(平成18年11月)【PDF:3.65MB】

(平成18年11月)【PDF:3.65MB】
生活
第
3号
安全
ジ ャー ナル
■特集
燃焼器具の事故を検証する
2006.11
●表紙について●
紙片はマドリッド国立図書館に残されている「マドリッド手稿」と呼ばれるもの
で多くの分野に天才的な才能を発揮したレオナルド・ダ・ヴィンチが残した手書
きのメモです。その図譜と物づくりや図面作成に欠かす事のできないコンパスと
を並べ、より良い製品づくりへの強い意志を表現しています。
生活安全ジャーナル
C
O
N
T
E
N
T
S
特集 燃焼器具の事故を検証する
NITE事故情報データベースに見る事故の検証 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3
天ぷらなべ火災と人間の行動・心理 京都市消防局 森 雅彦 ‥‥‥‥‥‥‥16
点検整備・修理を通じて安全と満足を提供する仕組み作り
北海道石油燃焼機器整備業組合 高畑 政敏 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥21
石油燃焼機器の安全確保について
(財)日本燃焼機器検査協会 西舘 信一 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥29
家庭用ガス警報器の普及実態と進む安全対策
ガス警報器工業会 松原 義幸
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥35
NITE安全の視点
平成17年度事故情報収集結果による事故動向
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40
事故情報収集制度における事故情報の調査結果及び
収集状況について(平成18年度第1四半期) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50
事故動向等について(平成18年度第1四半期) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥55
社告情報
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥59
事故情報収集制度対象外製品による事故 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥63
NITE人間特性データベースと安全・安心なものづくり ‥‥‥‥‥‥‥‥‥68
製品安全と製品安全4法による立入検査 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥77
安全研究だより 安心安全社会を構想した明治の先覚者達
(国)長岡技術科学大学専門職大学院 三上 喜貴 ‥‥‥‥‥‥‥‥81
生活者の視点
なぜ つづく製品事故 (財)関西消費者協会 林 郁 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥87
PL研究
PL実務と製品安全∼製品の安全性を確保する社会システムの構築に向けて∼
弁護士 山本 雄大 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥92
コラム
数字で見る事故情報「358」 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥80
取説考「取扱説明書の分かりやすさとは」 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥91
製品安全カレンダー ‥‥‥‥‥96
事故情報収集制度とNITE
‥‥‥98
事故通報書 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥99
編集後記 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
特集
燃焼器具の事故を
検証する
独立行政法人製品評価基盤技術機構(「NITE」という)が収集、調
査している製品事故のうち、燃焼器具の占める割合は高く、例年3割を
超える。年間を通して多くの事故が通知されるガスこんろに加え、これか
ら冬場にかけて石油ストーブや石油ファンヒーターなど暖房器具の事故
情報が増えてくる。事故が多発する季節を前に燃焼器具の事故について
検証したい。
今号の特集では、NITEの事故情報データベースをもとに燃焼器具
による事故の検証をはじめ、京都市消防局による「天ぷらなべ火災と人
間の行動・心理」、北海道石油燃焼機器整備業組合による「点検整備・
修理を通じて安全と満足を提供する仕組み作り」、また、燃焼機器の検
査・認証機関である日本燃焼機器検査協会からは「石油燃焼機器の安
全確保について」、ガス警報器工業会の「家庭用ガス警報器の普及実態
と進む安全対策」もご紹介する。
特集 燃焼器具の事故を検証する
NITE事故情報データベースに見る
事故の検証
生活安全ジャーナル編集事務局
今年もそろそろ、暖房器具を使用する季節
④燃焼器具の事故原因区分はE区分(専ら誤
が到来する。毎年、繰り返されることだが、
使用や不注意な使い方によると考えられるも
暖房器具の事故の傾向はいくつかの特徴があ
の)の占める割合が高い。
る。NITEが平成14年度事故動向解析編
で、燃焼器具として分析を行ったものをホー
平成15年度から17年度における月別の事故
ムページ(http://www.jiko.nite.go.jp/
情報収集件数を図1に示す。例年、4月から
index9.html)で公表しているので、確認をい
10月にかけては横ばい状態である事故情報収
ただければと思う。その特徴的な傾向を以下
集件数が、11月から増え始め、1、2月に
に示す。
ピークを迎える。とくに平成17年度は、11月
①燃焼器具の事故件数は11月から増えはじ
からの急激な増加を見ることができる。これ
め、1月がピークになりその後8月まで徐々
は、新聞等からの収集件数が前年度と比べ5
に減少する。冬季に事故が増える要因は石油
割以上も増加しており、新聞に掲載された燃
ストーブ等の暖房器具の事故が増加するため
焼器具による事故が件数を押し上げたもので
と考えられる。
ある(平成17年度事故情報収集結果による事
②被害者の年齢が30歳代以上の事故をみる
故動向については41ページで詳細に解析を
と、製品事故全体に占める燃焼器具の割合が
行っている)。
高くなる。
今回の特集では、事故情報の収集件数が増
③四国、北海道は他の地域に比べ燃焼器具の
加する11月を前に、燃焼器具の事故の未然防
事故収集件数が少ない。
止、再発防止の観点から、平成15年度∼平成
ただし、北海道、東北、九州において、収集
17年度の事故情報のデータを用いて、改めて
した製品事故全体に占める燃焼器具の割合
燃焼器具による事故の分析を行った。燃焼器
は、全国平均より高い傾向を示している。
具による事故は誤使用・不注意による事故が
250
200
150
平成15年
平成16年
平成17年
100
50
0
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
図1 燃焼器具による事故の月別収集件数
3
特集 燃焼器具の事故を検証する
多いが、製品ごとに誤使用・不注意の内訳、
平成15年度541件、平成16年度567年、平成
年齢別の被害状況、それぞれに具体的な事故
17年度1,055件となっており、3年間の収集
事例も取り上げた。
件数(6,131件)に占める燃焼器具による事
今回の分析に用いた製品区分は、以下のと
故の割合は、約35%(2,163件)であった。
おりである。
(図2)
①ガスこんろやガスふろがまのガス種は、都
市ガス用・LPガス用の区別をしていない。
平成15年度から17年度に収集した燃焼器具
②石油ふろがまは、まき併用、煙突・まき併
による事故の上位5品目を表1に示す。いず
用も併せて石油ふろがまとして集計した。
れの年もガスこんろの収集件数が最も多く、
次いで石油ストーブと続き、この2品目で、
燃焼器具全体の約50∼60%を占めている。
燃焼器具の事故動向
表1 年度別燃焼器具による事故の上位5品目
平成15年度から17年度までの3年間に収集
平成15年度
した燃焼器具による事故情報の収集件数は、
平成16年度
ガスこんろ 152
2 石油ストーブ 126
8.レジャー用品
129件
7.保険衛生用品
90件
6.身のまわり品
247件
5.乗物・乗物用品
685件
1
9.乳幼児用品
74件
10.繊維製品
21件
ガスこんろ
平成17年度
200
ガスこんろ
石油ストーブ 132 石油ストーブ
407
266
3 ガスふろがま 24 石油ふろがま
30 まきストーブ
49
4 石油ふろがま 23
石油ファンヒーター
18 まきふろがま
46
まきストーブ
18 石油ファンヒーター
44
5
カセットこんろ
21
(平成18年度6月15日現在)
1.家庭用電気製品
2430件
平成15年度から平成17年度における地域別
事故通知件数を図3に示す。
3.燃焼器具
2163件
燃焼器具による事故収集件数を地域別に見
2.台所・食卓用品 71件
てみると、東北、関東、九州・沖縄、東海で
計 6,131件
多い傾向を示している。
図2 事故情報収集件数に占める燃焼器具の割合
(平成15年度∼17年度) 九州
・沖
縄
(件)
4
四
国
近
畿
北
陸
甲
信
越
東
海
関
東
北
海
道
東
北
図3 燃焼器具による事故の地域別事故通知件数
中
国
4.家具・住宅用品
221件
特集 燃焼器具の事故を検証する
燃焼器具の事故原因
次に平成15年度∼平成17年度案件の年齢別の
被害状況を図5に示す。
ここからは、平成18年6月15日現在、調査が
燃焼器具による事故の被害者は、50歳代∼70
終了し、事故原因が確定し公表している平成15
歳代のどの年代も250件近くあり、最も多い70
年度から17年度の燃焼器具による事故(平成15
歳代の場合、その割合は燃焼器具全体(1,417
年度540件、平成16年度551件、平成17年度326
件)の約19%(263件)となっている。次に50
件、計1,417件。以下「平成15年度∼17年度案
歳代が約18%(254件)、60歳代が約18%(249
件」という)について、事故原因や被害状況、
件)と続く。また、死亡に至ったケースをみる
被害者の年齢等について詳しく見ていきたい。
と、80歳代以上が死亡事故全体(129件)の約
平成15年度∼平成17年度案件の燃焼器具によ
23%(30件)と最も高く、次いで70歳代が約
る事故の事故原因を図4に示す。燃焼器具全体
21%(27件)、60歳代が約20%(26件)となっ
でみると事故原因の76%(1,071件)が誤使用・
ており、死亡に至った被害者の約64%が60歳代
不注意による事故であった。
以上であった。高齢になるほど人的被害が大き
くなる傾向にある。
A 34件
2% C 16件
1%
D 69件
A:専ら設計上、製造上または表示等に問題があったと
5%
G 209件
15%
F 18件
1%
考えられるもの(個別不良も含む)
B:製品自体に問題があり、使い方も事故発生に影響し
たと考えられるもの
C:製造後長期間経過したり、長期間の使用により
性能が劣化したと考えられるもの
D:業者による工事、修理または輸送中の取り扱い等に
問題があったと考えられるもの
E:専ら誤使用や不注意な使い方によると考えられるもの
F:その他製品に起因しないと考えられるもの
G:原因不明のもの
E 1071件
76%
計 1,417件
図4 燃焼器具による事故発生要因(平成15年∼17年度) (件)
300
250
200
被害なし
製品破損
150
重傷
死亡
100
軽傷
拡大被害
50
し
な
上
入
以
記
代
歳
歳
80
70
60
歳
代
代
歳
代
50
歳
歳
代
40
30
歳
代
代
20
満
未
歳
10
歳
10
3
歳
未
満
0
図5 燃焼器具による事故の被害者の年齢と被害状況(平成15年∼17年度) 5
特集 燃焼器具の事故を検証する
石油ストーブ
ていたところ、石油ストーブ付近約1平方
メートルを焼いた。
事故事例
事故原因:2台の石油ストーブの上方にロー
プを張り、シャツ等14着の洗濯物をハンガー
事例1 2005年1月/静岡県 でつるし、さらにその上にシーツを掛けて干
事故内容:木造2階建て住宅から出火、約160
していたことから、重みによりロープがはず
平方メートルを全焼し、1人が死亡した。
れ、石油ストーブの上に洗濯物が落下し、出
事故原因:石油ストーブを消火せずにカート
火したものとみている。
リッジタンクに給油しセットしようとしたと
事故原因と年齢別被害状況
ころ、ふたが正常に締められていなかったた
め外れ、漏れた灯油にストーブの火が引火
平成15年度∼17年度案件※の「石油ストー
し、火災に至ったものとみている。
ブ」による事故件数は301件で、燃焼器具全
事例2 2004年1月/福島県 体(1,417件)の約21%を占めている。その事
事故内容:木造2階建て住宅から出火、約
故原因をみると、「誤使用や不注意による事
244平方メートルを全焼。さらに木造平屋物
故」が石油ストーブによる事故全体(301
置を半焼し、1人が死亡した。
件)の約82%(246件)を占めている。約
事故原因:家人が石油ストーブに農作業機具
18%は原因不明であった。
(草刈機など)に使用するためのガソリンを
石油ストーブによる事故はそのほとんどが
灯油と間違えて給油したため、異常燃焼を起
火災で、家屋の全焼に止まらず、火災が隣家
こし、出火したものとみている。
にまでおよぶケースや人的被害は火傷や焼死
事故も発生している。
事例3 2003年3月/富山県 年齢別の被害状況を図6に示す。石油ス
事故内容:石油ストーブの上に洗濯物を干し
トーブによる事故の被害者は、70歳代が最も
(件)
80
70
60
被害なし
50
製品破損
40
拡大被害
軽傷
30
重傷
20
死亡
10
代
歳
以
記 上
入
な
し
歳
80
代
70
歳
60
歳
代
代
50
歳
代
40
歳
歳
代
30
歳
代
20
未
歳
10
10
満
0
図6 石油ストーブによる事故の被害者の年齢と被害状況(平成15年∼17年度)
6
特集 燃焼器具の事故を検証する
石油ファンヒーター
(石油温風暖房機)
多く石油ストーブによる事故全体(301件)
の26%(79件)、次に60歳代が20%(60
事故事例
件)、50歳代が19%(58件)、80歳代以上
14%(43件)と続き、70歳代以上の高齢者が
石油ストーブによる事故全体の約40%を占め
事例1 2003年4月/愛媛県 ている。また、被害者が80歳代以上の事故の
事故内容:木造2階建て住宅から出火し、2
約40%(17人)が死亡に至っている。
階部分約43平方メートルを焼いた。
事故原因:ファンヒーターの温風吹出口に化
最も多い誤使用・不注意は室内に干した洗濯物
学繊維製の掛け布団が触れて出火し、消火し
たが就寝中に再び燃え出したため、火災に
「誤使用・不注意による事故」の内訳(図
至ったものとみている。
7)を見ると、室内に干していた洗濯物や衣
類が石油ストーブに落下し過熱されことによ
事例2 2004年2月/静岡県
り火災に至ったものが「誤使用・不注意によ
事故内容:木造2階建て住宅から出火、約43
る事故」全体(246件)の約28%(68件)、
平方メートルを全焼し、家人が顔に火傷を
石油ストーブを消火せずに給油し、カート
負った。
リッジタンクのふたの締め付け等が不十分で
事故原因:カートリッジタンクをセットする
あったため灯油が漏れて火災に至ったもの約
際、ふた(ネジ式)の締め方が緩かったため
21%(52件)、石油ストーブの近くに置いて
ふたが外れて床に落ち、火の付いたままの石
いた可燃物が過熱し火災に至ったものが15%
油ファンヒーターの上部や全面に灯油をこぼ
(36件)、ガソリンと灯油を間違えて給油し
したため、ファンヒーターの火が引火し、出
異常燃焼を起こし火災に至った燃料の間違い
火したものとみている。
によるもの11%(28件)等である。
事例3 2005年2月/福井県 消し忘れ
6件
その他
34件
給油時の失敗
22件
ガソリン等を
給油 28件
事故内容:石油ファンヒーターを使用中、温
風吹き出し口から30㎝ほど炎が出た。
洗濯物等の
落下や過熱
68件
事故原因:灯油切れを検知するセンサーの発
光側素子の劣化やセンサー反射部の汚れの付
可燃物接触
36件
タンクのふたの
締め付け不良
52件
着により、センサー受光側が反応せず灯油切
れが検知できなかったために燃焼を継続し、
電磁ポンプが空気を同時に吸い込み、異常燃
計 246件
焼を起こし、温風吹き出し口より炎が出たも
のと推定される。
図7 石油ストーブの誤使用・不注意の内訳
(平成15年∼17年度) 再発防止措置:平成13年9月18日及び12月30
※平成18年6月15日現在、調査が終了し、事故原因が確定し公表
している平成15年度から17年度の燃焼器具による事故案件
7
特集 燃焼器具の事故を検証する
日に新聞広告を掲載し、対象機種の無料点検
ファンヒーター全体(44件)の約7%(3
を行い、油面センサーを反射式から透過式に
件)、製品に起因しない「誤使用や不注意に
改善した部品に交換している。
よる事故」が約52%(23件)で、石油ストー
ブ同様「誤使用や不注意による事故」が多
い。約34%は原因不明であった。
石油ファンヒーターによる事故は、石油ス
トーブ同様火災が多く、家屋の全焼事故や焼
死事故が発生している。また、製品に起因す
る事故が3件発生しているが、3件とも同様
の内容で、拡大被害は発生しておらず、対象
製品は社告により無料点検が行われた。
年齢別の被害状況を図8に示す。石油ファ
ンヒーターによる事故の被害者は、70歳代と
50歳代が最も多く石油ファンヒーターによる
事故原因と年齢別被害状況
事故全体(44件)の各25%(各11件)、次に
60歳代が約16%(7件)、50歳代が約14%
※
平成15年度∼17年度案件 の「石油ファン
(6件)と続く。死亡・重傷事故は9件あ
ヒーター」による事故件数は44件で、燃焼器
り、70歳代以上の高齢者がその約78%(7
具全体(1.417件)の約3%である。事故原因
件)を占めている。
をみると、「製品に起因する事故」が石油
(件)
20
15
被害なし
製品破損
10
拡大被害
軽傷
重傷
5
死亡
代
歳
以
記 上
入
な
し
80
歳
歳
代
70
代
60
歳
代
50
歳
代
40
歳
30
歳
代
代
20
歳
未
歳
10
10
満
0
図8 石油ファンヒーターによる事故の被害者の年齢と被害状況(平成15年∼17年度)
8
特集 燃焼器具の事故を検証する
最も多い誤使用・不注意による事故は
はまきでふろを沸かしていたが、灯油タンク
給油時に発生
には灯油が残っていたことから、経年劣化に
より亀裂が生じたゴム製送油管から灯油が漏
「誤使用・不注意による事故」の内訳(図
れ、まきの火が引火して火災に至ったものと
9)を見ると、カートリッジタンクのふたの
みている。
締め付けが不十分であったため灯油が漏れて
火災になったもの等給油時に起こったものが
事例2 2004年1月/三重県 「誤使用・不注意による事故」全体(23件)
事故内容:木造2階建て住宅から出火、約
の約43%(10件)、室内に干していた洗濯物
130平方メートルを全焼した。
が落下し過熱したものが約17%(4件)、機
事故原因:長年の使用によりふろがまの煙突
器の近くに置いてあった可燃物が過熱したも
の貫通部分の不燃ボードに接する地板が煙突
のが約13%(3件)、ガソリンと灯油と間違
の熱で炭化し、当日の加熱により、炭化した
えて給油し異常燃焼を起こしたもの約9%
地板が低温発火し、火災に至ったものとみて
(2件)で、石油ストーブと同様の誤使用・
いる。
不注意により事故に至っている。
事例3 2005年1月/栃木県 事故内容:木造2階建て住宅のふろ場付近か
その他
4件
ガソリン等を
給油 2件
ら出火、約115平方メートルを全焼した。
タンクのふたの
締め付け不良
10件
可燃物接触
3件
洗濯物等
が落下
4件
事故原因:被害者が浴槽の栓を完全に閉めて
いなかったため、水が漏れて空だき状態とな
り、火災に至ったものとみている。
事故原因と年齢別被害状況
計 23件
図9 石油ファンヒーターの誤使用・不注意の内訳
(平成15年∼17年度) 平成15年度∼17年度案件※の「石油ふろが
ま」による事故件数は70件である。その事故
原因をみると、製品に起因する「経年劣化」
石油ふろがま
による事故が石油ふろがまによる事故全体
(70件)の約4%(3件)、製品に起因しな
事故事例
い「誤使用や不注意による事故」が約64%
事例1 2003年6月/静岡県 (45件)、「業者による設置・施工不良」が
事故内容:木造2階建て母屋のふろ場付近か
約7%(5件)となっている。
ら出火し、同住宅と離れ、納屋の3棟を全焼
石油ふろがまによる事故も火災に至るケー
した。
スがほとんどで、人的被害は火傷や焼死事故
事故原因:まき併用石油ふろがまの灯油ボイ
も発生している。
ラー部が2、3年前に故障したため、その後
※平成18年6月15日現在、調査が終了し、事故原因が確定し公表
している平成15年度から17年度の燃焼器具による事故案件
9
特集 燃焼器具の事故を検証する
C 3件
D 5件
A:専ら設計上、製造上または表示等に問題があったと
考えられるもの(個別不良も含む)
B:製品自体に問題があり、使い方も事故発生に影響し
たと考えられるもの
C:製造後長期間経過したり、長期間の使用により
性能が劣化したと考えられるもの
D:業者による工事、修理または輸送中の取り扱い等に
問題があったと考えられるもの
E:専ら誤使用や不注意な使い方によると考えられるもの
F:その他製品に起因しないと考えられるもの
G:原因不明のもの
G 16件
F
1件
C 3件
E
45件
計 70件
図10 石油ふろがまの事故原因(平成15年∼17年度) 年齢別の被害状況を図11に示す。石油ふろ
中にまきが焚き口から落ちて付近の可燃物に
がまによる事故の被害者は、70歳代が最も多
着火し火災に至ったものが約27%(12件)、
く石油ふろがまによる事故全体(70件)の約
修理せずに長年使い続けたこと等、製品(部
29%(20件)、次に60歳代約27%(19件)、
品)の劣化により火災に至ったもの等が9%
50歳代約約17%(12件)と続く。死亡・重傷
(4件)であった。
事故も8件あった。
最も多い誤使用・不注意による事故は空だき
その他
12件
「誤使用・不注意による事故」の内訳(図
劣化
4件
12)を見ると、空だきによるものが「誤使
用・不注意による事故」全体(45件)の約
38%(17件)、まき併用石油ふろがまを使用
(件)
20
焚き口のまき
などにより着火
12件
計 45件
図12 石油ふろがまによる誤使用・不注意の内訳
(平成15年∼17年度) 15
被害なし
製品破損
10
拡大被害
軽傷
重傷
5
死亡
歳
代
歳
以
記 上
入
な
し
80
70
歳
代
代
60
歳
歳
代
50
歳
代
40
歳
代
30
20
歳
代
未
歳
10
満
0
10
空だき
17件
図11 石油ふろがまによる事故の被害者の年齢と被害状況(平成15年∼17年度)
10
特集 燃焼器具の事故を検証する
ガスこんろ
事故原因と年齢別被害状況
事故事例
平成15年度∼17年度案件※の「ガスこん
ろ」による事故件数は534件で、燃焼器具全
事例1 2005年4月/神奈川県
体(1,417件)の約38%を占めている。その事
事故内容:民家の台所で、家人の衣服が燃え
故原因をみると「誤使用や不注意による事
ているのに気付き、ふろ場の水で消し止めた
故」が約91%(487件)であった。
が、焼死した。
ガスこんろによる事故はそのほとんどが火
事故原因:被害者が身につけていたショール
災で、火災が発生すると被害が製品だけに止
にガスこんろの火が燃え移り、焼死したもの
まらず周辺の焼損や家屋の全焼といった拡大
とみている。
被害に至るケースが多い。
事例2 2005年8月/富山県 年齢別の被害状況を図13に示す。ガスこん
事故内容:鉄筋2階建ての飲食店から出火
ろによる事故の被害者は、50歳代が最も多く
し、約53平方メートルを焼いた。
ガスこんろによる事故全体(534件)の約
事故原因:廃油を処理するためになべに凝固
22%(117件)、次に60歳代約18%(96件)、
剤を入れたまま加熱し、その場を離れ放置し
70歳代約18%(95件)、40歳代約11%(58
たため油と廃油剤が過熱し、出火に至ったも
件)と続いている。死亡事故も35件発生して
のとみている。
おり、死亡事故の多い年代をみると70歳代と
60歳代で各8件、80歳代以上で7件となって
おり、高齢者ほど死亡に至る割合が高い傾向
にある。
天ぷら油は360℃∼380℃
になれば自然発火する。
120
被害なし
100
製品破損
80
拡大被害
軽傷
60
重傷
40
死亡
20
10
歳
未
満
10
歳
代
20
歳
代
30
歳
代
40
歳
代
50
歳
代
60
歳
代
70
歳
代
80
歳
以
記 上
入
な
し
0
図13ガスこんろによる事故の被害者の年齢と被害状況(平成15年∼17年度) ※平成18年6月15日現在、調査が終了し、事故原因が確定し公表
している平成15年度から17年度の燃焼器具による事故案件
11
特集 燃焼器具の事故を検証する
最も多い誤使用・不注意による事故は天ぷら油
かないため、ボンベを外して付け直したり、
火災
点火スイッチを何度も回したりしていたとこ
ろ、漏れたガスに引火し、火災に至ったもの
とみている。
「誤使用・不注意による事故」の内訳(図
14)を見ると、天ぷら油が過熱し火災に至っ
たものが「誤使用・不注意による事故」全体
事例2 2004年10月/広島県 (487件)の約63%(309件)、なべややかん
事故内容:公園で鍋料理に使っていたカセッ
をかけたまま放置した消し忘れによる火災が
トこんろのボンベが爆発し、高校生7人が火
約16%(78件)、魚焼きのグリルの消し忘れ
傷を負った。2台のこんろを使っていたが、
が約7%(34件)、天ぷら油を廃棄する際に
1台のこんろが爆発した。 凝固剤を入れたまま放置して火災に至ったも
事故原因:使用者がカセットこんろ2台を近
のが16件あった。
接して並べ、それぞれに直径26センチメート
ルの両手なべをかけて使用していたが、片方
着衣着火 その他
6件
32件
炭化(低温発火)
12件
のこんろの五徳が裏返しの状態にあったた
め、ボンベが過熱されて爆発したものとみて
いる。
消し忘れ(グリル)
34件
消し忘れ
(こんろ)
78件
事例3 2004年1月/神奈川県 事故内容:家人が使用済みのカセットボンベ
天ぷら油が過熱
309件
天ぷら油過熱(廃棄時)
16件
に穴を開け、缶をビニール袋に入れてふろ場
に置いていたところ爆発した。
計 487件
事故原因:使用済みカセットボンベを廃棄す
図14 ガスこんろによる誤使用・不注意の内訳
(平成15年∼17年度) るため、自宅のふろ場でカセットボンベに金
づちと千枚通しを用いて穴を開け、ビニール
袋に入れてふろ場から退出し、扉を閉めた直
カセットこんろ(カセットこんろ用
ガスボンベを含む)
後に爆発が起こったことから、ふろ場に滞留
していたガスのそばにあった石油ストーブの
火が引火したものと推定される。
事故事例
事故原因と年齢別被害状況
事例1 2004年1月/新潟県 事故内容:カセットこんろから出火し、住宅
平成15年度∼17年度案件※の「カセットこ
約75平方メートルを全焼し、家人が軽い火傷
んろ」による事故件数は61件で、燃焼器具全
を負った。
体(1,417件)の約4%である。その事故原因
事故原因:被害者がカセットこんろに火が付
を見ると、「誤使用や不注意による事故」が
12
特集 燃焼器具の事故を検証する
カセットこんろによる事故全体(61件)の約
廃棄時に爆発引火したもの16%(8件)など
84%(51件)で、製品に起因する「経年劣化
である。また、石油ファンヒーターの近くに
による」事故が1件あった。
カセットこんろ用のガスボンベを置いていた
カッセトこんろによる事故は火災やカセッ
ため、ボンベが過熱し、爆発したものが2件
トこんろ用ボンベの爆発事故が多く、人的被
あった。
害は、火災や爆発による火傷が多数起こって
ファンヒーターの前に放置
2件
いる。
年齢別の被害状況を図15に示す。カセット
点火時の失敗
2件
こんろによる事故の被害者は、30歳代∼70歳
代まで事故数に差がなく、年齢による相違は
天ぷら鍋
4件
みられなかった。
最も多い誤使用・不注意による事故はボンベ
の過熱
その他
6件
ボンベ過熱
15件
消し忘れ
可燃物着火
5件
9件
廃棄時の
爆発・引火等
8件
計 51件
図16 カセットこんろによる誤使用・不注意の内訳
(平成15年∼17年度)
「誤使用・不注意による事故」の内訳(図
16)を見ると、カセットこんろより大きなな
べを使用したり、電気こんろ等調理器具の上
に置いたままに使用したことによるボンベ爆
発事故がカセットこんろによる事故全体(51
件)の約29%(15件)、カセットこんろの近
くの可燃物に引火したもの約18%(9件)、
12
被害なし
10
製品破損
8
拡大被害
軽傷
6
重傷
4
死亡
2
歳
代
歳
以
記 上
入
な
し
80
代
70
歳
歳
代
60
歳
代
50
歳
代
40
代
30
歳
代
20
歳
10
10
歳
未
満
0
図15 カセットこんろによる事故の被害者の年齢と被害状況(平成15年∼17年度) ※平成18年6月15日現在、調査が終了し、事故原因が確定し公表
している平成15年度から17年度の燃焼器具による事故案件
13
特集 燃焼器具の事故を検証する
ガスふろがま
れた。
事故原因:アパートの外壁塗装工事をしてお
事故事例
り、作業員が塗料がかからないようにガスふ
ろがまの排気トップ及び浴室吸気口をビニー
事例1 2003年6月/長野県
ルで覆っていたが、ガスふろがまの使用禁止
事故内容:家人が入浴中に浴室内から何度か
時間の周知を行っておらず、被害者が知らず
ふろがまの点火操作をしたが着火せず、割り
に入浴したため、ふろがまの排気ガスが浴室
ばしの先に火をつけて点火口に近づけたとこ
内に逆流して燃焼空気不足になり不完全燃焼
ろ爆発し、顔や胸、腕に火傷を負った。
を起こし、一酸化炭素中毒になったものと推
事故原因:点火操作を何度も繰り返していた
定される。
ため未燃ガスが滞留し、近づけた火が引火
し、爆発したものと推定される。
事故原因と年齢別被害状況
事例2 2003年3月/愛知県 平成15年度∼17年度案件※の「ガスふろが
事故内容:不完全燃焼警報が鳴動したのでふ
ま」による事故件数は37件である。事故原因
ろ場を見に行ったところ、ふろ上がりの家人
の内訳を図17に示す。製品に起因する事故は
が倒れているのを発見した。
ガスふろがまによる事故全体(37件)の約
事故原因:浴室内に設置してあるガスふろが
14%(5件)で、その内訳は「設計不良」が
まを使用中に、台所の換気扇を使用したた
2件、「経年劣化によるもの」が3件であっ
め、逆風止めから排気が逆流したことにより
た。また製品に起因しない事故は約65%(24
不完全燃焼を起こし、浴室内に一酸化炭素が
件)で、その内訳は「業者の設置・施工・修
滞留し一酸化炭素中毒になったものと推定さ
理不良によるもの」の6件、「誤使用・不注
れる。
意によるもの」の18件であった。
ガスふろがまによる事故は火災や爆発事
事例3 2003年3月/愛知県
故、一酸化炭素中毒による死亡事故も発生し
事故内容:アパートで男性が入浴中に気分が
ている。
悪くなり、洗面所で意識を失い、病院へ運ば
A 2件
A:専ら設計上、製造上または表示等に問題があったと
考えられるもの(個別不良も含む)
B:製品自体に問題があり、使い方も事故発生に影響し
たと考えられるもの
C:製造後長期間経過したり、長期間の使用により
性能が劣化したと考えられるもの
D:業者による工事、修理または輸送中の取り扱い等に
問題があったと考えられるもの
E:専ら誤使用や不注意な使い方によると考えられるもの
F:その他製品に起因しないと考えられるもの
G:原因不明のもの
C 3件
G 4件
F 4件
D 6件
E 18件
計 37件
図17 ガスふろがまの事故原因(平成15年∼17年度) 14
特集 燃焼器具の事故を検証する
年齢別の被害状況を図18に示す。ガスふろ
がまによる事故の被害者は、60歳代の6件が
最も多く、次に30歳代4件であるが、年齢に
よる特徴はみられなかった。
20
15
被害なし
製品破損
10
拡大被害
軽傷
重傷
5
死亡
し
な
上
入
以
記
代
歳
歳
80
歳
代
70
歳
代
60
代
50
歳
代
40
歳
30
歳
代
代
20
歳
10
10
歳
未
満
0
図18ガスふろがまによる事故の被害者の年齢と被害状況(平成15年∼17年度) 最も多い誤使用・不注意による事故は点火時
劣化
1件
に発生
手入れ不足
2件
「誤使用・不注意による事故」の内訳(図
19)を見ると、点火操作を何度も繰り返した
ため未燃ガスに引火・爆発したもの等点火時
その他
1件
別室の
換気扇を使用
2件
に発生したものが7件、空だきによる出火が
点火時の
操作に問題
7件
空だき
5件
5件、台所の換気扇が作動していたため、浴
計 18件
室内が負圧となり一酸化炭素中毒になったも
の等が2件などがあげられる。
図19 ガスふろがまによる誤使用・不注意の内訳
(平成15年∼17年度)
※平成18年6月15日現在、調査が終了し、事故原因が確定し公表
している平成15年度から17年度の燃焼器具による事故案件
15
特集 燃焼器具の事故を検証する
天ぷらなべ火災と人間の行動・心理
京都市消防局
警防部調査課 課長補佐
森 雅彦
天ぷらなべ火災※は、京都市内で発生する火災の原因別でも常に上位に位置しており、これは全
国的な傾向でもある。
天ぷらなべ火災を撲滅させる決め手として、なべの底に接触するセンサーにより、その温度が一定
以上になるとガスの供給を停止して天ぷら油の発火を防ぐ「過熱防止装置」付きのガステーブルこ
んろが開発され、急速に普及台数を伸ばしている。消防関係者は、この普及台数の伸びと共に天ぷ
らなべによる火災は減少するものと期待していたが、顕著な減少傾向が見られないばかりか、
「過熱
防止装置」付きガステーブルこんろを使用している住宅から出火しているケースも少なくない。
何故か。天ぷらなべ火災の事故の分析や実情等について調査・検討した結果、
「過熱防止装置」の普
及状況や認知度、使い勝手に問題を感じている様子や消火時の危険な行為の実態が分かってきた。
ここでは、その実態調査の結果を紹介し、消防機関として、市民に注意喚起するとともに製造事
業者に対しての要望もまとめた。
※火災報告(消防庁の全国統計)では、天ぷらなべからの火災は「こんろ火災」に分類されるが、京都市消防局では、
より深く実態を分析するため「天ぷらなべ火災」として独立して統計している。
※本稿では、統計上の集計区分として1口のこんろを「ガスこんろ」、2口以上のこんろを「ガステーブルこんろ」
と分類し、表記している。
2.分析データの収集
なぜ、天ぷらなべ火災は
減少しないのか
天ぷらなべ火災の多くが住宅から発生して
いる状況から、データについては住宅で使用
1.過熱防止装置の有効性は本当か
されているガスこんろに絞って収集及び分析
過熱防止装置付きガステーブルこんろにつ
を行った。
いては、市場に普及し始めた平成13年に国民
(1)火災のデータについては、平成15年か
生活センターが商品テストを実施し、結果を
ら同17年の3年間に、京都市内の住宅から発
公表している。
生した天ぷらなべ火災(発煙のみで火災に至
このテストでは、なべの形状、油の種類や
らなかった事案を含む。)のデータとした。
量など多くの想定を基にして、検証した結
(2)ガスこんろに関する意識調査のため、
果、装置の有効性が立証されている。また、
市内のある行政区の事業所の勤務者を対象に
業界(社団法人日本ガス石油機器工業会)で
も平成17年4月から2口以上のガスこんろ
は、全て1個以上のバーナーにこの過熱防止
装置を付けたものを販売するなど、その有効
性を認めている。
天ぷら油過熱防止装置は温度セン
サーにより鍋底の温度を感知する。
16
特集 燃焼器具の事故を検証する
アンケート調査を実施した(有効回答数は約
(2)過熱防止装置付きガステーブルこんろ
1,200件)。
からの出火
相対的に火災の発生率は低いが、過熱防止
3.天ぷらなべ火災と過熱防止装置との関係
装置が付いたガステーブルこんろから、天ぷ
(1)ガスこんろと天ぷらなべ火災との関係
らなべ火災が発生しているのも事実であり、
3年間に住宅から発生した天ぷらなべ火災
重要視する必要がある。
の件数をグラフで表すと、毎年30数件程度で
現在、普及している過熱防止装置付きガス
横ばい傾向にあり、そのうち過熱防止装置付
テーブルこんろは、2口(3口以上の場合は
きのガステーブルこんろからの出火件数は平
主たる2口)のバーナーのうちいずれか片方
成15年に比べ平成16年、同17年は約2倍に増
にしかセンサーが付いていないものが約95%
加している。また、平成16年、同17年の件数
を占めており、せっかくの過熱防止装置付き
を、過熱防止装置の有無で比べると約1:2
のガステーブルこんろであっても、センサー
の比率となる(図1)。
のない側のバーナーで揚げ物調理を行えば、
市内で使用されているガステーブルこんろ
過熱防止装置の付いていないガスこんろで調
は、過熱防止装置の有無がそれぞれ同数と推
理したことと同じ結果である。
定され、相対的に過熱防止装置付きの機種か
このようなケースは、この3年間に発生し
らの発生率は低いことになる。また、アン
た過熱防止装置付きガステーブルこんろから
ケートの中に、油なべを加熱中にその場を離
の出火事例の27件については、そのいずれも
れたが、過熱防止装置が作動して発火するま
センサーの付いていない側のバーナーから出
でにガス火が消えたという奏功事案も16件発
火していることからも明らかである。
生している。
なお、バーナーの種類が異なる(ハイカロ
このことは、過熱防止装置が有効に作動し
リーバーナー、標準バーナー)ガステーブルこ
たことによって、天ぷらなべ火災が未然に防
んろの場合、そのほとんどの機種が、標準バー
止されており、出火防止に有効であることを
ナー側に過熱防止装置が設けられている。
示している。
4.アンケートにみる過熱防止装置付き
ガステーブルこんろの実態について
(1)過熱防止装置付きガステーブルこんろ
の認知度と普及度
「過熱防止装置を知っているか」の問いに
ついて、全体の約25%の人が「知らない」と
回答しており、過熱防止装置付きガステーブ
ルこんろが市場に出回り始めて約10年が経過
しているが、いまだに利用者の4人に1人が
装置付きこんろの傾向
知らないということになる。
図1 過熱防止装置の有無別火災発生状況
17
特集 燃焼器具の事故を検証する
なお、「知っている」と答えた人が使用し
5.なぜ、過熱防止装置の付いていない側の
ているガステーブルこんろは、過熱防止装置
バーナーを使用するのか
が付いているガステーブルこんろが多く、ガ
過熱防止装置付きガステーブルこんろを使
ステーブルこんろ使用者の約47%となり、平
用しているにもかかわらず、付いていない側
成16年に別の行政区で行った調査でも普及率
のバーナーを使用し天ぷらなべ火災を発生さ
は約50%となっていることから、京都市内全
せた行為者に対し、その理由等について聞き
体で使用されているガステーブルこんろの約
取りを行った結果は概ね次のとおりであっ
半数は、過熱防止装置付きのものが使用され
た。
ていると考えられる。
(1)バーナーのところに、何か付いている
のは知っていたが、過熱防止装置とは知らな
かった(ほとんどの人が取扱い説明書等は読
んだことがない)。
(2)使い勝手の関係で、常に手前側(流し
台側)のバーナーを使用しているため、奥 (壁側)のバーナーを使うことは少ない(や
回答数 1,043
かん置場、なべ置場になっている)。
装置を知っているグループ
(3)火力の強いハイカロリーバーナーで調
図2 過熱防止装置の認知状況
理することが多く、天ぷらの時も同じように
(2)過熱防止装置付きガステーブルこんろ
使用している(温度が上がるのを待っている
の使用状況
時間がもったいない)。
過熱防止装置付きガステーブルこんろの使
(4)標準バーナー(過熱防止装置付き)は
用者のうち54%が常にセンサーの付いている
火力が弱く、普段からあまり使用しない。
側のバーナーを使用して揚げ物調理をしてお
(5)突起物(センサー)が邪魔で、なべが
り、出火の危険性は低い。一方、使用しない
安定しない。
時もあると答えた人が24%、気にしていない
このことから、バーナーの火力や使い勝手
と答えた人が22%おり、約半数の人が過熱防
を考慮し、流し台側にハイカロリーバーナー
止装置の有効性を理解していないこととな
を搭載したガスこんろを購入する消費者が多
り、出火させる可能性は否定できない。
く、必然的に天ぷらなべを加熱する際も過熱
防止装置の付いていないハイカロリーバー
ナーを使用している傾向がうかがえる。ま
た、最近の健康指向から揚げ物調理に使用し
ている油の量を出来るだけ少なくする傾向が
あり、従来より発火に至る時間が短くなって
いる。
回答数 483
天ぷらなべ火災の予備軍グループ
図3 過熱防止装置付きバーナーの使用状況
18
特集 燃焼器具の事故を検証する
「油に水は禁物」は常識か
てしまったケースも相当数見受けられる。
図4のグラフを見ると、消火器やシーツ等
1.天ぷらなべ火災と初期消火の関係
による消火の成功率が75%以上であるのに対
不幸にして、天ぷらなべの油が発火した場
し、水を掛けた場合の成功率は65%と10ポイ
合、ほとんどの人が被害の軽減を図るために
ント以上低くなっている。これは、火の入っ
初期消火を行うこととなることから、次に、
た油なべに水を入れると、水が急激に蒸発し
天ぷらなべ火災と初期消火の状況等について
火の付いた油が周囲に飛散し一気に火災が拡
検証してみることとする。
大することが原因の一つである。
なお、統計データの数値については平成13
危険な行為
年から同17年の5年間に、京都市内で発生し
た天ぷらなべ火災114件について分析した結
果から引用した。
まず、天ぷらなべによる火災が発生した場
合、実際に初期消火が行われたのが114件中
の107件(94%)となっている。また、初期
消火の行われた107件中の80件(75%)につ
図4 消火用具と消火効果
いては消防隊が放水することなく、初期消火
により鎮火している。
3.天ぷらなべ火災と負傷者の関係
表1 初期消火と焼損床面積との関係
114件の天ぷらなべ火災のうち、41件の火
焼損床面積 1件当りの
焼損床面積
初期消火の効果
件数
比率
効果あり
80 件
70%
50m2
0.6m2
災で49人の負傷者が発生した。これは、約3件
効果なし
27 件
30%
1,149m2
33.8m2
に1件の割合で負傷者が発生していることにな
初期消火なし
7件
り、火災原因別でも高い比率となっている。
※初期消火が被害(焼損床面積)軽減に
大きく貢献していることが表れている。
次に、どの行為中で負傷したのかについて見
てみると、消火中の負傷が37人(76%)、避難中
2.初期消火に使用している用具と効果は
の負傷が6人(12%)、就寝中とその他が各3人
実際に出火した場合、初期消火といえば
(6%)となっており、いかに消火という行為が危
「消火器」を使用するケースが最も多く、そ
険をともなっているのかを示している。また、負
の消火効果も高い。しかし、全ての住宅に消
傷の程度について見てみると、軽症が41人
火器が保有されているわけではなく、とっさ
(84%)で最も多く、中等症が6人(12%)、重症
に身近なタオルや毛布等を掛けて酸素を遮断
が2人(4%)となっている。
する窒息消火を行っているケースも多い。
これは、天ぷらなべ火災の特徴として、出
さらに「天ぷらなべに火が入った場合、水を
火時に家人が在宅しており、比較的早期に火
掛けると危険」ということは多くの人が知っ
災を発見するケースが多く、避難や通報より
ていると思われるが、実際になべに水を掛け
消火を優先させた結果と考えられる。
19
特集 燃焼器具の事故を検証する
まとめ
今回、過熱防止装置付きのガステーブルこ
んろを使用している住宅から、なぜ、天ぷら
なべ火災が発生するのか、万が一、油なべが
発火した場合、どういった行動を取るのかに
ついて検証した。
図5 負傷時の状況
その結果、ガスこんろについては、使用者
の使い勝手や火力によりハイカロリーバー
4.消火行為で危険なことは、油に水を
ナーを使用して揚げ物調理をする市民が多い
入れることだけか
こと。消火行為としては最も効果のあると思
どのような消火行為中に負傷したのかにつ
われる消火器が近くにない場合、とっさに身
いて見てみると「燃えている油なべに衣類や
近にある物をなべに掛けるという、最も単純
毛布等を掛ける」、あるいは「座布団を掛け
な行為を行う可能性が高いことが判明した。
る」という油なべに近付いて行う行為中に火
このことから、消防機関として
炎により火傷したり、なべに物を掛けた拍子
・ガス機器製造業者に対しては、ガスこんろ
に油なべが落下したり、油が飛び散って火傷
に対する正しい取扱いについて表示の充実
するケースも多い。
を要望するだけでなく、全てのガスバー
しかし、絶対にしてはならない「なべを持
ナーに過熱防止装置を搭載したガスこんろ
ち運んだり」「水を入れたり」するケースも
の開発と普及について強く要望する。ビル
あり、とっさのことで慌てていても、いかに
トインタイプのガステーブルこんろの一部
冷静な消火行為が自分の身を守ることになる
には、全バーナーに過熱防止装置が搭載さ
のかを指導しなければならない。
れているものも販売されているが、現実は
据え置きタイプのガステーブルこんろが主
流である。
・住民に対しては、あらゆる機会をとらえて
最も危険な行為
「天ぷらなべ火災の実態と対応方法」につ
いて、実験などを通じ、視覚に訴える指導
をする。
・火災を早期に発見する「住宅用火災警報
器」や「住宅用消火器」など、住宅用の防
災機器の普及を進める。
図6 消火行為の種類と負傷者
との結論に達したものである。
20
特集 燃焼器具の事故を検証する
点検整備・修理を通じて
安全と満足を提供する仕組み作り
北海道石油燃焼機器整備業組合
理事長
高畑 政敏
こともまれではなかった。
1.結成時の時代背景
このような時代背景のなかで当時の金物
昭和43年ごろから北海道における暖房器具
店、燃料店など石油ストーブを販売する事業
とその燃料は、固体燃料(石炭、薪)を使用
所の多くが、各製造メーカーのサービス担当
する石炭ストーブや薪ストーブから、液体燃
者から技術指導や知識を伝授され、一層の拡
料(灯油)を使用する石油ストーブ(ポット
大販売に精を出したり、なかには専門技術者
式石油ストーブ)へと急速に変遷していた。
として点検整備、出張修理を業とする人達が
使用者のメリットとしては毎朝の点火から
現れはじめたのである。
燃焼に至る簡便さ、燃料の貯蔵場所を特に必
2.組合の誕生と発展
要としない、火力調節や消火のしやすさ、そ
して、何よりも毎日の灰捨てと煙突掃除の手
昭和47年3月、札幌市内とその近郊に所在
間を省ける点などが歓迎された。そのうえ、
する修理・点検整備、販売・設置を業とする
当時は燃料費としての灯油も比較的安価で
事業所の組織結成に賛同する17業者によっ
あった。反面、油量調節器や燃焼用送風機な
て、北海道石油燃焼機器整備業組合が産声を
どメカニカルな部分が加わり、保守管理のた
あげた。この結成式には消防局など関係機関
めの専門技術者が必要となる要素が生まれて
及び製造メーカー各社などからも担当者が出
きたのである。
席されて将来の発展がおおいに期待された。
当時、北海道中央部における一般家庭の暖
結成当時から組合活動は独立独歩の姿勢を
房必要時間は、年間7,000時間程度と見積もら
貫く方針を堅持し、なおかつ行政機関、消費
れ、2、3年も使用されると燃焼用送風機の
者団体、各製造メーカーとの関係を持続して
モーターが油切れのため騒音を発したり回転
いく方針も規約に盛り込まれて現在に至って
不良や回転不能となるものさえ多数見受けら
いる。
れたものである。また、灯油の販売経路や使
その後、北海道内各地に点在する事業者か
用者の保管の不備などで水、ごみ、異種油な
らの加盟申請があり、現在の組員数は11市町
どの異物の混入が多々発生し、極寒時には送
61事業所で、さらに滝川市に支部を置いて、
油経路の障害が原因で暖房が停止してしまう
活動の場を広げている。
※北海道の一般家庭の暖房は、FF式やポット式、床暖房内蔵型などの石油暖房機器が主流となっている。屋外に設置し
た大型の灯油タンクが、暖房機器やセントラルヒーティングの熱源機などとパイプで直結され、自動的に給油される仕組
みとなっている。灯油の補充は、業者によりタンクローリーなどで定期的に行われる。また、古い住宅では、石油ストーブ
(ポータブル)などを各部屋に置き、暖をとることもある。近年では、ガスやオール電化の暖房も増えてきている。
21
特集 燃焼器具の事故を検証する
3.組合活動の内容
交換や諸問題に対する提言も行っている。
地元、札幌市においては火災予防条例に基
組合では、当組合のホームページ(http://
づく「石油燃焼機器技術管理士」の責務のひと
www.phoenix-c.or.jp/stove/)にも掲載してい
つとして、昭和49年には中心メンバーとなっ
る通り、多岐にわたる活動を行っているが、
て札幌石油燃焼器具整備業協議会を結成し、
その基本となる大きな柱は以下の点に集約さ
札幌市民に対する火災予防の啓発活動にも大
れている。
きく寄与している。
(1)組合員の資質向上と技術、技能の均一
また、消費者団体との連携や協調も視野に
化を図るため、毎年一度は組合独自の技術研
入れ、北海道消費者協会賛助会員として消費
修会や勉強会を開催し、単に技術、知識の向
者からの要求や不満などに謙虚に耳を傾け、
上のほか、専門家を招き、幅広い経営問題等
改善やその時々に発生する諸問題に対して専
も研修している。
門技術者として意見の具申も行っている。
(2)消費者に対する安心・安全・満足を提
供する裏付けとして結成当初から「損害賠償
か し
責任保険」を義務付けて瑕疵に対応するほ
か、統一された「点検整備記録簿」を使用
し、作業内容や料金、担当者名を明確に提示
している。また、点検整備記録簿の基礎とな
る項目に関しては、組合技術委員会による点
検整備基準が定められており、項目の見直し
も数年ごとに行われ、その時々の製品や消費
者のニーズへの的確な配慮を欠かさない姿勢
技術、知識の向上のために、年に一度行われる勉強会
を堅持している。
(3)組合活動は、結成当初からより広い視
4.点検整備のしくみ
野での連携と協調、そして、社会への還元活
動も行っている。業者間の連携を広めて相互
当地における点検整備業務の一般的な実態
に切磋琢磨する意味から、昭和59年には当組
について概略を以下に記述する。
合が中核となり、全国燃焼機器整備業連合会
暖房の使用期間はその年の気候や地域に
が組織され、北海道内をはじめ、青森県、岩
よって変わるが、札幌では早ければ9月の終
手県の同業団体を含めて各地の8団体(会員
わりから翌年の5月下旬ごろとなる。そこ
数480)と様々な活動で連携しながら今日に
で、大部分の事業者は、5月中旬からダイレ
至っている。この組織の活動としては、社団
クトメールやチラシ広告を用い、使用者に対
法人日本ガス石油機器工業会、ガス石油機器P
して石油暖房機器の定期点検整備の呼びかけ
Lセンター、財団法人日本石油燃焼機器保守協
を行い始める。こうした呼びかけは、6月下
会と毎年懇談会や懇話会の機会を持ち、意見
旬になると、新聞折り込みチラシなども加わ
22
特集 燃焼器具の事故を検証する
り、さらに頻繁となり、自店周辺への広告活
(3)一部の石油燃焼機器に対して、若年層
動が盛んに行われる。そして、使用者の関心
に「使い捨て感覚」が生じ、日常の手入れを
も次第に高まって来るのである。
行わず故障が発生しても修理せず、買い換え
しかし、使用者の関心は現在でも整備料金
るという実態がある。この底流には、家電量
の高安に集中する傾向があり、組合としては
販店などで販売される超格安品、修理して使
点検整備の質や内容にも目を向けて欲しいと
うという風潮からかけ離れた価格体系の存在
何時も願っている。石油燃焼機器の高性能化
を無視することはできない。
や高機能化が進んでいる現状や、しっかりと
(4)公立学校や幼稚園、会館等々に設置さ
したアフターケアにメンテナンス、保証と補
れている石油燃焼機器の点検整備予算の減額
償の問題など表面に現れ出ないトータル的な
が各市町村で公然と行われるなど、各自治体
料金体系をご理解願いたいということである。
等での予算縮小傾向にも強い影響を受けてい
点検整備の内容は、組合技術委員会が制定
ると考えられる。不特定多数の人達が使用す
した点検整備基準に従って各種燃焼機器に合
る石油暖房機器や給湯機器の点検整備が軽視
致した作業基準に基づいて作業が行われる。
されていることに懸念を感じる事業者も増え
この作業基準は一枚のパネルに示され、各組
ている。
合員の事業所に掲示されており、消費者が直
上述のように様々な事情があるにせよ、石
接目にすることもできる。道内各地に点在す
油燃焼機器には機器そのものの経時劣化があ
る組合員の事業所それぞれが、ほぼ均一化さ
り、付随部材の損傷劣化等に対しても事故防
れた点検整備の内容を保っているのである。
止、火災予防、機能・性能の維持などが必要
また、点検整備内容の実態については、隔年
である。今後も積極的に点検整備の必要性を
ごとに行われる、組合理事者が全ての事業所
強く訴え続けて行くのが、われわれ専業者の
を視察する「組合員さん訪問」という活動内
使命だと考えている。
でも確認されている。
最近の点検整備の年間実績は、残念ながら
5.点検整備の実例
微減の傾向にある。この原因については当組
合理事会でも検討・討議されているが、以下
(1)受け付け
の要因が浮かぶ。
通常は顧客からの電話で受け付ける。各事
(1)長引く北海道経済の低迷が家庭にも影
業所ともナンバーディスプレーの電話機が用
響し、安全、予防等に対する支出が低減さ
意され、なおかつパソコンの顧客データと連
れ、従前、2年に一度点検整備をしていた家
動して受信されるのである。従って、電話の
庭が3、4年に一度と変化した。
受信と同時に顧客の住所、氏名はもちろんの
(2)燃焼機器の性能向上が顕著に現れ、故
こと過去の修理歴、点検整備歴のほか、使用
障の頻度が少なくなったため、消費者はこれ
機器名、機種名、部品の交換履歴、その時々
を漫然と受け止め、点検整備の必要性を軽視
の料金内容等々が瞬時にディスプレーに表示
する傾向にある。
されて、受付業務をスムーズに進めることが
できる。
23
特集 燃焼器具の事故を検証する
この段階で大事なことはこの機種の製造年
条件等が記入され、作業に係わる事業所内の
度を知ることで、製造打ち切り後何年経過し
各部署に確実に伝えられるよう配慮がされて
ているかを知ることである。なぜなら、安全
いる。
確保に不可欠な機能部品、一部の消耗部品の
在庫や、製造メーカーでの部品供給が継続し
(3)点検整備の作業
ているか否かにもかかってくるからである。
ポット式床暖房内蔵型※石油ストーブ(空
例え、部品在庫や部品の供給が続いていたと
気清浄機付)を例として、以下で紹介する。
しても、修理料金や点検整備料金との関連も
※熱交換器で温水を作り、床下にその温水を通すパイ
プを張り巡らすシステム。
考慮しなければ、顧客の利益に結びつかない
結果が発生することになるからである。
引き取りをすませ、事務所に機器が持ち込
このような問題の発生を見越して、当組合
まれ、前項で触れた「商品預かり証」の「事
技術委員会では14年前から独自に石油燃焼機
業所控え」が抜き取られる。ここで「点検整
器全般に通用する「エラーコード表」を編さ
備記録薄」に顧客の住所、氏名、電話番号、
んし、各製造メーカーの製品について機種ご
製造メーカー、機種名、その他の必要事項が
とに製造年度を一覧表示した冊子が準備さ
記入されて工場に渡される。これが一種のカ
れ、すべての事業所や出張修理する際にも有
ルテとなって一連の作業か終了するまで搬入
効にも活用されて今日に至っている。
機器に添付されるのである。
工場内では、特に作業順序が指示されてい
(2)引き取り
ない場合は搬入された順序に従って実際の作
点検整備作業は各事業所の工場で行われる
業に取りかかる。
ため、顧客宅まで引き取りに行く。何年間か
まず、機器は次の順序で分解される。
使用された燃焼機器はそのほとんどが多量の
①外筐に取り付けられているガード類や空気
綿ほこりにまみれていたり、煙突にすすが付
清浄機などを取り外す。
着していたりしているので取り外しや移動に
②外筐本体を取り外す。
も慎重さが求められる。また、この際に気を
③燃焼筒、床暖房熱交換器、給排気関係部
つけなければならないのが使用環境の点検で
材、バーナーなどを取り外す。
ある。たこ足配線ではないか。煙突は確実に
④燃焼用送風機、送油経路、電装部品、その
固定されているか。周りに燃えやすいものは
他架台上の部品を取り外す。
ないか。機器の上部に物干し設備などが設置
以上の作業によって4つの部分に大別され
されていないか。送油経路に漏れやにじみは
次の工程に進む。
ないかなど、専門技術者としての目を光ら
①ガードの汚れを研磨し、空気清浄機をさら
せ、使用者に対する啓発や注意も忘れずに
に分解、全体を清掃する。
行っている。
②外筐を分解。洗剤を使用して水洗いし、乾
引き取り業務に際しては「商品預かり証」
燥する。
が発給され、機器の不具合箇所、症状などの
③燃焼筒内面に付着したすすを取り除いたの
ほか、仕上がり予定日、予定金額、その他の
24
特集 燃焼器具の事故を検証する
ち、外面の汚れやさびは全面研磨して耐熱塗
が、騒音の発生や機能・操作に問題が発見さ
装仕上げを施す。床暖房熱交換器も燃焼筒と
れた場合は、この段階で原因究明と問題解決
同様の作業を行うが、自体の漏えい検査や回
が図られる。
路の詰まりの有無の検査が不可欠である。
バーナー部は予混合式燃焼方式が主流とな
り、付随する重要部品の点数が増えたうえ、
交換するパッキン類の数も多種類となったた
め、作業は慎重を期す箇所である。付随する
燃焼リングの焼損や変形が検査され、使用に
耐えないと判断される場合には部品交換が行
われる。
④燃焼用送風機周辺には微細な綿ほこりが多
量に堆積しているのが常で、本体内部のファ
点検整備の作業は、組合に加盟する各事業所の工場で行われる
ンはもちろんのこと、風導内部の清掃を忘れ
ずに行う。外筐部、機器全面の操作部などに
以上の経過を経ていよいよ「点検整備作業
収容されている電装部品(主に電装基板)の
の完了」となるが、当組合では先にも記述し
ほこりの除去と共に、コネクタ部の接続や場合
た通り、瑕疵担保責任として1台ごとに損害
によっては基板の裏面にも目を向け、「はんだ
賠償責任保険※を付けている。この証として
クラック」の発見やその修理作業も行う。
点検整備を済ませた機器には、「実施年度と
概略記載した順序や内容で、作業は進行
点検整備済」を示すステッカーが張り付けさ
し、次に組み付け作業に入る。この作業の行
れる。また、使用者に対する啓発や注意喚起
程は先に記述した「分解」の逆の行程をたど
を呼びかける意味から「点校整備を終えて」
ることになるが、どの単体部品の取り付けに
と題した印刷物も1台ごとに添付している。
も精度と確実性が求められる。特に、送油経
これらの最終作業を終えてビニール袋で包
路では「漏れ」の絶無に万全を期し、電装部
装し、点検整備記録簿への料金の記載、交換
品では誤配線に対しても一層慎重な作業が要
した古い部品などが整った段階で工場内での
求される。また、燃焼筒部、床暖房熟交換
一連の作業が終了するのである。
器、給排気関係部、バーナー部の組み付けに
この後は、顧客に納入日時や料金を明示
あたって各接合部分に使用されるパッキン
し、その他の連絡事項を経て顧客宅に機器が
を、全て新しい補修部品に交換し、気密保持を
納入されるのを待つこととなる。
確実に行い、「排気漏れ」の絶無を確保する。
なお、整備料金は各地域の事業所によりそ
このようにしてすべての作業を終えたス
れぞれ異なるが、FF式石油暖房機は1万
トーブは1台ごとに「燃焼テスト」が行わ
9500円∼、上記のような床暖房内蔵型石油暖
れ、実際に点火、燃焼させながら点検整備記
房機は2万8000円∼など、となる(いずれも
録簿のチェック欄へ記入される。詳細は省く
札幌市内の事業所の場合)。
か し
25
特集 燃焼器具の事故を検証する
また、製品の不具合などが見つかった場合
点検整備の依頼を受け、機器の引き取りに
には、組合理事会で状況を報告し、資料や
行くが機器を取り外すことができない。
データを持ち寄って事実確認を行い、まず組
通常、FF式温風暖房機の裏に給排気筒が
合内部で「技術情報」として各組合員に伝達
あるが、この依頼品の裏には道具はおろか手
することを常としている。これら「不具合」
を入れる隙間さえない。機器に添え付けられ
が確認された事例は、次年度の関係団体訪問
た「設置工事作業指示書」に明示されている
の際に、いくつかの関係機関と合同で行う懇
空間距離が無視され、裏側をのぞいて見るこ
談会や懇話会で問題を提起し、話し合いを進
ともできない状態である。住宅を新築した際
めているのが現状である。製造メーカーから
に、給排気筒などが先に取り付けられ、それ
提供された「改良部品交換の依頼」や「改善
から内装材で機器の周辺部が作られ仕上げら
情報」などに関しても、組合員である各事業
れたようだ。ハウスメーカーの協力のもと、
所に迅速に伝達を行っている。
周辺部を取り壊し「設置工事作業指示書」に
基いて機器の設置をし直すこととなった。
※北海道石油燃焼機器整備業組合の年間整備修理台数
は約6万台あり、事業所ごとに「損害賠償責任保険(支
払限度額一事故対人6億円、対物6億円の自動復帰)」
の契約を行っている。
ケース3:使用中に突然消火してしまう
使用10年目の壁置き型(煙突排気)ストー
ブが、使用中に突然消火する。1∼2時間後
6.点検整備のさまざまな事例
に、再点火すると燃焼するが、同様の症状が
ケース1:使用中にひどい臭いとすすが発生
度々発生するので点検してほしいとの依頼が
知人から譲り受けた中央設置ストーブ(煙
入る。
突排気)を使用すると、ひどい臭いがし、部
燃焼テストをしても、依頼者の言う症状は
屋がすすけてきた、とのことで点検整備を依
現れない。拡大鏡を使用して、制御基板や操
頼される。
作基板を点検すると、電磁ポンプのコネク
引き取りをすませ、工場で分解するとス
ターに「はんだクラック」を発見する。消火
トーブ内部には、これ以上堆積できないであ
の原因はこの「はんだクラック」で、燃焼中
ろうほどの大量のすす。煙突も「わずかに向
に灯油供給用の電磁ポンプの制御が止まった
こうが見える」ほどのすす詰まりである。す
ことによって発生したものであった。この現
すをかき落とし、更に調べるとバーナー内に
象は寒い朝などに発生することが多く、長年
本来あるべきはずの燃焼リングがない。その
使用した機器のビニール配線が経年劣化で硬
ため不完全燃焼を起こし、大量のすすが発生
化した場合に収縮するため、コネクタ部に無
したようである。すすをきれいに取り除き、
理な力が繰り返しかかることによって発生し
燃焼リングを取り付けると排気臭のないス
たものと考えられる。
トーブとなった。
上記は、実際に組合で取り扱った、興味深
ケース2:指示書どおりに設置されておら
い事例である。
ず、機器の取りはずしができない
ところで、通常、ストーブにはどのくらい
26
特集 燃焼器具の事故を検証する
の数のパッキンが使用されているかご存知だ
ろうか。各メーカー、各機種によって異なる
が、一般的な壁置き型のFF式(密閉式)幅
射タイプのストーブでは、20数枚程度のパッ
キンが使われている。これらは使用される箇
所によって重要な使命を担っており、経年劣
化や焼損劣化が起きれば排気漏れが生じた
り、送油経路であれば灯油漏れの発生に繋が
り、二次災害が起こりかねない。点検整備や
隙間もないほどに堆積した、送風機内部のほこり
出張修理の際に、パッキンが使用された部分
を一旦分解したり、部品の取り替えを行うと
パッキンは破損するのが常である。破損する
原因の多くはパッキンの柔軟性に起因するた
め、われわれ組合で制定する「点検整備基
準」では、純正の補修部品への交換を原則と
している。
また、FF式(密閉式)石油ストーブに使
用される排気筒継ぎ手(接続部材)のOリン
グにも特別の注意を忘れてはいけない。この部
品も経年劣化や熱の影響によって「排気漏
れ」が起こり、一酸化炭素漏れが生じたり、
長期間の使用により、焼損や変形が見られる燃焼リング
軽い室内汚染に繋がることがあるからである。
北海道は寒冷積雪地にあり、ますます高気密
化、高断熱化の住宅が増える状況があることか
ら、点検整備をするにあたり、これら細かな部
品にも注視することは重要なことである。
床暖熱交換機の不良による、循環用不凍液のもれ
27
特集 燃焼器具の事故を検証する
7.まとめ
北海道石油燃焼機器整備業組合は紆余曲折
を経て、今年で結成34年を迎える技術者組織
であるが、この間、多くの関係各位から様々
な形のご支援、ご指導やご鞭撻を賜り、お陰
様で大きな成長をさせていただいたと自負し
ている。また、多数の先達が苦労して築きあ
げた確固たる基盤を一層堅固なものへと継承
し、次の世代へ引き継ぐ使命も完遂しなけれ
ばならない。そのためにも、現状に満足する
ことなく次の段階を目指さなくてはならない
と考えている。 時あたかも、石油温風暖房機に起因する不
幸な人身事故発生の問題、追い打ちを掛ける
ように発生したガス湯沸器による一連の事故の
問題なども、対岸の火事として看過すことなく
貴重な教訓として捕らえなければならない。
われわれの日常業務は何よりも安全と迅速
が求められ、さらに、正確な判断と適切な処
理が要求されている。取り扱う石油燃焼機器
も広範囲にわたり、日常生活に欠かせない暖
房機器や給湯機器をはじめ融雪設備など多岐
に及ぶが、豊富な経験と深い技術力、最新の
知識と技能を持って一層の資質向上を目指し
努力していく覚悟である。
28
特集 燃焼器具の事故を検証する
石油燃焼機器の安全確保
について
財団法人 日本燃焼機器検査協会
理事
西舘 信一
だ温風が吹き出すのみで、燃料供給は自動制
1.石油燃焼機器の生い立ちと
製品安全
御されている。
また、住宅事情についても大きく様変わり
数年前欧州を旅行したが、仕事柄すぐ目に
している。障子やふすまが多く換気の必要性
入るのが暖房設備である。表面に美しい絵タ
についてあまり問題にならなかった日本家屋
イルを貼ったペチカ風のものや、豪華な大理
から、今では高層マンションに代表されるよ
石をあしらったもの、ホテル、事務所等多く
うな省エネタイプの高断熱、高気密住宅が標
の人が集まるところでは温水を利用したきれ
準となりつつある。このような事情から、便
いな色彩のラジエーター類やらが使用されて
利で快適なはずの暖房器具等が、いつの間に
いて、日本の暖房設備とは趣が異なり、いず
か極めて危険なものとなり、大きな事故につ
れも長い歴史を積み重ねて今に至った暖房文
ながるケースが特に最近頻発し始めた。
化であることをうかがえる。
ここで、石油燃焼機器の生い立ちについて
一方、日本の暖房文化と言えば、やはり代
少し触れておきたい。石油燃焼機器は、戦後
表的なものとして囲炉裏があげられる。しか
の石油統制解除にともなって急速に普及し始
し、現状では囲炉裏が使われているのはほん
めたが、それと同時に粗悪品が横行し、火災
のわずかで、文化遺産や昔ながらの農家等を
事故等が後を絶たなかった。そのため、これ
残すのみで一般的ではない。現在では石油、
ら火災事故を防止する目的で、日本工業規格
ガスまたは電気エネルギーを使用した暖房器
(以下、「JIS規格」という)に基づく石
具が大部分の家庭で使用され、ボタン一つで
油燃焼機器の品質、性能及び安全性等を確認
温風が吹き出す極めて便利なものとなり、囲
するための検査、認証機関として、昭和33年
炉裏しかない時代に比べれば、便利さ、快適
に官庁、業界団体、消費者団体等の支援、協
さは比較のしようもない。
力により通商産業省(現経済産業省)の許可
これらの歴史を振り返ると確かに現代の冬
を得て当協会は公益法人として設立された。
の生活は快適で便利になったものの、一方で
設立当初には「石油こんろ」のJIS規格
はそれと引き換えに目には見えない危険性も
による検査・認証から始め、以降「石油ス
大きくなったように思える。暖炉や囲炉裏の
トーブ」「ポット式石油ストーブ」等と順次
時代は人間が燃え盛る火を見て加減しながら
検査品目を拡大し、現在では機器としては約
薪をくべていたが、今では火さえ見えず、た
25品目を認証対象としている。この中には、
まき
29
特集 燃焼器具の事故を検証する
新規事業として2004年4月から認証を開始し
量法」等、16もの関係法令があり、この時代
た「木質系バイオマス燃焼機器 」、2005年
においては消費者の利益の擁護や権利を謳っ
7月からの「暖房用自然対流・放射型放熱器
た斬新な法律であったに違いない。しかし残
※2
」、2005年9月からの「固体高分子形燃料
念ながら現実には法律制定から30年以上経過
電池システム※3」の認証も含めている。なお
した今でも、痛ましい製品事故が後を絶たな
新規事業においては、長年にわたり培ってき
い。
た認証機関としてのノウハウを生かした製品
近年、国際化が急速に進み、国際規格と地
認証システムを構築している。
域別規格、国別規格等の相違について話題と
うた
※1
なることが多い。冒頭に暖房文化の違いにつ
※1 間伐材等の不要な廃材を、熱及び水蒸気を加え小さな
いて述べたが、地域あるいは国ごとの文化の
円筒状のペレット(直径6mm∼9mm、長さ10mm∼ 25mm)に加工し、それを燃料として使用する燃焼機器。
違いにかかわらず、人命、財産に関すること
※2 金属製等の配管部分に温水を通し、配管等部分からの
は、万国共通事項であり、安全サイドに規格
自然放熱を暖房用の熱として利用するもの。パネルヒー
を制定することは消費者保護につながること
ター、ラジエーター、コンベクター等がある。
※3 燃料及び酸化剤が外部から連続的に供給され、電解質
となる。国内事情や緩やかな規格としたこと
に固体の陽子交換膜を用いて電気化学反応によって連続
により事故が発生したならば、規格が事故を
的に発電する装置。
誘引したことにつながりかねない。
当協会は石油燃焼機器等のJIS規格原案
2.安全確保のためのJIS規格等
を作成しているが、JIS規格に至る前の製
昭和30年代の当協会が発足した頃、危険性
品規格として当協会独自の検査基準も作成し
のある消費生活用製品に対して、JIS規格
ている。これらJIS規格原案等作成につい
を制定しその規格に適合した製品を製造、販
ての基本的スタンスは、JIS規格原案等が
売することが、消費者の人命、財産の安全確
単に学識経験者、製造事業者、消費者団体、
保に有効な手段であることを誰しもが認識
認証機関等の妥協の産物とならないよう心が
し、そして現在でもその認識は大きく変わっ
けており、内容について議論する場合は各種
ていないものと思う。
の試験結果を基に議論し作成している。
当協会設立当初の日本の経済及び社会情勢
またJIS規格原案等の作成委員について
といえば、戦後の混乱期から徐々に改善の方
は、自己の良心に従って真実のみを語り、公
向に向かいつつあり、昭和39年には東京オリ
平、中立、幅広い見識と専門的知識に基づ
ンピックが開催され、昭和43年には一気に日
き、建設的な意見を述べることが出来る資質
本が資本主義国でGNP(国民総生産)世界
が必要とされていて、所属する会社あるいは
第2位となったのである。そして、その同じ
業界の利害代弁者であってはならない。また
年の5月には「消費者基本法」が制定されて
委員会における各委員の意見は多様性が求め
いる。
られており、相互の意見が食い違ったとして
「消費者基本法」の関係法令としては「薬
も異なる意見の委員に対する尊敬と敬意を払
事法」「食品衛生法」「工業標準化法」「計
うことも忘れて欲しくない事柄である。これ
30
特集 燃焼器具の事故を検証する
らのことが委員会そのものの存在意義や価値
(5)クレーム情報、故障・修理情報等を分
を高め、そしてより良い製品へと進化を遂げ
析評価し、重大事故の未然防止に役立てると
安全で明るい明日の社会を建設することにも
ともに、より良い製品開発につなげる。
つながるものと思う。強いては長い年月の後
(6)点検、修理ミスが重大事故となった例
に業界全体、所属する地域、会社等に少なから
があり、修理等技術者の教育・訓練を充実さ
ず繁栄をもたらす源となるものと確信してい
せる。
る。
(7)業界全体として安全確保のため販売後
の製品に対する定期点検制度を構築する。
(8)他の製品事故例を参考とし、自社製品
3.製造業者における安全確保
の改善に努める。
石油燃焼機器はガス機器と異なり、製品に
関しての法律による規制はない。しかし燃料
4.消費者における安全確保
である灯油は主として炭素と水素から成る液
体であり、これをガス状にする。これは都市
「消費者基本法」は、関係法令と連携し消
ガスやLPガスと何ら変わるものではない。
費者の利益擁護や権利を謳っているが、現実
従って、石油燃焼機器もガス機器も基本的に
には「マンション強度偽装事件」「エレベー
は同じであり、いかにライフエンド(製品寿
ターの事故」「プール事故」「石油ストーブ
命)まで消費者に製品を安全に使用してもら
事故」「ガス機器の事故」等の事件や事故が
うかが重要である。
多発している。
そのため次のことを提言したい。
そのため消費者には次のことを提言した
(1)JIS規格または検査基準で規定する
い。
安全基準は、消費者が製品を安全に使用する
(1)商品を購入する場合は、価格一辺倒で
ために必要不可欠なものであることを認識し
はなく目に見えない部分の安全性、信頼性、
た上で、製品を開発する。
アフターケア、点検のしやすさ、耐久性等も
(2)安全に係わる事項は、企業にとって最
含めて検討して購入する意識を持ってもら
重要課題であり、製造コストに当然上乗せさ
う。
れるべきものである。価格競争におけるコス
(2)故障等により重大な事故に直結するよ
ト削減対象とすべき性質のものではない。
うな製品については、購入時からおおよその
(3)消費者の製品購入時について、価格の
耐用年数を知っておく必要がある。
みではなく安全性、信頼性、品質性能、アフ
(3)購入時には販売業者から、取り扱い上
ターサービス等についても選択要因であるこ
の注意事項や取扱説明書の概要説明を受け、
とを、消費者に積極的にPRする。
購入後も必要に応じて取扱説明書を読む習慣
(4)販売後の製品リコールや、万が一の事
をつけるよう心がける。
故に備え、顧客管理情報を整備し、日頃から
(4)故障時は必ず取扱説明書を読み、手に
リスクマネージメントを心掛けておく。
負えない場合は専門業者に修理依頼する。
31
特集 燃焼器具の事故を検証する
(5)故障等により重大な事故に直結する恐
行っている。
れのある製品については定期点検が必要であ
(1)規格・基準の中で安全にかかわる事項
り、あらかじめ点検依頼業者リストを作成し
については、慎重に対応することとしてい
ておく。
る。
(2)独立行政法人製品評価技術基盤機構
5.認証機関としての安全確保
のための取り組み
(以下、「NITE」という)が開催する、
当協会は、公平、中立な立場でJIS規格
ワーキング」に参加し、事故情報の収集に努
等に基づき試験を行い、製品の安全性等を確
め必要と思われるものは規格等に反映させる
認している第三者認証機関である。そして製
よう心掛けている。
品認証に関する仕組みはJIS Q 0065 (製
(3)NITEが取りまとめている「事故原
品認証機関に対する一般要求事項)に基づい
因究明機関ネットワーク」の一員として、他
て、また試験の精度の維持・管理に関する仕
機関との連携強化に努め、事故発生時には的
組みはJIS Q 17025(試験所及び校正機関
確な情報が得られるよう努めている。
の能力に関する一般要求事項)に、それぞれ
(4)事故原因究明機関として、事故原因究
基づき構築し、運用している。
明に必要と思われる能力の向上を図るため、
ここ数年の当協会を取り巻く環境は誠に厳
常に技術力の向上と測定試験設備等の維持・
しいものがあり、当協会の主要事業である石
向上に努めている。
油燃焼機器の認証数量は、昭和5 3 年 度 の
(5)協会内部に「事故・苦情受付窓口」を
1,029万3,000台をピークにその後減少傾向を続
設け、警察・消防を含む公的機関、消費者等
け、平成7年度には982万6,000台となったもの
からの事故・苦情に関する問合せ等に積極的
の、昨年度は616万6,000台まで落ち込んだ。
に対応し、協会外からの情報入手に努めてい
これは最盛期の約4割も減少していることと
る。
なる。
(6)JIS規格と海外規格との安全性に関
地球温暖化防止や政府のエネルギー政策と
する規定の相違点を比較し、改正時の参考と
して脱石油が叫ばれ、また原油高、石油燃焼
している。
各種の製品事故を分析する「機械技術解析
機器の事故、家電メーカーの石油燃焼機器業
6.事故の教訓と安全確保
界からの撤退等が、業界全体にとってボ
ディーブローのように効いてきており、この
事故が起きた場合、当事者あるいは関係者
傾向は今後も続くものと思われる。しかしエ
は概ね自己保身に走りがちとなる。
ネルギー転換は急激に進むわけではなく、石
そのため航空機事故や船舶事故等において
油燃焼機器は依然として北海道、東北のよう
は、再発防止のために事故原因を速やかに突
な寒冷地では生活必需品としての役割を担っ
き止めることを第一優先とする。場合によっ
ている。従って当協会としては今まで以上に
ては安全が確認されるまで一時的に運行を停
安全確保を図るため、次のような取り組みを
止したり、安全点検後に運行を再開すると
32
特集 燃焼器具の事故を検証する
いった措置がとられる。
本件について、当協会は受託事業として、
次に事故原因調査については、事故関係当
事故の原因究明をNITEの下で行うことと
事者ではない第三者的立場の専門的知識、識
なった。調査結果等については誌面の関係
見を持った事故調査の専門家数人が事故調査
上、割愛させていただくが、要するに使用後
委員となり調査し、その結果を報告書にまと
15年以上も経過したことによる、ゴム製2次
め、二度と同じ事故が起きないような方策を
エアホースの経年劣化が主原因という結論と
立てるのである。
なった。 このことが事故により、得られた貴重な教
最近相次いで発生した消費生活用製品事故
訓を生かすこととなる。そしてすべてが明ら
では、販売した製品の回収命令が出された
かとなった後に、事故関係者の刑事、民事等
が、いずれも回収は困難を極め膨大な時間と
の社会的責任が問われ、社会のルールによっ
労力を費やしている。
て懲罰が科せられるのである。
要するに、これら事故から得られた教訓と
従って最初から事故関係当事者が事故原因
して、次のことを要約できる。
調査委員となったならば、先に社会的懲罰を
①事故情報の早期入手
予見し、それを免れるために事故原因の結論
②速やかな原因究明と再発防止策の策定
を歪曲しかねないこととなり、このことは事
③場合により製品の回収
故の再発防止にはつながらず、失われた貴重
④顧客管理情報の活用
な人命や、財産の損失に代えて得られた教訓
⑤定期点検制度等の構築
を生かすことが出来なくなる。さらに事故の
まとめ
原因調査は、事故発生から早ければ早いほど
原因究明がしやすい。
ここ数年、「マンション強度偽装事件」
最近の製品事故例で明らかになったことで
「エレベーター事故」「プール事故」等のよ
あるが、以前から製造業者は事故の発生を
うな想像も出来ないような事件、事故が多発
知っていて、事前に知りながら事故の再発防
した。
止策を打っていなかったことが報道された。
昨年はFF式石油温風暖房機、今年はガス
そのため製品の事故発生報告を法律により義
瞬間湯沸器の事故が多発し、消費生活用製品
務付ける旨の法律改正が行われるらしい。
安全法に基づく製品回収命令が発動された。
このように当事者となれば、社会的懲罰ま
石油燃焼機器等の安全確保のために長年尽力
たは経済的損失を予見し、それを回避するた
してきた当協会にとって、このような事故が
めの方策を巡らせてしまい、結果として自縄
起きたことは誠に残念である。
自縛に陥る恐れがある。
これら事故製品の製造企業にとって、製品
昨年の冬に、不幸にもFF式石油温風暖房
の回収費用や事故被害者に対する補償費用等
機による一酸化炭素中毒で死亡事故が頻発
を考えると膨大な費用負担となることが予想
し、「消費生活用製品安全法」に基づく製品
され、企業存続のための財政的基盤を存続・
回収命令が初めて発動された。
維持できなくなる恐れが出てくる。また死亡
33
特集 燃焼器具の事故を検証する
事故や被災者に重大な後遺症等が出た場合に
は、当該企業の社員にとって、財政的なこと
以上に精神的な重圧がのし掛かることとな
る。
以上のように、企業経営にとって、製品の
安全確保は経営の根幹にかかわる最重要課題
であることを、声を大にして申し上げたい。
財団法人日本燃焼機器検査協会は、国民生
活の安全のため厳しい経済、社会情勢の中で
も公益性を求められている。そのため常に公
正、中立な第三者製品認証機関として、全力
をもって日夜懸命な努力を積み重ねているこ
とを是非ご理解いただきたい。
皆様の温かいご支援とご協力を心からお願
い申し上げる次第である。
34
特集 燃焼器具の事故を検証する
家庭用ガス警報器の普及実態と
進む安全対策
ガス警報器工業会
技術委員長
松原 義幸
年にLPガス714件、都市ガス132件だったも
ガス警報器の歴史
のが、ガス警報器の普及と共に減少し、2004
1964年に世界初の家庭用ガス警報器が日本
年にはLPガス105件、都市ガス46件と大き
で開発されてから、40年近くが経過し、生産
く減少している。また、LPガス警報器の普
台数の累計はLPガス用で約8,300万台、都市
及率が一時100%近く普及しながら最近は
ガス用で約4,300万台合わせて1億2,000万台以
80%程度に下がっている。要因には、警報器
上にも達している。現在、一般家庭での普及
の5年間の有効期限切れ後の更新が進んでい
率は、LPガス需要家件数約2,650万世帯の約
ないことがあげられる。
80%、都市ガス需要家件数約2,570万世帯の約
家庭用ガス警報器は世界で初めて登場した
40%となっている。
商品でもあり、発売当初は産業用にはあった
一方、表1を見ると、ガス事故件数は1981
性能基準が家庭用にはなく、ガスを検知する
99.1(96.9.30)
82.9(04.9.30)
80.5(02.9.30)
40.7
40.0
%
図1 ガス警報器の普及率と事故件数
35
特集 燃焼器具の事故を検証する
感度を高くすると誤報が多くなり、抑えすぎ
1.一体型警報器(外部信号端子無し)
ると警報が遅くなるなどの問題が起こってい
可燃性ガスのみを検知する警報器であり、
た。また、取り付け後は、産業用のように定
使用するガスの種類により都市ガス用とLP
期的なメンテナンスを行わないノーメンテナ
ガス用がある。都市ガス用は検知対象ガスが
ンスが前提であったため、ガス警報器の設置
メタンを主成分とする天然ガス、あるいは水
位置をどこにするかも重要となり、性能基準
素、メタン、ブタンなどが含まれる製造ガス
と共に設置基準の検討も必要であった。そこ
があり、一般的には空気より軽く警報器は天
で、まず市販化の早かったLPガス警報器か
井付近に取り付けられる。LPガス用は主成
ら、性能基準の制定とその確認手段として
分がプロパン、ブタンであるため、比重は空
1970年に高圧ガス保安協会の自主検定がス
気より重く、警報器は床面近くに取り付けら
タート。1975年には改良された新検定がス
れる。ただし、都市ガス用においてもブタン
タートし、使用者から信頼される警報器への
成分が多いガスでは空気より重く、その場合
取り組みが進んだ。
はLPガス用と同じく床面近くに取り付けら
都市ガス用では1976年2月に社団法人日本
れる。外部信号端子の無い一体型警報器は、
ガス協会でガス警報器の調査研究が始まり、
主にLPガス用で普及している。
その年の5月には都市ガス用警報器の性能基
準案が作成された。それを受けて、1980年1
月に財団法人日本ガス機器検査協会による自
主検定制度がスタートし、同年6月に全国都
A
市ガス事業者から都市ガス警報器の販売が開
始された。現在国内で生産されているガス警
B
写真1 一体型警報器(外部信号端子無し)
報器は全て、LPガス用は高圧ガス保安協会
の検定合格品、都市ガス用は財団法人日本ガ
2.一体型警報器(外部信号端子付き)
ス機器検査協会の検定合格品となっており、
前述の一体型警報器に、ガス漏れ時に信号
ガス警報器の有効期限(保証期間)である5
を出力する機能を追加したもので、警報器を
年間を通してその性能及び安全性は十分担保
ガスメーターと接続することによりガス漏れ
できる品質となっている。
時にガスを自動的に遮断したり、インターホ
ン等のシステムに接続することによりイン
ガス警報器の種類
ターホンからガス漏れ警報を発したり、マン
ガス警報器には前述のLPガス用と都市ガ
ションなどの集合住宅では管理人室にある防
ス用があるが、現在主流で普及しているもの
はその付属機能により、大きくは次の4種類
に分類される。なお、全てのガス警報器にお
いて警報方式はランプ表示とブザー、もしく
A
は音声による。
B
写真2 一体型警報器(外部信号端子付き)
36
特集 燃焼器具の事故を検証する
災用集中監視盤にガス漏れ警報信号を送った
1999年の発売以来、既に約450万台の生産実
りすることができる。
績がある。消防法改正の影響もあり、出荷
ベースで見ると住宅用火災・複合型警報器の
3.複合型警報器
都市ガス警報器全体に占める割合は、一昨年
(ガス漏れ警報器+不完全燃焼警報器)
度約35%、昨年度約44%、今年度(4月∼7
ガス警報器やその他の安全機器の普及に伴
月)約52%と年々増加し半数以上を占めるま
い、ガス漏れ事故は減少してきたが、住宅の
でになっている。火災の検知方式として熱式
高気密化によりガス器具の不完全燃焼による
と煙式があるが、ガス警報器は台所に設置さ
一酸化炭素(以下、「CO」という)中毒は
れることから煙式は調理の煙で反応する場合
逆に増える傾向にある。そこで、ガス器具の
を考慮し、現在までは熱式が主流となってい
不完全燃焼時に発生するCOガスを検知する
る。現時点では、都市ガス用で普及してお
機能をガス漏れ警報器に追加したものが複合
り、前述の複合型警報器と合わせて不完全燃
型警報器であり、現在都市ガスにおいては広
焼警報機能を併せ持つ警報器は、都市ガス警
く普及している。しかし、LPガスは空気よ
報器出荷の80%以上を占めるまでになってい
り重く、警報器を一体型にできないため、L
るが、LPガス用は複合型警報器と同じ理由
Pガス用としてはほとんど普及していない。
で普及が進んでいない。
A
B
A
写真3 複合型警報器
(ガス漏れ警報器+不完全燃焼警報器)
B
写真4 住宅用火災・複合型警報器
(ガス漏れ警報器+不完全燃焼警報器+火災警報器)
4.住宅用火災・複合型警報器
ガス警報器のしくみ
(ガス漏れ警報器+不完全燃焼警報器
+火災警報器)
基本的には、図1のようにガス検知部、制
火災事故を減少させる方策の一つとして、
御部、警報信号発生部の3つのブロックで構
一般住宅に普及が進んでいるガス警報器に火
成されている。ガス検知部はガスセンサーと
災検知機能を追加したものが、住宅用火災・
センサー駆動回路、温度補償回路などで構成
複合型警報器である。本年6月より改正消防
されている。
法が施行され、一般住宅にも火災警報器の設
ガス検知部
置が義務づけられたが、その先駆けとして、
制御部
警報信号発生部
図1 ガス警報器ブロック図
37
特集 燃焼器具の事故を検証する
家庭用ガス警報器に使用されるガスセン
れた場合の室内のガス濃度変化のグラフで、
サーは半導体式と接触燃焼式があり、ガスを
室内のガス濃度が爆発する濃度に達するより
検知するとその電気抵抗が変化する性質を利
もかなり早くにガス警報器は警報を発するこ
用し、ブリッジ回路に組み込むことで電気信
とがわかる。
号に変換している。
また、複合型警報器が不完全燃焼を検知し
た時に警報を発するCOガス濃度は、都市ガ
スは財団法人日本ガス機器検査協会の都市ガ
ガス
センサー
ス用ガス漏れ警報器検査規程、LPガス用は
センサー
出力
高圧ガス保安協会の液化石油ガス用不完全燃
焼警報器検定規程に定められており、都市ガ
スの場合COガス濃度が0.055%以下で5分以
図2 ガスセンサー出力回路
内に警報することとなっている。COガスが
制御部はセンサー検知部からきた信号を処
人体に与える影響は以下の通りである。
理し、ガス漏れ時には警報信号発生部への信
表2 COガスが人体に与える影響
号や外部に発信する信号出力等を制御する。
CO濃度%
警報信号発生部は、制御部からの信号を受け取
0.01%
0.02%
0.04∼0.05%
0.08∼0.10%
0.15∼0.20%
0.40%以上
り、警報音や音声を発する等の作業を行う。
ガス警報器がガス漏れ警報を発するガス濃
度は、都市ガスの場合はガス事業法、LPガ
人体の症状
数時間の吸引後でも目立った作用はない。
0.5時間後には軽度の頭痛を起こす。
1時間後に頭痛、吐き気、耳鳴りを起こす。
1∼1.5時間後に意識を失う。
0.1∼1時間で頭痛、吐き気が激しくなり、意識を失う。
短時間でも吸引すれば生命が危険になる。
出展:LPガス安全委員会
スの場合は液化石油ガスの保安の確保及び取
引の適正化に関する法律で爆発下限界濃度の
ガス警報器の安全対策
1/4以下で警報することと定められてい
る。都市ガスの爆発下限界濃度は5%のた
ガス警報器は、前述のようにLPガス用は
め、その1/4の1.25%以下でガス警報器は
高圧ガス保安協会の液化石油ガス用ガス漏れ
警報を発する。同じくLPガスの場合は爆発
警報器検定規程、都市ガス用は財団法人日本
下限界濃度が2%のため、0.5%以下の濃度で
ガス機器検査協会の都市ガス用ガス漏れ警報
警報する。図3は、広さ6畳のキッチンを閉
器検査規程に則り、それぞれの3年ごとに更
めきった状態で、0.27m3/hrの都市ガスが漏
新される型式ごとの型式検査と、量産時に全
数個別検査を受検し合格したものであり、そ
の性能や安全性は担保されている。しかしな
がら、ガス警報器は保安機器として高い信頼
性が求められるうえ、性能保証期間(有効期
限)が5年と一般家電製品に比べて長いこと
から、機器のさらなる信頼性の向上を常に要
求されてきた。ここにきて、一部の機種にお
図3 都市ガスが漏れたときの室内のガス濃度変化
38
特集 燃焼器具の事故を検証する
いて、機器の製造番号から、製造履歴や使用
保険特約に加入しているが、幸いなことに現
部品の製造番号等が特定できるトレーサビリ
在までに保険を使用した事例は発生していな
ティーシステムや、機器の異常を常時監視す
い。
る自己診断機能を搭載した警報器が発売され
ている。
終わりに
トレーサビリティーシステムは、ガス警報
器製造会社と販売事業者が協力し、製造段階
ガス警報器をはじめ安全機器の普及により
から各個を識別できるIDを付け、製造から販
ガス漏れ事故は大きく減少したが、ここ数年
売までの各段階における詳細情報をサーバー
はガス警報器の普及率の停滞と共にガス事故
に蓄積することで、IDを元に製造履歴から設
件数も横ばい状態で、住宅の高気密化に伴う
置先まで追跡検索できるシステムで、製造段
CO中毒事故も減ることがない状況から、住
階で万が一のトラブルが発生しても一台単位
宅用火災警報器の設置義務化とも合わせて今
の特定が出来ることから、その影響を最小限
後ますますガス警報器は安全機器としての役
に抑えることが可能になる。
割が増すと考えられる。
自己診断機能は、常にガス漏れや不完全燃
ガス警報器工業会は、今後ガス事故ゼロ、
焼等を監視しながらも、その動作状況は一般
火災による死者減少を目指し、ガス警報器の
的には通電ランプの点灯でしか確認が出来
普及促進と共に技術水準の向上と品質管理体
ず、また定期的な点検等が望めない家庭用ガ
制の充実を図っていく所存である。
ス警報器としては非常に有用な機能で、ガス
警報器の心臓部であるガスセンサーや、内部
回路の異常を常時監視し、異常があった場合
に知らせる機能である。前述の複合型警報器
(写真3のB)や住宅用火災・複合型警報器
(写真4のA、B)にその機能がある。ま
た、一般的に内部回路の異常検知は正常電圧
値を逸脱した時に異常と判断するが、そこに
至る前に正常値と異常値を繰り返すことがあ
る。複合型警報器(写真3のB)や住宅用火
災・複合型警報器(写真4のA)では、特に
その繰り返しを異常の予兆と判断し、異常が
起こる前に知らせる自己診断機能を備えてい
る。
また、万が一の事故のために、ガス警報器
工業会では、会員会社の製造する全てのガス
警報器に対して、1979年より生産物賠償責任
39
NITE安全の視点
平成17年度事故情報収集結果
による事故動向
生活安全ジャーナル編集事務局
平成17年度(平成17年4月∼平成18年3
平成17年度における事故情報の情報源別収
月)に収集された事故情報の収集状況、平成
集件数は、新聞情報等による収集が最も多
17年度に調査が終了し公表された事故情報
く、収集件数全体の約65%を占めている。情
(平成18年6月15日現在)に関する調査内
報源別の収集件数割合では、製造事業者等か
容、その調査結果を分析、事故動向等につい
らの通知が全体の約19%を占め、最も多く
て取りまとめた。
なっている。消防機関を含む自治体からの通
知が次に多く、全体の約7%、消費生活セン
ターからの通知が約5%となっており、これ
1.事故情報収集結果とその動向
らからの通知によって新聞以外の事故情報の
(1)事故情報の通知者別収集件数
ほとんどが収集されている。消費者から直接
通知される事故情報は、収集される事故情報
事故情報の年度別情報源別収集件数及び収
全体の1.4%に留まっている。
集件数割合を表1及び図1に示す。
最近3年間の情報源別事故情報収集件数の
表1 年度別情報源別事故情報収集件数
推移をみると、毎年収集される事故情報が増
平成17年度
える中で、平成17年度、製造事業者等からの
情報源
件数及び割合
製造事業者等
575件
19.4%
通知が前年度比約47%(509件)減少する一
自治体(消防機関含む)
194件
6.6%
方、新聞等からの収集件数が前年度比約55%
消費生活センター等
136件
4.6%
国の機関
46件
1.6%
(679件)増加した。
消費者
41件
1.4%
製造事業者等からの通知については、平成
44件
1.5%
16年度、特定の事業者から特定の製品におい
小 計
1,036件
35.1%
新聞情報等
1,916件
64.9%
て多発した事故情報が多数通知されたことか
合 計
2,952件 100.0%
その他
平成17年度
1916
平成16年度
44
1237
81 140 102122
32
0
新聞等
500
その他
1000
消費者
国の機関
575
46
1084
105 111
56 48 80
1074
平成15年度
136 194
41
573
1500
2000
消費生活センター
2500
自治体(消防機関含む)
図1 年度別、情報源別事故情報収集件数
41
3000
製造事業者等
3500
NITE安全の視点
(2) 事故情報の製品区分別収集件数
ら平成15年度に比べて大幅に増加したが、平成
17年度においては多発事故の通知が少なかっ
たために減少したと考えられ、通知件数は平
事故情報の年度別製品区分別収集件数及び
成15年度の件数とほぼ同じ件数となった。
収集件数割合を表2及び図3に示す。
新聞等からの事故情報収集件数について
平成17年度における製品区分別収集件数
は、毎年増加しており、平成17年度において
は、燃焼器具の事故情報件数が最も多く、収
は、特に従来から新聞による事故情報の収集
集した事故情報の約44%を占め、次に家庭用
件数が多かった東北地域において、さらに収
電気製品が約36%、乗物・乗物用品が約9%
集件数が増えたことに加え、関東地区の収集
の順になっている。
件数が大きく増えている(図2)。新聞情報
最近3年間の製品区分別事故情報収集件数
の収集については、全国で発生する製品事故
の推移をみると、平成16年度までは家庭用電
の収集体制の充実、強化を図ってきたことに
気製品の収集件数が最も多く、燃焼器具の収
加え、この2、3年、自動ドアによる死亡事
集件数が続く傾向となっていたが、平成17年
故、回転遊具の事故などが立て続けに発生
度は家庭用電気製品の収集件数を抜いて燃焼
し、社会全体で、安全、安心問題に関心が高
器具の収集件数が最も多くなった。
まってきた中にあって、さらに石油温風暖房
製品区分別事故情報収集件数を情報源別に
機による事故(平成17年11月消費生活用製品
みると、表3及び図4に示すように、家庭用
安全法第82条に基づく緊急命令が発動され
電気製品は、製造事業者等からの通知件数が
た)が大きく報じられたことや、平成17年12
多くなっており、家庭用電気製品の事故情報
月からの大雪による除雪機関連の事故等が増
件数の約4割を占めている。一方で燃焼器具
は、収集される事故情
加したことによるものと考えられる。
報のほとんどが新聞情
450
421
報からとなっており、
400
372
9割強を占めている。
350
300
これらのことから、平
284
269
成17年度において、燃
250
202
200
150
143
96
100
124
97
121
101
81
65
50
0
188
192
183
97
中部
北陸
近畿
平成17年度
合計1,916件
焼器具の収集件数が家
庭用電気製品の収集件
数を上回った原因は、
家庭用電気製品の事故
53
29 41
北海道 東北 北関東 関東
平成16年度
合計1,237件
中国
図2 年度別、地域別新聞情報等収集件数
四国 九州
通知が多く寄せられる
製造事業者等からの通
知件数が前年度比約
47%減少し、燃焼器具の事故情報が多く掲載
される新聞からの収集件数が増加したことに
42
00
NITE安全の視点
より燃焼器具の収集件数が前年度比約86%
(487件)増えたものと考えられる。
表2 年度別製品区分別事故情報収集件数
製品区分
平成15年度
平成16年度
平成17年度
件数及び割合
件数及び割合
件数及び割合
平成17年度
01 家庭用電気製品
03 燃焼器具
01 家庭用電気製品 625件 39.2% 944件 44.4% 860件 35.7%
02 台所・食卓用品
03 燃焼器具
24件
1.5%
24件
1.1%
23件
平成16年度
541件 33.9% 567件 26.7% 1,055件 43.7%
04 家具・住宅用品
65件
05 乗物・乗物用品
155件
06 身のまわり品
4.1%
77件
55件
2.6% 102件
4.2%
9.7% 326件 15.4% 204件
8.5%
4.8%
3.1%
95件
4.5%
75件
07 保健衛生用品
20件
1.3%
51件
2.4%
19件
0.8%
08 レジャー用品
29件
1.8%
39件
1.8%
61件
2.5%
09 乳幼児用品
49件
3.1%
19件
0.9%
6件
0.2%
10 繊維製品
9件
0.6%
4件
0.2%
8件
0.3%
11 その他
0件
0.0%
0件
0.0%
0件
0.0%
合 計
05 乗物・
乗物用品
1.0%
01 家庭用電気製品
03 燃焼器具
05 乗物・
乗物用品
平成15年度
01 家庭用電気製品
0%
20%
03 燃焼器具
40%
60%
80%
100%
図3 年度別製品区分別事故情報収集件数割合
1,594件 100.0% 2,124件 100.0% 2,413件 100.0%
※本表の件数は、調査の結果、重複情報や収集対象外
情報であることが判明したものを除いたものです。
表3 製品区分別事故情報収集件数 製造事業 自治体等 消費生活
国の機関 消費者
者等
(消防機関) センター
製品区分
[件]
その他
新聞等
合 計
1,055
425
133
59
12
19
1
406
02 台所・食卓用品
11
2
10
0
1
0
2
26
03 燃焼器具
24
31
16
31
3
1
1,193
1,299
04 家具・住宅用品
22
11
9
0
5
6
65
118
05 乗物・乗物用品
43
8
10
2
5
10
181
259
06 身のまわり品
29
5
14
0
3
13
20
84
07 保健衛生用品
0
1
3
0
1
2
15
22
08 レジャー用品
01 家庭用電気製品
20
3
11
1
3
3
33
74
09 乳幼児用品
1
0
2
0
1
3
0
7
10 繊維製品
0
0
2
0
0
5
1
8
575
194
136
46
41
44
1,916
2,952
合 計
01 家庭用電気製品
新聞等
406件
36%
その他 1件 消費者
19件 国の機関
12件
03 燃焼器具
製造事業者等 24件
自治体等 31件
消費生活センター 16件
国の機関 31件
消費者 3件 製造事業者等
425件
40%
その他 1件 新聞等
1193件
92%
自治体等
133件
消費生活センター
59件
図4 家庭用電気製品と燃焼器具の情報源別事故情報収集割合
43
NITE安全の視点
(3) 製品別事故情報収集件数
が収集される燃焼器具の情報が増え、「ガス
こんろ」「石油ストーブ」の収集件数が増加
平成15年度から平成17年度までの最近3年
したと考えられる。
間について事故情報の収集件数が多かった上
「電気ストーブ」に関する事故情報は、平
位10品目を表4に、平成17年度上位10品目の
成16年度に比べて約半分の収集件数となって
最近3年間の収集件数の推移を図5に示す。
いる。これは、平成16年度に多くみられた特
最近3年間の品目別収集件数をみると、平
定の事業者の製品不具合による事故の多発が
成15年度最も多かった「直流電源装置」の収
減少したためと考えられる。しかしながら、
集件数が毎年減少し、平成17年度においては
平成15年度の収集件数に比べると3倍強の収
45件と、平成15年度の163件と比べて大幅に
集件数となっており、新聞情報による事故情
減少している。これは、「直流電源装置」の
報の収集件数が増加したことが収集件数増加
事故情報の約9割を占める特定事業者の電気
の要因の1つと考えられる。
シェーバー用充電器による発火、発煙事故の
「四輪自動車」に関する事故情報は、全体
情報が減少していることによるものである。
の収集件数が増加することに伴って増加して
「ガスこんろ」「石油ストーブ」「電気ス
いるものの、事故情報収集件数に占める割合
トーブ」「四輪自動車」は毎年上位5品目に
に大きな変化は見られない。
入っており、平成17年度において、「ガスこ
上位10品目に「まきストーブ」「まきふろ
んろ」「石油ストーブ」の事故情報は、平成
がま」が新しく入っている。これは、「ガス
16年度に比べて約2倍の情報が収集されてい
こんろ」「石油ストーブ」と同様に新聞情報
る。これは、平成17年度における新聞情報の
による事故情報の収集件数が増加したことに
収集件数が大きく増加したことに伴って、図
よって収集件数が増えたことによるものと考
4で示したように新聞情報によって事故情報
えられる。
表4 年度別事故上位10品目
平成17年度
平成15年度
平成16年度
(事故情報収集件数1,594件)
(事故情報収集件数2,124件)
品目
件数 割合% 品 目
(事故情報収集件数2,413件)
件数 割合% 品 目
件数 割合%
直流電源装置
163 10.2 電気ストーブ
348 16.4 ガスこんろ
407 16.9
ガスこんろ
152
9.5 ガスこんろ
200
266 11.0
石油ストーブ
126
四輪自動車
電気ストーブ
小計
9.4 石油ストーブ
7.9 自転車
163
7.7 電気ストーブ
173
7.1
89
5.6 石油ストーブ
132
6.2 四輪自動車
120
5.0
50
3.1 四輪自転車
112
5.3 エアコン
50
2.1
580 36.3 小計
955 45.0 小計
1,016 42.1
簡易ガスライター
47
3.0 直流電源装置
65
3.1 まきストーブ
49
2.0
自転車
36
2.3 エアコン
63
2.9 配線器具(延長コード)
49
2.0
玩具
34
2.1 カラーテレビ
41
1.9 まきふろがま
46
2.0
屋内配線
29
1.8 簡易ガスライター
38
1.8 直流電源装置
45
1.9
配線器具(延長コード)
29
1.8 配線器具(延長コード) 38
1.8 石油ファンヒーター
44
1.8
44
1.8
小計
175 11.0 小計
245 11.5 小計
277 11.5
合計
755 47.3 合計
1,200 56.5 合計
1,293 53.6
44
NITE安全の視点
450
400
ガスこんろ
「家庭用電気製品」については、新聞
電気ストーブ
情報が増加したことに伴い、
「電気ストー
直流電流装置
350
ブ」による火災事故の情報が増加したこ
石油ストーブ
300
とによって人的被害の件数が増加したも
四輪自動車
エアコン
250
のと考えられる。
屋内配線
「燃焼器具」においても新聞情報によ
配線器具
200
(延長コード)
る事故情報の収集件数が増加したことに
テレビ
150
玩具
より、火災事故による人的被害件数が増
まきストーブ
100
50
まきふろがま
加したものと考えられる。
石油ファンヒーター
「家具・住宅用品」による人的被害の
電気こたつ
増加については、この製品区分に含まれ
0
15年度
16年度
17年度
る「除雪機」
「はしご」の事故情報が平成17年12
図5 年度別事故上位品目の件数の推移
月から平成18年2月に発生した大雪によって増加
し、これらの製品を使った除雪作業中の事故に
(4) 製品区分別被害状況
よる人的被害が多数発生したことによるもので
ある。
年度別、製品区分別被害状況を表5に示す。
「レジャー用品」による人的被害の増加は、
平成17年度に収集した事故情報における製品区
「シュノーケル」を使った遊泳中の事故が前年度
分別の人的被害の状況をみると、
「家庭用電気
に比べて増加したことによるものである。
製品」
「燃焼器具」
「家具・住宅用品」
「レジャー
「繊維製品」による人的被害は、
「パンティース
用品」において人的被害が発生した事故情報が
トッキング」による皮膚障害の事故通知があったこ
増加している。
とによって前年度に比べ、件数が増加している。
表5 製品区分別被害状況
各欄内の数値は、平成17年度、(平成16年度)、(平成15年度)の順に表記
人的被害の発生した事故
被害状況
人的被害の発生しなかった事故
製品区分
合計
1.家庭用電気製品
860
(944)
(625)
75
(30)
(28)
26
(12)
(6)
102
(62)
(56)
522
2.台所・食卓用品
23
(24)
(24)
0
(0)
(0)
1
(4)
(2)
8
(6)
(10)
6
1,055
(567)
(541)
156
(60)
(46)
39
(23)
(29)
257
(135) (151)
574
3.燃焼器具
死 亡
重 傷
[件]
軽 傷
拡大被害
製品破損
特に被害なし
132
(417)
(93)
3
(3)
(6)
7
(10)
(5)
1
(2)
(1)
(291) (273)
21
(41)
(27)
8
(17)
(15)
(420) (435)
(2)
(7)
4.家具・住宅用品
102
(55)
(65)
11
(3)
(7)
45
(14)
(10)
30
(19)
(17)
5
(8)
(16)
11
(11)
(14)
0
(0)
(1)
5.乗物・乗物用品
204
(326)
(155)
18
(19)
(15)
7
(19)
(14)
46
(72)
(26)
25
(14)
(13)
108
(201)
(85)
0
(1)
(2)
6.身のまわり品
75
(95)
(77)
5
(2)
(2)
5
(7)
(7)
33
(30)
(44)
16
(18)
(15)
16
(38)
(7)
0
(0)
(2)
7.保健衛生用品
19
(51)
(20)
0
(0)
(0)
2
(2)
(2)
8
(19)
(12)
9
(4)
(6)
0
(25)
(0)
0
(1)
(0)
8.レジャー用品
61
(39)
(29)
12
(8)
(5)
11
(5)
(7)
24
(11)
(10)
2
(2)
(2)
9
(12)
(5)
3
(1)
(0)
9.乳幼児用品
6
(19)
(49)
0
(0)
(0)
0
(0)
(3)
3
(14)
(35)
1
(0)
(0)
1
(3)
(8)
1
(2)
(3)
10.繊維製品
8
(4)
(9)
1
(0)
(0)
0
(0)
(1)
6
(3)
(7)
0
(0)
(0)
1
(0)
(1)
0
(1)
(0)
11.その他
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
(2,124) (1,594)
278
(122) (103)
136
(86)
(81)
517
(371) (368)
1,160
(759) (766)
306
(758) (245)
16
(28)
(31)
合計
2,413
(注)1.被害状況については、製品の問題の有無を問わずにみた件数である
2.重傷とは、全治1か月以上のけがをいう
3.拡大被害は、製品以外に他の物的被害に及んだものをいう
4.数値は各年度毎に収集した事故情報の調査結果に基づき、製品区分別の被害状況を集計したものである
45
NITE安全の視点
2.事故情報調査結果の分析と
その動向
に起因する事故」と「製品に起因しない事
故」がほぼ同じ割合となっている。
平成17年度、1,756件の事故情報について事
この割合は、事故情報の情報源別通知件数
故原因等の調査が終了し、事故動向等解析専
や製品区分ごとの収集件数によって変化し、
門委員会の審議を終え、これらの事故内容、
新聞による収集件数が多い場合は「製品に起
事故原因、再発防止措置等を公表した。平成
因しない事故」の割合が増え、製造事業者か
18年6月15日現在の事故情報調査結果に基づ
らの通知(報告)が多い場合は「製品に起因す
き、平成15年度以降の調査結果を分析し、そ
る事故」の割合が増える結果となっている。
の事故動向をみた。
平成17年度においては、家庭用電気製品の
なお、平成17年度に収集した事故情報の調
事故情報が少なく、燃焼器具の事故情報が増
査結果については、調査の終了したものが全
加していることから、今後、調査が進むにつ
体の約35%であることから参考としている。
れて「製品に起因しない事故」の件数が多く
なり、また、「製品に起因しない事故」のう
ち大半を占める「誤使用や不注意による事
(1) 事故原因別事故情報件数
故」が多くなると考えられる。
年度別の事故原因別事故情報件数とその割
合を図6に示す。
(2) 製品区分別事故原因
事故原因別の事故情報件数が年度ごとの収
集件数に占める割合をみると、平成15年度、
平成15年度から平成17年度までの年度
平成16年度ともに原因不明の事故が全体のお
別、製品区分別事故原因を表6に示す。
よそ2割強を占めている。残りの事故原因が
平成17年度において収集件数が最も多かっ
特定された事故について「製品に起因する事
た「燃焼器具」の事故原因をみると、「製品
故」と「製品に起因しない事故」の割合をみ
に起因する事故」は4件で燃焼器具全体
ると、平成15年度は「製品に起因しない事
(326件)の約1%で、「製品に起因しない
故」の割合が高く、「製品に起因する事故」
事故」は278件で燃焼器具全体の約85%を占
の約1.6倍となっている。平成16年度は「製品
めている。「製品に起因しない事故」のうち
28
11 20
平成17年度
2,413件
144
20
399
231
1,560
36
平成16年度
2,124件
41
66
47
739
655
26
25 58
平成15年度
1,594件
0%
69
471
11
60
407
637
20%
40%
370
60%
80%
100%
A:専ら設計上、製造上または表示等に問題があったと
考えられるもの(個別不良も含む)
B:製品自体に問題があり、使い方も事故発生に影響し
たと考えられるもの
C:製造後長期間経過したり、長期間の使用により
性能が劣化したと考えられるもの
D:業者による工事、修理または輸送中の取り扱い等に
問題があったと考えられるもの
E:専ら誤使用や不注意な使い方によると考えられるもの
F:その他製品に起因しないと考えられるもの
G:原因不明のもの
調査中のもの
図6 年度別事故原因別事故情報件数割合
46
NITE安全の視点
表6 製品区分別事故原因
各欄内の数値は、平成17年度、(平成16年度)、(平成15年度)の順に表記 [件]
事故原因
製品区分
1.家庭用電気製品
A:専ら設計上、製造
上または表示等に問
題があったと考えら
れるもの(個別不良
も含む。)
89 (488) (256)
2.台所・食卓用品
6
3.燃焼器具
3
10
(28) (18)
C:製造後長期間経過
したり、長期間の使
用により性能が劣化
したと考えられるも
の
23
(35) (15)
D:業者による工事、 E:専ら誤使用や不注 F:その他製品に起因 G:原因不明のもの
修理または輸送中の 意な使い方によると しないと考えられる
取り扱い等に問題が 考えられるもの
もの
あったと考えられる
もの
6
1
(2)
(0)
0
(0)
(0)
0
(9)
0
(0)
(0)
1
(6)
(9)
11
(7) (10)
(22)
B:製品自体に問題が
あり、使い方も事故
発生に影響したと考
えられるもの
83 (120) (129)
(36) (10)
(0)
2
(21) (37)
14
(29) (34)
115
(7)
0
(0)
(0)
0
266 (410) (395)
1
(9)
(8)
44
(0)
(5)
[小計]調査が終了し
たもの
H:調査中のもの
合 計
340
(912) (617)
520
(32)
(8)
860
(944)
(7)
9
(20) (24)
14
(4)
(0)
23
(24)
(24)
(83) (82)
326
(551) (540)
729
(16)
(1)
1,055
(567)
(541)
(176) (155)
(6)
(625)
4.家具・住宅用品
3
(17) (31)
0
(1)
(1)
1
(0)
(0)
0
(2)
(1)
6
(23) (20)
0
(0)
(2)
4
(9)
14
(51) (64)
88
(4)
(1)
102
(55)
(65)
5.乗物・乗物用品
18
(97) (21)
0
(1)
(4)
0
(0)
(0)
3
(7) (10)
18
(47) (33)
2
(4)
(6)
51
(163) (81)
92
(319) (155)
112
(7)
(0)
204
(326)
(155)
6.身のまわり品
16
(46) (25)
0
(2)
(1)
1
(0)
(0)
0
(0)
(0)
11
(24) (22)
0
(0)
(1)
7
(20) (27)
7.保健衛生用品
1
(37)
(6)
0
(1)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
4
(10) (12)
0
(0)
(1)
1
8.レジャー用品
8
(14)
(5)
0
(1)
(0)
2
(0)
(2)
0
(0)
(0)
9
(15) (15)
3
(3)
(2)
6
9.乳幼児用品
0
(9) (42)
0
(0)
(1)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(1)
(2)
0
(2)
(1)
2
10.繊維製品
0
(2)
(2)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(2)
0
(0)
(5)
1
11.その他
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
144 (739) (407)
11
(36) (25)
28
(41) (26)
20
399 (655) (637)
20
(47) (60)
231
合計
(66) (58)
(8)
35
(92) (76)
40
(3)
(1)
75
(95)
(77)
(1)
6
(50) (20)
13
(1)
(0)
19
(51)
(20)
(5)
(5)
28
(38) (29)
33
(1)
(0)
61
(39)
(29)
(6)
(3)
2
(18) (49)
4
(1)
(0)
6
(19)
(49)
(2)
(0)
1
(4)
(9)
7
(0)
(0)
8
(4)
(9)
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
853 (2,055) (1,583) 1,560
(69)
(11)
(2)
(471) (370)
2,413 (2,124) (1,594)
(注)各欄内の数値は年度毎に収集した事故情報の調査結果に基づき、製品区分別の事故原因を集計したものである
「誤使用や不注意による事故」と考えられるも
「乗物・乗物用品」は、
「製品に起因する事
のは266件で「製品に起因しない事故」の約
故」が乗物・乗物用品全体の約20%、
「製品に
96%を占めている。過去2年間においては、
「製
起因しない事故」は約25%を占めている。乗物・
品に起因しない事故」が燃焼器具全体の約8割
乗物用品の事故において「原因不明」が最も多
を占め、そのうち9割前後が「誤使用や不注意に
く、乗物・乗物用品全体の約55%を占めている。
よる事故」が占めている。
「製品に起因する事
過去2年間において、
「原因不明」は、乗物・乗
故」はともに1%以下の割合となっている。
物用品全体の約5割を占めている。
収集件数が次に多い「家庭用電気製品」は、
年度ごとに「製品に起因する事故」が多かっ
「製品に起因する事故」が家庭用電気製品全体
た上位5品目を表7に、また「誤使用や不注意に
(340件)の約36%、
「製品に起因しない事故」
よる事故」の上位5品目を表8に示す。
は約30%を占めている。
「誤使用や不注意によ
「製品に起因する事故」の上位5品目をみる
る事故」は「製品に起因しない事故」の約81%
と、最近3年間では「電気ストーブ」が3年続け
を占め、家庭用電気製品全体の約24%を占めて
て上位5品目に入っており、特に平成16年度は多
いる。過去2年間においては、家庭用電気製品
発している。また、電気シェーバー充電用の「直
全体の「製品に起因する事故」は平成16年度が
流電源装置」の事故は、設計不良による発煙・
60%、平成15年度が約47%を占め、
「製品に起因
発火が依然、報告されているが、最近は減少傾
しない事故」については、平成16年度が約20%、
向となっている。その他の製品では、
「自転車」
平成15年度が約28%となっている。平成16年度
「靴」
「玩具」などの製品に不具合が見つかり、
において、
「製品に起因する事故」の割合が高
社告等により製品回収を行っているものが上位5
いのは、特定事業者の特定の型式の製品による
品目にはいっている。
事故が多発し、それらの事故通知があったため
「誤使用や不注意による事故」の上位5品目
である。
をみると、最近3年間では「ガスこんろ」
「石油ス
47
NITE安全の視点
表7 年度別「製品に起因する事故」の上位5品目
トーブ」が1位、2位
平成15年度
平成16年度
(458件)
(816件)
を占めている。平成17
品目
年度においては、調査
直流電源装置
件数 割合% 品 目
160 35.0
平成17年度
(183件)
件数 割合% 品 目
電気ストーブ
件数 割合%
292 35.7 直流電源装置
42 22.9
玩具
32
7.0
自転車
65
8.0 電気ストーブ
11
6.0
自転車
18
3.9
直流電源装置
65
8.0 玩具
8
4.4
り、今後調査が進むに
電気ストーブ
18
3.9
靴
26
3.2 電気こんろ
8
4.4
つれて、これら上位2
簡易ガスライター
15
3.3
歯ブラシ
26
3.2 カラーテレビ
6
3.3
電気コンロ
15
3.3
6
3.3
中の事故情報が多数あ
合計
品目の件数は増えてい
くものと予想され、事
冷蔵庫
258 56.4
合計
474 58.1 合計
81 44.3
表8 年度別「誤使用や不注意による事故」の上位5品目
故情報の収集件数が前
年度に比べて多くなっ
平成15年度
平成16年度
平成17年度
(637件)
(655件)
(399件)
品目
件数 割合% 品 目
件数 割合% 品 目
件数 割合%
ていることから前年度
ガスこんろ
135 21.2
ガスこんろ
180 27.5 ガスこんろ
の件数を上回るものと
石油ストーブ
104 16.3
石油ストーブ
107 16.4 石油ストーブ
電気ストーブ
26
4.1
電気ストーブ
35
5.3 電気ストーブ
20
5.0
考えられる。
四輪自動車
19
3.0
四輪自動車
28
4.3 四輪自動車
15
3.8
配線器具(延長コード) 19
3.0
石油ふろがま
25
3.8 まきふろがま
13
3.2
合計
303 47.6
合計
172 43.1
35
375 57.3 合計
8.8
255 63.9
(3) 被害状況
年度別、原因区分別被害状況を表9に示
因をみると、「誤使用や不注意によるもの」
す。
がほとんどであり、これは最近3年間におい
死亡、重傷の人的被害が発生した事故の原
て変化が見られない結果となっている。
表9 事故原因別被害状況
各欄内の数値は、平成17年度、(平成16年度)、(平成15年度)の順に表記
人的被害の発生した事故
被害状況
事故原因
合計
死 亡
重 傷
人的被害の発生しなかった事故
軽 傷
拡大被害
製品破損
A:専ら設計上、製造上または表示等に
問題があったと考えられるもの(個別
不良も含む。)
144
(739)
(407)
0
(0)
(1)
0
(8)
(9)
29
(74)
(91)
65
B:製品自体に問題があり、使い方も
事故発生に影響したと考えられるもの
11
(36)
(25)
0
(0)
(0)
0
(1)
(1)
0
(6)
(0)
10
(27)
(18)
0
C:製造後長期間経過したり、長期間
の使用により性能が劣化したと
考えられるもの
28
(41)
(26)
0
(0)
(0)
1
(1)
(0)
3
(1)
(2)
12
(22)
(13)
D:業者による工事、修理または輸送中
の取り扱い等に問題があったと
考えられるもの
20
(66)
(58)
0
(2)
(0)
0
(1)
(4)
4
(5)
(8)
10
(32)
399
(655)
(637)
31
(76) (66)
15
(37)
(40)
92
(178) (188)
240
20
(47)
(60)
2
(4)
0
(3)
(6)
2
(6)
(14)
13
G:原因不明のもの
231
(471)
(370)
23
(36) (31)
11
(30)
(21)
40
(81)
(63)
105
[小計]調査が終了したもの
853
(2055) (1583)
56
(118) (102)
27
(81)
(81)
170
(351) (366)
455
(1)
109
(5)
(0)
347
(122) (103)
136
(86)
(81)
517
E:専ら誤使用や不注意な使い方に
よると考えられるもの
F:その他製品に起因しないと
考えられるもの
H:調査中のもの
1,560
(69)
(11)
222
合計
2,413
(2124)
(1594)
278
(4)
(4)
(2)
705
(371) (368)
1,160
(20)
(注)各欄内の数値は年度毎に収集した事故情報の調査結果に基づき、事故原因別の被害状況を集計したものである
48
[件]
4
(12)
(12)
(2)
(5)
1
(0)
(1)
12
(17)
(9)
0
(0)
(2)
(26)
5
(24)
(17)
1
(2)
(3)
(326) (300)
21
(33)
(38)
0
(5)
(5)
3
(11)
(7)
0
(0)
(1)
(161) (163)
51 (156)
(85)
1
(7)
(7)
(737) (760)
138 (742)
(243)
7
(26)
(31)
(16)
(2)
9
(2)
(0)
306 (758)
(245)
16
(28)
(31)
(23)
(22)
(28)
(6)
(759) (766)
46 (499)
特に被害なし
(82)
(146) (212)
168
NITE安全の視点
(4) 再発防止措置
年劣化で発生した事故で、市場や家庭における
当該製品の残存も少なく同種の事故情報が収
平成17年度中に調査が終了した事故情報のう
集されていないことから措置がとられていないも
ち事故原因が「製品に起因する事故」における
の等である。
再発防止措置等の実施件数を表10に示す。
再発防止措置が講じられた事故のうち209件
は、延べ58社の製造事業者等により新聞、ホー
表10 製品に起因する事故における
年度別再発防止措置の実施状況
事故情報
17年度に調査が 製品に起因する
収集年度
交換等が実施されている。
再発防止
事故件数
終了した件数
ムページ等に社告等が掲載され、製品の回収・
措置件数
その他の事故は、単品不良と考えられる事
平成15年度
38
3
平成16年度
865
205
192
故、表示や使用方法の問題で発生した事故等に
平成17年度
853
183
165
1756
391
359
ついては、事業者は販売店においてポスター掲
合 計
2
示による告知や、事業者のホームページ等で消
「製品に起因する事故」391件のうち、約92%
費者に注意喚起を行ったり、製造工程の改善、
の359件の事故に対して製造事業者等により再
品質管理の徹底・強化、取扱説明書や表示の改
発防止措置が講じられた。
善等の再発防止措置がとられている。
残りの約8%は、火災等で製品の製造事業者
最近3年間の製品区分別再発防止措置等の
等が特定できず対応が不可能であったもの、経
実施状況を表11に示す。
表11 製品区分別再発防止措置等の実施状況
各欄内の数値は、平成17年度、(平成16年度)、(平成15年度)の順に表記
製品区分
再発防止措置の
実施状況
措置
実施件数
1
(17)
(9)
1
(3)
(2)
96
7
(9)
(10)
6
(5)
(6)
1
(0)
(1)
7
(8)
(10)
1
(2)
(2)
4
(4)
(7)
5
(9)
(7)
3.燃焼器具
3
(25)
(13)
3
(24)
(7)
0
(0)
(0)
3
(23)
(11)
0
(0)
(0)
3
(19)
(5)
3
(23)
(11)
(17)
(16) (25)
0
(1)
(3)
3
(4)
(13)
3
(16)
(31)
(74)
(16)
1
(3)
(1)
15
(66)
(15)
17
(527) (270)
4.家具・住宅用品
3
5.乗物・乗物用品
18
6.身のまわり品
15
7.保健衛生用品
1
(38)
(6)
8.レジャー用品
10
(15)
(478) (226)
76 (446) (236)
(497) (235)
86
(498) (251)
(31)
3
(14)
(24)
0
(1)
(3)
3
(97) (25)
15
(68)
(19)
0
(1)
(5)
11
(47) (25)
14
(37)
(7)
6
(22)
(2)
13
(39)
(17)
0
(2)
(0)
14
(36)
(7)
11
0
(26)
(5)
0
(26)
(0)
0
(38)
(6)
1
(12)
(0)
0
(26)
(5)
1
(38)
(2)
(12)
(4)
(92) (23)
(44) (24)
(6)
9
(12)
(2)
0
(4)
(2)
3
(4)
(5)
0
(2)
(1)
9
(10)
(1)
10
(9) (43)
0
(4)
(35)
0
(0)
(0)
0
(9) (42)
0
(0)
(0)
0
(4)
(41)
0
0
(2)
(2)
0
(2)
(0)
0
(0)
(0)
0
(1)
(2)
0
(0)
(1)
0
(2)
(0)
0
(2)
(2)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
0
(0)
(0)
(786) (431)
137
(670) (331)
8
116 (658) (370)
4
(25)
(10)
144
(668) (329)
136
9.乳幼児用品
0
10.繊維製品
11.その他
合計
87
[件]
政府、団体、事業者 被害者への措置 等の広報等により消 損害賠償、製品交換
費者に注意を喚起し 等、個別的な措置
たもの
2.台所・食卓用品
1.家庭用電気製品
108
製品の交換、部品の 製品の製造、販売ま 製品の改良、製造工 表示の改善、取扱説
交換、安全点検等を たは輸入を中止した 程の改善、品質管理 明書の見直し等を
行ったもの
もの
の強化等を行ったも 行ったもの
の
165
(71) (22)
(8) (43)
(742) (398)
(注)1.収集された事故に関して複数の措置が取られたものは、措置ごとに集計した
2.各欄内の数値は年度毎に収集した事故情報の調査結果に基づき、製品区分別再発防止措置等の実施状況を集計したものである
3.個別措置のみのものを除く
49
NITE安全の視点
グラフで見る四半期報
事故情報収集制度における
事故情報の調査結果及び
収集状況について
(平成18年度第1四半期)
生活安全ジャーナル編集事務局
はじめに
Ⅰ.事故情報調査結果
1.製品区分別事故原因
経済産業省が所管する消費生活用製品等に
平成18年度第1四半期中に事故原因等の調
関する事故情報の収集については、経済産業
査が終了し、事故動向等解析専門委員会の審
省から、製造・輸入事業者、地方公共団体、
議を終えたものは709件ありました。その内
消費生活センター、消費者団体等に対して、
訳は、平成15年度までの収集分28件、平成16
事故情報を独立行政法人製品評価技術基盤機
年度収集分10件、平成17年度収集分669件、平
構( 以下「機構」という。)に通知するよ
成18年度収集分2件です。
う協力を求めています。
機構は、これによって通知された事故
表1 製品区分別事故原因
(平成18年度第1四半期分)
件 数(件)
事故原因区分
情報と自ら収集した事故情報のすべてに
ついて、通知者、製造・輸入事業者、関
場の調査や事故品の入手等に努めるとと
技術的な調査及び評価を行い、事故原因
の究明と事業者の再発防止措置の評価を
平成 年度まで
もに、必要に応じてテスト等を実施して
15
行っています。これらの事故情報やその
に報告され、必要な場合には経済産業省
身のまわり品
保健衛生用品
家庭用電気製品
台所・食卓用品
乗物・乗物用品
合計
台所・食卓用品
平成 年度
燃焼器具
家具・住宅用品
17 乗物・乗物用品
に関し調査、確認、評価を行った上で、専
身のまわり品
保健衛生用品
レジャー用品
門家により構成される事故動向等解析専門
乳幼児用品
繊維製品
委員会による検討を経た結果及び機構が収
合計
平成
18
年度
とめて公表するものです。
乗物・乗物用品
家庭用電気製品
本報告書は、こうした事故情報収集制度
集した事故情報の収集状況について取りま
家具住宅用品
保健衛生用品
講じられることになります。
年4月∼6月)において、機構が事故情報
燃焼器具
16 燃焼器具
により事業者や業界に対して行政措置が
に基づき、平成18年度第1四半期(平成18
家庭用電気製品
合計
平成 年度
調査状況・調査結果は、随時経済産業省
製品に起因しない事故
A. 設計、 B. 製品及 C.経年劣 D. 施工、 E. 誤使用 F. その他 G. 原因不
製造又は び使い方 化による 修理又は や不注意 製品に起 明のもの
表示等に に問題が もの
輸送等に によるも 因しない
問題があ あったも
問題があ の
もの
ったもの の
ったもの
年度
係者からの聴取を行うほか、事故発生現
製品に起因する事故
製品区分
合計
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
1
5
5
5
5
0
0
20
0
0
0
0
0
0
0
3
2
0
0
1
1
7
9
7
5
5
1
1
28
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
1
2
0
0
1
0
0
1
5
1
0
1
0
7
6
1
1
1
1
10
34
10
2
0
3
0
1
1
2
0
18
0
0
0
2
0
0
0
1
0
63(図2) 11
10
0
6
0
0
1
0
5
0
0
22
8
0
4
0
1
0
0
0
0
0
13
82
7
2
0
288
2
38
1
6
0
2
1
6
0
2
0
0
0
0
0
426(図3) 11
56
1
46
0
18
1
0
0
1
0
123
207
5
349
41
27
23
6
9
1
1
669(図1)
家庭用電気製品
1
0
0
0
0
0
1
2
合計
1
0
0
0
0
0
1
2
50
NITE安全の視点
A. 設計、製造
又は表示等に
問題があったもの
63件
F. その他製品に
起因しないもの 11件
G. 原因不明の
もの 123件
B. 製品及び
使い方に問題が
あったもの
11件
C. 経年変化による
もの 22件
保健衛生用品 6件
身のまわり品 2件
乗物・乗物用品 6件
繊維製品
1件
レジャー用品
2件
レジャー用品
2件
家具・
住宅用品
38件
D. 施工、修理
又は輸送等に
問題があった
もの 13件
身の
まわり品
18件
家庭用
電気製品
82件
台所・食卓
用品2件
家庭用
電気製品 34件
E. 誤使用や不注意
によるもの 426件
燃焼器具 288件
乗物・乗物用品 2件
家具・住宅用品1件
燃焼器具
3件
図1 事故原因区分による事故件数
(平成17年度分、計669件)
台所・食卓用品 2件
図2 A. 設計、製造又は表示等
に問題があったもの
(平成17年度分、計63件)
図3 E. 誤使用や不注意によるもの
(平成17年度分、計426件)
この期間中に調査が終了した事故情報を年
2.事故原因別被害状況
度ごとに製品区分別、事故原因区分別に示し
調査が終了したものについて、事故原因別
たものは表1です。
に被害状況を整理したものが、表2です。
表2 事故原因別被害状況
人的被害
被害状況
平成
年度まで
年度
しない事故
製品に起因
平成
する事故
製品に起因
しない事故
製品に起因
平成 年度
する事故
製品に起因
しない事故
製品に起因
平成 年度
する事故
製品に起因
18
しない事故
製品に起因
17
する事故
製品に起因
16
物的被害
死亡
重傷
被害なし
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
F. その他製品に起因しないもの
0
0
3
0
0
0
5
0
0
0
5
0
0
1
4
0
0
0
3
0
0
0
0
0
0
1
20
0
G. 原因不明のもの
0
0
5
2
0
0
7
合 計
3
5
10
7
3
0
28
A. 設計、製造又は表示等に問題があったもの
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
F. その他製品に起因しないもの
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
1
G. 原因不明のもの
1
1
2
1
2
0
7
合 計
1
1
4
2
2
0
10
0
0
16
25
22
0
63
G. 原因不明のもの
0
0
0
55
1
18
1
1
1
43
0
6
0
7
0
103
2
18
10
7
9
216
7
62
0
7
3
9
1
19
0
0
0
0
0
0
11
22
13
426
11
123
合 計
74
52
146
336
61
0
669
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
G. 原因不明のもの
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
合 計
0
0
0
1
1
0
2
A. 設計、製造又は表示等に問題があったもの
B. 製品及び使い方に問題のあったもの
C. 経年劣化によるもの
D. 施工、修理又は輸送等に問題があったもの
E. 誤使用や不注意によるもの
B. 製品及び使い方に問題のあったもの
C. 経年劣化によるもの
D. 施工、修理又は輸送等に問題があったもの
E. 誤使用や不注意によるもの
A. 設計、製造又は表示等に問題があったもの
B. 製品及び使い方に問題のあったもの
C. 経年劣化によるもの
D. 施工、修理又は輸送等に問題があったもの
E. 誤使用や不注意によるもの
F. その他製品に起因しないもの
A. 設計、製造又は表示等に問題があったもの
B. 製品及び使い方に問題のあったもの
C. 経年劣化によるもの
D. 施工、修理又は輸送等に問題があったもの
E. 誤使用や不注意によるもの
F. その他製品に起因しないもの
51
軽傷
拡大被害
合計
製品破損
事故原因区分
15
(平成18年度第1四半期分)
NITE安全の視点
3.製品区分別再発防止措置等の実施状況
除き、再発防止措置が必要と考えられるすべて
製品に起因する事故(平成17年度:96件、平
の事故について措置がとられています。
成18年:1件)について、製造事業者等による事
事故の再発防止のために実施された措置は、
故の再発防止措置が行われたものは、平成17年
事故の原因により複数の措置が実施されてお
度80件、平成18年度1件となっています。
り、実施された再発防止措置をその措置内容と
事故の再発防止措置は、既に製造を終了して
製品区分別に整理したものが表3です。
おり、他に同種事故が発生していないものなどを
表3 製品区分別再発防止措置等の実施状況
製品区分
実施
(平成18年度第1四半期分)
再発防止措置
製品交換、
部品交換、
安全点検等
製品の製造、 製造改良、製造
販売または輸入 工程改善、品質
を中止
管理強化等
表示改善、
取扱説明書
見直し
消費者への
注意喚起
被害者への
個別措置
年度
区分
家庭用電気製品
台所・食卓用品
燃焼器具
平成17 家具・住宅用品
年度 乗物・乗物用品
身のまわり品
レジャー用品
繊維製品
合 計
44
2
3
2
2
18
7
1
79
27
0
3
2
1
17
5
1
56
9
1
0
0
1
2
0
0
13
27
1
3
1
0
16
6
1
55
0
0
0
0
0
0
0
1
1
36
1
3
2
1
15
6
0
64
35
1
3
2
0
16
6
1
64
平成18 家庭用電気製品
年度 合 計
1
1
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
1
1
注:事故の発生に対して取られた複数の再発防止措置をそれぞれの措置ごとに集計。個別措置のみのものを除く
く、次いで「家庭用電気製品」「乗物・乗物
Ⅱ.事故情報収集状況
用品」の順に収集件数が多くなっています。
1.事故情報収集件数
上位3製品区分に係る事故情報の合計は
平成18年度第1四半期中に収集した製品事
601件で、収集した事故情報に占める割合は
故の情報のうち、同一の製品事故に対して複
約86%となっています。
数の通知者から通知(報告)された重複情報
を除いた事故情報収集件数は698件でした。
消費者 7件、1.0%
国の機関 8件、1.1%
その他 6件、0.9%
自治体(消防機関含む)
36件、5.2%
消費生活センター等
48件、6.9%
2.製品区分別事故情報収集件数
事故情報の通知者別の収集件数は、図4の
製造事業者等
121件、17.3%
とおり。
当機構(新聞情報)
472件、67.6%
製品区分別の事故情報収集件数は、図5に
示すとおり「燃焼器具」の収集件数が最も多
図4 通知(報告)者別事故情報収集件数
52
00
NITE安全の視点
表4 事故情報上位5品目
レジャー用品 10件、1.4%
乳幼児用品 6件、0.9%
保健衛生用品 3件、0.4%
台所・食卓用品
10件、1.4%
身のまわり品
15件、2.1%
平成18年度第1四半期(事故情報収集件数698件)
家具・住宅用品
53件、7.6%
順位 品目名
乗物・乗物用品
73件、10.5%
燃焼器具
330件、47.3%
家庭用電気製品
198件、28.4%
図5 製品区分別事故情報収集件数
件数
1
ガスこんろ※
2
割合%
176
25.2
四輪自動車
54
7.7
3
石油ストーブ
42
6.0
4
いす(ガス昇降式)
31
4.4
5
電気ストーブ
21
3.0
合 計
324
46.4
※ガス種別内訳は次のとおり
LPガス用 87件 都市ガス用 19件 不明 70件
3.品目別事故情報収集件数
事故情報を品目別に分け、収集件数の多い
4.被害状況
順に示したものが表4です。
事故の被害状況は、表5のとおりです。
「ガスこんろ」(火災)の収集件数が最も
人的被害の発生した事故情報は201件で、
多く(698件)全体の4分の1を占めていま
その内訳は、死亡事故54件、重傷事故30件、
す。「いす(ガス昇降式)」については支柱
軽傷事故117件となっています。
を固定する溶接に不具合があり、事故が多発
また、人的被害はなく、火災の発生や製品
したために販売事業者から通知のあったもの
周辺に被害が広がる等の拡大被害が発生した
です。
ものは343件ありました。
表5 製品区分別被害状況
製品区分
(平成18年度第1四半期分)
被害
人的被害
物的被害
被害
状況
死亡 重傷 軽傷 拡大被害 製品被害 なし
件数
燃焼器具
330件
30件
15件
70件 205件
9件
1件
家庭用電気製品
198件
16件
2件
31件 123件 25件
1件
乗物・乗物用品
73件
7件
6件
11件
15件 34件
0件
家具・住宅用品
53件
1件
2件
15件
23件 11件
1件
身のまわり品
15件
2件
1件
5件
4件
3件
0件
レジャー用品
10件
2件
1件
5件
0件
1件
1件
台所・食卓用品
10件
0件
1件
4件
1件
3件
1件
乳幼児用品
6件
0件
0件
1件
0件
5件
0件
保健衛生用品
3件
0件
0件
0件
1件
2件
0件
698件
58件
28件 142件 372件 93件
5件
合 計
(図6)
53
身のまわり品 2件
レジャー用品 2件
家具・住宅用品
1件
乗物・乗物
用品 7件
燃焼器具 30件
家庭用電気製品
16件
合計 58件
図6 製品区分別の死亡事故件数
NITE安全の視点
5.社告状況
95%、448件ありました。
「ガスこんろ」を使
今期間中に、製造事業者等から製品の欠陥
用中にその場を離れ、天ぷら油やなべが過
や不具合による事故の発生を防止するための
熱し火災に至ったもの、
「石油ストーブ」の上
社告が31件、38事業者から行われ、「浴室暖
部に干していた洗濯物が落下し、火災に至っ
房乾燥機」「ガス給湯暖房機」「照明器具」
たもの、
「石油ストーブ」の火をつけたまま給
「ノートパソコン用バッテリー」「排水パイプ
油中に灯油がこぼれて火災に至ったもの、
用洗浄剤」等の製品について回収、交換等の
「電気ストーブ」に衣類や布団が近接して、
措置がとられています。
火災に至ったものなど、調理器具や暖房器具
による事故が多く見られました。
また、除雪中に除雪機に雪がつまり除雪機
おわりに
のエンジンを停止せずに雪を取り除く作業を
1.事故情報調査結果について
行ったことが原因の事故も多雪の影響で顕在
第1四半期に調査の終了した709件の事
化しています。
故情報で、事故原因が判明した517件のうち
97件が「製品に起因する事故」でした。
「製
2.事故情報収集状況について
品に起因する事故」に関しては、再発防止措
第1四半期に収集した事故情報について
置が必要と考えられるすべてのものについ
は、
「ガスこんろ」
「四輪自動車」
「石油ストー
て、製造事業者等による消費者への注意喚
ブ」が関係する事故が多数収集されたほか、
起、製品交換、製品の改良などの措置がとら
製造事業者からは製品の欠陥や不具合によ
れています。
る事故が多発した「いす(ガス昇降式)」
「ガ
特に、
「電気ストーブ」「電気こんろ」「貯
ラステーブル」等に関して、拡大被害や人的
金箱(ブリキ)」は、それぞれの製品の製造・
被害が発生する可能性のある情報が報告さ
販売事業者が新聞紙上に社告を行い回収に
れました。
努めています。
他方、
「製品に起因しない事故」474件の
うち、「誤使用や不注意によるもの」が約
54
NITE安全の視点
事故動向等について
(平成18年度第1四半期)
事故情報収集件数の分析
表1 通知(報告)者別事故情報収集件数
(平成18年度第1四半期分)
(平成17年第1四半期、平成18年第1四半期に収集した
公表時データに基づく)
事故情報通知(報告)者
件数及び割合
当機構(新聞情報)
472件
67.6%
製造事業者等
121件
17.3%
自治体(消防機関含む)
36件
5.2%
平成18年度第1四半期(4月∼6月)に収
消費生活センター等
48件
6.9%
集した事故情報は698件(重複情報除く)
国の機関
8件
1.1%
消費者
7件
1.0%
その他
6件
0.9%
平成18年度第1四半期(4月∼6月)事故情
報収集の傾向(速報値)
で、前年度同期間比では、約1.3倍の伸びと
なっている(図1参照)。
800
700
600
500
400
300
200
100
0
合 計
698件 100.0%
表2 通知(報告)者別事故情報収集件数
(平成17年度第1四半期分)
698
536
平成17年度
平成18年度
図1 平成17年度、18年度4月∼6月事故情報収集件数
事故情報通知(報告)者
件数及び割合
当機構(新聞情報)
322件
60.1%
製造事業者等
116件
21.6%
自治体(消防機関含む)
46件
8.6%
消費生活センター等
29件
5.4%
国の機関
12件
2.2%
消費者
7件
1.3%
その他
4件
0.8%
合 計
536件 100.0%
前年度同期間と比べ、収集件数が増加して
いる通知者をみると「当機構(新聞情報)」
製品区分別の事故情報件数では、前年度同
で150件、約1.5倍に増加している。その他
期間と比べ、大きく収集件数が増加している
は、「消費生活センター等」「製造事業者
ものは「家具住宅用品」「燃焼器具」である
等」でそれぞれ19件、5件収集件数が増加し
(図2参照)。それぞれ約5.3倍(43件)、約
ている(表1及び表2参照)。
1.6倍(121件)収集件数が増加し、品目別に
みると家具住宅用品に区分される「いす」
55
NITE安全の視点
199
198
01. 家庭用電気製品
6
02. 台所・食卓用品
10
209
03. 燃焼器具
10
04. 家具・住宅用品
53
76
73
05. 乗物・乗物用品
06. 身のまわり品
15
23
3
3
07. 保健衛生用品
平成17年度第1四半期
9
10
08. レジャー用品
09. 乳幼児用品
330
1
平成18年度第1四半期
6
0
50
100
150
200
250
300
350
図2 製品区分別事故情報収集件数
「テーブル」と、燃焼器具に区分される「ガ
事業者が社告を出し、製品回収を行ったた
スこんろ」「石油ストーブ」の収集件数が大
め、それに伴い大幅に収集件数が増えたもの
幅に増加している(図3参照)。「いす」の
である。「ガスこんろ」「石油ストーブ」の
事故内容は使用時の肘部の破損やガス昇降式
事故情報は、そのほとんどが新聞情報により
いすの昇降用パーツ(支柱)の溶接が外れた
収集されたものであり、新聞情報の収集件数
もの等、「テーブル」の事故内容はガラス製
の増加(150件増:平成17年度322件、平成18
天板を固定する金具の接着部分が外れ、ガラ
年度472件)に伴って増加したことが要因と
スが床に落下したもの等が多い。特定の製造
考えられる。
102
ガスこんろ
四輪自動車
31
石油ストーブ
24
21
電気ストーブ
いす
表3 事故情報収集件数上位10品目
176
54
54
平成17年度(4月∼6月)
順位
42
1
31
17
エアコン
14
(室外機込み)
屋内配線 8 19
10
カラーテレビ
12
配線器具(延長コード) 7 16
11
直流電源装置 9
10
電気こんろ 8
電気乾燥洗濯機 59
0
テーブル
14
10
電気こたつ 3
0
50
100
150
200
56
品目名
件数
ガスこんろ
102
1
ガスこんろ
176
2
四輪自動車
54
2
四輪自動車
54
3
石油ストーブ
31
3
石油ストーブ
42
4
電気ストーブ
24
4
いす(ガス昇降式)
31
5
エアコン(室外機込み) 17
5
電気ストーブ
21
6
直流電源装置
11
6
屋内配線
19
カラーテレビ
10
7
配線器具(延長コード) 16
電気こんろ
10
電気こたつ
10
10
図3 品目別事故情報収集件数
件数 順位
1
7
平成17年度
平成18年度
品目名
平成18年度(4月∼6月)
電気乾燥洗濯機
9
8
10
テーブル
14
エアコン(室外機込み)
14
カラーテレビ
12
NITE安全の視点
80
ガスこんろ
70
四輪自動車
石油ストーブ
60
電気ストーブ
50
エアコン
(室外機込み)
直流電源装置
40
カラーテレビ
30
電気こたつ
電気こんろ
20
電気乾燥洗濯機
10
0
4月
5月
6月
図4 平成17年度4月∼6月上位10品目の事故情報収集件数の推移
80
ガスこんろ
70
四輪自動車
石油ストーブ
60
いす(ガス昇降式)
50
電気ストーブ
屋内配線
40
配線器具
(延長コード)
エアコン
30
(室外機込み)
テーブル
20
カラーテレビ
10
0
4月
5月
6月
図5 平成18年度4月∼6月上位10品目の事故情報収集件数の推移
57
第1四半期における月別の上位10品目
の事故情報収集件数の推移を図4、図5
に示す。
平成17年度に収集件数が大幅に増加
した「ガスこんろ」は今期も引き続き高
い値で推移している。前年同期は4月、5
月と月を追う事に増加したが、今期は5月
にピークを示し、その後減少している。ま
た、
「石油ストーブ」の値をみると、前年
同期は5月に入ると事故件数が大幅に減
少したが、今期は5月にも20件近い事故
が通知された。
NITE安全の視点
重大事故、多発事故
NITEでは、死亡または重傷の人的被害や火災等の拡大被害が発生した重大事故、同一型式製品
で同種事故が多発した事故、法令の技術基準に係わる事故等、注視する必要がある事故は、第一報の
みならず、その後の調査等で得た情報についても入手次第、調査を進めることとしている。
注目して調査を行った事故は以下の通りである。
製品名
電気ストーブ
(カーボンヒーター)
【多発事故】
事故内容及び調査概要
病院で使用中のカーボンヒーターから発火し、Pタイル2枚と壁 事業者は、販売を中止し、平成18年2月6
クロスの一部が焦げたとの通知があった。
日付けの新聞、ホームページに社告を掲載
調査を行った結果、当該品の電線を接続している端子の接続状 し、製品の回収を行った。
態が不完全であったため、端子接続部の接触抵抗が増加して発熱
し、近接した樹脂が徐々に炭化し、発火したものと推定した。
ハロゲンヒーターが突然破裂してランプがカーペットと床の上に
飛散した。カーペットが燃え上がり床が焦げたためあわてて消し止
(ハロゲンヒーター) めたとの通知があった。
調査を行った結果、破損は①ガラスヒーター
【多発事故】
管の封止部に封止されている金属はくとの境界
から破壊が進行していること②複数のガラス
片に曲げ加工で生じた残留ひずみが観察され
たことから、封止部の加工処理が不十分であっ
たため金属はくが酸化し体積が増加して、金属
はくとの境界から破壊が進行し、残留ひずみの
開放とハロゲンガスの内圧によって破損に至っ
たものと推定した。
電気ストーブ
電気乾燥洗濯機
【多発事故】
靴(釣り用)
【多発事故】
除雪機
【注目事故】
草刈機
【重大事故】
配線器具
(延長コード)
【注目案件】
調査結果に基づく対応
洗濯機を使用していたところ、発火に気付き消防へ通報した。
洗濯機の一部と、洗面所、廊下の壁や天井の一部を焼損したと
の通知があった。
調査を行った結果、当該機内ふたの上部にこぼれていた洗剤
に水が掛かり、洗剤液となって外漕部に流れ込み、ヒーターの
リード線に付着し、毛細管現象によって吸い上げられた洗剤液が
リード線の芯線を腐食させるとともに、脱水時の振動により、
リード線が断線、スパークして近傍のプラスチック樹脂に着火
し、焼損したものと推定した。
靴底がはがれたため、釣り場で転倒し、軽傷を負ったとの通知
があった。調査を行った結果、当該品は平成9年1月に製造され
たものであり、ポリウレタン系接着剤が使用されていたことから、
接着剤が経年劣化し、靴底がはがれたものと推定した。
輸入事業者は、平成18年3月6日付け新聞
紙上に社告を掲載し、製品の点検・交換を実
施している。また、販 売店向けにメールと
ファクスで点検・交換を告知した。
なお、本件発生以前に温度ヒューズの不良
が多数見つかったため、平成16年2月で販売
を中止し、在庫は製造事業者に返品した。
事業者は、平成17年12月21日付けの新聞
及びホームページに社告を掲載し、無 償で
ヒーターリード線を毛細管現象が生じないテ
フロン線に変更したものに交換を行ってい
る。
事業者は、平成18年1月11日に新聞及び
ホームページに社告を掲載し製品の回収を
行っている。また、今後製造する製品は靴底
を縫うか、またはゴム系接着剤を使用する。
販売店で点検中、除雪機のエンジンをかけたままの状態で、 事業者は、平成18年1月26日付けの新聞及
オーガスイッチを入り切りして、オーガ※の塗装を行っていたとこ びホームページに社告を掲載し、無償で電気
ろ、停止中のオーガが突然回転し、右手甲部にけがをしたとの通 系統の配線点検と修理を行っている。
知があった。
調査を行った結果、当該機のメインワイヤーハーネスに束ねら
れている電磁クラッチアース配線の取り廻しが不適切だったた
め、アース配線がフランジ部と干渉し、配線が破れて短絡し、エ
ンジン運転時にオーガスイッチを入れなくてもオーガが作動した
ものと推定した。
草刈機の刈刃が回転した状態で、両手ハンドルを離したとこ
ろ、同時に肩掛けバンドの樹脂製バックル部が外れ、回転してい
る刈刃が地面に接触してバウンドし、男性の左足太股外側にあた
り、重傷を負ったとの通知があった。
調査を行った結果、肩掛けバンドのバックルはめ合い部の爪部
の引っかかりが少なかったため、バックルが外れてしまい、また被
害者が刈刃を回転させたまま両手ハンドルを離したことが重なり
負傷したものと推定した。
事業者は、平成18年2月9日付けの新聞及
びホームページに社告を掲載し、無償で肩掛
けバンドの交換を行っている。
なお、平成16年7月からバックルはめ合い
部のバリ取りをやめるとともに、同年11月か
らはバリをなくすため金型を変更した。
室内で放し飼いにしている犬の鳴き声に気付き確認したとこ
ろ、マルチタップが焼損し、室内にすすが充満したとの通知が
あった。
調査を行った結果、当該品のタップ部に室内で飼われていた犬
の尿が掛かり、タップ内部に浸入したため、スイッチブロック部の
絶縁性能が劣化し、トラッキング現象が発生したものと推定し
た。
事業者は、平成16年5月31日生産分よりス
イッチハンドルに液体侵入防止用のパッキン
を追加し、スイッチブロックの材料をトラッキ
ング指数※の高い樹脂に変更した。
また、平成16年7月30日、31日の新聞広告
をはじめ、ポスター、リーフレット、ホームペー
ジ等で使用方法の啓発活動を進めている。
※オーガとは、除雪機の前面にあり雪をかき込む部分のこと。除雪機には、雪を放出するシュータと、雪をかき込むオーガなどの回転機構がある。
※トラッキング指数とは、絶縁物のトラッキングの起こしにくさを示す値。絶縁物表面に電圧を印可した状態で所定の試験液(通常は塩化アンモニウム
0.1%水溶液)を滴下させ、どの電圧までトラッキング破壊を生じないか調べることにより判定するもので、値が大きいほどトラッキングを起こしにくい。
※社告情報はNITEホームページ(http://www.jiko.nite.go.jp/)にも掲載している。
58
00
NITE安全の視点
社告・リコール情報
社告情報はリスクアセスメントの観点か
TEで収集した社告情報は31件である。当社
ら、事故等が発生後、事業者が事故の被害の
告情報は、平成18年度第1四半期に、新聞等
大きさと事故の発生確率が社会に許容される
に社告を掲載し、製品の回収・交換等を実施
かどうか、検討・判断し、最終的に社告に
しているもの(再社告情報含む)の中から、
至ったとみることができるものであり大変参
事故情報収集制度における対象製品で、事故
考になる情報である。NITEが収集してい
が発生したか事故の起こる可能性の高い製品
る社告情報を関係者が使いやすいように品目
の社告を収集したものである。
別に整理した。
社告情報はNITEホームページ(http://
平成18年度第1四半期(4∼6月)にNI
www.jiko.nite.go.jp/)にも掲載している。
社告情報品目別内訳
保健衛生用品 1
家具・住宅用品 1
家庭用電気製品 11
台所・食卓用品 2
身のまわり品 2
レジャー用品 3
乗物・乗物用品 3
乳幼児用品
4
燃焼器具 4
平成18年度第1四半期〔平成18年4月∼6月〕の社告回収等一覧表
【家庭用電気製品】
型式等
販売等期間
(製造時期)
品 名
製造事業者名簿
電子レンジ
(再社告)
岩谷産業株式会社
0120-00-9930
フリーダイヤル
http://www.iwatani.co.jp
/jpn/index.html
対象機種名 対象製造年
IM-574
97・98・99年製
IM-574S 98・99年製
IM-575
98・99・2000年製
IM-575S 99・2000年製
(製造:株式会社千石)
H9年3月∼
H18年4月17日
H12年10月
<新聞,HP>
製造
使用中にマイクロスイッチの不具合により、 無償で点検・修理
発煙・発火の恐れがあることが判明した。
(平成15年9月2日に行った社告の再社告)
ノートパソコン
用バッテリ
日本ヒューレット・
パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp
/battery-replace-4800
※上記ウェブサイトに
アクセスできない場合
0120-589455
フリーダイヤル
ノートPC製品用バッテリパック
H17年1月1日∼ H18年4月20日
H17年1月10日 <新聞,HP>
製造
製造上の不具合のため極めてまれに、バッテ 無償でバッテリ
リパックの過熱、変形、発火などが発生する パック交換
可能性のあることが判明した。
電気ストーブ
(ハロゲンヒー
ター)
株式会社メディア・
プライス
0120-80-7272
フリーダイヤル
ハロゲンアイムソーラー
型番:NSH-800RI
H15アイムソーラー
型番:NSH-800-14AI
H14年10月∼
H18年4月25日
H16年1月
<新聞>
販売
内部の電圧切替部品の不具合により、発熱、 無償で点検・修理
き損の恐れがあることが判明した。
以下のPC製品に付属するバッテリの
一部が対象
HP Compaq nx4800 Notebook PC
59
社告日
社告等の内容
対処方法
NITE安全の視点
【家庭用電気製品(つづき)】
品 名
照明器具
製造事業者名簿
型式等
株式会社ロフト
チャイム ペンダントライト LT-2316
株式会社インター
(クローム・オレンジ・ホワイト)
フォルム
0120-026-210
フリーダイヤル
http://www.loft.co.jp/
株式会社ニトリ
ペンダントライト
照明器具
PM415A-5
(ペンダント)0120-177-987
フリーダイヤル
(再社告)
http://www.nitori.co.jp/
販売等期間
(製造時期)
H18年3月9日∼
4月15日販売
社告日
H18年5月3日
<新聞,HP>
H16年9月27日∼ H18年5月17日
H18年1月16日 <新聞,HP>
販売
社告等の内容
対処方法
一部のパーツの不具合により、落下等の事故 製品回収・返金
が生じる可能性がある。
一部パーツの不具合により、落下等の事故が 製品交換または
回収
生じる可能性がある。
(平成18年2月11日に行った社告の再社告)
important/recall_
060211/index.html
電気製品等
コストコホール
セールジャパン
株式会社
0570-057-555
http://www.costco.
co.jp/Recall200601.
htm
(電気製品)
H11年4月∼
H18年6月1日
515318 「庭用とうろう型噴水機」に同梱の H18年4月 販売 <新聞,HP>
アダプターTM-481210
524074 スワロフスキー シャンデリア 3002-CR
507405 フロアランプ JEWEL 2451
507407 フロアランプ OLYMPIA 2403
507409 フロアランプ ALLEGRIA 2017
507411 ティファニー アークランプ 1756-5
507412 マッシュルーム アークランプ 4015-A
509733 バークライン
マッサージチェア Q346-P47
244200 ボルネード 送風機 280SS
433249 マクロック 電動のこぎり MS1015P
619009 「シュウィン フィットネスバイク」
に同梱のアダプター D12-10-1000-06
製品自主回収
(電気製品)
輸入販売に際し、電気用品安全法の定める (返金又は製品
電気用品の安全性に関する技術基準を満たし 交換)
ているかどうかの検査が行われていなかった
ことが判明した。
(携帯用レーザー応用装置)
消費生活用製品安全法の基準で定められた
クラスを上回る出力(クラス3A)の製品が
輸入販売されたことが判明した。万が一、誤
用やいたずらにより、レーザー光が直接目に
入った場合、網膜に障害を起こす危険性があ
る。
(携帯用レーザー応用装置)
229908 アローラ レーザーポインター AL315
404523 レーザー ゴルフトレーナー なし
896003 レーザーポインター キーチェーン LP301
967427 レーザーポインター LP201
電気冷蔵庫
(再社告)
株式会社富士通
ゼネラル
0120-623-667
フリーダイヤル
http://www.
fujitsu-general.com/
jp/
電気生ごみ
処理機
浴室暖房
乾燥機
冷凍冷蔵庫
ER-F43KA-G , ER-F43KA-H ,
ER-F43KB-G, ER-F43KB-H ,
ER-F43MA-G , ER-F43MA-H ,
ER-F43MB-G , ER-F43MB-H ,
ER-F39MB-G , ER-F39MB-H ,
ER-F35MB-G , ER-F35MB-H ,
ER-F35MC-G , ER-F35MC-H ,
ER-F35MD-H , ER-M436ALG ,
ER-M43JB-G , ER-M42J1-G ,
ER-M396ALH , ER-M35JB-H ,
ER-M35JC-H , ER-D427M-H ,
ER-D420V-G , ER-D420V-H ,
ER-D359M-H , ER-D350M-H ,
ER-V43KD-G , ER-V43KD-H ,
ER-V43KDLH , ER-V38KG-A ,
ER-V38KG-C , ER-S428M-G ,
ER-42MSU-G
H7年∼H13年
H18年6月2日
販売 <新聞,HP>
庫内に食品汁等をこぼした場合、電装部に流 無償で点検・修理
れ込むことがあり、ごくまれに「発煙」や
「発火」等が発生する可能性があることが判
明した。
(平成17年9月2日に行った社告の再社告)
日立アプライアンス 家庭用バイオ式電気生ごみ処理機
株式会社
BGD-X150
0120-34-0528
BGD-X180
フリーダイヤル
http://kadenfan.
hitachi.co.jp/bgd/
H15年3月∼
H18年6月20日
H16年10月 <折り込み
販売 チラシ>
処理槽からの液漏れにより、ごくまれにヒー 無料で修理交換
タが劣化した場合、発煙発火する可能性のあ
る事が判明した。(平成16年11月4日に行っ
た社告の再社告)
株式会社ハーマンプロ
株式会社ハーマン
株式会社ノーリツ 0120-13-2587
フリーダイヤル
http://www.harman.
co.jp/news/news01.html
http://www.noritz.co.jp
/contact/important/07/
index.html
FD2809F2
FD2809F3
FD2809J2
FD2809J3
(製造:株式会社ハーマンプロ)
H12年12月∼
H18年6月22日
H18年3月 販売 <新聞,HP>
機器の構造に施工作業への配慮不足があり、 無償で点検・
設置工事の際にまれに機器に付属の電源線に 部品交換
傷がつき、経年の使用により被覆が発熱・発
火し、機器が焼損する可能性があることが判
明した。
東京ガス株式会社
0120-600-446
フリーダイヤル
http://www.tokyogas.co.jp/Press/
20060622-01.html
BBD-3300ACSK-2
BBD-3300ACSK-3
BBD-3301ACSK-J3
BBD-3302ACSK-J2
(製造:株式会社ハーマンプロ)
H13年4月∼
H18年6月22日
H17年11月
<新聞,HP>
販売
機器本体に付属している100V電力供給用電 無償で点検・
線である中継線が損傷した場合、ごくまれに 部品交換
経年によって発熱・発火に至り、機器本体が
焼損する可能性があることが判明した。
大阪ガス株式会社
161−5501、5510、5511型
0120-00-7573
(製造:株式会社ハーマンプロ)
フリーダイヤル
http://www.osakagas.
co.jp/Press/pr06/
060622_1.htm
H12年8月∼
H18年6月22日
H18年4月 製造 <新聞,HP>
機器本体に付属している100V電力供給用電 無償で点検・
線である中継線が損傷した場合、ごくまれに 部品交換
経年によって発熱・発火に至り、機器本体が
焼損する可能性があることが判明した。
60
00
NITE安全の視点
【台所・食卓用品】
品 名
製造事業者名簿
型式等
販売等期間
(製造時期)
社告日
携帯用ポット プラザスタイル株式会社 サーモフラスク
H18年3月17日
∼4月5日 販売
耐熱ガラス
ポット
H18年3月7日∼ H18年6月16日
H18年6月8日 <新聞,HP>
株式会社ダイエー
各店舗で販売
カメイ・プロアクト株式会社 色:NAVY、SAX BLUE、PINK
03−5413−8700
http://www.sonyplaza.
com/guide/
sermofrask_info.html
旭テクノグラス株式会社 パイレックス直火用コーヒー&
株式会社岩城ハウスウェア ティーポット
0120-303-723
フリーダイヤル
http://www.igc.co.jp/
page/s/0616.html
H18年4月6日
<HP>
社告等の内容
対処方法
キャップ部分の不具合により中身が漏れる恐 製品回収
れのあるものが混入していたことが判明し
た。
誤って「電子レンジ用」と本体ガラス部に印 無償で製品交換
刷・表示されたものが混入したことが判明し
た。該当製品を電子レンジで使用すると、金
属バンド部からの放電、樹脂製取っ手部の発
熱・変質が発生することがあり、使用者に火
傷等を生じさせる可能性がある。
【燃焼器具】
品 名
ガス栓
ガス給湯
暖房機
製造事業者名簿
型式等
販売等期間
(製造時期)
社告日
対処方法
不明
筑波学園ガス株式会社 空気抜き孔付き機器接続ガス栓
(キッチン組み込みタイプのガスコンロ
029-857-3187
接続用に設置したもの)
http://www.gastsukuba.co.jp/
H10年9月∼
H18年4月11日
H16年12月 設置 <HP>
ガス栓の状態ならびに使用状況によっては複 無償で点検
数の事象が重なった場合にごくまれに微量の
ガス漏洩が発生する可能性のあることが判明
した。
株式会社ハーマンプロ
株式会社ハーマン
西部ガス株式会社
0120-38-6172
フリーダイヤル
http://www.harman.co.
jp/news/news02.html
http://www.saibugas.co.jp/
info/kouhou/htmls/nr406.htm
H5年5月∼
H11年12月
販売
H18年6月22日
<新聞,HP>
長期間使用していると、機器内部にある電装 無償で点検・部品
基板にほこりが付着し、給湯および自動湯は 交換
り中に設定温度よりも高い温度のお湯が出る
可能性があることが判明した。
H5年5月∼
H18年6月22日
H11年12月
<新聞,HP>
製造
長期間使用していると、機器内部にある電装 無償で点検・部品
基板にほこりが付着し、給湯および自動湯は 交換
り中に設定温度よりも高い温度のお湯が出る
可能性があることが判明した。
YG1602R
YG1602RG
YG1602RQ
YG1602RM
YG1602RN
(製造:株式会社ハーマンプロ)
大阪ガス株式会社
44-480、481、482、483型
0120-00-6872
(製造:株式会社ハーマンプロ)
フリーダイヤル
http://www.osakagas.
co.jp/Press/pr06/
060622_2.htm
H18年4月1日
<HP>
社告等の内容
長野都市ガス株式会社 空気抜き孔付き機器接続ガス栓
小諸支社 0267-22-1549 (キッチン組み込みタイプのガスコンロ
佐久出張所 0267-68-5252 接続用に設置したもの)
丸子出張所 0268-42-4490
篠ノ井支社 026-292-1189
千曲出張所 026-273-1464
須坂支社 026-245-1851
中野出張所 0269-22-2854
http://www.naganotoshi-gas.co.jp/
ガス栓の状態ならびに使用状況によっては複 無償で点検
数の事象が重なった場合にごくまれに微量の
ガス漏洩が発生する可能性のあることが判明
した。
【家具・住宅用品】
品 名
AVラック
製造事業者名簿
型式等
株式会社デノン
デノンAVラック
コンシューマー
ARC-H55XG
マーケティング
ARC-V55XG
0120-670-518
フリーダイヤル
http://denon.jp/
whatnew/aeha.html
販売等期間
(製造時期)
社告日
H16年7月∼
H18年6月27日
H18年4月 製造 <新聞,HP>
社告等の内容
対処方法
使用している強化ガラスの一部に不具合があ 無償で部品交換
り、まれに自然破壊する恐れがあることが判 (強化ガラス)
明した。
【乗物・乗物用品】
品 名
カーステレオ
用スピーカー
製造事業者名簿
型式等
株式会社ケンウッド 車載用サテライトスピーカーシステム
0120-010-398
KSC-S9
フリーダイヤル
http://www.kenwood.
co.jp/newsrelease/
2006/20060410.html
株式会社シマノ
自転車用
0120-50-1622
クイック
フリーダイヤル
レリーズハブ
前車輪用クイックレリーズ
・前輪用ハブ
・前ホイール
販売等期間
(製造時期)
社告日
DCMJapan株式会社 折りたたみ自転車20型6段
0120-175-125
レッド、ブラック、ホワイト
フリーダイヤル
(ダイキの各店舗において販売)
対処方法
H18年4月10日
<HP>
一部車種への取り付けに必要な取付金具が、 無償で部品交換
振動や取り付け状況によって破損し、それに (取付金具)
より製品が落下防止用ワイヤーごと固定部か
ら外れ、最悪の場合、人身あるいは物的事故
につながる可能性があることが判明した。
H17年11月∼
H18年3月
製造
H18年5月10日
<新聞,HP>
前車輪用クイックレリーズハブの棒部が破損 無償で製品交換
するものが見つかった。破損した場合、走行
中に前車輪が外れて転倒し重傷を負うおそれ
がある。
H18年1月∼
販売
H18年6月19日
<折り込み
チラシ>
折りたたみ式ペダルのプラスチック部分が脱 無償で部品交換
(ペダル)
落する可能性があることが判明した。
http://cycle.shimano.
co.jp/
折り畳み
自転車
社告等の内容
H17年6月末∼
販売
61
NITE安全の視点
【身のまわり品】
品 名
製造事業者名簿
販売等期間
(製造時期)
型式等
鞄
株式会社レナウン
0120-541418
フリーダイヤル
http://www.renown.
com/
フラワーアップリケバッグ
トクコ・プルミエヴォル
品番:1493625
1493626
婦人靴
株式会社ハーモニー 婦人用パンプス
プロダクツ
Bridget Birkin
0120-953103
品番56120
フリーダイヤル
http://www.harmonyproducts.com/
H18年1月2日∼
4月19日 販売
社告日
H18年4月25日
<新聞,HP>
H18年2月12日∼ H18年5月9日
販売 <新聞,HP>
社告等の内容
対処方法
持ち手の補強に使用している金属がバッグ本 製品回収
体から抜けて飛び出したり、折れたりして身
体を傷つける恐れのあることが判明した。
一部製品の中に、ヒール部分の強度不足によ 製品回収
り、着用時にヒールが折れる可能性のあるこ
とが判明した。
【保健衛生用品】
品 名
製造事業者名簿
販売等期間
(製造時期)
型式等
サニボン泡パワー(本体、つけ替え)
排水パイプ用 小林製薬株式会社
0120-58-8439
洗浄剤
フリーダイヤル
http://www.kobayashi.
co.jp/
社告日
H17年11月∼
H18年5月2日
販売 <新聞,HP>
社告等の内容
対処方法
一部ロットに容器が膨張している商品がある 製品回収
ことが判明した。容器が膨張している商品は
内圧が高まっており、開封すると塩素を含ん
だアルカリ性の内容液が泡となってあふれ出
すことがある。また、そのまま放置すると容
器が破れて内容液が漏れ出す恐れがある。
【レジャー用品】
品 名
製造事業者名簿
販売等期間
(製造時期)
型式等
社告日
社告等の内容
対処方法
運動器具
株式会社ディノス
高速振動運動器tenten(テンテン)
0120-82-7676
フリーダイヤル
http://www.dinos.co.jp/
guide/info/info_200605.
html
H18年4月28日∼ H18年5月15日
販売 <HP>
電子部品(コンデンサー)の欠陥により、使 製品回収
用中に白煙が発生し、場合によっては発火す
るなどの事故が起きる恐れがある。
スキューバ
ダイビング用
レギュレータ
スキューバプロ・
アジア株式会社
045-775-2288
http://www.scubapro.
co.jp/recall2/index.html
ヤマハ株式会社
053-411-4744
http://www.yamaha.
co.jp/service/2006/
06061301.html
2004年11月∼
H18年6月7日
2006年5月 販売 <HP>
(日本国内未流通)
製造過程において、指定していた材質以外の 無償で製品交換
使用が認められ、時間の経過とともにボディ
部の収縮劣化が早まり、カバーとダイヤフラ
ムが脱落し使用不可能になるおそれがある。
キャリング
ホルダー
(楽器用)
SCUBAPROレギュレータシステム
MK25SA-AF/X650
MK25AF/X650
キャリングホルダー:
H元年5月∼
H18年6月13日
MKH-420、MKH-820、MSH-825、MSH-820、 H18年5月19日 <HP>
MSH-910、MSH-915、MSH-915S、MTH-620、 製造
MTH-820T、MTH-820Q
ベストホルダーアクセサリー:
MOP-910T、MOP-910Q
キャリングホルダー付マーチングベル/シロフォン:
MBL-832、MXL-832
キャリングホルダー付マルチタム:
TR-814B、TR-816B、TR-612A、TR-614A、
QD-814B、QD-812B、QD-813B、QD-614A、
QD-613A、QD-612A
マルチタム:
QD-813D、QD-813E、QD-813F、QT-813D、
QT-813E、QT-813F、QT-813FR、ST-813F、
ST-813FR
マーチングベルをキャリングホルダーに装着 無償で部品交換
して使用中に、演奏者がチルトアップ機構の
回転部分に右手小指を挟み、指先に怪我をす
るという事故が発生した。
【乳幼児用品】
品 名
製造事業者名簿
販売等期間
(製造時期)
型式等
社告日
社告等の内容
対処方法
子供用靴
コンバースフット
ベビー オールスター スターズ &
ウェア株式会社
バーズZ
0120-139-161
(英語表記:BABY ALL STAR STARS &
フリーダイヤル
BARS Z)
http://converse.co.jp
H18年2月∼販売 H18年4月20日
<新聞,HP>
ファスナー部分のストッパー部品の欠陥によ 製品回収
り、歩行中にファスナーが最下部まで落ちて
しまい、場合によっては転んでしまう恐れが
あることが判明した。
三輪車
ピープル株式会社
幼児用三輪車「イチ押し!三輪」
0120-855-915
フリーダイヤル
http://www.peoplekk.co.jp/
H18年2月23日
∼4月30日 製造
後軸軸が折れる不具合が発生し、まれに脱輪 製品交換
する恐れがある。
スカート
株式会社赤ちゃん本舗 デニムスカート
0120-365-753
品番3476008
フリーダイヤル
http://www.akachan.
co.jp/top.cfm
H18年3月24日∼ H18年5月10日
販売 <HP>
ファスナーの一部から突起が出ているという 製品回収
不具合のある商品が混入していることが判明 (不具合品のみ)
した。
子守帯
株式会社ダッドウェイ トンガベビーホルダー
0120-880188
レッド/全サイズ(S,M,L,XL)
フリーダイヤル
http://www.dadway.
com/
H17年10月4日∼ H18年6月22日
H18年6月12日 <新聞,HP>
販売
極めてまれに生地が破れやすい製品のあるこ 無償で点検
とが判明した。
H18年5月1日
<新聞,HP>
※再社告について:概ね1か月以上の間隔を空けずに、同一内容(対象機種、
対処方法等)の社告が新たに行われた場合、再社告としてカウントしていない。
62
00
NITE安全の視点
事故情報収集制度対象外
製品による事故
NITEが収集している事故情報の中には、本制度の対象外の製品も多数含まれている。たとえば、
不動産や、一般家庭では使用されない業務用製品などによる事故である。制度の対象外であっても、こ
れらの製品を製造する事業者等においては、安全な製品を設計する際のリスクアセスメントなどに重要
な情報になると考えられることから次に掲載する。
平成18年度第1四半期〔平成18年4月∼6月〕の事故情報収集制度対象外製品による事故
(新聞情報から収集したもので、製品に関連して発生した可能性があるものを収集)
※は平成18年4月∼6月内に受け付けた事故に関連する事故として報道されたもの
品 名
※ エレベーター
事 故
発生日
事故内容
2001/5/28
歩道橋に設置したエレベーターが、床面より約12センチメートル低い状態で扉が開
き、自転車に乗ったまま乗り込もうとした男性が転倒し、軽いけがを負った。
※ エレベーター 2002/10/17 福祉施設のエレベーターが1階と2階の間で停止し、1人が閉じ込められた。
※ エレベーター 2004/11/29 庁舎のエレベーターの扉が開いたまま降下した。
※ エレベーター 2005/6/22 養護学校で、制御用ヒューズが断線して、教員がエレベーターに閉じ込められた。
ガス自動
2006/3/26 木造2階建て店舗から出火し、約200平方メートルを焼いた。消防では、串に刺したう
魚焼き機
なぎを回転させながらガスで焼く自動魚焼き機が火元とみて調べている。
プレジャーボート 2006/3/27 プレジャーボートが定置網に乗り上げて座礁し、1人が重体となった。
耕運機
2006/3/31 農業従事者の男性が自宅前の空き地で耕運機を点検中、テーラー(耕すため回転する
部分)に巻き込まれて死亡した。
除雪車
2006/4/1
工場内で、修理・点検していた男性が、除雪車のオーガ部に巻き込まれ、腰や右指を
骨折する重傷を負った。警察では、男性が修理中に同僚がエンジンをかけたためオーガ
が作動し、上半身を巻き込まれたとみて調べている。
トラック
2006/4/3
高速道路で、トラックから出火し、全焼した。警察では、エンジン部分から出火した
とのことから原因を調べている。
モーター
2006/4/6
木造2階建ての飲食店から出火し、約400平方メートルを全焼した。警察では、1階の
(いけす用)
いけすのモーター付近が火元とみて調べている。
大型トラック 2006/4/6
県道で、大型トラックから出火して前輪タイヤや運転席を焼き、運転手が両手に軽い
火傷を負った。
エレベーター 2006/4/8
植物園のエレベーターに客7人が閉じ込められた。
プレジャーボート 2006/4/9
プレジャーボート2隻が衝突し、男性1人が背中に打撲などを負った。
プレジャーボート 2006/4/9
プレジャーボートが転覆して乗っていた4人が転落し、1人が死亡、1人が行方不明
になった。
電熱器
2006/4/11 ダチョウ牧場付近から出火して、鉄骨プレハブ平屋の事務所とコンテナ2棟の計約100
(人工ふ化用)
平方メートルが焼け、ダチョウの卵約100個とヒナ1羽が焼けた。警察では、コンテナの
中で電熱器を使って卵を人工ふ化させていたとのことから出火原因を調べている。
クレーン付き 2006/4/12 男性が、クレーン付き自動車で吊っていたドラム缶ごと車の荷台に転落し、全身を強
トラック
く打って意識不明の重体になった。警察では、電線に絡んでいた鯉のぼりの紐を直そう
と、自分が乗った空きドラム缶をクレーン付き自動車で吊り上げさせたところ外れ、転
落したとみて調べている。
乾燥機
2006/4/14 木造2階建てのしいたけ乾燥小屋から出火し、約60平方メートルを全焼した。警察で
(しいたけ用)
は、灯油ストーブを使った乾燥機でしいたけを乾燥させていたとのことから出火原因を
調べている。
トラクター
2006/4/14 トラクターが水田に転落し、農業従事者の男性が死亡した。警察では、男性がハンド
ル操作を誤ったとみて調べている。
エレベーター 2006/4/14 食品製造会社で、社員が荷物運搬専用エレベーターに挟まれ、頭を強く打ち死亡し
(荷物運搬用)
た。警察では、エレベーターが途中で停止したため、点検していたところ、急に動き出
して挟まれたとのことから原因を調べている。
63
発生場所
大阪府
東京都
愛知県
大阪府
茨城県
岡山県
新潟県
山形県
山口県
長崎県
滋賀県
京都府
山口県
茨城県
兵庫県
大分県
大分県
千葉県
広島県
NITE安全の視点
品 名
事 故
発生日
トラクター
2006/4/14
ボイラー
2006/4/14
大型トレーラー 2006/4/14
トラクター
2006/4/17
トラック
2006/4/18
(三菱ふそう)
大型トラック
2006/4/19
トラクター
2006/4/19
建材用ボード
2006/4/19
スプレー缶
2006/4/19
大型トラック
トラクター
2006/4/21
2006/4/23
トラクター
2006/4/23
耕運機
2006/4/24
大型トラック
2006/4/24
大型トラック
2006/4/24
バス
2006/4/25
(三菱ふそう)
運搬車
2006/4/25
(農作業用)
温水ボイラー(業務用) 2006/4/25
大型トラック(三菱ふそう) 2006/4/27
トラクター
2006/4/28
耕運機
2006/4/29
エレベーター
トラクター
2006/5/1
2006/5/2
トラクター
2006/5/3
トラクター
2006/5/3
グライダー
2006/5/3
耕運機
2006/5/4
トラクター
2006/5/5
トラクター
2006/5/5
トラクター
2006/5/6
事故内容
発生場所
農業従事者の男性が、水田脇の土手に倒れているのを発見され、死亡した。警察では、土手 千葉県
を上がる際にトラクターから転落したとみて調べている。
木造平屋の倉庫から出火し、約20平方メートルを全焼した。警察では、倉庫内のボイラー室 大分県
付近から煙が出ていたとのことから出火原因を調べている。
国道で、大型トレーラーの連結部から出火し、連結部付近にあった収納ボックスを覆う布 鳥取県
シート1枚を焼いた。
トラクターが畑から4.5メートル下の道路に転落し、農業従事者の男性が頭などを強く打っ 鹿児島県
て死亡した。
走行中の大型トラックの前輪が煙を上げてハブ(車軸周辺部分)ごと脱落し、トンネル内を 福井県
100メートル転がって炎上した。
福井県
高速道路で、大型トラックの右後輪付近から出火し、全焼した。
農業従事者の男性が、田んぼでトラクターの下敷きになり死亡した。警察では、田んぼから 滋賀県
道路に上がる際にトラクターが横転したとみて原因を調べている。
駅の階段踊り場の天井から、縦約92センチメートル、横約64センチメートル、厚さ約0.6セン 大阪府
チメートル、重さ約3.2キロの建材セメントボードが割れて落ちていた。
路上で、不燃物を回収中のごみ収集車から出火した。警察では、回収したスプレー缶が破裂 静岡県
して出火し、他のごみに引火したとみて原因を調べている。
兵庫県
高速道路のトンネル内で、大型トラックが出火、炎上した。
農業従事者の男性宅の敷地内の作業小屋にあったトラクターのエンジン部分から出火し、ト 青森県
ラクター1台を焼いた。トラクターは昼前に使用後、小屋に収納されていた。
農業従事者の男性がトラクターで耕作中、幼児が後部ロータリー部分に巻き込まれ、死亡し 岩手県
た。
農業従事者の男性が、自宅近くの畑で耕運機の下敷きになり、死亡した。警察では、けん引 栃木県
していたトレーラーが溝に落ち、ハンドルを取られて落下し、耕運機の右輪にひかれたとみて
いる。
国道で、大型トラックの右後輪タイヤがホイールボルトが外れたため脱落し、中央分離帯ま 富山県
で転がった。
国道で、大型トラックの運転席ギア付近から発煙したので停車したところ、車内から出火し 長野県
運転席を全焼した。
高速道路のパーキングエリアで、高速バスが停車した直後、後部付近からが出火し、全焼し 広島県
た。警察では、バスが走行中、後続車から「オイルが漏れている」などの通報があったことから
出火原因を調べている。
農業従事者の男性が、農作業用運搬車の下敷きになって死亡した。警察では、水田脇の農 秋田県
道から運搬車ごと下の水田に転落したとみている。
岩手県
工場1階の給湯室から出火し、業務用の温水ボイラー1台を焼いた。
群馬県
大型トラックの潤滑油が漏れて発火し、車両が全焼した。
トラクターが横転し、運転していた男性が林道から道路脇に転落、骨盤などを折る重傷を 山口県
負った。
農業従事者の女性が、自宅近くの畑で、耕運機に巻き込まれて死亡した。警察では、畑を耕 香川県
していたところ、服の一部が耕運機に巻き込まれ、頭がローラー部分に挟まれたとみている。
大阪府
高校で、生徒2人がエレベーターに閉じ込められた。
農業従事者の男性が、トラクター後部から取り外した長芋の穴掘り機の下敷きになって死亡 青森県
した。警察では、男性は長芋穴掘り機の下に潜り込み、トラクターから取り外す作業を行ってい
たことから原因を調べている。
農業従事者の男性の畑で、幼児がトラクターのロータリーに巻き込まれて死亡した。警察で 青森県
は、男性がトラクターを運転中、周りをよくみていなかった可能性があるとみて調べている。
農業従事者の男性が、自宅近くの水田でトラクターの下敷きになり死亡した。警察では、男 大分県
性がトラクターを運転中に転倒したとみて原因を調べている。
二人乗りのモーターグライダーが離陸直後に墜落し、滑走路上で炎上、乗っていた2人が死 兵庫県
亡した。
トレーラーをつけた耕運機が後退中に法面に衝突し、運転していた農業従事者の男性が転 秋田県
落、タイヤに巻き込まれた衣服に首を絞められて死亡した。
農業従事者の男性が、トラクターの下敷きになって死亡した。警察では、男性はトラクターを 秋田県
水田から農道に出そうと運転中、転落したとみている。
農業従事者の男性が、トラクターの下敷きになって死亡した。警察では、男性は帰宅するた 山形県
めトラクターで走行中に農道下の側溝に転落したとみている。
男性が、トラクターの下敷きになり死亡した。警察では、トラクターが水田の深みにはまって 茨城県
横転し、下敷きになったとみて調べている。
64
00
NITE安全の視点
品 名
事 故
発生日
トラクター
2006/5/6
運搬車
(農作業用)
消火器
2006/5/7
耕運機
2006/5/8
トラクター
2006/5/10
バス
(福祉車両)
2006/5/10
2006/5/8
キャリアカー
2006/5/11
(自動車運搬車)
重機
2006/5/12
配電盤
大型トラック
2006/5/13
2006/5/13
発電機
2006/5/14
電気器具
2006/5/14
(木材加工用)
トラック
2006/5/15
トラクター
2006/5/15
遊具(滑り台) 2006/5/16
トラクター
2006/5/18
トラクター
門(アルミ製)
2006/5/19
2006/5/20
鉄柱
2006/5/20
大型トラック(三菱ふそう) 2006/5/23
大型トラック
2006/5/23
トレーラー
スプレー缶
2006/5/23
2006/5/24
殺虫剤
2006/5/27
ボイラー
2006/5/27
トラクター
2006/5/31
圧力がま
(業務用)
2006/6/1
トラクター
2006/6/1
事故内容
発生場所
農地に置いてあったトラクターが焼けた。警察では、バッテリー付近の燃え方が激しいこと 山形県
から、バッテリーや電気系統の異常により出火したとみて調べている。
農業従事者の男性が、農作業用運搬車の下敷きになって死亡した。警察では、男性はあぜ 岩手県
道を走行中、運転操作を誤り、農業用水路に転落したとみている。
金属回収業の資材置き場で消火器が爆発し、作業中の男性が頬を骨折した。警察では、金 岡山県
属の分別作業中に素手で消火器に触れたところ、突然爆発したとのことから原因を調べてい
る。
農業従事者の男性のトレーラー付き耕運機が市道脇に転落し、同乗していた女性が右腕と 岩手県
股関節の骨を折る重傷を負った。
農業従事者の男性が、トラクターを運転中に下の水路に転落し、トラクターの下敷きになっ 宮崎県
て重体となった。警察では、男性は畑の通路を後退していたところ、路肩が崩れ転落したとみ
ている。
老人介護施設で、送迎用マイクロバスのリフトから車いすが転落し、乗車していた男性が頭 北海道
を強く打ち死亡した。警察では、職員がリフトを操作中、リフトの車止めが途中で外れ、車いす
が後ろ向きに転落したとのことから原因を調べている。
高速道路で、キャリアカーが燃えた。警察では、走行中に運転席の後ろ付近から炎が上がっ 佐賀県
たとのことから出火原因を調べている。
木材運搬用小型重機から出火し、エンジン部分や運転席などを焼いた。警察では、エンジン 秋田県
キーをつけて空き地に置いていたとのことから出火原因を調べている。
神奈川県
県民ホールの配電盤から出火し、同盤の内部を焼いた。
高速道路で、燃料タンクに穴が開き燃料漏れを起こしたままの大型トラックが走行し、後続 兵庫県
の車2台がスリップして側壁やガードレールに衝突、1人が軽傷を負った。
木造平屋の物置小屋の発電機から出火し、約3平方メートルを全焼した。警察では、発電機 山形県
を作動させたところ、煙が出て出火したとのことから原因を調べている。
木造平屋の工務店の作業場から出火し、約130平方メートルを全焼した。警察では、作業場 茨城県
には建築資材や木材加工用の電気器具などがあったことから原因を調べている。
高速道路で、トラックから出火し、車両後部を半焼した。警察では、走行中に異音がし停車 山口県
したところ、荷台の下から出火したとのことから原因を調べている。
農業従事者の男性が、トラクターの下敷きになり死亡した。警察では、トラクターが休耕田か 山口県
らあぜ道に出たところで転落したとみて原因を調べている。
公園で、幼児が滑り台から落ち、地面に敷かれた鉄製の格子蓋にぶつかり、額に裂傷を負っ 岩手県
た。
トラクターが横転し、男性が頭などを強く打ち死亡した。警察では、トラクターはカーブの下 鹿児島県
り坂でバランスを崩して倒れたとみて調べている。
新潟県
農業従事者の男性が、農道脇の川で、転落したトラクターの下敷きになり死亡した。
県営公園でアルミ製の入場門が倒れ、男性が下敷きになって顔や肩などにけがをした。警察 兵庫県
では、入場門は突風にあおられ倒れたとみている。
ゴルフ練習場で、防護ネットを支える高さ約60メートルの鉄柱12本が突風で倒れ、車6台と 埼玉県
隣接する工場の屋根を破損した。
静岡県
走行中の大型トラックの潤滑油が漏れて、発火した。
国道で、走行中のトラックから右後輪タイヤ1本が外れ、対向車線沿いにある自動車販売店 福井県
の展示車両にぶつかった。運輸局では、タイヤを固定する8本のホイールボルトがすべて折れ
たため外れたとみている。
静岡県
国道で、走行中の大型トレーラーのエンジン付近から出火し、運転席部分などを焼いた。
市道で、ごみ収集車から出火した。消防では、ごみの中にあったスプレー缶のガスに引火し 山形県
たとみて調べている。
4階建てビル1階の居酒屋で、客ら計14人がのどの痛みを訴えて病院へ運ばれた。警察で 大阪府
は、同ビル4階の料理店で害虫駆除のため、くん煙殺虫剤を使用しており、この煙がダクトを
通って1階に流れたとみて原因を調べている。
鉄筋3階建ての住居兼銭湯から出火し、2階の一部を焼いた。警察では、ボイラーに火をつ 三重県
けてかまを温めていたとのことから、ボイラーにおがくずを落とす装置に不具合があって爆発
し、2階に燃え移ったとみて調べている。
休耕田で、男性がトラクターの後部に取り付けた草刈機に巻き込まれて、死亡した。警察で 青森県
は、男性は草刈機に巻き込まれた草を取り除こうとした際に巻き込まれたとみて調べている。
食品加工工場で、調理用圧力がま(直径約95センチメートル、高さ40センチメートル)を操 茨城県
作していた従業員が、吹き飛んできたかまの上部が顔面に当たり、死亡した。警察では、従業員
は調理が終わり片付け作業に移る間際だったとのことから原因を調べている。
市道で、男性のトラクターが道路横の深さ約2メートルの溝に転落し、死亡した。警察では、 大分県
運転を誤ったとみて調べている。
65
NITE安全の視点
品 名
事 故
発生日
エレベーター
2006/6/1
エレベーター
2006/6/3
パワーショベル 2006/6/3
トラクター
2006/6/4
バス
2006/6/5
(三菱ふそう)
トラクター
2006/6/6
ミキサー車
2006/6/6
トラック
2006/6/6
トラック
シャッター
2006/6/7
2006/6/7
プレジャーボート 2006/6/8
ボイラー
2006/6/8
エレベーター
2006/6/10
四輪自動車
2006/6/10
ロープーウエー 2006/6/11
トラクター
2006/6/12
送風ダクト
(金属製)
2006/6/12
四輪自動車
2006/6/13
エレベーター
2006/6/13
バックホー
2006/6/13
エアコン
2006/6/13
エレベーター
エレベーター
外壁
2006/6/13
2006/6/14
2006/6/14
業務用冷蔵庫
2006/6/14
電気衣類乾燥機 2006/6/15
事故内容
発生場所
集合住宅のエレベーターで、住民が11階のボタンを押したところ、通り過ぎて14階フロアの
約50センチメートル上で停止し、乗っていた住民が閉じ込められた。
集合住宅で、男性がエレベーターを降りようとしたところ、突然ドアが開いたまま上昇し、男
性はゴンドラの床とエレベーター出入り口の上部に挟まれて死亡した。
農道で、男性が横転したパワーショベルの下敷きになり、死亡した。警察では、農道脇の用
水路でパワーショベルのバケットを洗おうとして、乗ったままバランスを崩したとみて調べてい
る。
水田で、農業従事者の男性が横転したトラクターの下敷きになり、死亡した。警察では、男
性が農道から2.5メートル下の水田にトラクターごと転落したとみて調べている。
高速道路を走行中のバスの車内後部に煙が入り込んできたので停車したところ、エンジンと
車体の一部を焼いた。
水田で、男性がトラクターの下敷きになり、重傷を負った。警察では、男性はトラクターを運
転中に運転席から投げ出されて右後輪に右足を挟まれ、身動きが取れなくなったとみている。
工事現場で、駐車中のコンクリートミキサー車が突然動き出し高所作業車に衝突、作業車で
作業中の男性2人が8メートル下の地面に振り落とされ、1人が死亡、1人が意識不明の重体と
なった。
府道を走行中のトラックから左後輪タイヤ2本が脱落した。タイヤを避けようとした後続の
乗用車が急ブレーキをかけたたため、その後ろの乗用車3台が相次いで追突し、男性4人が軽
傷を負った。警察では、タイヤを車軸に固定するためのボルトのナットが緩んでいたとみて調べ
ている。
高速道路で、走行中のトラックから出火し、左後輪付近を焼いた。
小学校で、男児が突然下りてきた防火シャッターと床の間に首の辺りを挟まれ、意識不明の
重体となった。
海上で、男性ら6人が乗ったプレジャーボートのかじが故障し、航行不能になった。
ねん糸会社の工場から出火して、木造2階建ての工場3棟、計約1200平方メートルを全焼
し、隣家2棟も半焼した。警察では、ボイラー付近から炎が上がっていたとのことから出火原因
を調べている。
集合住宅のエレベーターで、住民が11階のボタンを押したところ、通り過ぎて14階フロアの
約50センチメートル上で停止し、乗っていた住民2人が閉じ込められた。
車両事故の修理のため、工場の敷地内でレッカー車の荷台に乗せていた乗用車から出火
し、エンジンルームなどを焼いた。
運転中のゴンドラの扉が開き、地上約25メートルで約1分停止した。扉は出発前、遠隔操作
で閉めたが、係員は扉が完全に閉まっていないことに気付きながら、非常停止の措置を取らな
かった。市では、扉を閉めた直後に誤って扉を開くボタンに手があたるなどしたとみている。
農耕用トラクターが私道から約3メートル下の水田に転落し、農業従事者の男性がトラク
ターの下敷きになって死亡した。
健康増進施設の天井につり下げてあった送風ダクトの取り付け金具が壊れ、約10メートル下
のプールサイドに落下した。市では、運転時の振動による金具の金属疲労が落下の原因とみて
いる。
高速道路で、大型タクシーのエンジンルームから出火した。警察では、エンジントラブルが原
因とみて調べている。
ビルで、エレベーターが下降中に突然停止し、男女12人が閉じ込められ、女性1人が気分が
悪くなり病院に搬送された。
自宅敷地内で、農業従事者の男性が横転したバックホー(土木機械)の下敷きになり、死亡
した。警察では、高さ約1メートルの盛り土の上で運転中にバックホーが横転したとみて調べて
いる。
家電量販店から出火し、天井に備え付けられているエアコンと断熱材約10平方メートルを焼
いた。
集合住宅で、エレベーターが上昇中に突然停止し、乗っていた子供2人が閉じ込められた。
集合住宅のエレベーターで、新聞配達中の女性が4階と5階の間に閉じ込められた。
図書館で、2階ベランダから縦138センチメートル、横72センチメートル、厚さ3センチメート
ルの人工大理石製の化粧板4枚がはがれて落下し、一部が下に駐車していた乗用車の屋根に
あたり、直径約50センチメートルの穴が開いた。
農機具小屋から出火し、同小屋と隣接する住宅の一部の計約87平方メートルを焼いた。警
察では、小屋の中にある玄米などの貯蔵用冷蔵庫付近が激しく燃えていることから出火原因を
調べている。
木造2階建て銭湯兼住宅から出火して約470平方メートルを全焼し、男性がのどなどに軽い
火傷を負った。警察では、併設されているコインランドリー内の乾燥機から出火したとみて原因
を調べている。
千葉県
66
00
東京都
滋賀県
宮城県
広島県
長野県
愛媛県
大阪府
静岡県
新潟県
福井県
福井県
千葉県
岩手県
山口県
広島県
島根県
大分県
兵庫県
青森県
香川県
兵庫県
福岡県
富山県
京都府
東京都
NITE安全の視点
品 名
事 故
発生日
軽飛行機
2006/6/16
エレベーター
トラクター
エレベーター
草刈機
(乗用式)
エレベーター
2006/6/16
2006/6/17
2006/6/17
2006/6/17
クレーン付き
トラック
2006/6/17
エレベーター
2006/6/18
エレベーター
2006/6/18
エレベーター
エレベーター
電動扉
2006/6/19
2006/6/19
2006/6/19
トラクター
2006/6/20
エレベーター
2006/6/20
エレベーター
2006/6/20
ガスオーブン
(業務用)
トラクター
2006/6/21
コンバイン
2006/6/22
トラクター
2006/6/23
運搬車
(農作業用)
2006/6/24
エレベーター
2006/6/24
2006/6/17
2006/6/21
遊具(回転式) 2006/6/24
暖房機
2006/6/25
(ビニールハウス用)
リフト
2006/6/25
フォークリフト
2006/6/27
エレベーター
2006/6/27
事故内容
発生場所
航空専門学校の実習場で、整備訓練中の軽飛行機が突然動き出して隣接する民家の壁に衝
突し、乗っていた教官と実習生の計3人が顔や足に軽いけがを負った。
橋に設置されたエレベーターが突然停止し、男性が閉じ込められた。
農業従事者の男性が、あぜ道からトラクターごと転落し、死亡した。
福祉施設で、エレベーターが2階フロアから約40センチメートル上にずれて停止した。
農業従事者の男性が、乗用草刈り機の下敷きになり死亡した。警察では、走行中に道路の
のり面から草刈機ごと転落したとみて調べている。
駅構内のエレベーターが、地下2階の床から30センチメートル上昇したところで突然停止し、
幼児を含む男女4人が閉じ込められた。
ログハウス建設工事現場で、木材などを移動する作業中にクレーン付きトラックが横転し、下
敷きになった男性1人が死亡、1人が意識不明の重体になった。警察では、斜面に止めていた
トラックが作業中にバランスを崩し、横転したとみて調べている。
集合住宅で、3階から1階にエレベーターで降りたところ、扉が開かなくなり女性が閉じ込め
られた。
東京タワーで、大展望台から降下中のエレベーターが3階に止まらず、1階まで行き過ぎて急
停止した。
集合住宅で、1階に停止したエレベーター内に幼児を含む5人が閉じ込められた。
庁舎の2階付近で、エレベーター内に男女8人が閉じ込められた。
中古車輸出会社で、子供が電動式の高さ約1.4メートル、長さ10メートルの鉄製門扉と門柱
の間に頭などを挟まれ、死亡した。警察では、門扉の横についているスイッチを操作し、扉を開
け閉めして閉まる直前にすり抜ける遊びをしていて挟まったとみて調べている。
市道で、トラクターが道路横約4メートル下の休耕田に転落し、運転していた男性は死亡し
た。
集合住宅で、エレベーターが1階から2階に上昇する途中、突然停止し、乳児を含む3人が閉
じ込められた。
地下鉄の駅で、地下のホームと地上階を結ぶエレベーターが、地上階に到着した直後に動か
なくなり、男女11人が閉じ込められ、内2人が気分が悪くなった。
洋菓子店で、男女8人が一酸化炭素中毒で病院に搬送され、内1人が重症となった。警察で
は、オーブンが不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が大量に発生したとみて調べている。
トラクターが畑から約2メートル下の畑に転落し、農業従事者の男性が下敷きになり死亡し
た。警察では、運転を誤ったとみて調べている。
水田で、コンバインが全焼した。消防では、野焼きの火をコンバインで踏んで消そうとして燃
え移ったとみている。
畑で、農業従事者の男性がトラクターの下敷きになり、死亡した。警察では、男性は畑でトラ
クターを運転中、畑脇の林道に転落し、反転したトラクターの下敷きになったとみて調べてい
る。
市道で、農業従事者の男性が小型農耕用運搬車の下敷きになり、死亡した。警察では、男性
は運搬車を畑から市道に出そうと後ろ向きで操作中に誤って転倒、ギアが入ったまま後退して
きた運搬車の下敷きになったとみて調べている。
集合住宅の1階で、エレベーターが約10センチメートル上昇したところで止まって扉が開き、
乗ろうとした女性がつまずいて転倒し、手や足に軽いけがを負った。
児童公園で、回転式遊具の鉄製の軸が突然根元部分から折れ、遊具に乗って遊んでいた小
学生6人が投げ出されて、うち4人が頭や左足を打つなどの軽傷を負った。警察では、軸の根
元が腐食し回転中に折れたとみている。
ビニールハウスから出火し、約50平方メートルを焼いた。警察では、暖房機付近が燃えてい
ることから出火原因を調べている。
スキー場で、リフトを支える鉄パイプが折れ、リフト1基が落下し、乗客1人が腰の骨を折る
重傷を負い、1人が軽傷を負った。
空き地で、フォークリフトが横転して農業従事者の男性が下敷きになり、死亡した。警察で
は、後輪が溝にはまって横転していたことから、運転操作を誤ったとみて調べている。
集合住宅の1階で、エレベーターが約20センチメートル上昇したところで突然止まり、住民の
男性が閉じこめられた。
大阪府
67
神奈川県
鹿児島県
新潟県
秋田県
神奈川県
北海道
愛知県
東京都
東京都
東京都
佐賀県
岡山県
大阪府
兵庫県
東京都
鹿児島県
三重県
秋田県
秋田県
静岡県
石川県
岩手県
群馬県
滋賀県
神奈川県
NITE安全の視点
NITE人間特性データベースと
安全・安心なものづくり
独立行政法人 製品評価技術基盤機構
生活・福祉技術センター
標準化センター
人間・福祉技術課 主任
三浦 範大
近年の急速な高齢化が進んだ結果、市井にある製品を利用する高齢者が急増している。また、高齢者は、加
齢による筋力や認知力の低下もあり、誤使用事故や不注意事故を引き起こしやすい製品ユーザーともいえる。そ
の中で、誰にでも使いやすいモノづくりとしてユニバーサル・デザインなどの考え方が企業に普及しつつある。
これらに共通することは、安全・安心・快適な生活の実現ということであり、そのためには、高齢者がど
ういうことができ、どういうことができないのかを知ることがとても重要といえる。
そこで、NITEでは、製品設計者が高齢者のできることを知る一助として、高齢者の身体能力に着目した
データベースを公開した。
1.安全・安心なものづくり
のために
ISO13407(人間工学インタラクティブシス
テムの人間中心設計プロセス)が策定され
本誌第2号の特集「誤使用を考える」で
てからは、設計の中に人間特性を取り入れ
は、中高年世代で誤使用及び不注意による事
る方法論が明確に規定されたことから、積
故が圧倒的に多く、重篤な被害を被った割合
極的に人間中心設計を活用する動きも出て
も高いことが示され、その要因を明確にする
, 6〕
きた〔5〕〔
。
ために事故情報を総合的に分析し、これからの
これらに共通することは、ヒトはどういう
社会がどうあるべきかと提言されていた〔1〕。
ことができて、どういうことができないのか
その中では、利用者が誤使用などを起さな
を知ることであり、とくに、前述で示した多
いようにするために、利用者側に精神論的に
くの事故を被った中高年者の特性がわからな
注意を促せばよいという考え方からヒューマ
いとデザインをする者としては路頭に迷うこ
ンファクタを科学することが重要とあった。
とになる。そこで、ヒトの特性がまとめられ
確かに、設計者がこのことを念頭に置くこと
たハンドブック、データ集が重宝され、現在
で、より安全・安心・快適な生活へ社会が進
ではインターネットが広く普及していることか
んでいくと思われ、設計に携わる技術者や研
らウェブ上におかれたデータベースが、より効
究者の立場からも学会の特集などで安全・安
果的にこれらの役割を果たすことができる。
心を中心としたモノづくりや環境づくりが提
例えば、書籍にまとめられたものとして、
案されつつある〔2〕,〔3〕。
身体寸法では社団法人人間生活工学研究セン
一方、近年話題の多いユニバーサル・デザ
ターの約34,000人のデータがあり〔7〕、高齢者
インでも使いやすさの基準をいかにすべき
の労働安全の観点による調査研究では、モノ
か、という観点から人の特性を知ろうとする
の操作や環境との関係による作業負荷を詳細
研究が数多く行われている〔4〕。とくに、
に分析したデータがある〔8〕。また、建築設
68
00
NITE安全の視点
計の観点からヒトの動作・行動・知覚などを
な生活に寄与するものづくりや環境づくりの
総合的にまとめた資料集もある〔9〕。さらに、
ために、図1、2のように高齢者のできるこ
能力限界を記したハンドブックがある
と・できないことを設計者が知る一助になれ
。
〔10〕
そこで、本稿では「ヒトを測る」「モノを
ばと期待する。
測る」「ヒトとモノとの関係を測る」技術・
な お 、当 該 D B で 得 ら れ た 結 果 は 、
施設〔11〕を有するNITEが高齢者を中心に身体
ISO/Guide71(規格作成における高齢者、障害
能力を計測し、ウェブ上で公開した“NITE
者のニーズへの配慮ガイドライン)のデータ集
人間特性データベース(以下、DB)”につ
ISO/TR 22411に引用されている。
いて述べる。このDBが、安全・安心・快適
ほんとうに
堅いわねぇ
どうして高い
棚にしたのよ
しっかり
支えられ
ないわ
ものや道具を使う人は、どういうことが
できて、どういうことができないのかを
きちんと知ることが重要
図1 高齢者は、どういうことができないのだろうか?
右手でひねる
平均 2.42Nm
腕を上げる角度
平均 158°
左手の握力
平均 197N
数値でわかると設計に役立つ
図2 どれくらいのことができるのか? (70歳代女性の場合) 69
NITE安全の視点
2.日本の高齢者・世界の高齢者
の高齢者・障がい者補助具への対応などが課
一般的に、総人口に占める65歳以上の高齢
題となっている〔13〕。また、世界各国から注
者人口割合が7%以上では「高齢化社会」、
目を浴びる北京オリンピック・パラリンピッ
14%以上では「高齢社会」、20%以上では
クや上海万国博覧会などの国際イベント施設
「超高齢社会」といわれている。ここで、総
を含む公共施設などにもバリアフリー化を進
務省の統計によれば、2006年9月現在の日本
めていくことが政策目標とされている。
の高齢者人口割合は20.7%(2640万人)であ
このような状況において、高齢社会先進国
り
、すでに「超高齢社会」に突入したと
である日本がハード・ソフト双方で国際的に
いえる。また、マスメディアでもよく取り上
貢献できる部分が多々あり、日本としては、
げられるように、日本は急激な高齢化の道を
これから始まる急激な高齢化への社会変化に
歩んできたが、各国の高齢者人口割合を比較
対して未経験である各国にイニシアチブを持
した表1からもその急進度がよくわかる。
ち、積極的に協力していくことが重要だろ
一方、図3より世界各地域の高齢者人口割
う。とくに、世界人口の60.4%を占めるアジ
合及びその予測値をみても日本の急激な高齢
ア地域〔14〕には、日本人とよく似た体格を持
化を見て取れるが、今後は欧州、中南米、ア
つ人たちが多く、今まで日本人に対しておこ
ジア各地域にも高齢化による急激な社会変化
なってきた研究や事例の多くが、アジア地域
がおこると予測される。
の人々の安全・安心・快適な生活の確保に寄
とくに、図4にあるように「高齢化社会」
与できるといえる。つまり、日本人高齢者の
となった中国では、これまで重視されてこな
ことをよく知り、その手助けとなる製品を生
かった高齢化問題に真剣に目を向け、今年度
み出すことは、そのまま世界中に暮らす多く
から始まる5カ年計画に高齢者・障がい者対
の高齢者にも恩恵をもたらすこととなるだろ
策が盛り込まれた。この中では、高齢者施設
う。そして、我々のDBが少しでも貢献でき
の不足や中国国内で生産能力を持たない多種
れば、この上なく幸せなことと思う。
〔12〕
[%]
図3 世界主要地域別高齢者(65歳以上)人口割合〔14〕 (資料一部改変) 70
NITE安全の視点
表1 65歳以上人口割合の高い国〔14〕 順位
(%)
2000年
割合
11.38
11.18
11.05
10.73
10.68
10.60
10.37
10.25
10.10
9.72
9.68
9.61
9.42
9.13
8.96
8.84
8.61
8.52
8.34
8.27
・・・
国名
フ ラ ン ス
ラ ト ビ ア
ベ ル ギ ー
イ ギ リ ス
ア イ ル ラ ン ド
エ ス ト ニ ア
オ ー ス ト リ ア
ス ウ ェ ー デ ン
グ ル ジ ア
ド イ ツ
ノ ル ウ ェ ー
ス イ ス
リ ト
ア ニ ア
デ
ン
マ ー ク
ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド
ベ ニ ン
ベ
ラ
ル ー シ
マ
ケ
ド ニ
ア
ア ル メ ニ ア
チ ェ コ
・・・
・・・
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
1950年
58 日 本
2050年
国名
割合
イ タ リ ア
18.24
ス ウ ェ ー デ ン
17.27
日 本 17.21
ベ ル ギ ー
16.92
ギ リ シ ャ
16.79
ス ペ イ ン
16.69
ド イ ツ
16.37
ブ ル ガ リ ア
16.36
フ ラ ン ス
16.31
ポ ル ト ガ ル
16.15
イ ギ リ ス
15.86
オ ー ス ト リ ア
15.56
ク ロ ア チ ア
15.52
ノ ル ウ ェ ー
15.34
ラ ト ビ ア
15.18
エ ス ト ニ ア
15.08
ス イ ス
14.98
フ ィ ン ラ ン ド
14.92
デ
ン
マ ー ク
14.82
ハ
ン
ガ リ ー
14.67
国名
割合
日 本 35.89
イ タ リ ア 35.53
韓 国 34.54
ス ペ イ ン 34.09
ス ロ ベ ニ ア
32.80
ホ ン コ ン 特 別 行 政 区 32.26
チ ェ コ 共 和 国 31.95
シ ン ガ ポ ー ル
31.31
チ ャ ド
30.74
オ ー ス ト リ ア 30.68
ス ロ バ キ ア
30.48
ポ ル ト ガ ル
30.24
ギ リ シ ャ 30.24
ブ ル ガ リ ア
30.23
ポ ー ラ ン ド
29.75
ウ ク ラ イ ナ
29.13
ラ ト ビ ア 29.07
ハ ン
ガ リ ー 29.05
リ ト
ア ニ ア
28.76
ル ー
マ ニ ア 28.71
4.94
UN, World Population Prospects: The 2004 Revision(中間推計)に掲載されている192か国のうち2005年人口が100万人以上の国(153か国)に
ついての順位。
◎障害者 6,000万人*
⇒世界障害者総人口の1/10
聴覚言語障害者
知的障害者
肢体障害者
視覚障害者
精神障害者
多重及びその他の障害者
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
◎高齢者(60歳以上) 1.44 億人*
⇒中国総人口の11%
⇒世界高齢者総人口の1/5
2,057万人
1,183万人
877万人
877万人
225万人
782万人
*2006年 3月 政府公表データ
◎今後15年間、年平均660万人増加
2020年には、2.5億人になる見込み
*1987年政府公表データ
◎独居する高齢者が増加する傾向
◎60%は介護サービスやリハビリが必要
◎老人ホームへの入居希望が増加する傾向
◎労働能力のある人は80% が仕事有
約2億の潜在顧客を有する巨大市場が眼前にある
図4 中国における高齢者・障害者の現状〔13〕 (資料一部改変) 71
NITE安全の視点
3.NITE人間特性データベース
3-1. 収録データ
DBには、①身体属性②体力値③最大発揮
NITEでは、平成12∼14年度の間に全国6
力④関節自動可動域⑤関節受動抵抗(関節の
都市(仙台市、東京都渋谷区、名古屋市、金
硬さ)⑥上肢操作力の6種類のデータのほ
沢市、大阪市、福岡市)にて、20∼80歳代の
か、年齢や生活アンケート(運動歴など)な
男女約1,000名(うち、高齢者は約600名)の
どが含まれている。これらのデータ項目の一
身体能力がどの程度有するのかということに
部を図5で示す。
ついて調べた。そして、それらをまとめたも
なお、①身体属性は、身長・体重・足長・
のが“NITE人間特性データベース”であ
腹囲などの身体寸法や重量であり②体力値
る。このDBは、ホームページ上で登録(無
は、握力・垂直跳び高さ・長座体前屈・視
料)するだけで、必要なデータ間の簡単な統
力・聴力など一般的な力や柔らかさなどの運
計処理やグラフ化をおこなうことができ、計
動能力及び感覚データである。
測データのダウンロードも可能である。
また、最大発揮力をより一般化するため、
http://www.tech.nite.go.jp/human/
風袋重量(腕そのものの重さなど)を除いた
(English Version)
ものに関節から計測点までの長さを乗じた関
http://www.tech.nite.go.jp/human/index
節トルクもDBに掲載した。
eng.html
計測例:膝関節伸展最大発揮力測定
計測例:肘関節屈曲自動可動域測定
計測例:肩関節屈曲受動抵抗測定
図5 人間特性データベースのデータ項目(抜粋)
72
NITE安全の視点
3-2. 被験者(被計測者)
直角に前に曲げた姿勢のときの床面から肘の下
DBの被験者は、NITE内の計測場所まで自
までの高さ)を基準に高さ比率を変えて測定を
力で来られる健常者であり、その年齢別被験
おこなった。
者数の内訳は表2となる。
ここで、各計測方法の詳細については、
ホームページ上の「計測方法」に計測マニュ
表2 年代別・性別被験者数
アルや関連する情報を掲載しているので、そ
ちらを参照していただきたい。
なお、計測に当たっては、ヘルシンキ宣言
なお、安全性などの観点から被験者全員が
〔15〕
すべての項目を計測したとは限らないため、
に計測をおこなった。とくに、被験者の判断
DBの検索条件によっては、この人数よりも少
で不利益を受けることなく、いつでも計測の
ない場合が多々ある。
中断や中止ができることを伝え、個人情報に
を念頭に置き、被験者の安全確保を第一
ついても人間特性データとして必要な情報
3-3. 計測条件
(年齢・性別など)及び計測の安全確保上必要
図5に示した各項目中、被験者の身体的負
な情報(痛みを感じたことのある関節部位な
担を考慮して、両側があるものについては右
ど)以外は、個人に関する情報を得ていない。
側のみの計測とした。ただし、計測時の負担
が比較的少ない寸法及び体力データについて
3-4. NITE人間特性データベース出力例
は、両側を計測した。
被験者計測で得られたデータをホームペー
また、上肢操作力については、ヒトとモノと
ジ上でデータ検索及び統計処理を行うと以下
の位置関係と発揮力・作用力の大きさとの間に
のように表される。
強い相関があることから、肘頭高(立位で肘を
例)膝屈曲角度90°の時の膝伸展力(男性)
図6 年齢別膝伸展力(男性)
73
NITE安全の視点
表3 散布図の統計データ
注)データ数 = 被験者数 × 計測回数(計測項目により、計測回数は異なる)
表4 近似曲線の式(2次式の場合) 3-5. NITE人間特性データベースから
そこで、最大発揮力(最大関節トルク)と上
わかること
肢操作力について、ダウンロードしたDBの
高齢者を対象にした製品設計では、ヒトの
データを詳細に統計処理することでどのような
特性を世代間や性別で比較することが多い。
世代間の違いがみられるかを以下に例示する。
①任意の角度のときに、膝を曲げたり、伸ばしたりするときの最大トルク
図7 膝を曲げようとするときの最大トルク
図8 膝を伸ばそうとするときの最大トルク
②異なる高さで男性が取っ手を押すときの最大の力
図9 肘頭高の80%の高さのときの最大発揮力
図10 肘頭高の高さのときの最大発揮力
74
NITE安全の視点
①では、膝の曲げ伸ばしに関わらず、加齢
に、CAD/CAEなどの設計システムの中に
による筋力の低下がみられる。とくに、図
様々なヒトの特性を組み込んだシミュレー
7、8の最大値と最小値の比率を性別で比較
ターが作られて、安全・安心・快適な生活の
すると、男性・屈曲56.1%、伸展62.9%、女
ための条件をその場で確認しながら設計でき
性・屈曲68.3%、伸展68.4%と女性の方が加齢
る時代が来ることを待ち望む。
による筋力への影響が小さいといえる。
②では、図9、10ともに、30歳代以降の加
さいごに
齢とみられる変化に対して、20歳代の力が極
端に低いのは、近年懸念されている児童や学
今回示したDBの結果は、計測したデータ
生の体力低下が影響しているのではないかと
の平均値を示したが、実際の設計では、ター
考えられる。また、世代横断的に押す力は、
ゲット・ユーザーの設定により、5%tileや
肘を直角に曲げた位置よりも低い位置の方
95%tile(5%tileとは、全データを順番に並
が、多少力を出しやすいといえるだろう。
べたときに、小さいほうから5%の位置にあ
このような結果が前述のISO/TR22411
る値をいう)など統計的に重要な値を活用さ
(ISO/Guide71のデータ集)などに反映され
れることと思う。我々のDBは、登録者が
ている。
ホームページ上で自由にそれらの処理が行え
るようになっているので、積極的にDBを活
用いただき、安全・安心・快適な生活へのモ
4.安全・安心なものづくりへの
活用事例
ノづくりや環境づくりに生かしていただけれ
ば幸いである。
当該DBを、学会論文等に引用された例と
して、吉野ら〔16〕は上肢操作力の高齢者が引
問い合せ先:
く力を検証データとして用い、履きやすい靴
大阪市中央区大手前4-1-67 下の開発をおこなった。また、趙ら
大阪合同庁舎第2号館別館
は、
〔17〕
コンピュータ上でヒトの運動を生成するため
独立行政法人製品評価技術基盤機構 に、高齢者の関節自動可動域を境界値として
生活・福祉技術センター
転倒動作モデルを作成した。
標準化センター 人間・福祉技術課
また、上肢操作力のように、ヒトとモノと
TEL06-6942-1115 FAX06-6946-7280
の関係を含めた身体特性を知ることにより、
e-mail:[email protected]
安全で安心して容易につかみやすい取っ手の
高さやビンの開栓力などの設計値に活用する
ことも可能である。
今後は、高齢者に負担が少ない製品設計の
ための基準などに生かされるなど安全・安
心・快適な生活への活用を期待したい。さら
75
NITE安全の視点
<引用文献>
〔1〕製品評価技術基盤機構;“誤使用を考える”、生活安
全ジャーナル、第2号、p2-25、2006
〔13〕中国国際福祉博覧会2007;中国国際福祉博覧会説
明資料、http://www.crexpo.cn/show.asp
〔2〕日本機械学会;“安全・安心”、メカライフ、Vol.109、
No.1048、p1-61、2006
〔14〕国立社会保障・人口問題研究所;人口統計資料集
2006年版、http://www.ipss.go.jp/
〔3〕計測自動制御学会;“予防安全のためのヒューマン
ファクタ解 析”、計測と制御、Vo l . 4 5 、N o . 8 、
p667-734、2006
〔15〕日本医師会;ヘルシンキ宣言(邦訳)
http://www.med.or.jp/wma/
〔4〕日経BP社;“使いやすさへ挑む”
、日経ものづくり、
p101-106、5月号、 2006
〔16〕吉野鈴子、明石淳子、真鍋るみ子;“摩擦特性から
みた布製靴下すべりの履かせ効果”、介護福祉教育、
介護福祉教育学会、Vol.10、No.2、p50-57、2005
〔5〕日本事務機械工業会 技術委員会 ヒューマンセンター
ドデザイン小委員会;人間中心設計(ISO13407対応)プ
ロセスハンドブック、日本事務機械工業会、2001
〔17〕趙 航、周 輝、蔡 東生;“関節可動域を考慮した人体
転倒動作シミュレーションの研究”、第113回情報処
理学会 グラフィクスとCAD研究会、東京、2003
〔6〕ビジネス機械・情報システム産業協会 技術委員会
ヒューマンセンタードデザイン小委員会;商品企画
フェーズにおけるHCD(人間中心設計)プロセスと
HCD導入効果の考え方、ビジネス機械・情報システム
産業協会、2003
〔7〕人間生活工学研究センター;日本人の人体計測デー
タ、1997
〔8〕中央労働災害防止協会;“高年齢労働者の安全と健
康に配慮した作業負荷の評価基準の開発に関する調
査研究”、平成13年度厚生労働省受託ミレニアム・プ
ロジェクト、2001
〔9〕日本建築学会;建築設計資料集成−人間、丸善株式
会社、2003
〔10〕関 邦博、坂本和義、山崎昌廣;人間の許容限界ハ
ンドブック、朝倉書店、1998
〔11〕久本誠一;“製品評価と「ヒトを計る」技術”、 日本
生活支援工学会誌、日本生活支援工学会、Vol. 3、
No.2、p24-33、2004
〔12〕総務省統計局;統計トピックNo.18、
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/ind
ex.htm
76
NITE安全の視点
製品安全と製品安全4法
による立入検査
独立行政法人 製品評価技術基盤機構
生活・福祉技術センター
検査業務課 調査官
浅井 均
1.製品安全4法とNITE
受けて立入検査を実施している。
私達の生活の場には多種多様な製品が流通
2.NITEが立入検査を行う意義
し、身近なところで製品が係わる事故が起
こっている。
製品安全4法に基づく立入検査は、NIT
NITEの生活・福祉技術センターでは、
Eの生活・福祉技術センター検査業務課が担
これら日常的に起こる事故を防ぎ、国民が安
当している。
全な生活ができるよう、一般の消費者が使用
NITEが立入検査を行う意義は①製品事
する製品に係わる事故情報を収集し、原因を
故情報を収集し、原因究明を行うなどの製品
調査・究明して事故の再発・未然防止のため
安全業務を行い、製品事故に関する総合的な
の情報を提供する業務(製品安全業務)を
知識や多様な製品に関する専門的知識を備え
行っている。また、NITEの生活・福祉技術
た技術専門家集団であること②立入検査業務
センターではこれに関連して製品安全4法によ
は公権力行使であるため、民間機関が行うこ
る製造事業者等への立入検査を実施している。
とは難しい性格のものであり、公務員型特定
製品の安全は事業者の自己責任により確保
独立行政法人であるNITEが、公正かつ厳
される時代になり、立入検査は事業者による
正で的確な立入検査を実施することができる
安全対策が適切に実施され、自己責任原則に
ことである。
基づく安全規制が十分に機能していることを
製品安全4法に基づく立入検査を適切に実
確認する重要なツールとなっている。
施することにより、粗悪な製品による事故を
製品安全4法では、規制対象製品の製造ま
未然に防止して消費者の生命や身体等に危害
たは輸入を行う事業者(以下「事業者」とい
が及ぶ可能性を低減させるだけでなく、事業
う。)に対し、事業開始等の届出、製品の基
者に法令の技術上の基準を遵守した安全な製
準適合義務、製品の適合性検査、必要な表示
品を製造・輸入させる監視機能という側面も
等の義務を課している。NITEは製品安全
持ち合わせている。この観点からも、立入検
4法で明記された立入検査機関で、経済産業
査は、常に堅実に、かつ継続的に遂行するこ
大臣から立入検査の場所等の具体的な指示を
とが必要・不可欠なのである。
製品安全4法とは
「消費生活用製品安全法」「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」「ガス事業法」及び「電気
用品安全法」の4法律のことである。これらは、製品の安全に関することを規定している法律であることから、総称し
て「製品安全4法」と言われている。
また、この4法律には、法律を施行するため施行令等が制定されており、これら施行令等で規制する製品(規制対象
品)や規制対象品が遵守しなければならない基準(技術上の基準)を具体的に定めている。事業者は、これら法令を遵
守して規制対象品を製造(または輸入)する必要がある。
77
NITE安全の視点
3.各種PSマークについて
製品安全4法で規制されている製品は、国が定める「技術上の基準」に基づき適切な検査を実施
し、この検査に合格した製品には表1の表示を付して販売することになっている。
表1 国が定める「技術上の基準」に適していることを示す各種PSマーク
○消費生活用製品安全法
※PSCは、Product Safety of Consumer Productsを、略したものです。
○液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律
※PSLPGは、Product Safety of Liquefied Petroleum Gas Equipment and Appliancesを、略したものです。
○ガス事業法
※PSTGは、Product Safety of Town Gas Equipment and Appliancesを、略したものです。
○電気用品安全法
※PSEは、Product Safety of Electrical Appliance and Materialを、略したものです。
78
NITE安全の視点
4.製品安全4法の届出事業者数
と立入検査件数
年で一巡するように計画され、電気用品の製
造事業者等については、製品の安全性に疑義
立入検査には、定期的な立入検査と緊急的
がある事業者や法令遵守の調査を行い抽出し
な立入検査がある。NITEが実施する立入
た事業者に対して実施している。
検査は、法令に基づいて国(経済産業省)に
立入検査は、資格要件を満たし、立入検査
届出された製造事業者または輸入事業者に対
証を付与されたNITE職員2人が、事業者
して実施する定期的な立入検査である。
の事務所や工場等に立ち入り、届出に関する
製品安全4法の各法律による届出事業者の
調査、製品の技術上の基準への適合状況等の
概数は表2のとおりで、4法の中でも電気用
調査、製品に関する事故が発生した場合の取
品安全法に基づく届出事業者が約2万6,000事
組み状況等の調査等を行っている。
業者と圧倒的に多くなっている。また、電気
立入検査での事業者に対する指摘は、届出
用品は国民にとって非常に身近なもので、電
事項の不備や技術基準への適合義務に関する
気用品の規制対象製品の数も他の3法律の規
不備等々であり、特に技術基準の適合義務に
制対象製品よりはるかに多いことから、平成
関する指摘の多くは①法令で規定する検査を
15年度以降の電気用品安全法に基づく立入検
実施していない②検査記録を作成していない
査件数は、立入検査全体の7∼8割(表2の
③検査記録が保存されていない等、立入検査
グラフ・立入検査件数の推移を参照)を占め
において製品の技術基準への適合性が確認で
ている。
きないものである。
立入検査で事業者に不備が見つかった場合
5.立入検査の実施と結果について
それに対する改善については1週間以内に書
NITEが実施する製品安全4法の立入検
は、事業者の改善内容が適切と判断した場合
査は、年度当初に経済産業大臣から実施指示
に事業者からの回答を受理し、改善内容が適
があり、この実施指示とともに示される「事
切でない場合には再提出を求め、NITEが
業者のリスト」に基づいて計画的に行ってい
作成する立入検査結果報告書に事業者の回答
る。また、立入検査対象事業者の選定は、消
を添付して検査結果を速やかに経済産業大臣
費生活用製品、液化石油ガス器具及びガス用
へ報告し、国はこれを受けて製品安全4法の
品の製造事業者等については、原則として数
各法に基づき事後措置を行っている。
面で回答するように求めている。NITEで
表2 製品安全4法ごとの事業者数
法律名
電気用品安全法
(略称:電安法)
ガス事業法
(略称:ガス法)
液化石油ガスの保安の確保及び
取引の適正化に関する法律
(略称:液石法)
消費生活用製品安全法
(略称:消安法)
届出事業者概数
約2万6,000
約40
約120
約340
79
NITEの立入検査件数の推移 ( 年度別 )
数 字で見る事故情報
358 !?
事故情報収集制度が対象とする製品の幅は広
消費者が容易に購入できる環境にあれば対象とな
い。食品、医薬品、不動産、業務用製品は対象外だ
る。最近では、個人情報保護の意識の高まりから
が、それを除くほとんどの製品が対象である。対象
家庭でも使用されるようになってきたシュレッダー
製品一覧を要望する声もあるが、今こうしている間に
もそのひとつだ。
も役目を終えて消えていく製品もあれば、技術の進
一方、練炭こたつや七輪など昔ながらの製品も現
歩で次々に新製品が生まれている。全てを網羅し紹
役だ。昔の道具を好んで使う若者が増えているらし
介することは困難と言わざるを得ない。
いが、使い方はきちんと伝承されているのだろうか。
事故情報収集件数の多いガスこんろ、石油ストー
表題の数字は、NITEが事故情報収集制度に
ブ、自転車、家電製品などは、多くの方々がその危
基づき、事故情報として1年間(平成16年度)に受
険性を意識しているだろう。エアコン、カラーテレ
け付けた事故品の品目数である。
「358」という数
ビ、照明器具、いす、テーブル…、ここまでは想定内
字をみなさんは多いと思うだろうか、それとも少ない
か。だが、水着、乳幼児用紙おむつ、歯ブラシ、お
と思うだろうか。
しゃぶり、など危険なものと意識されていない製品
「平成16年度事故情報収集制度報告書」には、
でも、事故が起こっている。
この358品目の事故情報を掲載しており、巻末には
また、業務用製品は対象外だが、コピー機やラミ
事故情報品名一覧として50音順に列記している。
ネーターなど、本来業務用として作られた製品でも
358の製品からその時の世相も透けて見える。
事故情報品名一覧は年度報告書及び下記に掲載。
(平成16年事故品名リストhttp://www.jiko.nite.go.jp/guide/hinmei16.html)
80
安全研究だより
安全安心社会を構想した
明治の先覚者達
国立大学法人 長岡技術科学大学 専門職大学院
技術経営研究科
システム安全系・教授
三上 喜貴
はじめに
高山直質:保険の意義についての洞察
長岡技術科学大学には平成18年4月、専門
まず、高山直質〔2〕という人物が明治14
職大学院技術経営研究科が設置され、社会人
(1881)年に留学先のイギリスのグラスゴー
を対象としてシステム安全に関する専門的教
から発信した提言を紹介する。高山は工部大
育をおこなうための「システム安全専攻」が
学校の第一期生として同校を優秀な成績で卒
創設された(本誌第2号63ページ参照)。筆
業した後グラスゴーに留学していた若き機械
者は、同専攻で「安全マネジメント」「産業
技術者(当時26歳)である。彼は当時唯一の
技術政策論」「技術経営論」などの講義を担
工学関係学術誌であった『工學叢誌』に「蒸
当しているが、研究課題のひとつとして、技
氣鑵破裂豫防要件」と題して以下のような書
術リスクマネジメントのための社会システム
き出しで始まる報告を行った〔3〕。
の発展過程を国際比較の文脈において研究し
ている。比較研究を通じて、わが国の安全マ
小生当グラスゴー来府以還工業ニ就キテ見聞
ネジメント体制のあり方について検討を加え
スル所ノモノ孰レモ壮大ニシテ驚嘆ニ勝エザ
ることが目的である。平成17年度には国立科
ル事多ケレドモ、ソノ原ク所ハ畢竟蒸気ノ力
学博物館の清水慶一氏を代表とする科研費特
ニ藉ラサルモノナシ。且此地ノ炭価ハ低廉ニ
定領域研究チーム「日本の技術革新−経験蓄
シテ其ノ下等品ハ工場マデ運搬ノ費用ヲ合算
積と知識基盤化」が発足し、筆者はその一員
シテ一噸ノ値三、四シリングニ過ギズ。是故
として「技術リスク管理に関する社会システ
ニ蒸気鑵ハ其数幾百千アルヲ知ラザレドモ凡
ムの歴史的発展過程に関する研究」を進める
百工事ノ基礎タルヲ以テ小生聊亦其製作ヨリ
こととなった〔1〕。本稿では、この研究を通
保険ノ施行方ニ注意スルコトヲ努メタリ。夫
じて筆者が接することとなった明治期の二人
レ汽鑵破裂ノ恐ル可キヤ、家屋ヲ破リ人命ヲ
の技術者、高山直質と原田虎三の事績を紹介
傷害シ惨毒至ラザル所ナキハ言ヲ俟タザルナ
する。二人の先覚者が提示した構想や行動
リ。而ルニ我日本ノ如キハ現今応サニ人民ヲ
は、その後の近代史の中で残念ながら部分的
シテ工業ノ大利アルヲ知ラシムベキノ秋ナル
にしか実現しなかったが、筆者には現代の日
ニ、数年前海外ヨリ輸入シタル汽鑵ノ遂ニ腐
本が目指すべき安全安心社会構築に向けての
朽シテ万一爆裂ヲ醸シ人命ヲ害シ遂ニ世評ヲ
諸課題を明確に指し示しているように思われ
シテ汽鑵ハ最危険ナリ近ツク可カラズ、用ル
る。
81
安全研究だより
ボイラー保険の果たした役割
可カラズト云フ疑心ヲ生ゼシメバ、工業モ亦
必ズ退歩スルニ至ルベシ。今ヤ我ガ会員各地
ニ散在シ、汽鑵ニハ亦関係モアルベシト想像
高山が述べるように、蒸気機関の生み出す
シ、近頃当所ノ汽鑵保険会社ノ監督工長等ヨ
動力は産業革命の原動力であったが、同時
リ聞キ得タル所ノ汽鑵注意方及ビ検査施行ノ
に、それは新しい工業社会の抱え込んだ危険
事等ニ係ル数件ヲ草シ、以テ諸君ノ参考ニ供
源でもあった。ボイラーの破裂事故である。
ス。(旧字体を新字体に改め、送り仮名や句
ニューコメン(1663-1729)の時代の蒸気機
読点を補った)
関はいわゆる大気圧機関であり、精々大気圧
を利用するに過ぎなかったが、19世紀にはい
これに続いて、ブリテン島全体で約10万基
るとより大きな出力、高い効率を目指して大
のボイラーがあるが、そのうち2万基は或る
気圧以上の蒸気圧を利用する高圧蒸気機関が
保険会社が付保しているボイラーであり1件
開発されるようになった。ワット(1736−
の破裂事故しか起こしていない。これに対し
1819)自身はこうした高圧蒸気機関は危険で
て、それ以外の8万基の中からは53基が破裂
あるとしてその開発に慎重な態度をとったそ
事故(いずれも高山の報告の2年前1879年の
うだが、やがてスティーブンソン
統計)を起こしたという事実をあげて、事故
(1781-1848)によって蒸気機関車が1825年
を防ぐ上で保険会社の検査指導が大きな効果
に登場するなど、数気圧の蒸気を利用する蒸
を上げていることを報告した。高山は明治15
気機関が広がっていった。そしてワットの懸
(1882)年に帰朝し、惜しくもその翌年に夭
念したようにボイラーは頻繁に破裂事故を起
逝するが、滞英中、保険事業と検査機関の役
こすようになったのである。
割についてよほど関心を持って調べたものら
この時、海難事故への対処の仕組みが援用
しく、工学会誌に掲載された追悼文〔4〕に
されることになった。つまり事業者は蒸気機
も、彼が本業である鉄鋼技術研究の傍ら「意
関に保険を掛け、引き受ける保険会社は専門
ヲ汽缶保険ト魚猟ニ注グ」と記されている。
の検査員を雇って蒸気缶の検査をする、とい
う仕組みが誕生したのである。産業革命の中
心地マンチェスターでは、ボイラー破裂原因
を調査していた技術者ウィリアム・フェア
バーン〔5〕の主唱により、1854年にマンチェ
スター蒸気利用者協会(Manchester Steam
Users Association:以下、「MSUA」という)
が設立され、会員は一定の料金を支払って
MSUAが雇用する専門技師による機関・汽缶
の検査・指導を受けるという体制が誕生し
た。1858年にはMSUAの一部会員が世界初の
汽缶保険事業を始め、翌年以降、同種の保険
高山直質
82
安全研究だより
検査事業者が続々と誕生していった〔6〕。安
君英国ロイドノ制ニ倣ヒ船体機関ノ検査ヨリ
全性の高い構造を持つボイラーは保険料が安
以テ造船製機ニ至ルマテ別ニ一機軸ヲ出サン
く設定されるから蒸気機関の設置者に対して
コトヲ期シ、二十九年二月大阪ニ船舶諸機械
も安全確保へのインセンティブが働く。また
相談所ナルモノヲ設置シ、相談技師(コンサ
検査員に対しても検査の正確性を求めるよ
ルチングインジニヤ)ノ業ヲ開ク。世上相伝
う、事業者、保険者の双方からの圧力が働い
へ来テ嘱託スル者漸々増加シ、殊ニ大阪ニ在
た。米国でも、1866年に、ミシシッピ川の蒸
テ海上保険ノ業ヲ営ム四会社ノ如キハ船舶ノ
気船スルタナ号が起こしたボイラー破裂事故
検査ヲ挙ケテ茲ニ委任シ、外国保険会社又君
を契機にハートフォード蒸気ボイラー検査保
ノ検査証ヲ以テ保険ヲ付スルニ躊躇セサルニ
険会社(Hartford Steam Boiler Inspection and
至リ信用日ニ加ハリ業務次第ニ昌フ。(旧字
Insurance Co.)が設立され、この後、汽缶検
体を新字体に改め、句読点などを補った)
査保険会社の設立が相次いだ。高山が情熱を
注いで調べたのは、このような民業の検査・
前項で書いたとおり、日本で最初のボイ
保険会社が活躍をはじめた時代なのである。
ラー検査・保険会社として設立されたのは第
高山が短命であったこともあって、彼の声
一機関汽罐保険株式会社であり、その設立は
は当時の産業界を動かすまでには至らなかっ
明治41(1908)年のことである。しかしこれ
た。ようやく明治41(1908)年になって、当
に10年以上も先立ち、しかも民間企業の一技
時日本の水管式汽缶市場の7∼8割を握って
術者のリーダーシップにより、ボイラー保険
いたバブコック社の大阪支店長トーマス・
と対を成すボイラー検査会社が日本でも設立
カーショウの働きかけにより、主たる利用者
されていたのである。日本で初めて構築され
であった紡績業者らが中心となって第一機関
た第三者検査機構であったといえよう。外国
汽罐保険株式会社が設立され、機関および汽
の保険会社も彼の発行する検査証をもって保
缶の破裂圧潰による損害を填補する保険引き
険を付保したというから、わずかな活動期間
受けを開始した。同社は戦時中の企業整備に
にもかかわらず相当な信任を勝ち得ていたと
よって安田火災海上となった
想像する。
。
〔7〕
原田虎三:
初の第三者検査機構創設者
次に、高山よりも1年早く生まれ、ほぼ同
時代を過ごした原田虎三を紹介する。筆者は
明治期を生きた技術者伝に関するデータベー
スの構築を準備中であるが、そこに収録予定
の追悼文「故工学士原田虎三君略伝」〔8〕を
読んでいて以下の記述に出会った。
原田虎三
83
安全研究だより
明治日本の選択
原田虎三という人物は静岡県沼津の出身。
安政元年(1854年)、ペリー2度目の来航の
年に生まれている。明治4(1871)年、沼津
明治初期の日本には大久保利通の「殖産興
に海軍兵学寮が開設されると同時にその第1
業論」に代表される官業思想しか存在しな
期生となり、更に明治7(1874)年に工学寮
かったわけではない。奇しくも大久保が「勧
(後の工部大学校)が設立されるとこちらに
業建白書」の中で「大凡国ノ強弱ハ、人民ノ
進み、同13(1880)年に優秀な成績で卒業し
貧富ニ由リ。人民ノ貧富ハ物産ノ多寡ニ係
て工学士となった。その後、工部省技手、工
ル。而シテ物産ノ多寡ハ、人民ノ工業ヲ勉励
部大学校助教授、農商務省管船局船舶検査課
スルト否ザルトニ胚胎ストイエドモ、其源頭
勤務などの職に就いたが、「夙ニ民間事業ノ
ヲ尋ルニ未ダ嘗テ政府政官ノ誘導奨励ノ力ニ
振ハサルヲ慨シ之カ振興ヲ図ルノ志アリ十七
依ラザルナシ」と書いたのと同じ明治7
年職ヲ辞シ大阪商船会社ノ聘ニ応シ機関検査
(1874)年、福澤諭吉は「学問のすすめ」5
役ト為ル」
編の中で次のように述べている〔9〕。
という志を抱いて民間に身を
〔8〕
移した。おそらく、彼の念頭にはイギリスで
誕生していたマンチェスター蒸気利用者協会
西洋諸国の史類を案ずるに、商売工業の道一
(Manchester Steam User Association)や米
として政府の創造せしものなし、その本は皆
国のハートフォード蒸気ボイラー検査保険会
中等の地位にある学者の心匠になりしものの
社(Hartford Steam Boiler Inspection and
み。蒸気機関はワットの発明なり、鉄道はス
Insurance Co.)のような組織がモデルとして
テフェンソンの工夫なり、始めて経済の定則
存在していたであろう。高山直質の「蒸氣鑵
を論じ商売の法を一変したるはアダム・スミ
破裂豫防要件」も読んでいたに違いない。
スの功なり。この諸大家はいわゆる「ミッズ
しかし、彼が大阪に開いたこの相談所がそ
ルカラッス(中産階級、引用者注)」なる者
の後どうなったのかについて、略伝は触れて
にて、国の執政に非ず、また力役の小民に非
いない。ボイラーコードに関してこれまで調
ず、正に国人の中等に位し、智力をもって一
べた文献にも登場しないところを見ると、彼
世を指揮したる者なり。(中略)政府の義務
の志を継承できる後継者が見つからないまま
は、ただその事を妨げずして適宜に行われし
立ち消えてしまったのかもしれない。原田は
め、人心の向かうところを察してこれを保護
相談所設置の翌々年、明治31(1898)年11月
するのみ。故に文明の事を行うものは私立の
に没しており、その人生は短すぎた。
人民にして、その文明を護する者は政府なり。
高山直質といい、原田虎三といい、この分
野のパイオニアの人生が短かったというのは
大久保、福澤の両論に代表される官業論、
日本にとって不幸なことであった。民業とし
民業論は、いずれも同じ時代の先覚者達を等
ての検査機構や保険会社は十分に開花せぬま
しく鼓舞した。官業のことはさておき、民業
ま日本の工業化は進展したのであった。
についても、生命保険分野では福澤門下の阿
部泰蔵によって明治生命が誕生しているし、
84
安全研究だより
損害保険分野でも東京火災が誕生した。新し
用品、ガス使用器具、石油器具類に対する規
い技術分野であった電気事業においては最盛
制も始まった。規制はまず電気やガスを提供
時には800社を超えるほどの民業が誕生し
する事業者に対する免許制や設備規制などと
た。しかし、少なくとも技術リスクのマネジ
して始まったが、やがて一般消費者の使用す
メントという面で明治日本が最終的に選択し
る器具の安全検査にも及ぶようになった。こ
たのは官によるリスク管理の手法であった。
うして一般消費者用の製品に対する上市前検
明治27(1894)年には東京府が「汽罐汽機
査が始まったが、日本では第三者検査機関に
取締規則」を定め、「汽罐並ニ汽機ヲ設置セ
よる検査・認証や保険制度とのリンクなどは
ントスルモノハ事前ニ所轄警察署ニ願出免許
形成されず、検査を担当したのは国の機関で
ヲ受ケルヘシ」と規定した。他道府県も相次
あった。
いで同様の規則を制定した。明治31(1898)
現代日本の課題
年に起草された「工場法草案」にも「工場ニ
汽罐ヲ装置セントスルモノハ地方長官ニ届出
テ検査ヲ受クベシ。前項ノ検査若ハ定期又ハ
最後に現代日本の課題と結びつけて本稿を
臨時ノ検査ニ合格セザル汽罐ハ之ヲ使用スル
終えよう。
コトヲ得ス」とする規定が置かれた。この草
WTO/TBT協定(貿易の技術的障害に関する
案は結局議会に提出されるには至らなかった
協定)をはじめとする国際化の要請に応え
が
、最終的には、内務省が大正10(1921)
て、現代の日本でもさまざまな分野で安全認
年に制定した「汽罐取締令」(現行「ボイラー
証に係わる制度改革が進んでいるが、その目
及び圧力容器安全規則」の前身)によって全国
指す方向は、まさに高山や原田が構想し、実
に適用される法令となった。明治の日本は、法
践した方向である。特に、国に代わって独立
令によって技術基準を定め、官庁の検査官が
の第三者検査機構が検査、認証を行うという
検査するという国家主導型の安全管理システ
点については、外国の有力な第三者検査機構
ムを選択したのである。民業として検査・保
のみならず、従来の官庁検査機関やその代行
険事業を担ったパイオニアであった第一機関
機関が、第三者として社会的に認知されうる
汽罐保険株式会社が明治44(1911)年の汽罐汽
実績を次第に積み重ねつつある(NITEも
機取締規則改正〔11〕によって検査代行を認めら
含めて)。筆者が気になるのは、民業として
れることとなったのは唯一の救いである。
の保険事業のかかわりが薄いこと、安全に関
製品安全の分野では、最も古くから安全規
するグローバルな英知(state of arts)を体現
制が行われてきたのは医薬品と飲食料品であ
した国際安全規格が十分に設計者に浸透して
り、明治22(1889)年に「薬品営業取締規
いないと思われることである。
則」が、明治33(1900)年に「飲食物其ノ他
まず保険事業であるが、保険の一義的機能
ノ物品取締ニ関スル法律」が制定された。ま
は損害の填補であり、また、それは個別リス
た、家庭における調理や暖房のためのエネル
クの社会的分散によって行われる。一般論と
ギー源として伝統的な薪炭に替わって電気や
しては、その過程でリスクの社会的な総和が
ガスが使用されるようになるとともに、電気
減るわけではなく、逆にリスクに対する敏感
〔10〕
85
安全研究だより
さが失われ(モラルハザード)、むしろリス
<参考文献>
〔1〕特定領域研究の詳細は国立科学博物館の次のUR
クは増えるとすら指摘される。保険付保が無
条件に行われる場合、確かにこのようなモラ
Lを参照 http://sts.kahaku.go.jp/tokutei/
〔2〕高山直質(1855-1886);熊本生まれ。時習館で学
ルハザードの危険は存在するが、実際には保
んだ後、工部省燈台寮の技術見習いとなり、工部
険付保は無条件的に行われるわけではなく、
大学校開校後、その一期生となる。卒業後イギリ
スに渡りグラスゴー大学で機械工学を学ぶととも
高山が明治の時代に見抜いたように、保険も
にマザーウェルの造船所で実習する。帰国後、母
事業である限り採算性を確保するために一定
校で教授となるが享年31歳の若さで夭折。高山の
の安全の確認を経て保険を付保する。そのと
事跡については〔4〕参照
〔3〕蒸氣鑵破裂豫防要件;「工學叢誌」第五號、p3−
きに付保条件として何らかの安全基準への適
7、明治14(1881)年2月
〔4〕高山直質君小傳;「工學會誌」第百五十三巻、
合検査をするから、これを通じて安全基準の
p1064−1069、明治19(1886)年5月
〔5〕ウィリアム・フェアバーン(William Fairbairn、
徹底が図られ、リスクの総和を減らす方向で
の働きを持つ。保険料率が安全性に応じて傾
1789-1874);スコットランド生まれ。19世紀にお
斜的に設定されるような場合、これは更に安
けるイギリスの産業革命をリードしたエンジニ
全性を高めるインセンティブとして作用す
ア。初めての鋼船を建造し、また蒸気機関車や橋
梁の開発など多くの事業を手がけた。マンチェス
る。加えて、保険事業者が事業としての採算
ターの市庁舎前には彼の銅像が立っている
〔6〕石谷清幹;「工学概論(増補版)」、コロナ社、
性を追及することにより支払い時における事
p121-133、1977年
〔7〕安田火災海上保険;「安田火災百年史」、「第一
故原因究明への圧力も生まれる。これらは安
全安心社会が備えなければならない重要な社
機罐」の項、1990年
〔8〕故工学士原田虎三君略伝;「工學會誌」第二百七
会的メカニズムである。
改革することももうひとつの重要課題であ
巻、p278−282、明治32(1899)年4月
〔9〕福澤諭吉;「学問のすすめ」、p51、岩波文庫版
〔10〕明治44(1911)年に公布された工場法では、草案
る。今日の国際安全規格の体系はグローバル
段階で規定のあったボイラー検査については既に
安全基準に関して、法令に依拠する現状を
府県において確立されていることから新たに明文
な英知を体現しており、これを日本の各分野
規定をおく必要なしとし、危害を及ぼすおそれの
の設計者が迅速に咀嚼し、設計に生かしてい
ある工場設備についてのみ行政官庁が必要な措置
くこは緊急の課題である。また、専門職集団
をとる権限を規定した
〔11〕明治44(1911)年の汽罐汽機取締規則改正によっ
はこうした安全規格の策定能力を高め、むし
て、「当庁ノ指定セル保険業者ノ汽罐保険ニ加入
ろ国際社会に提案することが求められてい
シ、其検査ヲ受ケタル汽缶、汽機ハ第19条ノ定期
る。法令の立案者にこれをゆだねることは専
検査ヲ省略ス」とする規定が置かれることになっ
門職としての怠慢である。EUではニューア
たために民間検査機関による代行検査が認められ
ることになった。代行検査の制度は後に制定され
プローチ指令(1995年)によって設計者は本質
た汽罐取締令(1921年)にも継承された
安全を設計上の原理とすることが義務付けら
れた。その求めるものは日本の現行法令のは
るかに先を行く水準である。日本でもISO12100
をはじめとするこれらの設計原則の義務化が
いずれ日程に上らねばならないであろう。
86
生活者の視点
なぜ つづく製品事故 財団法人 関西消費者協会
理事長
林 郁
う言葉だった。担当者とのやりとりは省く
はじめに
が、製造者の本音が見えた、と私は思った。
このところ毎日のように報じられる暮らし
同じころ、自動車メーカーがリコール隠し
のなかで起こる製品事故、なぜなのか。それ
をして指摘されたとき、担当者がリコール制
ぞれに理由はあるとしても被害を受けるのは
度を知らなかったとの釈明があった。その
消費者、なかでも自衛力の弱い幼児や高齢者
メーカーの消費者担当課長が消費者関連組織
に集中する傾向がある。報道によると管轄す
の要職に就いていることを知っていた私は、
る行政機関や業界団体が事故防止のために新
またしても企業不信の思いを抱かざるを得な
しい方策を打ち出しつつあるようだが、暮ら
かった。
しの足もとが揺れていることは間違いない。
それから約20年、消費者問題への社会的関
今、思い出すことがある。1970−1980年代
心が高まったはずなのに、事件・事故が起き
にかけて、私は消費生活センターの現場で消
ると20年前とさして変わらない企業の対応が
費生活相談を担当していた。当時、雑誌『暮
見え隠れする。
らしの手帖』の全盛時代で誌面を通して推奨
「生活者の視点からみる製品事故」のテーマ
される商品はよく売れていた。あるイギリス
をいただき、消費者問題に長く関わってきたひ
のメーカーのストーブは、値段は高いが性能
とりの個人としての思いを述べることにした。
の高さを評価する記事が載り、ブームになっ
た。消費者からそのストーブを購入したが具
ニュースにみる製品事故への
コメント
合が悪いという苦情が寄せられ、日本の代理
店に処理をしてもらったが、あとで代理店の
担当者が漏らした言葉が私の脳裏に刻みつけ
1.石油温風暖房機事故
られた。それは「もともとこのストーブは生
2006年1月から12月までに5件、3人の死者
活レベルの高い、商品の構造などを熟知して
を招いたこの事件は、メーカーの点検・回収の
いる方々に使い続けられてきたものである。
規模の大きさで話題をさらった。この事故では
これまで使用者からの苦情はほとんどなかっ
初動対応が遅れたのではないかとの指摘があ
た。それがブームとともに大衆化して乱暴に
る。事故情報をどう読み取るかが事故の拡大防
使ったりメンテナンスをほとんどしない人が
止に大きく影響することは、多くの事例が示し
増え、苦情も寄せられるようになった」とい
ている。同じ事故情報が多数寄せられれば、当
87
生活者の視点
然誰でも気づくに違いない。1件、2件で
たが、調べるうちに責任を認めざるを得な
あってもその事故の持つ重大さを見抜く力を
かったようである。事故が起こった場合まず
組織として持たなければならない。消費者対
責任を回避しようとするメーカーの姿勢が見
応窓口は、消費者の納得を得る努力は大切で
え隠れする。さらに、この種の湯沸かし器が
はあるが、製品の安全性や企業姿勢に関する
設置されているのは若者や高齢者が住むア
苦情の拾い上げに経験者・専門家・生活者の
パートやワンルームマンションが多いと聞
しょうび
総合的検討システムをつくることが焦眉の急
く。使用時の注意情報の伝達にはメーカーだ
ではないだろうか。
けでなく、家主や管理会社の責任も大きいの
ではないか。
2.エレベーター事故
前途有為な高校生が死亡した痛ましい事件
4.浴室暖房乾燥機事故
である。エレベーターは国土交通省の所管で
この事故で分かったことが2つある。一つ
はあるが、石油温風暖房機事故に通じる問題
は、1メーカーの製品が複数の大企業のブラ
がある。どのような製品でも手入れが必要で
ンドで販売されていること、もうひとつは、
あることは常識であるとしても、エレベー
このような設置型製品の安全性は製品自体と
ターや暖房機のような設置型の製品には専門
施工方法がからみあっているということであ
家によるメンテナンスが必要である。今回の
る。安全性や品質を考えるときに事故を起こ
事故もはじめはメンテナンス不良というニュ
しにくい施工方法か、までを視野にいれなけ
アンスのメーカー対応であった。時間の経過
ればならないことは専門家の世界では周知さ
とともにエレベーターそのものに問題があっ
れているのではなかろうか。それなら名だた
たことが明らかになってきた。冒頭にあげた
る大企業ブランドで販売しているのだから、
話と共通するが不具合があったとき、メー
ブランド企業で十分な検討がされているはず
カーは自社の製品を疑う前に管理の不良をあ
ではないか。販売者の責任もまた大きいと言
きゃっかしょうこ
げることが多い。「脚下照顧(足もとに気を
わざるを得ない。
つけよの意)」という古めかしい言葉が私の
5.シュレッダー事故
頭をよぎる。
どのような事故でも痛ましいという思いは
3.室内用瞬間湯沸かし器事故
共通であるが、この事故はテレビや新聞の記
「ガス湯沸かし器が作動している間は室内
事から目を離したくなるような悲しさに胸が
が換気されていなければならない、これは常
締め付けられる。個人情報保護が時代のテー
識である」と言える時代になったかも知れな
マとなり、これまであまり見ることもなかっ
い。しかし一方、常識の幅が広がる時代でも
た製品に光があたり、メーカーは成長株と
あることを考えるとメーカーや販売店のきめ
なった。事故について、事務所用製品として
細かな対応が望まれる。この事例の場合も当
使用者は仕事をする人であるから幼児が使う
初メーカーは違法な改造が原因と主張してい
とは想定しなかったと当該メーカーは答えて
88
生活者の視点
いる。しかし、出荷先に家庭も増えている傾
で、このような制度でもまだ不十分という意
向は販売者やメーカーも分かっていたはずで
見があるが。
ある。使用者の状況の変化を察知し、それを
各地の消費生活センターの相談情報は国民
製品にフィードバックさせることも常識では
生活センターで集中管理し分析されている
ないだろうか。もちろん、これまで家庭内に
が、これも記事によると各省庁と共有ではな
はなかった製品を使用する場合の注意も使用
い。事故情報や苦情情報は信頼性も含め取り
者、つまり消費者にもあることは当然である。
扱いは難しいが、国民共有の財産として有効
に活用することが求められる。
異変が生じたとき、まずメーカーや販売店
製品事故が問いかけることへの対応
に連絡するのが普通であろう。事業者に集ま
1.事故情報の集中
る事故情報をリコール制度で行政に報告させ
前述の事故のほとんどが、報道されると次
るシステムの拡大が今後の課題である。
つぎと過去の事故情報が明らかになるという
ことに腹立たしい思いを持つ。なぜ、もっと
2.事故の原因究明と対応
早く事故情報が把握できなかったか、であ
当該事業者が一義的に事故の原因を究明す
る。法制度の整備が進むとともに組織も整備
るのは当然であるが、これまで述べてきたよ
され、管轄が明確になると隣の状況が見えて
うに必ずしも事業者が製品事故と認めない場
こなくなるのも事実であろう。湯沸かし器の
合が散見される。そこに消費者は不信感を持
事故の報道にもプロパンガスと都市ガスでは
つのである。一定規模の事故については国レ
担当部署が違い、事故情報はそれぞれが持っ
ベルでNITEが総力をあげて取り組むよう
ていたという記事があった。事故に目がいく
なシステムを作るべきではないか。問題ごと
のは、ある製品に事故が集中するときであ
にサポートする専門家を委嘱するなどして、
る。2、3件くらいでは常時と認識しても10
私たちの期待に応えていただきたい。その作
件ともなれば非常時となる。情報の集中が大
業を受けて、各省庁が管轄する法制度の改変
切な理由の一つである。
や規制のあり方の見直しがあればよいのでは
管轄が明確になれば隙間が生じやすい。製
ないだろうか。
品は時代と共に変化し、メーカーはより便
利、より快適を目指して新製品が登場する。
3.事故関連情報の周知
自由な市場で姿を現す数々の製品を誰が
製品の回収や部品交換・無料修理などのお
チェックしているのだろうか、心配になるば
知らせは、各事業者に任されている。このと
かりである。
ころ毎日のように「お知らせ」が新聞やホー
例えば、食品では食品衛生監視員が絶えず
ムページに掲載されている。石油温風暖房機
市場を見回っているし、消費者による表示ウ
でのお知らせは別格として、ほとんどのお知
オッチャー制度もある。食品は日常的に購入
らせ情報は見にくく、読んでもよく分からな
し、人の健康に直接作用する特性があるの
い。読まない人も多い。被害の拡大防止には
89
生活者の視点
事故情報を知ることがまず、大切である。
今、内閣府でお知らせの方策について検討中
と聞くが各省庁、事業者、専門家、消費者の
合意のもとに進めてほしい。さらに、知らせ
た情報の結果、つまり回収状況も分かるよう
な仕組みにしていただきたい。
おわりに
最近のニュースを題材に製品事故の問題を
述べてきたが、「暮らし」の中身で何が重要
か、と言うとそれは「安全性」であることに
異論はないであろう。安全性の上に便利や快
適、使いやすさなどが並ぶ。事業者は製品製
造の重い責任を担っている。行政はそれを仕
組みとして応援し、国民の生活を守ることに
なる。事故の被害者や関係者の涙を国の安全
政策へのエネルギーに変えることができる
か、見守っていくつもりである。そして、消
費者は製品の使用者として事故情報に注目
し、使用経験からの提言を事業者や行政に伝
えなければならない。とくに消費者団体の役
割は大きい。当たり前のことであるが「責任
者出てこい」では済まない。たまたま自分は
事故に遭わなかったといって、事故の傍観者
に終わってはならない。
<主な著書>
実践的消費者読本(民事法研究会発行、編著)
90
取 説 考
(2)
取扱説明書の分かりやすさとは
商品の使いやすさとマニュアル研究会
近年、家電製品は多機能化が進み、テレビといえ
どもスイッチを入れただけでは映らない。そこで取
扱説明書の出番となるが、以前より改善されたとは
いえ取扱説明書が分かりにくいという声は多い。家
電製品の取扱説明書の必要表示事項は公正競争
規約に規定されているが、表示方法については明
りょうに表示しなければならないとあるだけで、メー
カーに任されているようだ。
取扱説明書が分かりにくい理由はいくつかある
が、まず警告表示が多すぎて見る気がしない。
「○○しないでください」と言われても「○○したら
どうなるのか」が分からなければ説得力がないし、
「火事になるおそれがあります」だけより、実際の
事故事例などがあるとこれは大変だと認識するだろ
う。事例を紹介したホームページアドレスがあっても
いい。警告表示は必要だが、見てもらえなかったら
本末転倒である。
また、消費者の習熟度レベルに合わせた情報提
供が望ましい。同機種を使っていた人には前のもの
とどう違うのか、注意点があればそれを中心に紹介
するとか。パソコンなどの情報家電では初心者と上
級者では知りたいことも注意事項も全く異なる。イ
ンターネットによる情報提供が多いが、トラブルで
接続できない場合にも携帯電話のウェブサイトや
電話、ファクスなど他の手段で情報が得られるよう
にしてほしい。
取扱説明書の置き場所も重要だ。以前、私たち
の研究会で取扱説明書をどこに置いているかを調
べたところ、置いた場所を覚えていない人が1割で
あった。これではいざというときに困る。製品との
一体化が理想だが、すべての製品で実現するのは難
しい。例えば洗濯機などには取扱説明書を入れる
スペースをつけてすぐに見られるようにしてはどう
か。知っているつもりの製品でも取扱説明書を見る
と意外と新しい発見がある。役に立つ取扱説明書
をいつでも分かりやすく見られる工夫を、メーカー
や事業者にお願いしたい。
「商品の使いやすさとマニュアル研究会」は、
(社)消費生
活アドバイザー・コンサルタント協会(NACS)西日本支部
内に発足した自主研究グループ。今まで、洗濯機やパソコ
ン、ビデオ、多機能電話、食器洗い乾燥機、高齢者にとって
の家電製品の使いやすさなどについて調査研究を実施し、
報告書をまとめるなどの活動を行っている。
91
PL研究
PL実務と製品安全
∼製品の安全性を確保する
社会システムの構築に向けて∼
日本弁護士連合会
消費者問題対策委員
山本 雄大
しかしながら、同事件以降も製品の安全性
1.消費者保護の観点から見た
製品安全の現状
に関する事件は後を絶たず、自動回転ドアに
よる事故、S社製エレベーターによる事故、
「本件においては、事故直後の対応におい
M電器製石油暖房機による事故や製品回収命
て、社内の情報伝達・確認に手間取ったこ
令、P社製湯沸器による事故や製品回収命令
と、原因が不明であることにとらわれ、すで
等の事件が生じている。これらの事件におい
に販売されお客様の手元にある製品にまで考
ても、製品自体の安全性の問題のみならず、
えが至らなかったこと、保健所の要請の履行
何件かの事故等に関する情報が有効に収集・
のみを考え、社告掲載以外の告知手段に思い
利用されていれば重大事故や被害拡大は防止
至らなかったことなどにより、結果として、
できたのではないかとの問題が指摘される。
製品の回収とお客様への告知の間にずれが生
つまり、Y乳業集団食中毒事件以降、製造
じてしまい、多くのお客様に非常な苦痛を生
業者等の製品安全に関する意識は高まり、規
じさせてしまった。当社としては、これを真
制法の改正等がなされたものの、未だに製品
摯に受け止め、二度と再びこのようなことを
の安全性が十分に確保されているとは評価で
起こさないよう、全社を挙げて改善に取り組
きず、また、被害拡大防止も十分でないよう
み、お客様の信頼を回復したい」。
に思われる。
これは、平成12年に生じた集団食中毒事件
被害拡大の防止も含め、「製品の安全性確
につきY乳業が作成した報告書に記載されて
保」は、現代社会において、消費者が安全に
いる文章である。
生活する権利を確立するうえで、最も基本的
同事件は、品質管理のずさんさから低脂肪
かつ重要な課題であり、そのために様々な行
乳等の原料に毒素が混入し、1万3000人を超
政規制が設けられ、また平成7年に施行され
える消費者に食中毒被害を生じさせたもので
た製造物責任法(PL法)もかかる認識から
あり、社会的事件として大きく取り上げら
制定されたものであった。
れ、製造業者等にとって、製品の安全性確保
本稿では、消費者が安全に生活する権利を
の重要さのみならず、上記の文章にも示され
確立するために、PL法や行政規制等に不十
るように一度欠陥のある製品が流通した場合
分な点はないか、あるとすればどのような改
の被害拡大防止への取り組みの重要性を認識
正等が必要であるかについて考えたい。
させるものであった。
92
PL研究
2.PL訴訟の現状から見る問題点
(3)PL訴訟の内容等
日弁連消費者問題対策委員会が把握できた
(1)PL法の役割
PL訴訟の内容を見れば、消費者(被害者)
PL法の制定当初は、同法により製品の欠
側の勝訴事例も多く見受けられるもの、自動
陥による被害が迅速適正に救済され、これに
車や家電製品に関しては、欠陥の存在そのも
より企業の製品の安全性確保への取り組みが
のが争われた場合に消費者が勝訴できた事例
強化されると期待された。
はほとんど存しない。
つまり、製品の安全性確保や欠陥製品によ
製造者側が他原因や消費者の誤使用等を主
る被害拡大の防止のためには、安全性等に関
張した場合に、テレビ発火事件のように被害
する規制が有効に機能し、かつ、事業者が自
者の立証負担に配慮した判決もあるものの、
主的にこれらに取り組むことが必要となる
多くのケースでは消費者が欠陥の具体的内容
が、PL法による迅速・適正な被害救済がこ
をかなりの程度まで立証しなければ裁判所は
の自主的取り組みのインセンティブとなるこ
欠陥を認定しようとせず、他方で消費者には
とが期待されたのである。
これらを立証するだけの情報もなく、有効な
しかしながら、以下に述べるように、PL
立証手段もなく、結局は欠陥の立証が大きな
訴訟の現実は迅速適正な被害救済とはかけ離
壁となってしまうのである。
れ、したがって、事業者の自主的取り組みの
例えば、平成3年にM自動車製四輪駆動車が
インセンティブになり得ていないように思わ
走行中に制御不能となり衝突した事件におい
れる。
ては、当時リコール隠し等により製品不具合
に関する情報が与えられず、消費者が敗訴し
(2)訴訟件数の少なさ
ている。
国民生活センターによれば、PL法施行後
また、立証手段に関しては、日弁連消費者
平成18年6月までに集約できたPL法に基づ
問題対策委員会が平成16年12月に実施した弁
く訴訟は93件に過ぎず、日弁連消費者問題対
護士を対象とした過去10年の欠陥商品に関す
策委員会が把握できたPL訴訟も100件程度
る事件のアンケートでも、全体のうち争点と
に過ぎない。
して欠陥が争われたものが約6割、因果関係
他方で、国民生活センターによせられる製
が争われたものが約4割(重複含む)ある反
品関連事故に係る相談件数は平成15年度で
面、鑑定(私的鑑定を含む)を利用したもの
8,657件(うち拡大被害が生じた相談は5,404
が2割弱となっていることからも分るよう
件)、同16年度で7,915件(うち拡大被害が生
に、消費者には欠陥の立証のために利用でき
じた相談は4,630件)である。
る鑑定機関が少なく、欠陥の具合的内容まで
これらの数字を比較すれば、被害発生件数
消費者に解明させることは困難なのである。
に対し、あまりにもPL訴訟が少なく、PL
この点、PL法制定時には,欠陥や因果関
法が活用されていない現状が浮かび上がる。
係につき推定規定の導入が検討されたが、裁
判実務において個々の事案に応じて事実上の
93
PL研究
推定を積極的に活用することにより被害者の
回収等を行わない場合に、行政機関がリコー
立証責任の軽減を図るべきとされ、推定規定
ル命令等を発動するなど、適正な対応を迅速
は設けられなかった。
に行うことが望まれる。
しかし、上記のように裁判実務においては
Y乳業集団食中毒事件やM自動車のリコー
事実上の推定が活用されず、被害者に高度の
ル隠蔽事件等が問題となった平成12年の前後
立証を求めるものが多く見受けられ、被害者
から、製品安全に関する行政規制において
の立証負担は軽減されていないのである。
は、リコール権限の拡充や罰則の強化等が図
つまり、消費者は、欠陥製品による被害を
られてはいるが、上記のとおりその後も製品
受けても、PL訴訟において、欠陥の具体的
安全に関する事故は後を絶たず、現実にはこ
内容について高度の証明を求められ、他方で
れが有効には機能し得ていないように思われ
十分な情報や鑑定機関という立証手段は与え
る。
らないという状況に置かれているのである。
その最も大きな原因は、行政機関が製品安
いん ぺい
全に関する情報を十分に入手できず、被害実
(4)PL法の改正等
態を十分に把握できないことにある。
以上のようなPL訴訟の現状を見れば、P
この点、平成17年4月に公表された消費者
L法が事業者の安全性確保等への取り組みの
基本計画では、情報収集に重点を置いたリ
インセンティブとなるためには、PL法自体
コール制度の強化・拡充、事業者から行政へ
を改正して消費者側の立証責任を軽減させ、
の製品の危害・危険情報を報告させる仕組み
PL訴訟を活性化することが大前提となる。
の検討が必要とされていたが、各省庁におい
そのためには、欠陥の推定規定、欠陥と損
て同計画に対応する積極的な新しい取り組み
害との間の因果関係についての推定規定や証
はあまり見受けられなかった。
拠開示規定を設けることが不可欠である。
また、事業者がより安全性確保等に取り組
(2)P社製湯沸器事件の影響
むためには、懲罰賠償や付加金制度を導入す
その意味では、P社製湯沸器の一連の事故
ることも十分検討する必要がある。
は、この問題を大きくクローズアップし、よ
さらには、PL法改正以外にも、消費者側
うやく行政機関が上記問題を直視する機会と
の立証手段を十分に保障するために、鑑定機
なった。
関等を充実させることや、製品の安全性等に
経済産業省の報告によれば、事故リスク情
関する情報が十分に消費者に伝わるよう制度
報の公表、ガス消費機器メーカーに対する事
を構築しうることが求められる。
故報告の義務化、当該報告のホームページ上
での公表、国民生活センター等との連携強
化、事故リスク情報統合データベースの構築
3.行政規制における問題点
などを行うとされ、より積極的な情報収集・
(1)情報収集の問題
提供に動き出している。
消費者の立場からは、事業者が適切な製品
これらにより、より迅速・適切な行政の対
94
PL研究
応が可能となることが期待され、今後上記施
<主な著書>
キーワード式消費者法辞典(民事法研究会発行、日
弁連消費者問題対策委員会編、共著)
通報者のための公益通報ハンドブック(民事法研
究会発行、日弁連消費者問題対策委員会編、共著)
策が具体的にどのように実現するか、大きな
関心が持たれるところである。
4 製品の安全性を確保する
社会システムの構築に向けて
消費者が安全に生活する権利を確立するう
えで最も重要なのは、製品事故情報等の製品
の安全性に関する情報が広く消費者に提供さ
れることである。
すでに述べたことの繰り返しにもなるが、
かかる情報が消費者の手に渡ることで、同種
被害を免れることができ、また被害を受けた
場合でも欠陥等の立証が容易になり迅速適正
な被害救済が可能となり、これが製造業者等
への製品の安全性確保のインセンティブとな
る。
また、その前提として行政機関にも情報が
広く集まることにより、リコール等の権限の
迅速適正な行使が可能となる。
さらには、製品の安全性に関する情報が広
く収集されることで、製造業者等からの製品
事故等に関する報告が十分に行われているか
検証することも可能となり、かかる報告制度
が実効化する。
上記の経済産業省の新たな取り組みは、製
品の安全性を確保する社会システムとして機
能するものと期待するが、さらにまた、ガス
消費機器のみならず、あらゆる製品に関し、
同様にメーカー等からの事故報告の義務化
等、情報収集、分析、消費者への提供を積極
的に進めることが望まれる。
95
製品安全カレンダー
製品安全
カ レン ダー
名称
会期
ACAP消費者啓発資料
常設展示コーナー
6月から
埼玉県川口市上青木
センター内の図書・情報コーナーに、
埼玉県生活科学センター 社団法人消費者関連専門家会議
(彩の国くらしプラザ) (ACAP)の消費者啓発資料を常設
展示。食品・衣料品・家庭用品の使い方
など、消費者に役立つ情報が揃う
開催場所
開催内容
ACAP消費者啓発資料
常設展示コーナー
7月から
京都市南区新町通
九条下ル
京都府消費生活科学
センター
(京都テルサ内)
ザ・ユニバーサル
デザイン展
東京都大田区蒲田
平成19年
3月10日(土) 大田区立生活センター
まで
明治大学
リバティ・アカデミー
「製品の安全学」
経済産業省の委託事業として「製品の安 明治大学リバティ・アカデミー
10月14日(土) 東京都千代田区神田
全学概論」や「製品の安全管理と保証」 03-3296-4423
28日(土) 駿河台
明治大学リバティタワー
など、安全の概念が体系的に学べる公開
(
)
11月4日 土
PL関連講演会
10月18日(水) 東京都港区芝公園
生活・福祉技術センター
成果発表会
10月18日(水) 東京都港区港南
長崎県老人クラブ大会 消費生活パネル展
10月19日(木) 長崎市魚の町
生活・福祉技術センター
成果発表会
10月20日(金) 大阪市北区中之島
埼玉県消費生活支援
センター
048-261-0930
センター内に社団法人消費者関連専門家 京都府消費生活科学
会議(ACAP)の消費者啓発資料常設展 センター
示コーナーを開設。ACAP関連企業が作 075-671-0030
成した消費にまつわるくらしの知恵の小冊
子を展示、配布している
ほか
東京メルパルクホール
台所用品や文具、携帯電話など約100点 大田区立生活センター
を展示し、だれにでも使いやすく工夫され 03-3736-7711
た製品を紹介している。クイズ形式のパネ
ルもあり、子どもから大人まで楽しく学ぶ
ことができる
講座を開講。3日間全6回の連続講座
メーカーは消費者のクレームにどう向き合 キッチン・バス工業会 うべきか。弁護士・深沢氏の講演(基本は 03-3436-6453
会員対象。会員以外の人は要問い合わせ)
NITE生活・福祉技術センターが収集・
調査した事故情報の概要や、開発した事
故原因究明手法を用いた調査事例などを
口頭発表やポスターセッションで紹介
消費生活パネル展コーナーで、製品安全
などに関するパンフレットやチラシを配布
コクヨホール
長崎市公会堂
(独)製品評価技術基盤機構 生活・福祉技術センター 06-6942-1113
長崎県消費生活センター
095-823-2781
NITE生活・福祉技術センターが収集・ (独)製品評価技術基盤機構 調査した事故情報の概要や、開発した事 生活・福祉技術センター 故原因究明手法を用いた調査事例などを 06-6942-1113
口頭発表やポスターセッションで紹介
グランキューブ大阪
(大阪国際会議場)
第2回国際ユニヴァーサル 10月22日(日) 京都市左京区宝ヶ池
デザイン会議2006in京都 ∼26日(木) 京都国際会館
ユニヴァーサルデザイン(UD)のさらなる
理解と普及を目的に「超高齢社会における
UD」「地域社会のUD」などのテーマで
講演・パネルディスカッションを開催。
また、
「住宅」「街づくり」「インダストリ
アルデザイン」などさまざまなテーマの分
科会や併設の展示会場でUD製品や最先
端の研究成果の展示も行う
シンポジウム「商品の安全 10月24日(火) 神戸市中央区港島中町 (社)人間生活工学研究センター・畠中
兵庫県立
順子氏の講演「商品事故とヒューマンエラ
使用を考える−誤使用する
生活科学研究所
ー」や報告、フロアーとの意見交換など、
要因・させる要因−」
商品の安全性のあり方を考える
「燃焼機器を安全に使うために」をテーマ
消費者リーダー養成講座 10月30日(月) 沖縄県那覇市西
三重城合同庁舎
に講演会を開催、事故にあわないために
「てぃるる」
取扱法や対処法について考える。全15時
間の連続講座のうちの2時間(申し込み
終了、欠員が出た場合は参加可。要問い
合わせ)
企業研修3日コース
問い合わせ
国際ユニヴァーサルデザイン
協議会事務局 045-901-8420
兵庫県立生活科学研究所
078-302-4000
沖縄県県民生活センター 098-863-9212
10月31日(火) 神奈川県相模原市弥栄 「企業における消費者への情報提供を考え (独)国民生活センター・教育
る」をテーマに、学識経験者による講義や 研修部 042-758-3163
∼11月2日(木) 国民生活センター
相模原事務所
グループ別討議、懇談会を通し、消費者関
連業務に必要な一般的実務知識を習得す
る3日間の宿泊研修
96
製品安全カレンダー
名称
会期
商品テストセミナー
11月8日(水) 大阪市中央区大手前
開催場所
OMMビル
生活情報ぷらざ
第3回安全・技術セミナー 11月8日(水) 大阪市中央区本町
大阪産業創造館
21
開催内容
問い合わせ
家電製品や配線器具などの安全な使用
について
(財)関西消費者協会 06-6945-1100
家電製品の安全に関する技術セミナー
(財)家電製品協会技術関連
委員会 03-3578-1158
11月11日(土)∼12月12日(火)の電池月 (社)電池工業会
間のイベントの一環として行われる。子ど 03-3434-0261
もたちに電池を正しく使用してもらい、科
学を身近に感じてもらおうと「手作り乾
電池教室」や「エネルギー体験教室」な
どが開かれる
でんちフェスタ
11月11日(土) 東京都江東区青海
チャイルドシート講習会
11月17日(金) 京都市左京区
製品安全総点検セミナー
11月20日(月) 東京都千代田区六番町 学識経験者による基調講演や各工業会、 経済産業省
主婦会館プラザエフ
協会による活動内容や点検方法の紹介、 生活・福祉技術センター
くらしのセミナー
11月21日(火) 熊本市水道町
日本科学未来館
「子どもを事故から守る」がテーマ。チャ 子供の安全ネットワーク
イルドシートの誤使用防止を目的に、実際 ジャパン事務局
に装着体験しながら「選び方」「使い方」 (伊藤病院内)
「取り付け方のコツ」「注意すること」を
075-781-5188
学ぶ。産前・産後または育児中の保護者、
事故防止の指導担当者が対象
下鴨狗子田町
伊藤病院1階ホール
パネルディスカッションなど
暮らしの中の危険と食情報。センターに寄 熊本県消費生活センター 熊本県消費生活センター せられた相談から、日常生活の中で起こる 096-359-0178
製品事故の事例をあげ、対処法などを紹介
(申し込み終了、欠員が出た場合は参加
可。要問い合わせ)
第3回安全・技術セミナー 11月22日(水) 東京都渋谷区代々木
神園町
21
家電製品の安全に関する技術セミナー
国立オリンピック記念
青少年総合センター
(財)家電製品協会技術関連
委員会 03-3578-1158
品質トラブル防止のための 11月27日(月) 東京都杉並区高円寺南 作業方法・設備・環境などの改善で防ぐ (財)日科技連QCサークル
ヒューマンエラー防止策と
28日(火) 日技科連東高円寺ビル ことのできるヒューマンエラー。ヒューマン 推進課 エラーの考え方を学び、いかにして起こる 03-5378-9816
目でみる管理の実践セミナー
か、その防止策を習得する。
2日間の連続講座
暮らしの講座
12月1日(金) 長崎市築町
ガス・石油機器の安全な使い方と代表的 長崎市消費者センター な誤使用事故事例の紹介。冬本番を前に、 095-829-1500
燃焼機器の事故にあわないために専門知
識や対処法についても解説
くらしの情報講座
12月5日(火) 鳥取県米子市末広町
消費生活用製品の誤使用を防止するため 鳥取県生活環境部
に。事故事例をあげ、誤使用事故防止に
消費生活センター 向けての具体的な取り組みや考え方につ 0859-34-2760
いて学ぶ
第34回
一宮市消費生活フェア
平成19年
一宮地場産業ファッション 製品安全等の消費者のくらしに役立つ
1月27日(土) デザインセンター(愛知県 情報をパネル、催し物等により発信
28日(日) 一宮市大和町馬引字南正亀4-1)
メルカつきまち
米子コンベンション
センター
一宮市経済部経済振興課
融資・消費生活グループ
0586-28-9132
※詳細は問い合せ先まで
製品安全総点検週間 11月20日(月)∼26日(日)
経済産業省では、今年度から、消費者による安全な製品の選択や点検活動の奨励を図るため“製品安全総点検週間”を
設けました。来年度以降も毎年実施し、製品安全文化の醸成に向けた国民運動に育てていく方針です。
製品安全に関するセミナーや講座、イベントなど、本ページで紹介する情報を募集しています。
次回の掲載は2007年3月以降の催しです。下記で受け付けていますので、ご連絡ください。
〒540-0008大阪市中央区大手前4-1-67
大阪合同庁舎第2号館別館
独立行政法人製品評価技術基盤機構 生活安全ジャーナル編集事務局
電話:06-6942-1113 FAX:06-6946-7280
97
事故情報収集精度とNITE
98
事故通報書
製品事故にあわれた方は、その事故概要を送ってください。
フリーダイヤルファクス(0120−23−2529)で受け付けています。
事故通報書
氏 名
通 知 者
住 所
電話番号
事故発生
年 月 日
年
事故発生
都道
場 所
府県
月
日
商 品 名
及 び
事業者名
事故内容
ニガサン
ジコツイキュウ
フリーダイヤル 0120−23−2529
99
●編集後記
◇「生活安全ジャーナル」第3号をお届けいたします。今春の創刊以来、世の中では製品
安全に関わる大きな問題が次々に起こり、社会の製品安全に対する意識が一気に高まり
をみせています。今まで“縁の下の”という立場で取り組んできたNITEの仕事に
も、今年は各方面からの大きな期待を感じます。「生活安全ジャーナル」もNITEの
広報誌として、安全に対する意識の向上や安全文化の育成のために貢献したいと、ス
タッフ一同がんばっているところです。
◇今回の特集は「燃焼器具の事故を検証する」です。燃焼器具による事故が増加する季節
に備え、その安全性について、関係機関や業界団体の専門家による調査報告や取り組み
とともに貴重な提言も頂戴することができました。「生活安全ジャーナル」という場が
なければなかなか伺うことができなかった安全についての歴史にも触れていただくこと
ができました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。特集を通じ、燃焼器具の安全
のための新たな課題も見えてきたと思います。
◇また、製品安全にたずさわる方には常識とも言えるガスこんろの「天ぷら油過熱防止装
置」ですが、京都市消防局が調査したところ、25%の人が「知らない」と回答していま
す。この安全装置は開発されて10年以上が経過しており、しかも家庭の中でも最も身近な
製品です。機器で対応する安全への道のりの長さを痛感します(詳細は16ページ∼)。
◇さて、今号より、生活安全ジャーナルの購読をご希望の方にはお送りさせていただくこ
とに致しました。
ご意見・ご感想もお寄せいただければ何よりです。
生活安全ジャーナルの購読をご希望の場合
送付先(ご住所、お名前)を明記し、290円分の切手を貼った返信用A4版封筒を
同封の上、下記、編集事務局「生活安全ジャーナル第3号送付」係宛にお送り下さい。
**************** 編集者 *****************
○生活安全ジャーナル編集委員会委員
○生活安全ジャーナル編集事務局
小西 良一 長田 敏 小田 泰由 新井 勝己 穴井美穂子
山田 秀和 鶴田 克二 山田 幸子 朝山 聖子 在間 順子
平成18 (2006) 年11月第3号発行 (年4回発行)
<編集・発行>
生活安全ジャーナル編集事務局
〒540-0008
大阪市中央区大手前4-1-67大阪合同庁舎第2号館別館
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
生活・福祉技術センター内
電話:06-6942-1113 FAX:06-6946-7280
<印刷・制作>
株式会社 廣済堂
第3号
生活安全ジャーナル
2006/11
燃焼器具の事故を検証する
■特集
この印刷物は環境にやさしい植物性
大豆油インクを使用しています。
2006/11
製品評価技術基盤機構
独立行政法人
古紙配合率100%再生紙を
使用しています。
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* Your assessment is very important for improving the work of artificial intelligence, which forms the content of this project

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