回路ノート CN-0285

回路ノート CN-0285
日本語参考資料
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回路ノート
CN-0285
接続/参考にしたデバイス
Circuits from the Lab™ 実用回路は今日のアナロ
グ・ミックスド・シグナル、RF回路の設計上の課題の
解決に役立つ迅速で容易なシステム統合を行うために
作製、テストされました。 詳しい情報と支援はwww.a
nalog.com/jp/CN0285をご覧ください
ADF4351
VCO内蔵、フラクショナル-N PLL IC
ADL5375
広帯域送信変調器
ADP150
低ノイズ、3.3V LDO
ADP3334
低ノイズ、 可変出力LDO
高帯域、低エラーベクトル振幅(EVM)、ダイレクト・コンバージョン送信器
評価と設計支援
回路の機能とその利点
回路評価基板
CN-0285 評価用ボード (EVAL-CN0285-EB1Z)
設計と統合ファイル
回路図、レイアウト・ファイル 、部品表
この回路は高帯域ダイレクト・コンバージョン送信器(入
力:アナログ・ベースバンド、出力: RF)のアナログ部分の
完全な構成です。500 MHz ~ 4.4 GHzのRF周波数は高帯域の
内蔵電圧制御発信器(VCO)とフェーズ・ロック・ループ(PL
L)を使用してサポートされています。PLLからの局部発信器
(LO)の高周波フィルタ処理により、優れた直交精度、側波帯
抑圧と低EVMが保証されています。
ADP150
5.5V
ADP3334
5.5V
1µF
1µF
1µF
1µF
3.3V
5.0V
VVCO
VDD
16
17
VVCO
28
10
DVDD AVDD
I/Q SMA INPUTS
26
4
6
32
CE PDB RF VP SDV DD
VPS1, VPS2
ADL5375
IBBP
1nF 1nF
FREF IN
29 REF IN
51Ω
RFOUTB+ 14
VVCO
IBBN
RFOUTB– 15
1 CLK
2 DATA
ZBIAS
ZBIAS
LOIP
RFOUTA+ 12
ADF4351
22 RSET
LOIN
RFOUTA– 13
4.7kΩ
QUADRATURE
PHASE
SPLITTER
RFOUT
VTUNE 20
1kΩ
CPOUT
QBBP
7
47nF
2.7nF
SW 5
CPGND SDGND AGND AGNDVCO
8
31
9
11 18
21
QBBN
680pF
360Ω
DGND
27
I/Q SMA INPUTS
10921-001
SPI-COMPATIBLE SERIAL BUS
3 LE
図1. ダイレクト・コンバージョンの送信器(簡略化された回路図:接続及びデカプリングの全ては示されていません。)
Rev. 0
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Circuit Note
10921-002
CN-0285
図2. CN-0285ダイレクト・コンバージョン送信器の評価用ボード
低ノイズ、低ドロップアウトのレギュレータ(LDOs)を使用して
いるので、パワーマネージメント回路は位相ノイズとEVMに悪
影響を及ぼしません。このデバイスの組み合わせにより500 MH
z ~ 4.4 GHzの周波数範囲にわたって業界最先端のダイレク
ト・コンバージョン送信器の性能を表します。
回路の説明
図1.に示す回路では全機能内蔵のフラクショナル-N PLL IC AD
F4351と高帯域送信変調器ADL5375を使用します。ADF4351は送
信直交変調器ADL5375にLO信号を供給し、このLO信号はアナロ
グI/QをRFにアップコンバートします。2つのデバイスは各々の
長所が組み合わさり、高帯域、ベースバンドIQ to RF送信回路
を提供します。LO位相ノイズ性能を最適にするために、ADF435
1 の電源は超低ノイズ3.3 V レギュレータADP150で分けて駆動
されます。ADL5375 は5V LDO ADP3334で分けて駆動されます。
LDO ADP150の出力電圧ノイズはわずか9 µV rmsなので、VCOの
位相ノイズを最適化し、VCO pushingの影響(電源除去と同等)
を低減するのに役立っています。
ADL5375の直交発信器回路の誤差を最小にするために、ADF4351
RF出力には高調波レベルを減衰するためのフィルタ処理が必要
です。測定とシミュレーションの結果より、直交誤差には偶数
次高調波より奇数次高調波の方が影響しますが、もし−30 dBc
以下に減衰すれば、サイドバンド除去比特性は−40 dBc以上に
なります。ADF4351の2次高調波(2H)と3次高調波(3H)のレベル
はデータシートに記載されており、Table 1に示します。
−30 dBc以下の3次高調波を得るには約20dBの減衰が必要です。
Table 1. ADF4351 RF出力高周波レベル(フィルタ無し)
Value (dB
Harmonic Content
c)
Description
Second
−19
Fundamental VCO output
Third
−13
Fundamental VCO output
Second
−20
Divided VCO output
Third
−10
Divided VCO output
この回路は4つの異なる帯域をカバーするために、4種類のフィ
ルタ・オプションを提供します。フィルタは100 Ωの差動入力
(ADF4351 RF出力と適切なマッチングがとれている)と50 Ωの
差動出力(ADL5375の LOIN差動インピーダンス)で設計されま
した。通過帯域リップルが増えますが最適なフィルタのロール
オフを得るためにチェビシェフ応答を採用しました。
フィルタ回路を図 3に示します。この回路構成は部品点数を最
小限にする完全差動フィルタ、各出力に接続するシングル・エ
ンド・フィルタ又はそれら2つの組み合わせ回路のいずれでも
使用できます。高い周波数(>2 GHz) には2つのシングル・エン
ド・フィルタが最高性能を得られると判断しました。なぜなら
直列インダクタの値は完全差動フィルタに比べ2倍の値になり、
部品の寄生容量の影響が減少するからです。低い周波数(<2 G
Hz)には、完全差動フィルタで十分な結果が得られます。
表 2. ADF4351 RF出力フィルタの部品の値(DNI = Do Not Insert)
周波数範囲 (MHz)
ZBIAS
L1
(nH)
L2
(nH)
C1a
(pF)
C1c
(pF)
C2a
(pF)
C2c
(pF)
C3a
(pF)
C3c
(pF)
500 to 1300 (Filter Type A)
27 nH||50 Ω
3.9
3.9
DNI
4.7
DNI
5.6
DNI
3.3
850 to 2450 (Filter Type B)
19 nH||(100 Ω in Position C1c)
2.7
2.7
3.3
100 Ω
4.7
DNI
3.3
DNI
1250 to 2800 (Filter Type C)
50 Ω
0 Ω
3.6
DNI
DNI
2.2
DNI
1.5
DNI
2800 to 4400 (Filter Type D)
3.9 nH
0 Ω
0 Ω
DNI
DNI
DNI
DNI
DNI
DNI
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Circuit Note
CN-0285
Q
ADF4351の出力マッチング回路はZBIAS ブルアップと、多少の
電源ノードのデカップリング・コンデンサで構成されます。
高帯域のマッチングを得るために、抵抗性負荷(ZBIAS = 50 Ω)
を使用するか、あるいはZBIASとしてリアクタンス性負荷と抵
抗の並列回路を推奨します。後者は選択したインダクタの値
によって、わずかに高い出力電力が得られます。基板面積を
最小にするために、位置C1cに差動部品として並列の抵抗(す
なわち100 Ω)を配置できる事に注意してください(表 2のフ
ィルタ・タイプBをご覧ください)。
MAGNITUDE ERROR
(I/Q ERROR PHASE)
ERROR
VECTOR
MEASURED
SIGNAL
PHASE ERROR
(I/Q ERROR PHASE)
0
I
図 5. EVM 図
図 4にフィルタ・タイプB(800 MHz ~ 2400 MHz)を使った
回路のサイドバン除去比 対 周波数のグラフを示します。こ
のグラフのテスト条件を次に示します:
3.3V
120pF
120pF
0.1µF

C1a
C2a
L1
RFOUTA+ 12
ZBIAS
C1c
C2c
L1
RFOUTA– 13
C1a
ADF4351
C3a
EVMはデジタル送信器あるいはデジタル受信器の性能の品質の
レベルで、振幅の誤差と位相の誤差(図 5を参照)で表した
理論位置から実際のコンステレイン・ポイントの偏差です。
4 LOIN
EVMの測定値を表 3に示しますが、フィルタ有りとフィルタ無
しの場合の結果を比較しています。この場合、ベースバンドI
/Q信号を差動I/Qアナログ出力のあるRohde & Schwarz 社のAM
IQ I/Q変調信号発生器を使用し、3GPPテストモード4で生成し
ました。フィルタ・タイプBも使用しました。図 6にEVMのテ
スト・セットアップの機能ブロック図を示します。比較する
目的でADF4350も測定します。 表 3に示すように、ADF4351は
帯域内PLLノイズが改善されているのでEVMがより低くなって
いるのがわかります。EVMの改善に寄与している他の要素はAD
F4351の位相周波数検出器(PFD)のスプリアス・レベルが低い
事です。
C3c
1nF
C3a
ADL5375
図 3. ADF4351 RF出力フィルタ回路
表 2からわかるように、1250 MHzより低い周波数では5次フィ
ルタが必要です。1.25 GHz ~2.8 GHzの周波数には3次のフィ
ルタ処理で十分です。2.8 GHz以上の高い周波数では高調波レ
ベルが十分低く、サイドバンド除去比仕様を満たすのでフィ
ルタ処理は必要ではありません。
–20
5dBm
FILTER B: 850MHz TO 2450MHz
–25
SIDEBAND SUPPRESSION (dBc)
ベースバンドI/Qの振幅=500mV(ADL5375-05)DCバイアス
と直交する1 V p-p差動サイン波
ベースバンド I/Qの周波数(fBB) = 1 MHz
LOIP
3
L2
C2a

1nF
L2
10921-003
ZBIAS
–30
–35
–40
–45
–50
–55
–60
1000
1200
1400
1600
1800
2000
CARRIER FREQUENCY (MHz)
2200
2400
10921-004
–65
–70
800
IDEAL SIGNAL
(REFERENCE)
10921-005
対象周波数の中の最も高い周波数の約1.2倍~1.5倍のカット
オフ周波数でフィルタを設計してください。このカットオフ
周波数であれば設計に余裕が出来ますが、一般的にカットオ
フは寄生容量により設計された数字よりも低くなってしまい
ます。精度を向上するためにプリント回路基板(PCB)の寄生
容量の影響を電磁(EM)シミュレーション・ツールでシミュレ
ーションする事ができます。
図 4. フィルタ・タイプBのサイドバンド除去比、850 MHz ~ 24
50 MHz
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CN-0285
Circuit Note
表 3. ADF4351のRF出力にフィルタを接続した場合と接続しない場合を比較したシングル-キャリアW-CDMAコンポジットのEVM結果(3
GPP仕様テストモード4に基づいて測定)
Frequency (MHz)
ADF4350 Composite
EVM No LO Filtering
ADF4350 Composite
EVM with LO Filtering, Filter B
ADF4351 Composite
EVM with LO Filtering, Filter B
2140
3.27%
1.31%
1.02%
1800
1.46%
1.13%
0.95%
900
10.01%
1.03%
0.96%
バリエーション回路
1つのフィルタで可能な範囲を超える高帯域動作が要求
されるアプリケーションでは、ADF4351の補助出力を使
用して2つのフィルタ・タイプを切り替える事ができま
す(図 8を参照)。フィルタ1又はフィルタ2の差動出力
を選択するためにRF2極、4投スイッチ(DP4T)を使用しま
す。
R&S AMIQ GEN.
I–
I+
SPECTRUM ANALYZER
[R&S FSQ 8]
Q–
Q+
CN-0285
EVALUATION
BOARD
RF OUT
1nF
3 LOIP
RFOUTA+ 12
5.5V
FILTER 1
1nF
RFOUTA– 13
4 LOIN
DP4T
SWITCH
10921-006
RFOUTB+ 14
FILTER 2
RFOUTB– 15
ADF4351
図 6. EVM測定のセットアップ(簡略化した回路)
ADL5375
10921-008
POWER SUPPLY
図 8. ADF4351のメイン出力と補助出力を使いフィルタで切り替え
る方法を示すアプリケーション図
ADL5375の LO入力を差動に駆動する事は、サイドバンド除去と
EVMの改善に加え、性能上の利点があります。この利点によっ
てシングル・エンドのLO駆動に比べ変調出力IP2の性能は2 dB
~ 5 dB改善します。ほとんどの外付けVCOはシングル・エンド
のみで出力するので、この場合外付けVCOすべてについてADF43
51の差動出力を使用するメリットがあります。
回路の評価とテスト
図7は850 MHz ~ 2450 MHz フィルタ (フィルタ・タイプ B)
EVAL-CN0285-EB1Z評価用ボードにはCN-0285に記述されている
回路を含んでおり、回路のセットアップと性能評価を迅速に行
えます。EVAL-CN0285-EB1Zのコントロール・ソフトウェアには
評価ボードに付いているCDに入っている標準のADF4351プログ
ラミング・ソフトウェアを使用します。
を使用したサイドバンド除去比の結果を示します。
必要な装置
SIDEBAND SUPPRESSION (dBc)
–20
下記の装置が必要です:
–30

–40





–50
–60
–4dBm
–1dBm
+2dBm
+5dBm
–70
さらに詳しい情報についてはUG-521 User Guide、 ADF4351デ
ータシート、ADL5375データシートをご覧ください。
1000
1200
1400
1600
1800
2000
CARRIER FREQUENCY (MHz)
2200
2400
10921-007
–80
–90
800
Windows® XP,Windows Vista®(32ビット)又は Windows® 7
で動作しUSBポートを有する標準PC
The EVAL-CN0285-EB1Z 回路評価用ボード
ADF435xのプログラミング・ソフトウェア
電源電圧: 5.5 V
I-Q信号源:Rohde & Schwarz 社AMIQなど
スペクトラム・アナライザ :Rohde & Schwarz社 FSQ8な
ど
図 7. 850 MHz ~ 2450 MHz フィルタ・タイプ B を使用したサイ
ドバンド除去比の結果
この回路ノートのための完全な設計支援パッケージはhttp://w
ww.analog.com/CN0285-DesignSupportに載っております。
Rev. 0 | Page 4 of 5
CN-0285
Circuit Note
始めてみよう
ソフトウェアのインストールとテスト・セットアップはUG-521
User Guideを参照してください。ユーザーガイドにはブロック
図、アプリケーション回路、部品表とさらにレイアウトとアセ
ンブリの情報も含まれています。追加の情報についてはADF435
1データシートとADL5375 データシートをご覧ください。
データシートと評価用ボード
機能ブロック図
ADP3334 データシート
この資料の図1.と図 6そしてユーザーガイドUG-521もご覧くだ
さい。
セットアップとテスト
ADF4351 データシート/評価用ボード
ADL5375 データシート/評価用ボード
ADP150 データシート
改訂履歴
2/13—Revision 0:初版
装置をセットアップした後、標準のRFテスト方法を使用して回
路のサイドバンド除去比を測定してください。
さらに詳しくは
CN0285 Design Support Package:http://www.analog.com/CN02
85-DesignSupport
ADIsimPLL Design Tool
ADIsimPower Design Tool
ADIsimRF Design Tool
AN-0996 Application Note.The Advantages of Using a Quadr
ature Digital Upconverter (QDUC) in Point-to-Point Mi
crowave Transmit Systems.Analog Devices.
AN-1039 Application Note. Correcting Imperfections in IQ
Modulators to Improve RF Signal Fidelity. Analog Devi
ces.
「Circuits from the Lab/実用回路集」はアナログ・デバイセズ社製品専用に作られており、アナログ・デバイセズ社またはそのライセンスの供与者の知的所有物です。お
客さまは製品設計で「Circuits from the Lab/実用回路集 」を使用することはできますが、その回路例を利用もしくは適用したことにより、特許権またはその他の知的所
有権のもとでの暗示的許可、またはその他の方法でのライセンスを許諾するものではありません。アナログ・デバイセズ社の提供する情報は正確でかつ信頼できるものであ
ることを期しています。しかし、「Circuits from the Lab/実用回路集 」は現状のまま、かつ商品性、非侵害性、特定目的との適合性の暗示的保証を含むがこれに限定さ
れないいかなる種類の明示的、暗示的、法的な保証なしで供給されるものであり、アナログ・デバイセズ社はその利用に関して、あるいは利用によって生じる第三者の特許
権もしくはその他の権利の侵害に関して一切の責任を負いません。アナログ・デバイセズ社はいつでも予告なく「Circuits from the Lab/実用回路集 」を変更する権利を
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CN10921-0-1/13(0)
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