平成24年度 レーザ機器の安全・安心に関する 調査研究報告書

平成24年度 レーザ機器の安全・安心に関する 調査研究報告書
平成24年度
レーザ機器の安全・安心に関する
調査研究報告書
2013(平成25)年3月
一般財団法人光産業技術振興協会
この事業は,競輪の補助金を受けて実施したものです。
http://ringring-keirin.jp
はじめに
一般財団法人光産業技術振興協会は、1980 年の設立以来、社会的ニーズに適応する光技術の調査、研究、
開発、標準化及びその成果普及を通じて、光産業技術の総合的育成、振興を図るとともに、関連産業の高度
化と国民生活の向上に資し、もってわが国経済社会の発展に寄与することを目的として活動している。
光産業技術は 21 世紀社会の発展の主役のひとつになると言われており、情報通信、ディスプレイ・照明、
情報記録、情報入出力、レーザ加工、センシング・計測、医療、農業等での活用を通じて、様々な産業にお
いて新たな付加価値を創造し続けることが期待されている。さらに、地球環境問題・エネルギー問題の解決、
食の安全の確保を始めとする安全安心な社会の実現に大きく貢献できるものと考えられている。日本の光産
業は、景気の影響を受けての浮沈はあるが、国内生産額 7~8 兆円が見込まれる一大産業に成長しており、光
技術の絶え間ない革新に支えられ、今後も引き続き、大きく発展していくものと思われる。
既にレーザ技術及びその技術を活用した機器は、例えば、光通信・光ディスク・レーザプリンタ・レーザ
加工機・バーコード読み取り機・レーザポインタ・レーシックなど、社会生活に欠くことのできないものと
なってきている。このように、本来、安全・安心な社会環境を保持するための技術であり、家庭生活にも広
範に普及しつつあるレーザは、一方で、その不適切な取扱いによって、病院での手術中の事故、製造現場又
は遊戯中の目への誤照射による失明事故、実験中の不適格な遮蔽板・暗幕等への照射による火災事故などが
起きており、レーザ安全性の問題に対する多面的な対応が求められている。
レーザ安全の国際標準化は、IEC/TC 76 で審議・作成されており、我が国の国内規格である JIS は、IEC
規格に沿って制定されている。しかし、現状では IEC で発行された全てのレーザ安全の規格が JIS 化されて
はおらず、国内規格が完全に整備されている状況ではないので、JIS 整備をよりすすめることが望まれる。
また、このような事故を未然に防ぎ、家庭から製造現場に渡る広範な社会の「安全・安心」に資するため
に、光協会は、レーザ安全スクールを毎年開催し、レーザ取扱技術者試験を毎年実施している。しかし、ス
クールは試験に合格するための勉強の色彩が濃く、レーザの安全性の啓蒙を図るためにより適切なシンポジ
ウムの開催が望まれている。
このような背景のもとに、光協会は、JKA 補助事業の一環として、平成 24 年度にレーザ機器の安全・安
心に関する調査委員会を構築し、産業界のみならず高度に情報化された社会生活の安全・安心のための調査
研究活動を行った。本報告書は平成 24 年度のレーザ機器の安全・安心に関する調査研究委員会の活動をま
とめたものである。主要な事項は、次のとおりである。
1.
国内の専門家、使用者からなる調査研究委員会の構築、及び標準化及び安全性に関する審議報告
2.
国際標準化会議等へ専門家を派遣し、標準化関連について行った調査活動の報告
3.
国際規格に対応した JIS 制定の準備に資するために行った国際規格の翻訳に関する報告
4.
レーザ機器の安全・安心に関する標準化国際シンポジウムの開催報告
なお、レーザ機器の安全・安心に関する調査は、継続して実施し、その高度化及び普及・定着を図ってゆ
くことが必要であるので、平成 25 年度も引き続き実施されることが望まれる。
本調査研究について協力を惜しまれなかった協力企業各社と精力的に活動いただいた委員各位とに心から
感謝申し上げたい。なお、本事業は競輪の補助金を受けて実施したものである。
2013(平成 25)年 3 月
レーザ機器の安全・安心に関する調査研究委員会
委員長 鷲尾 邦彦
ⅰ
2012(平成 24)年度レーザ機器の安全・安心に関する調査研究委員会委員名簿
(敬称略、五十音順)
委員長
鷲尾 邦彦
有限会社パラダイムレーザーリサーチ 取締役社長
委 員
家久 信明
ミヤチテクノス株式会社 執行役員マーケティング担当 業務企画本部長
委 員
石黒 宏明
株式会社アマダ 板金機械開発本部レーザ発振器開発部 発振器開発グループ
委 員
上原
株式会社 IHI 営業・グローバル戦略本部 総合営業部 営業グループ 主幹
委 員
北林 和大
株式会社フジクラ 光電子技術研究所 光技術研究部
委 員
立原 克法
一般財団法人日本品質保証機構 安全電磁センター 試験部
実
医療機器・信頼性試験課 課長
委 員
中西 孝子
昭和大学 医学部 生理学講座 生体制御学部門 准教授
委 員
橋新 裕一
近畿大学 理工学部 電気電子工学科 (レーザー応用工学) 教授
委 員
藤崎
古河電気工業株式会社 情報通信カンパニー 次世代レーザ事業推進チーム
晃
マネージャー
委 員
増田 岳夫
一般財団法人光産業技術振興協会 開発部次長(兼)標準化室長
委 員
三瓶 和久
前田工業株式会社 レーザ事業部長
委 員
三橋 正示
ソニー株式会社 プロフェッショナル・ソリューション事業本部
ビジュアルプレゼンテーション・ソリューション事業部 光学技術部
製品安全チーフコーディネーター
委 員
森
清和
日産自動車株式会社 車両生産技術本部 車両技術開発試作部
総括・企画グループ エキスパートリーダー
オブザーバ 中井 忠彦
三菱電線工業株式会社 高機能品事業本部 光部品事業部
営業部 光部品営業課
事務局
村田 健治
一般財団法人光産業技術振興協会 開発部 主幹 担当
事務局
小林 多実
一般財団法人光産業技術振興協会 開発部 副担当
2012(平成 24)年度レーザ機器の安全・安心に関する調査研究委員会委員以外の執筆者名簿
(敬称略)
(シンポジウム講師)
Jerome E. Dennis
Consultant(USA)
John O’Hagan
Group Leader, Laser and Optical Radiation Dosimetry Group,
Health Protection Agency(UK)
ⅱ
目
次
はじめに···························································································································· ⅰ
委員会名簿 2012(平成 24)年度レーザ機器の安全・安心に関する調査研究委員会 ························ ⅱ
執筆者名簿 2012(平成 24)年度レーザ機器の安全・安心に関する調査研究委員会委員以外 ············ ⅱ
第 1 章 調査研究概要·········································································································· 1
1.1 調査の背景及び目的 ·································································································· 1
1.2 調査の概要 ·············································································································· 1
1.3 委員会開催状況 ········································································································ 2
第 2 章 国際会議の調査······································································································· 3
2.1 調査の目的と概要 ····································································································· 3
2.2 出張報告 ················································································································· 3
2.2.1 IEC/TC 76 ディドコット会合 ················································································· 3
2.2.2 FiSC2012 ········································································································· 12
第 3 章 国際規格の翻訳····································································································· 22
3.1 翻訳の目的と概要 ··································································································· 22
3.2 翻訳 ····················································································································· 22
3.2.1 ISO 11553-1 Ed.1 ····························································································· 23
3.2.2 IEC 60825-1 Ed.2.0 ISH-01 ··············································································· 38
3.2.3 IEC 60825-1 Ed.2.0 ISH-02 ··············································································· 40
第 4 章 標準化国際シンポジウム························································································· 42
4.1 シンポジウムの目的 ································································································ 42
4.2 シンポジウムの実施概要 ·························································································· 42
4.3 講演予稿 ··············································································································· 42
4.3.1 日本のレーザ機器の安全・安心―現状と課題― ······················································ 43
4.3.2 レーザ機器の米国への輸出時の留意点 ·································································· 75
4.3.3 レーザ安全に関する欧州の法律と規格 ·································································· 87
4.3.4 照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格 ····················································· 100
おわりに························································································································· 120
補助資料························································································································· 121
A シンポジウムのアンケート結果 ··················································································· 121
B レーザ安全関係 IEC/ISO/JIS 一覧表 ············································································· 125
ⅲ
第 1 章 調査研究概要
1.1 調査研究の背景及び目的
レーザ技術及びその技術を活用した機器は、例えば、光通信・光ディスク・レーザプリンタ・レーザ加工
機・バーコード読み取り機・レーザポインタ・レーシックなど、社会生活に欠くことのできないものとなっ
てきている。このように、本来、安全・安心な社会環境を保持するための技術であり、家庭生活にも広範に
普及しつつあるレーザは、一方で、その不適切な取扱いによって、病院での手術中の事故、製造現場又は遊
戯中の目への誤照射による失明事故、実験中の不適格な遮蔽板・暗幕等への照射による火災事故などが起き
ており、レーザ安全性の問題に対する多面的な対応が求められている。
レーザ安全の国際標準化は、IEC/TC 76 で審議・作成されており、我が国の国内規格である JIS は、IEC
規格に沿って制定されている。一般財団法人光産業技術振興協会(以下「光協会」という)は 1980(昭和
55)年の設立以来、1980 年に制定された JIS C 6801(レーザ安全用語)をはじめとして、JIS C 6802(レ
ーザ製品の安全基準)を中心に、JIS C 6803(レーザ製品の安全-光ファイバ通信の安全)
、JIS C 6804(レ
ーザ製品の安全-情報伝達のための光無線システムのための安全)などを制定・改正してきた、しかし、現
状では IEC で発行された全てのレーザ安全の規格が JIS 化されてはおらず、国内規格が完全に整備されてい
る状況ではないので、JIS 整備をよりすすめることが望まれる。
また、このような事故を未然に防ぎ、家庭から製造現場に渡る広範な社会の「安全・安心」に資するため
に、光協会は、レーザ安全スクールを毎年開催し、レーザ取扱技術者試験を毎年実施している。しかし、ス
クールは試験に合格するための勉強の色彩が濃く、安全性の啓蒙を図るためにより適切なシンポジウムの開
催が望まれている。
1.2 調査研究の概要
上記の目的のため、レーザの安全に関し、包括的な安全指針が法規化されていない我が国では、JIS の整
備、専門家による安全性の認識・広報活動が、産業界のみならず高度に情報化された社会生活の安全・安心
のために求められている。
具体的には、次のような調査研究活動を行う。
- 国内の専門家、使用者からなる調査研究委員会を構築し、標準化などの安全性審議の場を提供する。
- 国際標準化会議へ専門家を派遣し、標準化のための意見交換・情報収集を行う。
- 国際規格の翻訳を行い、国際規格に対応した JIS 制定の準備を行う。
- レーザ安全性シンポジウムを開催し、安全性に対する注意を喚起するとともに安全な使用法の啓蒙を図
る。
1
1.3 委員会開催状況
本年度の委員会の開催状況を次に示す。
第 1 回委員会: 平成 24 年 12 月 4 日(火)
・委員長選出
・調査研究方針の確認
・出張報告
・委員会実施事項の確認
第 2 回委員会: 平成 25 年 1 月 24 日(木)
・前回議事録の確認
・シンポジウム準備状況の確認
・ビームデリバリ関連規定の改善策議論
・IEC 規格本体及び解釈票翻訳状況確認
第 3 回委員会: 平成 25 年 3 月 6 日(水)
・前回議事録の確認
・シンポジウム開催結果の確認
・ビームデリバリ関連の進捗状況報告
・報告書目次・分担確認
2
第 2 章 国際会議の調査
2.1 調査研究の目的と概要
国際規格の翻訳及びレーザ安全性シンポジウムを開催するための審議のためには、国内の専門家、使用者
からなる調査研究委員会を構築しなければならないが、その方向性を見定めるため、まず国際標準化会議へ
の専門家の派遣が重要と考えられた。
そのため、レーザ機器の安全・安心の標準化の議論の中心的存在である IEC/TC 76(Optical radiation
safety and laser equipment)の年会に専門家を派遣することとした。専門家として有限会社パラダイムレ
ーザーリサーチの鷲尾邦彦氏を事務局で選定した。鷲尾氏はコンサルティング会社を経営しているため中立
的立場がとりやすいばかりでなく、レーザ機器の安全・安心を調査する上で欠かせない、高出力レーザにつ
いての知見に優れておられ、海外でのコネクションも豊富である。
鷲尾氏には、IEC/TC 76 の本年度の年会であるディドコット会合(英国)に出席いただき、プレナリー会
合、WG 7(High power lasers)
、JWG 10(IEC/ISO - Safety of lasers and laser equipment in an industrial
materials processing environment linked to ISO/TC 172/SC 9)の報告をお願いすることにした。WG 7 は
文字通り高出力レーザについてのワーキングであり、JWG 10 はもう一つの国際標準化団体である ISO の
TC 172/SC 9 とレーザ加工機器の安全に関して共同審議を行っているワーキングである。
IEC/TC 76 ディドコット会合の翌週に 7th FiSC 2012(International Laser Symposium Fiber & Disc)
がドレスデン(ドイツ)で行われるため、ファイバレーザ及びディスクレーザの最新動向が把握できる同国
際会議にも鷲尾氏に参加いただき、報告をお願いすることとした。
以下に、鷲尾氏による、これら二つの出張報告を掲載する。
2.2 出張報告
2.2.1 IEC/TC 76 ディドコット会合
1. 開催日:
2012 年 10 月 8 日(月)~12 日(金)
2. 開催場所:Training Centre at the Centre for Radiation, Chemical and Environmental Hazards of the
Health Protection Agency (HPA), Chilton (Didcot 近郊), Oxfordshire, UK
2.2.1.1 IEC/TC 76 ディドコットプレナリー報告
1. 開催日時:
第 1 回目のプレナリー会合:2012 年 10 月 8 日(月)9:30am-12:30pm
第 2 回目のプレナリー会合:2012 年 10 月 12 日(金)9:30am-12:30pm
2. 出席者数:Chairman, Secretary, IEC Central Office、13 ケ国(小計 67 名、内訳:Australia:2 名、Austria:
1 名、Belgium:1 名、Canada:1 名、China:10 名、Germany:7 名、Italy:1 名、Japan:11 名、Netherlands:
3
2 名、Sweden:1 名、Switzerland:1 名、United Kingdom:14 名、USA:16 名)
、オブザーバー(UK 3
名、USA 1 名、計 4 名)
、合計 75 名
3. 第 1 回目のプレナリー会合の議事内容
3.1 開会
議長が、各国代表に対する歓迎の意とホスト国(UK)への謝意を表し、会議の開催を宣言した。
Didcot 会合のホストを務める HPA から、HPA の活動内容の概要の説明があった。また、BSI Standards
の Asghar Ashrafi 氏から、英国における BSI の活動状況に関する概要の説明があった(BSI の職員数、309
名、委員数 8,925 名、現在のプロジェクト数約 7,000、現在発行済みの英国規格数 32,980、1 年間の規格発
行数約 2,000)
。
また、HPA の O’Hagan 氏から、非常警報が鳴った場合の緊急避難の仕方、WG 会合の部屋割り、インタ
ーネットへのアクセス方法、及び交通マップなどに関する説明があった。
3.2 出欠確認
出席者の自己紹介が行われ、各国の代表団長の確認がなされた。
3.3 議題案の承認
議案(76/472A/DA)は、異論がなく、承認された。
3.4 前回会議報告書(76/469/RM)の確認
昨年オーストラリアの Melbourne で開催された TC 76 会合の議事録は、異論なく確認された。
3.5 IEC Central Office からの情報
ISO/IEC Guide 51, Safety aspects – Guideline for their inclusion in standards 及び IEC Guide 104, The
preparation of safety publications and the use of basic safety publications and group safety publications
に関する説明があった。
3.6 各 WG の進捗状況と今回の審議内容(計画)
(1) WG 1 (Optical Radiation Safety)におけるプロジェクト進捗状況について、Convener の D. Sliney 氏か
ら説明がなされ、IEC 60825-1:Edition 3, Safety of laser products – Part 1: Equipment classification
and requirements のドラフトに関する 5 月になされたテレコム会議のレビュー及び今回の Didcot 会合で
の主な審議事項(意見陳述用委員会原案 76/474/CD に関する各国からのコメントへの対応など)が解説さ
れた。レーザの安全性に関するこれまでの長い標準化活動の歴史が紹介され、用語にはそれなりに歴史の
重みがあるので、安易な造語や言い換えは慎むべきであることがコメントされた。
(2) WG 3 (Laser Radiation Measurement)におけるプロジェクト進捗状況について、Convener の S.
Zimmerman 氏が体調を崩されて出席できなくなったため、代行を務めることになった J. Pfoutz 氏から
説明がなされた。本 Didcot 会合では、IEC/TR 60825-13 Ed.2: 2011, Safety of laser products–Part 13:
Measurements for classification of laser products の改訂に関して、NOHD を決定するための測定条件及
び計算手法などについて審議する。
(3) WG 4 (Safety of medical laser equipment)におけるプロジェクト進捗状況について、Convener の W.
Gorisch 氏から説明がなされた。IEC 60601-2-22 Ed.3 Amd.1(漏れ電流に対する対策)Medical Electrical
Equipment : Particular requirements for basic safety and essential performance of surgical, cosmetic,
therapeutic and diagnostic laser equipment は 2012 年 11 月に発行される予定である。IEC TR 62471-3
4
Ed.1 Guidelines for the safe use of intense pulsed light source equipment on humans は 2012 年 10 月
かあるいは 11 月にその CDV を配信する予定である。
Class 1C に関する事項を既存の規格 IEC 60601-2-22,
及び IEC/DTR 60825-8, Safety of laser products-Part 8: Guidelines for the safe use of laser beams on
humans にどう取り入れてこれらの規格を修正すべきか、今回から審議を始める。 また、TC 61(Safety of
household and similar electrical appliances)で審議されている IEC 60335-2-XX, Household and similar
electrical appliances–Safety- Part 10X: Particular requirements for beauty therapy appliances for
household and commercial use についても Class 1C に関する事項をどう取り入れるべきかを審議する。
(4) WG 5 (Safety of fiber optics communications systems)におけるプロジェクト進捗状況について、Acting
Convener の G. Zabierek 氏から説明がなされた。今回の Didcot 会合では、TC 86 の活動状況及びシャッ
タ付き光コネクタの測定条件などに関する日本からのプレゼンを得た後に、IEC 60825-12, Safety of laser
products –Part 12: Safety of free space optical communication systems used for transmission of
information の改訂案(CD)の審議、IEC 60825-17, Safety of laser products –Part 17: Safety aspects for
use of passive optical components and optical cable in high power optical fibre communication systems
の DTR 化に向けた CD の審議などがなされる予定である。
(5) WG 7 (High power lasers)の Convener の M. Barrett 氏から、今回 JWG 10 に予定されている審議時間
枠の後半を利用して、IEC 60825-4, Laser safety of products–Par 4: Laser guards の附属書 D
(Proprietary laser guards testing)に関するドイツからの修正提案に関して審議する予定であることが紹
介された。
(6) WG 8 (Development and maintenance of basic standards)におけるプロジェクト進捗状況について、
Convener の J. O’Hagan 氏から説明がなされた。本 Didcot 会合では、上記 IEC 60825-1 の改訂案
(76/474/CD)に関する WG8 関連事項の審議のほか、ユーザーズガイドに関する改訂案 IEC DTR
60825-14 用ドラフト、製造業者用のチェックリストである IEC TR 60825-5 の改訂、レーザディスプレイ
及びショーのガイダンスである IEC TR 60825-3 の改訂並びにレーザポインターを含む一般消費者用レー
ザ製品に関して議論する予定である。
(7) WG 9 (Non coherent sources)におけるプロジェクト進捗状況について、Convener の W. Horak 氏から説
明がなされた。本 Didcot 会議では、IEC 62471:2006, Photobiological safety of lamps and laser systems
の改訂案、IEC TR 62471-2:2009, Photobiological safety of lamps and lamp systems - Part 2: Guidance
on manufacturing requirements relating to non-laser optical radiation safety の改訂案、及び新規なプ
ロジェクトである IEC TR 62471-4, Photobiological safety of lamps and lamp systems - Part 4:
Measuring methods の作業原案の審議などがなされる予定である。
(8) JWG 10 (IEC/ISO Safety of laser equipment in an industrial materials processing environment)にお
けるプロジェクト進捗状況について、Convener の T. Lieb 氏から説明がなされた。本 Didcot 会議では、
FDIS/CVD 回覧された ISO/IEC 11553-3, Safety of machinery – Laser processing machines – Part 3:
Safety requirements for noise reduction and noise measurement methods for laser processing
machines and hand held laser processing devices and associated auxiliary equipment (Accuracy
grades 2)に対する各国からのコメント及び CEN コンサルタントからのコメントへの対応に関する審議な
どがなされる予定である。
(9) AAG (運営諮問委員会)の Chairman である増田氏から 10 月 7 日(日)の夕方に開催された AAG 会合で
5
の審議結果が報告された。オブザーバとして招待された三橋氏(ソニー)から、レーザを用いて創られる
インコヒーレント光を利用したプロジェクター用の光源を IEC 62471 に移行させる際の輝度基準値の拡
張、その場合の測定方法、並びに光源としては CW のみならず、ある種のパルス光源もクラス分けの対象
に含めるべきといった趣旨の提案があった。これらに関しては、WG 1 における IEC 60825-1 及び WG 9
における IEC 62471 に関する審議のなかでさらに議論がなされることになった。
また、TC 76 と TC 61 とのリエーゾンをどうすべきかについて議論し、Sharon Miller 氏をリエーゾン
として指名すべきであることが示唆された。
また、次回の TC 76 会合は、2013 年 9 月 22 日~27 日にドイツ・Frankfurt で開催されること、2 年
後の 2014 年は、たぶん日本で開催されるであろうこと、などが報告された。
3.7 Stability Date に関するレビュー
とくに意見はなかった。
3.8 リエーゾンに関するレビュー
TC 76 から TC61 へのリエーゾンとして、米国の Sharon Miller 氏を指名することにつき、各国から異論
がなく、承認された。
TC 76 Secretary から、TC 27 Industrial electroheating and electromagnetic processing とのリエーゾン
が提案され、どの WG で担当すべきか、まず JWG 10 で検討することになった。
3.9 SBP (Strategic Business Plan)の見直し
TC 76 の Chairman (J. Dennis)より、SBP (76/475/INF)が示され、従来からの変更箇所を黄色でマーク
したが、異論及び加筆修正意見はないかとの質問があった。
B.4 Market trends に関して、日本から、鷲尾がフレキシブルファイバビームデリバリを用いた高出力レ
ーザ加工システムの市場が拡大しているので、これについても市場動向に新項目として追加したらどうかと
提案したところ、文書にしてグリーンペーパーとして提出してほしいとの要請が Secretary からあった(こ
のため、76/Did Sec/41 を作成し提出した)
。
3.10 閉会
その他については、新たな議題がなかったので、次回は 10 月 12 日の午前に開催することにして、第 1 回
目のプレナリー会合は、議長の閉会宣言により、予定通り会議を終了した。会議終了後、参加者の集合写真
を屋外で撮影した。
4. 第 2 回目のプレナリー会合の議事内容
4.1 開会
議長が会議の開会を宣言した。
4.2 出欠確認
参加者名簿へのサインにより出席を確認した。
4.3 Didcot 会合における各 WG からの進捗状況報告 (詳細は、各 WG の出席報告書参照)
(1) WG 1: Convener の D. Sliney から報告があった。レーザをインコヒーレント光にして用いるプロジェク
ター用光源に関する取り扱いに関して WG 9 との合同ミーティングで長い議論がなされた。また、皮膚用
以外の用途にまで Class 1C レーザ製品の対象を拡張すべきかについての議論などがなされた。
(2) WG 3: Acting Convener の J. Pfoutz 氏から報告があった。IEC 60825-13 の改訂に関しては、NOHD の
6
計算事例及び Condition 2 を用いる場合の事例などを加える予定である。また、測定と解析との 2 つのセ
クションに分けることを検討している。
(3) WG 4: Convener の W. Gorisch から報告があった。審議結果は、それぞれのドラフトに反映させた{IEC
60335-2-XX (Did sec 36), IEC 60601-2-22 (Did sec 37)及び IEC/DTR 60825-8 (Did sec 38)}
。IEC
60601-2-22 の作業は電子メールで議論を続けて、
2013 年 5 月までに CD を作成する予定である。
IEC DTR
60825-8 の作業も電子メールで議論を続けるが、2013 年の Frankfurt 会議でもドラフト作成作業が残る
見込みである。IEC 60335-2-XX は TC 61/ adhoc WG 30 が主として標準化作業を行うが、NWIP となる
であろうから、2013 年に開催される WG 30 の会議までに急いで TC 76/WG 4 の作業を進める。レーザと
ILS (Intense Light Source:高輝度ランプ)のみを追記する。家庭用のみを対象とし、医師が扱う場合は IEC
60601-2-22 を適用する。
(4) WG 5: Acting Convener の G. Zabierek 氏から報告があった。WG 5 会合では、TC 86 から渋谷氏(NEC)
からプレゼンがあった。IEC 60825-12 は CC 及び改訂された文書を 2012 年末までに回覧する。60825-17
は DTR の段階に進める。また、IEC 60825-2 は、RR を起草し、レビューを開始する。
(5) WG 7: Convener の M. Barrett 氏から報告があった。ドイツからの提案に基づき、Annex D におけるレ
ーザガードの試験方法に関する規定の改定を審議中である。
(6) WG 8: Convener の O’Hagan 氏から報告があった。IEC/TR 60825-3 の改訂に関しては、O’Hagan がプ
ロジェクトリーダーとして取り組んでいる。
関連する活動としては、
米国の J. Parkinson 氏らによる ANSI
での標準化活動がある。 次回の WG 8 会合は、来年 3 月に Orlando で開催されている ILSC 2013 に合わ
せで開催する予定である。
(7) WG 9: Convener の W. Horak 氏から報告があった。IEC 62471 に関して、照明分野の IEC/TC 34 との
関係についてのコメントがなされた。
(8) JWG 10:Convener の T. Lieb 氏から報告があった。ISO/IEC 11553-3 は、FDIS/CDV に関するコメント
への対応が終わったので、国際規格として発行することを決議するよう提案する。ISO/IEC 11553-1 及び
-2 は、規格のメンテナンスによる修正等が必要である。
4.4 採決
(1) TC 76 から TC 27 (Industrial electroheating and electromagnetic processing)へのリエーゾンに関する
件
LO (Liaison Officer)については、D. Sliney 氏(米)に委嘱することが承認された。
(2) TC 76 から TC 94 (Personal safety - Protective clothing and equipment)へのリエーゾンに関する件
LO (Liaison Officer)については、R. Henderson 氏(英)に委嘱することが承認された。
(3 )SBP(76/475/INF)の修正に関する件
日本提案(76/Did sec/41)が承認された。
(4) 規格のメンテナンス等に関する件
レーザ光をインコヒーレント光として用いるシネマ用プロジェクターに関する WG 9 内で NWIP として
プロジェクトを進める件が承認された。このほか、規格案作成の目標日程の変更や、ドラフトの審議段階
の CDV, DTR 等への移行に関する件がいくつか提案され、いずれも承認された。
4.5 その他
(1) 米国代表団長の Robert M. Weiner 氏が今年限りで引退されることが議長から紹介された。20 年を越え
7
る長期にわたる同氏による多大な貢献に関して、出席者は拍手により、感謝の意を表した。
(2) IEC からのニュース
IEC Central Office の Technical Officer である Pierre Sebellin 氏から、IEC の最近の活動状況及び主な
ニュース等についての紹介があった。
○IEC では、現在、Smart Grid, Energy Efficiency, Renewable energies などがホットトピックスになっ
ている。
○最近新設された TC 及び PC としては、次の 3 つがある。
TC 117 Solar Thermal Electric Plants (幹事国:スペイン)
PC 118 Smart Grid User Interface (幹事国:中国)
TC 119 Printed Electronics (幹事国:韓国)
○ISO/IEC Directive の新版が発行された(詳細は AC/17/2012 参照)
○CDV の投票期間が 3 ヶ月に短縮された(詳細は AC/21/2012 参照)
○PWI (Primary Work Item Stage)の期間延長(詳細は AC/12/2012 参照)
○IEC Website の大幅な刷新:2012 年 12 月頃に大幅に刷新される予定である。
(myIEC などが新設される)
○IEC の総会の予定 2013-10-21~25 New Delhi, India
2012-11-10~14
Tokyo, Japan
4.6 閉会
議長から、ホスト国(UK)のホスピタリティ、各国代表の会議への参加と貢献について謝辞が述べられ、
閉会が宣言され、会議が終了した。
2.2.1.2 IEC/TC 76/WG 7 ディドコット会合報告
1. 日時:2012 年 10 月 9 日(火) 11:00 am-12:30 pm
2. 出席者:Convener(Mike Barrett (UK))、Secretary(Tom Lieb (USA))、Germany:3 名、China:
2 名、Japan:1 名、オブザーバ(HPA):1 名
3. 議事
3.1 自己紹介
3.2 議題(76/Didcot/Secretariat/XX)の採択
3.3 IEC 60824-4 の附属書 D の見直しに関する件
独・Erwin Heberer 氏から、IEC 60824-4 の附属書 D に基づいてなされたドイツにおけるレーザガード
の試験結果についてのプレゼンがなされた。レーザガードは鉄及びアルミ製の 2 種類についてなされた。し
かし、附属書 D に規定された手順では、レーザガードによる保護時間を決めるには統計的なばらつきが大き
くなりすぎて、異常な解析結果(例えばマイナスの保護時間など)が出ることがあるということが判明した
との説明があり、試験データの取得方法に関する改善策につき議論した。議論の結果、次のようにして対処
することになった。
a. 附属書 D で規定されているサンプル数は現在 6 つであるが、これを最低 10 以上とするよう、附属書 D
を修正する必要がある。これについては、規格のメンテナンスとして対処できるであろう。
8
b. また、高輝度レーザによる長焦点距離のリモートレーザ加工の発達などにより、附属書 D で現在規定
している焦点距離の 3 倍の距離での試験は、非実用的となるので、焦点距離の 1 倍ないし 2 倍の距離で
も試験できるように、レーザガード(又は保護筐体材料)の試験方法を新規に開発する必要がある。附
属書には、測定、計算、及び解釈等の難しさに関して、規格のユーザにとってわかりやすい解説を加え
るべきである。これらの作業は、新規提案(NWIP)としてなされることになるであろう。
ドイツにおいてなされた試験結果の知見により、現在の附属書 D の規定には不備があり、このため測定結
果の解釈などで問題が生じうることが判明したので、規定を適切に修正する必要がある。修正案は、ドイツ
が作成し、来年9月に Frankfurt にて開催される予定の TC76 会合で議論できるよう、来年 6 月までに WG
内で回覧される。
4.4 その他のビジネス
(1) 76/475/INF への追加修正の件
76/475/INF (SBP document for TC 76)の B.4 Market Trends に、市場拡大している新分野として、
“High-power laser processing systems using flexible fibre-beam delivery”という項目を追記するように
したらどうかという 鷲尾からの提案は、当 WG が支持することになった。本件に関しては、Convener
の Mike Barrett 氏から、TC76 Secretary の Bill Ertle 氏に宛てて、推薦状を送付する。
(2) TC 27 とのリエーゾンに関する件
Bill Ertle 氏から、TC 27 へのリエーゾンに関する照会があり、当 WG で対応を検討した。その結果、TC27
は、赤外ランプ(IEC 62471 関連)に関心を寄せているが、当 WG 7 及び JWG 10 が TC 27 とリエーゾ
ンをもつことは不適切であり、WG 9 を推薦することにした。本件に関しては、Convener の Mike Barrett
氏から Bill Ertle 氏に宛てて、上記の内容を回答する。
(3)その他
その他の新ビジネスに関する議題はなかった。
4.5 次回の会合予定
次回の会合は、2012 年 9 月にドイツ・Frankfurt にて開催することを決め、散会。
2.2.1.3 IEC/TC 76/JWG 10 ディドコット会合報告
1. 日時:2012 年 10 月 9 日(火) 9:30-11:00 am
2. 出席者:Convener(Tom Lieb (USA))、Secretary(Mike Barrett (UK))Erwin Herberer (Germany)、
Germany:3 名、China:1 名、Japan:1 名、オブザーバ(HPA):1 名
3. 議事
3.1 自己紹介
3.2 議題(76/Didcot/Secretariat/XX)の採択
3.3 FDIS/ISO/IEC 11553-3 に関する審議
ISO では FDIS として、また IEC では CDV(76/462/CDV)として回覧された文書についての投票結果
及び各国からのコメント(ISO/TC 172/SC 9 N 453)並びにノイズに関する CEN のコンサルタント(Dr. P.
Kurtz)からのコメントに関して対応を審議した。
9
(1) 各国からのコメントへの対応
各国の投票結果及びコメントをとりまとめた IEC/CC_76_462 によれば、各国は 11553-3 に対して肯定的
であった。21 件のコメントがあったが、これらのコメントはすべて日本からなされたものであった。うち
19 件のエディトリアルなコメントは、全て採択された。しかし、テクニカルなコメントとしていた JP19
(ハンドヘルド装置に試験には人間だけではなく、
ロボットなどによる試験も許容すべきという提案)
は、
CDV 回覧後においては受理できないとして不採択となった。なお、高さ(身長)に関する許容幅の不統一
性を指摘した JP20 については、テクニカルではなく、エディトリアルなコメントだと見なされ、採択と
なった。
(2) CEN のコンサルタントからのコメントへの対応
ノイズに関する CEN のコンサルタントからのコメントは 4 件あり、これらに関しては次のように対応す
ることになった(Document 121009 Response to Comments from Dr. Kurtz 参照)。
i. 「引用文献 ISO 11203 については、発行年を削除せよ」というコメントに対しては、当 WG ではこれま
で発行年を記載してきた経緯があるので、このコメントは受け入れられないとして不採択となった。
ii. 「4.2 e) において、 “applied at …” を “applied to ...”に修正すべき」というコメントは採択となった。
iii. 「4.2 f) において、”preventing vibration of panels by fitting stiffening strips or noise attenuating
materials to reduce the radiation of noise and conforming to IEC 60825-4;”
という文言では IEC 60825-4 がどの用語に掛かるのか不明確なので、記載する場所を修正せよ」という
コメントに対しては、誤解を避けるべく、and conforming to IEC 60825-4 を削除することにした。
iv. 「A.5 において、Replace the 1st sentence in paragraph 2 by:“The upper bound value of σR0 is about 1,5
dB for the grade 2 and 3 dB for grade 3 measurement methods dealing with the determination of
the emission sound pressure level or the sound power level.”というテクニカルなコメントは、もともと
の文言が Dr. Kurtz のアドバイスによるものであったので、この修正提案は採択することになった。
(3) IEC 11553-3 についての今後の対応
T. Lieb 氏が FDIS/CDV 11553-3 の WORD 文書を ISO 中央事務局から取り寄せ、M. Barrett 氏が、上記
の審議結果を踏まえて、これを修正する。修正後した WORD 文書は、国際規格出版用として、2012 年
12 月末までに ISO 及び IEC の中央事務局に送付される。
(4) IEC 11553-3 に関するプレナリー会合への動議の提出
プレナリー会合では、ISO/IEC 11553-3 を規格として出版することを決議するよう、動議を提出する。
3.4 ISO/IEC 11553 Part 1 および Part 2 のメンテナンス
ISO/IEC 11553-3 が規格として発行される際に、対応して Part 1 及び Part 2 に修正が必要となる事項に
ついて、既に Seattle 会議及び Melbourne 会議で合意していることではあるが、来年 9 月に開催予定の次回
の Frankfurt 会合で行うべき修正内容を確認した。
(1) ISO/IEC 11553-1 及び-2 の Scope の修正及び ISO/IEC 11553-3 への言及
a.適用範囲における 11553-3 への言及
ISO/IEC 11553-3 が規格として発行されたら、規格のメンテナスとして、11553-1 及び-2 の Scope におい
て、次のような文言が含まれるように、いずれも Scope を修正する(現在は、まだ-3 は規格として発行さ
れていないので、この件は先送りとする)。
10
“Requirements concerning noise as a hazard are not included in this part of ISO 11553. These
requirements are to be found in ISO/IEC 11553-3, Safety of machinery – Laser processing machines –
Part 3: Safety requirements for noise reduction and noise measurement methods for laser processing
machines and hand held laser processing devices and associated auxiliary equipment (Accuracy
grades 2).”
b. ISO/IEC 11553-1 及び-2 の 7. Information for user における要求事項への追加並びに引用規格の見直し
これも既に Seattle 会議及び Melbourne 会議で合意している懸案事項であるが、上記-3 が規格として発
行され、これに応じて-1 及び-2 が規格のメンテナンスとして改訂される際には、physical agents(artificial
optical radiation){物理的媒体(人工的光学放射)}による作業者が被ばくするリスクに関する欧州指
令 2006/25/EC についても言及するよう、7.Information for user において、次の文言が含まれるように
修正する必要がある。
"Warnings about potential excess exposure to laser radiation should be included in the instructions
relating to machine (or device) maintenance and service activities."
なお、-1 及び-2 の規格のメンテナンスの際には、引用規格についても適宜見直す必要がある。
c. ISO/IEC 11553-1 及び-2 の7.Information for user への要求事項へのさらなる追加項目
これも Seattle 会議にて合意している懸案事項であるが、主たるレーザ光以外の副次的なレーザ光につ
いての情報も含まれるよう、-1 の 7.Information for user への要求項目として、7.e)項の下にある次の
文言
“– IEC 60825-1 specifies protective measures for the primary laser radiation. The minimum
requirement, in
the case of potential exposure by a class 3B and class 4 product, is to wear
protective eyewear rated for the laser power and wavelength.”
は、次のような文言に修正する必要がある(これも先送りとする)
“– IEC 60825-1 specifies protective measures for the primary laser radiation and all other possible
hazardous radiation at wavelengths emitted. The minimum requirement, in the case of potential
exposure by a Class 3B or Class 4 product, is to wear protective eyewear rated for the laser power
and all wavelengths emitted.
Note: For example, in the case of diode pumped lasers, laser radiation associated with the diode
pumping may be emitted in addition to the primary laser radiation or in the case of a frequency
multiplied laser system, unanticipated primary or harmonic wavelengths may be emitted.”
また、-2 においても同様な修正を行う必要があるものと思われる。
3.5 その他のビジネス
(1) ISO/IEC 11553 の既存の各パートの修正
ISO/IEC 11553-1 及び-2 は、上述したごとく修正する必要がある。また-2 は定期的見直しの段階を迎えて
いる。コンビーナは、TC 76 のセクレタリー(W. Ertle)と連携して、必要な RR (Review Report)を起草
する。
(2) ISO/IEC 11553-2 の改訂に関するドイツからの新規提案
ISO/IEC 11553-2 を改訂したいという新規提案がドイツからなされたが、ドイツ語のままで英語に翻訳さ
11
れていなかったので、翻訳されたものを入手してから、次回の会合で審議することになろう。
(3) ファイバビームデリバリに関する件
鷲尾より、ファイバレーザ、ディスクレーザ及び直接加工用高出力半導体レーザなどを搭載したレーザ加
工機において、ファイバビームデリバリ手段を備えたものの市場が拡大していること、及びファイバビー
ムデリバリにおけるレーザ安全に関しては、レーザガード IEC 60825-4 の附属書 G で詳しく規定されて
いるものの、レーザ加工機の安全性に関する一般要求事項を規定している ISO 11553-1 においてはファイ
バビームデリバリに関しては何も言及していないのは好ましくないので、ファイバビームデリバリについ
てより注意を喚起すべく、ISO 11553-1 において、ファイバビームデリバリ関連の要求事項を盛り込むべ
きでないかと提案したところ、WG 内の賛同が得られた。鷲尾は、提案内容を取り纏め、次回の Frankfurt
会合で審議できるよう、WG 内に文書で事前に回覧することに同意した。この提案内容は、次の ISO
11553-1 の改訂案の中に組み込まれ、反映されることが想定される。
3.6 次回の会合予定
次回の会合は、2013 年 9 月にドイツ・Frankfurt にて開催することを決め、散会。
2.2.2 FiSC 2012
1.FiSC シンポジウムの概要
(1)会議の名称: 7th FiSC 2012 - International Laser Symposium Fiber & Disc
(2)会議日程: 2012 年 10 月 16~17 日
(3)開催場所: International Congress Center, Dresden, Germany
(4)主催: Fraunhofer IWS Dresden
(5)出席者数: 約 300 名
(6)講演件数: 28 件(セッション別・国別内訳は表1参照)
FiSC シンポジムは、独・Fraunhofer IWS (Fraunhofer-Institut für Werkstoff- und Strahltechnik)の主
催により隔年に開催される 高輝度ファイバレーザ及びディスクレーザ並びにそれらを用いたレーザ加工応
用に関する国際シンポジウムである。当初は、ファイバレーザシンポジウムと呼ばれていたが、ディスクレ
ーザの高出力化・高輝度化の進展に伴い、2 年前からディスクレーザに関する講演もシンポジウムに組み込
まれ、FiSC シンポジウムと名称が変更された。本シンポジウム初日の午前中は、高出力・高輝度レーザ光
源開発に関するオーバービュー並びにビームデリバリ用光学系及びモニタリング光学系などシステム要素技
術に関する講演があった。また、初日の午後は、欧州プロジェクト LIFT(Leadership in Fibre Laser
Technology)の開発成果に関する講演がなされた。2 日目は、午前中に高輝度レーザによる切断及び微細加
工の講演があり、午後には Tailored Joining シンポジウム(10 月 17~18 日)とのジョイントで、レーザ溶接に
関する講演があった。
12
表1 講演件数のセッション別・国別内訳
セッション名
Introduction &
Overview
独(うち
F-IWS)
英
2
Systems
2 (1)
LIFT I
1 (1)
LIFT II
1
Laser Cutting
4
スイス
仏
スウェ
フィン
ーデン
ランド
米
合計
1
4
1
4
1
1
1
1
3
1
1
3
4
Fine Machining
3 (1)
1
4
Laser Welding I*
2
1
3
Laser Welding II*
3
合計
18
3
2
2
2
1
1
2
28
*:Tailored Welding Symposium のセッションとのジョイントセッションとして開催。
2.FiSC シンポジムにおけるトピックス
2.1 高輝度レーザ光源開発
欧州の代表的なレーザ加工機メーカである Trumpf 社、Rofin-Sianr Laser 社及び Bystronic Laser 社(ス
イス)並びに米国の新規ベンチャーレーザメーカである TeraDiode 社から、それぞれ光源開発の現状及び応
用の展望などに関する講演があった。
Trumpf からは、Peter Leibinger 副社長により、同社の技術開発ロードマップについての講演があった。
ディスクレーザ、ファイバレーザ及び半導体レーザ開発において、どのような技術をコア技術として自社開
発し、またどのような知財を M&A 等により取得したかが紹介され、長期の視点に立った Make or Buy 戦
略の重要性、並びにコア技術の自社開発においては、根気よく長年研究開発投資を継続することの重要性な
どが述べられた。
Rofin-Sinar Laser 社からは、同社の CW 4 kW マルチモードファイバレーザ FL040C(コア径 50 µm、
BPP=1.8 mm・mrad)の製品開発が紹介され、また LIFT プロジェクトの成果の一部として、シングルモー
ド 2 kW(ビーム品質 M2=1.3)の技術開発結果も紹介された。
Bystronic Laser 社は、板金加工用として CO2 レーザとファイバレーザとの加工特性を比較した実験結果
を紹介し、薄板ではファイバレーザが優れているが、例えばステンレスでは厚さ 4 mm 以上では CO2 レーザ
のほうが優れていることなどを示し、加工用途別に機種選択すべきことを述べた。
TeraDiode 社は、波長多重方式によるダイレクトタイオードレーザの高輝度化を進展させ、NA 0.11、コ
ア径 50 µm のファイバから 2,030 W が得られ、最大輝度として、2,730 MW/(cm2・sr)と既存のマルチモード
ファイバレーザ及びディスクレーザに匹敵する高輝度が得られたことを報告した。表 2 に、同社による最新
の実験結果を従来のものと比較した表を示す。
13
表 2 TeraDiode 社によるダイレクトダイオードレーザの実験結果の比較
µm
2.2 ビームデリバリ用光学系、モニタ光学系等システム要素技術の開発
ビームデリバリ用光学系、モニタ光学系等システム要素技術に関しては、スウェーデンの Optoskand 社
から各種センサ内蔵型の高出力ファイバケーブルについて、また米・Cambrige Technology 社から高出力・
高輝度レーザ用スキャナ技術について、また独・Primes 社から数 kW 級レーザのファイバデリバリによる
深溶け込み溶接における加工用光学ヘッドのフォーカス状態のリアルタイムモニタリングに関する講演があ
った。また Fraunhofer IWS からは高速加工システムとその応用に関する講演があった。
図1に、Optoskand 社による各種センサ内蔵型高出力ファイバケーブルの動作概念図を示す。加工ワーク
ピースからの戻り光が UV、可視、及び IR のセンサでモニタされ、かつモードストリッパの水温上昇を温度
センサでモニタすることにより、加工状況のリアルタイム監視及び異常状況の早期の検出などが行える。IPG
Photonics 社製 6 kW ファイバレーザと組み合わせて、
各種板金の重ね合わせ溶接実験への適用が試みられ、
貫通溶接等の溶接状況のリアルタイムのモニタリングが可能であることが示された。
図1.各種センサ内蔵型高出力ファイバケーブル(Optoskand 社)の動作概念図
14
独・Primes 社は、数 kW 級高輝度レーザによる加工光学ヘッドの熱歪みによるフォーカスシフトを 1
Hz~100 Hz の速度でリアルタイムにモニタリングする装置を紹介した。
Fraunhofer IWS は、焦点距離 2 m 級の長焦点のリモート加工システムなどについて講演し、変圧器など
に用いられるトランスの損失低減のため、電磁鋼板の磁器特性の改善用の高速スクライビング加工への応用
(シートサイズ 1 m×1 m、最大スキャン速度 250 m/s が可能)などを紹介した。
2.3 EU プロジェクト LIFT による各種高性能ファイバレーザ開発
LIFT 1 及び 2 のセッションでは、最初にプロジェクトのコーディネータを務めている Fraunhofer IWS
の U. Klotzbach 氏から、
EU の FP7 による LIFT プロジェクト全般に関する進捗状況の説明があった。
LIFT
プロジェクトは、期間 4 年(2009.9.1~2013.8.31)、開発予算総額約 16 百万ユーロ、参加国 9 ヶ国、参加機
関 21 社の比較的大形な研究開発プロジェクトである。次いで、スイスの Time-Bandwidth Product 社から
微細加工用のフェムト秒高出力ファイバレーザ、仏・EOLITE 社から超高出力ピコ秒及びナノ秒ファイバレ
ーザ、仏・Quantel 社から医療用可視ファイバレーザの講演があった。また、加工応用に関しては、フィン
ランドの Tampere University of Technology から新しいパルスレーザについて、また独・Rofin-Basel
Lasertech 社からフェムト秒レーザによる産業用加工応用についての講演があった。
Time-Bandwidth Product 社の講演によれば、同社は平均出力 200 W 以上、パルス幅 500 fs 以下、高出
力フェムト秒ファイバレーザ(パルスエネルギーは、繰返し周波数 2 MHz にて 100 µJ 以上)を目標として
開発中である。現在までのところ、終段増幅器に PCF ファイバを用いて、パルス幅 700 fs にて平均出力 25
W、またパルス幅 2.2 ps では 100 W が得られている。また、同社により開発途上のフェムト秒レーザによ
る金属薄膜並びにガラス及びセラミックなどの各種電子材料加工への適用例が紹介された。
また、EOLITE 社の講演によれば、同社は平均出力 1 kW 以上、パルス幅 10 ns 以下の高出力ナノ秒レー
ザ(パルスエネルギーは、100 kHz にて 10 mJ 以上)を開発中である。現在のところ、コア径 40 µm~100
µm の大口径コア PCF ロッドファイバを用いて、繰返し周波数 300 kHz にて 310 W(パルス幅約 8 ns、ス
ペクトル幅 0.4 nm 以下、ビーム品質 M2<1.1)を得ている。平均出力 1 kW という目標達成に向けては、波
長多重方式で臨む予定とのことであった。なお、波長変換に関しては、第 2 高調波発生により波長 515 nm
にて平均出力 150 W、また第 3 高調波発生により波長 343 nm にて平均出力 47 W が得られている。
Quantel 社の講演によれば、同社は医療用途として、波長 450 nm~800 nm にてレーザ出力 1 W 以上が
得られる高ビーム品質(M2<1.2)の可視・近赤外ファイバレーザを開発中である。高出力の赤外ファイバラ
マンレーザの高調波発生及び周波数混合などにより、橙色の波長 580 nm で 10 W、赤色の波長 633 nm で
4.5 W、近赤外の 780 nm にて 1 W などが現在得られている。
Tampere University of Technology からは、平均出力 40 W 程度の超短パルスレーザを用いて、アルミナ
(Al2O3)や低温焼成セラミック(LTCC)
、医療用各種プラスチック、Li イオン電池用材料などの各種先端
材料を加工した結果が報告され、除去加工速度、加工表面荒さなど、種々の加工特性が紹介された。
Rofin-Baasel Lasertech 社からは、波長 1,552 nm の超短パルス Er ファイバレーザ(を用いた医療用ステ
ントの切断加工特性などが報告された。ガルバノ制御の高度化などにより、位置精度±25 µm にて、最大 30
m/s までの高速スキャニング加工が実現している。
15
2.4 レーザ切断及び微細加工
レーザ切断分野では、独・IPG Laser 社から、シングルモードファイバレーザ、Q-CW ファイバレーザ、
及び高出力マルチモードファイバレーザによる切断加工の特長と主な加工特性に関する講演があった。シン
グルモードファイバレーザは、0.5 mm 程度以下の金属薄板の高速切断に適しており、例えば 800 W 出力で
は、厚さ 0.18 mm の軟鋼薄板の切断において、120 m/min の高速切断が可能であり、ドロスの高さは 2 µm
以下である。Q-CW レーザは、平均出力が小さくてもピークパワーが高いので、厚さ 4 mm 程度でも良好な
切断加工が行える。マルチモード高出力レーザによれば、軟鋼の切断では、出力が同じであれば、CO2 レー
ザに比べて遜色のない加工速度で切断でき、ガスの消費や消費電力等が少ないので経済的である。出力 4 kW
レーザでは、厚さ 30 mm の軟鋼が高品質に切断できている。
独・Precitec 社からは、薄板の切断から厚板の切断まで幅広く対応可能な、ビーム径の拡大率 1.2~2 倍の
範囲でスイッチにより容易に可変な高輝度レーザ用切断加工ヘッドに関する講演があった。
また独・HIGHYAG 社からは、焦点位置及びスポットサイズが独立に可変なズーム方式の加工用光学ヘッ
ドの設計に関する講演があり、熱レンズ効果の抑制のため、少ないレンズの数で、所要の性能が得られる光
学システムの構成法が紹介された。
微細加工分野では、独・Scheuermann+Heilig 社から、シングルファイバレーザによるリモート切断加工
とパンチ加工とを組み合わせた、金属薄板の高速切断加工用のレーザリモートパンチと命名された切断方式
についての講演があった。
また、英・SPI レーザ社からは、モータに使用される電磁鋼板の高速ファイバレーザ切断に関する講演が
あった。厚み 0.35 mm の鋼板について、レーザ出力 1 kW のシングルモードファイバレーザによる切断加工
が試みられ、
スポットサイズ 25 µm、
アシストガスとして N2 を使用という条件の下で、
切断速度として 20~35
m/min の高速切断が得られている。
また、Fraunhofer IWS からは、高輝度レーザを用いた金属の精密積層造形に関する講演があった。レー
ザ出力最大 200 W のシングルモードファイバレーザなどを用いて、ハニカム構造や 3 重螺旋構造のパイプ
など、種々の微細な立体構造が形成されており、最小フィーチュアサイズ 100 µm 程度の場合、堆積速度と
して 2 g/min 程度が得られている。
また、独・C. F. K. CNC-Fertigungstechnik Kriftel 社からは、選択的レーザ溶融法(SLM:Selective Laser
Melting)による微細構造の作成に関し、講演があった。照射するレーザのビーム径を 35 µm 程度と微細化し、
かつ供給される微粉末の粒径も微細化して一段あたりに積層する厚みを 10 µm 程度と微細化することによ
り、幅 100 µm 程度、高さ 5 mm 程度の微細な立体構造が作成されている。まだ表面荒さなどの改善が必要
とのことであった。
2.6 レーザ溶接
レーザ溶接 1 及び 2 のセッションは、Tailored Joining Workshop とのショイントとして開催され、ドイ
ツから 7 件、英国から 1 件の計 8 件の講演があった。
初めに Fraunhofer IWS の Dr. J. Standfuss から、高輝度レーザ溶接のイノベーションと題して、高輝度
ファイバレーザと 2 次元高速ビームスキャナとを組み合わせた新型レーザ加工システムによる、アルミニウ
ムと銅との異材溶接や、アルミ及び鋼材等のレーザ溶接におけるスパッタの低減について講演があった。CW
出力 1.8 kW のレーザビームをスポットサイズ 50 µm 程度に集光し、
これを振幅 200 µm 程度、
周波数 4 kHz
16
程度で高速にスキャンすることにより、スパッタレスのレーザ溶接が溶接速度 1 m/min 程度で得られている。
また、20 mm 程度の厚みのある金属の狭開先溶接法として、取り扱いの面倒な 10 kW 以上の高出力ファイ
バレーザを用いる代わりに、比較的取り扱いの容易な 2~4 kW 級の高輝度ファイバレーザを用いて、多段に
フィラーワイヤ溶接を行うことで、低合金高張力鋼(HSLA:High Strength Low Alloy Steel)や割れ感受
性の高い 6000 系のアルミニウム合金のレーザ溶接が行えることなども紹介した。
次に、英・TWI から、航空・宇宙用の Ni 基の合金 718 及び Ti 合金について、宇宙航空用機器の溶融溶
接規格として知られている ANSI/AWS D17.1:2001 Specification for Fusion Welding for Aerospace
Applications で得られるものよりも、クラックなどの溶接欠陥の発生率が少ない、はるかに厳しい仕様を、
レーザの出力及び溶接速度の最適化により満足することができるという内容の講演があった。TWI の実験で
は、ビーム品質 1.8 mm・mrad、レーザ出力 4 kW のファイバレーザが用いられ、厚さ 3.2 mm の板材の貫
通溶接がなされていた。
また、Bosch 社から、同社におけるレーザ溶接の歴史及び最新の開発並びに適用状況などに関する講演が
あった。1996 年から 2011 年に掛けて、レーザ装置の導入台数は 15 倍になり、15 年間の間で年率 20%程度
の伸張を遂げた。現在は、レーザ溶接システムの約 90%が固体レーザないしファイバレーザを搭載している。
最近の開発事例として、独・連邦教育研究省(BMBF)による銅のレーザ溶接に関する CuBriLas プロジェ
クトの開発成果が紹介され、基本波(波長 1,030 nm)のレーザよりも、第 2 高調波(波長 515 nm)を用い
るほうが銅表面の吸収率が高いので、高効率なレーザ溶接が行えること、また基本波と第 2 高調波とを組み
合わせた 2 波長ハイブリッド加工方式が優れていることなどが示された。
また、Erlangen-Nürnberg 大学から、レーザ溶接及びレーザろう付けのモデリング及び加工プロセスの最
適化に関する講演があった。相変化、プラズマ吸収、多重反射、熱伝導、流体の動力学などに関する多様な
パラメータを取り入れて加工プロセスをモデル化しており、解析結果がかなりよく実験結果を説明できるよ
うになった。
また、KEIPER 社からは、車載用各種部品のレーザ溶接用光源が、CO2 レーザから固体レーザに切り替わ
った歴史についての講演があった。
また、ThyssenKrupp Laser technik 社からは、レーザ溶接用光源として、CO2 レーザに比べて固体レー
ザのシェアが高くなってきた背景の説明とともに、光学系の損傷防止など、新たに重要となってきた技術課
題などについて講演があった。
また、Audi 社からは、同社の車体組立工程における接合方式の動向に関する講演があり、高張力鋼板、ア
ルミニウム等、各種車体材料に対するレーザの適用状況が紹介された。
3.高輝度・高出力レーザを用いたレーザ加工システムの安全上の課題と問題点
(1)リモートレーザ加工の適用域の拡大とレーザガードの課題並びに問題点
ファイバレーザ、ディスクレーザ等の高出力化及びビーム品質の向上が進展するのに伴い、リモート加工
用レーザ出力が増大し、かつ加工用出射レンズから加工面上までのワークディスタンスが長距離化しつつあ
る。
FiSC2012 では、Fraunhofer IWS の J. Hauptmann 氏による “High Speed Processing -Applications
and Systems,”と題した講演があり、その中で、図2に示したようなスキャナを用いて、図3に示したよう
な長尺のワークディスタンスを有した自動車ボディのリモート溶接の概念図がビデオにて紹介された。自動
17
車ボディのレーザ溶接にはこれまでレーザ出力 4 kW 程度のものが使用されているので、長尺のワークディ
スタンスによる高速スキャン溶接ともなれば、4 kW 以上の高出力ファイバレーザなどが多用されることに
なるものと推察される。
図2 リモート溶接用スキャン光学系の外観例
リモートレーザ加工においては、レーザビームが不用意に人体に照射されるのはたいへん危険なので、レ
ーザ加工セルの周囲には通常レーザガードが設置される。レーザガードに関する国際規格 IEC 60825-4 の附
属書 D によれば、最も規格のゆるい T3 クラス(異常の有無を検査するための観察を連続して行う場合)の
レーザガードについては、メンテナンスのための検査間隔を 10 s と規定している。また、次に規格のゆるい
T2 クラス(異常の有無を検査するための観察を完結的に行う場合)の検査間隔は 100 s と規定している。
しかしながら、近年、リモート加工用レーザのレーザ出力が増大しており、またビーム品質も向上してビ
ーム広がりが小さいので、レーザガードにレーザビームが直接照射されると比較的短時間でレーザガードが
加工されて、貫通してしまう懸念がある。
図3 長ワークディスタンスのスキャン光学系を用いたリモート溶接ラインの概念図
18
独・Stuttgart 大学光線工具研究所
(IFSW)
のP.Stritt らは、
本年6月に開催されたSLT ’12 (Stuttgart Laser
Technology Forum)において、レーザ出力 5 kW のディスクレーザのビームを直径 30 mm に拡大して各種ガ
ード材料に照射し、これらが貫通するまで持ちこたえられる時間を評価した結果を報告している。その主な
実験結果を図 4 に示す。
図4 各種レーザガード材料が貫通するまでの耐久時間(レーザ出力 5 kW、ビーム径 30 mm)
これによれば、厚さ 2 mm の塗装されたアルミ板や鋼板は 10 s 以下で貫通しており、T3 クラスのレーザ
ガード材料として不適当であること、また評価したすべてのレーザガード材料が 100 s 以内で貫通しており、
T2 クラスのレーザガードとして使用可能なものが存在しないことが明らかとなった。
また、上記のテストにおいては、照射レーザビームのビーム径は 30 mm であったが、ビーム広がりの小
さな、長尺ワークディスタンスのリモートレーザ加工においては、より小さなビーム径でレーザガードに照
射されることがありうるものと推察され、レーザガードの異常の有無を検査する時間間隔は、T3 クラスより
も短くても使用可能となると思われる、
目視に頼らなくてよい、
アクティブレーザーガードの積極的な採用、
並びにアクティブレーザーガードのテスト方法等に対する国際規格の制定などを推進する必要があるものと
考えられる。
(2)高出力用ファイバケーブルの引き回しに関する課題及び問題点
ファイバレーザの高出力化の進展は目覚ましく、すでに国内ではレーザ出力 30 kW クラスのものも複数台
稼働しており、1 kW クラス以上の高出力レーザは、かなりの台数が国内で稼働しているものと思われる。
その多くのものは、例えばフラットベッドの 2 次元レーザ切断機などにおいては、レーザ発振器及びデリバ
リ用ファイバケーブルがレーザガード内に収納されていて、外部から容易にデリバリ用ファイバにアクセス
できないような設計になっているものと見られるが、レーザ溶接用などでは、図5に示したごとく、ビーム
デリバリ用ファイバに比較的容易に外部からアクセス可能なレーザ加工システムも多々存在するものと考え
られる。
19
図5 長尺のビームデリバリ用ファイバケーブルを備えたレーザ加工システムの概念図
(本図は、IPG Photonics 社のレーザシームステッパ LSS のカタログからの引用)
ビームデリバリ用ファイバに関しては、現在、IEC 60825-4 の附属書 G(Beam delivery systems)の中
でリスクアセスメントやユーザへの情報提供などに関する要求事項が規定されているものの、レーザ加工機
の基本的な国際規格である ISO 11553-1: Safety of machinery -Laser processing machines – Part 1:
General safety requirements においては、ビームデリバリ用ファイバに関する規定が明示的に含まれていな
い。しかしながら、図5に示したごとく、レーザガードを使用しないで、ビームデリバリファイバに容易に
アクセスすることを可能にしたレーザ加工システムにおいては、レーザ加工機の基本規格である ISO
11553-1 において、ビームデリバリ用ファイバに関する要求事項も規定すべきではないかと考えられる。
高出力レーザ用ビームデリバリ用ファイバケーブルは、スパイラル状の金属シースに収納されてはいるが、
可撓性を保つために金属シースは比較的薄いものが用いられており、不注意な取り扱いをすれば、比較的容
易に損傷や破断する可能性があり、その引き回しや取り扱いにはそれなりの注意が必要であり、JIS 化する
などして、安全な使用法の普及など・啓蒙活動を展開して、高出力レーザ加工システム事業の健全な発展に
役立てるべきものと考えられる。
4. 提言
上記3.で述べたごとく、高輝度・高出力レーザを用いたレーザ加工システムには、現状では種々の課題
と問題点があり、レーザガード及びレーザ加工機に関する国際規格の見直し及び改訂などが、レーザ発振器
などの急速な発達に追いついていないと考えられる。
ビームデリバリ用ファイバを備えた高出力レーザ加工機事業及びそれらの加工機を利用するユーザ側の
産業の健全な発展の促進などを目指して、レーザメーカ、レーザのユーザ及びシステムインテグレータにお
ける経験豊かな第一線の技術者が集まって、
高出力レーザ加工システムの安全化を検討する委員会を創設し、
課題及び問題点の抽出、解決策及びベストプラクティスの提言などを行うとともに、関連する国際規格の改
訂提案及び高出力レーザ加工機関連の JIS 化(国際規格の翻訳 JIS 化)と国内へのそれらの普及・啓蒙活動
20
などに展開してゆく必要があろう。
自動車産業を初め、橋梁、発電プラントなどの重工業や油井掘削、鉱山など各種産業において、ビームデ
リバリ用ファイバを備えた高出力レーザ加工機のニーズが益々拡大するものと考えられるので、上記の委員
会活動は、日本の産業発展にとって貴重な貢献ができうるものと期待される。
21
第 3 章 国際規格の翻訳
3.1 翻訳の目的と概要
国際会議への標準化国際会議への専門家派遣により、IEC/TC 76 ディドコット会合において、IEC/TC
76/JWG 10 において、ISO 11553-1 の改正の動きがあるという情報を得ている。この改正においては、ファ
イバビームデリバリ関連の要求事項を盛り込むことが大きな課題の一つである。また、FiSC2012 において
高輝度・高出力レーザを用いたレーザ加工システムの目覚ましい発展がある中で、現状では種々の課題と問
題点を抱えていることが把握できた。レーザ加工機の安全性に関する国際規格(ISO 11553-1,ISO 11553-2
及び ISO 11553-3)及びレーザガードに関する国際規格(IEC 60825-4)の改正が、レーザ発振器などの急
速な発達に追いついていないことがその一因である。これらの状況から、まず ISO 11553-1 の第 1 版の翻訳
を優先して行うことにした。
レーザ安全性の国際規格のもっとも基礎となる IEC 60825-1 は 2007 年発行の第 2 版が最新版で、その対
応 JIS は JIS C 6802 として 2011 年に発行されている。IEC 60825-1 の第 2 版には、発行後、2008 年に正
誤表 1(corrigendum 1)
、2009 年に解釈票 1(interpretation sheet 1)
、2011 年に解釈票 2(interpretation
sheet 2)が出されているが、JIS C 6802:2011 には正誤表のみ反映されており、解釈票は解釈の問題とい
うこともあり、JIS C 6802:2011 に記載がない。この解釈票を翻訳し機会をみつけて公表すべきではない
かとの意見が、レーザ機器の安全・安心に関する調査研究委員会の委員の中から指摘された。
注記 レーザ安全性に関連する国際規格(ISO 規格・IEC 規格)と JIS との関係を表す一覧表を、補助
資料 B として巻末に添付する。
以上の調査・検討により、次の三つの国際規格を英文和訳することとした。
1)
ISO 11553-1:2005(Ed.1.0),Safety of machinery–Laser processing machines–Part 1: General safety
requirements
2)
IEC 60825-1(2007–Ed.2.0)I-SH 01:2009,Safety of laser products–Part 1: Equipment classification and
requirements
3)
IEC 60825-1(2007–Ed.2.0)I-SH 02:2011,Safety of laser products–Part 1: Equipment classification and
requirements
3.2 翻訳
以下に、前記三つの国際規格の英文和訳を掲載する。
22
3.2.1 ISO 11553-1 Ed.1
国際規格 ISO 11553-1
機械類の安全性-レーザ加工機-
第1部:安全に関する一般的要求事項
1
適用範囲
この規格(ISO 11553 の第 1 部)は,3.2 で定義されるレーザ加工機から生じる危険源(ハザード)を説明し,
放射による危険源並びに材料及び物質により生じる危険源についての安全に関する要求事項を規定している。
また,
このような機器の製造業者が提出しなければならない情報についても規定している。
レーザ加工機から生じる危険源のうち騒音に関する諸要求事項は,
この ISO 11553 の第 1 部には含まれていない。
これらは,続いて制定する部に含まれる。
この ISO 11553 の第 1 部は,次に示す用途についての専用装置として,製造及び明示されたレーザ製品及びその
ような製品を内蔵する装置には適用されない。
- フォトリソグラフィ
- ステレオリソグラフィ(光造形)
- ホログラフィ
- 医用(IEC60601-2-22 を適用)
- データストレージ
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格
のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。
)は適用しない。
西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
ISO 3864:1984,Safety colours and safety signs
ISO 11252:2004,Lasers and laser-related equipment–Laser device–Minimum requirements for documentation
ISO 12100-1:2003,Safety of machinery–Basic concepts, general principles for design–Part 1: Basic terminology,
methodology
ISO 12100-2:2003,Safety of machinery–Basic concepts, general principles for design–Part 2: Technical principles
ISO 13849-1:1999,Safety of machinery–Safety-related parts of control systems–Part 1: General principles for design
ISO 14118:2000,Safety of machinery–Prevention of unexpected start-up
ISO 14119:1998,Safety of machinery–Interlocking devices associated with guards–Principles for design and selection
IEC 60204-1:1997,Safety of machinery–Electrical equipment of machines –Part 1: General requirements
IEC 60825-1:2001,Safety of laser products–Part 1: Equipment classification, requirements and user's guide
IEC 60825-4:1997,Safety of laser products–Part 4: Laser guards
3
用語及び定義
この規格で用いる用語及び定義は,ISO 12100-1 及び IEC 60825-1 によるほか,次による。
23
3.1
機械(machine)
連結された部品又は構成品の組合せで,そのうちの少なくとも一つは適切なアクチェータ,制御及び駆動回路を
備えて動くものであって,特に材料の加工,処理,移動及びこん(梱)包といった特定の用途に合うように結合さ
れたもの。
[ISO 12100-1]
3.2
レーザ加工機(laser processing machine)
ワークピースの少なくとも一部において,溶融,蒸発又は相転移を生じるのに十分なエネルギーないしパワーを
供給するレーザ源(単複可)が内蔵された機械であって,機能及び安全上の完全性を備えており,ただちに運転可
能なもの。
3.3
接近が管理された区域(location with controlled access)
当該システムに関するレーザ安全及びサービスに関する適切な訓練を受けた認定要員以外は危険源に接近でき
ないようにした区域。
注記
表1参照。
3.4
接近が制限された区域(location with restricted access)
一般大衆は接近できないが,バリア又は他の手段により,レーザ加工における危険源を隔離することによって,
見学者又は訓練を受けていない人が接近可能な区域。
注記
表1参照。
3.5
接近の制限及び管理をしていない区域(location with unrestricted and uncontrolled access)
接近の制限及び管理のいずれもがなされていない区域。
注記
表1参照。
表1-区域の詳細
区域
対象者
管理区域
制限区域
レーザ安全について訓練
レーザ安全について訓練
を受け,認定された人
を受けていない人。一般大
非制限区域
一般大衆を含む全ての人
衆を除く。
3.6
予防保全(preventive maintenance)
製品の意図された性能を確かなものにするために使用者が確実に行うよう,
使用者への情報において規定されて
いる調整その他の手順の実践。
例
消耗剤の充填及び清掃。
3.7
製造業者(manufacturer)
24
レーザ加工機を組立てる組織又は個人。
注記 1
レーザ加工機が輸入品である場合は,輸入当事者が製造業者としての責任を担う。
注記 2
機械の改造の責任を有する組織又は個人は製造業者と見なされる。
3.8
改造(modification)
本来の設計とは異なる加工を可能とする,
又は本来の設計で想定していた材料とは異なる材料の加工を可能とす
る,又は機械の安全上の特性が変わる,機械の改造。
3.9
プロセスゾーン(process zone)
ワークピースの材料とレーザビームとが相互作用する領域。
3.10
生産(production)
次の工程を含め,機械がその目的の遂行のためにしかるべく使用されるフェーズ。
― 加工されるパーツ及び/又は材料の供給及び取り出し
― レーザビームが単独又は他のツールとの組合せによって作用する工程
注記
供給及び取り出しの工程は,完全に又は部分的に自動化されているか手動によるかのいずれかである。
3.11
サービス(service)
補修(corrective maintenance)
製品の機能面のいずれかに影響を及ぼし得る手順又は調整であって,
製造業者の作成したサービス指示書で説明
されているものの実施。
例
障害診断,機械装置の分解,修理。
3.12
サブアセンブリ(subassembly)
レーザ加工機の適正な性能を得るのに必要な構成部。
注記 レーザ加工用のサブアセンブリは,IEC 60825-1 に基づいた如何なるクラスのレーザ製品にもなり得る。
3.13
ワークピース(workpiece)
加工される予定の材料,すなわちレーザビーム照射対象の物体。
危険源
4
4.1
一般事項
この箇条において,レーザを用いた材料加工に関連する要注意事項の概要を示す。
4.2
本質的危険源
レーザ加工機は,次の各危険源(ISO 12100-1 及び ISO 1200-2 を参照)を生じる恐れがある。
― 機械的危険源
― 電気的危険源
― 熱的危険源
25
― 振動の危険源
― 次に例示するような放射による危険源
― 直射レーザビーム又は反射レーザビームにより生じる危険源,
― 電離性の放射により生じる危険源
― フラッシュランプ,放電管又は高周波電源などから発生する副次的放射(紫外線,マイクロ波など)によ
り生じる危険源
― ビーム照射を起源とする副次的放射(副次的放射の波長はレーザビームのそれと異なる場合もある)によ
り生じる危険源
― 次のような材料や物質により生じる危険源
― 機械の内部で使われている製品(レーザ用ガス,レーザ用色素,レーザ能動ガス,溶剤など)により生じ
る危険源
― ビームと材料との相互作用の結果により生じる危険源(例えば煙霧,微粒子,蒸気,飛散物)
,火災又は爆
発
― レーザとターゲット間の相互反応を助成するために使用される関連気体(例えば 5.3.4 参照)及び発生する
如何なる煙霧により生じる危険源;これらの危険源には,爆発,火災,種々の毒性,酸欠などが含まれる
― 機械の設計において人間工学原則をおろそかにしたことにより生じる危険源
4.3
外的影響(干渉)により生じる危険源
機械の運転時の電源条件及び環境が機械の機能不良の原因となることがある。これにより,危険な状態を生じた
り,要員が危険源区域に踏み入って対処する必要性が生じたりすることもある。
環境によるその他の干渉事例には次のようなものがある。
― 温度
― 湿度
― 外部衝撃/振動
― 環境により生じる埃,水蒸気又は各種の気体
― 電磁波/高周波による干渉
― 供給電力の中断/供給電圧の揺らぎ
― ハードウエアとソフトウエアとの両立性及び一体性の不十分さ
4.4
この ISO 11553 の第 1 部が対象とする危険源
この規格(ISO 11553 の第1部)は,放射による危険源及びレーザと材料及び物質との間の相互作用から生じる
危険源についてだけ取り扱う。他の潜在的な危険源については,附属書 A に記載する。
安全上の要求事項と手段
5
5.1
一般的要求事項
この規格が対象とする危険源の範囲は,適用範囲の箇条で説明されている。機械類は,この ISO 11553 の第1部
が対象としていない危険源については,適宜 ISO 12100-1 及び ISO 12100-2 に適合しなければならない。
製造業者は,次により,レーザ加工機の安全性を確保しなければならない。
― 危険源の特定(身元確認)及びリスク分析
26
― 安全確保手段の実施
― かかる安全確保手段の認証及び証明
― 使用者への適切な情報の提供
リスクアセスメント(5.2 参照)に基づき,設計及び製造において,レーザ加工機に適切な安全確保手段を組み
込まなければならない。
次の要求事項が満足されなければならない。
― 製造業者はいずれも,本箇条に規定される安全要求事項及び安全確保手段を遵守しなければならない。
― 設置した機械の製造業者は,各サブアセンブリを含む機械全体の適合性に対し責任を負わなければならない。
注記
これらの要求事項は,製造業者と顧客/使用者が同一の法的実体であるときでも適用される。
これらの安全確保手段については,
箇条 4 に列挙した個々の危険源並びに危険源のリスク分析の結果を考慮に入
れなければならない。また,附属書 A 及び附属書 B に記載された情報を考慮に入れることが望ましい。
5.2
リスクアセスメント
リスクアセスメントが実施されなければならないのは,次の場合である。
― 機械の(適切な)
“寿命”の全てのフェーズにおいて。事例については ISO 12100-1 参照。
― 機械の改造の実施後において,機械の改造の責任を有する組織又は個人によって。
リスクアセスメントには,次が含まれるが,これらだけとは限らない。
a)
4.2 及び 4.3 に掲げられた危険源
b)
危険区域,特に次に関連するもの
― レーザ・システム
― レーザビームの光路/ビームデリバリシステム
― プロセスゾーン
4.3 に掲げられた種々の“干渉”
c)
リスクアセスメント結果は,しかるべく文書化しなければならない。リスクアセスメントの原則については,ISO
12100 を参照。
5.3
5.3.1
修正手段の適用
一般事項
安全確保手段は,5.3.2 から 5.3.4 で規定されたごとく,設計及び製造において,機械の中に組み込まれなければ
ならない。
5.3.2
レーザ放射の危険源に対する保護
5.3.2.1 一般事項
5.3.2.1.1 接近に関する制限も管理もされていない区域で運転されるレーザ加工機については,クラス 1 の被ばく
許容限界(AEL)を超えるレベルのレーザ放射を人々が被ばくする可能性は,生産段階では除去されていなければ
ならない。保守の際は,直視することが許されない AEL を超える放射には接近することができないようにしなけ
ればならない。
これらの要求事項を満たすには,次の条件を満足しなければならない。
27
― IEC 60825-1,ISO 12100-1 及び ISO 12100-2 で規定されている工学的手段を用いることによって,人が許可な
く危険区域に接近することが無いようにしなければならない。
5.3.2.1.2 接近の制限又は管理がなされている区域で運転されるレーザ加工機については,3×104 秒の接眼露出限度
での最大許容露光量(MPE)を超えるレベルのレーザ放射を人々が被ばくする可能性は,
(正常モード時でもそう
でない時でも)生産段階において除去されていなければならない。
この要求事項を満たすには,次の条件を満足しなければならない。
― リスクアセスメントを実施しなければならない。IEC 60825-1,ISO 12100-1 及び ISO 12100-2 で規定される技
術的手段を用いることによって,人が許可なくして危険区域に接近することが無いようにしなければならな
い。
― 接近を遮ることが不可能な場合は,個人用防護具(PPE)を含め,技術的又は管理的制御手段により,目に対
する MPE を超える被ばくが生じないようにしなければならない。
5.3.2.1.3 接近に対する制限及び管理の有無によらず,全てのレーザ加工機について,次の項目が適用されなけれ
ばならない。
― 機械の作動中に危険区域への人の立ち入りが不可避である場合(例えばサービス中など)
,機械は,機械の動
作,ビームの方向,及びビーム終端器を直接制御できる手段を備えていなければならない(5.3.3.5 参照)
。
― ビーム遮断器,ガード,ビーム減衰器,接近の抑止・阻止装置などの保護装置の設計は,IEC 60825-1,ISO
12100-1 及び ISO 12100-2 で規定される要求事項を満足しなければならない。二つ以上の危険源に対する保護
を同時に行うために,単一の保護装置を用いてもよい。
― レーザガードは,IEC 60825-4 に規定された要求事項を満足しなければならない。
5.3.2.2 生産時における保護
通常,主要な危険区域はプロセスゾーンである。しかし,危険区域は,リスクアセスメントの結果に基づいて定
義しなければならない。
危険源の分析は,どのようなタイプのガードを用いるか(危険源の局所的保護か,周辺保護か)を示さなければ
ならない。
危険源の局所的保護とは,ワークピース,ワークピース支持台及び/又は機械駆動系を完全に囲うことなしに,
レーザ放射及び派生する光学的放射を,
(例えば,ノズル又はワークピースにおけるレーザビームの焦点近傍に備
えた小さなガードを用いるなどして)
リスクアセスメントに基づいた安全なレベルにまで低減させるガード方式で
ある。
周辺保護とは,ワークピース,ワークピース支持台,及び,通常,機械の駆動系の大部分を囲むように,
(レー
ザビームの照射部から)離れて設けられた単一又は複数のガード(例えば保護囲い)により,レーザ放射及び派生
する光学的放射を,リスクアセスメントに基づいた安全なレベルにまで低減させるガード方式である。保護手段が
どのような種類のものになるかは,次のような要因に依存する。
― ワークピースに対するレーザビームの伝播方向(固定か,可変か)
― 実行される機械加工の種類(切断,溶接など)
― 加工されるワークピースの材質及び形状
― ワークピース支持台
― プロセスゾーンの可視性
28
5.3.2.3 サービス中の保護
サービスの手順の中では,クラス 1 の AEL を超えるレーザ放射に作業員が接近することは,不可避な場合があ
る。したがって機械は,次の四つの状況(最優先順に列挙する)への対応を念頭に設計され,適切な安全確保手段
が備えられていなければならない。
a)
危険区域外でサービスが行なわれる。
b)
生産時と同様に接近が管理されている危険区域内でサービスが行われる。
c)
(例えば,生産中は通常閉鎖されているガードが開放された状態で)危険区域内でサービスが行なわれるが,
接近する恐れのあるレーザ放射はクラス 1 の AEL を超えない。
ガード(生産中は,閉鎖されているのが正常)を開ける必要が生じたときなどにおいて,危険区域内でサー
d)
ビスが行なわれ,かつ接近する恐れのあるレーザ放射がクラス 1 の AEL を超えている。
製造業者は,上記の各状況について,接近可能なレーザ放射のクラス及び推奨される安全手順を示さなければな
らない。
5.3.2.4 ティーチング,プログラミング及びプログラム検証時の保護
(ロボットなどへの)ティーチング,パスのプログラミング及びプログラム検証を行う際に,人がクラス 1 の
AEL を超えるレーザ放射に接近することを防止しなければならない。この条件を遵守できない場合は,サービス
時と同じ要求事項を適用しなければならない。5.3.3.5 参照。
5.3.3
制御手段及び回路
制御手段及び回路は,IEC 60204-1 に適合しなければならない。また,制御システムの設計は,ISO 13849-1 に
適合しなければならない。
注記
これは,典型的には安全カテゴリ 3 に相当する。
5.3.3.1 起動/停止制御器
機械の停止制御器は,機械を停止し(すなわちアクチュエータを切断し)
,レーザビームを隔離するか又はレー
ザビームが発生しないようにできなければならない。レーザの停止制御器は,レーザビームが発生しないようにで
きなければならない。
レーザシステムの制御装置及び機械のその他の制御装置は,それぞれ別であってもよい。
5.3.3.2 非常停止制御器
非常停止制御器は,IEC 60204-1 に適合しなければならない。
非常停止制御器は,次の各動作が機能しなければならない。
― レーザビームが発生しないようにレーザを非活性化し,かつレーザビーム終端器を所定の位置に自動的に配
置する。
― 機械を非活性化する(すなわちアクチュエータの電源が切断される)
。
― レーザの電源が切断され,かつ蓄積エネルギーは全て放電される。
1台のレーザ装置が,互いに独立して動作する数台の機械で用いられる場合,それらの機械のうちの 1 台の非常
停止制御器は,上述のように作動するか,又は,次の各動作が作動しなければならない。
29
― 当該の機械を非活性化させる(すなわちアクチュエータの電源を切断)
。
― 当該の機械に通じているレーザビームの光路を隔離する。
予期しない起動は,ISO 14118 に適合させることにより防止しなければならない。また,非常停止制御器には,
ISO 13849-1 が適用されなければならない。
5.3.3.3 インターロック及びガード制御
ガード(ISO 12100-1 及び ISO 12100-2 に基づく)を開けた場合,移動した場合,又はセーフティインターロッ
クを解除した場合,機械の自動運転を不可能にしなければならない。
機械の設計で,単一又は複数のガードを開放した状態(通常生産時は閉鎖されている)で,かつ機械のアクチュ
エータに電力を供給する状態で幾つかの手順を実行されることが時折必要な場合がある。この際は,ガードの無効
化を可能にする操作モードが組み込まれていなければならない。
この運転モードの選択は,次のいずれも満足しなければならない。
― ロック可能なモードセレクターを介して行う。
― 自動的にレーザビームを隔離又はレーザを非活性化する。
― 機械の自動運転を阻止する(ISO 14118 参照)
。
モードセレクターの代わりに,キー操作によるスイッチを用いてもよい。
セーフティインターロックを備えた取外し可能なアクセスパネル上における離散的かつ意図的インターロック
解除機構(解除可能なセーフティインターロック)は,解除機構に関する IEC 60825-1 の要求事項を満たさなけれ
ばならない。
選択された運転モードは,明瞭に表示されていなければならない。この運転モードが選択されたら,サービス手
順のためにレーザビームの隔離を解除することを可能(すなわちビーム終端器を“開く”
)としなければならない。
インターロックシステムは,ISO 14119 に適合しなければならない。
5.3.3.4 レーザビームの隔離の条件
レーザビームの隔離は,
レーザビームがビームデリバリシステムに入るのを防ぐためにレーザビームを遮光及び
/又は偏向させることによって行わなければならない。
レーザビームの隔離は,
レーザの内部又はごく近接した外部に設置されたフェールセーフなレーザビーム終端器
(遮光器)によって実現されなければならない。ビーム終端器がいつ“閉”の位置にあるか(ビームの前進が遮ら
れているか)を,位置表示器により表示しなければならない。
レーザビーム終端器を“閉”の位置にロックするために合目的的に設計された,接近しやすい手段が用意されな
ければならない。この目的のために,鍵による制御を用いてもよい。
機械の製造業者は,例えば次のような状況下において,追加的なビーム終端器を提供してもよい。
a)
ビーム光路(ビームデリバリシステム)に沿って保守又は清掃用の領域が存在する場合
b)
一つのレーザ装置が二つ以上の光路へビームを供給する場合であって,一方のビーム光路においては人手に
よる介入が必要であり,かつ他方の光路にビームが通っている場合。
5.3.3.5 人が危険区域内にいる時の保護手段
ISO 12100-2:2003 の 5.2.4 に記述されているように,危険区域内への人の立ち入りが必要となる状況(生産時
30
を除く)に備えて,機械は,危険区域内にいる人が操作できる,機械の動作及びレーザビームの放出を制御する装
置を具備していなければならない。かかる装置については次の各要求事項を適用しなければならない。
当該装置には,手が離れると,裸眼による直視を許容しない AEL を超える放射への接近を阻止するホールド・
a)
ツウ・ラン制御装置又は IEC 60204-1 が規定する他の制御手段が備わっていなければならない
当該装置による制御の下に置かれた場合,全ての機械の動作及びレーザビームの放出は,当該装置によって
b)
のみ制御されるようになっていなければならない
ドアを通じて危険区域内に立ち入ることができる場合,当該装置を使ったレーザビームの放出は,かかるド
c)
アを閉めてからしか始動できないようになっていなければならない。
この箇条は,ISO 12100-2:2003 の 5.2.4 の各要求事項を満たしている。
5.3.4
材料及び物質によって生じる危険源からの保護
製造業者は,
機械加工対象として意図している材料について,
顧客又は使用者に情報を提供しなければならない。
これは,意図しないのにレーザ放射により劣化する材料や物質についても適用される。製造業者は,かかる材料か
ら放出される煙霧や空気中浮遊微粒子を捕捉するための適切な手段を供給しなければならない。製造業者は,これ
ら材料の加工により生じる煙霧や粒子状物質の限度となる敷居値に関する情報を提供しなければならない。
注記
全国又は地方,地域レベルで定められた限度としての“敷居値”に基づいた煙霧又は粒子状物質の安
全な除去及び処置は,顧客又は使用者の責任である。
レーザとワークピースとの相互作用を支援するために用いられる各種の関連気体(酸素など)及び発生する如何
なる煙霧から生じる危険源に対しても,十分に注意を払わねばならない。関連する危険源には,爆発,火災,毒性,
酸素過多及び酸素欠乏が含まれる。
追加的情報は,附属書 A に掲げられている。
6
安全要求事項と手段の確認
この規格(ISO 11553 第 1 部)の要求事項,特にガード及び制御装置の存在及び配置に関わる要求事項に関わる
一般的適合性は,肉眼検査により確認しなければならない。
制御装置が適正に機能することは,製造業者が指定した機能検査により確認しなければならない。
レーザ放射レベルに関する確認手順については,IEC 60825-1 に準拠しなければならない。
7
使用者に対する情報
IEC 60204-1,IEC 60825-1,ISO 11252 及び ISO 12100-2 の各要求事項に加えて,次の各要求事項も満たさなけ
ればならない。
a)
製造業者は,顧客又は使用者に対して,正しい保守及びサービスの手順を含む,関連する安全関連の文書及
びデータを供給しなければならない。
b)
製造業者は使用者に対して,機械から放出される煙霧や粒子状物質の除去及び処置に関わる使用者の責任に
つき情報を通知しなければならない。
c)
製造業者は,加工対象として意図している材料とかかる材料の加工により生成される煙霧及び粒子状物質の
限度となる敷居値に関する情報を提供しなければならない。製造業者はさらに,煙霧及び粒子状物質を取り
除く機器に関する一般的情報を提供しなければならない。
d)
製造業者は使用者に対して,実施可能で適切な安全関連の訓練を用意しなければならない。
31
e)
製造業者は,使用者への指示書又は操作マニュアル(取扱い説明書)の中の目に付きやすい場所に警告文言
を掲載する形で,使用者に対して既知の潜在的危険源につき通知しなければならない。
使用者への指示書又は操作マニュアルへの掲載を検討しなければならないのは次の項目である。
― IEC-60825-1 は,一次レーザ放射に対する保護方策について規定している。クラス 3B 及びクラス 4 のレーザ
製品による被ばくが想定される場合,最低限の必要条件は,該当するレーザ出力及び波長に対する定格を有
した保護めがねを着用することである。
― 作業の中には(例えば溶接の場合)
,強力な紫外及び可視の放射が生じるかもしれないものがある。この種の
放射への被ばくが想定される場合,最低限の必要条件は,適切な保護めがね(例えば溶接マスク)を着用す
ることである。
― 材料加工応用の多くは,煙霧や微粒子を放出する。金属加工の場合,重金属の蒸気が放出されることもある。
これらの放出物は,身体の皮膚及び臓器に危害を及ぼすことがある。プラスチック加工の場合,有害な(例
えばアレルギー誘発性,毒性,がん誘発性を持つ)副産物が生じることもある。ガード,空気濾過機能を備
えた呼吸マスクなどの適切な保護方策が必要になることもある。
加工を始める前の最低限の要求事項は,次による。
a)
加工する材料について熟知し,どんな副産物が生じるのかを知っておき,健康にとってどんなリスクがある
のか評価して,どのような予防措置が必要かにつき結論を出しておく。
b)
リスクを防止又は管理する適切な方策を講じる。このような方策は,通常,人から離れた遠方の大気中に排
気ガスが放出される前に,プロセスゾーンからの煙霧の積極的な排出と適切な純化を必要とする。
c)
オペレータに対して,リスク及び実践する予防措置について,情報提供し,教育し,訓練する。
d)
必要に応じて,オペレータの被ばく状況を監視し,所轄当局による法規に従って,オペレータの健康状態に
ついて適切な形の監督態勢を敷く。
e)
排気ガスを大気中に放出する前に,国・州(県)
・地方自治体の法規で遵守しなければならないものにはどの
ようなものがあるか,該当する所轄当局の指導を仰ぐ。
レーザ及び関連機器の電源には,危険な電圧と電流が使われる。電源装置には,機器システムのスイッチを切断
した後もしばらく充電状態を持続するコンデンサーバンクが含まれている可能性がある。
修理に関する最低限度の要求事項は,電気安全実践用の規則に従うことである。
8
ラベル
地域及び地方でラベル表示に関する法規がある場合は,これを遵守しなければならない。
機械には,ラベルにより次の項目の全てを表示しなければならない。
― レーザ加工機の製造業者の社名及び所在地
― 製造年月日
― 機械のシリーズ番号又は型名(当てはまる場合)及び通し番号(該当情報がある場合)
。
ラベルは,次の各要求事項を満足しなければならない。
― レーザ放射の警告ラベルの色,大きさ,印刷様式などについては,IEC 60825-1 の規定に準拠する。
32
― IEC 60825-1 の規定により必要となるラベルの貼付に加えて,レーザ加工機は,据付後,他にも適切な注意及
び警告用のラベル(例えば,
“この機械は,有毒性の煙霧及び微粒子を発生させることがあります”
)を貼付
しなければならない。ラベルの大きさや貼付場所は,読む人が箇条 4 でリストアップした各種の危険源にさ
らされることなしに,危険区域の外側からでも判読できることを考慮に入れて決めなければならない。
ラベルの色,大きさ,印刷様式は,ISO 3864 の要求事項に適合しなければならない。
33
附属書 A
(参考)
潜在的危険源
A.1
A.1.1
加工副産物の例
一般事項
レーザを用いた材料加工の副産物の中でも,より普通に見られる幾つかを次に例示する。
これらの事例は,あくまでも参考情報として呈示されるものであって,完璧に網羅したものではない。
A.1.2
セラミックの加工
アルミニウム酸化物(アルミナ)
,マグネシウム酸化物,カルシウム酸化物及びシリコン酸化物。
酸化ベリリウム(高度の毒性を持つ)
。
A.1.3
シリコンの加工
空気中浮遊 Si 及び SiO の飛散物(吸入の危険;圭肺症の原因となる恐れがある)
。
A.1.4
金属の加工
医学的観点からすると,少なくとも次の各金属及びそれらその化合物が該当する。
Mn,Cr,Ni,Co,Al,Zn,Cu,Be,Pb,Sb。
医学的影響には次のようなものがある。
― 有毒: Cr6+,Mn,Co
― アレルギー症,金属蒸気熱: Zn,Cu
― 肺繊維症: Be
― 発がん性: Cr6+,NiO
ベリリウムは非常に危険である。重金属の蒸気は,特にチタン,マグネシウム,アルミニウムに類似した合金又
は Zn を被覆した金属を切断する際に発生する。
A.1.5
プラスチックの切断
潜在的な危険源となる数多くの物質が放出される可能性がある。低温では脂肪族炭化水素が生成される一方,高
温では芳香族炭化水素(ベンゼン,PAH など)やポリハロゲン化多核炭化水素 (ダイオキシン,フランなど)が
増加する。特定の材料には,シアン化物,イソシアン酸塩(ポリウレタン)
,アクリル酸塩(PMMA)や塩化水素
(PVC)の放出につながる可能性がある。
医学的影響の中には,次のようなものが含まれる。
― 毒性: シアン化物,CO,ベンゼン誘導体
― アレルゲン/刺激剤: イソシアン酸塩,アクリル酸塩
― 呼吸器官への刺激: ホルムアルデヒド,アクロレイン,アミン
― 発がん性: ベンゼン,幾種類かの PAH
A.1.6
金属の溶接
金属の溶接は,切断に比べて煙霧の放出が一般的に低い。重金属の蒸気が想定される。
A.1.7
熱処理
34
一般的に,有意な副産物は見られないが,ある程度は重金属の蒸気が生じる。
A.1.8
ハンダ付け及びロウ付け
重金属の蒸気,フラックス蒸気(flux vapors)
,及び副産物の放出が想定される。
A.1.9
紙や木の切断
標準的なセルロース副産物,エステル,酸,アルコール,ベンゼン
A.1.10 意図に反して劣化する材料
レーザ放射の結果,意図に反して劣化した材料や物質(光学系等)から生じる有害副産物。
Zn 及び Se の酸化物。
A.2
二次的放射による危険源の事例
二次的放射による危険源には,溶接ゾーンにより生じる光学的放射が含まれ,次のような結果をもたらす。
― ポリマーの分解,並びに有毒煙霧及びガス,特にオゾン,の放出
― 可燃性の材料及び物質により生じる火災又は爆発の危険源
― プラズマにより生じる X 線
― 紫外及び高輝度可視光の放出により生じる人に対する危険源。
A.3
機械的危険源の事例
機械の動く部分は危険源となる懸念がある。
ロボットは,
保護囲いに穴を開けたり,
レーザ又はビームデリバリシステムに損害をもたらしたり,
オペレータ,
保護囲いの壁面,覗き窓などにレーザビームを向けたりすることがあり得る。
A.4
A.4.1
電気的危険源の事例
一次的危険源
高圧,蓄積エネルギー,大電流の可能性。
A.4.2
二次的危険源
非常な高電圧の下における,保護遮蔽のない部品からの X 線の発生。
A.5
設計上の欠陥
インターロック用スイッチ,スイッチアセンブリ,インターロック回路,ガス配管及びガス栓についての貧弱な
設計又は配置。
ケーブル及びガス配管の,レーザ放射に対する不適切な保護。
35
附属書 B
(参考)
その他の危険源からの保護
B.1
一般事項
この附属書では,レーザ関連以外の危険源について,考慮に入れておくのがよい危険源の事例を取り上げる。た
だし,このリストは,全てを網羅してはいない。
ISO 12100-1 及び ISO 12100-2 の要求事項は,次に列挙される危険源の全てに適用される。
B.2
機械的危険源
“機械類の安全性”に関する ISO/TC 199 が作成した規格を参照。
B.3
電気的危険源
IEC 60204-1 の要求事項が適用される。
B.4
熱的危険源
EN 563 を参照。
B.5
騒音
箇条 1(適用範囲)で説明したように,続いて制定する部で取り扱う。
B.6
振動
ISO 2631 を参照。
B.7
ハードウェアとソフトウェアとの両立性及び完全性
特殊な要求事項が適用される可能性がある。
B.8
二次的放射からの保護
EN 165~EN 171 の全ての規格並びに EN 207 及び EN 208 を参照。
36
参考文献
[1]
ISO 2831-1:1997,Mechanical vibration and shock–Evaluation of human exposure to whole-body vibration–Part 1:
General requirements
[2]
ISO 11145:2001,Optics and optical instruments–Lasers and laser-related equipment–Vocabulary and symbols
[3]
ISO 13850:1996,Safety of machinery–Emergency stop–Principles for design
[4]
IEC 60601-2-22:1992,Medical electrical equipment–Part 2: Particular requirements for the safety of diagnostic and
therapeutic laser equipment
[5]
IEV:1992,International Electrotechnical Vocabulary
[6]
EN 165:1995,Personal eye-protection–Vocabulary
[7]
EN 166:2001,Personal eye-protection–Specifications
[8]
EN 167:2001,Personal eye-protection–Optical test methods
[9]
EN 168:2001,Personal eye-protection–Non-optical test methods
[10] EN 169:2002,Personal eye-protection–Filters for welding and related techniques–Transmittance requirements and
recommended use
[11] EN 170:2002,Personal eye-protection–Ultraviolet filters–Transmittance requirements and recommended use
[12] EN 171:2002,Personal eye-protection–Infrared filters–Transmittance requirements recommended use
[13] EN 207:1998,Personal eye protection–Filters and eye-protectors against laser radiation (Iaser eye-protectors)
[14] EN 208:1998,Personal eye-protection–Eye-protectors for adjustment work on lasers and laser systems (Iaser
adjustment eye-protectors)
[15] EN 563:1994,Safety of machinery–Temperatures of touchable surfaces–Ergonomics data to establish temperature
limit values for hot surfaces
[16] EN 1050:1996,Safety of machinery–Principles for risk assessment
[17] EN 1070:1998,Safety of machinery–Terminology
37
3.2.2 IEC 60825-1 Ed.2 ISH-01
IEC 60825-1(第 2 版:2007)I-SH 01
レーザ製品の安全性-
第 1 部:機器のクラス分け及び要求事項
解釈票1
9.2 及び 9.3
この解釈票は,9.2 及び 9.3 を明確にしたものである。
序文
波長 400 nm~1 400 nm の放射については,多くの場合,
“条件 3”
(裸眼による観察)が最も厳しい基準である
と認識することにより,
“条件 2”
(ルーペによる観察)による測定を実施する必要性が大いに削減できる。
解釈
次の表は,IEC 60825-1 の 9.2 及び 9.3 の解釈の概要を記述したものである。
場合
判定
視角>1.5 mrad(基準点から 100 mm において)
条件 2 は考慮する必要なし
視角≦1.5 mrad(基準点から 100 mm において)
,又は,
簡略化した条件 2,すなわち,C6=1 を用いる
視角が未確定
中間的な光源に対する選択肢
簡略化した条件 2 を適用するのは厳し過ぎる場合,図 5
視角≦1.5 mrad(基準点から 100 mm において)
,かつ,
(図 5 を用いて決定した C6)を用いることができる
視角>1.5 mrad(図 5 を用いて)
理論的根拠
独立した研究(参考文献[1]を参照)によると,分散光源から得られる波長 400 nm~1 400 nm の放射については,
分散光源に対する条件 2 より条件 3 の方がより厳しいことが分かった(図 5)
。その主な理由は,条件 2 による光
源の拡大率である。さらに,条件 2 のレンズの開口絞りは,環境照明が高レベルの場合を模擬するので 3.5 mm に
絞られているが,条件 3 では偶発的露光を含めて一般的目視条件を模擬するため,7 mm の開口絞りを用いている
からである。
上記の表における1行目:
基準点から 100 mm における裸眼観察条件で,アパーレント光源が分散している(α>1.5 mrad)ことが確認でき
れば,条件 2 は考慮の必要はない。
上記の表における 2 行目:
38
裸眼観察条件で,光源が大きくない(つまり,基準点から 100 mm において,アパーレント光源が 1.5 mrad より
小さい)場合,又はアパーレント光源の視角が未確定(規定の簡略化した評価法)な場合は,条件 2 は条件 3 より
もより厳しいと考えられるため,条件 2 は考慮の必要がある。
上記の表における 3 行目:
選択肢として拡散光源用の条件 2(図 5)の適用を考慮する場合は,次の二つに区別できる。
a)
アパーレント光源の視角が,基準点から 100 mm において 1.5 mrad 未満であり,しかし,拡散光源用の条件 2
(図 5)を用いると(ルーペによる拡大の効果で)広がる(α>1.5 mrad)場合は,拡散光源用の条件 2 は,簡
略化した条件 2 より厳しくなくなって,評価に用いることができる。
(図 5 に準じて)条件 2 を拡散光源用に
用いるのであれば,この測定条件で,対応する視角も決定する必要がある。なお,この場合では,拡散光源
用の条件 2(図 5)よりも条件 3(C6=1)の方がより厳しい条件となるときがあり,そのことを考慮しなけ
ればならないことを注意しておいたほうがよい。
b)
アパーレント光源の視角が基準点から 100 mm において 1.5 mrad 未満であり,かつ拡散光源用の条件 2(図 5)
を用いても 1.5 mrad 未満である場合は,簡略化した条件 2(表 11)を適用してよい。
注記
この規格の 9.3.2 に記述されている規定(簡略化した)評価法のために,アパーレント光源の視角を決
定する必要はない。アパーレント光源は,最も厳しいケースだと思われるので,分析を単純化するた
めに,光源の大きさが小さいと考えることも可能だからである。その場合,表 11 に規定する簡略化し
た測定条件(上記の表における 2 行目)が適用される。
参考文献
[1]
Influence of magnifiers on ocular exposure levels, G Vees, R Gilber and K Schulmeister, ILSC Paper 503, ILSC 2009
Proceedings (Laser Institute of America)
39
3.2.3 IEC 60825-1 Ed.2 ISH-02
IEC 60825-1(第 2 版:2007)I-SH 02
レーザ製品の安全性-
第 1 部:機器のクラス分け及び要求事項
解釈票 2
8.3 f) 3)
この解釈票は,8.3 f) 3)を明確にしたものである。
序文
持続時間が 1 ns 以下のパルスについては,8.3 f) 3) 3.1)で挙げた基準(いわゆる“N-0.25 基準”
)を適用すると,
8.3 f) 3) 3.2)で挙げた TOTP 基準に比べ,過度に制約的な結果となる。
注記
この解釈票は,MPE 分析(A.3 c)
)にも適用される。
解釈
400 nm~1 400 nm の波長帯では,8.3 f) 3) 3.2)で挙げた TOTP 基準は,同等のエネルギーと持続時間のパルスを
持つパルス列に適用できる。
注記 1
“N-0.25 基準”を適用する場合,TOTP 基準と同等の評価に結果するよう,次の要領で適用するのが
よい。
Ti 以下の持続時間を持つパルスは,パルス持続時間 Ti が割り当てられる。Ti の持続時間内に 2 個
又はそれ以上のパルスが発生した場合には,それらのパルス群には Ti の持続時間が割り当てられる。
)には,補正係数 C5 が使われる。Ti 内に単一のパルス
Ti に適用される AEL(すなわち,C5・AEL(Ti)
)と比較される。
が発生した場合は,そのパルスのエネルギーは補正 AEL,すなわち,C5・AEL(Ti)
Ti 内にパルスが1回以上発生した場合,それらのパルスのエネルギーの積算は,補正 AEL と比較さ
れる。
注記 2
8.3 f) 3) 3.2)の題名は“パルス幅又はパルス持続時間が変化する場合”となっているが,元来意図さ
れた表現は“パルス幅又はパルス間隔が変化する場合”であり,正誤表1で訂正されているとおり
である。
理論的根拠
不変のパルス持続時間とエネルギーを確保するため,二つの基準(N-0.25 基準と TOTP 基準)が全てのパルス持
続時間につき一般原則として同価であるのが望ましいが,
それは双方とも複数のパルス露出に対する同一熱加法性
を反映するものであり,不変パルス列は非不変パルス列の特殊なケースである。
Ti を超えるパルス持続時間の場合,IEC 60825-1: 2007 の規定にもあるように,TOTP も N-0.25 も数学的に同一の
評価を産する。個々のパルスの持続時間が1ns より短いパルス列の場合は,IEC 60825-1 の下で単一パルス(持続
時間が1ns 以下のときは 18 μs 又は 50 μs の Ti の AEL より短い)
に対しては N-0.25 基準が AEL に適用されるため,
40
N-0.25 基準と TOTP 基準は異なる結果をもたらす。これらのルールは両方とも,パルスの熱加法性を反映するもの
として作り出されたものであり,したがって TOTP の方がより一般的に用いられる基準である。現行の N-0.25 基準
を TOTP 基準と同等にする基準は,前出の注記1で概説したとおりである。
この解釈票は,改正版 IEC 60825-1 が発行される日まで有効である。
41
第 4 章 標準化国際シンポジウム
4.1 シンポジウムの目的
第 1 章でも述べられたように、レーザ安全性の問題に対する多面的な対応が求められている社会状況のな
かで、包括的なレーザの安全指針が法規化されていない我が国では、専門家による安全性の認識・広報活動
が、産業界のみならず高度に情報化された社会生活の安全・安心のために求められている。
このレーザ安全性の啓蒙を図るために、最も有効かつ適切なシンポジウムはどのような形なのかをレーザ
機器の安全・安心に関する調査研究委員会で議論した。その結果、
(1)米国及び欧州のレーザ安全の専門家
を招聘し、日本のレーザ安全の現状との差異を明確にする。また、
(2)レーザ安全に関する産業界のトピッ
クスを紹介する。ことが今年度のシンポジウムとして適切であるとの結論を得た。そのため、米国の専門家
として IEC/TC 76 議長、欧州の専門家として IEC/TC 76/WG 8 コンビーナ、対する日本の現状を紹介する
専門家として IEC/TC 76 国内委員会委員長を講演者として選定し、また、産業界応用を代表してレーザプロ
ジェクタを取り上げることとした。
4.2 シンポジウムの実施内容
上記の方針に従い、2012 年度光産業技術標準化国際シンポジウムとして「レーザ機器の安全・安心」をテ
ーマとし、2013 年 2 月 1 日に、六本木アカデミーヒルズにおいて、以下のプログラムで開催した。
12:45~12:50:
光協会挨拶 専務理事 小谷泰久
12:50~13:30:
近畿大学 橋新裕一教授「日本のレーザ機器の安全・安心-現状と課題-」
13:30~14:30:
IEC/TC 76(レーザ安全)議長(米国) J. Dennis 氏「レーザ機器の米国への輸出時の
留意点」
14:50~15:50:
英国 HPA レーザ安全グループリーダー J. O'Hagan 博士「レーザ安全に関する欧州の法
律と規格」
15:50~16:30:
ソニー(株)製品安全チーフコーディネーター 三橋正示氏「照射型プロジェクタ光源の
レーザ化と安全規格」
定員 84 名の会場で 56 社 82 人の申し込みを受け付け、実際の参加者は 51 社 72 人であった。
(講演者・
主催者側(光協会)除く。
)参加者の声を聴くためアンケートをとった。その結果を補助資料として巻末に添
付する。
4.3 講演予稿
以下に四つの講演の予稿を掲載する。
42
4.3.1 日本のレーザ機器の安全・安心安現状と課題安
平成24年度(2012年度)光産業技術標準化国際シンポジウム
日本のレーザ機器の安全・安心
-現状と課題-
橋新 裕一
一般財団法人 光産業技術振興協会
TC76レーザ安全性標準化委員会 委員長
近畿大学 大学院 総合理工学研究科 東大阪モノづくり専攻
近畿大学 理工学部 電気電子工学科
平成25年2月1日(金)12:50~13:30
六本木アカデミーヒルズ スカイスタジオ
講演内容
1.安全・安心の基礎
2.事故と保険
3.事故例と安全対策
4.日本と世界の標準化
5.レーザ安全基準と規制の現状
6.レーザ安全標準化作業の課題
43
講演内容
1.安全・安心の基礎
2.事故と保険
3.事故例と安全対策
4.日本と世界の標準化
5.レーザ安全基準と規制の現状
6.レーザ安全標準化作業の課題
レギュラトリーサイエンスとは
Regulatory Science
厚生白書(平成2年版)によれば
科学と人間との調和を図る科学
人間の立場に立った科学技術のコンダクターとしての役割を持つ科学
「有効性と安全性の評価科学」
2010年(平成22年)8月 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会 設立
44
安全・安心に関する一般概念
安全
危険でないこと
身体や生命に危害または損失の生じ
る恐れがないこと
安心
危険なことや恐れるようなことがない
と確信できた場合
安全の基本と云えば
事故は時・場所・場合などに関わらず、
起きるものとの認識が重要である。
継続的・定期的な安全教育と
事故を想定した安全対策の構築
ということが良く知られている
45
安全対策
基本的な事項
自分の身は自分で護る
弱者は傍に居る健常者が護る
弱者とは
身体障害者、けが人、病人、老人など
あなたも弱者になる可能性がある
ヒヤリハット活動
危険感受性
危険なモノを危険と感じる感受性を鋭くする
危険を 見る目を育てる
危険源
危険なモノ・・・ナイフ
不安全な状態 危険な作業(仕事)・・・ビルの窓拭き
不安全な行動 危険な場所・・・断崖の縁
危険な時・場合・・・焚き火の時
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三現主義
現地
現物
現実
頭で考える前に
現地に赴き
現物を確認し
現状を認識 (事実を把握)
KYK・・・危険予知活動
KYT・・・危険予知 トレーニング
指差し呼称
4S活動
整理 必要なモノと不要なモノの分類、不要なモノの廃棄
整頓 いつでも取り出せるように収納する ラベル
清掃 クズやホコリのない状態を保つ
清潔 汚染防止 服装などの汚れ除去
47
!
!
警告
取り扱いを誤った場合、使用者が
死亡または重傷を負うことが想定される
注意
取り扱いを誤った場合、使用者が
傷害を負うことが想定されるか、
物的損害の発生が想定される
禁止
禁止の行為であることを示す。
具体的な禁止内容を表示
重傷・・・後遺症が残る、入院・長期通院を要する怪我や火傷、失明など
傷害・・・治療に入院・長期通院を要さない怪我や火傷
物的損害・・・家屋・家財および家畜・ペットなどにかかわる損害
事故が起きてしまったら
近畿大学理工学部
人命優先・初期の対応が大切
・自分が落ち着くこと
・二次的な事故防止
・誠意を持って、毅然とした態度で対応
・的確・速やかな報告
・事故の発生や傷害の発生を隠さない
・口頭での対処
・相談窓口を拡げない
・第3者は口を挟まない
・被害者・加害者ともに大学の大切な財産
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応急処置法
① 薬品による障害
② 外傷
③ やけど
レーザ
④ 凍傷
⑤ 電撃傷
⑥ 放射線被爆
⑦ CPR (心肺蘇生法、AED)
レーザによる眼の傷害に対しては、応急処置法がない
安全文化の育成
● 事故を率直に報告できる雰囲気づくり
● 情報共有化の構築
● 定期的・継続的な安全活動の推進
自分の身は自分で護る
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講演内容
1.安全・安心の基礎
2.事故と保険
3.事故例と安全対策
4.日本と世界の標準化
5.レーザ安全基準と規制の現状
6.レーザ安全標準化作業の課題
事故に関連する保険について
社員(学生)が事故に遭い、
上司(教員)にその責任が問われ、
賠償金を支払わなければならなくなった場合
会社(大学)側がその賠償金を
上司(教員)に代わって支払ってくれるでしょうか?
答えは NO である
賠償責任保険で、
上司(教員)の賠償金を賄ってくれるでしょうか?
答えは NO である
50
賠償責任を賄う保険は存在しない?
職場で事故が発生すると
職位が上位の者に必ず賠償責任が問われる。
賠償責任割合は通常10%以上である。
1事故最低約200万円
講演内容
1.安全・安心の基礎
2.事故と保険
3.事故例と安全対策
4.日本と世界の標準化
5.レーザ安全基準と規制の現状
6.レーザ安全標準化作業の課題
51
眼球の構造
色素上皮
摂受体細胞
眼透光体
眼底治療
他の神経細胞
網膜剥離
毛細血管の異常増殖
虹彩
緑内障
白内障
網膜
水様液でみたさ
中心窩
れている
屈折矯正
近視矯正
加齢黄斑変性
光
レンズ
ガラ ス 様液でみたさ
れている
角膜
毛様体筋
視神経
網膜
色素上皮
血管
黄斑部
レーザ安全ガイドブックより引用
Nd:YAGレーザによる網膜傷害
実例
被爆2時間後
大出血
被爆6ヵ月後
瘢痕
機能永久欠落
52
レーザによる皮膚傷害(1)
実験
レーザ安全ガイドブックより引用
CO2レーザ
CW 20W
ウサギの耳
炭化焼却
光生物学的破壊反応
色素レーザ(585nm)
10kJ/m-2, 450μs
ウサギの耳
血管収縮
血管のみに反応
血液凝固
レーザ安全ガイドブックより引用
レーザによる皮膚傷害(2)
実験
CO2レーザ
蛋白変性
CW 20W
豚の肝臓(レバー)
Qスイッチルビーレーザ
発赤
30kJ/m-2, 20ns
ヒトの腕
53
産業用レーザによる事故例(Nd:YAGレーザ①)
発生年
職業
年齢
使用レーザー
事故の状況
視力経過
1975
研究員
35
Nd:YAG
直接
左0.06
1979
大学院生
25
Nd:YAG
反射
左0.3から1.2
1980
研究員
30
Nd:YAG
1982
大学院生
23
Nd:YAG SHG
直接
左0.4から0.2
1982
研究員
31
Nd:YAG
ミラー誤認直接
右0.02から0.2
1983
大学院生
26
Nd:YAG 8sec 100MV 30nm
反射
左0.1から0.6
1984
大学生
22
Nd:YAG
実験見学中反射
左0.1から0.6
1984
研究員
23
Nd:YAG
反射
右1.2
1987
研究員
43
Nd:YAG 100mJ 6nsec 20Hz
直接
左0.04から1.2
1989
研究員
32
Nd:YAG 8mJ 6nsec
反射
右1.2
1990
大学院生
24
Nd:YAG
左0.8
左1.2
資料提供:小澤哲磨(横浜逓信病院)
植田俊彦(昭和大学)
産業用レーザによる事故例(Nd:YAGレーザ②)
発生年
職業
年齢
使用レーザー
事故の状況
視力経過
1991
研究員
30
Nd:YAG?
照射の自覚なし
右0.5から1.2
左0.6から1.0
1992
大学院生
29
Nd:YAG SHG 150mJ
白紙で反射
左0.7から1.0
1993
大学院生
24
Nd:YAG 10mJ
鏡で反射,2回目
左1.0
1993
研究員
28
Nd:YAG 1mJ
スライドガラス反射
左0.2
1994
学生
23
Nd:YAG
1995
大学講師
34
Nd:YAG 数百mJ
1996
研究員
30
Nd:YAG 数百mJ
左0.4
SHGプリズム面反射
左0.9
右0.1
大学院生
22-29 Nd:YAG
5名
SFG実験入射窓から反射
右0.7から1.0
左0.06から0.01
1997 ?
大学院生
21
Nd:YAG
物性実験ミラー調整中
右0.06
1998
大学院生
23
Nd:YAG
実習
左0.3から1.5
2000
24
Nd:YAG 30mJ 10pulse/sec
レーザー調整中
右1.2から0.8
2002
34
Nd:YAG 50mJ 0.3mmΦ
光軸調整中
右0.5 左1.5
21
Nd:YAG
実験見学中反射
左1.5から0.7
1997
2004
大学生
54
産業用レーザによる事故例(その他のレーザ)
発生年
職業
年齢
1973
研究員
35
Ar
1982
技術員
24
Ar
眼科用・点検中
左0.2
1988
技術員
26
Ar 4W
ライトショー調整中
左0.9
1988
技術員
43
Ar 4W
ライトショー調整中
右0.9から1.2
1991
技術員
35
Ar 60mW
眼科用調整中
右1.2
1992
研究員
30
Ti:Sapphire 10mJ
IRカード反射
左0.02から0.7
1993
研究員
37
Ti:Sapphire
1/3波長変換 眼底
左1.2
1993
研究員
38
Ti:Sapphire 745nm
1995
研究員
36
Ti:Sapphire
1/3波長変換 眼底
左1.2
1996 ?
研究員
31
Ti:Sapphire
化学実験中ミラー回転
左0.4から0.8
1999
研究員
30
Ti:Sapphire SHG 470μm
物性実験 偏光板操作中
左0.7から1.5
25
フェムト秒レーザー 1kW
30-100fsec 1mmΦ
光軸調整中
右1.2 左1.0
2003
使用レーザー
事故の状況
視力経過
左1.2
左0.4
1992
研究員
20
エキシマ?
衝立倒れ角膜、 眼底
右0.6 左0.9
1965
大学講師
34
ルビー
ガラス板反射
右0.9から1.5
レーザポインターによる事故例
国民生活センター等
友人のレーザポインターが息子の眼に当たり、網膜が火傷状になり、1年後の現在も視野に後遺
症が残った(2000年12歳男児)。
電車の中で同じ車両にいた小学生に、2歳と6歳の子供が眼を中心にレーザポインターを当てら
れ、子供の眼が傷つけられた。障害が残るかどうかは2~3年経過しなければ分からない(2000
年2歳女児)。
中学校教室内で生徒数人がレーザポインターを振り回していて、光がほかの生徒の眼に当たり、
視力が低下した。パッケージには英文で注意書きがあるらしいが、子供には理解できない(1999
年13歳女子)。
授業中、生徒が約3mの距離から教師に向け、レーザポインターを執拗に照射した。その結果、
事故前の矯正視力1.2が2ヶ月後に0.05に低下し、中心暗点があり、黄斑に顕著な混濁と中心窩
出血があった。半年後も視力は0.2と低く、中心暗点も残っていた(1999年23歳女性)
平成20年9月6日に行われた、日本対バーレーンのW杯アジア最終予選において、日本の選手
は試合中に何度も緑色のレーザ光線を当てられる妨害行為を受けた。
55
青色発光ダイオードおよびブラックライトによる事故例
青色発光ダイオード光(波長460nm、照射パワー0.85mW)
の継続的照射によって、視力障害が起こる可能性が報告さ
れている。
小説・映画で話題を呼んだ「ダヴィンチコード」で注目された
ブラックライト(商品名シークレットペン、ピーク波長405nm、
出力5mW)で視力障害が起こった例が報告されている。
資料提供:尾花 明(聖隷浜松病院)
IPLによるポートワインステインの治療
(高輝度パルス光源)
500~1000nm
治療前
IPL治療
薬物治療
56
IPLによる虹彩傷害
500~1200nm、550nm以下をカット
レーザー脱毛に関する疑義解釈(厚生労働省)2005年3月24日
NPO法人日本レーザー医学会
レーザー脱毛
医師免許を有しない者による脱毛行為
違反である
民生用(家庭用)レーザ脱毛器は?
民生用(家庭用)IPL美容器は?
57
レーザ手術失敗による医療過誤訴訟の一例
LASIK治療3件
(説明義務違反、適正手術義務違反が認められず、何れも患者側の敗訴)
いびき治療
(説明義務違反が認められず、患者側の敗訴)
シミ(肝斑)治療
(適応外の不適切なレーザ治療が認められ、患者側の勝訴)
刺青除去手術
(手術費用の説明不十分が認められ、患者側の勝訴)
椎間板ヘルニアのレーザ治療でも、医療過誤訴訟が多い
何れのレーザ治療も自由診療であり、保険が適用できない。患者は流行に惑
わされることなく、手術内容やその危険性、失敗後の対応などを十分に理解
した上で、手術に臨むべきである。施術者は模擬実験などで手術手技に十分
慣れた上、厳格な適応基準を設けて手術を行うべきである。
ハインリッヒの法則
事故統計における1:29:300の法則
重大な事故 1 件
軽度の事故 29 件
表に出ないヒヤッとした
体験 300 件
1件の重大災害を防ぐには
330のリスク要因を減らさなければならない
1930年代の米国 50万件の労働災害の解析
58
レーザの安全対策
事故・ヒヤリハットの原因は
レーザが生体に与える影響を軽視したこと
安全対策を考慮しなかったこと
安全対策を面倒と感じ、粗略にしたこと
レーザの波長・パワー・発振モードを知り、
生体に与える影響がどの程度かを知ること
具体的な安全対策(その1)
① 防護ゴーグルの着用
② レーザ放射口の確認と表示
③ レーザビームの進む方向の確認
④ 反射物(金属など)の有無確認と除去
⑤ 可燃性物質(紙類、薬品類)の有無確認と除去
⑥ 警告表示ラベル・警告文の掲示
59
具体的な安全対策(その2)
⑦ 運転中の表示灯・警告音
⑧ レーザ光路の遮蔽(カバー、散乱光除去)
⑨ ビームストッパの設置
⑩ 作業者以外の立入り禁止用防護柵の設置
⑪ 警告表示ラベル・警告文の掲示
⑫ キースイッチ、インターロックの確認
レーザ光用遮光保護具
- Protecting for you -
60
安全教育
一般財団法人 光産業技術振興協会
レーザ安全スクール
レーザ機器取扱技術者試験
NPO法人 日本レーザー医学会
安全教育講習会、専門医制度
一般社団法人 レーザー学会
レーザーの安全教育技術専門委員会
テキスト作成中、シンポジウム、セミナー
講演内容
1.安全・安心の基礎
2.事故と保険
3.事故例と安全対策
4.日本と世界の標準化
5.レーザ安全基準と規制の現状
6.レーザ安全標準化作業の課題
61
日本の工業標準化
日本工業標準調査会 : JISC
Japanese Industrial Standards Committee
経済産業省に設置された審議会
日本工業規格 : JIS Japanese industrial Standards の制定
10.921件 (2011年4月1日現在)
日本規格協会 : JSA
Japanese Standards Association
経済産業省・産業環境局 所管の公益法人
JISの原案作成、規格票の発行、JISハンドブック
一般財団法人 日本品質保証機構 : JQA
Japan Quality Assurance Organization
第三者機関として、製品等の認証・試験・検査
世界の工業標準化
国際標準化機構 : ISO
International Organization for Standardization
162ヶ国、212TC、510SC、2,570AG、18,083規格 (2009年)
世界195ヶ国
レーザ関連 TC172 (Optics and Photonics)
SC9 (Electro-optical systems)
国際電気標準会議 : IEC
International Electrotechnical Commission
81ヶ国、94TC、80SC、404WG、6,146規格 (2011年)
レーザ安全関連
TC76 (Optical radiation safety and laser equipment)
62
工業標準化の意義
(JISC)
1.経済・社会活動の利便性の確保
(互換性の確保など)
2.生産の効率化
(品種削減を通じての量産化など)
3.公正性の確保
(消費者の利益の確保、取引の単純化など)
4.技術進歩の促進
(新しい知識の創造や新技術の開発・普及の支援など)
5.安全や健康保持・環境の保全
国際標準化アクションプラン
(2011年7月29日 JISC策定)
取組方針1 企業経営者の意識改革
取組方針2 国際標準の提案に向けた重点的な支援強化
⑤ 社会のニーズ(安全・安心)に対応する国際標準化の促進
取組方針3 世界で通用する標準専門家の育成
取組方針4 アジア太平洋地域における連携強化
取組方針5 諸外国の独自標準と技術規制の制定への対応
英国 BSI ドイツ DIN フランス AFNOR
米国 ANSI カナダ SCC
日本 JISC 中国 SAC 韓国 KATS
63
講演内容
1.安全・安心の基礎
2.事故と保険
3.事故例と安全対策
4.日本と世界の標準化
5.レーザ安全基準と規制の現状
6.レーザ安全標準化作業の課題
編集
(財)光産業技術振興協会
発行所
(株)新技術コミュニケーションズ
JIS C 6802
2005年版
2006年9月25日第4版
8,000円+税
64
レーザ製品の安全基準
IEC(国際電気標準会議)
TC76 (レーザ装置):技術委員会(1972年設立)
IEC 60825シリーズ
(財)光産業技術振興協会
TC76 / レーザ安全性標準化委員会 (JIS素案作成)
JIS C 6802 「レーザ製品の安全基準」
LEDも含む
JIS C 6802-2005
注:医用レーザ製品はこの規格の適用から除いていたが、
平成23年3月22日に改定され、適用されることになった。
レーザ製品の安全基準 JIS C 6802 : 2011 (IEC 60825-1 : 2007)
目次
1.適用範囲及び目的
2.引用規格
3.用語及び定義
4.技術的仕様
5.ラベル
6.その他の必要な情報
7.特定のレーザ製品
に対する付加的な要件
8.クラス分け
9.被ばく放出レベルの決定
附属書A 最大許容露光量
附属書B 計算例
附属書C クラス及び付随する潜在的
危険性に対する解説
附属書D 生物物理学的検討
附属書E 放射輝度で表した
MPE及びAEL
附属書F 要約表
附属書G IEC 60825の各部の概要
附属書JA 使用者への指針
65
JIS C6802 2011年版の主な改正点(旧規格2005年版)
波長範囲:180nm~1mm
① 全てのLEDが本規格の対象外
② 用語の定義見直し
③ 保護きょう体の一般事項、アクセスパネルおよびセーフティインタロック、
ビーム終端器または減衰器、走査に対する安全防御、“歩
行”立入り等の項目を見直すと共に、マニュアルリセットを新設
④ 使用者に対する情報、購入およびサービスのための情報の項目
を大幅に書き換え
⑤ レーザ加工機、電気玩具、消費者用電子製品の各項目を追加
⑥ レーザークラスの解説は、新設の附属書Cに移動
⑦ 測定条件2の発散(点)光源に対するクラス分けのための測定が
見直され、測定距離が14mmから70mmに大幅緩和
⑧ 最大許容露光量(MPE)は新設の附属書Aに移し、規格から
参考に
⑨ 使用者への指針に関する条項は附属書JAとして残す
IEC 60825: Safety of laser products (レーザ製品の安全基準)シリーズ
番号
版
発行年
表題
60825-1
2007
2011
2004
2010
2008
2009
2003
2004
Equipment classification and requirements
60825-3
60825-4
60825-5
60825-6
Ed.2
ISH2
Ed.3
Ed.3.2
TR Ed.2
Ed.2.1
TR Ed.2
TS Ed.1
60825-7
TS Ed.1
2004
60825-8
60825-9
60825-10
60825-11
TR Ed.2
TR Ed.1
TR Ed.1
NP
2006
1999
2010
1999
60825-2
60825-12 Ed.1
2004
60825-13 TR Ed.2 DTR
60825-14 TR Ed.1
2004
60825-16 TR Ed.1 PWI
60825-17 TR Ed.1
2010
Safety of optical fibre communication systems (OFCS)
Guidance for laser displays and shows
Laser guards
Manufacturer's checklist for IEC 60825-1
Safety products with optical sources, exclusively used for visible
information transmission to the human eye
Safety products emitting infrared optical radiation, exclusively used for
wireless 'free air' data transmission and surveillance
Guidelines for the safe use of laser beams on humans
Compilation of maximum permission exposure to incoherent optical
Application guidelines and explanatory notes to IEC 60825-1
Safety of lasers and laser equipment used in an industrial materials
processing environment
Safety of free space optical communication systems used for
transmission of information
Measurements for classification of laser products
A user's guide
Guidelines for the safe use of intense light source equipment on humans
and animals
Safety aspects for use of passive optical components and optical cables
in high power optical fibre communication systems
JIS6800 (レーザ製品の安全基準)シリーズ
レーザ安全用語
C 6801
廃版
2010
IEC60825-1 Ed.2 (2007)に対応
C 6802
2011
IEC60825-2 Ed.3 (2004)に対応 光ファイバ通信システムの安全
C 6803
2006
IEC60825-12 Ed.1 (2004)に対応 情報伝送のための光無線通信システムの安全
C 6804
2006
66
レーザ安全関係の基準 (IECとJIS)
IEC 60825 Safety of Laser Products シリーズ
IEC国際規格16の内、対応するJIS規格は次の3つのみ
60825-1 Ed.2 : 2007 equipment classification and requirements
JIS C 6802 : 2011 レーザ製品の安全基準
60825-2 Ed.3 : 2004 Safety of optical fibre communication
systems
JIS C 6803 : 2006 光ファイバ通信システムの安全
60825-12 Ed.1 : 2005 Safety of free space optical
communication systems used for
transmission of information
JIS C 6804 : 2006 情報伝送のための光無線通信システムの安全
光・レーザに関連する安全基準
ISO 6161 Ed.1 1981
JIS T8143 1994
Personal eye protectors – Filters and eye-protectors
against laser radiation
レーザ保護フィルタ及びレーザ保護めがね
IEC 62471 Ed.1 2006
JIS C7550 2011
Photobiological safety of lamps and lamp systems
ランプ及びランプシステムのための光生物学的安全性
IEC 62471-2 TR Ed.1 2009
Guidance on manufacturing requirements relating to
Non-laser optical radiation safety
IEC 62471-4 TR Ed.1 NP
Measuring methods
IEC 62778 TR Ed.1 2012
Application of IEC 62471 to light sources and luminaires
For the assessment of blue light hazard
ISO 11553 シリーズ
Safety of Machinery – Laser processing machines
ISO 11553-1 Ed.1 2005
ISO 11553-2 Ed.1 2007
General safety requirements
Safety requirements for hand-held laser processing
devices
Safety requirements for noise reduction and noise
measurement methods for laser processing machines
and hand-held laser processing devices
ISO 11553-3 Ed.1 CDV
67
医用レーザ機器の安全基準
IEC 60601 – 2 – 22 am1 Ed.3.0
Medical electrical equipment – Part 2 – 22
Particular requirements for basic safety and essential performance
of surgical, cosmetic, therapeutic and diagnostic laser equipment
漏れ電流に対する安全対策が追加される
Medical electrical equipment – Part 2 – 57
Particular requirements for the safety and essential performance
of non-laser light source equipment intended for therapeutic, diagnostic,
monitoring and cosmetic/aesthetic use
高輝度ランプのメーカーへの安全基準
IEC/TR 62471 – 3 Ed.1
Safety of intense pulsed light source equipment Guidelines for the safe use of intense pulsed light source equipment on humans
高輝度ランプのユーザーズガイド
安全基準の考え方
メーカーへの要求事項(安全対策)
お金がかかる
ユーザーズガイド
面倒くさい
リスクの種類とその要因
エビデンスが必要
68
最大許容露光量 MPE
( Maximum Permissible Exposure )
レーザの人体に及ぼす生物物理学的知見
レーザによる眼などの障害事例、動物実験
眼や皮膚などについて
それぞれ定められている
波長、露光時間、光源の視角などの複雑な関数
フィルタや保護メガネ
レーザをどの程度減衰させればよいかが分かる
JIS C6802によるレーザ装置のクラス分け
放出持続時間 t = 10 秒
10
クラス4
1
3R
10-1
パワー(W)
クラス3B
クラス3R
10-2
3R
10-3
10-4
3
R
クラス2
クラス1
10-5
10-6
10-7
180
400
600
800
1000 1200
波長(nm)
69
1400
105
106
レーザ製品のクラス別危険度
クラス1C
クラス1
合理的に予測できる条件下で安全
クラス1M
使用者が光学器具を使用した場合に危険になる
という点を除いて、クラス1に同じ
クラス2
まばたきなどの嫌悪反応によって眼は保護され
安全
クラス2M
使用者が光学器具を使用した場合に危険になる
という点を除いて、クラス2に同じ
クラス3R
直接ビーム内観察は危険になることがある
クラス3B
直接ビーム内観察は通常において危険
クラス4
拡散反射も危険になることがある
日本でのレーザ規制
違反した場合、刑罰に処されることがある
レーザ光線による障害防止対策要綱
労働安全衛生法 関連
消費生活用製品安全法(携帯用レーザ応用装置)
製造物責任法(PL法)
電気用品安全法
薬事法
(医用レーザ機器)
70
レーザ光線による障害防止対策要綱
基発第0325002号(平成17年3月25日)
JIS C6802 : 2006版を参照,最新版は2011版
目的:常時従事する労働者の障害防止
適用範囲:クラス1M、2M、3R、3Bおよび4のレーザ機器
医療用および教育研究用は適用外。
レーザ機器管理者の選任:クラス3R、3Bおよび4の場合
レーザ管理区域の設定および管理
レーザ機器のクラス別措置基準
労働安全衛生法 関連
労働安全衛生法 昭和47年6月8日法律第57号
労働安全衛生規則 昭和47年9月30日労働省令第32号
努力規定から義務規定に改定
「レーザー光線等の有害光線」が明記される。
保護衣、保護眼鏡の装備とその数が明記される。
71
消費生活用製品安全法(消安法)
消費生活用製品安全法 特定製品関係の運用及び解釈について
最終改正 20120927商局第1号(平成24年11月20日)
携帯用レーザー応用装置
レーザーポインター
レーザー照準器
レーザー光を放出するおもちゃ
特別特定製品マーク
レーザー光(可視光線に限る)を外部に照射して
文字又は図形を表示することを目的として設計し
たものであって、携帯用のものである。
波長はおおよそ400~700nm
大きさ、機能、表示内容
講演内容
1.安全・安心の基礎
2.事故と保険
3.事故例と安全対策
4.日本と世界の標準化
5.レーザ安全基準と規制の現状
6.レーザ安全標準化作業の課題
72
安全性標準化作業
既存の規格の調査
リスクの種類とその要因
エビデンスが必要
アクシデント (事故)
インシデント (ヒヤリハット)
安全対策
安全性標準化作業を進める上での課題
標準専門家の育成
事故・ヒヤリハットの事例収集とその分析
光・レーザの安全に関する研究推進
関連業界・団体との連携
国際標準のJIS化作業
73
International Laser Safety Conference (ILSI)
Laser Institute of America (LIA)
March 18-21, 2013 Orlando, FL USA
おわりに (お願い)
光・レーザの安全基準は
絶えず更新される。
IEC/TC76 国際標準化会議
2012年10月8日~12日 英国ディドコット・HPA
光・レーザ関係者の
情報提供などの献身的な協力が必須
74
4.3.2 レーザ機器の米国への輸出時の留意点
Exporting Laser Products to the United States
Jerome E. (Jerry) Dennis
Consultant
[email protected]
Phone: 1 301 216 5057
Fax: 1 301 216 5052
Legal requirements of the CDRH/FDA
• The legal basis of these requirements is the Radiation Control for Health and Safety Act of 1968 (now part of the Food, Drug and Cosmetic Act) and the regulations published under that authority
• References:
– Food, Drug and Cosmetic Act, Sections 531 ff
– Code of Federal Regulations, Title 21, parts 1000 ff (21 CFR 1000 ff)
75
What is required?
• Compliance with the laser safety standard,
• Manufacturer’s certification of compliance (conformance),
• A product report,
• Importer’s declaration (FDA Form 2877)
• Complies with applicable radiation safety standards, or
• Standard does not apply to products being imported
• Designation of a US agent (Designated Agent),
• Annual reports
What standard should be used?
Either and
• 21 Code of Federal Regulations (CFR 1040.10 and 1040.11), or
• IEC 60825‐1: 2001, or
• IEC 60825‐1: 2007, or and
• IEC 60601‐2‐22 for Class 3B or Class 4 medical laser devices
76
Why does CDRH/FDA accept so many standards?
• CDRH Laser Notice 50?
• Which standard is the best to use?
Who is responsible to the CDRH/FDA?
• The company that imports is legally responsible
• What is the importing firm?
• What is the Designated Agent? (21 CFR 1005.25)
77
The CDRH FDA Performance Standards for Laser Products (21 CFR 1040.10 and 1040.11)
• Applicability and exceptions (1040.10(a))
• Applies to all laser products for import or sale in the US, except:
– Component laser products
– Products solely for export from the US
Some important definitions (1040.10(b))
•
•
•
•
•
•
•
1. Accessible emission level
12. Collateral radiation
13. Demonstration laser product
15. Human access
18. Irradiance and (16) Integrated radiance
21. Laser product
23. Laser system
78
Classification (1040.10(c) and Accessible emission limits (1040.10(d))
• Descriptions of the classes
• Values of k1 and k2
• Limits for collateral radiation
Class I Accessible Emission Limits
79
Measurement conditions for classification (1040.10(e))
•
•
•
•
Radiant power and radiant energy
Irradiance and radiant exposure
Radiance and (time) integrated radiance
Measurement aperture diameters.
Performance requirements (1040.10(f))
Note – Performance requirements are not engineering specifications
80
Performance requirements include
• Protective housing (1)
• Safety interlocks (2)
• Remote interlock connector (3)
• Key control (4)
• Laser radiation emission indicator (5)
• Beam attenuator (6)
• Location of controls (7)
• Viewing optics and viewports (8)
• Scanning safeguard (9)
• Manual reset (10)
Labeling (1040.10(g))
•
•
•
•
Warning logotype labels
Protective housing labels Aperture labels
Warning for invisible wavelengths
81
Informational requirements (1040.10(h))
• User instructions
• Brochures and catalogs
• Service instructions
Modifications (1040.10(i))
This section applies to companies that buy certified laser products and modify them for resale. If the modifications affect any aspect of compliance with the standard, the products must be recertified and re‐reported. The modifying company is considered to be a manufacturer.
82
Additional requirements for specific purpose laser products (1040.11)
• Medical laser products (1040.11(a))
• Leveling, leveling and alignment laser products (1040.11(b))
• Demonstration laser products (1040.11(c))
– Variances for laser light shows and projectors
Laser Notices – some important notices
• Exemptions from reporting
• Laser Notice 50
83
Laser Notice 50
• Deviations that are allowed • Deviations that are not allowed
• Special certification
Variances
• Criteria for variances
• Contents of variance requests
• Timeframes for variance review
84
Reports and notifications
• Product reports
– Contents
– Electronic or paper submittals
•
•
•
•
Supplemental reports
Annual reports
Accidental radiation occurrence reports
Notifications of noncompliance or radiation defect
Recalls and corrective actions
• Notification of purchasers
• Corrective action plan
• Exemption from notification and corrective action
85
Additional requirements for medical device laser products
• Premarket notification (510k)
• Premarket approval
• Annual registration and listing
86
4.3.3 レーザ安全に関する欧州の法律と規格
European Laser Safety Legislation
and Standards
Dr John O’Hagan
Chairman, BSI EPL/76
Convenor, IEC TC76 WG8
Director, CIE Division 6
Group Leader, Laser and Optical Radiation Dosimetry Group, HPA
Japanese Laser Safety Symposium
Tokyo, 1 February 2013
Centre for Radiation, Chemical and Environmental Hazards
Europe – European Union
87
© HPA 2013
Europe – European Economic
Area (EEA)
© HPA 2013
Process of regulation
UK Parliament
Parliament
Commission
Council
Act of Parliament
Directive
Member States
European Standard
Statutory
Instruments
(Regulations)
Judiciary
Approved Codes of Practice
Guidance
British Standards
© HPA 2013
88
European Legislation Objective
Products
Same “standard”
Workplace
Minimum “standard”
© HPA 2013
Products
The common market:
• created by the Treaty of Rome in 1958
• intended to eliminate trade barriers between Member
States with the aim of increasing economic prosperity
and contributing to ‘an ever closer union among the
peoples of Europe’.
The Single European Act of 1986 included the objective of the
internal market in the EEC Treaty, defining it as ‘an area
without internal frontiers in which the free movement of
goods, persons, services and capital is ensured’.
89
© HPA 2013
Product Directives – relevant
to laser products
Machinery Directive
• Laser machines
Low Voltage Directive
• Non-battery-powered laser equipment
Radio and Telecommunications Terminal Equipment Directive
• Laser communication systems
Electromagnetic Compatibility Directive
Medical Devices Directive
Personal Protective Equipment Directive
• Laser Personal Protective Eyewear
General Product Safety Directive
© HPA 2013
Harmonised Standards
Specific product standards
• Listed in the Official Journal (OJ) of the European Union
– For each specific Directive
• Should be listed in the Declaration of Conformity for CE
marking
• Shows that product was assessed before being placed
on the market and that it meets EU safety, health and
environmental protection requirements.
90
© HPA 2013
Standards’ Process
Electrotechnical
Devices
International
European
National, e.g. UK
© HPA 2013
Parallel Voting
Committee Draft for Voting (CDV)
Final Draft International Standard (FDIS)
e.g., IEC 60825-1 and EN 60825-1 vote at the same time
Once an EN is agreed, all Member States have to
adopt it as a National Standard, e.g. BS EN 60825-1
91
© HPA 2013
Standards’ Process
Non-Electrotechnical
Devices
International
European
National, e.g. UK
© HPA 2013
Harmonised Standards
CENELEC
EN 60825-1:2007 – main laser safety standard
EN 60825-2:2004/A1:2007 (until Dec 2013)
and EN 60825-2:2004/A2:2010 – fibre communications
EN 60825-4:2006/A2:2011 – laser guards
EN 60825-12:2004 – free-space communications
92
© HPA 2013
Harmonised Standards
CEN
EN 12198-1:2000+A1:2008
• Safety of machinery - Assessment and reduction of risks
arising from radiation emitted by machinery - Part 1:
General principles
EN 12198-2:2002+A1:2008
• Part 2: Radiation emission measurement procedure
EN 12198-3:2002+A1:2008
• Part 3: Reduction of radiation by attenuation or
screening
Refer to EN 60825 series, where appropriate
© HPA 2013
Harmonised Standards
CEN
EN ISO 11145:2008
• Lasers and laser-related equipment – vocabulary and
symbols
EN ISO 11252:2008
• Lasers and laser-related equipment – documentation
EN ISO 11553:2008
• Laser processing machines
– Part 1 – General safety requirements
– Part 2 – Hand-held laser processing devices
93
© HPA 2013
Harmonised Standards
CEN
EN ISO 11554:2008
• Lasers and laser-related equipment – measurement test
methods
EN 12254:1998 + A2:2008
• Screens for laser working places – safety requirements
and testing
© HPA 2013
Harmonised Standards
CEN and CENELEC
Medical Devices:
EN 60601-2-22:1996 – Medical laser standard
EN ISO 11810:2009
• Resistance of surgical drapes
– Part 1 – Primary ignition and penetration
– Part 2 – Secondary ignition
EN ISO 11990:2003
• Laser resistance of tracheal tube shafts.
EN ISO 14408:2009
• Marking of tracheal tubes
94
© HPA 2013
Harmonised Standards
CEN
EN 207:2009
• Personal eye-protection equipment - Filters and eyeprotectors against laser radiation (laser eye-protectors)
EN 208:2009
• Personal eye-protection - Eye-protectors for adjustment
work on lasers and laser systems (laser adjustment eyeprotectors)
© HPA 2013
Importing Goods
CE compliance
Purchaser responsible
EU Supplier responsible
95
© HPA 2013
Consumer Products
“1 W”
Blue beam
© HPA 2013
Consumer Products
DRAFT
Laser Products - Safe to eyes and skin
Child appealing – Under any conditions
96
© HPA 2013
Workplace Directives –
relevant to laser work
Framework Directive
• Risk assessment
Use of Work Equipment Directive
Safety and/or Health Signs Directive
Use of Personal Protective Equipment Directive
Workplace Requirements Directive
Artificial Optical Radiation Directive
Set minimum standards
© HPA 2013
Artificial Optical Radiation
Directive
Directive 2006/25/EC of the European
Parliament and of the Council
Considered an amendment to the 1993 proposal
Had to be implemented as National law by April 2010
97
© HPA 2013
Artificial Optical Radiation
Directive
Relevance to product manufacturers?
Employers need information
• Laser product classification
• Likely worker exposures – compare with limits
© HPA 2013
Artificial Optical Radiation
Directive
Sources of exposure:
• Trivial
– No further action
• Dangerous
– Usually obvious what needs to be done
• Do not know
– Needs an assessment
– Data from manufacturer or supplier
98
© HPA 2013
Non-Binding Guide to AORD
Now available as a
CD in all languages
of the European
Commission
© HPA 2013
Thank you for listening
[email protected]
(from 1 April 2013 – [email protected])
99
© HPA 2013
4.3.4 照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
光産業技術国際標準化シンポジウム「レーザ機器の安全・安心」
2013年 2月1日
ソニー株式会社
プロフェッショナル・ソリューション事業本部
ビジュアルプレゼンテーション・ソリューション事業部
三橋 正示
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
1
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
自己紹介
TC76
・・・
TC76
GB
TC76
・・・
IEC TC76
国際標準化委員会
TC76
・・・
TC76
Japan
TC76
US
(OITDA)
政府機関
FDA
LIPA
LIA
レーザー
学会等
事業者団体
100
JBMIA
事業者団体
政府機関
経産
産業省
レーザー 学会等
レーザー
関連学会
レーザー
関連学会
関連学会
2
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
本日のスコープ

「照射型プロジェクタ」



業界の声


光源が「面状」であり、「ビームスキャン」ではない
即ち、網膜上での集光度は一般ランプもレーザランプも同様
「光源をレーザ化した場合でも、照射型プロジェクタではその安全
性に関して、既存のランプと同等に扱えるのではないか」
国際規格の対応が始まりつつある
業界や標準化委員会での動向をご紹介
3
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
AGENDA
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
レーザ化の効能と業界動向
レーザ安全国際標準規格① 基本
レーザ安全国際標準規格② 運用例
規制緩和動向① 運用緩和活動
規制緩和動向② 国際標準規格改訂案
市場インパクト
補足資料
Q&A
101
4
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
AGENDA
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
レーザ化の効能と業界動向
レーザ安全国際標準規格① 基本
レーザ安全国際標準規格② 運用例
規制緩和動向① 運用緩和活動
規制緩和動向② 国際標準規格改訂案
市場インパクト
補足資料
Q&A
5
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
1. レーザ化の効能と業界動向
照射型プロジェクタ
基本原理
光源からの光を
空間変調機に集光し
場所により方向や偏光を変化させ、
その違いにより光の強度を決定し、
スクリーンに結像させる。
スクリーン
光源
ハロゲン
メタルハライド
高圧水銀
キセノン
LED
レーザ
集光レンズ
投影レンズ
空間変調機
DMD:微少ミラーで光の進行方向を変える(点、線、面)
液晶:画素ごとの液晶の向きで光の強度を変える(面)
GLV (Grating Light Valve)
AOM(音響光学素子)
102
6
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
1. レーザ化の効能と業界動向
代表的照射型プロジェクタの構成
反射型液晶ライトバルブを使った構成例
DLP(Digital Light Processing)単板システム例
ダイクロイックミラー
(色分離)
フライアイ
インテグ
レータ
光源ランプ
TI社
PS変換素子
(偏光変換)
反射型液晶
ライトバルブ
PBS
(偏光ビー
ムスプ
リッタ)
クロスプリズム
(色合成)
HPより
7
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
1. レーザ化の効能と業界動向
照射型プロジェクタ光源の多様化
ハロゲンランプ
メタルハライドランプ
超高圧水銀ランプ
キセノンランプ
RGB LED
レーザ&蛍光体
レーザ&LED
RGBレーザ
103
8
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
1. レーザ化の効能と業界動向
プロジェクタ光源をレーザ化する効能






ランプ長寿命化(ランプコスト、メンテナンスコスト)
省エネ(ランプ駆動、冷却)
環境物質対策
大パワー化
小型化
高画質・高コントラスト
9
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
1. レーザ化の効能と業界動向
レーザ化の効能
寿命
一般ランプvsレーザ
エネルギー効率
Brightness
Limit
Conventional Lamp
Brightness change
X 5~20
Laser possible to
Maintain brightness for
lifetime
Time
Xenon Lamp Characteristics
=2/3 of light output is not visible
環境フレンドリー
色域拡張
水銀ランプ国内出荷
出典:
日本電球工業会
104
10
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
1. レーザ化の効能と業界動向
すでに始まっている市場導入
民生市場
映画市場
(デモ)
Casio (Japan)
Business Projector
BenQ (台湾)
BARCO(Belgium)
Cinema Projector
"Laser is going to help us
make our customers
more profitable and give
them choices in content."
Panasonic (Japan)
Business Projector
KODAK (US)
Cinema
Projector
Christie (Canada)
Cinema Projector
"Laser-projection Begins
New Era With Full-Length
Film Showing"
SONY (Japan)
Cinema Projector
Red (US)
Cinema Projector
出典:各社HPより
11
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
AGENDA
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
レーザ化の効能と業界動向
レーザ安全国際標準規格① 基本
レーザ安全国際標準規格② 運用例
規制緩和動向① 運用緩和活動
規制緩和動向② 国際標準規格改訂案
市場インパクト
補足資料
Q&A
105
12
2.レーザ安全国際標準規格①
基本
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
レーザ安全規格による規制


基本:データ/ビデオプロジェクタはIEC 60950(情報処理機器の安全性
に関する国際規格)に準拠
IEC60950-1:2005




4.3.13.5 レーザ(LEDを含む)
『次で許容されている場合を除いて、機器は適宜、IEC 60825-1, IEC 608252 及びIEC 60825-12に従って分類し、ラベルを貼り付ける。
本質的にクラス1レーザ製品である機器、すなわち、より高次のクラス番
号をもつレーザまたは発光ダイオード(LED)を含まない機器には、レーザ
警告ラベル又はその他のレーザ表示文を付ける必要はない。
レーザ又はLEDコンポーネントのデータは、適用する上記の例外について
IEC 60825-1に従って測定するとき、これらのコンポーネントが、クラス1
のアクセス可能線量限度に適合していることを確認しなければならない。
データは、コンポーネント製造業者から入手することができ(1.4.15参
照)、コンポーネント単独でも、機器で予定される用途のコンポーネント
にも関連付けることができる。レーザ又はLEDは、波長が180nmから1mm
までの放射線を発しなければならない。』
13
2.レーザ安全国際標準規格①
基本
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
IEC 60825 : JIS C6802(レーザ製品の安全基準)

レーザ機器使用者の安全を担保するための各種ルールを策定

機器の安全性評価



製造者要求事項










クラスに応じた安全装備(参照:補足資料)
クラスに応じたラベル貼付
ユーザー情報提供
ユーザガイドライン


測定方法定義
クラス分け(現在7段階 次verでは8段階の予定)
安全管理者による運用
第3者を保護するための環境
保護具(安全眼鏡など)
各クラスの「障害(目&皮膚)危険性」をアナログ表現・デジタル区分け
民生用/業務用の区分けを規定してはいないが、「クラス3B,4は民生用に好まし
くない」と表現
オーナー委員会:IEC TC76
現在第2版(2007) 2013年秋以降第3版発行予定
現行JIS閲覧:日本工業標準調査会のホームページ(http://www.jisc.go.jp/)
106
14
2.レーザ安全国際標準規格①
基本
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
レーザプロジェクタに関連する規制

プロジェクタ製造事業者の守るべきこと





照射光測定によるクラス分け
クラスに応じた安全装備(パネル安全装置など)
クラスに応じたラベル貼付
ユーザへのレーザ情報(クラス、波長など)提供
市場の規制(影響大:一般ランププロジェクタにはないもしくは厳しめ
な規制)


民生向けプロジェクタ:クラス規制のある国が多い(多くはクラス2以
下)
映画など興行用プロジェクタ:IEC/TR 60825-3 Laser Light Show:クラス3B,
クラス4プロジェクション機器を用いた興業時の運用ルール:かつてレーザ
ビームショーでの事故から作られたガイドラインだが、照射型レーザラン
プから見ると運用上の大きな規制


照射光は床から3m以上/安全運転管理者の設置/鍵による装置管理/ など
米国では連邦法で同等の規制(ANSI Z136.1)が採用されている
2.レーザ安全国際標準規格①
基本
15
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
なぜ規制緩和が求められるのか
レーザ光源のプロジェクタを現在の安全規格で評価した場合

業務用ビジネスプロジェクタ例


照度:5000 lm ⇒16.7W (1W=300lmと仮定)
画角:光源瞳から距離100mm で3cm X 4cmに照射 (ズーム:テレ端
条件)
⇒現在のレーザ安全規格でクラス判定すると・・・
 「直径7mm」の開口部に照射するパワー=0.54W
⇒「クラス4」
*民生市場への出荷は困難

一方で、既存ランプ製品は市場にある

光源輝度は、同等(瞳の面積は同等)
107
16
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
2.レーザ安全国際標準規格① 基本
映画館にレーザプロジェクタを導入する際のユーザ空間規定
と、現実の映画館におけるスペース
光強度がクラス2以上
0.3~1m

0.5~1m
1~2m
2~3m
2~3.5m
一般的劇場の
現実の高さ
国際標準:クラス3B以上のレーザショーでは、クラス2以上のエリアで、床か
ら光路下端まで3m以上あること ⇒設置できる映画館が極めて限定される
17
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
AGENDA
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
レーザ化の効能と業界動向
レーザ安全国際標準規格① 基本
レーザ安全国際標準規格② 運用例
規制緩和動向① 運用緩和活動
規制緩和動向② 国際標準規格改訂
市場インパクト
補足資料
Q&A
108
18
3.レーザ安全国際標準規格②
運用
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
日米欧での運用
レーザ安規:IEC 60825
国際規格
各国の運用
各地域における
安全規定
実際の運用・管
理
米国
欧州
日本
基本:ANSI Z 136.1
IEC規定とほぼ同様
基本:IEC 60825 / EN
60825
基本:JIS C 6802
(IEC 60825-1準拠)
◆連邦法(21 CFR
1040.11)でANSIに準拠す
ることを規定
◆全てのレーザ機器の輸
入・販売に際して政府へ
事前届出(FDA)
◆基本は国ごと
◆欧州共通 ユーロノル
ム(EN:指令)に準拠
◆レーザ安全については、
欧州標準機関
(CENEREC)がIEC準拠
の「EN 60825-1」を採用
◆EU共通の民生機器の
制約要求(LVD,[定電圧
指令], GPSD[一般機器安
全指令])
◆製造販売者に対する
包括的法令は特にない
◆ただし、経済産業省消
費生活用製品安全法施
行令として、「携帯用レー
ザ応用装置」は所定の対
策が施された物のみクラ
ス2までOKと規定
◆「レーザ光線による障
害の防止について」(厚生
労働省基発第0325002
号)で雇用主の管理義務
を規定
・個々の製品の安全対策が
十分かどうかを、書類判定⇒
市場でのランダム調査あり
・販売数量の報告義務あり
19
3.レーザ安全国際標準規格②
運用
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
LASER LIGHT SHOW機器 米国への輸出・販売
low
IEC 60825
クラス分け
high
Class 1
Class 2
Class 1M
レーザクラスとプロジェク
タ照度の対応目安
(注:描画方式・光学条件
により大きく異なる)
Class 3R
Class 4
4000~
20000lm
5000lm
~
Class 2M
20~
4000lm
2000~
7000lm
クラス3R以下
FDAへの申請
Class 3B
クラス3B以上
製造者 一般レーザ機器の レーザ機器輸出
輸出申請
特殊認可申請
興業者 不要
109
レーザショー
特殊認可申請
20
3.レーザ安全国際標準規格②
運用
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
米国での運用:FDA-CDRHが統括管理
FDA-CDRH申請書類例
(クラス3B以上のLaser Light Show Variance申請の場合、一般的に申請から認可まで2年程度)
Model: AAA-1
Class calculation
クラス計算
(認定機関の測
定保証付き)
Product
Report
Service Manual
申請書
製造者
申請の
場合
各種マ
ニュアル
21
3.レーザ安全国際標準規格②
運用
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
「レーザ直接光+蛍光発光方式照射」の扱いについて



従来、レーザ直接光+蛍光発光方式の
扱いについて認証機関内で解釈が分か
れていた
2012年9月 ETF11から統一見解を示
すPDSH(CTL PROVISIONAL DECISION
SHEET)が発行
『コヒーレント光は60825(レーザ)
にて、非コヒーレント光は62471(一
般ランプ光)にて評価のこと』

注)記述内容に複数の解釈がありうるよう
に読み取れるので、実際の評価の際には認
証機関に確認が必要
110
22
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
AGENDA
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
レーザ化の効能と業界動向
レーザ安全国際標準規格① 基本
レーザ安全国際標準規格② 運用例
規制緩和動向① 運用緩和活動
規制緩和動向② 国際標準規格改訂案
市場インパクト
補足資料
Q&A
23
4.規制緩和動向①
運用緩和活動
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
LIPA(照射型レーザプロジェクタ協議会)


設立:2011年5月 参照:http://www.lipainfo.org/home.html
設立目的:映画館用 大パワーレーザプロジェクタ(面放射タイプ
メン以上)の安全規制運用緩和を訴える業界団体





5000ルー
現在、「5000lm以上」という仕切りはなくなりつつある
背景:米国政府FDAの示唆あり (運用緩和のためには、単独企業の要望では
不可 広く業界団体(販売側、顧客側ともに)からの声が必要)
メンバー:原則オープン:5000ルーメン以上の照射型レーザプロジェクション
事業に携わる事業者/組織なら誰でもOK
目標
 直近:顧客の負担軽減=映画館への導入が可能となる最低限の規制撤廃
 最終目標:LEDと同様に「レーザ安全規格適用外」とさせること
活動内容
 1)米国FDAやIEC TC76へ技術説明&規制緩和の妥当性アピール
 2)市場へのレーザ利点啓蒙による、ニーズ喚起
 3)(将来)ユーザ団体(映画館など)への安全教育/ガイドライン提供
111
24
4.規制緩和動向①
運用緩和活動
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
LIPA会員企業

Leader Level


BARCO, Christie, CQ LASER TECHNOLOGIES, DOLBY,
IMAX, Laser Light Engine, NEC, NECSEL, Panasonic,
PHOEBUS VISION, SINOLASER, SONY, TEXAS
INSTRUMENTS, USHIO
Participant Level


As of January 2013
Disney, Mitsubishi Electric, Schneider
Observer Level

JDSU, HARKNESS SCREENS, Nichia, Philips,
projectiondesign, RealD
25
4.規制緩和動向①
運用緩和活動
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
LIPA 規制緩和要請の根拠:放射光の共通性





現在の安全規格はビームショーでの事故をベースにした過剰な規制
プロジェクタに装備された現状ランプ、レーザランプ双方の光源輝度を
比較測定
光源が大面積(拡散光源)であれば、人の網膜上で微小な集光ができな
い⇒現状ランプ、レーザランプ間に熱障害上の差はない
FDAに対して2010年8月から継続的交渉中
IEC 60825-1 の改訂提案に影響
112
26
4.規制緩和動向①
運用緩和活動
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
国内での業界活動例

消費生活用製品安全法 特定製品「携帯用レーザー応用装
置」(2001年1月)の条件緩和

レーザ光を外部に照射して文字又は図形(点を含む)を表示するこ
とを目的として設計したもので、携帯用のもの(携帯用レーザ応用
装置)が対象(モバイルプロジェクタ含む)


クラス1のみ/長さ8cm以上/電池のみ/自動継続放出禁止
国内のプロジェクター関連企業や学会などから経済産業省に働きか
け⇒消安法の緩和へ(2010年12月改正省令)



クラス2許可(玩具以外など条件付き)
電池以外の電源許可(電源の出力安定化回路など条件付き)
放出状態維持機能の許可(故障時の自動遮断機能など条件付き)
27
4.規制緩和動向①
運用緩和活動
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
国内での業界活動例

一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会
(JBMIA)データプロジェクター部会プロジェクター新
光源分科会:『自主ガイドルール』策定
レーザを光源とするプロジェクタの安全に関する
ガイドライン<第1版> 2012/09/10
 http://datapro.jbmia.or.jp/

照射型レーザプロジェクタの照射光の性質について、一般光と
の同等性を説明
 現在の安全規格の解説
 特有のガイドライン(製造者要求事項)を策定:




カタログ、仕様書、外装箱、取扱説明書へレーザ製品を示す記載事項
本体に貼付する「覗きこみ禁止マーク」
分解時の安全指針 など
113
28
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
AGENDA
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
レーザ化の効能と業界動向
レーザ安全国際標準規格① 基本
レーザ安全国際標準規格② 運用例
規制緩和動向① 運用緩和活動
規制緩和動向② 国際標準規格改訂案
市場インパクト
補足資料
Q&A
29
5.規制緩和動向②
国際標準規格改訂案
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
IEC 60825改訂案


現在Ed2からEd3への改訂最終段階
IEC 60825-1 Ed3では、「プロジェクタ用途の照射型レーザランプから
の照射光」を「レーザ光」から除外する方向


2011年から日米のTC76委員有志でプロモーション。2012年10月の国際会議
で基本合意。
改訂案




基本:拡散光源からの照射型の可視レーザ光の評価は、一般ランプ安全規
格「IEC 62471」へ移行する
対象:一定輝度以下の可視光(上限値は光源の大きさによって定まる)
改訂規格発行時期:2013年秋以降
条件:IEC 62471の中に、プロジェクション光に関する新規格を策定する
その新規格にて一般ランプと同条件で安全のための要求事項が課せられる
114
30
5.規制緩和動向②
国際標準規格改訂案
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
IEC 60825改訂案
一般ランプと同等とみなされる条件





可視光・拡散光源(視角1.5mrad以上 即ち0.3mm径以上)
出射口から200mmで輝度測定し、最大パワーの最大出力を基準値と比較
輝度基準値は 1M/α (W/m2・sr)
この時のα(光源直径視角)は距離
200mmで測定
輝度測定時の最小視角αは、5mrad<α<100mradを採用
メンテナンス時やサービス時のように筺体を開放したときの内部の組み込み
レーザに関しては、依然IEC 60825-1に従う
機器としては、依然レーザ機器であり、IEC 60825における「クラス1」とみな
す ただし、IEC 62471におけるリスクグループ分けに応じた要求事項(ラベル
貼付など)を施すことが必須


31
5.規制緩和動向②
国際標準規格改訂案
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
移行先:IEC 62471 リスク判定とは
200mm
7mm
•
•
•
•
•
•
•
•
照射光の波長ごとの照射レベルを測定し、総合輝度を基準値と比較
可視光プロジェクターで通常最もクリティカルなのは、可視光による網膜熱障害
測定距離:通常人間が近づき得る最接近点として、「200mm」と規定
測定開口:人間の瞳径として、「直径7mmの円」と規定
機器の運転条件:通常の運転でありうる最大光量、照射面中の最大輝度位置
上記の条件で測定された輝度を、規格上の各Risk Groupにおける上限値と比較し、該当するRG
を判定する
RG2上限レベルを超える場合、その上限レベルまで輝度が下がる位置をHazard Distanceと定義す
る
(判定方法については他にも算定方法あり)
115
32
5.規制緩和動向②
国際標準規格改訂案
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
そもそもIEC 62471 とは



正式にはIEC62471/CIE-S009E-2006
JIS C7550 「ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性」
人体への光放射に対するガイドライン
目、皮膚に対する障害リスクを4段階にグループ分け


IECとCIEの共通標準

元々の基準

広帯域光放射のThreshold Limit Values (TLVs)


American Conference of Governmental Industrial Hygienists (ACGIH)
The International Commission for Non-Ionizing Radiation Protection (ICNIRP)
33
5.規制緩和動向②
国際標準規格改訂案
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
各安全規格の推移と相互関係
2007
TC108
2010
2013
「人体への安全」統合開始
IEC 60065
AV機器安全規格
IEC 62368
AV/IT機器安全規格
IEC 60950
IT機器安全規格
リスクグループ
RG 1~3(3段階)
Laser、非レーザ各々での
対応RGを尋ねている
Laserデバイスを含む場合は
60825をRefer
TC76
クラス
Class 1~4(7段階)
IEC 60825
レーザ安全規格
コラボ
TC76
TC34
IEC 62471
照明/LED安全規格
TC61
IEC 62115
電気玩具安全規格
照射型
プロジェクタ光
一般ランプへ移行
リスクグループ
RG 0~3(4段階)
LED移行
(除通信)
規格制定・公布の準備中
Laserデバイスを含む玩具は
60825をRefer し、「Class1限定」
Class 1限定
2013年秋以降発行予定の60825-1 ver3で「照射型プロジェクタ」は一般ランプ安全規格62471に移行予定
116
34
5.規制緩和動向②
国際標準規格改訂案
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
実市場への新規格の展開

2013年後半以降にIEC 60825-1 ver3発行

⇒IEC 60950からreferされたレーザプロジェクタの照射型投影光評価
はIEC 62471により行われる


注意:国際規格の変更であって、各国の運用対応はその後
⇒各国の法規上に徐々に反映(時間差あり)



米国:FDAの運用改訂
欧州:EN60825-1の改訂 および 各国の内規改訂
日本:JIS C 6802の改訂
35
5.規制緩和動向②
国際標準規格改訂案
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
標準化・政府・業界コミュニケーション
TC76
・・・
TC76
GB
TC76
・・・
IEC TC76
国際標準化委員会
TC76
・・・
TC76
Japan
TC76
US
(OITDA)
政府機関
FDA
LIPA
LIA
レーザー
学会等
事業者団体
117
JBMIA
事業者団体
政府機関
経産
産業省
レーザー 学会等
レーザー
関連学会
レーザー
関連学会
関連学会
36
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
AGENDA
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
レーザ化の効能と業界動向
レーザ安全国際標準規格① 基本
レーザ安全国際標準規格② 運用例
規制緩和動向① 運用緩和活動
規制緩和動向② 国際標準規格改訂案
市場インパクト
補足資料
Q&A
37
6.市場インパクト
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
プロジェクタ世界市場
データ/ビデオプロジェクター市場:年間約5000億円
15k~40k lm
Mil$ Projector Sales W.W.
$7,000
Business/Home/Cinema
Home Cinema
Cinema
$6,000
$5,000
1k~5k lm
$4,000
$3,000
Business-use
1k~20k lm
HPJ
$10000+
HPJ
$50009999
HPJ
$20004999
HPJ $0999
LV
(10Klm<)
Business
Home
D-Cinema
$2,000
Inst High
Inst Mid
Inst Low
Inst Level0
$1,000
ST
$0
UST
ビームスキャン型を除く
出典:PMA_2012Q4_Forecast by Pacific Media Associates
118
報告内容を引用編集
38
6.市場インパクト
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
日本企業の位置
台数:年間約700万台
世界市場の半分強を日本企業が占めている
百万台
5
4.5
4
3.5
3
2.5
海外
2
国内
1.5
1
0.5
0
2011
2012
2013
世界のプロジェクタ(~700万台)の
半分以上を日本メーカーが出荷
出典 JBMIA 出荷実績(2011) 出荷予測(2012,2013)
39
6.市場インパクト
照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
光源ランプの勢力図が変わるか
半導体レーザは日本が強い
・GaAs基板:住友電工と日立電線で世界シェア30%以上
・GaP基板:住友金属鉱山、信越半導体、昭和電工で世界市場独占
・InP基板:住友電工、日鉱マテリアルズ、昭和電工で70%以上
・GaN基板:日亜、豊田合成など
出典 窒化物系化合物半導体に係る技術戦略マップ作成 に関する調査報告書
119
40
おわりに
レーザ機器の安全・安心に関する調査研究事業の最大の目的は、国内の専門家、使用者からなる標準化調
査研究委員会を構築し標準化等の安全性審議を行う、国際標準化会議へ専門家を派遣して標準化のための意
見交換・情報収集を行う、及びレーザ安全性シンポジウムを開催し安全性に対する注意を喚起するとともに
安全な使用法の啓発を図ることにより、レーザの誤照射による事故の無い安全な社会環境の構築を目指すこ
とである。
この報告書を、レーザ機器を使用する製造業者、研究者、医療従事者等のみならず、レーザに接する機会
のあるすべてのユーザに対するレーザ安全性の維持・向上に役立てていただければ幸いである。
本年 3 月 18 日から 3 月 21 日にかけて米国フロリダ州オーランドで開催されたレーザ安全性国際会議
(ILSC 2013: International Laser Safety Conference 2013)では、世界各国から約 200 名の専門家、レー
ザの製造者、ユーザ及び保護メガネ等レーザ用防護具関係者等が集い、レーザ安全に関する活発な研究報告
及び実務事例報告などがなされた。米国、英国、オーストラリアからは、市販のレーザ・ポインタを調査し
たところ、ラベルにはクラス 2(可視光で最大出力 1 mW)と記載されていても、クラス 3R(可視光で最大
出力 5 mW)を優に越える高出力な製品が広範に出回っており、問題であることが指摘された。また、産業
用等で 10 kW をはるかに超える高出力レーザの使用が増えてきており、これらは従来のより低出力なクラス
4 レーザに比べると人体への誤照射ははるかに危険となるので、新たにクラス 5 とクラスを設けて、より厳
重な安全管理を行うべきであるといった警鐘があった。
標準化及び普及・啓発には、活動を継続的に推進することが必要であり、今後とも本事業の推進が促進さ
れ、社会の「安全・安心」に貢献していけることが望まれる。
おわりに、本調査研究にご協力いただいた企業の関係各位、ご支援いただいた関係官庁等の各位に厚く感
謝する。この1年間にわたり、レーザ機器の安全・安心に関する調査研究委員会の委員各位のご尽力にあわ
せて深謝する。
2013(平成 25)年 3 月
レーザ機器の安全・安心に関する調査研究委員会
委員長 鷲尾 邦彦
120
補助資料
A シンポジウムのアンケート結果
標準化国際シンポジウムへの参加者にアンケート用紙を配付し、無記名にて、各講演及び全体を通じての
意見・要望のアンケートをとり、29 名の参加者から回答を得た。記載いただいた内容を以下に列記する。
A.1 橋新裕一教授 日本のレーザ機器の安全・安心-現状と課題-
・大変良かった。
・分かり易かった。資料も見やすかった。
・大変詳しい話だった。ありがとうございます。
・分かり易い説明、解説でとても良かった。
・面白い内容で、説明も分かり易かった。
・資料の内容通りであったが、誰が聴いても分かるような素晴らしい発表だったと思う。
・安全について再認識した。
・安全に対する基本的な対応、あるべき姿についてよく分かった。
・安全に関する基本的なスタンスを再確認できた。
・具体的に分かり易い説明で JIS の位置づけがよく分かった。
・JIS 規格以外のレーザ安全に関する法例について知ることができて良かった。
・レーザ機器に対する安全規格にどのようなものがあるか知ることができて良かった。
・実際の現場作業でレーザーアライメントを行っており、本講演を聞いて、再度安全について見直す必要性
を感じた。
・最新動向をもっと知りたい。
・速い、広い、浅い。
A.2 J. Dennis 氏 レーザ機器の米国への輸出時の留意点
・人選が良かったです。
・good
・非常にためになりました。
・貴重な意見が聞かれて良かった。
・丁寧に全体的に説明頂き、よく分かった。
・注意点などを具体的に説明してもらえて良かった。
・国際安全規格全体がよく分かった。
・FDA からの歴史が理解できた。
121
・FDA に関する知識が全くなかったので、大変勉強になった。これからも勉強してみようと考えている。
・米国への輸出の留意点がよく判った。
・レーザ製品の輸出に関する知識が増えて有益だった。
・米国におけるレーザ機器の取り扱いを知ることができて良かった。輸出時に注意点を知ることができた。
・貴重な話を聞くことができた。同時通訳はよく分からない所があった。
・実務上の課題によりフォーカスして欲しい。
・漠然としすぎていた。
A.3 J. O'Hagan 博士 レーザ安全に関する欧州の法律と規格
・人選が良かったです。
・good
・体系的に説明があり、非常に有益でした。
・概要から細かい話があって良かった。
・欧州における法律のくくりが分かりやすかった。
・あまり知る機会の少ない EU 方面の標準化動向、仕組みを理解でき、有意義でした。
・欧州の全体像がやや理解できた。
・欧州の複雑な事情が分かった。
・欧州特有の複雑さが理解できた。
・欧州の複雑な規制について理解できた。
・ヨーロッパの規制はよく分からないことが多くあったが、ひとつの糸口をつかむことができた。
・ヨーロッパの標準化の複雑さが理解できた。
・EU の Regulation がよく分かった。
・欧州でのレーザ安全に対する規格の枠組みを聞けて良かった。
・EN の厳しさを確認した。ヨーロッパへ輸出する際に参考にさせてもらった。
・製造者と販売者の責任区分の違いを詳しく知りたい。
・あまりにも概略すぎていた。
A.4 三橋正示氏 照射型プロジェクタ光源のレーザ化と安全規格
・大変良かったです。
・大変分かり易かった。
・大変分かり易かった。
・非常に分かり易かった。具体的で良い。
・非常に分かり易い資料、説明でした。
・分かり易い説明で良かった。
・全体的様子が理解できた。
・もっと時間があれば良いと思った。
122
・分かり易い興味を引くプレゼンテーション。概念から、さらに細かな点まで触れられていて、とても良か
った。
・動向がよく判った。
・規格の改定について、とても参考になった。
・特定業界の意見であるので、規格化には時間がかかると考えられる。国外動向を見極め、反映させていく
必要性を感じた。
・レーザー規制緩和について概要が理解できた。
・レーザ光源プロジェクタの安全性に対する各国規制とそれによる市場への影響がよく分かった。
・現在の業務でプロジェクタ用レーザ光源を開発しているため、再度そのモチベーションを確認させてもら
った。ありがとうございます。
・技術的な解説をより充実して欲しい。
・後半が駆け足だったので。
。
。
。
A.5 全体を通して
・非常に良かった。
・非常に有意義。
・勉強になった。ありがとうございます。
・各プログラムとも非常に分かり易く説明してもらい、大変参考になった。
・タイムリーに良い企画を立てていただき、大変勉強になった。
・これだけ世界の専門家が集合したのは珍しい。有意義だった。
・有意義だった。各種申請に関する具体的なステップなども知りたかった。
・大変時を得たテーマで役に立った。今後も引き続き同じテーマで講演して頂くと助かる。
・今まで知らなかったことを知ることができ有意義だった。また、このような機会を設けて頂きたい。
・今後も続けて欲しい。
・今後も同様のシンポジウムの開催を希望します。年に 2~3 回あれば、なお良い。
・姫路でのシンポジウムに問い合わせして、今回のシンポジウムを知った。傾向を知り得る良い機会だった。
・米国、欧州規格の考え方を知る良い機会となり、参加して良かった。今後の動向で、大きな変化がある場
合に、このような場を設けて頂けるとありがたい。
・改めて国内・米国・欧州の現状を知り、参考になった。時間がかかっている様だが、スピード UP が求め
られると感じた。
・プロジェクタのレーザ安全について理解できた。スキャン型についても知りたい。
・レーザ製品以外、例えばレーザの研究開発を行うような現場での安全に対する考え方、JIS 等の規格との
関連なども教えていただけると助かります。レーザ安全教育用ビデオなどがあると、現場での安全教育を
するのに助かります。
・全体的に時間が短く、核心について充分な発表とQ&Aが行えなかった。企画としては、Timely で今後も
継続的に開催希望します。
・個々の技術的問題についての掘り下げた内容が必要。内容に対してのプレゼンの時間が短い。2 倍位の時
123
間を取って実施すればもっと良かったと思う。
・別の部会になるかも知れないが、安全性の判定をしている技術背景、評価手法の意味などを解説して欲し
い。
・段取り、進行ともスムーズで良かった。
・会場のロケーションがとてもよかった。
・もう少し大きい会場の方が良いと思う。
・もう少し訳が分かり易くしてほしい。
124
B レーザ安全関係IEC/ISO/JIS一覧表
IEC
版/発行年
IEC 60825
60825-1
60825-2
60825-3
60825-4
60825-5
60825-6
60825-7
60825-8
60825-9
60825-10
60825-11
60825-12
60825-13
60825-14
JIS
対応国際規格
60825-16
60825-17
JIS
C 6801
IEC 60825-1 Ed.2 2007 C 6802
IEC 60825-2 Ed.3 2004 C 6803
Ed.3.2 2010
IEC 60825-12 Ed.1 2005 C 6804
Ed.2
Corr1
ISH1
ISH2
Ed.3
Ed.3
Amd1
Ed.3.1
ISH
Amd2
Ed.3.2
TR Ed.2
Ed.2
Amd1
Ed.2.1
Amd2
Ed.2.2
TR Ed.2
TS Ed.1
TS Ed.1
TR Ed.2
TR Ed.1
TR Ed.1
NP
Ed.1
Ed.2
TR Ed.1
TR Ed.2
TR Ed.1
TR Ed.2
TR Ed.1
TR Ed.1
TR Ed.2
2007
2008
2009
2011
2013.3.1 光協会
表題
Safety of laser products
Equipment classification and requirements
CDV
2004
2006
2007
2008
2010
2010
2008
2006
2008
2009
2011
2011
2003
w/2004
w/2004
2006
1999
w/2010
d/1999
2004
CD
2006
2011
2004
CD
PWI
2010
CD
版/発行年
廃版/2010
2011
2006
H23後期区分申出
2006
Safety of optical fibre communication systems (OFCS)
Guidance for laser displays and shows
Laser guards
Manufacturer's checklist for IEC 60825-1
Safety of products with optical sources, exclusively used for visible information transmission to the human eye
Safety of products emitting infrared optical radiation, exclusively used for wireless 'free air' data transmission and surveillance
Guidelines for the safe use of laser beams on humans
Compilation of maximum permissible exposure to incoherent optical radiation
Application guidelines and explanatory notes to IEC 60825-1
Safety of lasers and laser equipment used in an industrial materials processing environment
Safety of free space optical communication systems used for transmission of information
Measurements for classification of laser products
A user's guide
Guidelines for the safe use of intense light source equipment on humans and animals
Safety aspects for use of passive optical components and optical cables in high power optical fibre communication systems
TC
TC
TC
TC
TC
TC
TC
TC
TC
TC
TC
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
1+8
1+8
1+8
1+8
1+8
5
5
5
5
5
5
TC
TC
TC
TC
TC
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
7
7
7
7
7
TC
TC
TC
TC
TC
TC
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
5
5
3
3
8
8
TC 76/WG 5
TC 76/WG 5
表題
レーザ安全用語
レーザ製品の安全基準
レーザ製品の安全-光ファイバ通信システムの安全
レーザ製品の安全-情報伝送のための光無線通信システムの安全
125
OITDA
OITDA
OITDA
OITDA
OITDA
ISO
ISO 6161
版/発行年
Ed.1
表題
1981 Personal eye-protectors -- Filters and eye-protectors against laser radiation
TC 94/SC 6
JIS
対応国際規格
ISO 6161
Ed.1
IEC
JIS
対応国際規格
CIE S 009
Ed.1
IEC 62471
Ed.1
IEC
JIS
1981 T 8143
IEC
表題
1994 レーザ保護フィルタ及びレーザ保護めがね
版/発行年
IEC 62471
62471
62471-1
62471-2
62471-4
62471-5
62778
Ed.1
Ed.2
?
TR Ed.1
TR Ed.1 NP
Ed.1
NP
TR Ed.1
2006
表題
Photobiological Safety of Lamps and Lamp Systems
Photobiological Safety of Lamps and Lamp Systems
2009 Guidance on manufacturing requirements relating to non-laser optical radiation safety
2012
Measuring Methods
Photobiological Safety of Lamp System for Image Projector
Application of IEC 62471 to light sources and luminaires for the assessment of blue light hazard
表題
JIS
版/発行年
2002 TS C 0038
廃版/2011 ランプ及びランプシステムのための光生物学的安全性
2006 C 7550
2011 ランプ及びランプシステムのための光生物学的安全性
版/発行年
IEC 60601
60601-2-22 Ed.3
Amd1
Ed.3.1
60601-2-57 Ed.1
62471-3
ISO
版/発行年
Ed.1
表題
Medical electrical equipment
Particular requirements for the basic safety and essential performance of surgical, cosmetic, therapeutic and diagnostic laser equipment
(社)日本保安用品協会
TC 76/WG 9
TC 76/WG 9
TC 76/WG 9
TC 76/WG 9
TC34/SC 34A
JELMA/JLA
2007
TC
2012
TC
2012
TC
2011 Particular requirements for the basic safety and essential performance of non-laser light source equipment intended for therapeutic, diagnTC
NP
Safety of intense pulsed light source equipment - Guidelines for the safe use of intense pulsed light source equipment on humans
76/WG
76/WG
76/WG
76/WG
4
4
4
4
TC 76/WG 4
表題
版/発行年
Safety of Machinery - Laser processing machines
ISO 11553
11553-1
Ed.1
2005 General safety requirements
TC 76/JWG 10
TC 76/JWG 10
11553-2
Ed.1
2007 Safety requirements for hand-held laser processing devices
Safety requirements for noise reduction and noise measurement methods for laser processing machines and hand held laser proc TC 76/JWG 10
11553-3
Ed.1
CDV
IEC 61040
版/発行年
Ed.1
w/2011
表題
Power and energy measuring detectors, instruments and equipment for laser radiation
126
- 禁無断転載 -
平成 24 年度レーザ機器の安全・安心に関する調査研究
報告書
発
行
編集・発行
2013(平成 25)年 3 月
一般財団法人光産業技術振興協会
〒112 -0014 東京都文京区関口 1-20-10
住友江戸川橋駅前ビル7 階
03
5225
-6431
電話( )
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