高さリジェク
ト、ピーク幅およびスロープの感度、
• ベースラインの強制、ベースラインのホールド、すべての谷でのベースライ
ン、次の谷でのベースライン、現在のピークの終わりから逆方向にベースラ
インをフィットなどの、ベースラインコントロールパラメータ、
• 面積和のコントロール、
• ネガティブピークの認識、
• 溶媒ピーク定義コマンドを含む、タンジェントスキム処理、および
ChemStation の理解
71
4
積分
ChemStation のインテグレータアルゴリズム
• すべてのクロマトグラム / エレクトロフェログラムに対して、個別のフロン
ト / テイルタンジェントスキム計算のイベントテーブルを定義する機能、
• ベースライン補正パラメータの機能 ( シグナルに関連しないもの )、
• インテグレータ操作に対してリテンション / マイグレーションタイムの範囲
を定義するインテグレータコントロールコマンド。
• 2 次の微分係数または曲率計算の度数を用いたピークショルダー割り当て、
• DAD スペクトルから再構成された DAD LC データファイルでより良い性能
を得るための、不等間隔のデータポイントでのサンプリングの改善。
72
ChemStation の理解
積分
概要
4
概要
インテグレータでクロマトグラム / エレクトロフェログラムを積分するには、
次のことを行います。
1 初期ベースラインを定義します。
2 ベースラインの追跡を継続し、ベースラインを更新します。
3 ピークの開始時間を識別し、このポイントを垂直のチックマークでマークし
ます。
4 各ピークの頂点を見つけて、リテンション / マイグレーションタイムを印刷
します。
5 ピークの終了時間を識別し、このポイントを垂直のチックマークでマークし
ます。
6 ベースラインを確定します。そして
7 ピークごとの面積、高さ、ピーク幅を計算します。
このプロセスは、積分イベントによってコントロールされます。最も重要なイ
ベントは初期スロープ感度、ピーク幅、面積リジェクトおよび高さリジェクト
です。ソフトウェアでは、これらおよび他のイベントの初期値を設定すること
ができます。初期値は、クロマトグラムの始点で有効になります。加えて、自
動積分機能は初期イベントのセットを提供するので、それをさらに最適化する
ことができます。
ほとんどの場合、初期イベントはクロマトグラム全体に対して良好な積分結果
を与えますが、積分の進行とともにより詳細なコントロールを行いたい場合も
あります。
ソフトウェアでは、クロマトグラムの適切な時点での新しい積分イベントをプ
ログラムできるようにすることによって、積分の実行方法をコントロールでき
るようになっています。
詳細は、「初期イベント」104 ページ 図を参照してください。
ChemStation の理解
73
4
積分
概要
初期ベースラインの定義
ベースラインの条件は、アプリケーションや検出器のハードウェアに応じて変
わるので、インテグレータは、メソッドとデータファイルの両方からのパラ
メータを使用して、ベースラインを最適化します。
インテグレータがピークを積分するには、まずベースラインポイントを決定す
る必要があります。分析の初めに、最初のデータポイントを仮のベースライン
ポイントとすることによって、初期ベースラインレベルを決めます。それか
ら、入力シグナルの平均に基づいて、この初期ベースラインポイントの再定義
を試みます。インテグレータは、再定義された初期ベースラインポイントを取
得できない場合には、最初のデータポイントを、初期ベースラインポイントの
可能性のあるものとして保持します。
ベースラインの追跡
インテグレータは、分析が進むとともに、初期ピーク幅または計算されたピー
ク幅で決められた割合で、デジタルデータをサンプリングします。これは、各
データポイントをベースラインポイントの可能性のあるものと見なします。
インテグレータは、ベースラインのスロープを基に、ベースライン追跡アルゴ
リズムを使って、一次微分係数でスロープを、二次微分係数で曲率を決めるこ
とにより、ベースラインエンベロープを決定します。ベースラインエンベロー
プはコーン状のものとして表現できます。その頂点が現在のデータポイントに
なります。コーンの受け入れ可能な上限および下限レベルは、次のようになり
ます。
• + アップスロープ + 曲率 + ベースラインバイアスは、スレッショルドレベル
より小さい必要があります。
• - アップスロープ - 曲率 + ベースラインバイアスは、スレッショルドレベル
より大きい ( これらが負の場合には絶対値が小さい ) 必要があります。
新しいデータポイントが受け入れられると、コーンは前方に移動し、これがブ
レークアウトまで続きます。
ベースラインポイントとして受け入れられるためには、データポイントは次の
条件を満たす必要があります。
• 定義済みのベースラインエンベロープ内にあること、
• データポイントでのベースラインの曲率 ( 微分係数フィルタで決まる ) が、
現在のスロープ感度設定で決まる限界値より小さいこと。
74
ChemStation の理解
積分
概要
4
こうして、分析の開始時に決められた初期ベースラインポイントは、ピーク幅
で決められた期間の間、ピーク幅で決められた割合で、ベースラインエンベ
ロープ内に入ったデータポイントの移動平均値に連続的にリセットされます。
インテグレータはベースラインを追跡し、ドリフトを補正するために定期的に
リセットします。これは、ピークのアップスロープが見つかるまで続きます。
ベースラインの割り当て
インテグレータは、分析中に、ピーク幅の値で決められた頻度で、クロマトグ
ラフ / 電気泳動ベースラインを割り当てます。インテグレータは、特定の数の
データポイントをサンプルすると、ベースラインを、初期ベースラインポイン
トから現在のベースラインポイントにリセットします。インテグレータは、次
のデータポイントのセットの間、再びベースラインの追跡を行い、それからま
たベースラインをリセットします。このプロセスは、インテグレータがピーク
の開始を認識するまで続きます。
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図 4
ベースライン
分析の開始時には、このベースライン設定が最初のベースラインとして使用さ
れます。これが設定されていない場合は、最初のデータポイントが使用されま
す。その後、ベースラインポイントは、次の公式に従って定期的にリセットさ
れます。
面積は、時間 T ( ピーク幅の期待値 ) にわたって加算されます。この時間は、
決して 1 データポイントより短くはなりません。これは、ベースライン条件が
満たされるまで続きます。スロープと曲率も計算します。スロープと曲率の両
方がスレッショルドよりも小さい場合には、加算した 2 つの面積の和を取り、
それから前のベースラインと比較します。新しい値が前のベースラインよりも
小さい場合には、直ちに古い値を新しい値で置き換えます。新しい値が前の値
より大きい場合には、それは仮の新しいベースライン値として保存され、さら
ChemStation の理解
75
4
積分
概要
に 1 つの値がスロープと曲率の平坦さの基準を満たしたときに確認されます。
後者の制限は、ネガティブピークが許されている場合には無効です。ベースラ
イン中には、溶媒の速い上昇を調べるチェックも行う必要があります。これら
は、アップスロープを検出するには速すぎる場合があります。( アップスロー
プが確認されると、溶媒の基準は有効ではなくなります。) 最初の段階では、
最初のデータポイントを通るのがベースラインです。これは、シグナルがベー
ス上にある場合には、2 T の平均値で置き換えられます。その後、ベースライ
ンは T ごとにリセットされます (75 ページ 図 図 4 を参照してください )。
ピークの主要なポイントの識別
インテグレータは、ベースラインの可能性のあるポイントがベースラインエン
ベロープの外に来て、ベースラインの曲率が、インテグレータのスロープ感度
パラメータで決められた特定の値を超えた場合には、ピークが開始したと判断
します。この条件が継続すれば、インテグレータはそれがピークのアップス
ロープであり、ピークが処理されていると認識します。
開始
1 スロープと曲率が制限範囲内の場合 : ベースラインの追跡を継続します。
2 スロープと曲率が制限範囲を超えた場合 : ピークの可能性があります。
3 スロープが制限範囲を超え続けている場合 : ピークが認識され、主要なポイ
ントが定義されます。
4 曲率が負になった場合 : フロント側の変曲点です。
頂点
1 スロープが 0 を過ぎて負になった場合 : ピークの頂点、主要なポイントが定
義されます。
2 曲率が正になった場合 : リア側の変曲点です。
終了
1 スロープと曲率が制限範囲内の場合 : ピークの終わりが近づいています。
2 スロープと曲率が制限範囲内にとどまった場合 : ピークの終了、主要なポイ
ントが定義されます。
3 インテグレータはベースライン追跡モードに戻ります。
76
ChemStation の理解
積分
用語の定義
4
用語の定義
主要なポイント
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図 5
主要なポイント
主要なポイントとは、インテグレータにより、ピークの定義と定量のために選
択されたポイントのことです。ベースラインポイント、谷ポイント、ピーク頂
点、および変曲点が、主要なポイントとして指定され、保存されます。それぞ
れの主要なポイントは、経過時間の水平座標、ベースラインからの高さの垂直
座標、およびピークタイプ、分離コード、ピークの可能性のあるものの開始 /
終了値、および対応する高さ、面積、およびスロープの読取値など、他のパラ
メータを持ちます。インテグレータは、これらの値を使用してピーク面積を計
算します。
溶媒ピーク
溶媒ピークは一般的に分析にとって重要ではない非常に大きなピークで、通常
積分されません。しかし、分析対象溶出のピークが小さい場合、たとえば溶媒
ピークに近接した、溶媒ピークテーリングにのっている場合、それらの面積を
計算するために特別な積分条件を設定できます。
ChemStation の理解
77
4
積分
用語の定義
ショルダー ( フロント、リア )
ショルダーは、2 つのピークが非常に近くに溶出するためにピーク間に谷間が
なく、ピークが解決されない場合に発生します。ショルダーは、ピークのリー
ディングエッジ ( 前面 ) またはトレーリングエッジ ( 背面 ) に発生することも
あります。ショルダが検出されると、それらをタンジェントスキムまたはド
ロップラインのどちらかで積分できます。
スロープ
ピークスロープは、時間に対する成分の濃度の変化を意味し、ピークの開始
点、ピーク頂点、およびピークの終了点の決定に使用されます。
78
ChemStation の理解
積分
操作の原則
4
操作の原則
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図 6
ChemStation の理解
インテグレータ流量ダイアグラム
79
4
積分
ピーク認識
ピーク認識
インテグレータは、ピークを認識し、特徴付けるために、次のものを使用しま
す。
• ピーク幅
• ピーク認識フィルタ、
• バンチ化、
• ピーク認識アルゴリズム、
• ピーク頂点アルゴリズム、および
• 非ガウス型の計算 ( テーリング、重なったピークなど ) です。
ピーク幅
積分中、ピーク幅は、次のようにピーク面積と高さから計算されます。
Width = Area/Height
または、変曲点が利用可能な場合には、変曲点間の幅になります。
=
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Gh
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V&
i&
図 7
80
=g
V'
V(
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i(
V)
i)
ピーク幅の計算
ChemStation の理解
積分
ピーク認識
4
ピーク幅計算の図で、総面積 A は、面積 a1、a2、a3 および a4 の総和になり
ます。Fs は変曲点でのフロントスロープで、Rs は変曲点でのリアスロープで
す。いずれかの変曲点が見つからなかった場合には、ピーク幅は次のように定
義されます。
Width = Adjusted area / Adjusted height
ピーク幅の設定は、インテグレータがベースラインノイズからピークを識別す
る能力を決定します。良いパフォーマンスを得るには、ピーク幅は、実際のク
ロマトグラフ / 電気泳動のピークの幅に近い値に設定する必要があります。
ピーク幅は、3 通りの方法で変更されます。
• 分析前に、初期ピーク幅を指定できます。
• 分析中に、インテグレータは、ピーク認識フィルタとの一致を良好に保つた
め、必要に応じて自動的にピーク幅を更新します。
• 分析中に、タイムプログラミングイベントを使って、ピーク幅をリセットま
たは変更することができます。
システムスータビリティの計算に使用されるピーク幅の定義は、「ピーク幅」
80 ページ 図を参照してください。
ピーク認識フィルタ
インテグレータは 3 つのピーク認識フィルタを持っており、連続するデータポ
イント内でのスロープと曲率の変化を検出してピークを認識するために使用し
ます。これらのフィルタには、インテグレータが調べているデータポイントの
一次微分係数 ( スロープを測定する ) と二次微分係数 ( 曲率を測定する ) が含
まれています。認識フィルタには次のものがあります。
フィルタ 1
連続する 2 つ (3 つ ) のデータポイントのスロープ ( 曲率 )
フィルタ 2
連続する 4 つのデータポイントのスロープと、連続しない 3 つのデータポイン
トの曲率
フィルタ 3
連続する 8 つのデータポイントのスロープと、連続しない 3 つのデータポイン
トの曲率
実際に使用されるフィルタは、ピーク幅の設定で決められます。たとえば、分
析の開始時には、フィルタ 1 が使用されたとします。分析中にピーク幅が広
がった場合には、フィルタはまずフィルタ 2 に、それからフィルタ 3 に変更さ
れます。認識フィルタから良いパフォーマンスを得るには、ピーク幅は、実際
ChemStation の理解
81
4
積分
ピーク認識
のクロマトグラフ / 電気泳動のピークの幅に近い値に設定する必要がありま
す。分析中、積分を最適化するために、インテグレータは必要に応じてピーク
幅を更新します。
インテグレータは、更新されたピーク幅を、機器の構成に応じて次のように異
なる方法で計算します。
LC/CE コンフィグレーションの場合、デフォルトのピーク幅の計算には次の複
合計算方法を用います。
0.3 x ( 右側の変曲点 – 左側の変曲点 ) + 0.7 x Area/Height
GC コンフィグレーションの場合、デフォルトのピーク幅の計算には面積 / 高
さの計算方法を用います。この計算は、半値幅を超えるところで重なっている
場合には、幅を過大評価しません。
特定のタイプの分析、たとえば等温 GC やアイソクラティック LC 分析では、
ピークは分析が進むにつれて顕著に広くなります。これを補正するため、イン
テグレータは、分析中にピークが広くなると、ピーク幅を自動的に更新しま
す。これは、更新が無効にされていたり、タイムイベントでピーク幅が特定の
値に設定されていたりしない限り、自動的に行われます。
ピーク幅の更新は、次の方法で重み付けされます。
0.75 x ( 既存ピーク幅 ) + 0.25 x ( 現在のピーク幅 )
積分タイムイベントが無効にした場合、またはピーク幅を特定の値に設定した
場合には、自動的なピーク幅の調整は無効になります。
バンチ化
バンチ化は、インテグレータが、選択性を良好に保てるよう、広がるピークを
ピーク認識フィルタの有効範囲内に収めるために使用する方法です。
インテグレータは、ピークが広がるときでも、ピーク幅を無限に大きくするこ
とはできません。そのため、ピークが広がりすぎて、ピーク認識フィルタが認
識できなくなる可能性があります。この制限に対処するため、インテグレータ
は複数のデータポイントをまとめて ( バンチ化 )、面積を同じに保ちながら、
ピークを実質的に狭くします。
データをバンチ化すると、データポイントは 2 のバンチ回数のべき乗の単位で
まとめられます。つまり、バンチ化しない場合 = 1x、1 回バンチ化 = 2x、2 回
バンチ化 = 4x などとなります。
82
ChemStation の理解
積分
ピーク認識
4
バンチ化は、取込速度とピーク幅に基づいて行われます。インテグレータは、
これらのパラメータを使用して、データポイントが適切な数になるように、バ
ンチ化係数を設定します (83 ページ 図 表 9 を参照 )。
バンチ化は、予想される、または実際のピーク幅に基づき、2 のべき乗の単位
で行われます。バンチ化アルゴリズムは、83 ページ 図 表 9 に要約されてい
ます。
表 9
バンチ化の基準
予想されるピーク幅
使用されるフィルタ
行われるバンチ化
データポイント 0 ~ 10
フィルタ 1
なし
データポイント 8 ~ 16
フィルタ 2
なし
データポイント 12 ~ 24
フィルタ 3
なし
データポイント 16 ~ 32
フィルタ 2
1回
データポイント 24 ~ 48
フィルタ 3
1回
データポイント 32 ~ 96
フィルタ 3、2
2回
データポイント 64 ~ 192
フィルタ 3、2
3回
ピーク認識アルゴリズム
インテグレータは、ピーク認識アルゴリズムによって決定されたベースライン
ポイントを、ピークの開始として識別します。ピーク認識アルゴリズムはま
ず、ピーク認識フィルタの出力を初期スロープ感度と比較して、アップスロー
プ積算器の値を増加または減少します。インテグレータは、アップスロープ積
算器の値が ¡15 になったら、ピークが始まったポイントとします。
ピーク認識アルゴリズムは、84 ページ 図 図 8 に示します。
ChemStation の理解
83
4
積分
ピーク認識
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図 8
ピーク認識
基準は次のとおりです。
t1
アップスロープカウンタは 1 以上
t2
アップスロープカウンタは 0
t3
アップスロープカウンタは 2 以上
t4
• ピークの頂点が見つかり、ピークの半値幅が見つかった、または
• ピークの頂点が見つかり、ダウンスロープカウンタは 2 以上
t5
• ピークが中断した、または
• ベースラインはここでリセットされた
84
ChemStation の理解
積分
ピーク認識
t6
4
• ピークの谷が見つかり、アップスロープカウンタは 2 以上、または
• ダウンスロープの総和はピーク終了の総和の 2 倍より大きい、または
• ベースラインはここでリセットされた、または
• ベースラインは次の谷でリセットされ、ピークの谷が見つかった
t7
ダウンスロープの基準をもはや満たしていない
t8
ダウンスロープの基準を再び満たすようになった
t9
• ピークの谷が見つかり、アップスロープカウンタは 2 以上、または
• ダウンスロープカウンタは 0、または
• ダウンスロープの総和はピーク終了の総和より大きい、または
• ベースラインはここでリセットされた、または
• ベースラインは次の谷でリセット
t10
アップスロープカウンタは 2 以上
t11
アップスロープカウンタは 1 以下
ピークの開始
85 ページ 図 表 10 には、予期されるピーク幅により、どのフィルタのスロー
プと曲率の値を、スロープ感度と比較するかが決まることが示されています。
たとえば、予期されるピーク幅が小さい場合には、フィルタ 1 の値がアップス
ロープ積算器に加算されます。予期されるピーク幅が大きくなると、フィルタ
2 の値が、それからフィルタ 3 の値が使用されます。
アップスロープ積算器の値が ¡15 の場合、ピークが開始していることをアル
ゴリズムが認識します。
表 10
アップスロープ積算器への加算値
微分係数フィルタ 1 ~ 3 の出力とスロープ感度
フィルタ
1
フィルタ
2
フィルタ
3
スロープ > スロープ感度
+8
+5
+3
曲率 > スロープ感度
+0
+2
+1
スロープ < (-) スロープ感度
-8
-5
-3
スロープ > | スロープ感度 |
-4
-2
-1
曲率 < (-) スロープ感度
-0
-2
-1
ChemStation の理解
85
4
積分
ピーク認識
ピークの終了
86 ページ 図 表 11 には、予期されるピーク幅により、どのフィルタのスロー
プと曲率の値を、スロープ感度と比較するかが決まることが示されています。
たとえば、予期されるピーク幅が小さい場合には、フィルタ 1 の値がダウンス
ロープ積算器に加算されます。予期されるピーク幅が大きくなると、フィルタ
2 の値が、それからフィルタ 3 の値が使用されます。
ダウンスロープ積算器の値が ¡15 の場合、ピークが終了していることをアル
ゴリズムが認識します。
表 11
ダウンスロープ積算器への加算値
微分係数フィルタ 1 ~ 3 の出力とスロープ感度
フィルタ 1
フィル
タ2
フィルタ
3
スロープ > スロープ感度
+8
+5
+3
曲率 > スロープ感度
+0
+2
+1
スロープ < (-) スロープ感度
-11
-7
-4
スロープ > | スロープ感度 |
-28
-18
-11
曲率 < (-) スロープ感度
-0
-2
-1
ピーク頂点アルゴリズム
ピークの頂点は、最も高いデータポイントを通る放物線を描いたときの、クロ
マトグラムの最も高いポイントとして認識されます。
非ガウス型の計算
重なったピーク
重なったピークは、ピークの終わりが見つかる前に新しいピークが始まると、
生じます。図は、重なったピークをインテグレータがどのように扱うかを示し
ています。
86
ChemStation の理解
積分
ピーク認識
4
⼱ࡐࠗࡦ࠻
図 9
重なったピーク
インテグレータは、重なったピーク幅を次の方法で処理します。
1 最初のピークの面積を谷ポイントまで加算します。
2 谷ポイントで、最初のピークの加算は終わり、2 番目のピークの加算が始ま
ります。
3 インテグレータが 2 番目のピークの終わりを検出すると、面積の加算は終了
します。このプロセスは、重なったピークを、2 つのピークの間の谷ポイン
トで垂直に分割することとして説明できます。
ショルダ
ショルダーは、より大きなピークのリーディングまたはトレーリングエッジに
ある、分離されていないピークのことです。ショルダーが存在するときには、
負のスロープに正のスロープが続くと言う意味での、真の谷は存在しません。
ピーク ( のフロントとリア ) には、ショルダーはいくつでもあり得ます。
ChemStation の理解
87
4
積分
ピーク認識
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V
W
&*#)&%
&*#+.%
図 10
ピークショルダー
ショルダーは、二次微分係数から与えられる、ピークの曲率から検出されま
す。曲率がゼロになる場合、インテグレータにより、88 ページ 図 図 10 のポ
イント a や b などの変曲点が特定されます。
• ピークの頂点の前に、2 番目の変曲点が見つかった場合には、フロント側の
ショルダーの可能性があります。ショルダーであることが確認された場合に
は、ショルダーの開始ポイントは、変曲点の前の正の曲率最大の点に設定さ
れます。
• ピークの終わりまたは谷の前に、2 番目の変曲点が見つかった場合には、リ
ア側のショルダーの可能性があります。ショルダーであることが確認された
場合には、ショルダーの開始ポイントは、開始ポイントからカーブまでの
ターゲットポイントに設定されます。
リテンション / マイグレーションタイムは、ショルダーの負の最大の曲率の点
から決定されます。プログラムされた積分イベントでは、インテグレータは、
ショルダーの面積も、ショルダーのピークの変曲点から引いた直線で分割する
ことにより、通常のピークの場合のように計算します。
ショルダーの面積は、メインのピークから減算されます。
ピークのショルダーは、インテグレータのタイムイベントを使うことにより、
通常のピークのように扱うことができます。
88
ChemStation の理解
積分
ベースライン割り当て
4
ベースライン割り当て
ピーククラスタが完了し、ベースラインが見つかると、インテグレータはベー
スライン割り当てアルゴリズムに対して、『釘と糸』のテクニックでベースラ
インを割り当てるようにリクエストします。これは、台形の領域と、比例によ
る高さ補正を使用して、ベースラインを正規化し、可能な限り下方に来るよう
にするものです。ベースライン割り当てアルゴリズムへの入力には、検出器と
アプリケーションを識別するメソッドおよびデータファイルからのパラメータ
も含まれており、インテグレータはこれらを利用して、計算を最適化します。
デフォルトのベースラインの設定
最も単純な場合、インテグレータは、ベースラインを次のものを結ぶ線分とし
て設定します。
• ベースラインの開始、
• チックマーク、
• ピークの終わり
࠴ࠚ࠶ࠢࡑ࡯ࠢ
ࡌ࡯ࠬ࡜ࠗࡦ
図 11
ChemStation の理解
デフォルトのベースラインの設定
89
4
積分
ベースライン割り当て
ベースラインの開始
分析の開始時にベースラインが見つからなかった場合には、ベースラインの開
始は、次のいずれかの方法で決められます。
• 分析開始のポイントが最初のベースラインポイントより下だった場合には、
分析の開始から最初のベースラインポイントまで、
• 分析開始のポイントが最初の谷より下だった場合には、分析の開始から最初
の谷ポイントまで、
• 最初の谷が、分析の開始から最初のベースラインポイントまで引いた直線の
延長よりも下に出ている場合には、分析の開始から最初の谷ポイントまで、
• 分析の開始から最初のベースラインポイントまで、水平のベースラインを伸
ばす。
チックマーク
チックマークは、ピークの開始と終了を識別するものです。それらの位置は、
ピークテーブルに保存された、ピークの開始時間と終了時間によって決まりま
す。
ベースラインの終了
最後の有効なベースラインポイントは、ベースラインの終了を示すものとして
用いられます。分析がベースライン上で終わらなかった場合には、ベースライ
ンの終了は、最後の有効なベースラインポイントから、確定されたベースライ
ンドリフトまでとして計算されます。
ピークが谷で終わっているのに、続くピークが設定した面積リジェクト値より
も低かった場合には、ベースラインは、ピークの始まりから、次の真のベース
ラインポイントまで引いた直線を延長したものになります。ピークが同様の仕
方で始まっている場合には、同じ規則が適用されます。
90
ChemStation の理解
積分
ベースライン割り当て
4
ベースラインの落ち込み
落ち込みは、構成されたベースラインよりもシグナルが下に来た場合に生じま
す (91 ページ 図 図 12 のポイント a)。ベースラインの落ち込みが生じた場合
には、ベースラインのその部分は通常、91 ページ 図 図 12 のポイント b のよ
うに、再構成されます。
V
W
図 12
ベースラインの落ち込み
ベースラインの落ち込みをすべて除去するには、次の追跡オプションを使用で
きます。
クラシカルベースライン追跡 (落ち込みなし)
このオプションを選択すると、ピーククラスタごとに、ベースラインの落ち込
みを検索します。落ち込みが見つかると、ピークの開始または終了ポイント
を、落ち込みがなくなるまでシフトします (91 ページ 図 図 12 と 92 ページ
図 図 13 のベースラインを比較してください )。
ChemStation の理解
91
4
積分
ベースライン割り当て
ᮡḰ⊛ߥࡌ࡯ࠬ࡜ࠗࡦㅊ〔
図 13
ノート
ࡌ࡯ࠬ࡜ࠗࡦㅊ〔
⪭ߜㄟߺήߒ
標準的なベースライン追跡と、ベースライン追跡 ( 落ち込みなし )
ベースライン追跡 ( 落ち込みなし ) は、溶媒ピーク、その子ピークやショル
ダーでは、利用できません。
拡張ベースライン追跡
拡張ベースライン追跡モードでは、インテグレータがピークの開始点および終
了点を最適化し、ピーククラスタのベースラインを再構築し、ベースラインの
落ち込みをなくします (91 ページ 図 図 12 を参照 )。多くの場合、拡張ベース
ライン追跡モードを使えば、スロープ感度に影響されにくい、より安定した
ベースラインを得ることができます。
ピーク / 谷比
このユーザー指定のパラメータは、拡張ベースライン追跡モードの要素の 1 つ
です。これは、ドロップラインまたは谷ベースラインを使用して、ベースライ
ン分離を示さない 2 つのピークを分離するかどうかを決定するために使用され
ます。インテグレータは、ベースライン補正された小さなピークの高さと、
ベースライン補正された谷の高さの比率を計算します。ピーク / 谷比がユー
ザー指定値より低い場合は、ドロップラインが使用されます。それ以外の場合
は、最初のピークの開始点のベースラインから谷まで、および谷から 2 番目の
ピークの終了点のベースラインまで、ベースラインが引かれます (92 ページ 図
図 13 と 93 ページ 図 図 14 を比較してください )。
92
ChemStation の理解
積分
ベースライン割り当て
=&
4
='
=k
図 14
ピーク / 谷比
ピーク / 谷比は、次の式を使用して計算されます。
H1¡ H2, Peak valley ratio = H2/Hv
および
H1 < H2, Peak valley ratio = H1/Hv
93 ページ 図 図 15 に、ピーク / 谷比のユーザー指定値がベースラインにどの
ような影響を及ぼすかを示します。
&-#*'.
&-#*'.
&.#%+%
࡙࡯ࠩ࡯ᜰቯ୯
એਅߩࡇ࡯ࠢ⼱Ყ
図 15
ChemStation の理解
&.#%+%
࡙࡯ࠩ࡯ᜰቯ୯
એ਄ߩࡇ࡯ࠢ⼱Ყ
ベースラインに対するピーク / 谷比の影響
93
4
積分
ベースライン割り当て
タンジェントスキム
タンジェントスキムは、あるピークのアップスロープまたはダウンスロープで
見つかったピークのためにベースラインを設定する方法の 1 つです。タンジェ
ントスキムを有効にすると、適切なピーク面積を計算するための、次の 4 つの
モデルが利用できるようになります。
• 指数曲線近似、
• 新規指数スキム
• 直線スキム、
• 最適なフィットを算出する、指数と直線の組み合わせ ( 標準スキム )。
指数曲線近似
このスキムモデルでは、指数関数式を用いて、子ピークの開始と終了の間に曲
線を描きます ( 子ピークの開始の高さは、親ピークのスロープに合わせて補正
されます )。この曲線は、親ピークに続く、各子ピークの下を通ります。スキ
ム曲線の下の面積は、子ピークから減算され、親ピークに加算されます (95
ページ 図 図 17 を参照してください )。
&)#'.+
&)#(*,
&)#&))
図 16
指数スキム
新モードの指数曲線スキム
このスキムモデルでは、親ピークのリーディング / トレーリングエッジを近似
する指数関数を使って曲線が描かれます。曲線は、親ピークに続く 1 つ以上の
ピーク ( 子ピーク ) の下を通過します。スキム曲線より下の面積は子ピークか
ら差し引かれ、メインピークに追加されます。複数の子ピークを同じ指数モデ
ルでスキムできます。最初の子ピーク後のすべてのピークは、ドロップライン
で区切られます。ドロップラインは、最初の子ピークの終了からスキム直線ま
で降下します (95 ページ 図 図 17 を参照 )。
94
ChemStation の理解
積分
ベースライン割り当て
ⷫࡇ࡯ࠢ
&)#'.+
4
&)#(*,
ሶࡇ࡯ࠢ
&)#&))
࠼ࡠ࠶ࡊ࡜ࠗࡦ
ᜰᢙࠬࠠࡓࠞ࡯ࡉ
ⷫࡇ࡯ࠢߩࡌ࡯ࠬ࡜ࠗࡦ
図 17
新規モード指数スキム
直線スキム
このスキムモデルでは、子ピークの開始から終了まで直線を描きます。子ピー
クの開始の高さは、親ピークのスロープに合わせて補正されます。直線の下の
面積は、子ピークから減算され、親ピークに加算されます (95 ページ 図 図
18 を参照 )。
&)#'.+
&)#(*,
&)#&))
図 18
直線スキム
標準スキム
特定の対象に合わせて、適切な計算方法を選択します。デフォルトでは、指数
と直線の計算方法を最もよくフィットするように組み合わせたものが選択され
ます。
指数と直線の計算の間の切替は、高さや面積が不連続になることがないような
仕方で行われます。
ChemStation の理解
95
4
積分
ベースライン割り当て
• シグナルがベースラインよりも十分高いところでは、テールフィッティング
計算は指数方式です。
• シグナルがベースラインエンベロープ内に入るところでは、テールフィッ
ティング計算は直線方式です。
組み合わせた計算方式は、指数またはタンジェントスキムとしてレポートされ
ます。
スキムの基準
親ピークのトレーリングエッジ上に出ている子ピークの面積を計算するのに、
スキム直線を使用するかどうかは、次の 2 つの基準によって決められます。
• テールスキム高さ比
• 谷高さ比
これらの基準は、指数方式のタイムイベントが有効な場合、または親ピークそ
のものが子ピークの場合には、使用されません。親ピークと子ピークの間の分
離コードは、タイプ Valley である必要があります。
[ テールスキム高さ比 ] は、ベースライン補正された子ピークの高さ (Hc) に対
するベースライン補正された親ピークの高さ (96 ページ 図 図 19 の Hp) の比
率です。この比は、スキムされる子ピークに対して指定された値より大きい必
要があります。
=e
=k
図 19
=X
スキム基準
テールスキム高さ比の値を高さの値、または 0 に設定すれば、分析中の指数ス
キムを無効にすることができます。
[ 谷高さ比 ] は、ベースライン上の谷の高さ (96 ページ 図 図 19 の Hv) に対す
るベースライン上の子ピークの高さ ( 同じ図の Hc) の比率です。この比は、ス
キムされる子ピークに対して指定された値より小さい必要があります。
96
ChemStation の理解
積分
ベースライン割り当て
4
スキムの指数曲線近似の計算
以下の式を使用して指数スキムを計算します (98 ページ 図 図 22 を参照して
ください )。
Hb = Ho × exp (- B × (Tr - To)) + A × Tr + C
変数の意味は次のとおりです。
Hb = 時間 Tr での指数スキムの高さ
Ho = 指数スキムの開始の高さ ( ベースラインの上 )
B = 指数関数の減衰率
To = 指数スキムの開始に対応する時間
A = 親ピークのベースラインのスロープ
C = 親ピークのベースラインのオフセット
&(#.()
&)#'.+
&)#(*,
&)#&))
=d
Id
=W
6
8
図 20
指数スキムを計算するために使用される値
指数モデルは、最初の子ピークのすぐ前の親ピークのテール部分にフィットさ
れます。98 ページ 図 図 21 に、タンジェントスキム後の子ピークの補正され
たカーブを示します。
ChemStation の理解
97
4
積分
ベースライン割り当て
⵬ᱜᷣߺሶ
ࡇ࡯ࠢࠞ࡯ࡉ
図 21
テール補正された子ピーク
フロントピークスキム
親ピークのテール上の子ピークの場合、ピークのフロント側 / アップスロープ
上の特定のピークについては、特別な積分が必要となります (98 ページ 図 図
22 を参照 )。
図 22
フロントピークスキム
フロントピークスキムは、テールピークスキムと同じスキムモデルを使い、同
じ方法で扱われます。
スキム基準は次の通りです。
• フロントスキム高さ比
• 谷高さ比
谷高さ比は、フロントピークスキムとテールピークスキムで、同じ値を取りま
す (「谷高さ比」を参照してください )。フロントスキム高さ比は、テールスキ
ム高さ比と同じ方法で計算されますが (「テールスキム高さ比」を参照してく
ださい )、異なる値になることがあります。
98
ChemStation の理解
積分
ベースライン割り当て
4
割り当てられないピーク
ベースライン設定によっては、ベースラインとシグナルの間にあるものの、認
識されたどのピークにも属さない小さな領域が存在することがあります。通
常、そのような領域は測定されることもレポートされることもありません。[
割り当てられないピーク ] をオンにすると、これらの領域も測定され、割り当
てられないピークとしてレポートされます。そのような領域のリテンション /
マイグレーションタイムは、99 ページ 図 図 23 のように領域の開始と終了の
中点になります。
%#-('
%#)-'
%#*-&
図 23
割り当てられないピーク
ピーク分離コード
レポートでは、各ピークに、シグナルベースラインの引かれ方を説明する 2、
3、または 4 文字のコードが割り当てられます。
文字 1 と 2
最初の文字はピークの開始時のベースラインを説明し、2 番目の文字はピーク
の終了時のベースラインを説明します。
B
ピークはベースライン上で開始または終了しました。
V
ピークは谷のドロップラインで開始または終了しました。
P
ピークはベースラインが落ち込んでいるところで開始または終了しました。
H
ピークは強制された水平ベースライン上で開始または終了しました。
F
ピークは強制されたポイント上で開始または終了しました。
ChemStation の理解
99
4
積分
ベースライン割り当て
M
ピークはマニュアルで積分されました。
U:
ピークは割り当てられませんでした。
付加的なフラグが追加されることもあります ( 優先順位に従います )。
文字 3
D
ピークは歪んでいました。
A
積分は中断されました。
U:
範囲より下の条件が発生しました。
O
範囲より上の条件が発生しました。
文字 4
4 番目の文字は、ピークタイプを示します。
100
S
ピークは溶媒ピークです。
N
ピークはネガティブピークです。
+
ピークは面積総和ピークです。
T
タンジェントスキムされたピークです ( 標準のスキム )。
X
タンジェントスキムされたピークです ( 古いモードの指数スキム )。
E
タンジェントスキムされたピークです ( 新しいモードの指数スキム )。
m
マニュアル ベースラインによって定義されたピークです。
n
マニュアル ベースラインによって定義されたネガティブピークです。
t
マニュアル ベースラインによって定義された、タンジェントスキムされたピー
クです。
R
ピークは再計算された溶媒ピークです。
f
フロントショルダータンジェントによって定義されたピークです。
b
リアショルダータンジェントによって定義されたピークです。
F
フロントショルダードロップラインによって定義されたピークです。
B
リアショルダードロップラインによって定義されたピークです。
U:
ピークは割り当てられていません。
ChemStation の理解
積分
ピーク面積の測定
4
ピーク面積の測定
ピーク積分の最後のステップは、ピークの最終的な面積を決定することです。
ピーク面積は、主要なポイントのファイルの内容から計算されます。主要なポ
イントとは、インテグレータにより、ピークの定義と定量のために選択された
ポイントのことです (「ピークの主要なポイントの識別」76 ページ 図 を参照
)。これには、ベースラインポイント、谷ポイント、ピーク頂点、半値幅のポ
イントが含まれます。主要なポイントは、経過時間の水平座標、ベースライン
からの高さの垂直座標、面積、およびインテグレータがピーク面積を計算する
ために使用する他のパラメータを持っています。
77
図 24
ベースライン - ベースラインピークの面積測定
単純な孤立したピークの場合、ピークの面積は、( チックマークにより識別さ
れる ) ピークの開始と終了の間の、ベースラインより上の面積を積算すること
によって決定できます。
面積の決定
積分中にインテグレータが計算する面積は、次のように決められます。
• ベースライン - ベースライン (BB) ピークの場合には、101 ページ 図 図 24
のように、チェックマーク間のベースライン上の面積になります。
ChemStation の理解
101
4
積分
ピーク面積の測定
• 谷 - 谷 (VV) ピークの場合には、102 ページ 図 図 25 のように、チェック
マークからの垂直のドロップラインで区切られた、ベースライン上の面積に
なります。
KK
図 25
谷 - 谷ピークの面積測定
• タンジェント (T) ピークの場合、リセットベースラインの上の面積です。
• 溶媒 (S) ピークの場合、最後に見つかったベースラインポイントからの水平
延長線の上、タンジェント (T) ピークに与えられたリセットベースラインの
下の面積になります。溶媒ピークは遅すぎて認識されないことがあります。
または、ライダーのセットにより、溶媒として扱うべきと思われるピークの
グループが分析に現れることがあります。これは通常、第一のものが他のも
のより非常に大きい、重なったピークによって生じます。単純なドロップラ
インによる扱いは、後者のピークを誇張する結果になります。実際には、そ
れらは第一のもののテールに乗っているからです。第一のピークを強制的に
溶媒として認識させることにより、グループの残りはテールからスキムする
ことができます。
• ベースラインの下に生じたネガティブピークは、103 ページ 図 図 26 のよ
うな正の面積を持ちます。
102
ChemStation の理解
積分
ピーク面積の測定
4
࠻࡯࠲࡞࠱࡯ࡦ㕙Ⓧࡌ࡯ࠬ࡜ࠗࡦࠃࠅਅߩ㕙Ⓧࡌ࡯ࠬ࡜ࠗࡦ⵬ᱜ㕙Ⓧ
図 26
ネガティブピークの面積測定
単位と変換ファクター
外部的には、データはデータポイントのセットを含んでいます。これらはサン
プリングされたデータか、または積分されたデータです。積分されたデータの
場合、各データポイントは高さ × 時間と表される面積に対応します。サンプリ
ングされたデータの場合、各データポイントは高さに対応します。
そのため、積分されたデータの場合には、高さは計算される実体で、面積を、
直前のデータポイントから経過した時間で割ることによって得られます。サン
プリングされたデータの場合には、面積は、データに、直前のデータポイント
から経過した時間を掛けることによって計算されます。。
積分の計算は、両方の実体を使用します。インテグレータの内部で使用される
単位は、面積の場合はカウント × ミリ秒で、高さはカウントです。これは、必
要に応じて整数に丸めるための、共通の基盤を用意するためです。時間、面
積、高さの測定値は、ソフトウェア内でどのように測定、計算、保存されてい
るかにはかかわりなく、実際の物理的な単位でレポートされます。
ChemStation の理解
103
積分
積分イベント
4
積分イベント
インテグレータは、多数の初期およびタイムインテグレータイベントを用意し
ています。多くのイベントは、オン / オフまたは開始 / 停止のペアになってい
ます。
初期イベント
初期ピーク幅
初期ピーク幅は、インテグレータの内部ピーク幅を、分析の開始のためにこの
値に設定します。この初期ピーク幅は、ピークのアップスロープ、ダウンス
ロープ、およびテーリングを検出する積算器の縮尺調整をするために使用され
ます。インテグレータは、積分を最適化するために、分析中の必要な時にピー
ク幅を更新します。ピーク幅は、最初の期待されるピーク ( 溶媒ピークを除く
) の半値幅に対応する時間の単位で、設定します。
スロープ感度
スロープ感度は、ピーク感度の設定値です。これは、均等目盛で変化する設定
です。
高さリジェクト
高さリジェクトは、最終的な高さによるピーク排除を設定します。高さが高さ
の最小値より小さいピークは、レポートされません。
面積リジェクト
面積リジェクトは、最終的な面積によるピーク排除を設定します。面積が面積
の最小値より小さいピークは、レポートされません。
ショルダー検出
ショルダー検出がオンの場合、インテグレータは、二次微分係数で与えられる
ピークの曲率を使用して、ショルダーを検出します。曲率がゼロになると、イ
ンテグレータはこの変曲点をショルダーの可能性があると認識します。インテ
グレータがピークの頂点前に別の変曲点を認識すると、ショルダーが検出され
たことになります。
ピーク幅
ピーク幅の設定は、インテグレータがベースラインノイズからピークを識別す
る選択性を決定します。良いパフォーマンスを得るには、ピーク幅は、実際の
クロマトグラフ / エレクトロフェログラムの半値幅に近い値に設定する必要が
あります。インテグレータは、積分を最適化するために、分析中の必要な時に
ピーク幅を更新します。
104
ChemStation の理解
積分
積分イベント
4
ピーク幅の選択
ノイズがピークとして解釈されるのを十分防ぐことができ、一方で、シグナル
の情報を歪めないような、適切な設定を選択してください。。
• 対象とする単一のピークに適した初期ピーク幅を選択するには、ピークの時
間幅を基にしてください。
• 対称とするピークが複数ある場合に、適切な初期ピーク幅を選択するには、
最適なピーク選択性が得られるように、初期ピーク幅は、最も狭いピーク幅
以下の値に設定してください。
選択したピーク幅が狭すぎる場合には、ノイズがピークとして解釈されること
があります。広いピークと狭いピークが混ざっている場合には、ランタイムプ
ログラムイベントを使用して、特定のピークに合わせてピーク幅を調整するこ
とができます。時には、たとえば等温 GC やアイソクラティック LC 分析では、
ピークは分析が進むにつれて顕著に広くなります。これを補正するため、イン
テグレータは、分析中にピークが広くなると、ピーク幅を自動的に更新しま
す。これは、無効にされたり、タイムイベントで設定されたりしていない限
り、行われます。
ピーク幅の更新は、次の方法で重み付けされます。
0,75 × (existing peak width) + 0,25 × (width of current peak)
積分タイムイベントが無効にした場合、またはピーク幅を特定の値に設定した
場合には、自動的なピーク幅の調整は無効になります。
高さリジェクトとピーク幅
ピーク幅と高さリジェクトは両方とも、積分プロセスで非常に重要です。これ
らの値を変更すると、異なった結果になることがあります。
• ノイズの多い環境で、比較的多量の成分を検出する必要がある場合には、高
さリジェクトとピーク幅の両方を大きくします。ピーク幅を大きくすると、
ノイズの除去効果が改善され、高さリジェクトを大きくすると、ランダムノ
イズを無視しやすくなります。
• 高さがノイズそのものに近い、微量成分を検出して定量するには、高さリ
ジェクトとピーク幅を小さくします。ピーク幅を小さくすると、シグナルの
フィルタリング効果が小さくなり、高さリジェクトを小さくすると、高さが
足りないために小さなピークが拒否されることがなくなります。
• 分析対象にさまざまなピーク幅のピークが含まれている場合には、ピーク幅
を最も狭いピークに合わせるとともに、高さリジェクトを小さくして、高さ
が減ったために広いピークが無視されることがないようにしてください。
ChemStation の理解
105
4
積分
積分イベント
積分のチューニング
積分をカスタマイズするには、スロープ感度、ピーク幅、高さリジェクト、面
積リジェクトの値を変更することが、多くの場合に役立ちます。
106 ページ 図 図 27 は、これらのパラメータが、シグナル内の 5 つのピーク
の積分にどのように影響するかを示しています。
㜞ߐ࡝ࠫࠚࠢ࠻
ࡌ࡯ࠬ࡜ࠗࡦ
(
+
&
*
ࡇ࡯ࠢ᏷
,
'
)
図 27
初期イベントの使用
ピークは、4 つの積分パラメータのすべてが満たされたときにのみ、積分され
ます。106 ページ 図 図 27 のようにピーク 3 のピーク幅、面積リジェクト、
スロープ感度などを使用すると、ピーク 1、3、5、7 だけが積分されます。.
106
ピーク 1
は、4 つの積分パラメータすべてが満たされているので、積分されます。
ピーク 2
は、面積が設定された面積リジェクト値より小さいので、拒否されます。
ピーク 3
は、4 つの積分パラメータすべてが満たされているので、積分されます。
ピーク 4
は、ピーク高さが高さリジェクトの値より小さいので、積分されません。
ピーク 5
は、面積が設定された面積リジェクト値より小さいので、拒否されます。
ピーク 6
は積分されません。フィルタリングとバンチ化により、ピークは見えなくなり
ます。
ピーク 7
は積分されます。
ChemStation の理解
積分
積分イベント
表 12
4
高さおよび面積リジェクト値
積分パラメータ
ピーク 1 ピーク 2 ピーク 3 ピーク 4 ピーク 5 ピーク 7
高さリジェクト
越える
越える
越える
越えな
い
越える
越える
面積リジェクト
越える
越えな
い
越える
越えな
い
越えな
い
越える
ピークは積分される
はい
いいえ
はい
いいえ
いいえ
はい
タイムイベント
シグナルベースラインのデフォルトの構成が適切でない場合には、タイムイベ
ントを使用して、シグナルベースラインをカスタマイズすることができます。
これらのイベントは、最終的なピーク面積を加算する場合、そして短期間およ
び長期間のベースラインの逸脱を補正する場合に、役立ちます。積分イベント
についての詳細は、「初期イベント」104 ページ 図を参照してください。
自動積分
自動積分機能は、初期イベントを設定するための開始点を提供します。これ
は、新しいメソッドを実装する場合に、特に役立ちます。タイムイベントを含
んでいない、デフォルトの積分イベントテーブルから始めます。それから、一
般的な使用目的のために自動積分機能によって提案されたパラメータを最適化
することができます。
操作の原則
自動積分機能は、クロマトグラムデータを読み込んで、クロマトグラムオブ
ジェクト内の各シグナルに対する初期積分パラメータの最適値を計算します。
アルゴリズムは、クロマトグラムの開始と終了の 1% の部分を調べて、その部
分のノイズとスロープを決定します。ノイズは、線形回帰の標準偏差の 3 倍
を、回帰で使用されたポイントのパーセント数の平方根で割った値として、決
定されます。これらの値は、積分の高さリジェクトおよびスロープ感度に適切
な値を割り当てるために使用されます。それからアルゴリズムは、クロマトグ
ラムの長さに応じ、LC の場合は 0.5%、GC の場合は 0.3% ないし 0.2 % として、
ChemStation の理解
107
4
積分
積分イベント
ピーク幅の一時的な値を割り当てます。初期面積リジェクトはゼロに設定し
て、積分を試行します。この試行は、少なくとも 5 つのピークが検出されるま
で、毎回パラメータを調整し、または初期高さリジェクトを 0 に設定して、必
要に応じて数回繰り返されます。積分の試行は、10 回行っても上記の条件が
満たされなかった場合には、終了します。
それから、積分の結果が調べられ、検出されたピークの幅に基づいてピーク幅
が調整され、初期ピークに向かって計算のバイアスが設定されます。検出され
たピークのピーク対称性を使用し、ピーク幅計算に 0.8 ~ 1.3 の対称性を持つ
ピークだけを含みます。十分に対称なピークが検出されないと、この制限は緩
和され、下限値は 1.5 分の 1 に、上限値は 1.5 倍にされます。それから、ピー
ク間のベースラインを調べて、以前の高さリジェクトおよびスロープ感度の値
を調整します。面積リジェクトは、積分の試行の間に検出された最も対称度の
高いピークの最小面積の 90% に設定されます。
クロマトグラムは、これらの積分パラメータの最終的な値を使用して再度積分
され、その積分の結果が保存されます。
自動積分のパラメータ
次のパラメータが、自動積分機能によって設定されます。
• 初期スロープ感度
• 初期高さ
• 初期ピーク幅
• 初期面積リジェクト
108
ChemStation の理解
積分
マニュアル積分
4
マニュアル積分
このタイプの積分を行えば、選択したピーク、またはピークのグループを積分
できます。初期面積リジェクト値を除き、ソフトウェアのイベント積分は、マ
ニュアル積分で指定範囲内では無視されます。マニュアル積分の結果得られた
1 つまたは複数のピークが、面積リジェクトのスレッショルドよりも低い場合
には、廃棄されます。マニュアル積分イベントは、絶対時間値を用います。シ
グナルドリフトは調整しません。
マニュアル積分では、自分でピークの開始および終了ポイントを定義して、定
量とレポートのために再計算する面積を含めることができます。マニュアル積
分によるピークは、レポート内ではピーク分離コード M によってラベルされ
ます。
マニュアル積分では、次の機能が提供されます。
ベースライ
ンを引く
[ ベースラインを引く ] では、ピークまたは複数のピークのためのベースライ
ンが引かれる場所を指定します。範囲内のピークをすべての谷のポイントで自
動的に分離するかを指定できます。
ネガティ
ブピーク
[ ネガティブピーク ] は、ネガティブピークとしてベースライン下の面積すべ
てを処理する時間を指定します。範囲内のピークをすべての谷のポイントで自
動的に分離するかを指定できます。
タンジェン
トスキム
[ タンジェントスキム ] は、メインピークから離れてタンジェントスキムされ
たピークの面積を計算します。タンジェントスキムされたピークの面積は、メ
インピークの面積から減算されます。
ピーク分割
[ ピーク分割 ] は、ピークをドロップラインで分割するポイントを指定します。
ピーク削除
積分結果から 1 つ以上のピークを削除します。
ChemStation の理解
109
4
積分
マニュアル積分
マニュアル積分ピークのピーク分離コード
ベースラインの手動描画などのマニュアル積分イベントは、タイム積分イベン
トよりもさらにデータファイル固有です。複雑なクロマトグラムの場合、再解
析のためにこれらのイベントを使用できることが非常に望まれます。
そのため、ChemStation B.04.01 以降では、メソッドの代わりにデータファイル
に直接、マニュアル積分イベントを保存できます。データファイルをレビュー
または再解析する時はいつでも、データファイル中のマニュアル積分イベント
が自動的に適用されます。マニュアル積分イベントを含む分析は、[ ナビゲー
ション ] テーブルの対応する列に印が付けられます。
マニュアルによるベースライン描画やピーク削除のツールに加えて、以下の操
作を行う 3 つの追加ツールがユーザーインタフェースに用意されています。
• データファイルに現在表示されているクロマトグラムのマニュアルイベント
を保存。
• 現在表示されているクロマトグラムからすべてのイベントを削除。
• 最後のマニュアル積分イベントを元に戻す ( イベントが保存されるまで使用
可能 )。
[ ナビゲーション ] テーブルのレビュー中に次のデータファイルで操作を続ける
場合、ChemStation は未保存のマニュアル積分イベントを確認し、イベントを
保存するかユーザーに尋ねます。
[ ナビゲーション ] テーブルのレビュー中にデータファイルに保存されたマニュ
アルイベントは、[ バッチ ] モードでのレビュー中に保存されたマニュアル積分
イベントと結合しません。これら 2 つのレビュー方法は、データファイルのマ
ニュアルイベントに関して完全に別です。
リビジョン B.04.01 以前の ChemStation では、マニュアル積分イベントはメ
ソッドだけに保存できます。B.04.01 では、このワークフローをまだ使用できま
す。メソッドでマニュアル積分イベントを取り扱うために、[ データ解析 ] ビュー
の [ 積分 ] メニューには以下の項目が示されます。
メソッドのマニュアルイベントの更新 : メソッドに新しく記載したマニュアル
イベントを保存します。
メソッドからマニュアルイベントを適用 : 現在読み込まれているデータファイ
ルに、現在メソッドに保存されているマニュアルイベントを適用。
メソッドからマニュアルイベントの削除 : メソッドからマニュアルイベントを
削除します。
110
ChemStation の理解
積分
マニュアル積分
4
メソッドに保存されたマニュアルイベントをデータファイルに保存するように
変換するには、メソッドからイベントを使用し、データファイルに結果を保存
します。希望する場合、メソッドからイベントを削除します。
メソッドの [ 積分イベント ] テーブルの [ マニュアルイベント ] チェックボッ
クスがオンの場合、このメソッドを用いたデータファイルを読み込む時に、メ
ソッドのマニュアルイベントが常に適用されます。データファイルに追加マ
ニュアルイベントを含む場合、メソッドのイベントの後に適用されます。[ マ
ニュアルイベント ] チェックボックスがオンの場合、データファイルにイベン
トを保存するかユーザーが尋ねられることはありません。
メソッドに保存されたマニュアル積分イベントの変換
ChemStation リビジョン B.04.01 以前の場合、個々のデータファイルの代わり
に、メソッドにマニュアル積分イベントを保存しました。データファイル固有
の方法でマニュアルイベントを保存するために、各固有のデータファイルの個
別のメソッド DA.M を使用することが最も便利でした。
メソッドのマニュアル積分イベントをデータファイルで保存されたイベントに
変換するか、メソッドに保存されたマニュアルイベントを用いて作業を続ける
ために、[ データ解析 ] ビューの [ 積分 ] メニューにより以下の項目を示しま
す。
• メソッドのマニュアルイベントの更新 : 新たに描かれたマニュアルイベント
をメソッドに保存します。
• メソッドからのマニュアルイベントの適用 : 現在、メソッドに保存されてい
るイベントを、現在読み込んでいるデータファイルに適用します。
• メソッドからのマニュアルイベントの削除 : メソッドからマニュアルイベン
トを削除します。
ChemStation の理解
111
4
112
積分
マニュアル積分
ChemStation の理解
ChemStation の理解
5
定量
定量とは
114
定量計算
115
補正係数 116
絶対レスポンスファクタ 116
倍率 116
希釈率 116
サンプルアマウント 117
キャリブレーションされていない計算の手順
面積 % および高さ % 118
キャリブレーションされた計算の手順
ESTD 計算
補正 % 計算
118
119
120
122
ISTD 計算 123
分析 1: キャリブレーション 124
分析 2: 未知サンプル 124
キャリブレーションピークの ISTD 計算 125
キャリブレーションされていないピークの ISTD 計算
125
この章では、ChemStation が定量を行う方法について説明します。面積 % およ
び高さ % の計算、外部標準 (ESTD) 計算、補正 % 計算、内部標準 (ISTD) 計算、
および同定されていないピークの定量に関する詳細を説明します。
Agilent Technologies
113
5
定量
定量とは
定量とは
ピークが積分され同定された後の分析における次の段階は、定量になります。
定量では、ピーク面積または高さを使用し、サンプル内の化合物の濃度を測定
します。
定量分析には多くの手順が含まれますが、要約すると次のようになります。
• 分析している化合物を把握する。
• この化合物を含んでいるサンプルの分析方法を確立する。
• 既知の濃度または化合物の濃度を含む 1 つまたは複数のサンプルを分析し
て、その濃度に起因するレスポンスを取得する。
検出器に非直線形のレスポンスが返ってくる場合は、化合物の異なる濃度を
使用して、たくさんのサンプルを分析することもできます。このプロセス
は、マルチレベルキャリブレーションと呼ばれます。
• 化合物の未知の濃度を含むサンプルを分析して、その未知の濃度に起因する
レスポンスを取得します。
• 未知の濃度のレスポンスを既知の濃度の反応と比較し、存在する化合物の量
を測定します。
未知のサンプルの反応と既知のサンプルのレスポンスとを有効に比較するに
は、同一の条件のもとでデータを取得し処理する必要があります。
114
ChemStation の理解
定量
定量計算
5
定量計算
ChemStation では、混合物内に存在する成分ごとの濃度を測定する次のような
計算手順が提供されます。
• パーセント
• 標準化
• 外部標準 (ESTD)
• ESTD%
• 内部標準 (ISTD)
• ISTD%
未知のサンプル内の化合物の濃度を測定するのに使用される計算方法は、定量
の種類によって異なります。各計算手順では、計算にピーク領域または高さが
使用され、異なる種類のレポートが生成されます。
ChemStation の理解
115
5
定量
補正係数
補正係数
定量計算では、絶対レスポンスファクタ、倍率、希釈率、およびサンプルアマ
ウントの 4 つの補正係数が使用されます。これらの係数は、キャリブレーショ
ンの手順の中で使用され、検出器のレスポンスにおける変動を、異なるサンプ
ル成分、濃度、サンプル希釈、サンプルアマウント、および変換単位に補正し
ます。
絶対レスポンスファクタ
あるサンプル成分の絶対レスポンスファクタは、成分の量をキャリブレーショ
ン混合物の分析における成分のピークの測定面積または高さで割ったものを表
します。キャリブレーションされた各計算手順で使用される絶対レスポンス
ファクタは、検出器のレスポンスをサンプルの個々の成分に補正します。
倍率
倍率は、各成分の結果に乗じるために各計算式で使用されます。倍率は、単位
を変換して量を表すために使用できます。
希釈率
希釈率ファクタは、レポートが印刷される前に、すべての計算された結果が乗
じられる係数です。結果のスケールを変更するために、または分析前にサンプ
ル組成の変更を補正するために希釈率を使用できます。コンスタントファク
ターの使用を必要とする以外の目的にも希釈率を使用できます。
116
ChemStation の理解
定量
補正係数
5
サンプルアマウント
ESTD% または ISTD% の計算が選択された場合、ESTD および ISTD レポート
には、絶対値ではなく相対値が表示されます。つまり、各成分のアマウント
は、サンプルアマウントの割合として表示されます。サンプルアマウントは、
ESTD% および ISTD% レポート内で使用され、指定された値で割ることによ
り、分析された成分の絶対アマウントを相対値に変換します。
ChemStation の理解
117
5
定量
キャリブレーションされていない計算の手順
キャリブレーションされていない計算の手順
キャリブレーションされていない計算の手順では、キャリブレーションテーブ
ルは必要ありません。
面積 % および高さ %
面積 % の計算手順では、分析における各ピークの面積は、すべてのピークの面
積の合計に対する割合としてレポートされます。面積 % は、前もってキャリブ
レーションする必要がなく、検出器の限度内で注入されたサンプルの量によっ
て異なりません。レスポンスファクタは使用されません。すべての成分が検出
器の中で等しく反応し、溶出された場合、面積 % は成分の相対アマウントの適
切な近似値を提供します。
面積 % は、定性的な結果が重要な場合、および他のキャリブレーション手順に
必要なキャリブレーションテーブルを作成するための情報を生成するのに使用
されます。
高さ % の計算手順では、分析における各ピークの高さは、すべてのピークの高
さの合計に対する割合としてレポートされます。
118
ChemStation の理解
定量
キャリブレーションされた計算の手順
5
キャリブレーションされた計算の手順
外部標準 (ESTD)、標準化、および内部標準 (ISTD) の計算では、レスポンス
ファクタが必要で、そのためキャリブレーションテーブルが使用されます。
キャリブレーションテーブルは、選択した手順によって、選択した単位へのレ
スポンスの変換を指定します。
ChemStation の理解
119
5
定量
ESTD 計算
ESTD 計算
ESTD 手順は、基本的な定量の手順で、キャリブレーションおよび未知のサン
プルの両方が同じ条件のもと分析されます。未知のサンプルの結果は、その後
キャリブレーションサンプルの結果と比較され、未知のサンプルのアマウント
が計算されます。
ESTD 手順では、ISTD 手順とは異なり、絶対レスポンスファクタが使用されま
す。キャリブレーションからレスポンスファクタが取得され、その後保存され
ます。引き続きサンプルが分析される中で、これらのレスポンスファクタを測
定されたサンプルアマウントに適用することにより、成分のアマウントが計算
されます。注入サイズの変動やサンプル前処理を補正するための標準試料がサ
ンプル中にないため、分析間でサンプル注入サイズに再現性があるかを確認し
ます。
ESTD レポートが準備される際、未知のサンプルの中の特定の化合物のアマウ
ントの計算が、次の 2 つのステップで行われます。
1 この化合物のキャリブレーションポイントを通る曲線についての式は、[
キャリブレーション設定 ] または [ 検量線 ] ダイアログ ボックスで指定され
たフィットの種類を使用して計算されます。
2 未知のサンプル内の化合物のアマウントは、下で説明する式を使用して計算
されます。このアマウントはレポートで表示されるか、レポートされる前
に、倍率、希釈率、またはサンプルアマウントの値により呼び出された追加
の計算で使用される可能性があります。
ESTD レポートが選択された場合、化合物の絶対アマウント x を計算するのに
使用された式は次のとおりです。
変数の意味は次のとおりです。
Responsex は、ピーク x のレスポンスです。
RFx は、成分 x のレスポンスファクタで、次のように計算されます。
M は、倍率です。
120
ChemStation の理解
定量
ESTD 計算
5
D は、希釈率です。
࡟ࠬࡐࡦࠬ
4(Z
࡟ࠬࡐ
ࡦࠬZ
ࠕࡑ࠙ࡦ࠻Z
図 28
ࠕࡑ࠙ࡦ࠻
レスポンスファクタ
倍率および希釈率は、[ キャリブレーション設定 ] または [ サンプル情報 ] ダ
イアログボックスのいずれかから読み込まれます。
ESTD% レポートが選択され、サンプルアマウントがゼロでない場合は、成分 x
の相対アマウント (%) は次のように計算されます。
変数の意味は次のとおりです。
x の絶対アマウントは、上の ESTD 計算のところで示してあります。
シングルラン用に、サンプルアマウントが、[ サンプル情報 ]、または [ キャリ
ブレーション設定 ] から取得されます。サンプルアマウントがゼロの場合は、
ESTD が計算されます。
ChemStation の理解
121
5
定量
補正 % 計算
補正 % 計算
ノーマライゼーション方式では、異なるサンプル成分に対して検出器の感度に
発生する変化を補正するために、ピーク面積 ( または高さ ) にレスポンスファ
クタが適用されます。
Norm% レポートは、化合物の絶対アマウントよりも相対アマウントを計算す
る追加ステップがある点を除いて、ESTD レポートと同じように計算されま
す。
補正 % レポートには、面積 % および高さ % レポートと同様の欠点があります。
全体のピーク面積に影響を及ぼす変更によって、各個別ピークの濃度計算に影
響が及びます。ノーマライゼーションレポートは、重要なすべての成分が溶出
され統合された場合にのみ使用される必要があります。選択されたピークを
ノーマライゼーションレポートから除外すると、サンプル内のレポート結果が
変更されます。
成分 x の補正 % を計算するのに使用される式は次のものです。
変数の意味は次のとおりです。
レスポンス x
ピーク x の面積 ( または高さ )
RFx
レスポンスファクタ
S(Response · RF)
ピーク x を含むすべてのピークに対する (Response RF) の
積のすべての合計
M
乗数
D
希釈率
倍率および希釈率は、[ キャリブレーション設定 ] または [ サンプル情報 ] ダ
イアログボックスのいずれかから読み込まれます。
122
ChemStation の理解
定量
ISTD 計算
5
ISTD 計算
ISTD 手順では、ノーマライジングファクタとして働く成分の既知のアマウン
トを追加することにより、ESTD 方式の欠点が排除されます。この内部標準の
成分は、キャリブレーションおよび未知のサンプルの両方に追加されます。
ソフトウェアは、メソッドの中に保存されている以前のキャリブレーションか
ら取得した適切なレスポンスファクタを取り込みます。分析による内部標準の
濃度およびピーク面積または高さを使用して、ソフトウェアは成分の濃度を計
算します。
内部標準として使用される化合物は、化学的にもリテンション / マイグレー
ションタイムにおいてもキャリブレーション化合物に類似していなければなり
ませんが、クロマトグラフ的には識別できなければなりません。
表 13
ISTD 手順
利点
欠点
サンプルサイズバリエーションは重要で
はない。
内部標準をすべてのサンプルに追加する
必要がある
機器のドリフトは、内部標準で補正でき
る。
ISTD と未知のサンプルの化学的挙動が類
似している場合、サンプルの準備の影響
が最小限に抑えられる。
ISTD 手順が非直線形の特徴をもったキャリブレーションに使用される場合、
計算方式の結果発生するエラーが組織的なエラーを引き起こさないように注意
する必要があります。マルチレベルキャリブレーションでは、ISTD 化合物の
アマウントを一定、つまり、化合物のキャリブレーションカーブが非直線形の
場合、すべてのレベルで同じにする必要があります。
内部標準分析では、対象となる成分のアマウントは、2 つのピークの比率に
よって内部標準成分のアマウントと関係しています。
ツーランの ISTD キャリブレーションでは、未知のサンプルでの特定の化合物
の補正されたアマウント比の計算は、次のような段階により実行されます。
ChemStation の理解
123
5
定量
ISTD 計算
分析 1: キャリブレーション
1 キャリブレーションポイントは、キャリブレーション テーブルの特定の
ピークの、レベルごとのアマウント比とレスポンス比の計算によって作成し
ます。
アマウント比は、任意のレベルについての内部標準のアマウントによって分
割される化合物のアマウントです。
レスポンス比は、任意のレベルについての内部標準の面積または高さによっ
て分割される化合物の面積です。
2 キャリブレーションポイントを通る曲線についての式は、[ キャリブレー
ション設定 ] または [ 検量線 ] ダイアログ ボックスで指定されたカーブ
フィットの種類を使用して計算されます。
࡟ࠬࡐࡦࠬᲧ
G;m
ࠕࡑ࠙ࡦ࠻Ყ
図 29
アマウント比
分析 2: 未知サンプル
1 未知のサンプルでの化合物のレスポンスは、未知のサンプルでの内部標準の
レスポンスで分割され、未知のレスポンス比を提供します。
2 未知のサンプルのアマウント比は、上記のステップ 2 の検量線の式およびサ
ンプル内の ISTD の実アマウントを使用して計算されます。
124
ChemStation の理解
定量
ISTD 計算
5
キャリブレーションピークの ISTD 計算
シングルレベルキャリブレーション用に、キャリブレーションされた成分 x の
実アマウントを計算するのに使用される式は、次のようなものです。
変数の意味は次のとおりです。
RFx は、化合物 x のレスポンスファクタです。
ISTD の実アマウント ( 実アマウント ) は、[ キャリブレーション設定 ] または
未知のサンプルに追加された内部標準向けの [ サンプル情報 ] ダイアログボッ
クスに入力された値です。
M は、倍率です。
D は、希釈率です。
ISTD% レポートタイプが選択された場合、成分 x の相対 (%) アマウントの計算
には次の式が使用されます。
キャリブレーションされていないピークの ISTD 計算
同定されていないピークのアマウントを計算するのに使用されるレスポンス
ファクタを定義するには、2 通りの方法があります。
1 [キャリブレーション設定] ダイアログボックスの [レスポンスファクタ固定]
ボックスで設定される固定レスポンスファクタを使用します。ISTD 補正を
指定することで、固定レスポンスファクタの補正を選択できます。
ChemStation の理解
125
5
定量
ISTD 計算
RFx は、[ キャリブレーション設定 ] ダイアログボックスで設定されるレス
ポンスファクタです。
これらの式からは、ISTD レスポンス内にある変動が未知の成分の定量を補
正するのに使用されることがわかるはずです。
2 キャリブレーションピークを使用します。これにより、すべてのピークの定
量に確実に同じレスポンスファクタが使用されるようになります。選択され
た化合物およびキャリブレーションされていないピークのレスポンスファク
タは、すべてのリキャリブレーションの際に補正されます。キャリブレー
ションされたピークのレスポンスファクタが変化した場合、キャリブレー
ションされていないピークのレスポンスファクタもまた、同様のアマウント
だけ変化します。キャリブレーションテーブルがすでに設定されている場
合、[ キャリブレーション設定 ] ダイアログボックスにある [ 既存化合物使
用 ] コンボボックスから化合物を選択できます。
キャリブレーションされていないピーク x の実アマウントを計算するのに使用
される式を上に示しています。
126
ChemStation の理解
ChemStation の理解
6
ピーク同定
ピーク同定とは
128
ピークマッチングルール
129
ピーク同定のタイプ 130
絶対リテンション / マイグレーションタイム
補正リテンション / マイグレーションタイム
ピーククォリファイア 130
アマウントリミット 131
絶対リテンション / マイグレーションタイム
132
補正済みリテンション / マイグレーションタイム
単一のリファレンスピーク 134
複数のリファレンスピーク 135
ピーククォリファイア 136
シグナル相関 137
クォリファイアベリフィケーション
クォリファイア比の計算 137
130
130
134
137
同定プロセス 139
リファレンスピークの検出 139
ISTD ピークの検出 139
残りのキャリブレーションピークの検出
未確認のピークの分類 140
140
本章では、ピーク同定のコンセプトについて説明します。
Agilent Technologies
127
6
ピーク同定
ピーク同定とは
ピーク同定とは
ピーク同定は、未知のサンプルの中の成分を、そのクロマトグラフ / 電気泳動
特性に基づき、よく知られたキャリブレーションサンプルの分析と比較するこ
とによって、識別することです。
分析メソッドで定量が要求されている場合には、これらの成分の同定は、定量
のための必要なステップとなります。対象とする各成分のシグナル特性は、メ
ソッドのキャリブレーションテーブルに保存されます。
ピーク同定プロセスの機能は、シグナルの各ピークを、キャリブレーション
テーブルに保存されたピークと比較することです。
キャリブレーションテーブルには、対象とする成分の、予想されるリテンショ
ン / マイグレーションタイムが含まれています。キャリブレーションテーブル
のピークのリテンション / マイグレーションタイムと一致したピークには、そ
の成分の属性、たとえば名前やレスポンスファクタが与えられます。キャリブ
レーションテーブルのどのピークとも一致しなかったピークは、不明として分
類されます。このプロセスは、次のものによってコントロールされます。
• タイムリファレンスピークとして指定されたピークの、キャリブレーション
テーブルでのリテンション / マイグレーションタイム、
• リファレンスピークに指定されたリテンション / マイグレーションタイム
ウィンドウ、
• タイムリファレンスピークではないキャリブレーションピークの、キャリブ
レーションテーブルでのリテンション / マイグレーションタイム、
• リファレンス以外のピークに指定されたリテンション / マイグレーションタ
イムウィンドウ、および
• 正しい比を持つ、付加的な所定のピークの存在。
128
ChemStation の理解
ピーク同定
ピークマッチングルール
6
ピークマッチングルール
ピークマッチングプロセスには、次の規則が適用されます。
• サンプルのピークが、キャリプレーションテーブルの成分ピークのピーク
マッチングウィンドウ内に入った場合には、ピークにはその成分の属性が与
えられます。
• 複数のサンプルのピークがピークマッチングウィンドウ内に入った場合に
は、予想されるリテンション / マイグレーションタイムに最も近いピーク
が、その成分として同定されます。
• ピークがタイムリファレンスまたは内部標準の場合には、ウィンドウ内の最
大のピークがその成分として同定されます。
• ピーククォリファイアも使用されている場合には、成分のピークを同定する
ために、ピーク比がピークマッチングウィンドウと組み合わされます。
• ピークがクォリファイアピークの場合には、化合物のメインのピークに最も
近い測定ピークが同定されます。そして
• サンプルピークがどのピークマッチングウィンドウにも入らなかった場合に
は、不明な成分として一覧表示されます。
ChemStation の理解
129
6
ピーク同定
ピーク同定のタイプ
ピーク同定のタイプ
サンプルのピークを ChemStation ソフトウェアのキャリブレーションテーブ
ル内のピークとマッチさせるためには、いくつかの技法があります。
絶対リテンション / マイグレーションタイム
サンプルピークのリテンション / マイグレーションタイムは、キャリブレー
ション テーブル内の各成分に指定された、予想リテンション / マイグレーショ
ンタイムと比較されます。
補正リテンション / マイグレーションタイム
成分ピークの予想リテンション / マイグレーションタイムは、1 つまたは複数
のピークの実際のリテンション / マイグレーションタイムを使用して補正さ
れ、マッチングプロセスはこの補正された ( 相対 ) リテンション / マイグレー
ションタイムを使用して行われます。リファレンスピークは、キャリブレー
ションテーブル内で指定されている必要があります。
ピーククォリファイア
リテンション / マイグレーションタイムでピークを同定することに加えて、
ピーククォリファイアを使用すれば、より正確な結果を得ることができます。
リテンション / マイグレーションタイムウィンドウ内に複数のピークが存在す
る場合には、正しい化合物を同定するために、クォリファイアを使用する必要
があります。
130
ChemStation の理解
ピーク同定
ピーク同定のタイプ
6
アマウントリミット
[ 化合物詳細 ] ダイアログボックスで定義されたアマウントリミットは、ピー
ク同定をクオリファイするために使用されます。同定された化合物のアマウン
トがアマウントリミット内であれば、ピークの同定がレポートに記述されま
す。
ChemStation の理解
131
6
ピーク同定
絶対リテンション / マイグレーションタイム
絶対リテンション / マイグレーションタイム
リテンション / マイグレーションタイムウィンドウは、ピークマッチングプロ
セスで使用されます。リテンション / マイグレーションタイムウィンドウは、
予想されるピークのリテンション / マイグレーションタイムを中心とするウィ
ンドウです。このウィンドウ内に入ったサンプルは、成分同定の候補と見なさ
れます。
132 ページ 図 図 30 は、1.809 ~ 2.631 分のピーク 2 のリテンション / マイグ
レーションタイムウィンドウを示しています。ここで、予想リテンション / マ
イグレーションタイムは 2.22 分です。ピーク 2 には 2 つの可能性があります。
一方は 1.85 分で、もう一方は 2.33 分です。予想ピークがリファレンス以外の
ピークの場合には、予想リテンション / マイグレーションタイムの 2.22 分に近
い方のピークが選択されます。
予想ピークがタイムリファレンスまたは内部標準の場合には、ウィンドウ内の
最大のピークが選択されます。
どちらの場合にも、ChemStation は 2.33 分のピークを選択します。2 つのピー
クが同じサイズの場合には、ウィンドウの中心に近いほうのピークが選択され
ます。
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図 30
リテンション / マイグレーションタイムウィンドウ
ピークの同定には、3 種類のウィンドウが使用されます。
• リファレンスピークウィンドウは、リファレンスピークにのみ適用されま
す。
132
ChemStation の理解
ピーク同定
絶対リテンション / マイグレーションタイム
6
• リファレンス以外のピークウィンドウは、キャリブレーションされた他のす
べてのピークに適用されます。そして
• [ 化合物詳細 ] ダイアログボックスで設定された、個々の成分の固有のウィ
ンドウ値です。
これのウィンドウのデフォルト値は、[ キャリブレーション設定 ] ダイアログ
ボックスで入力されます。ピークマッチングウィンドウを定義するリテンショ
ン / マイグレーションタイムの両側の幅は、絶対ウィンドウとパーセンテージ
ウィンドウの和です。
5% のウィンドウは、ピークのリテンション / マイグレーションタイムが、そ
のピークのキャリブレーションされたリテンション / マイグレーションタイム
の下 2.5 % から上 2.5% までの間に入っていなければならないことを意味してい
ます。たとえば、キャリブレーション分析でリテンション / マイグレーション
タイムが 2.00 分のピークは、その後の分析では 1.95 ~ 2.05 分に現れる必要が
あります。
たとえば、絶対ウィンドウが 0.20 分で、相対ウィンドウが 10% の場合には、
リテンション / マイグレーションタイムウィンドウは 1.80 ~ 2.20 分になりま
す。
1.80 分 = 2.00 分 • 0.10 分 (0.20 分 /2)• 0.10 分 (2.00 分の 10 %)
2.20 分 = 200 分 + 0.10 分 (0.20 分 /2) + 0.10 分 (2.00 分の 10 %)
ChemStation の理解
133
6
ピーク同定
補正済みリテンション / マイグレーションタイム
補正済みリテンション / マイグレーションタイム
絶対リテンション / マイグレーションタイムを使ってピークをマッチするの
は、簡潔な方法ですが常に信頼できるとは言えません。個々のリテンション /
マイグレーションタイムは、条件やテクニックにおける小さな変更によって変
化します。その結果、ピークマッチングウィンドウ外にピークが発生し、認識
されません。
絶対リテンション / マイグレーションタイムで発生する避けられないばらつき
に対処するテクニックは、1 つ以上のリファレンスピークに対する成分のリテ
ンション / マイグレーションタイムを表すことです。
リファレンスピークは、キャリブレーションテーブル内でそのピークの参照列
内のエントリとして認識されます。相対ピークマッチングテクニックは、サン
プルピークのリテンション / マイグレーションタイム内のシフトを相殺する目
的でピークマッチングウィンドウの位置を変更するために、リファレンスピー
クまたはピークを使用します。
メソッド内に定義されたリファレンスピークがない、あるいは ChemStation
が実行中に少なくとも リファレンスピークを 1 つも識別できない場合、ソフト
ウェアは識別のために絶対リテンション / マイグレーションタイムを使用しま
す。
単一のリファレンスピーク
リファレンスピークのリテンション / マイグレーションタイムウィンドウは、
そのリテンション / マイグレーションタイムの周囲に作成されます。このウィ
ンドウ内の最大のピークが、リファレンスピークとして同定されます。キャリ
ブレーションテーブル内のその他のピークの予想リテンション / マイグレー
ションタイムは、リファレンスピークの予想リテンション / マイグレーション
タイムと実際のリテンション / マイグレーションタイムとの比に基づいて補正
されます。
134
ChemStation の理解
ピーク同定
補正済みリテンション / マイグレーションタイム
6
複数のリファレンスピーク
単一のリファレンスピークによるリテンション / マイグレーションタイムの補
正は、予想リテンション / マイグレーションタイムと実際のリテンション / マ
イグレーションタイムとのずれが、分析が進むとともに、均一そして線形に変
化するという仮定に基づいています。長い分析ではしばしば、リテンション /
マイグレーションタイムの変化は不均一です。そのような場合には、分析中に
間隔を置いて、複数のリファレンスピークを使用すれば、より良い結果が得ら
れます。この場合、シグナルは別個のゾーンに分けられます。それぞれのゾー
ン内では、リテンション / マイグレーションタイムのずれは均一であるもの
の、変化率はゾーンごとに異なると仮定します。
ノート
複数のリファレンスピークのリテンションタイムが近すぎ、分析全体に分散し
ていない場合には、時間補正アルゴリズムはうまく働かないことがあります。
ChemStation の理解
135
6
ピーク同定
ピーククォリファイア
ピーククォリファイア
1 つ以上のシグナルで成分を検出できます。複数の検出器または複数のシグナ
ルを生成できる検出器を使用するすべての形態のクロマトグラフィに当てはま
ることですが、多波長またはダイオードアレイ検出器を使用する液体クロマト
グラフィでは、マルチシグナルの検出が最も一般的に使用されています。通常
は、メインピークがキャリブレーションテーブル内で定義される際に最大吸光
度に近い波長が使用されるように、それらの検出器は設定されています。136
ページ 図 図 31 では、?1 です。
シグナルとして取り込んだ他の 2 つの波長は、ピーククォリファイアとして使
用できます。図では、これらは ?2 および ?3 です。
ࡔࠗࡦࡇ࡯ࠢߩᵄ㐳
࡟ࠬࡐࡦࠬ
ࠢࠜ࡝ࡈࠔࠗࠕࠗ
ࠝࡦߩᵄ㐳
ᵄ㐳
図 31
ピーククォリファイア
化合物のピークは、複数の波長に一定のレスポンス比を持ちます。
クォリファイアピークレスポンスは、メインピークレスポンスの割合の一部で
す。同定詳細オプションが選択されていると、予測レスポンスの許容範囲を決
定するリミットをキャリブレーションテーブルで設定できます。メインピーク
クォリファイア ?1 と、たとえば ?3 などのクォリファイアピーク間の比率が許
容リミットの範囲内であれば、化合物同一性が確認可能です。
136
ChemStation の理解
ピーク同定
ピーククォリファイア
6
シグナル相関
シグナル相関とは、定義されたタイムウィンドウの異なる検出器シグナルで測
定された 2 つのピークを同じ化合物に割り当てることです。シグナル相関ウィ
ンドウは、_DaMethod レジスタの QuantParm テーブル内にある
SignalCorrWin パラメータによってコントロールされます。シグナル相関は、
シグナル相関ウィンドウを 0.0 分に設定すると無効になります ( 詳細について
は、
『マクロプログラミングガイド』を参照してください )。シグナル相関がオ
フの場合、異なる検出器シグナルで同じリテンション / マイグレーションタイ
ムで溶出しているピークは異なる化合物として扱われます。
LC、CE、CE/MS、および LC/MS データ用のデフォルトシグナル相関ウィン
ドウは 0.03 分で、GC データ用は 0.0 分です。
クォリファイアベリフィケーション
シグナル相関が有効化された場合、すべてのデータファイルタイプに対して、
デフォルトでクォリファイアベリフィケーションが有効になります。メソッド
の定量パラメータテーブル内にある UseQualifiers フラグを設定すると、これ
を無効にできます ( 詳細については、『マクロプログラミングガイド』を参照
してください )。シグナル相関がオフになると、クォリファイアベリフィケー
ションも無効になります。
クォリファイア比の計算
クォリファイアベリフィケーションが化合物に対して有効化されると、クォリ
ファイアのサイズとメインピークのサイズの比が、キャリブレーションリミッ
トに対して検証されます。サイズは、レポート条件の中の計算ベースの設定に
従って、高さまたは面積を表します。
クォリファイアピークは、目標化合物と同じ方法でキャリブレーションできま
す。ユーザーが予想クォリファイア比を指定する必要はありません。予想クォ
リファイア比は自動的に計算されます。
両者とも化合物のリテンションタイムで測定されます。
QualTolerance パラメータは、クォリファイア比の許容範囲値を定義します。
たとえば、± 20% などです。
ChemStation の理解
137
6
ピーク同定
ピーククォリファイア
キャリブレーションテーブルユーザーインタフェース ( 同定詳細 ) 内で許容値
を設定でき、それは絶対比率で表します。
マルチレベルのキャリブレーションの場合、ChemStation は各キャリブレー
ションレベルの測定クォリファイア比に基づいて最小クォリファイア許容値を
計算します。以下の式を使用して、最小クォリファイア許容値が計算されま
す。
この式で qi は、レベル i での測定クォリファイア比を表します。
138
ChemStation の理解
ピーク同定
同定プロセス
6
同定プロセス
ソフトウェアは、ピークを同定しようとする際、積分データを 3 回検査しま
す。
リファレンスピークの検出
最初の検査は、タイムリファレンスピークを同定します。ソフトウェアは、
キャリブレーションテーブルの中でリファレンスピークのリテンション / マイ
グレーションウィンドウの範囲内にあるものを探す分析の中から、ピークリテ
ンション / マイグレーションタイムを検出します。分析ピークのリテンション
/ マイグレーションタイムが、キャリブレーションテーブルピーク用に構築さ
れたウィンドウの範囲内にある場合、その分析のピークがキャリブレーション
テーブル内のリファレンスピークであると同定されます。
ウィンドウ内で複数のピークが検出された場合は、正のシグナルクォリファイ
アの一致 ( 設定されている場合 ) が後に続き、最大面積または高さを持つピー
クが、リファレンスピークとして選択されます。
各タイムリファレンスピークが検出されると、検出されたリテンション / マイ
グレーションタイムとキャリブレーションテーブル内に格納されている値との
違いを使用して、キャリブレーションテーブル内の他のすべてのピークの予想
リテンション / マイグレーションタイムが調整されます。
ISTD ピークの検出
2 回目の検査は、定義済み内部標準ピークを同定します。それらのピークが
ISTD として同定されていない場合は、タイムリファレンスピークとして同定
されます。ISTD ピークは、ピークリテンション / マイグレーションタイム
ウィンドウとピーククォリファイアにより同定されます。複数のピークが同じ
ISTD ウィンドウ内で検出された場合は、最大のピークが選択されます。
ChemStation の理解
139
6
ピーク同定
同定プロセス
残りのキャリブレーションピークの検出
3 回目の検査は、キャリブレーションテーブルに一覧表示されている残りすべ
てのピークを同定します。キャリブレーションテーブル内の非リファレンス
ピークは、RT ウィンドウを使用して残りの分析ピークとマッチされます。
非リファレンスキャリブレーションピークは、それぞれキャリブレーション
テーブル内に固有のリテンション / マイグレーションタイムを保持していま
す。これは、あらかじめ同定したタイムリファレンスピークに基づいた特定の
分析のために調整されます。キャリブレーションピークのリテンション / マイ
グレーションタイムウィンドウは、キャリブレーションピークの補正済みリテ
ンション / マイグレーションタイムに基づいて調整されます。
同じウィンドウ内に複数のピークが検出された場合は、予想リテンションタイ
ム / マイグレーションタイムに最も近く、かつオプションのクォリファイア仕
様に適合するリテンション / マイグレーションタイムを持つピークが選択され
ます。
未確認のピークの分類
同定されていないピークが残っている場合、それらは不明なピークに分類され
ます。ChemStation は、同じ化合物に属する不明なピークをグループ化しよう
と試みます。複数のシグナルでピークが検出された場合は、各シグナル内で同
じリテンション / マイグレーションタイムを持つピークが 1 つの化合物にグ
ループ化されます。
[ キャリブレーション設定 ] ダイアログボックス内で対応する選択がなされた
場合、不明のピークは報告されます。
140
ChemStation の理解
ChemStation の理解
7
キャリブレーション
用語の定義
142
キャリブレーションテーブル
検量線
143
144
未知サンプル
146
キャリブレーションの種類 147
シングルレベルキャリブレーション 147
マルチレベルキャリブレーション 148
キャリブレーション範囲 150
検量線の近似 150
原点処理 150
グループキャリブレーション
ピーク和
154
155
リキャリブレーション 156
リキャリブレーションとは 156
なぜリキャリブレーションするのか ? 156
マニュアルリキャリブレーション 156
ピーク和を使用したリキャリブレーション 157
リキャリブレーションオプション 157
リキャリブレーション方法 158
未確認のピークのリキャリブレーション 158
本章では、ChemStation で行われるキャリブレーションについて説明します。
Agilent Technologies
141
キャリブレーション
用語の定義
7
用語の定義
キャリブレー
ション
キャリブレーションとは、特別に容易されたキャリブレーションサンプルを注
入することで、成分の絶対濃度を計算するために使用されるレスポンスファク
タを決定するプロセスのことです。同定のためには、キャリブレーションテー
ブルも使用されます。「ピーク同定」127 ページ 図 を参照してください。
化合物
化合物は、マルチシグナルキャリブレーションの場合は複数のピークから構成
されることがありますが、通常はシグナルごとに 1 つです。シングルシグナル
キャリブレーションでは、化合物は 1 つのピークを参照します。
キャリブレー
ションレベル
1 つのキャリブレーションレベルは、1 つのキャリブレーションサンプル濃度
用の複数のキャリブレーションポイントから構成されます。マルチシグナル
キャリブレーションでは、いくつかのシグナルにわたってキャリブレーション
ポイントを区別できます。
キャリブレー
ションポイント
キャリブレーションポイントは、検量線上のピークに対応するアマウント / レ
スポンス比を参照します。
キャリブレー
ションサンプル
キャリブレーション標準または標準混合物とも言われるキャリブレーションサ
ンプルは、定量する化合物の既知アマウントを含むサンプルです。ソフトウェ
アでは、キャリブレーション標準バイアルからの注入をキャリブレーションサ
ンプルと呼びます。
キャリブレーションサンプルは、化学薬品供給業者から購入するか、正確に計
量した純粋化合物の一部を使用することができます。キャリブレーションサン
プル内の化合物のアマウントは、通常 ng/µ を単位とする濃度で一般的に表現
されます。
142
ChemStation の理解
キャリブレーション
キャリブレーションテーブル
7
キャリブレーションテーブル
キャリブレーションテーブルは、選択した計算手順に従って決定した、単位へ
のピーク面積または高さの変換を指定します。このテーブルは、キャリブレー
ション分析からのリテンション / マイグレーションタイムのリストを含みま
す。これらのリテンション / マイグレーションタイムは、サンプル分析から得
られたピークのリテンション / マイグレーションタイムと比較されます。一致
するものがあれば、サンプル内のピークは、キャリブレーションテーブル内に
ある成分と同じものを示しているとみなされます。「ピーク同定」127 ページ
図を参照してください。分析中またはレポートの生成中、各ピーク用に入力さ
れたアマウントは、レポート用に選択された計算手順用の量を計算するのに使
用されます。キャリブレーションテーブルを作成するのに必要な情報の種類と
アマウントは、目的とする計算手順の種類によって異なります。
キャリブレーションテーブルを作成するには、次の情報が必要です。
• キャリブレーション混合成分の各ピークのためのリテンション / マイグレー
ションタイム
• キャリブレーション混合物を作成するのに使用される各成分のアマウント (
一貫した単位で表したもの )
ChemStation の理解
143
7
キャリブレーション
検量線
検量線
検量線は、複数のサンプルから取得された 1 つの化合物のアマウントおよびレ
スポンスデータをグラフで表したものです。
通常は、キャリブレーションサンプルの一部が注入され、シグナルが 1 つ取得
され、144 ページ 図 図 32 と同じように、ピークの面積または高さを計算し
てレスポンスが決定されます。
࡟ࠬࡐࡦࠬ
࡟ࠬࡐࡦࠬ
ᤨ㑆
OKP
図 32
ࠕࡑ࠙ࡦ࠻PIǴ.
キャリブレーションサンプル (10 ng/μL) シグナルおよび検量線
相関係数が、検量線のグラフとともに表示されます。相関係数は、回帰係数の
平方根で、データポイントと検量線間の相関を示します。係数値は、小数点以
下第 3 位まで表され、範囲は次のとおりです。
0.000 ~ 1.000
変数の意味は次のとおりです。
0.000 = 一致なし
1.000 = 完全な一致
各キャリブレーションレベルに相対残差が表示されます。以下の式を使用して
計算します。
144
ChemStation の理解
キャリブレーション
検量線
7
変数の意味は次のとおりです。
relRES = 百分率での相対残差
計算されたレスポンスは、検量線上のポイントを表します。
レポートに印刷されている残差標準偏差は、キャリブレーションテーブルおよ
びカーブの印刷を選択した際に、次の式を使用して計算されます。
変数の意味は次のとおりです。
ResSTD = 残差標準偏差
Respcalibratedi = ポイント i に対するキャリブレーションレスポンス
Respcalculatedi = ポイント i に対する計算されたレスポンス
n = キャリブレーションポイントの数
ChemStation の理解
145
7
キャリブレーション
未知サンプル
未知サンプル
未知サンプルとは、定量する化合物のアマウントがどれぐらい含まれているか
が不明なサンプルのことです。
未知サンプルに含まれる化合物の割合を知るには、次のことが必要です。
• 化合物の検量線を作成する
• 未知サンプルの一部を注入し、およびキャリブレーションサンプルとまった
く同じ方法で分析を実行する
• 化合物のアマウントが不明なために生じるピークの面積または高さを表すレ
スポンスを、シグナルから決定する
• 検量線を使用して、未知サンプル内の化合物のアマウントを計算する
たとえば、未知サンプル内のピークの面積が 500 である場合、146 ページ 図
図 33 に示した検量線を使用して、未知サンプル内のアマウントは 5 ng/µL と
決定できます。
࡟ࠬࡐࡦࠬ
࡟ࠬࡐࡦࠬ
㕙Ⓧ
ᧂ⍮ൻ
ว‛ߩ
࡟ࠬࡐࡦࠬ
ᤨ㑆
OKP
図 33
146
ᧂ⍮ൻว‛ߩ
ࠕࡑ࠙ࡦ࠻
PIǴ.
ࠕࡑ࠙ࡦ࠻
PIǴ.
未知サンプルからのシグナルおよび検量線
ChemStation の理解
キャリブレーション
キャリブレーションの種類
7
キャリブレーションの種類
ChemStation には、シングルレベルおよびマルチレベルキャリブレーションと
いう、2 種類のキャリブレーションがあります。
シングルレベルキャリブレーション
147 ページ 図 図 34 に示した検量線には、1 つのポイント、つまり 1 つのレベ
ルが含まれています。シングルレベル検量線では、検出器のレスポンスは、対
象となるサンプル用の濃度の実用範囲に対して、直線になると仮定されます。
任意の成分ピークのレスポンスファクタは、ポイントと原点とを結んだ検量線
の傾きを逆にすることで得られます。シングルレベルキャリブレーションの欠
点は、サンプル濃度に対する検出器レスポンスが直線になると仮定され、濃度
対レスポンスのプロット上で原点を通過するという点です。これは常に正確で
あるとは言えず、不正確な結果につながる可能性がります。
࡟ࠬࡐࡦࠬ
&%%
ᬌ㊂✢
&%
Ớᐲ=PIǴ.?
図 34
シングルレベル検量線
正確な定量結果を得るには、検量線に少なくとも 2 つのレベルがなければなり
ません。これらのレベルは、未知サンプル内で見つかることが予想されるアマ
ウントを含んでいる必要があります。
ChemStation の理解
147
7
キャリブレーション
キャリブレーションの種類
࡟ࠬࡐࡦࠬ
&%%%
ᬌ㊂✢
&%%
&
&%
Ớᐲ=PIǴ.?
図 35
2 レベル検量線
たとえば、化合物を定量する際に、未知サンプルが 1 ~ 10 ng/µL の範囲であ
ると予想される場合は、検量線は 148 ページ 図 図 35 のように少なくとも 2
レベルを持つ必要があります。
アマウントリミット
ChemStation では、各成分に対する絶対アマウントに基づいて有効な定量範囲
を定義することができます。
マルチレベルキャリブレーション
ある成分が直線のレスポンスを表していると仮定したり、キャリブレーション
範囲の直線性を確認するのに正確さに欠ける場合には、マルチレベルキャリブ
レーションを使用できます。各キャリブレーションレベルは、特定の成分濃度
を持つキャリブレーションサンプルに対応します。キャリブレーションサンプ
ルは、未知サンプル内で予想される濃度範囲内で、各成分濃度が変化するよう
に準備する必要があります。これにより、検出器のレスポンスが濃度に従って
変化することが可能になり、それに応じてレスポンスファクタを計算できま
す。
このマルチレベル検量線には 3 つのレベルがあり、原点までの直線の近似が表
示されます。この原点までの直線の近似方式は、シングルポイントメソッド
キャリブレーションに似ています。濃度に対する検出器のレスポンスは直線だ
148
ChemStation の理解
キャリブレーション
キャリブレーションの種類
7
と仮定されます。2 つのキャリブレーションタイプの違いは、直線の近似を使
用すると、検出器のレスポンスのスロープが各レベルに 1 つずつ、複数のポイ
ントに基づく最適な近似により決定できるという点です。
࡟ࠬࡐࡦࠬ
ᬌ㊂✢
&%%%
*%%
&%%
&
*
&%
Ớᐲ=PIǴ.?
図 36
3 レベルのマルチレベル検量線
この曲線を作成するために使用される情報の表形式である該当のキャリブレー
ションテーブルは、149 ページ 図 表 14 の表と同じように見えるかもしれま
せん。
表 14
キャリブレーションテーブル
レベル
アマウント
(ng/μL)
レスポンス ( 面積カウント )
1
1
100
2
5
500
3
10
1000
この例では、3 つのレベルを生成するのに使用されたキャリブレーションサン
プルは、1、2、および 3 と識別されています。
ChemStation の理解
149
7
キャリブレーション
キャリブレーションの種類
キャリブレーション範囲
各マルチレベルキャリブレーションは、キャリブレーションサンプルで使用さ
れている濃度範囲にわたって有効です。検量線の外挿は、特にそれが直線では
ない場合は、近似値に過ぎません。各化合物用の有効なキャリブレーション
は、[ 化合物の詳細 ] ダイアログボックスで定義できます。その化合物の各エ
ントリは、上限および下限を表すことができます。これらの限界を超えると、
注釈としてレポートが付けられます。
検量線の近似
さまざまな検量線の近似計算が、マルチレベルキャリブレーションに使用でき
ます。
• 折れ線
• 直線
• 対数
• 累乗
• 指数
• 二次式
• 三次式
• 平均 ( レスポンス / アマウント )
非直線の近似
サンプル濃度内の変化に対する検出器のレスポンスは、直線ではない場合があ
ります。このような種類の分析には、直線回帰キャリブレーションメソッドは
適切ではなく、マルチレベルキャリブレーション計算を使用する必要がありま
す。
原点処理
レスポンスカーブがプロットされる際の原点の処理方法には 次の 4 つがありま
す。
• 原点を無視
150
ChemStation の理解
キャリブレーション
キャリブレーションの種類
7
• 原点を含める
• 原点を強制する
• 原点をつなぐ
検量線に原点を含めるように強制するには、キャリブレーションポイントが、
第 1 象限から第 3 象限に原点を中心として対称に置かれます。回帰の計算にす
べてのポイントを使用すると、結果として生じる検量線が原点を確実に通過す
るようになります。これは、151 ページ 図 図 37 でも説明されます。
࡟ࠬࡐࡦࠬ
ᬌ㊂✢
ࠕࡑ࠙ࡦ࠻
PIǴ.
図 37
原点を含むよう強制
検量線の近似および原点処理の詳細については、オンラインヘルプファイルを
参照してください。
キャリブレーションポイントの重み付け
デフォルトの検量線を設定する場合、カーブを生成するさまざまなキャリブ
レーションポイントに、相対的な重み付け ( または重要性 ) を指定できます。
次の重み付けオプションを選択できます。
ChemStation の理解
151
7
152
キャリブレーション
キャリブレーションの種類
重み付け
説明
均等
すべてのキャリブレーションポイントが同等の重み付けを持ち
ます。
直線 ( アマウント )
アマウント x のキャリブレーションポイントは、最小アマウント
に対して 1/x で標準化された重みを持つので、最大の重み付けは
1 です。標準化は、重み付けを最小アマウントと掛け合わせるこ
とで行われます。たとえば、アマウント x のキャリブレーション
ポイントの重みは (1/x) x a です。ここで a は、キャリブレーショ
ン標準で調製されたキャリブレーション済み化合物の最小アマ
ウントです。
原点が含まれると、他のキャリブレーションポイントの重み付
けの平均値が割り当てられます。
直線 ( レスポンス )
レスポンス y のキャリブレーションポイントは、最小レスポンス
に対して 1/y で標準化された重みを持つので、最大の重み付けは
1 です。標準化は、重み付けを最小レスポンスと掛け合わせるこ
とで行われます。たとえば、アマウント y のキャリブレーション
ポイントの重みは、(1/y) x b です、ここで b は、キャリブレー
ション標準で調製されたキャリブレーション済み化合物の最小
アマウントに対応するレスポンスです。
原点が含まれると、他のキャリブレーションポイントの重み付
けの平均値が割り当てられます。
二次式 ( アマウン
ト)
アマウント x のキャリブレーションポイントは、最小アマウント
に対して 1/x2 で標準化された重みを持つので、最大の重み付け
は 1 です。標準化は、重み付けを最小アマウントと掛け合わせる
ことで行われます。たとえば、アマウント x のキャリブレーショ
ンポイントの重みは (1/x²) × a² です。ここで a は、キャリブレー
ション標準で調製されたキャリブレーション済み化合物の最小
アマウントです。
二次式 ( レスポン
ス)
レスポンス y のキャリブレーションポイントは、最小レスポンス
に対して 1/y 2 で標準化された重みを持つので、最大の重み付け
は 1 です。標準化は、重み付けを最小レスポンスと掛け合わせる
ことで行われます。たとえば、レスポンス y のキャリブレーショ
ンポイントの重みは、(1/y²) × b² です、ここで b は、キャリブ
レーション標準で調製されたキャリブレーション済み化合物の
最小アマウントに対応するレスポンスです。
キャリブレーショ
ン数
キャリブレーションポイントは、ポイントのリキャリブレー
ション回数に従って重み付けされます。標準化は行われません。
ChemStation の理解
キャリブレーション
キャリブレーションの種類
7
二次式キャリブレーションポイントの重み付けは、たとえば、キャリブレー
ションポイントの散らばりに合わせて調整するのに使用できます。これによ
り、一般的に比較的正確に計測できる原点により近いキャリブレーションポイ
ントが、原点からさらに遠く散らばっている可能性のあるキャリブレーション
ポイントよりも高い重み付けを得るようになります。
使用するキャリブレーションポイントの重み付けの種類を決定するには、メ
ソッドの要件を基礎に考える必要があります。
ChemStation の理解
153
7
キャリブレーション
グループキャリブレーション
グループキャリブレーション
グループキャリブレーションは、個々の濃度は不明だが、化合物グループの濃
度の合計が分かっている場合の化合物に適用できます。それはたとえば、異性
体などです。全体の化合物グループがキャリブレーションされます。次の式が
使用されます。
キャリブレーション
変数の意味は次のとおりです。
ConcAB は、化合物 A および B から構成される化合物グループの濃度
ResponseA は、化合物 A の面積 ( または高さ )
RFA は、レスポンスファクタ
化合物グループ内の化合物には、同等のレスポンスファクタを仮定します。
そのため、化合物グループ内の化合物の濃度は、次の式で計算されます。
154
ChemStation の理解
キャリブレーション
ピーク和
7
ピーク和
このピーク和テーブルは、以下の機能でより効率的に実行される石油化学およ
び製薬業界向けの特定アプリケーションのために提供されます。
• ユーザーが指定した範囲内にあるピーク面積を合計する
• ピークの範囲内にある面積を合計し、乗数を 1 つ使用して計算を実行する
• 同じ名前を持つすべてのピークの面積を合計する
ピーク和テーブルは同様ですが、標準キャリブレーション テーブルと異なりま
す。キャリブレーション テーブルのように、現在のメソッドと関連していま
す。
ノート
ピーク和テーブルを作成する前に、分析のためのキャリブレーションテーブル
を作成する必要があります。
ChemStation の理解
155
7
キャリブレーション
リキャリブレーション
リキャリブレーション
リキャリブレーションとは
リキャリブレーションは、検量線上のレベルを更新したい場合に使用するプロ
セスです。リキャリブレーションをする場合、元と同じで同量 ( これが最も重
要 ) のキャリブレーション化合物を含んだサンプルを分析します。キャリブ
レーションサンプルを分析すると、更新されたレスポンスファクタおよびリテ
ンション / マイグレーションタイムが取得されます。何度もキャリブレーショ
ン分析を行ってレスポンスファクターを平均化させ、レスポンスファクタが同
等に重み付けされるようにすることもできます。
なぜリキャリブレーションするのか ?
ほとんどのキャリブレーションの寿命には、クロマトグラフィにおける変化の
ため、限界があります。リキャリブレーションは、分析の正確性を保持するた
めに必要です。たとえば、カフェインを含むサンプルを定量するためのカフェ
イン用化合物のキャリブレーションテーブルを作成します。ある時点で、カラ
ム / キャピラリを取り替える必要があります。カラム / キャピラリは、まった
く同じ種類のものと取り替えますが、最初にカフェイン用にキャリブレーショ
ンテーブルを作成した場合には、それが以前のカラム / キャピラリとまったく
同じ動作をするわけではありません。したがって、一貫性を保持するために、
キャリブレーションテーブル内のレベルをリキャリブレーションする必要があ
ります。これを行うことで、同じシステム条件下で分析されたサンプルを定量
することになります。
マニュアルリキャリブレーション
[ 新規のキャリブレーションテーブル ] ダイアログボックスの [ マニュアル設
定 ] オプションボタンを使用して、ピークキャリブレーション情報のマニュア
ル入力およびキャリブレーションテーブルの標準化することができます。通
常、新しいキャリブレーションメソッドは、キャリブレーション標準混合物の
分析、キャリブレーションテーブルの作成、そしてすべてのキャリブレーショ
ンピークのアマウントを入力してレスポンスファクタを入手することで、生成
156
ChemStation の理解
キャリブレーション
リキャリブレーション
7
されます。しかし、この方法は、長年にわたって同じ化合物が分析され、さま
ざまな化合物のレスポンスファクタや検出器を簡単に利用できるようになって
いる、たとえば石油化学業界で使用されるようなアプリケーション向けには非
効率です。
キャリブレーションテーブルをマニュアルで作成するには、ピークおよびその
レスポンスファクタをキャリブレーションテーブルに入力し、少なくとも 1 つ
のレスポンスリファレンスのピークを含む標準でメソッドをリキャリブレー
ションし、デルタ % の更新を選択します。
ピーク和を使用したリキャリブレーション
リキャリブレーションが実行される場合は、メソッドのピーク和テーブルにお
けるリテンション / マイグレーションタイムの範囲は、実際にリキャリブレー
ションが実行される前に更新されます。ピーク和リキャリブレーションはこの
方法で実行され、デルタが時間計算に統合されることが確認されます。
リキャリブレーションオプション
キャリブレーションテーブル内のレスポンスを新しいキャリブレーションデー
タで更新するには、いくつかの方法があります。
平均
すべてのキャリブレーション分析の平均が次の式を用いて計算されます。
浮動平均
すべてのキャリブレーション分析に対する加重された平均が計算されます。更
新済みの重み付けは、[ リキャリブレーション設定 ] ダイアログボックスで設
定されます。
ChemStation の理解
157
7
キャリブレーション
リキャリブレーション
置換
新しいレスポンス値が古い値に置き換わります。
リキャリブレーション方法
ChemStation のソフトウェアを使用すると、2 通りの方法でリキャリブレー
ションができます。自動化された分析の間に、対話的または自動的にリキャリ
ブレーションできます。対話的リキャリブレーションとは、1 つまたは複数の
キャリブレーションサンプルを注入した後、ChamStation ソフトウェアを使用
してリキャリブレーションの手順を直接に順番に行うことを指します。シーケ
ンスを使用するリキャリブレーションとは、リキャリブレーションが行われる
際に、自動化ソフトウェアがリキャリブレーションを実行するように指定する
ことを指します。詳細は、「自動リキャリブレーション」182 ページ 図 を参照
してください。
ソフトウェアを使用したリキャリブレーションの実行方法については、ヘルプ
システムの「方法」の部分を参照してください。
未確認のピークのリキャリブレーション
同定されていないピークをリキャリブレーションするには、3 つの方法があり
ます。
リキャリブレーションなし
キャリブレーションテーブル内のピークが、積分結果の中で同定できなかった
場合、キャリブレーションは中断されます。シーケンス中でこれが起これば、
シーケンスもまた中断します。
部分リキャリブレーション
この機能は、同定されたピークのみのリキャリブレーションが可能です。ピー
クが見つからないと、キャリブレーションは中断はされませんが、ピークが見
つからないというレポートが注釈として付けられます。
158
ChemStation の理解
キャリブレーション
リキャリブレーション
7
リテンション / マイグレーションタイムのリキャブレーション
この機能により、同定されたピークおよび同定されてないピークすべてのリテ
ンション / マイグレーションタイムのリキャリブレーションが可能になりま
す。これは、同定されたピークのリテンション / マイグレーションタイムを使
用して行われます。同定されたピークには、レスポンスファクタの更新はあり
ません。
ChemStation の理解
159
7
160
キャリブレーション
リキャリブレーション
ChemStation の理解
ChemStation の理解
8
自動化
自動化とは
163
シーケンス / シーケンステンプレートとは
プレファレンス - シーケンスタブ
シーケンスパラメータ
シーケンステーブル
164
165
167
169
シーケンスの作成 ( シーケンスとシーケンステンプレート )
シーケンステーブルエディタの使用 170
バイアル範囲の挿入ボタンの使用 170
行追加ボタンの使用 170
カスタムフィールドボタンの使用 171
170
シーケンスを用いた作業 ( シーケンスとシーケンステンプレート
) 172
優先サンプル 172
コントロールサンプルを使用したシーケンス 172
シーケンスの中止 173
シーケンスの中断 173
シーケンスの一時停止 173
部分シーケンスの分析 173
シーケンスログファイル
175
シーケンスが実行されると何が起こるか ?
176
シーケンスデータファイル構造 ( ユニークなフォルダ作成オン
) 178
シーケンス内のデータファイルの命名 179
シーケンス実行時のデータファイル自動命名
データファイル名のマニュアル入力 180
179
ポストシーケンス処理 181
ノットレディータイムアウト (LC および CE のみ )
Agilent Technologies
181
161
8
自動化
リキャリブレーション
待機時間 (LC および CE のみ )
自動リキャリブレーション
181
182
リキャリブレーションの指定 183
シーケンステーブル内のリキャリブレーションパラメー
タ 183
シーケンスの種類
186
明示的キャリブレーションシーケンス
187
周期的シングルレベルキャリブレーションシーケンス
周期的マルチレベルキャリブレーションシーケンス
メソッド A の分析順序 190
メソッド B の分析順序 191
明示的および周期的キャリブレーション両方
例 193
SimpReg の分析順序 194
188
189
193
ブラケットを含む周期的キャリブレーションシーケンス
例 195
ブラケットシーケンス処理 196
例 197
195
標準の同じ希釈率を含むマルチバイアルを使用した周期的リ
キャリブレーションシーケンス 199
「ラウンドロビン」キャリブレーションバイアルを使用した
周期的リキャリブレーションシーケンス 199
キャリブレーションごとに異なるバイアルを使用する周期的
リキャリブレーション 201
開始および終了ブラケットに異なるバイアルを使用するブラ
ケットシーケンス 201
本章では、自動化の概念について説明します。具体的には、ChemStation 内で
シーケンスを使用する方法、シーケンスの実行時に起こること、およびシーケ
ンスのカスタマイズ方法を説明します。
162
ChemStation の理解
自動化
自動化とは
8
自動化とは
自動化とは、複数の注入を無人で分析するものです。
ChemStation ソフトウェアのシーケンス機能により、取り込み、データ解析、
レポート作成を自動化することができます。
ChemStation の理解
163
8
自動化
シーケンス / シーケンステンプレートとは
シーケンス / シーケンステンプレートとは
シーケンスはサンプルの分析を自動化する一連の命令のことです。
シーケンスは、自動的に各サンプルを注入し、そのサンプル用に指定されたメ
ソッドにしたがってデータを取り込み分析するのに使用されます。シーケンス
内の各サンプルバイアルは、異なる分析メソッドを使用することで、異なるク
ロマトグラフ / エレクトロフェログラフ条件および解析パラメータのセットに
よって分析することもできます。
ChemStation では、ワークフローに合ったデータ保存モデルを選択できるよう
に、2 つのデータ保存モードを導入しています。このモードは以下のシーケン
スの使用法に影響を及ぼします。
• ユニークなフォルダ作成オン
• ユニークなフォルダ作成オフ
サンプルデータの一貫性を保つための「ユニークなフォルダ作成オン」では複
数回取り込みを実行するために使用できる「シーケンステンプレート」として
シーケンスを使用しますが、[ メソッド & ランコントロール ] での再解析にし
使用されません。シーケンステンプレートが実行されると、すべての関連ファ
イルを含むシーケンスデータコンテナが作成されます。シーケンステンプレー
トが再利用されると、再利用ごとに新しいシーケンスデータコンテナが作成さ
れます。
「ユニークなフォルダ作成オフ」ではすべてのデータを 1 つのディレクトリに
保存します。シーケンスファイル *.s はシーケンステンプレートとしては使用
されず、そのためデータディレクトリがユーザーから変更されない場合、シー
ケンスを再実行することで現在のデータを上書きする恐れがあります。
利用可能なシーケンス / シーケンステンプレート (*.s) は、ChemStation エク
スプローラ内に表示されます。素早く簡単に操作するために、[ プレファレン
ス ] ダイアログボックスの [ パス ] タブを使用して、ChemStation エクスプ
ローラの選択ツリーに追加のシーケンス / シーケンステンプレートの場所を追
加することができます。
164
ChemStation の理解
自動化
プレファレンス - シーケンスタブ
8
プレファレンス - シーケンスタブ
[ シーケンス ] タブで、ユーザーは 2 つの異なるデータ保存モデルを選ぶこと
ができます。このモードにより、ChemStation でシーケンスデータがどのよう
に保存されるかを定義します。
ユニークなフォルダ作成オン
このモードのデータ保存では、生データとメソッドの間に堅牢で永続的なリン
クが存在します。シーケンスラン内またはシングルランとして取り込まれるか
に関わらず、各データファイルは少なくとも 2 つのメソッド ( データ取り込み
に使用されたメソッドとデータ解析に使用されたメソッド ) へのリンクを持ち
ます。
シーケンスデータは、定義済みのシーケンスコンテナ名を使用して、シーケン
スデータコンテナに格納されています。[ プレファレンス ] ダイアログボック
スの [ シーケンス ] タブ内で、シーケンスコンテナの命名規則 ( 名前のパター
ン ) を指定できます。名前のパターンが指定されていない場合、デフォルトの
シーケンス名パターンが使用されます。[ シーケンス ] タブは、データ取り込
みのみに使用されるので、オンラインシステムのみに存在します。
シーケンス名のパターンには、さまざまなセクションを含めることができま
す。システムは、選択されたシーケンス名のパターンに含まれるセクションを
使用してシーケンスデータコンテナの名前を決定し、これを作成します。この
特定のシーケンスに属するデータファイル、メソッド、シーケンスログブッ
ク、sequence_name.s ファイル、および sequence_name.b ファイルはすべて、
シーケンスデータコンテナに保存されます。シーケンスデータコンテナは、
シーケンスが開始した際に作成されます。
シーケンスファイル (.s) は、シーケンステンプレートとして使用されるので、
既存のデータが上書きされることなく、シーケンスパラメータが変更されるこ
ともなく任意のシーケンスファイル (.s) を何度でも実行できます。カウンタと
時間のどちらもシーケンス名パターンで使用されていない場合は、システムは
カウンタを自動的に導入して、データが上書きされないようにします。同じ
シーケンステンプレートを使用する 2 つ目、3 つ目およびそれ以降のシーケン
スでは、シーケンスコンテナ名にカウンタが追加されます。
ChemStation の理解
165
8
自動化
プレファレンス - シーケンスタブ
ユニークなフォルダ作成オフ
このモードのデータ保存では、メソッド名が取り込みと解析に使用されたデー
タファイルとメソッドの間に存在する唯一のリンクです。メソッドのコピーは
シーケンスまたはデータファイルと一緒には決して保存されず、メソッドが変
更されたり、その名前の新しいメソッドが作成されると、シーケンスを正確に
複製できません。シーケンスデータファイルは [ シーケンスパラメータ ] ダイ
アログボックスの [ データファイル ] グループで指定されたパラメータに従っ
て保存され、[ プレファレンス ] ダイアログボックスの [ シーケンス ] タブの
シーケンス命名機能はこのモードでは無効です。このモードのデータ保存は
ChemStation リビジョン B.02.01 以前と同一で、そのため、ChemStation の [
データ解析 ] ビューの最新のデータレビュー / 再解析機能の利点を完全に活用
できません。
166
ノート
「ユニークなフォルダ作成オフ」オプションを使用して取り込まれたシーケン
スデータは、[ メソッド & ランコントロール ] ビューの再解析オプションを使
用して再解析する必要があります。
ノート
アドオンソリューションの G2189BAChemStation OpenLAB Option と
G2181BA ChemStore では、環境設定モード「ユニークなフォルダ作成オン」
を必要とします。ChemStation にアドオンがインストールされるとすぐ、「ユ
ニークなフォルダ作成オフ」オプションは無効になります。
ChemStation の理解
自動化
シーケンスパラメータ
8
シーケンスパラメータ
[ シーケンスパラメータ ] ダイアログには、シーケンス内のすべてのサンプル
バイアルに共通する情報が含まれています。このダイアログボックスを使用し
て、次のタスクを行います。
• [ パス ] コンボボックスを使用して、データディレクトリを選択し、オペ
レータ名 ( アクセスレベルダイアログボックスで入力したオペレータ名が表
示される ) についての情報を入力し、
• 特定の [ メソッド実行部分 ] パラメータを選んでシーケンス解析がどのよう
に行われる必要があるかを指定します。
たとえば、次のいずれかを選択できます。
• ランタイムチェックリストを実行
• 取り込みのみを実行、または
• 再解析のみを実行、ChemStation リビジョン B.01.03 までで取り込んだデー
タに対して、「ユニークなフォルダ作成オフ」オプションで取り込まれた
データに対して
ノート
リビジョン B.01.03 までの ChemStation で取り込んだか、「ユニークなフォル
ダ作成オフ」オプションを使用して取り込んだシーケンスデータは、[ メソッ
ド & ランコントロール ] ビュー内の再解析オプションを使用して再解析する必
要があります。
ChemStation リビジョン B.02.01 以降で取り込んだシーケンスデータは、[
データ解析ナビゲーション ] テーブル内の再解析オプションを使用して再解析
する必要があります。
再解析オプションが選択されている場合は、サンプルがもともと分析された際
に定義されたサンプルデータを使用するか、[ シーケンステーブル情報を使用 ]
チェックボックスを有効にすることで、シーケンステーブルに以下の新しい
データを入力して、更新されたサンプルデータを使用することを選択できま
す。
• シャットダウンパラメータ使用して、シーケンスが終了したらどうするかを
指定する
ChemStation の理解
167
8
自動化
シーケンスパラメータ
• システムにバーコードリーダーがインストールされていると仮定すれば、
シーケンス内でバーコードを使用する必要があるか、およびバーコードの不
一致をどのように処理するかを指定する
168
ChemStation の理解
自動化
シーケンステーブル
8
シーケンステーブル
シーケンステーブルは、同じバイアルを分析するのに使用するメソッド、およ
びバイアルが分析される順序を決定します。このテーブルには、名前、定量パ
ラメータ、およびリキャリブレーションパラメータを含む各サンプルのデータ
も含まれます。
デュアルサンプルリングをサポートする機器 (GC) には、[ インジェクタ ] グ
ループボックスが表示されます。[ フロント ] または [ バック ] を選択すると、
シーケンステーブル内の行、およびそのインジェクタの現在の実行ステータス
が表示されます。
このテーブルの列の説明、およびこの列がメソッド内に格納されている情報と
どのように作用し合うかに関する説明については、オンラインヘルプリファレ
ンスを参照してください。
ChemStation の理解
169
8
自動化
シーケンスの作成 ( シーケンスとシーケンステンプレート )
シーケンスの作成 ( シーケンスとシーケンステンプレー
ト)
シーケンステーブルを使用して、シーケンス内で分析されるサンプル、メソッ
ド、およびバイアルを指定します。シーケンステーブルでは、分析される順に
シーケンス中の各サンプルが一覧表示されます。このテーブルには、必要なバ
イアル、メソッド、各サンプル用のキャリブレーション情報が含まれます。
シーケンステーブルエディタの使用
ビューおよびシーケンステーブルの内容を変更したい場合は、シーケンステー
ブルの右下隅にあるリストシンボルをクリックして、シーケンステーブルエ
ディタを開くことができます。シーケンステーブルエディタを開くと、シーケ
ンステーブル内に特定の列を表示させるか指定することができます。加えて、
各シーケンステーブルの列の列幅を定義できます。インストールしたソフト
ウェアパッケージに応じて、たとえば、LC/MS がインストールされると
「ターゲットマス」フィールド、ChemStore アドオン がインストールされると
「スタディ」フィールドなどの追加の列フィールドが足されます。
バイアル範囲の挿入ボタンの使用
サンプルメソッドを使用するサンプルをたくさん持っている場合は、[ バイア
ル範囲の挿入 ] 機能を使用して、これらのサンプルをシーケンステーブルに素
早く入力できます。この機能は、メソッド名、バイアル範囲、バイアルごとの
注入回数をコピーし、サンプルアマウントを指定した場合は、ISTD アマウン
ト、倍率、および希釈率もコピーされます。システムは、その後、範囲内にあ
る各バイアルの情報をシーケンステーブルに入力します。
行追加ボタンの使用
[ 行追加 ] ボタンを選択すると、新しい空行がシーケンステーブルの最後に追
加されます。
170
ChemStation の理解
自動化
シーケンスの作成 ( シーケンスとシーケンステンプレート )
8
カスタムフィールドボタンの使用
シーケンステーブルで使用されるメソッドでカスタムフィールドの設定を完了
していれば、各サンプル ( サンプル関連カスタムフィールド ) またはサンプル
のメソッド中の各化合物 ( 化合物関連カスタムフィールド ) のカスタムフィー
ルド値を編集するためには、[ カスタムフィールド ] ボタンを選択します。
ChemStation の理解
171
8
自動化
シーケンスを用いた作業 ( シーケンスとシーケンステンプレート )
シーケンスを用いた作業 ( シーケンスとシーケンステン
プレート )
シーケンス ( シーケンスとシーケンステンプレート ) は、[ シーケンス ] メ
ニューからアクセスし、作成されます。シーケンスは、メソッドと同じ方法で
作成および保存できます。シーケンスを保存する際には、.S の拡張子を持った
ファイルが作成されます。シーケンスを編集したり、再利用したい場合は、た
とえば、[ シーケンス ] メニューの [ シーケンスの読み込み ] アイテムを使用し
てそのシーケンスにアクセスします。
優先サンプル
現在分析中のシーケンスは、処理中のメソッドが完了したら一時停止すること
ができます。シーケンスは、同じまたは別のメソッドで優先サンプルの分析を
するために一時停止することができます。シーケンスは、その後再開し、一時
停止した時のサンプルから続行できます。
コントロールサンプルを使用したシーケンス
コントロールサンプルは、シーケンステーブルの [ サンプルタイプ ] フィール
ドで指定することができます。コントロールサンプルを分析するのに使用され
たメソッドは、化合物の 1 つにコントロールサンプルリミットが指定されてい
るキャリブレーションテーブルを含んでいる必要があります。指定したコント
ロールサンプルリミットを超えた場合、シーケンスは停止し、ログブックに
メッセージが書き込まれます。ChemStation のレポートスタイルのいずれかを
使用している場合は、これらの分析で生成されるレポートにはコントロールサ
ンプルリミットも出力されます。コントロールサンプルを持つシーケンスの定
義方法については、オンラインヘルプシステムの「方法」の部分を参照してく
ださい。
172
ChemStation の理解
自動化
シーケンスを用いた作業 ( シーケンスとシーケンステンプレート )
8
シーケンスの中止
現在実行中の分析は、シーケンスが中止する前に完了します。中止されたシー
ケンスを再開することはできません。
シーケンスの中断
中断機能は、現在実行中のシーケンスを即時停止させます。
シーケンスの一時停止
シーケンスの一時停止中は、シーケンステーブルファイル名およびデータファ
イル名の変更はできません。まだ実行されていないシーケンス行の変更、また
は現在のシーケンス行のバイアル番号の変更のみが、シーケンステーブルの中
で行えます。将来の分析用にシーケンス行の追加、削除、および変更はできま
す。
たとえば、サンプルの新しいバッチを追加するため、実行中のシーケンスを編
集する必要がある場合があります。現在実行中のシーケンス行の中にあるサン
プルの後に ChemStation が追加のバイアルを次のサンプルとして処理するよ
うに、シーケンスを編集できます。
部分シーケンスの分析
すでに設定されたシーケンステーブルは、[ シーケンス ] メニューから [ 部分
シーケンス ] を選択して部分的に実行できます。[ 部分シーケンス ] ダイアロ
グボックスがシステムにより表示され、分析用テーブルから個々のサンプルを
選択できます。
[ 部分シーケンス ] ダイアログボックスの各行に、シングル分析が表示されま
す。各分析ごとに、バイアル、メソッド、データファイル、およびサンプル名
が与えられます。加えて、Seq Tbl および Calib:RF:RT 列にはそれぞれ、シー
ケンステーブルおよびすべてのキャリブレーションサンプルのエンコードされ
た情報が表示されます。これらのコードの説明は、オンラインヘルプを参照し
てください。
ChemStation の理解
173
8
自動化
シーケンスを用いた作業 ( シーケンスとシーケンステンプレート )
[ 印刷 ] ボタンを選択すると、部分シーケンスを紙に印刷できます。
以下の [ 部分シーケンス ] ダイアログボックスは、193 ページ 図 表 20 および
194 ページ 図 表 21 の中で後ほど示されているように、SimpReg メソッドお
よびシーケンステーブルが現在用いられている場合の結果を表します。サンプ
ル 1、2、4、5 および 8 が処理用にマークされています。
図 38
部分シーケンスダイアログボックス
プレファレンスモード「ユニークなフォルダ作成オン」での部分
シーケンス
シーケンスデータは、定義済みのシーケンスコンテナ名を使用して、シーケン
スデータコンテナに格納されています。部分シーケンスを実行する場合、シス
テムはシーケンスの一部が実行されるごとに、[ プレファレンス ] の設定値に
基づき新しいシーケンスデータコンテナを作成します。そのため、たとえば 1
つのシーケンスに基づく部分シーケンスを 3 回実行すると、同じシーケンスの
シーケンスデータコンテナを 3 つ作成する可能性があります。
プレファレンスモード「ユニークなフォルダ作成オフ」での部分
シーケンス
シーケンスデータファイルは、[ シーケンスパラメータ ] ダイアログボックス
の [ データファイル ] グループで指定されたパラメータに従って保存されます。
シーケンスが部分的に実行されても、すべてのデータファイルは同じサブディ
レクトリに保存されます。
174
ChemStation の理解
自動化
シーケンスログファイル
8
シーケンスログファイル
シーケンス実行中に何が起こったかを示すシーケンスログファイルが生成され
ます。無人または終夜でシーケンスが実行されている場合にエラーが発生した
時に認識するために役立ちます。ログブックファイルには、常に .log の拡張子
が付きます。ログブックファイルは、シーケンスのデータが保存されている
ディレクトリにあります。
ChemStation の理解
175
8
自動化
シーケンスが実行されると何が起こるか ?
シーケンスが実行されると何が起こるか ?
「ユニークなフォルダ作成オン」を使用したシーケンスの起動
シーケンスパラメータ内のパス定義およびシーケンスプレファレンスに基づい
て、シーケンスデータコンテナがシステムにより作成されます。シーケンステ
ンプレート *.s、この特定のシーケンスに属するシーケンステーブルで定義さ
れたすべてのメソッドはシーケンスデータコンテナにコピーされます。取り込
み中、システムはこれらのファイルを使用して作動し続けます。シーケンスを
開始すると、対応するシーケンス行のメソッドがこれらのデータコンテナから
ChemStation 内に読み込まれます。
「ユニークなフォルダ作成オフ」を使用したシーケンスの起動
シーケンスを開始すると、システムはシーケンスファイル *.s を読み込み、
シーケンステーブルのエントリに基づき、シーケンス行の対応するメソッドが
ChemStation 内に読み込まれます。2 番目のデータ保存モード「ユニークな
フォルダ作成オン」と対照的に、シーケンスデータコンテナは決して作成され
ません。シーケンスとメソッドはマスターディレクトリに残ります。
シーケンス実行中にさらに実行されるステップ :
実行されるシーケンス行こどに以下のステップが繰り返されます。
• オートサンプラが装備されている場合、ChemStation ソフトウェアは、バ
イアルの列に入力されている数字に従って、オートサンプラのサンプルをま
ず探します。
• 機器は、メソッドパラメータを使って読み込まれます。
• プレランマクロが実行されます。
• サンプルはその後、機器に注入されます ( マニュアルまたは自動 )。
• メソッドデータ解析が終了します。ユーザー定義のマクロすべてを含む、積
分、定量、およびレポートです。モード「ユニークなフォルダ作成オン」が
使用される場合、システムは分析中に 2 つの追加メソッド ACQ.M と DA.M
を保存します。
• ポストランマクロが実行されます。
• 全体の処理の間、ChemStation がシーケンスの進捗状況を随時追跡し、
シーケンスログファイルを作成します。
176
ChemStation の理解
自動化
シーケンスが実行されると何が起こるか ?
8
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図 39
ChemStation の理解
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シーケンスステータス
177
8
自動化
シーケンスデータファイル構造 ( ユニークなフォルダ作成オン )
シーケンスデータファイル構造 ( ユニークなフォルダ作
成オン )
ChemStation リビジョン B.02.01 以降では、図「シーケンスデータファイル構
造 ( ユニークなフォルダ作成オン )」のように、生データとメソッド間のリン
クが強化されています。
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図 40
178
シーケンスデータファイルの構造
ChemStation の理解
自動化
シーケンス内のデータファイルの命名
8
シーケンス内のデータファイルの命名
シーケンス内のデータファイルの命名は、次の方法で行われます。
• 自動
• マニュアル
• プレフィックス / カウンタ
シーケンス実行時のデータファイル自動命名
サンプルバイアル
例 : 017-0103.D
変数の意味は次のとおりです。
• 最初の 3 桁はバイアル番号。たとえば、017。
• 液体クロマトグラフィおよびキャピラリー電気泳動において、第 4 番目の桁
は分離のためのハイフン (-) です。ガスクロマトグラフにおいては、この桁
はフロント (F) か、バック (B) のどちらかです。
• 第 5 番目と 6 番目の桁は、使用されるメソッドを定義するシーケンス行で
す。たとえば、最初のシーケンス行は 01 で表されます。
• 第 7 番目と 8 番目の桁は、メソッドによるこのバイアルに対する注入番号で
す。
ブランクラン
例 : NV--0499.D
変数の意味は次のとおりです。
• NV は、非バイアル (no vial) を表します。
• - は、分離のためのハイフンです。
• 0499 は、シーケンスの第 4 行の 99 回目のブランクランを意味します。
ChemStation の理解
179
8
自動化
シーケンス内のデータファイルの命名
データファイル名のマニュアル入力
シーケンステーブルの列の 1 つは、[ データファイル ] という名前です。その列
にエントリが含まれていない場合は、指定されたデータファイル命名規則 ( 自
動またはプレフィックスカウンタ ) を使用してデータファイル名が作成されま
す。[ データファイル ] 列にテキストが入力されていると、分析用のデータ
ファイル名として ChemStation はそのテキストを使用します。
ある行に、マニュアルデータファイル名でバイアルごとに複数の注入が指定さ
れている場合、ChemStation は、ユーザーが入力した文字の最後を自動的に切
り捨てて、注入番号を代わりに追加します。これにより、同じデータファイル
名が複数の注入に再使用されるのを防ぎます。
データファイルの命名にプレフィックス / カウンタを使用
[ プレフィックス / カウンタ ] を使用してデータファイルに名前を付ける場合
は、ChemStation によって各分析に対して名前が 1 つ生成されます。GC のよ
うに、機器がデュアルシグナル解析をサポートしている場合は、ChemStation
がシグナルごとに名前を生成します。
シーケンス設定では、プレフィックス / カウンタに長いファイル名を使用でき
ます。プレフィックス / カウンタにより定義されたデータファイル名には、最
高 15 文字と .d の拡張子、つまり全体で、17 文字まで使用できます。
プレフィックス / カウンタのフィールドには、次のルールが適用されます。
• カウンタ自体には、最大 6 文字まで使用可能
• プレフィックスに使用されている文字が 9 文字に満たない場合、カウンタが
自動的に 6 桁に拡張される
• カウンタ内で指定されている番号は、増加する値の開始番号
表 15
180
プレフィックス
カウンタ
作成されるファイル名
長い
000001
long000001
longname
000001
longname000001
testwithalongna
1
testwithalongna1
ChemStation の理解
自動化
ポストシーケンス処理
8
ポストシーケンス処理
通常実行中にシーケンスが完了した後、またはシーケンス処理中に
ChemStation にエラーが発生した後の処理を指定できます。LC の処理には、[
ポストシーケンスコマンド / マクロ ] チェックボックスをオンにすることでこ
れを指定できます。次の選択が可能です。
• システムを、ランプおよびポンプがオフになる STANDBY 状態に設定する
• システムを、すべてのランプがオフになる LAMPOFF 状態に設定する (LC
および CE のみ )
• システムを、すべてのポンプがオフになる PUMPOFF 状態に設定する (LC
および CE のみ )
• デフォルトのシャットダウンマクロを使用するか、SHUTDOWN.MAC を変
更して、特定の処理を決定させる
たとえば、シーケンスが完了した後は、システムをスイッチを切ることがで
きます。シャットダウンマクロを使用すると、フローをゼロにセットした
り、フローを緩やかに減らしたりもできます。
シーケンスパラメータ内では、[ ポストシーケンスコマンド / マクロ ] フィー
ルドにマクロの名前を指定してボックスをオンにすることで、カスタムマクロ
が実行されるように指定できます。
ノットレディータイムアウト (LC および CE のみ )
シーケンスパラメータ内のノットレディータイムアウトは、装置の準備が整う
までシステムが待機する時間の長さです。この時間が経過すると、システムは
シャットダウンします。
待機時間 (LC および CE のみ )
シーケンスパラメータでは、メソッドの読み込み後、そのメソッドを使用して
注入するまでの待機時間を指定できます。これは、新しい分析条件を利用する
場合に、カラム / キャピラリを再平衡化するために役立ちます。
ChemStation の理解
181
8
自動化
自動リキャリブレーション
自動リキャリブレーション
キャリブレーションは、たとえば、カラムやキャプラリの変更など、運転条件
に変更があった後にしばしば実行されます。分析性能に影響を与えるファクタ
を補正するために、分析シーケンスの開始時またはシーケンス実行中に定期的
に、プログラムの一部として自動リキャリブレーションが通常は実行されま
す。
自動シーケンスリキャリブレーションを指定するには、2 つの方法がありま
す。
• 明示的キャリブレーションシーケンス
• 周期的キャリブレーションシーケンス
プレファレンスモード「ユニークなフォルダ作成オン」を使用し
たリキャリブレーション
リキャリブレーション実施中、使用したメソッドのキャリブレーションテーブ
ルは定義したメソッド設定に従って更新されます。データ保存モード「ユニー
クなフォルダ作成オン」を使用すると、リキャリブレーションメソッドはシー
ケンスデータコンテナ内にあります。この処理中、シーケンスメソッドのキャ
リブレーションテーブルは更新されます。DA.M に加え、個々のデータファイ
ルのメソッドには結果作成に使用された更新したキャリブレーションが含まれ
ます。
プレファレンスモード「ユニークなフォルダ作成オフ」を使用し
たリキャリブレーション
リキャリブレーション実施中、使用したメソッドのキャリブレーションテーブ
ルは定義したメソッド設定に従って更新されます。データ保存モード「ユニー
クなフォルダ作成オフ」を使用すると、リキャリブレーション中にマスターメ
ソッドのキャリブレーションテーブルが更新されます。
182
ChemStation の理解
自動化
リキャリブレーションの指定
8
リキャリブレーションの指定
シーケンス用のリキャリブレーションパラメータは、シーケンステーブルに直
接入力されます。これらのパラメータは、シーケンスの中でメソッドがどのよ
うにリキャブレーションされるかを定義します。
シーケンステーブル内のリキャリブレーションパラメータ
レスポンスファクタおよびリテンション / マイグレーションタイムは、次に挙
げるいくつかの方法で更新できます。キャリブレーションレベル、レスポンス
ファクタ更新、およびリテンション / マイグレーションタイム更新は、キャリ
ブレーションテーブルをリキャリブレーションする際にデータ解析で使用され
る命令です。
サンプルテーブルの [ サンプルタイプ ] の列にキャリブレーションと入力した
場合、次に挙げる列が有効になり、編集できます。
• Cal レベル
• RT 更新
• RF 更新
• インターバル
これらの各列に入力できる値を表に示します。
表 16
シーケンステーブル内のリキャリブレーションパラメータ
CAL レベル
RT 更新
RF 更新
インターバル
キャリブレーショ
ンテーブルレベル
番号 (1-999)
更新せず
更新せず
周期的リキャリブレー
ションインターバル番
号 (1-999)
平均
平均
ブランク
置換
置換
ブラケット
F%
ChemStation の理解
183
8
自動化
リキャリブレーションの指定
この表では、シーケンステーブル内の列が表示されており、リキャリブレー
ションパラメータ、およびそこに入力できる値が含まれています。
更新せず
レスポンスファクタまたはリテンション / マイグレーションタイムを変更しま
せん。
置換
以前のリテンション / マイグレーションタイムおよびレスポンス ( 面積または
高さ ) を、現在の分析のみのものと置き換えます。このリキャリブレーション
分析の中に見つからないピークに対しては、レスポンスは変更されません。
平均
各ピークのリテンション / マイグレーションタイムおよびレスポンス ( 面積ま
たは高さ ) を、元のキャリブレーションランとそれ以降に平均化されたすべて
のリキャブレーションに基づいて平均化します。リキャブレーションの中に、
ピーク 1 つが欠けている場合でも、ピークの平均レスポンスには大きな影響は
ありません。
ブラケット
サンプルは、プレサンプルおよびポストサンプルキャリブレーションに挟み込
まれます。閉じているブラケットの最後のキャリブレーションサンプルが分析
されると、解析が実行されます。既存のキャリブレーションデータは、開いて
いるブラケットのキャリブレーションランの結果データに置き換わります。閉
じているブラケットキャリブレーションとそのキャリブレーションテーブルと
の平均を計算します。
インターバル
インターバルは、シーケンス中のキャリブレーション頻度を決定します。キャ
リブレーション頻度は、次のキャリブレーション注入セットが実行される前に
行われるサンプル注入回数に対応します。分析の開始時にキャリブレーション
が行われ、その結果 ( レスポンスファクタなど ) がキャリブレーション テーブ
ルに入力されます。これらの結果は、その後、二次的な定量計算に用いられま
す。指定した注入回数が実行されると、別のキャリブレーションが分析され、
その結果はキャリブレーションテーブルに入力されます。このとき、前のキャ
リブレーション分析結果は上書きされます。
184
ChemStation の理解
自動化
リキャリブレーションの指定
8
F%
デルタ % 計算により、解析からのレスポンスファクタとキャリブレーション
テーブルにマニュアルで入力されたレスポンスファクタの比較が可能になりま
す。デルタ % は、テーブル内のすべてのキャリブレーションピークに適用され
ます。複数の内部標準を同定でき、次にその測定レスポンスファクタはその他
のピークの新しいレスポンスファクタの計算に使用されます。どの内部標準
が、キャリブレーションテーブルの各ピークのデルタ % 計算に使用されるか同
定します。
ChemStation の理解
185
8
自動化
シーケンスの種類
シーケンスの種類
シーケンスには、次のような種類があります。
• 明示的キャリブレーションシーケンス
• 明示的シングルレベルキャリブレーションシーケンス
• 周期的マルチレベルキャリブレーションシーケンス
• シーケンス内での明示的および周期的キャリブレーション両方
• ブラケットキャリブレーションを含む周期的キャリブレーションシーケンス
186
ChemStation の理解
自動化
明示的キャリブレーションシーケンス
8
明示的キャリブレーションシーケンス
この種類のシーケンスは、シーケンステーブルでユーザーが定義したインター
バルでリキャブレーションされます。
明示的キャリブレーションシーケンスには、シーケンステーブル内にインター
バルのエントリを指定せずに、キャリブレーションサンプルがシーケンスに入
れられます。シーケンステーブル内にあるキャリブレーションサンプルのエン
トリごとに、リキャリブレーションが 1 度行われます。
ChemStation の理解
187
8
自動化
周期的シングルレベルキャリブレーションシーケンス
周期的シングルレベルキャリブレーションシーケンス
この種類のシーケンスは、同じバイアル、つまり、シーケンス内で規則的なイ
ンターバルのキャリブレーションサンプルを使用します。
シーケンステーブル内のインターバルエントリは、リキャリブレーションの実
行方法を決定します。例えば、インターバル値が 2 の場合は、シーケンス内で
2 つのサンプルバイアルごとにリキャリブレーションされます。
188
ChemStation の理解
自動化
周期的マルチレベルキャリブレーションシーケンス
8
周期的マルチレベルキャリブレーションシーケンス
このタイプのシーケンスは、異なるキャリブレーションサンプルを使用して、
マルチレベルキャリブレーションメソッドをリキャブレーションします。
次に挙げる例では、サンプルの 2 つのグループを分析するためのメソッド A お
よびメソッド B からなる 2 メソッドシーケンスを説明します。メソッドの両方
は、マルチレベルキャリブレーションメソッドで、定義されたインターバルご
とに自動的にリキャリブレーションを行います。
シーケンステーブルには、メソッドごとに次の 3 つのエントリがあります。
• 2 つのキャリブレーションレベル :
• メソッド A 内のシーケンス行 1 および 2。
• メソッド B 内のシーケンス行 8 および 9。
• サンプル用の 5 つのエントリ :
• メソッド A 内のシーケンス行 3 から 7 まで。
• メソッド B 内のシーケンス行 10 から 14 まで。
シーケンスリキャリブレーションテーブル内のリキャリブレーションインター
バルによって、キャリブレーションは規則的なインターバルに実行されるよう
に指定されています。
• メソッド A では、サンプルが 2 つ終わるごとにリキャブレーションされま
す。
• メソッド B では、サンプルが 3 つ終わるごとにリキャブレーションされま
す。
以下のシーケンステーブルでは、例を単純化するために切り詰めてあります。
表 17
メソッド A および B 用のシーケンステーブル
行
バイ
アル
メソッド名
注入 / バ
イアル
サンプルタイプ
Cal レ
ベル
RF 更新
RT 更新
1
1
メソッド A
1
キャリブレー
ション
1
平均
更新せず
2
2
2
メソッド A
1
キャリブレー
ション
2
平均
更新せず
2
ChemStation の理解
インター
バル
189
8
自動化
周期的マルチレベルキャリブレーションシーケンス
表 17
メソッド A および B 用のシーケンステーブル
バイ
アル
メソッド名
注入 / バ
イアル
サンプルタイプ
Cal レ
ベル
RF 更新
RT 更新
3
10
メソッド A
1
4
11
メソッド A
1
5
12
メソッド A
1
6
13
メソッド A
1
7
14
メソッド A
1
8
3
メソッド B
1
キャリブレー
ション
1
平均
更新せず
3
9
5
メソッド B
2
キャリブレー
ション
2
平均
更新せず
3
10
20
メソッド B
1
11
21
メソッド B
1
12
22
メソッド B
1
13
23
メソッド B
1
14
24
メソッド B
1
行
インター
バル
メソッド A の分析順序
このセクションでは、2 メソッドシーケンスの最初の部分であるメソッド A の
分析順序について説明します。
表 18
190
メソッド A の分析順序
注入番号
メソッド
バイアル
操作
1
メソッド A
1
キャリブレーションレベル 1 およびレポー
ト
2
メソッド A
2
キャリブレーションレベル 2 およびレポー
ト
3
メソッド A
10
サンプル分析およびレポート
ChemStation の理解
自動化
周期的マルチレベルキャリブレーションシーケンス
表 18
8
メソッド A の分析順序
4
メソッド A
11
サンプル分析およびレポート
5
メソッド A
1
キャリブレーションレベル 1 およびレポー
ト
6
メソッド A
2
キャリブレーションレベル 2 およびレポー
ト
7
メソッド A
12
サンプル分析およびレポート
8
メソッド A
13
サンプル分析およびレポート
9
メソッド A
1
キャリブレーションレベル 1 およびレポー
ト
10
メソッド A
2
キャリブレーションレベル 2 およびレポー
ト
11
メソッド A
14
サンプル分析およびレポート
メソッド B の分析順序
このセクションでは、2 メソッドシーケンスの 2 番目の部分であるメソッド B
の分析順序について説明します。
メソッド B はメソッド A と比べると次のような違いがあります。
• キャリブレーションレベル 2 に対して、バイアルごとに 2 つの注入がありま
す。インターバルエントリは、3 に設定されています。
表 19
メソッド B の分析順序
注入番号
メソッド
バイアル
操作
12
メソッド B
3
キャリブレーションレベル 1 およびレポー
ト
13
メソッド B
5
キャリブレーションレベル 2 およびレポー
ト
14
メソッド B
5
キャリブレーションレベル 2 およびレポー
ト
15
メソッド B
20
サンプル分析およびレポート
ChemStation の理解
191
8
自動化
周期的マルチレベルキャリブレーションシーケンス
表 19
メソッド B の分析順序
16
メソッド B
21
サンプル分析およびレポート
17
メソッド B
22
サンプル分析およびレポート
18
メソッド B
3
キャリブレーションレベル 1 およびレポー
ト
19
メソッド B
5
キャリブレーションレベル 2 およびレポー
ト
20
メソッド B
5
キャリブレーションレベル 2 およびレポー
ト
21
メソッド B
23
サンプル分析およびレポート
22
メソッド B
24
サンプル分析およびレポート
部分シーケンスを使用することで、190 ページ 図 表 18 や 191 ページ 図 表
19 に示した結果を取得し、シーケンステーブルの設定後に分析順序のプレ
ビューを確認できます。
192
ChemStation の理解
自動化
明示的および周期的キャリブレーション両方
8
明示的および周期的キャリブレーション両方
この種類のシーケンスは、同じシーケンス内にある明示的および周期的キャリ
ブレーションから構成されています。
この機能を使用すると、シーケンスの初めにメソッドを完全にリキャリブレー
ションでき ( 明示的リキャリブレーション )、その後、シーケンスの間にキャ
リブレーションの更新ができます ( 周期的リキャリブレーション )。
• シーケンステーブル内で、キャリブレーションレベルごとに、キャリブレー
ション行を 2 行指定する必要があります。キャリブレーション行の 1 つは、
明示的リキャリブレーションエントリ用で、もう 1 つは、周期的リキャリブ
レーションエントリ用です。
• シーケンステーブルには、キャリブレーション行ごとのエントリが含まれる
必要があり、すべての周期的リキャリブレーションバイアルは、明示的リ
キャリブレーションおよびサンプルエントリの前に存在する必要がありま
す。
例
以下のシーケンステーブルは、SimpReg と呼ばれるシングルレベルキャリブ
レーションメソッドを表しています。例を単純化するために切り詰めてありま
す。
表 20
SIMPREG 用のシーケンステーブル
1
1
SimpReg
1
キャリブレーション
1
平均
平均
2
1
SimpReg
1
キャリブレーション
1
置換
置換
3
2
SimpReg
1
4
3
SimpReg
1
5
4
SimpReg
1
6
5
SimpReg
1
7
6
SimpReg
1
ChemStation の理解
3
193
8
自動化
明示的および周期的キャリブレーション両方
シングルキャリブレーションレベルごとに 2 つのエントリがあります。
• 最初のキャリブレーション行は、同じレベル用ですが、キャリブレーション
パラメータを平均化します。インターバルのエントリは、サンプルが 3 つ終
わるごとにリキャリブレーションが実行されるように指定します。
• 2 番目のエントリは、すべてのリキャリブレーションパラメータを置き換え
ます。つまり、リキャリブレーション全体が実行されます。これには、リ
キャリブレーションインターバルがありません。
シーケンステーブル
シーケンステーブルは 7 行から構成されます。最初の行は、周期的リキャリブ
レーションサンプルを指定します。2 番目の行は、シーケンスの始めに 1 度だ
け実行される明示的リキャリブレーションを指定します。3 行目から 7 行目ま
では、分析されるサンプルを指定します。
シーケンステーブル内のエントリの順序はとても重要です。周期的キャリブ
レーションを指定するすべての周期的リキャリブレーションバイアルのエント
リは、サンプルエントリまたはメソッド用の明示的リキャリブレーションエン
トリよりも前に位置する必要があります。
SimpReg の分析順序
このセクションでは、SimpReg メソッド用の分析順序について説明します。
表 21
194
SimpReg の分析順序
シーケンス行
注入番号
メソッド
バイアル
操作
2
1
SimpReg
1
サンプルキャリブレーション
1
2
SimpReg
1
通常キャリブレーション
3
3
SimpReg
2
サンプル分析
3
4
SimpReg
3
サンプル分析
4
5
SimpReg
4
サンプル分析
5
6
SimpReg
1
通常キャリブレーション
6
7
SimpReg
5
サンプル分析
7
8
SimpReg
6
サンプル分析
ChemStation の理解
自動化
ブラケットを含む周期的キャリブレーションシーケンス
8
ブラケットを含む周期的キャリブレーションシーケンス
ブラケットを使用した周期的キャリブレーションシーケンスでは、現在のキャ
リブレーションと以前のキャリブレーションの結果を平均化するにより、不明
の定量結果を計算するために使用されるキャリブレーションテーブルが生成さ
れます。この新しいキャリブレーションテーブルは、サンプルの分析時の機器
のレスポンスをより正確に表すものです。
例
次のような状況を考えてみてください。
• 機器のレスポンスがドリフトしている。
• 同一の 2 成分混合物が 3 回注入されるように指定されている。
• 2 回の注入は、キャリブレーションサンプルとして指定されており、残りの
1 回は、サンプルとして指定されている。
• 最初と 3 番目の注入は、キャリブレーションサンプルである。
• 2 番目の注入はサンプルです。
2 番目の注入 ( サンプル ) の正確な定量結果を取得するには、2 つのキャリブ
レーションサンプル間の線形補間行われる必要があります。図を参照してくだ
さい。この処理は、ブラケットと呼ばれます。
ChemStation の理解
195
8
自動化
ブラケットを含む周期的キャリブレーションシーケンス
ᤨ㑆
ᯏེ
࠼࡝ࡈ࠻
ࠠࡖ࡝ࡉ࡟࡯
࡚ࠪࡦ
図 41
ࠨࡦࡊ࡞
ࠠࡖ࡝ࡉ࡟࡯
࡚ࠪࡦ
ブラケット
ブラケットシーケンス処理
• 最初のキャリブレーションバイアルが分析される。
• サンプルバイアルが分析される。
• 次のキャリブレーションバイアルが分析される。
• 既存のレスポンスファクタを新しいものと取り替えて、以降のキャリブレー
ションランを新しいキャリブレーションテーブルに平均化して格納すること
により、キャリブレーションテーブルが作成される。
• サンプルバイアルデータが解析され、レポートが生成される。
• 分析が必要なサンプルバイアルがさらにある場合は、ステップ 2 へシーケン
スが戻る。
196
ChemStation の理解
自動化
ブラケットを含む周期的キャリブレーションシーケンス
8
例
このセクションでは、Brack.M と呼ばれる 1 つのメソッドから構成されるシー
ケンスブラケットの例を説明します。Brack.M メソッドは、周期的キャリブ
レーションを使用した 2 レベルの内部標準メソッドです。
シーケンステーブル
Brack.M のシーケンステーブル ( 次ページ ) は、例を単純化するために切り詰
めてあります。これは 7 行から構成されます。最初の 2 行は各レベル用にリ
キャリブレーション条件を定義します。残りの行は、分析されるサンプルを定
義します。
さらに具体的に説明すると、Brack.M メソッドのテーブルには次に挙げるもの
が含まれます。
• キャリブレーションサンプルを使用したサンプルのブラケットを指定する、
[ レスポンスファクタ更新 ] 列の中の「ブラケット」というエントリ。
• リテンション / マイグレーションタイムの置換を指定する、[ リテンション
/ マイグレーションタイム更新 ] 列の中の「更新」というエントリ。
• 3 サンプルごとにリキャリブレーションを実行するように指定する、[ リ
キャリブレーションインターバル ] 列の中にある「3」というエントリ。
表 22
BRACK-M 用シーケンステーブル
1
1
BRACK-M
2
キャリブ
レーション
1
ブラケッ
ト
置換
3
2
2
BRACK-M
2
キャリブ
レーション
2
ブラケッ
ト
置換
3
3
10
BRACK-M
1
4
11
BRACK-M
1
5
12
BRACK-M
1
6
13
BRACK-M
1
7
14
BRACK-M
1
ChemStation の理解
197
8
自動化
ブラケットを含む周期的キャリブレーションシーケンス
ブラケットシーケンスの分析順序
198
ChemStation の理解
自動化
8
標準の同じ希釈率を含むマルチバイアルを使用した周期的リキャリブレーションシーケンス
標準の同じ希釈率を含むマルチバイアルを使用した周期
的リキャリブレーションシーケンス
「ラウンドロビン」キャリブレーションバイアルを使用した
周期的リキャリブレーションシーケンス
周期的リキャリブレーションを実行する、つまり決まった数のサンプル注入の
後に自動リキャリブレーションを実行する大きなシーケンスを分析する場合、
シーケンスの過程においてキャリブレーションバイアルの容量が空になってし
まうという潜在的リスクがあります。ChemStation シーケンステーブルは、ラ
ウンドロビン形式で使用される標準と同じ希釈率を含む一連のバイアルを使用
する方法を提供します。
この機能のおかげで、複数のキャリブレーションを使用する大きなシーケンス
を、決まったインターバルで自動リキャブレーションを行うように定義でき、
各キャリブレーションバイアルは同一程度に消費されます。
適切な数のキャリブレーションバイアルを定義することで、各キャリブレー
ションバイアルが一度だけ使用されることを保証することもできます。たとえ
ば、すべてのリキャリブレーションに新しいキャリブレーションバイアルが必
要とされる場合には、以上のことは重要な要件です。なぜなら、いったんセプ
タムが破裂したり、スチールニードルと接触して劣化し始めると、検体が蒸発
するからです。以下のセクションでは、ChemStation シーケンステーブルを以
上の要件を満たすように設定するにはどうしたらよいかついて説明します。
シーケンス全体におけるキャリブレーション化合物の予想使用量に基づいて、
各レベル用のキャリブレーションバイアルの全体の数を決定してください。
キャリブレーションバイアルごとに、個別の周期的リキャリブレーション行を
設定します。同一のキャリブレーションレベル用に定義された行は、隣接する
シーケンス行の中にある必要があり、定義されたバイアルの位置も、隣接して
いる必要があります。すべてのキャリブレーション行に対して、同一のリキャ
リブレーションインターバルを選択します。たとえば、使用するシーケンスで
サンプル注入を 6 回行うたびにリキャブレーションすル必要がある場合、リ
キャブレーションインターバルを 6 に設定します。
ChemStation の理解
199
8
自動化
標準の同じ希釈率を含むマルチバイアルを使用した周期的リキャリブレーションシーケンス
表 23
各レベルに定義された 3 つのバイアルを使用する周期的リキャリブレーションシーケン
ス
バイア
ル番号
サンプル名
サンプルタイ
プ
メソッド名
注入回数
レベ
ル
RT 更新
RF 更新
インター
バル
1
Cal1a
Calib
メソッド A
1
1
平均
平均
6
2
Cal1b
Calib
メソッド A
1
1
平均
平均
6
3
Cal1c
Calib
メソッド A
1
1
平均
平均
6
5
Cal2a
Calib
メソッド A
1
2
平均
平均
6
6
Cal2b
Calib
メソッド A
1
2
平均
平均
6
7
Cal2c
Calib
メソッド A
1
2
平均
平均
6
10
サンプル 10
サンプル
メソッド A
6
11
サンプル 11
サンプル
メソッド A
6
12
サンプル 12
サンプル
メソッド A
6
13
サンプル 13
サンプル
メソッド A
6
14
サンプル 14
サンプル
メソッド A
6
実行の順序は次のとおりです。
• バイアル 1 (Cal1a)
• バイアル 5 (Cal2a)
• バイアル 10 ( サンプル 10) から 6 回注入
• バイアル 2 (Cal1b)
• バイアル 6 (Cal2b)
• バイアル 11 ( サンプル 11) から 6 回注入
• バイアル 3 (Cal1c)
• バイアル 7 (Cal2c)
• バイアル 12 ( サンプル 12) から 6 回注入
• バイアル 1 (Cal1a)
• バイアル 5 (Cal2a)
• バイアル 13 ( サンプル 13) から 6 回注入
• バイアル 2 (Cal1b)
• バイアル 6 (Cal2b)
• など
200
ChemStation の理解
自動化
8
標準の同じ希釈率を含むマルチバイアルを使用した周期的リキャリブレーションシーケンス
キャリブレーションごとに異なるバイアルを使用する周期
的リキャリブレーション
すべてのキャリブレーションバイアルが、確実に 1 度だけ注入されるようにす
るために、シーケンスは十分な数の異なるキャリブレーションバイアルを定義
し、前の例で説明したラウンドロビン順が適用されないようにする必要があり
ます。たとえば、サンプル 10 個ごとに要求されるリキャリブレーションに、
シーケンスが 80 個のサンプルバイアルを処理する場合、シーケンステーブル
には、各レベルごとに 80/10 + 1= 9 で計算される 9 個のキャリブレーション行
が含まれている必要があります。
前の例にあったように、キャリブレーション行は、隣接するバイアルの位置を
参照する隣接するシーケンス行である必要があります。
開始および終了ブラケットに異なるバイアルを使用するブ
ラケットシーケンス
同じ機能がブラケットシーケンスでも利用可能です。キャリブレーションバイ
アルの適切なバイアル範囲を定義することにより、異なるキャリブレーション
バイアルが開始および終了ブラケットに使用されるようにブラケットシーケン
スを定義できます。この場合もまた、キャリブレーションバイアルのバイアル
の位置と同じく、シーケンス内のキャリブレーション行は隣接している必要が
あります。
ブラケットキャリブレーションバイアルがラウンドロビンモードで使用される
か、1 回のシングル注入のみに使用されるかは、各レベル用のキャリブレー
ションバイアルの合計数、およびシーケンスが要求するリキャリブレーション
の数に単に依存します。
以下の例では、キャリブレーションによりブラケットされている 3 回のサンプ
ル注入を定義しています。開始ブラケットは、終了ブラケットとは異なるキャ
リブレーションを使用します。サンプル注入が行われるごとに、リキャリブ
レーションを実行する必要があります。このため、リキャブレーションイン
ターバルは 1 にします。レベルごとのキャリブレーション行の数は、サンプル
の数に 1 を足した数です。
ChemStation の理解
201
8
自動化
標準の同じ希釈率を含むマルチバイアルを使用した周期的リキャリブレーションシーケンス
表 24
開始および終了ブラケットに使用される異なるバイアル
バイア
ル番号
サンプル名
サンプルタイ
プ
メソッド名
注入回数
レ
ベ
ル
RT 更新
RF 更新
イン
ターバ
ル
1
Cal1a
Calib
メソッド A
1
1
Brkt
Brkt
1
2
Cal1b
Calib
メソッド A
1
1
Brkt
Brkt
1
3
Cal1c
Calib
メソッド A
1
1
Brkt
Brkt
1
4
Cal1d
Calib
メソッド A
1
1
Brkt
Brkt
1
10
サンプル 10
サンプル
メソッド A
1
11
サンプル 11
サンプル
メソッド A
1
12
サンプル 12
サンプル
メソッド A
1
このシーケンスの実行順序は次のとおりです。
• バイアル 1 (Cal1a)、開始ブラケット 1
• バイアル 10 ( サンプル 10)
• バイアル 2 (Cal1b)、終了ブラケット 1 および開始ブラケット 2
• バイアル 11 ( サンプル 11)
• バイアル 3 (Cal1c)、終了ブラケット 2 および開始ブラケット 3
• バイアル 12 ( サンプル 12)
• バイアル 4 (Cal1b)、終了ブラケット 3
202
ChemStation の理解
ChemStation の理解
9
データレビュー、再解析、バッチ
レビュー
データ解析でのナビゲーションテーブル 204
ナビゲーションテーブルの設定 204
ナビゲーションテーブルツールバー 205
ナビゲーションテーブルを用いたデータレビュー 206
ナビゲーションテーブルを用いたシーケンス再解析 207
バッチレビューとは
209
インストール済みの ChemStation OpenLAB Option でバッチレ
ビュー機能を有効にする 210
バッチ設定 211
バッチテーブル 211
化合物テーブル 212
バッチレポート 212
ユーザーインターフェイス
212
レビュー機能 214
バッチレビュー内のキャリブレーション
214
バッチレポート 215
バッチ履歴 215
本章では、データをレビューする可能性とシーケンスデータの再解析方法につ
いて説明します。さらに、バッチレビュー、バッチコンフィグレーション、レ
ビュー機能、バッチレポートのコンセプトを説明します。
Agilent Technologies
203
9
データレビュー、再解析、バッチレビュー
データ解析でのナビゲーションテーブル
データ解析でのナビゲーションテーブル
[ データ解析 ] ビューには、データファイルの中を簡単に移動するように設計
されたナビゲーションテーブルが含まれます。ナビゲーションテーブルには、
選択されたデータまたはシーケンスデータのサブディレクトリに含まれる分析
が表示されます。ナビゲーションテーブルを使用して、個々の分析を読み込ん
だりアクセスしたり、自動的に読み込まれているシグナルをスクロールできま
す。詳細は、『新しい ChemStation ワークフローから始める』マニュアルを参
照してください。
ナビゲーションテーブルの設定
ナビゲーションテーブルには、利用可能なデータセットに基づいて、データ
ファイル情報が表示されます。ナビゲーションテーブルは読み取り専用で、ナ
ビゲーションテーブル内の値は上書きできません。
表 25
204
ナビゲーションテーブルの列
シングルランの列
シーケンスランの列
重ね書き
重ね書き
日付 / 時刻
行
オペレータ
Inj ( 注入 )
バイアル
バイアル
データファイル
サンプル名
サンプル名
メソッド名
メソッド名
サンプルタイプ
マニュアルイベント
マニュアルイベント
サンプル情報
Cal レベル ( キャリブレーションレベル )
サンプルアマウント
サンプル情報
ISTD アマウント
サンプルアマウント
ChemStation の理解
データレビュー、再解析、バッチレビュー
データ解析でのナビゲーションテーブル
表 25
9
ナビゲーションテーブルの列
シングルランの列
シーケンスランの列
倍率
ISTD アマウント
希釈率
倍率
---
希釈率
---
データファイル
ナビゲーションテーブルには、他の場所に列を移動するためのソートやドラッ
グアンドドロップのような、標準のテーブル設定機能が含まれています。ナビ
ゲーションテーブル内に表示される列を選択することもできます。
さらに、列特有のグループ化が可能で、たとえば、「オペレータ」列で読み込
まれたファイルをグループ化することにより、特定のオペレータのシングルラ
ンを表示できます。
ナビゲーションテーブルで、マウスの右クリック機能を使用して、シグナルの
読み込み、シグナル重ね書き、データのエクスポート、レポートの印刷、メ
ソッドパラメータの取り込みなどができます。行の左の + ( プラス ) 記号をク
リックして、シグナル固有のオプションを設定することで、ナビゲーション
テーブルの各行を拡張できます。
• シグナル : 取り込んだシグナルを一覧表示し、読み込むシグナルを指定でき
ます。シグナル表示の選択は、分析ごとに個別に適用されます。
• 一般情報 : 分析についてのヘッダー詳細を一覧表示します。
• 機器カーブ : 機器データカーブがクロマトグラム / エレクトロフェログラム
とともに表示され、印刷結果にも表示されるように選択できます。
ナビゲーションテーブルツールバー
ナビゲーションテーブルには、シングルラン / シーケンスデータのレビュー、
またはシーケンスデータの再解析のどちらかが可能な 2 つのツールセットが含
まれています。
ChemStation の理解
205
9
データレビュー、再解析、バッチレビュー
データ解析でのナビゲーションテーブル
データレビューツールセット
ナビゲーションテーブルのレビュー機能により、読み込まれたシグナルを自動
的にまたはマニュアルで処理することができます。[ プレファレンス ] > [ シグ
ナル / レビューオプション ] で指定された選択に応じて、システムは自動的に
シグナルを積分し、ファイルが読み込まれる時に各ファイルのレポートを印刷
できます。データファイルに適用されるメソッドは、トップメニュー内に表示
されます。
シーケンス再解析ツールセット
シーケンス再解析ツールセットは、ChemStation B.02.01 以降で取り込まれた
シーケンスが読み込まれ、「ユニークなフォルダ作成」がオンの状態で取り込
また場合にのみ利用可能です。シーケンスの再解析の開始、停止、一時停止が
可能です。さらにツールバーからは、シーケンスの再解析および印刷用のパラ
メータを変更するために、次に挙げるダイアログボックスにアクセスできま
す。
• シーケンステーブル ( シーケンスデータコンテナ内にある、元の *.s テンプ
レートのコピー )
• [ シーケンスパラメータ ] ダイアログボックス
• [ シーケンス出力 ] ダイアログボックス
• [ シーケンスサマリパラメータ ] ダイアログボックス
• [ 拡張統計パラメータ ] ダイアログボックス
• 現在のシーケンスの保存
• 現在のシーケンスの印刷
ナビゲーションテーブルを用いたデータレビュー
必要なワークフローに応じて、次に挙げる 3 つの方法のうちの 1 つを使用して
データをレビューできます。
1 各データファイルの個々のメソッドを使用して、シーケンスデータをレ
ビューします ( シーケンスデータ B.02.01 以降 )。[ プレファレンス ] > [ シ
グナル / レビューオプション ] の「データファイル毎のメソッド (DA.M)」
オプションを使用して、シーケンスデータを読み込む前にデータファイルと
一緒に保存されたデータ解析メソッド (DA.M) をシステムに読み込ませま
す。データレビュー処理時にナビゲーションテーブルの各行がアクセスされ
る際、選択したデータファイルのリンクされた DA.M が読み込まれ、レポー
206
ChemStation の理解
データレビュー、再解析、バッチレビュー
データ解析でのナビゲーションテーブル
9
トのレビューおよび作成に使用されます。メソッド名はステータスバーに表
示され、システムが括弧の中にデータファイルを追加し ( データファイルか
ら )、読み込まれたメソッドがデータファイル用の個別メソッドであること
を示します。
2 シーケンスメソッドを使用してデータのレビューします。[ プレファレンス ]
> [ シグナル / レビューオプション ] の「シーケンスメソッド」オプション
を使用して、ナビゲーションテーブルの現在の行に対応するシーケンスメ
ソッドをシステムに読み込ませます。データファイルが読み込まれ、レポー
トのレビューや作成に使用されるときはいつでも、このメソッドが読み込ま
れます。メソッド名はステータスバーに表示され、システムが括弧の中に
シーケンスを追加し ( シーケンス )、読み込まれたメソッドがナビゲーショ
ンテーブルの現在の行に対応したシーケンスメソッドであることを示しま
す。
3 異なるメソッドを使用したデータのレビュー : データのレビューに、データ
ファイルと一緒に保存された個別のデータ解析メソッド (DA.M) とは異なる
メソッドを使用する場合は、[ プレファレンス ] > [ シグナル / レビューオプ
ション ] の「現在のメソッド」オプションを選択する必要があります。この
場合、システムは現在読み込まれているメソッドを使用してレビューおよび
レポートの生成を行います。ステータスバーにメソッド名が表示されます。
ノート
LC、CE、LC/MS、CE/MS システムでは、オプション「データファイルからの
個々のメソッド (DA.M)」がデフォルトで選択されます。
GC システムでは、「現在のメソッド」がデフォルトで選択されます。
ナビゲーションテーブルを用いたシーケンス再解析
ノート
リビジョン B.01.03 までの ChemStation で取り込んだシーケンスデータは、[
メソッド & ランコントロール ] ビュー内の再解析オプションを用いて、再解析
する必要があります。「ユニークなフォルダ作成」がオフに切り換えられると、
B.03.01 で取り込まれたデータに対しても同じことが適用されます。
ChemStation リビジョン B.02.01 以降で取り込まれたシーケンスデータは、[
データ解析 ] ナビゲーションテーブルの再解析ツールセットを使用して再解析
する必要があります。
ChemStation の理解
207
9
データレビュー、再解析、バッチレビュー
データ解析でのナビゲーションテーブル
データ解析内のナビゲーションテーブルを使用して再解析を行うには、次に挙
げる必要なすべてのファイルがシーケンスデータコンテナ内に入っています。
• シーケンスデータファイル (*.d)
• シーケンス中に使用されたすべてのメソッド (*.m) ファイル
• 元のシーケンステンプレートのコピー (*.s)
• シーケンス関連バッチ (*.b) ファイル
• シーケンス関連ログブック (*.log) ファイル
解析中に、データファイル用の個々のメソッドである DA.M とバッチファイル
(*.b) が更新されます。
データ解析の再解析機能を使用すると、データコンテナ内のシーケンステンプ
レート (*.s) を変更して、倍率、希釈率などを変更したり、再解析に他のメ
ソッドを使用したりできます。デフォルトでは、データ解析の再解析シーケン
スパラメータ「メソッド実行部分」は「再解析のみ」に設定され、「シーケン
ステーブル情報を使用」オプションにチェックマークが付きます。これらの事
前定義されたデフォルト値によって、シーケンステーブル内のパラメータの変
更ができ、データ解析シーケンスパラメータを再度編集することなしに再解析
を実行できます。
シーケンステンプレート内のメソッドを明示的に変更してない場合は、シーケ
ンスコンテナ内に格納されているシーケンスメソッドを使用して、システムは
シーケンスを再解析します。このメソッドは、データ取得中に使用された元の
メソッドです。[ プレファレンス ] > [ シグナル / レビューオプション ] の
「データファイル毎のメソッド (DA.M)」オプションが選択されている場合で
も、システムは再解析するために個々のデータファイルの DA.M ではなく、
シーケンスコンテナメソッドを使用することに注意してください。
特定のメソッドパラメータを変更する必要がある場合は ( たとえば、*.xls ファ
イルへの出力指定など )、シーケンスコンテナ内のメソッドを変更し保存する
必要があります。この一般的な変更は、再解析中にすべてのデータファイルに
適用されます。
さらにデータを取り込むために更新済みのシーケンスコンテナメソッドを使用
したい場合は、シーケンスデータコンテナから定義済みメソッドパスの 1 つに
このメソッドをコピーする必要があります。アップデータされた新しいメソッ
ドは、マスターメソッドとしてメソッドビューの ChemStation エクスプロー
ラで使用できるようになります。
208
ChemStation の理解
データレビュー、再解析、バッチレビュー
バッチレビューとは
9
バッチレビューとは
バッチレビューとは、データ解析に含まれる機能で、分析者がシーケンスの結
果の「最初の」レビューを行ったり、分析の選択を迅速、容易にするのに役立
つように設計されています。このバッチレビューは、たくさんのサンプルを再
解析する場合に特に時間を節約できます。シーケンスが分析されると、必ず
バッチファイル ( 拡張子 .b を持つ ) が自動的に生成され、データファイルとと
もにデータディレクトリ内に配置されます。このバッチファイルには、バッチ
レビューそれ自体の中にあるデータファイルへのポインタを含んでいます。
バッチを読み込む際、分析者はバッチに使用するメソッドを選択し、バッチ内
で分析する任意のデータファイルを個別に選択するだけです。キャリブレー
ションの正確さ、機器のパフォーマンス、および個別の積分を結果を承認する
前にチェックすることができます。変更されたクロマトグラム特有のパラメー
タは、データの追跡を可能にするために、データファイルといっしょに保存で
きます。この対話式の環境では、ピーク純度、ライブラリ検索など、その他す
べてのデータ解析機能の全体にアクセスできます。
バッチレビューでは、標準データ解析と同じデータ解析レジスタ (ChromReg
および ChromRes) を使用するため、分析を実行中のオンラインセッションで
は使用すべきではありません。
ChemStation の理解
209
9
データレビュー、再解析、バッチレビュー
インストール済みの ChemStation OpenLAB Option でバッチレビュー機能を有効にする
インストール済みの ChemStation OpenLAB Option でバッチ
レビュー機能を有効にする
ChemStation OpenLAB Option がインストールされた際に、デフォルトの設定
ではバッチレビュー機能は使用できません。バッチレビューを使用するため、
ChemStation.ini ファイルの [PCS] セクションのエントリによりこの機能を有
効にする必要があります。このファイルは、Windows ディレクトリの c:\
WINDOWS にあります。
[PCS]
_BatchReview=1
デフォルトエントリの
_BatchReview=0
でこの機能を切ります。
210
ChemStation の理解
データレビュー、再解析、バッチレビュー
バッチ設定
9
バッチ設定
バッチとは、ユーザー定義のメソッドを使用して処理される、ユーザーが選択
した一連のデータファイルのことです。バッチ内のすべてのデータファイル
は、同じメソッドを使用して処理されます。レビューのために新しいサンプル
が読み込まれるごとに実行される処理ステップを選択することができます ( 積
分、同定 / 定量、レポート )。
バッチ内のすべてのキャリブレーションランが、平均化されたレスポンスファ
クタを使用して 1 つのシングルキャリブレーションテーブルを生成するために
使用されます。このテーブルは、その後、定量するのに使用されます。
バッチテーブル
分析対象がユーザー設定が可能なバッチテーブルの中に表示されます。
• テーブルの列の数と内容を指定できます。
• 分析は次に挙げる指標でソートできます。
• 他のすべての条件から独立しているランインデックス ( 分析が取り込ま
れた順序 )
• サンプルタイプ ( コントロールサンプル、キャリブレーションサンプル、
ノーマルサンプルの順 ) と各サンプルタイプ内の分析インデックス
• メソッドと ( データ取り込みをするのに複数のメソッドが使用された場
合は ) 各メソッド内の分析インデックス
• サンプル、キャリブレーションサンプル、およびコントロールサンプルは
テーブルに表示することも隠すこともできます。
選択された分析ごとに、バッチテーブルの 1 行を使用します。サンプルタイプ
を「削除」に変更することで、バッチテーブルの分析を除外できます ( キャリ
ブレーションからなど )。
ChemStation の理解
211
9
データレビュー、再解析、バッチレビュー
バッチ設定
化合物テーブル
化合物の結果がユーザー設定が可能な化合物テーブルに表示されますが、化合
物テーブルの内容はバッチテーブル内のサンプルのタイプに依存します。
• 化合物リストは、バッチレビュー用に読み込まれたメソッド内で発見された
すべての化合物を含んでいます。
• キャリブレーションサンプルのみがバッチテーブルに表示される場合は ( サ
ンプルとコントロールサンプルは隠されている )、化合物テーブルにはキャ
リブレーション関連情報のための列が追加表示されます ( 予想アマウント、
相対エラー、および絶対エラー )。
• コントロールランのみがバッチテーブルに表示される場合は ( サンプルと
キャリブレーションサンプルは隠されている )、化合物テーブルには定義済
みのコントロールリミット用の列が追加表示されます。
化合物特有の情報を含む列には、%s をカラムの仕様に追加することにより、
化合物の名前をテーブルタイトルに含めることができます。
バッチレポート
バッチレポートには、通常、バッチテーブルと化合物テーブルに類似した 2 つ
のテーブルが含まれます。これらのテーブルも、ユーザー設定が可能です。
化合物特有の情報を含む列には、%s をカラムの仕様に追加することにより、
化合物の名前をテーブルタイトルに含めることができます。複数行のヘッダー
が使用できます。記号 「|」を改行する位置に挿入します。
ユーザーインターフェイス
バッチレビューでは、次の 2 つのユーザーインタフェースの中から選択できま
す。
• 標準インターフェイスには、バッチメニューのアイテムのほとんどに対応す
るボタンバー、バッチテーブル、化合物テーブルが含まれています。
212
ChemStation の理解
データレビュー、再解析、バッチレビュー
バッチ設定
9
• 最低限のインターフェイスには、標準インターフェイスと同様のボタンバー
が含まれていますが、バッチテーブルと化合物テーブルがバッチテーブルに
特化した情報のみを含むコンボボックスに置き換えられています。最低限の
インターフェイスのボタンバーには、バッチテーブル関連または化合物テー
ブル関連のボタンが含まれていません。
ChemStation の理解
213
9
データレビュー、再解析、バッチレビュー
レビュー機能
レビュー機能
次の 2 つの方法でデータファイルを表示できます。
• テーブルから表示したい分析を選択する、マニュアルによる表示
• データファイルごとのインターバルを事前定義した、自動表示自動表示で
は、テーブルに表示されているサンプルタイプのみが表示されます。分析
は、テーブル内の順序に従って表示されます。自動レビューは一時停止がで
き、その後再開したり、停止したりできます。
バッチレビューでは、ChemStation が提供する標準機能が使用できます。これ
には、キャリブレーション、たとえばスムージングやマニュアル積分によるク
ロマトグラムのマニュアル操作が含まれます。データファイルに加えられたす
べての変更は、マークされバッチファイルとともに保存されます。レビューさ
れたクロマトグラムは、バッチテーブル内でアスタリスクでマークされます。
現在のクロマトグラムのみに加えられた変更、またはバッチ内のすべてのクロ
マトグラムに加えられた変更を破棄することもできます。
レビューが開始されると、選択された処理オプションが実行されます。その処
理がすでに実行され、変更が保存されていると、処理済の結果が読み込まれま
す。これは、未処理を読み込むよりも処理が必要ないので短時間ですみます。
バッチレビュー内のキャリブレーション
バッチレビュー内のキャリブレーションは、シーケンステーブルのリキャリブ
レーション設定とは独立して働きます。バッチキャリブレーションの最初のス
テップでは、必ずキャリブレーションテーブルのレスポンスおよびリテンショ
ンタイムのエントリ両方が置き換えられます。以降のキャリブレーション標準
に対しては、レスポンスおよびリテンションタイムの値が平均化されます。
214
ChemStation の理解
データレビュー、再解析、バッチレビュー
バッチレポート
9
バッチレポート
ユーザー設定が可能な 「バッチテーブル」211 ページ 図 は、プリンタへ直接
印刷したり、画面に表示したり、次に挙げるフォーマットのうちの 1 つを使用
して、ユーザ指定のプレフィックスを付けてファイルに出力することもできま
す。
• 拡張子 .TXT を持つ UNICODE テキスト
• 拡張子 .DIF を持つデータ交換フォーマット
• 拡張子 .CSV を持つ CSV ( 値がコンマで区切られた ) フォーマット
• 拡張子 .XLS を持つ Microsoft Excel フォーマット
レポートオプションは、バッチテーブル内のソートメソッドとは独立したサン
プルソート ( ランインデックス、サンプルタイプ、またはメソッドによる ) も
可能にします。ソートの優先順序は、「バッチテーブル」211 ページ 図 に従い
ます。
バッチ履歴
バッチレビューでは、現在のバッチ処理に関連するすべてのアクションがログ
に記録されます。バッチを変更するすべてのアクション ( たとえば、表示され
たクロマトグラムの変更、サンプルタイプの変更、バッチの読み込みおよび保
存など ) に対しては、日付とタイムスタンプ、現在のオペレーター名、および
イベントの説明を記録する行がバッチ履歴に 1 行追加されます。
バッチ履歴には、自分のコメントを追加することもできます。既存のバッチ履
歴のエントリは編集不可能で、履歴リストは、バッチ履歴のメニューアイテム
からはでないとアクセスできません。
ChemStation の理解
215
9
216
データレビュー、再解析、バッチレビュー
バッチレポート
ChemStation の理解
ChemStation の理解
10
ChemStation レポートの使用
レポートとは
218
結果のレポート 219
キャリブレーションされていないレポート
キャリブレーションされたレポート 219
外部標準レポート 220
内部標準レポート 220
コントロールチャートレポート 220
定量結果
219
221
カスタムフィールド値のレポート
222
レポートスタイル 223
カスタマイズされたレポートのレポートスタイルへの追
加 225
他のレポートスタイルパラメータ 226
ピーク和テーブル 226
キャリブレーションされていないピークのレポートレイアウ
ト 226
レポート出力先 227
レポートファイルフォーマット
シーケンスサマリレポート 229
概要 229
シーケンスサマリレポートの設定
227
229
本章では、レポートの概念について説明します。内容は、レポート結果、定量
結果、レポートスタイル、レポート出力先、およびシーケンスサマリレポート
についての詳細になります。
Agilent Technologies
217
10 ChemStation レポートの使用
レポートとは
レポートとは
レポートは、分析するサンプルの定量的および定性的情報から構成されます。
レポートは紙に印刷したり、画面に表示したり、電子ファイルに出力したりで
きます。レポートには、分析中に検出されたピークの詳細、および取り込んだ
シグナルのプロットが含まれます。
218
ChemStation の理解
ChemStation レポートの使用
結果のレポート
10
結果のレポート
次の 2 種類のレポートが利用可能です。
• 検出器のレスポンスを修正しない、キャリブレーションされていないレポー
ト
• 検出器のレスポンスにある相違点をサンプルのさまざまな成分に修正した結
果を表示する、キャリブレーションされたレポート。
キャリブレーションされていないレポート
キャリブレーションされていないレポートには、面積 % および高さ % レポー
トが含まれます。これらのレポートは主に、キャリブレーションされたレポー
トの準備に使用されます。対象となる化合物用の単位面積または高さのレスポ
ンスを生成するのに必要な化合物の量が類似していれば、最終レポートとして
の価値もあります。
キャリブレーションされたレポート
キャリブレーションされたレポートは、検出器のレスポンスにある相違点をレ
ポートされた化合物に修正します。レポートされた化合物の既知アマウントを
含む 1 つまたは複数のキャリブレーションサンプルを、未知のサンプルに使用
されるのと同じ条件のもとで分析する必要があります。これらのキャリブレー
ションサンプルから取得した積分データは、キャリブレーションデータの準備
に使用されます。このデータは、レポート生成に使用される、リテンション /
マイグレーションタイム、量およびレスポンスのリストです。キャリブレー
ションされたレポートは、外部標準および内部標準とよばれる 2 つのキャリブ
レーション手順に基づいています。
ChemStation の理解
219
10 ChemStation レポートの使用
結果のレポート
外部標準レポート
ESTD レポートは、選択した単位、または存在するすべての化合物に占める各
化合物の割合を使用して、結果を一覧表示します。外部標準の手順には、キャ
リブレーションサンプルと未知サンプルの両方が注入された相対量が正確に分
かっている必要があります。外部標準レポートの信頼性は、注入の再現性、お
よびサンプルごとに違うその他の要因による限界があります。
内部標準レポート
外部標準手順の限界は、内部標準のアプローチを使用することで克服すること
ができます。内部標準の正確な既知アマウント ( 同じアマウントである必要は
ない ) がキャリブレーションサンプルと未知サンプルの両方に加えられます。
対象の各化合物のレスポンスは、内部標準のレスポンスで分割され、レスポン
ス比を提供します。検量線は、このレスポンス比とアマウント比のプロット
で、この情報はレポートされる結果の計算で使用されます。このようにして、
すべての化合物に等しく影響を与えるクロマトグラフ / エレクトロフェログラ
フシステムにおける注入量またはわずかな変更に関する不注意によるエラーが
なくなります。ISTD レポートは、選択した単位で結果を一覧表示します。
コントロールチャートレポート
コントロールチャートレポートは、特定のキャリブレーションされた化合物に
対する複数の分析から、単一の結果を記録します。コントロールチャート機能
は、ChemStation が稼動した後にインストールされます。この機能を使用する
メソッドは、各分析の後、記録された結果を Microsoft Excel のワークシート
に渡します。その後、Excel を使用してレポートを印刷します。
220
ChemStation の理解
ChemStation レポートの使用
定量結果
10
定量結果
レポートタイプは、たとえば ISTD レポートのように、それを作成するのに使
用された計算方法の名前で識別されます。以下は、各タイプの簡単な説明で
す。各レポート用の計算方法については、「定量結果」221 ページ 図に記載さ
れています。
面積 % は最も簡単なレポートで、サンプル成分の検出器レスポンスの差異に対
しては修正が行われないため、キャリブレーションデータを必要としません。
面積 % レポートは、他のレポートオプションとともに使用するキャリブレー
ションテーブルを作成するのに特に役立ちます。このレポートは、成分の検出
器レスポンスでの相違が重要ではない分析に適しています。
高さ % は、面積 % レポートと同様のレポートですが、ピークの面積の代わり
にピークの高さが計算に使用される点が異なります。
Norm% は、各成分が存在するすべての成分の割合として報告されるレポート
です。ピークは、各割合の計算前に検出器のレスポンスに対して修正されま
す。
ESTD は、選択した単位にかかわらず、各物質の実際のアマウントのレポート
を作成します。アマウントは、以前に作成されたキャリブレーションテーブル
を使用して計算されます。外部標準を使用するには、注入されたキャリブレー
ション混合物の量を知っている必要があります。
ESTD% は、注入されたサンプルの割合として各物質の相対アマウントのレ
ポートを作成します。アマウントは、以前に作成されたキャリブレーション
テーブルを使用して計算されます。外部標準を使用するには、注入されたキャ
リブレーション混合物の量を知っている必要があります。
ISTD は、各物質の実際のアマウントのレポートを作成します。アマウントは、
以前に作成された検量線を使用して計算されます。サンプル混合物とキャリブ
レーション混合物の両方で内部標準を使用すると、注入されたサンプルの量を
調べて管理する手間が省けます。これにより、分析ごとに機器のパフォーマン
スに生じる偏差も修正されます。
ISTD% は、注入されたサンプルの割合として各物質の相対アマウントのレ
ポートを作成します。サンプル混合物とキャリブレーション混合物の両方で内
部標準を使用すると、注入されたサンプルの量を調べて管理する手間が省けま
す。これにより、分析ごとに機器のパフォーマンスに生じる偏差も修正されま
す。
ChemStation の理解
221
10 ChemStation レポートの使用
カスタムフィールド値のレポート
カスタムフィールド値のレポート
取り込みメソッドに従い特定のサンプルに取り付けられたカスタムフィールド
の値を、レポートに追加できます。元のサンプル情報を含むレポートヘッダー
の最後に、サンプルカスタムフィールドが一覧表示されます。化合物カスタム
フィールドは、レポートの最後に表示されます。
222
ChemStation の理解
ChemStation レポートの使用
レポートスタイル
10
レポートスタイル
次に挙げるレポートスタイルが利用可能です。
[ レポート条件 ] ダイアログボックス内の適切なボックスにチェックを入れる
ことで、レポートスタイルのいずれかにシグナルを追加することを選択しま
す。
• なし - 文章はレポートされません。[ クロマトグラム出力の追加 ] オプショ
ンが選択されている場合のみ、クロマトグラムが記録されます。
• 簡易 - [ シグナル詳細 ] ダイアログボックス (LC のみ ) または [ シグナル ] ダ
イアログボックス (GC のみ ) で設定されるすべての積分済みシグナルの定
量結果のテキストから構成されます。簡易レポートでは、ピーク幅はインテ
グレータに使用される次のようなより複雑な式で計算します。PW =
0.3(IPRight - IPLeft) + 0.7(Area/Height) この式で、IPRight および IPLeft は
変曲点です。
• 詳細 - ヘッダー、定量結果、検量線などから構成されます。ヘッダーはメ
ソッドディレクトリの RPTHEAD.TXT ファイルに保存されます。テキスト
エディタからヘッダーを変更して、メソッド固有のテキストを入れることが
できます。
• ヘッダー + 簡易 - ファイルヘッダーおよび定量結果のテキストから構成され
ます。ヘッダーはメソッドディレクトリの RPTHEAD.TXT ファイルに保存
されます。テキストエディタからヘッダーを変更して、メソッド固有のテキ
ストを入れることができます。
• GLP + 簡易 - ヘッダー、サンプル情報、装置条件、ログブック、シグナル、
定量結果から構成されます。ヘッダーはメソッドディレクトリの
RPTHEAD.TXT ファイルに保存されます。テキストエディタからヘッダー
を変更して、メソッド固有のテキストを入れることができます。
• GLP + 詳細 - ヘッダー、サンプル情報、装置条件、ログブック、シグナル、
定量結果、検量線から構成されます。ヘッダーはメソッドディレクトリの
RPTHEAD.TXT ファイルに保存されます。テキストエディタからヘッダー
を変更して、メソッド固有のテキストを入れることができます。
• フル - ヘッダー、サンプル情報、装置条件、ログブック、シグナル、定量結
果から構成されます。ヘッダーはメソッドディレクトリの RPTHEAD.TXT
ファイルに保存されます。テキストエディタからヘッダーを変更して、メ
ソッド固有のテキストを入れることができます。
ChemStation の理解
223
10 ChemStation レポートの使用
レポートスタイル
• パフォーマンス - 「システムスータビリティ」メニューにある [ パフォーマ
ンスリミット編集 ] ダイアログボックスで指定されたリミット値に従ってレ
ポートを作成します。
キャリブレーションされていないメソッドの場合、レポートパラメータには
各ピークのピーク番号、リテンション / マイグレーションタイム、ピーク面
積、ピーク高さ、シグナルの説明、真の半値幅 (「真のピーク幅 Wx [ 分 ]」
248 ページ 図 も参照 )、対称度、k'、効率 ( 理論段数 )、分解能が含まれま
す。
キャリブレーション済みメソッドの場合、レポートパラメータには各ピーク
のピーク番号、リテンション / マイグレーションタイム、化合物名、アマン
ト、シグナルの説明、真の半値幅、対称度、k'、効率 ( 理論段数 )、分解能
が含まれます。
半値幅計算式は、インテグレータに使用されるより複雑な式とは異なりま
す。効率および分離度の値は、ここから計算したピーク幅に基づきます。レ
ポートのヘッダーには、機器、カラム / キャピラリ、サンプル、取り込みパ
ラメータなどのメソッド関連情報がすべて含まれています。シグナルもプ
ロットされます。
• パフォーマンス + ノイズ - [ システムスータビリティ ] メニューの [ ノイズ
範囲の編集 ] ダイアログボックスで定義されたノイズ範囲のノイズ計算とパ
フォーマンスレポートスタイルを組み合わせます。さらに、ノイズは、標準
偏差の 6 倍、最大振幅、および ASTM ノイズとされます。ドリフトとうね
りも決定されます。
• パフォーマンス + 拡張 - ピークパフォーマンスの計算や各ピークの個別プ
ロットからのすべてのパラメータを含む拡張レポートが作成されます。プ
ロットには、ベースライン、タンジェント、および定義された高さのピーク
幅を含みます。このレポートタイプにはキャリブレーションピークのみが含
まれます。
パフォーマンスレポートスタイルのために印刷されたパラメータに加え、以
下のようにさらに多くのピークパフォーマンスパラメータが決定されます。
各ピークのピーク開始および終了時間、歪み、超過、ピーク幅、USP テー
リングファクタ、データポイント間の時間間隔、データポイント数、統計学
的モーメント、理論段数、メートルあたりの理論段数、選択性、分解能が印
刷されます。ピーク幅、理論段数、メートルあたりの理論段数、選択性、分
解能は、真の半値幅、5 シグマ、タンジェント、テーリングメソッドにより
計算されます ( 詳細は、「パフォーマンステスト定義」246 ページ 図 を参照
してください )。
224
ChemStation の理解
ChemStation レポートの使用
レポートスタイル
10
レポートのヘッダーには、機器、カラム / キャピラリ、サンプル、取り込み
パラメータ、およびシグナルのプロットなどのメソッド関連情報がすべて含
まれています。ピークパフォーマンスパラメータアルゴリズムの完全なリス
トは、「パフォーマンステスト定義」246 ページ 図 を参照してください。
スペクトルのレポートスタイル ( 簡易 + スペクトル、詳細 + スペクトル、パ
フォーマンス + ライブラリサーチ ) は、『スペクトルモジュールの概要』で説
明されます。
カスタマイズされたレポートのレポートスタイルへの追加
ChemStation の [ レポートのレイアウト ] ビューで作成したカスタムレポート
テンプレートを、利用可能なレポートスタイルのリストに追加できます。
ノート
パフォーマンスレポート以外のすべてのレポートは、インテグレータでさらに
複雑な式を使用して計算したピーク幅を一覧表示します ( ピーク幅計算の詳細
については、「ピーク幅」80 ページ 図 を参照してください )。
ChemStation の理解
225
10 ChemStation レポートの使用
他のレポートスタイルパラメータ
他のレポートスタイルパラメータ
ピーク和テーブル
このピーク和テーブルは、以下の機能でより効率的に実行される石油化学およ
び製薬業界向けの特定アプリケーションのために提供されます。
• ユーザーが指定した範囲内にあるピーク面積を合計する
• ピークの範囲内にある面積を合計し、乗数を 1 つ使用して計算を実行する
• 同じ名前を持つすべてのピークの面積を合計する
レポートが作成されると、ChemStation は、ピーク和レポートによって置き換
えられる補正 % は例外として、ピーク和テーブルを使用して標準計算後に印刷
されるピーク和レポートを生成します。
キャリブレーションされていないピークのレポートレイア
ウト
キャリブレーションされていないピークのレポートレイアウトを変更するに
は、[ レポート条件 ] ダイアログボックス内で次のいずれかを選択します。
• リテンション / マイグレーションタイムでの並べ替えを選択している場合は
分割された 1 つのテーブルで、シグナルでの並べ替えを選択している場合は
分割された複数のテーブルで、[ 分割 ] を選択して、キャリブレーションさ
れていないピークをレポートします。
• [ キャリブレーションピークと一緒 ] を選択して、キャリブレーションされ
ていないピークをキャリブレーションピークと一緒にレポートします。
• [ レポートしない ] を選択して、キャリブレーションされていないピークの
レポートを非表示にします。
226
ChemStation の理解
ChemStation レポートの使用
レポート出力先
10
レポート出力先
レポートは、次のいずれかに出力できます。
• 画面
レポート ( テキストとグラフィックを含む ) は、画面上のレポートプレ
ビューウィンドウに表示され、そこから印刷することができます。
• プリンタ
テキストとグラフィックから構成されるレポートは、現在選択されているプ
リンタに印刷されます。
• ファイル
レポートはファイルに保存されます。データがファイルに保存されると、た
とえば Microsoft Windows の EXCEL のような他のプログラムでデータを再
処理することができます。
レポートファイルフォーマット
レポートは、さまざまな形式で保存できます。各フォーマットには個別の拡張
子があります。1 つのレポートに複数のフォーマットを選択することもできま
す。
.TXT
.EMF
.DIF
レポートのテキストは、UNICODE テキストファイルとして出力されます。
それぞれのレポートグラフィック ( シグナルまたは検量線 ) は、Microsoft
Windows メタファイル (WMF) に保存されます。1 つのレポートに複数の
.WMF ファイルを持たせることもできます。生成されたファイルフォーマット
は、Windows のソフトウェア開発ドキュメントで定義されている Microsoft 標
準メタファイルフォーマットにしたがいます。これらのファイルは、さまざま
な独自仕様のソフトウェアパッケージで使用されている Aldus Placeable
Metafile (APM) フォーマットと互換性があります。
表形式のレポートは、データ交換フォーマット (DIF) で保存されます。この
フォーマットは、Microsoft Windows EXCEL などのスプレッドプログラムで
利用できます。選択されたレポートスタイルとは関係なく、" 簡易 " のレポー
トスタイルに含まれる情報のみ保存されます。
ChemStation の理解
227
10 ChemStation レポートの使用
レポート出力先
.CSV
このレポートは、CSV ( 値がコンマで区切られた ) フォーマットです。これは
表形式データ用の非常に単純な形式で、多くのスプレッドシートやデータベー
スで利用可能です。選択されたレポートスタイルとは関係なく、「簡易」のレ
ポートスタイルに含まれる情報のみが保存されます。
単一のレポート用に、複数の .DIF および .CSV ファイルを使用できます。レ
ポートブロックごとに、たとえば REPORT00.CSV のような最初のファイルに
レポートヘッダー情報が含まれます。それに続くファイルには、表形式の結果
が含まれます。
結果がリテンション / マイグレーションタイムによってソートされている場
合、全体のテーブルに、たとえば REPORT01.CSV のようなファイル 1 個のみ
必要です。
結果がシグナルによってソートされる場合、シグナルごとに個別の表が必要で
す。この場合、ファイルは Report01.CSV から ReportNN.CSV (NN はシグナル
の番号を表す ) という形式で名前が付けられます。
228
.XLS
レポートは、Microsoft Excel スプレッドシートに XLS フォーマットでエクス
ポートされます。データは一般的に処理を加える必要があります。
.PDF
レポートは .pdf ファイルに印刷されます。.pdf レポートの場合、ChemStation
は「novaPDF Pro Server v5」と呼ばれる PDF プリンタを使用します。このプ
リンタの対応するライセンスは、ChemStation からの印刷にのみ有効です。他
のアプリケーションからもこのプリンタを使用する場合、その目的のためのラ
イセンスを購入する必要があります。
ChemStation の理解
ChemStation レポートの使用
シーケンスサマリレポート
10
シーケンスサマリレポート
概要
ChemStation では、個別のサンプル分析ごとに、さまざまな標準レポートを印
刷できます。シーケンスサマリ レポートは、別のレポート出力方法で、たくさ
んの異なる分析にわたってパラメータを計算しレポートすることができます。
たとえば、機器の安定性や新しいメソッドの堅牢性をテストするのに役立ちま
す。
シーケンスサマリ レポートには次のものが含まれます。
• タイトルページ
• 機器のリビジョン番号および使用される分析カラム / キャピラリを含む、機
器の設定
• どの分析の自動シーケンスが実行される必要があるかを記述しているシーケ
ンステーブルのリスト
• シーケンスが行った内容およびシーケンス実行中に発生した予期しないイベ
ントのログブック記述
• メソッドのリスト
• サンプルごとの個別レポート
• 選択した基準に基づく分析に関する統計 ( 統計はキャリブレーションされた
化合物のみに対して計算される ) および
• レポートの詳細セクションを参照するページ番号付きの目次
シーケンスサマリレポートの設定
シーケンスサマリレポートを設定する際、次に挙げる 9 個のカテゴリから、適
切なチェックボックスをチェックして有効化し、必要に応じてテンプレートセ
クションからレポートスタイルを選択することにより、好きな組み合わせを選
択できます。各テンプレートは、シーケンスサマリレポート全体における特定
のセクションの内容とレイアウトを指定します。
次に挙げるシーケンスサマリレポートのスタイルのいずれかを選択できます。
ChemStation の理解
229
10 ChemStation レポートの使用
シーケンスサマリレポート
ヘッダページ
GLP テンプレートは、以降のレポートのために、GLP をタイトルページとし
て、大きな文字で印刷します。日付および署名する場所も含まれます。
コンフィグレーション
レポートに機器コンフィグレーションおよび分析カラム / キャピラリの仕様を
含めたい場合は、[ コンフィグレーション ] を選択します。
シーケンステーブル
レポート内のサンプルのリスト、サンプル定量パラメータ、およびメソッド名
を含むには、[ シーケンステーブル ] を選択します。このリストは、システム
が何を分析したかを表示します。
ログブック
機器の状態およびサンプル分析中に発生した異常イベントを含む、システムが
実行した分析のリストを取得するには、[ ログブック ] を選択します。
メソッド
一連の自動分析の中で使用された、すべての分析メソッドを一覧表示するに
は、[ メソッド ] を選択します。
分析レポート
メソッド用に設定されたレポートスタイルに基づいて個別の分析レポートを取
得するには、[ 分析レポート ] を選択します。
個別の分析レポートは、シーケンスサマリレポート内で指定されたレポートセ
クションに加えて、問題になっているメソッドに指定されたレポートスタイル
に基づいて、分析ごとに印刷できます。「シーケンス出力」を参照してくださ
い。
SUILabel タイプ = " アプリケーション "> キャリブレーションラン
およびサンプルラン用の統計
[ キャリブ試料分析の統計 ] を選択すると、キャリブレーションサンプルの統
計的トレンド分析が生成されます。[ 未知試料分析の統計 ] を選択すると、サ
ンプル ( 不明 ) 分析の統計的トレンド分析が生成されます。両方の選択で、標
230
ChemStation の理解
ChemStation レポートの使用
シーケンスサマリレポート
10
準統計法および拡張統計法のテンプレートスタイルを使用できます。拡張統計
法は分析の統計トレンドをグラフで印刷するのに対し、標準統計法はテキスト
のみ印刷します。[ 拡張統計法用のアイテムおよびリミット ] ダイアログ ボッ
クスで選択した内容は、[ シーケンスサマリパラメータ ] ダイアログ ボックス
の [ 拡張統計法 ] オプションを選択した場合にのみ使用されます。
[ シーケンスサマリパラメータ ] ダイアログボックスの [ 標準統計法 ] オプショ
ンを選択した場合、レポートされる統計は次のとおりです。
• リテンション / マイグレーションタイム
• 面積
• 高さ
• アマウント
• ピーク幅 ( レポートスタイルに基づく、「レポートスタイル」223 ページ 図
を参照 )
• 対称度
統計計算では、マルチレベルキャリブレーションメソッドを使用するシーケン
ス内の異なるキャリブレーションレベルは区別されません。これは、たとえ
ば、面積、高さ、アマウントのような濃度に依存するアイテム ([ 拡張統計法用
のアイテムおよびリミット ] ダイアログ ボックスを参照してください ) はすべ
て、キャリブレーションレベルにかかわらずひとまとめにして考えられること
を意味します。このため、[ キャリブ試料分析の統計 ] の値は、シーケンス内
のマルチレベルキャリブレーションメソッドには役立ちません。
サマリ
サマリを選択すると、分析された一連のサンプルの概要、および使用されたメ
ソッドが印刷されます。サマリが他のシーケンスサマリ とともに選択されてい
る場合、シーケンスサマリレポートの別の部分を参照するページ番号が含まれ
ます。次に挙げる 2 つのサマリスタイルが利用可能です。
サンプルサマリは、サンプル名、データファイル名、メソッドおよびバイアル
番号のようなサンプル情報とともに、シーケンス内のサンプル分析実行の詳細
を表にします。
化合物サマリは、キャリブレーションされた化合物またはピークごとの基本定
量結果とともに、メソッド内で指定されたレポートのタイプに基づいてサンプ
ル分析を表にします。
ChemStation の理解
231
10 ChemStation レポートの使用
シーケンスサマリレポート
シーケンス出力
[ シーケンス出力 ] ダイアログボックスでは、シーケンスサマリレポートの印
刷位置を定義することもできます。
[ ファイルへのレポート ] を選択してファイル名を入力すると、指定したファ
イルにレポートが出力されます。デフォルト設定は、データは GLPrprt.txt と
いうファイルに保存されます。デュアル注入機能を持つ GC システムでは、フ
ロントインジェクタとバックインジェクタのデータはそれぞれ、GLPrptF.txt
および GLPrptB.txt というファイルに保存されます。
[ プリンタへのレポート ] を選択すると、システム上のプリンタにレポートが
印刷されます。[ 各装置レポートを印刷 ] を選択すると、各分析後にサンプル
レポートを印刷する機能が有効になります。これらのレポートは、シーケンス
全体の終了時に生成されるシーケンスサマリレポートとして指定したレポート
に加えて印刷されます。これらのレポート用に、[ シーケンス出力 ] ダイアロ
グで新しい出力先を指定したり、個々のメソッド内で指定した出力先を使用す
ることができます。
232
ChemStation の理解
ChemStation の理解
11
システムスータビリティの解析
ノイズ測定 237
標準偏差の 6 倍を使用したノイズ計算 237
ピーク to ピーク の式を使用したノイズ計算
ASTM メソッドによるノイズ計算 239
S/N 計算 241
ドリフトおよびうねり 241
ピーク対称性の計算
238
242
システムスータビリティの式および計算
244
一般定義 245
空隙量 245
リテンションされない化合物のリテンションタイム t (m) [ 分
] 245
パフォーマンステスト定義 246
統計モーメント 246
統計モーメント、歪み、および超過 247
真のピーク幅 Wx [ 分 ] 248
容量ファクタ (USP)、容量比率 (ASTM) k' 248
USP テーリングファクタ (USP) t 248
カラムごとの理論段数 (USP, ASTM) n 249
メートルごとの理論段数 N [1/m] 250
相対リテンション (USP, ASTM)、選択性 Alpha 250
分離度 (USP, ASTM) R 251
再現性に関する定義 252
サンプル平均 M 252
サンプル標準偏差 S 252
相対値標準偏差 RSD[%] (USP)
平均値の標準偏差 SM 253
信頼区間 CI 253
253
Agilent Technologies
233
11 システムスータビリティの解析
シーケンスサマリレポート
回帰分析 254
回帰係数 255
標準偏差 (S) 255
内部保持されている倍精度数へのアクセス
256
本章では、分析機器がサンプル分析に使用される前と分析メソッドが定期的に
使用される前の両方の時点で事前解析を行うために、および分析システムが定
期的な分析に使用される前および分析の実行中にパフォーマンスをチェックす
るために、ChemStation では何ができるかについて説明します。
分析機器がサンプル分析に使用される前と、分析メソッドが定期的に使用され
る前の両方の時点においてパフォーマンスを解析することは、分析を行うため
の優れた習慣です。定期的な分析の前および実行中に、分析システムのパ
フォーマンスをチェックするのも良い考えです。ChemStation ソフトウェアで
は、これらの 3 つの種類のテストを自動的に行うためのツールが提供されてい
ます。機器テストでは、検出器の感度、ピークリテンション / マイグレーショ
ンタイムの精度、およびピーク面積の精度のテストを含めることができます。
メソッドテストでは、リテンション / マイグレーションタイムとアマウントの
精度、選択性、および操作における日々の変化に対するメソッドの堅牢性のテ
ストを含めることができます。システムテストでは、アマウントの精度、2 つ
の特定のピーク間の分解度、およびピークテーリングのテストを含めることが
できます。
ラボでは、次の要件を満たす必要があります。
• GALP 規制
• GMP 規制および cGMP 規制
• GALP 規制
ラボでは、これらのテストの実施、およびその結果の完全な文書化が推奨され
ます。たとえば、ISO9000 認定に従うために、品質管理システムの一部になっ
ているラボでは、機器の適切な機能することを証明する必要があります。
ChemStation では、複数の分析結果を照合し、シーケンスサマリレポートの中
でそれらの結果を統計的に解析します。
テストは、規制当局および独立監査人によって一般的に認められているフォー
マットで文書化されます。統計には次のもの含まれます。
• ピークリテンション / マイグレーションタイム
• ピーク面積
• アマウント
• ピーク高さ
234
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
シーケンスサマリレポート
11
• 半値幅
• ピーク対称度
• ピークテーリング
• 容量ファクタ (k’)
• 理論段数
• ピーク間の分離度
• 先行するピークに関連した選択性
• 歪み
• 超過
平均値、標準偏差、相対標準偏差、および信頼インターバルが計算されます。
標準偏差、相対標準偏差、または信頼インターバルのパラメータにリミットを
設定できます。値がリミットを超える場合は、そのことに注意を促すようにレ
ポートにフラグが付きます。
分析データの質は、測定が行われた時の実際の状態の記録を取ることによりサ
ポートされます。ChemStation のログブックは分析前後に装置条件を記録しま
す。この情報はデータとともに保存され、サンプルデータとともにレポートさ
れます。分析全体を通して機器のパフォーマンスカーブがシグナルとして記録
され、データファイルに保存されます。機器がサポートしている場合は、クロ
マトグラムに重ね書きされたこれらの記録は、たとえば監査の時など、必要に
応じて呼び出すことができます。
ベースラインノイズおよびドリフトは、自動的に計測されます。検出可能な最
低レベルが、メソッド内のキャリブレーションされた化合物ごとにピーク高さ
のデータから計算されます。
最後に、機器コンフィグレーション、機器のシリアル番号、カラム / キャピラ
リ識別番号、および自分のコメントを印刷される各レポートに含めることがで
きます。
拡張パフォーマンスの結果は、リテンション / マイグレーションタイムと化合
物名によって確実に特徴付けることで、メソッド内でキャリブレーションされ
た化合物に対してのみ計算されます。
典型的なシステムパフォーマンステストのレポートには、次のパフォーマンス
結果が含まれます。
• 機器の詳細
• カラム / キャピラリの詳細
• 分析メソッド
ChemStation の理解
235
11 システムスータビリティの解析
シーケンスサマリレポート
• サンプル情報
• 取り込み情報
• シグナル説明およびベースラインノイズ測定
• リテンション / マイグレーションタイムまたは化合物名で名付けられたシグ
ナル
さらに、次に挙げる情報がクロマトグラム内のキャリブレーションされた化合
物ごとに生成されます。
• リテンション / マイグレーションタイム
• kエ
• 対称度
• ピーク幅
• 理論段数
• 分離度
• シグナルノイズ比
• 化合物名
236
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
ノイズ測定
11
ノイズ測定
ノイズは、シグナルの選択された時間範囲で取得されたデータポイント値から
測定されます。ノイズは、次の異なる 3 種類の方法で扱われます。
• ドリフトの直線回帰の標準偏差の 6 倍 (sd)
• ピーク to ピーク ( 修正されたドリフト )
• ASTM メソッド (ASTM E 685-93) による測定
ノイズは、シグナルの最高 7 つの範囲に対して計算できます。範囲は、レポー
トパラメータの中で、システムスータビリティの設定の一部として指定されま
す。
標準偏差の 6 倍を使用したノイズ計算
⋥✢
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ᤨ㑆
図 42
標準偏差の 6 倍を使用したノイズ
直線回帰は、任意の時間範囲内のすべてのデータポイントを使用して計算され
ます (「回帰分析」254 ページ 図 を参照してください )。ノイズは、次の式に
よって取得されます。
N = 6 × Std
変数の意味は次のとおりです。
ChemStation の理解
237
11 システムスータビリティの解析
ノイズ測定
N は、6 倍標準偏差法に基づくノイズです。
Std は、この時間範囲内のすべてのデータポイントの直線回帰の標準偏差です。
ピーク to ピーク の式を使用したノイズ計算
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ࡇ࡯ࠢ
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ᤨ㑆
図 43
最大ピークから最小ピーク ( 距離 ) としてのノイズ
ドリフトは、時間範囲内のすべてのデータポイントを使用して直線回帰を測定
することでまず計算されます (「回帰分析」254 ページ 図 を参照 )。直線回帰
のラインは、ドリフト修正済みシグナルを得るために時間範囲内のすべての
データポイントから差し引かれます。ピーク to ピークによるノイズは、次の
式によって取得されます。
N = Imax - Imin
変数の意味は次のとおりです。
N はピーク to ピークノイズです
Imax は最高 ( 最大 ) 強度のピークです
Imin はこの時間範囲内の最低 ( 最小 ) 強度のピークです。
238
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
ノイズ測定
11
ASTM メソッドによるノイズ計算
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ᦨᄢࡇ࡯ࠢ
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図 44
ᤨ㑆
ASTM メソッドで測定されたノイズ
ASTM ノイズ測定 (ASTM E 685-93) は、ASTM ( 米国材料試験協会 ) によって
定められた、流体クロマトグラフィで使用される可変波長光度検出器をテスト
する標準的技法に基づいています。時間範囲の大きさに基づいて、ノイズは 3
つの異なるタイプに区別されます。ノイズ測定は、定義された時間範囲内の
ピーク to ピーク測定に基づきます。
サイクルタイム、t
長期ノイズ、検出器シグナル (6 ~ 60 サイクル / 時の周波数を持つ ) の全不規
則振動用の最大振幅です。長期ノイズは、選択された時間範囲が 1 時間を超え
る場合に測定されます。各サイクルの時間範囲 (dt) は、選択された時間範囲内
で少なくとも 6 サイクル発生する 10 分に設定されます。
短期ノイズ、検出器シグナル (1 サイクル / 分を超える周波数を持つ ) の全不規
則振動用の最大振幅です。短期ノイズは、10 ~ 60 分の選択された時間範囲で
測定されます。各サイクルの時間範囲 (dt) は、選択された時間範囲内で少なく
とも 10 サイクル発生する 1 分に設定されます。
超短期ノイズ (ASTM E 685-93 の一部ではない )、この用語は、検出器シグナル
(1 サイクル /0.1 分を超える周波数を持つ ) の全不規則振動用の最大振幅を表す
ためのものです。
超短期ノイズは、1 ~ 10 分の選択された時間範囲で測定されます。各サイク
ルの時間範囲 (dt) は、選択された時間範囲内で少なくとも 10 サイクル発生す
る 0.1 分に設定されます。
ChemStation の理解
239
11 システムスータビリティの解析
ノイズ測定
サイクル数 n の測定
この式で、t はサイクルタイム、ttot はノイズが計算される全時間を表します。
各サイクル内のピーク to ピークノイズの計算
ドリフトは、時間範囲内のすべてのデータポイントを使用して直線回帰を測定
することでまず計算されます (「回帰分析」254 ページ 図 を参照 )。直線回帰
のラインは、ドリフト修正済みシグナルを得るために時間範囲内のすべての
データポイントから差し引かれます。ピーク to ピークによるノイズは、次の
式によって取得されます。
この式で、N はピーク to ピークノイズ、Imax および Imin は時間範囲内の最高
( 最大 ) と最低 ( 最小 ) の強度ピークをそれぞれ表します。
ASTM ノイズの計算
この式で、NASTM は ASTM メソッドに基づくノイズを表します。
選択された時間範囲が 1 分に満たない場合は、ASTM ノイズ測定は行われませ
ん。範囲に応じて、選択された時間範囲が 1 分以上の場合は、ノイズは以前に
説明した ASTM メソッドの少なくともサイクルごとに 7 個のポイントがキャリ
ブレーション内で使用されます。自動ノイズ測定内のサイクルは、10 % 重複し
ます。
240
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
ノイズ測定
11
S/N 計算
S/N 計算のためにノイズを計算するには、ドリフトの直線回帰の標準偏差の 6
倍 (sd) が ChemStation では使用されます。システムスータビリティ設定内で
指定されている範囲からピークに最も近い範囲が選択されます。S/N は、次の
式によって取得されます。
S/N は、各シグナル内のピークごとに計算されます ChemStation でノイズ値
が見つからない場合は、S/N は「-」と記録されます。
ドリフトおよびうねり
ドリフトは、直線回帰のスロープとして表されます。図「標準偏差の 6 倍を使
用したノイズ」を参照してください。うねりは、ASTM ノイズサイクル内の中
間データ値の最大振幅ノイズとして測定されます。「ASTM メソッドで測定さ
れたノイズ」を参照してください。
ChemStation の理解
241
11 システムスータビリティの解析
ピーク対称性の計算
ピーク対称性の計算
ChemStation では、ピーク対称度の比率は測定されません。これは通常、ピー
ク高さのピーク半値幅を 10 %、または FDA が推奨する 5% で比較して測定さ
れます。
ピーク対称度は、インテグレータによって次に挙げるモーメント方程式で擬似
モーメントとして計算されます。
変曲点が発見されない場合、または変曲点が 1 個だけ記録された場合は、ピー
ク対称度は次のように計算されます。
242
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
ピーク対称性の計算
11
=
=[
ࡇ࡯ࠢߩ
㐿ᆎ
i&
図 45
=g
V& V'
V(
i'
i(
V)
i)
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⚳ੌ
ࡌ࡯ࠬ࡜ࠗࡦ
ᤨ㑆
ピーク対称度ファクタの計算
変数の意味は次のとおりです。
ai = 区分の面積
ti = 区分の時間
Hf = 表の変曲点の高さ
Hf = 裏の変曲点の高さ
H = 頂点の高さ
ChemStation の理解
243
11 システムスータビリティの解析
システムスータビリティの式および計算
システムスータビリティの式および計算
ChemStation では、さまざまなシステムスータビリティのテストから結果を取
得するのに、次の式が使用されます。結果は、パフォーマンス、パフォーマン
ス + ノイズおよびパフォーマンス + 拡張レポートスタイルを使用して記録され
ます。
所定の定義に ASTM または USP が指定されている場合、定義は対応する出典
での定義に従います。ただし、ここで使用されている記号は、出典で使用され
ているものと異なる可能性があります。
ここで使用される 2 つの出典は以下のとおりです。
• ASTM:Section E 682 – 93, Annual Book of ASTM Standards, Vol.14.01
• USP:The United States Pharmacopeia, XX.Revision, pp.943 - 946
244
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
一般定義
11
一般定義
空隙量
変数の意味は次のとおりです。
d = カラムの直径 [cm]
π = 定数、円の円周対直径の比率
l = カラムの長さ [cm]
f = 固定相では利用されないが、移動相で利用可能なカラム量の割合。f のデ
フォルト値 = 0.68 (Hypersil 用 )
リテンションされない化合物のリテンションタイム t (m) [
分]
( デッドタイムまたは空隙時間とも呼ばれる )
変数の意味は次のとおりです。
F = 流量 of LC [ml/ 分 ]
ChemStation の理解
245
11 システムスータビリティの解析
パフォーマンステスト定義
パフォーマンステスト定義
統計モーメント
変数の意味は次のとおりです。
N
区分面積の数
Ai
i をインデックスに持つ区分面積の値
dt
隣接する区分面積間の時間間隔
t0
最初の区分面積の時間
部分測定用の開始インデックス 1 から終了イン
デックス N の合計
246
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
パフォーマンステスト定義
11
統計モーメント、歪み、および超過
統計モーメントは、非対称ピーク形状を説明する代わりの方法として計算され
ます。ピークモーメントの数は無限にありますが、最初の 5 つを使用してクロ
マトグラフピークに接続します。これらは、0 番目のモーメント、1 番目の
モーメント、… 4 番目のモーメントと呼ばれます。
0 番目のモーメントはピーク面積を表します。
1 番目のモーメントは、平均リテンションタイムまたはピークの重力の中心で
測定されたリテンションタイムです。ピークが対象でない限りは、これはピー
クの最大値で測定されたクロマトグラフのリテンションタイムとは異なりま
す。
2 番目のモーメントは、側面波及の測定であるピークの分散です。これは、機
器システムの別の部分からの分散の合計です。
3 番目のモーメントは、縦の対称度または歪みを説明します。これは、ガウス
標準からのピーク形状の逸脱を測定します。[ パフォーマンス + 拡張 ] レポー
トで追加された歪みは、無次元の形態です。対称ピークには 0 の歪みがありま
す。テーリングピークには正の歪みがあり、1 番目のモーメントはリテンショ
ンタイムより大きくなります。フロントピークには負の歪みがあり、1 番目の
モーメントはリテンションタイムより小さくなります。
4 番目のモーメントまたは超過は、縦軸に沿ったピークの圧縮または伸縮の大
きさで、4 番目のモーメントが 0 であるようなガウス標準とこれとの比較方法
ですこれは、コンスタント面積を維持しながらガウスピークの側を移動または
分離させることで視覚化できます。比較においてピークを圧縮または小さくす
る場合は、超過は負になります。高い場合は、超過は正になります。また、超
過は無次元の形式にある [ パフォーマンス + 拡張 ] レポートで与えられます。
ChemStation の理解
247
11 システムスータビリティの解析
パフォーマンステスト定義
真のピーク幅 Wx [ 分 ]
WB
ベース幅、4 シグマ、変曲点を通るタンジェントをベースラインを交差さ
せることで取得 ( タンジェント法のピーク幅 )。
W4.4
高さの 4.4% 幅 (5 シグマ幅 )
W5.0
高さの 5% 幅 ( テーリングピーク幅 )、USP テーリングファクタに使用
W50.0
高さの 50% 幅 ( 真の半値幅または 2.35 シグマ )
容量ファクタ (USP)、容量比率 (ASTM) k'
変数の意味は次のとおりです。
TR = ピークのリテンションタイム [ 分 ]
T0 = 空隙時間 [ 分 ]
USP テーリングファクタ (USP) t
変数の意味は次のとおりです。
tw = ピークフロントと TR 間の距離 ( 分 )、ピーク高さの 5% で測定
W5.0 = ピーク高さの 5% のピーク幅 [ 分 ]
248
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
パフォーマンステスト定義
11
L *%
=
ࡌ࡯ࠬ࡜ࠗࡦ
*=
IG
ᤨ㑆
il
L *#%
L7
図 46
パフォーマンスパラメータ
カラムごとの理論段数 (USP, ASTM) n
タンジェント法 (USP, ASTM):
変数の意味は次のとおりです。
WB = ベース幅 [ 分 ]
半値幅法 (USP, ASTM):
変数の意味は次のとおりです。
W50 = ピーク高さの半分のピーク幅 [ 分 ]
ChemStation の理解
249
11 システムスータビリティの解析
パフォーマンステスト定義
5 シグマ法 :
変数の意味は次のとおりです。
W4.4 = ピーク高さの 4.4% のピーク幅 [ 分 ]
分散法 :
変数の意味は次のとおりです。
Mx = x 番目の統計モーメント (「統計モーメント」246 ページ 図 も参照してく
ださい )
メートルごとの理論段数 N [1/m]
変数の意味は次のとおりです。
n = 理論段数
l = カラムの長さ [cm]
相対リテンション (USP, ASTM)、選択性 Alpha
( ピーク a および b に関連、ピーク a の TR < ピーク b の TR)
変数の意味は次のとおりです。
k'(x) = ピーク x の容量ファクタ
250
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
パフォーマンステスト定義
11
分離度 (USP, ASTM) R
( ピーク a および b に関連、ピーク a の TR < ピーク b の TR、TR の単位は分 )
タンジェント法 (USP, ASTM):
5 シグマ法 :
半値幅法 ( パフォーマンスレポートで使用される分離度 ):
統計法
変数の意味は次のとおりです。
M1(x) = ピーク x の平均リテンションタイム (1 番目の統計モーメント ) [ 分 ]
WB(x) = ピーク x のベース幅 [ 幅 ]
W4.4(x) = ピーク x の 高さ 4.4% の幅 [ 分 ]
W50(x) = ピーク x の 高さ 50% の幅 [ 分 ]
WS(x) = 統計モーメントから抽出した幅 =(「統計モーメント」246 ページ 図も
参照してください )
ChemStation の理解
251
11 システムスータビリティの解析
再現性に関する定義
再現性に関する定義
再現性の点から見た分析データの統計的レビューのためには、シーケンスは、
無数の起こり得る実験結果から取得した小さなランダムサンプルと見なされま
す。結果全体を吟味するには、無限のサンプル材料と時間が必要になります。
厳密に統計的なデータは、完全な自己完結型のデータセットや母集団にのみ当
てはまります。そのため、選択されたサンプルが全データを表していると仮定
できることが、そのような処理に対する前提条件になります。
サンプル平均 M
N 回の測定から構成されるランダムサンプルの平均値 M は、次に挙げる式に基
づいて、連続カウンタ i をインデックスに持つ、この N のシングル観測値 Xi
の限定されたセットから計算されます。
変数の意味は次のとおりです。
N = 部分測定の回数
Xi = i 個目の部分測定の値
サンプル標準偏差 S
サイズが N であるランダムサンプルがあるとします。大きなデータ母集団から
選択された有限のサンプルに対するサンプル標準偏差 S は、次のように決定さ
れます。
252
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
再現性に関する定義
11
サンプル標準偏差 S は、全体の母集団に対する標準偏差 s とは次の 2 点で異な
ります。
• 実際の平均値の代わりに、サンプル平均値 M が使用される
• N の代わりに N-1 で 割る
相対値標準偏差 RSD[%] (USP)
相対標準偏差は、次のように定義されます。
平均値の標準偏差 SM
M をサンプル平均値、S をサンプル [ または (N-1)] 標準偏差とします。サンプ
ル平均値 M の標準偏差 SM は、次のように決定されます。
これをさらに例を使って説明すると、次のようになります。
ある化合物のリテンションタイムは、1 つのシーケンスの中で計算された平均
値からわずかに外れている可能性があるのに対し、他のシーケンスからのデー
タは、たとえば周囲の温度が変化したり、時間が経つにつれてカラムの材料が
劣化したりすることが原因で、さらに大きく異なる可能性があります。この偏
差を測定するために、サンプル平均値の標準偏差 SM を、上記の式に基づいて
計算できます。
信頼区間 CI
信頼区間を計算すると、平均値を 1 つのサンプルだけではなく、母集団全体に
適用した場合に予想される、平均値の正確さ関する情報が得られます。
全体平均の 100 x (1 -a) % 信頼区間は、次の式から得られます。
ChemStation の理解
253
11 システムスータビリティの解析
再現性に関する定義
変数の意味は次のとおりです。
? のリスク確率での t 分布のパーセントポイント )
シーケンスサマリレポートの拡張統計には、95 % の信頼区間が使用できます
(a = 0,05).
サンプル量が小さい場合は、t 分布 ( または「研究者分布」) を使用する必要が
あります。サンプル量が大きい場合は、t 分布および一般 ( ガウス ) 分布の結
果には違いがありません。このため、サンプルが 30 以上の場合、一般分布が
代わりに使用されます ( 数が大きい場合は t 分布の計算はとても困難になるの
で、近似値を求めるには一般分布が最適です )。
6 個のサンプルに対する 95% 信頼区間 :
1 - a = 0.95
N=6
5 (N-1) 自由度に対して t 分布表から t の正しい値を取得する必要があり、a/2
の場合は 0.025 になります。これにより、次のような CI の計算式が成り立ち
ます。
回帰分析
次のように仮定します。
一次関数 :
係数 :
254
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
再現性に関する定義
11
変数の意味は次のとおりです。
回帰係数
変数の意味は次のとおりです。
標準偏差 (S)
ChemStation の理解
255
11 システムスータビリティの解析
内部保持されている倍精度数へのアクセス
内部保持されている倍精度数へのアクセス
バリデーションの目的で、検量線、相関係数、理論段数などの ChemStation
から得られる結果をマニュアルで再計算する必要がある場合があります。これ
を行うには、ChemStation で使用される数の書式を考慮する必要があります。
ChemStation 内部に保存されているすべての数は、
「C」のデータタイプである
DOUBLE が使用されます。これは、扱う数ごとに、14 桁の有効数字が保存さ
れている計算になります。このデータタイプの実装は、「C」のデータタイプお
よび関連する端数計算ルールに関する IEEE 標準を Microsoft が実装したもの
に従っています (Microsoft の文書 Q42980、Q145889 および Q125056 を参照
してください )。
キャリブレーションテーブルの計算に使用可能なパラメータの数に制限がない
ため、丸め誤差の増殖と蓄積により発生する恐れのあるエラーを正確に計算す
ることは不可能です。一方、異なる検量線の構成で完全なテストを行うと、最
高 10 桁の精度が保証されます。クロマトグラフ分析における面積、高さ、お
よびリテンションタイムの再現性は、通常 3 桁の有効数字で表されるので、計
算においては、10 桁の有効数字があれば十分です。この理由から、キャリブ
レーションおよびその他のテーブルは、最高 10 桁の有効数字を表示します。
バリデーションのために外部 ( マニュアル ) 計算をする必要がある場合、内部
計算に使用されるすべての桁を使用することをお勧めします。表示されたデー
タまたは端数を切り捨てたデータ ( あるいはその両方 ) を外部計算に使用する
と、丸め誤差のため、ChemStation が生成した結果とは異なる恐れがありま
す。
次の段落では、一般的にマニュアル計算で必要とされる、内部に保存されてい
る数字のすべての桁にアクセスする方法を説明します。すべての場合におい
て、一覧表示されたコマンドを実行する前に、適切なレポートスタイルを持つ
データファイルを 1 つ読み込む必要があります。すべてのコマンドは、
ChemStation のビューメニューからコマンドラインに入力できます。ファイル
「C:\CHEM32\TEMP.TXT」の情報は、メモ帳または適切なテキストエディタを
使用して表示できます。
生のピーク情報 :
• リテンションタイム
• 面積
256
ChemStation の理解
システムスータビリティの解析
内部保持されている倍精度数へのアクセス
11
• 高さ
• 幅 ( インテグレータ )
• 対称度
• ピーク開始時間
• ピーク終了時間
コマンドラインに次のように入力します。
DUMPTABLE CHROMREG, INTRESULTS,”C:\CHEM32\1\TEMP\
INTRES.TXT”
処理されたピーク情報 :
• 測定されたリテンションタイム
• 予想リテンションタイム
• 面積
• 高さ
• 幅 ( インテグレータ )
• 対称度
• 半値幅 - ピーク高さの半分 ( パフォーマンスおよび拡張パフォーマンス )
• テーリングファクタ ( パフォーマンスおよび拡張パフォーマンス )
• 選択性 ( パフォーマンスおよび拡張パフォーマンス )
• K` ( 拡張パフォーマンス )
• タンジェント法のピーク幅 ( 拡張パフォーマンス )
• 歪み ( 拡張パフォーマンス )
• 理論段数 - 半値幅 ( パフォーマンスおよび拡張パフォーマンス )
• 理論段数 - タンジェント ( 拡張パフォーマンス )
• 理論段数 - 5 シグマ ( 拡張パフォーマンス )
• 理論段数 - 統計 ( 拡張パフォーマンス )
• 分離度 - 半値幅 ( パフォーマンスおよび拡張パフォーマンス )
• 分離度 - タンジェント ( 拡張パフォーマンス )
• 分解能 - 5 シグマ ( 拡張パフォーマンス )
• 分離度 - 統計 ( 拡張パフォーマンス )
コマンドラインに次のように入力します。
ChemStation の理解
257
11 システムスータビリティの解析
内部保持されている倍精度数へのアクセス
DUMPTABLE CHROMRES, PEAK,”C:\CHEM32\1\TEMP\PEAK.TXT”
処理された化合物情報 :
• 計算されたアマウント
コマンドラインに次のように入力します。
DUMPTABLE CHROMRES, COMPOUND,”C:\CHEM32\1\TEMP\
COMPOUND.TXT”
キャリブレーションテーブル情報 :
• レベル番号
• アマウント
• 面積
• 高さ
コマンドラインに次のように入力します。
DUMPTABLE _DAMETHOD, CALPOINT,”C:\CHEM32\1\TEMP\CALIB.TXT”
直線回帰情報 :
• Y インターセプト (CurveParm1)
• スロープ (CurveParm2)
• 相関係数
コマンドラインに次のように入力します。
DUMPTABLE _DAMETHOD, PEAK,”C:\CHEM32\1\TEMP\REGRESS.TXT”
258
ChemStation の理解
ChemStation の理解
12
システムベリフィケーション
ベリフィケーションおよび診断ビュー
システムベリフィケーション 260
GLP セーブレジスタ
260
263
DAD テスト機能 265
DAD テストレビュー機能
265
本章では、ベリフィケーション機能および ChemStation の GLP ベリフィケー
ションの特徴について説明します。
Agilent Technologies
259
12 システムベリフィケーション
ベリフィケーションおよび診断ビュー
ベリフィケーションおよび診断ビュー
たとえば、LC 用 Agilent 1100/1200 シリーズモジュールなどの設定した機器で
サポートされている場合は、ChemStation は機器のベリフィケーションおよび
診断タスクを実行するビューを、追加で 2 つ用意しています。詳細について
は、オンラインヘルプシステムを参照してください。
システムベリフィケーション
システムベリフィケーションは、規制されたラボにおいて分析装置を定期的に
使用する場合に、重要な要素となります。ChemStation の GLP ベリフィケー
ション機能は、ソフトウェアまたはソフトウェアの関連コンポーネントが正し
く機能しているか、または特定の分析時に正しく機能していたかを容易に証明
できるように設計されています。
ChemStation のベリフィケーション機能によって、ChemStation ソフトウェア
が正しく動作しているかが検証ができます。これは、特定のメソッドに従って
データファイルを再解析して、その結果と定義済の基準との比較を実行しま
す。ベリフィケーション機能は、積分と定量の結果の完全性を保証するのに、
特に重要です。
分析メソッドが使用するアルゴリズムソフトウェアの組み合わせをチェックす
るのに、標準ベリフィケーションテストを使用するか、別のメソッドとデータ
ファイルを使用して独自のテストを定義できます。ベリフィケーションテスト
は保護されたファイルなので、変更や削除はできません。
[ データ解析 ] ビュー内のベリフィケーションアイテムでは、次に挙げるオプ
ションから任意のものを選択できます。
• データベース内でベリフィケーションテストを実行
• 新しいベリフィケーションテストを定義し、データベースに追加
• データベースからベリフィケーションテストを削除
オンラインヘルプシステムの「方法」の部分に、以上のタスクを実行する方法
が説明してあります。ChemStation ベリフィケーションテストを実行するに
は、テスト全体の実行か部分を組み合わせて実行するかを選べます。
260
ChemStation の理解
システムベリフィケーション
ベリフィケーションおよび診断ビュー
12
ベリフィケーションテストの結果はバイナリフォーマットで、デフォルトのサ
ブディレクトリ c:\CHEM32\1\Verify にメソッドおよびデータファイルと一緒
に保存されます。ベリフィケーション用のサブディレクトリは、シーケンス、
メソッド、およびデータのサブディレクトリと同じレベルにあります。結果
は、プリンタまたはファイルに出力することができます。組み合わせられたベ
リフィケーションテストを含むテスト結果は、合格または不合格の判定が行わ
れます。
次に挙げるベリフィケーションテストコンポーネントが使用できます。
デジタルエレクトロニクス (Agilent 1100/1200 シリーズ DAD のみ )
テストクロマトグラムがダイオードアレイ検出器の中に保存されます。このク
ロマトグラムは、フォトダイオードアレイからの一般生データと同じ事前解析
ステップを経た後、ChemStation に送られます。結果データは、このテストク
ロマトグラムのために ChemStation 内部に保存された元の結果データと比較
されます。一致しない箇所があると、テストが失敗します。このテストによ
り、データ処理を行う DAD エレクトロニクスも正しく機能していることが保
証されます。保存されたテストクロマトグラムが使用されるので、ランプまた
はダイオードアレイは、このテストに含まれません。それらは、「DAD テスト
機能」265 ページ 図 を使用してチェックできます。
ピーク積分
データファイルは、オリジナルメソッドを使用して再度積分されます。その結
果は、ベリフィケーションレジスタに保存されている元の積分結果と比較され
ます。一致しないと、テストが失敗します。
化合物定量
データファイル内の化合物は再度定量されます。その結果は、ベリフィケー
ションレジスタに保存されている元の定量結果と比較されます。一致しない
と、テストが失敗します。
レポート印刷
元のレポートが再度印刷されます。
次のページは、正常に完了したベリフィケーションテストの例です。
ChemStation の理解
261
12 システムベリフィケーション
ベリフィケーションおよび診断ビュー
262
ChemStation の理解
システムベリフィケーション
GLP セーブレジスタ
12
GLP セーブレジスタ
GLP セーブレジスタは、ランタイムチェックリストの中で選択された場合、各
分析の最後に保存されます。レジスタには、以下の情報が含まれています。
• シグナル
• ログブック
• 積分結果テーブル
• 定量結果テーブル
• 機器パフォーマンスデータ
• データ解析メソッド
このレジスタは、分析時に生成される、完全に保護されたレコードです。将
来、好きな時に、分析メソッドの証拠として呼び出すことができます。
[ データ解析 ] ビューの [GLP セーブレジスタ ] オプションからは、いつでも
GLP セーブレジスタファイルをレビューすることができます。ファイルは
チェックサムで保護され、バイナリにエンコードされるので、確実に変更でき
ないようになります。
GLP セーブレジスタをレビューに選択するのに使用するダイアログ ボックス
で、レビューオプションを次のうちから選択できます。
• オリジナルメソッドの読み込み
• オリジナルシグナルの読み込み
• 機器パフォーマンスデータの読み込み
• オリジナルメソッドの印刷
• オリジナル積分結果の印刷
• オリジナル定量結果の印刷
• オリジナルのメソッドとシグナルから、オリジナルのレポートを生成
GLP レビューファンクションを使用して、オリジナルのクロマトグラフデータ
を表示でき、機器パフォーマンスデータからの解析の質を保証でき、データ解
釈の信頼性を立証できます。
たとえば、次のことができます。
ChemStation の理解
263
12 システムベリフィケーション
GLP セーブレジスタ
• サンプル解析時に使用するメソッドのデータ解析部分を再読み込みして再印
刷し、解決の結果として表示されたデータ解析がいかなる方法でも変更され
ていないことを保証します。
• 再計算せずに、積分と定量の結果をレビューして、レポートの信頼性を保証
します。
264
ChemStation の理解
システムベリフィケーション
DAD テスト機能
12
DAD テスト機能
検出器テストは、規制されたラボにおける分析装置の定期的なシステムバリ
デーションにおける一手順として使用できます。
DAD テストは、ご使用のダイオードアレイ検出器のパフォーマンスを評価し
ます。[ 機器 ] メニューから DAD テストを選択すると (LC3D および CE のみ
可能 )、機器の強度および波長キャリブレーションがチェックされます。[ 保存
] を押すと、デフォルトの機器ディレクトリにある DADTest データベース、つ
まり DADTest.Reg と呼ばれるレジスタファイルにテスト結果が自動的に保存
されます。
DAD テストレビュー機能
[ データ解析 ] ビューメニューの [DAD テストレビュー ] 機能により、いつで
も DADTest.Reg ファイルをレビューすることができます。ファイルはチェッ
クサムで保護され、バイナリにエンコードされるので、確実に変更できないよ
うになります。
レビューには、次の DAD テストの好きな部分を選択できます。
ホルミウムスペ
クトルの表示
DAD テストレビューテーブルに一覧表示されているすべてのホルミウムスペ
クトルをプロットします。アクティブなスペクトルにはタグが付けられます。
強度スペクトル
の表示
DAD テストレビューテーブルに一覧表示されているすべての強度スペクトル
をプロットします。アクティブなスペクトルにはタグが付けられます。
新しいデータ
ベースとして保
存
DAD の中でランプを交換する場合、テーブルから不必要なテスト結果を削除
し、[ 新しいデータベースとして保存 ] 機能を使用して、DADTest をリセット
できます。
選択されたスペ
クトルの表示
テーブル内で選択したスペクトルのみ表示します。
強度グラフの表
示
強度グラフをプロットし、ダイオードアレイ検出器内のランプの寿命を表示す
ることができます。このグラフは、時間に対するランプの最大強度の機能を提
供します。
ChemStation の理解
265
索引
索引
A
ASTM ノイズ測定
化合物
142
曲線近似
151
設定
126
239
C
ク
ChemStation
カスタマイズ
CI 253
クォリファイア
27
120
120
T
t 分布
254
U
USP テーリングファクタ
248
ア
アナログシグナル
アマウントリミット
60
カ
カスタマイズ
レポート
25
キ
キャリブレーション
サンプル
142
ポイント
142
マルチレベル
148
レベル
142
266
136
コ
E
ESTD
計算
手順
システムスータビリティ
含まれる統計
234
システムスータビリティ式
USPテーリングファクタ
ピーク幅
248
段数
249
ショルダー
87
ショルダー検出
104
148
248
コントロールチャートレポー
ト
26
コンフィグレーション
15
ス
サ
ソ
サンプル
キャリブレーション
未知
146
ソフトウェアの概要
オペレーティングシステ
ム
15
システムコンフィグレーショ
ン
15
メソッドとシーケンス
15
142
シ
シーケンス
作成
172
詳細
164
編集
172
保存
172
シグナル
アナログ
60
デジタル
60
詳細
44
システムスータビリティ
リミット
235
システムスータビリティレポー
ト
24
拡張性能
25
性能とノイズスタイル
24
性能レポート
24
スロープ感度
104
タ
タイムウィンドウ
リテンション / マイグレー
ション
132
タンジェントスキム
94
チ
70
チェックマーク
デ
ディレクトリ
メソッド
構造
35
データ解析
51
ChemStation の理解
索引
24
特殊レポート作成
データ取り込み
詳細
60
リテンションタイムウィンド
ウ
133
レスポンス
136
対称性
242
ピーク定量
定量
114
ピーク認識
フィルタ
81
ピーク幅
104
タンジェント
248
高さ x% の
248
ピーク面積
101
テ
248
テーリングファクタ
デ
60
デジタルシグナル
ネ
75
ネガティブ ピーク
フ
ノ
239
ノイズ測定
バ
バッチテーブル
コンフィグレーション
レポート
215
削除したサンプルタイ
プ
211
バッチレポート
出力形式
215
211
ファイル
メソッド
51
ファイル形式
バッチレポート
215
結果レポート
227
フィルタ
ピーク認識
81
ブ
ブラケット
周期的キャリブレーショ
ン
195
パ
パフォーマンス
テスト定義
バ
バンチ化
プレファレンス
35
ベ
82
ピ
ピーク
クォリファイア
136
ピークの頂点
86
ピーク
ピーク対称性
242
ChemStation の理解
ベースラインの設定
89
ベースラインの落ち込み
91
ベースライン割り当て
75, 89
マ
マニュアル積分
マルチレベル
メ
メソッド
ディレクトリ
メソッドファイル
機器パラメータ
メソッド
詳細
42
操作
52
編集
49
51
51
リ
リキャリブレーション
詳細
158
理由
158
リテンションタイムウィンド
ウ
133
リテンションタイム
絶対
132
リファレンスウィンドウ
133
リファレンスピーク
複数
136
レ
プ
246
キャリブレーション
148
マルチレベルキャリブレーショ
ン
148
109
レスポンス
検出器
147
比
136
レポート
カスタマイズ
25
コントロールチャート
シーケンスサマリ
25
システムスータビリティ
スタイル
223
ファイル形式
227
26
24
267
索引
イ
医薬品安全性試験実施基準
29
化
化合物
142
開
開始時間
73
外
外部標準
120
割り当てられないピーク
希
121
機
機器コントロール
ネットワーク
曲
曲線
近似
151
近
近似
曲線
周
検出器レスポンス
147
検量
線
144
検量線
キャリブレーションポイント
の重み付け
151
シングルレベル
147
マルチレベル
148
強制ゼロ ( 原点 ) 通過
151
近似
151
詳細
144, 144
周期的キャリブレーション
ブラケット
195
原
割
希釈率
検
151
計
計算
ESTD 120
補正 % 122
32
99
原点
含める
強制
処理
接続
無視
151
151
151
151
151
終
重
重み
2 次曲線
151
キャリブレーションポイン
ト
151
均等
151
直線
151
初
初期ピーク幅
104
初期ベースライン
73, 74
乗
高
乗数
高さリジェクト
104, 105
信頼区間
残差
相対
144
標準偏差
145
精
自
161
式
式
パフォーマンステスト定
義
246
120
信
残
自動化
73
終了時間
精度
分析
253
158
積
積分イベント
73, 104
積分
チェックマーク
70
積分のチューニング
106
絶
絶対
268
ChemStation の理解
索引
リテンションタイム
132
未
未知サンプル
線
面
線
144
検量
104
面積リジェクト
セ
段数
146
溶
249
溶媒ピーク
102
頂
頂点
73
定
定量
ESTD 手順
120
詳細
114
微
微分係数
81
標
標準
外部
120
複
複数
リファレンスピーク
136
分
分析
精度
158
補
補正 %
レポート
122
計算
122
ChemStation の理解
269
www.agilent.com
本書では
このハンドブックでは、Agilent ChemStation
の様々な概念を説明します。ChemStation がど
のように動作するかの理解を高めることを目的
としています。
ChemStation の使用に関する情報は、一般的な
ヘルプシステムやオンラインヘルプ「チュート
リアル」を参照してください。
©
Agilent Technologies 2004, 2005-2008
Printed in Germany
07/08
*G2070-96125*
*G2070-96125*
G2070-96125
Agilent Technologies

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