色素増感太陽電池評価装置 PSL-100

色素増感太陽電池評価装置 PSL-100
色素増感太陽電池評価装置
PSL-100
ソフトバージョン:Ver.2.0.xx
ファームバージョン:Ver.081203
取扱説明書バージョン:6
1. もくじ
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
もくじ
お使いいただく前に
1
3
2- 1 . 連 絡 先
3
2- 2 . 保 証 と 責 任 に つ い て
3
2- 3 . 取 扱 説 明 書 に つ い て
4
2- 4 . 環 境 情 報 に つ い て
4
安全にお使いいただくために
5
3- 1 . 警 告 ・ 注 意
5
3- 2 . レー ザ 注 意
6
製品概要
7
4- 1 . 製 品 の 主 な 機 能
7
4- 2 . シ ステ ム 構 成
8
使用前の準備
9
5- 1 . 梱 包 内 容 お よび 外 観 の 確 認
9
5- 2 . 設 置
10
5- 3 . 電 源 接 続 と 接 地
11
製品取扱方法
12
6- 1 . 各 部 の 名 称 と はた らき
12
6- 2 . 構 成 機 器 間 の 接 続
24
測定原理
PC およびソフトウェア
26
28
8- 1 . 通 信 ポー ト の 設 定
28
8- 2 . ソフト ウェ ア 概 要
30
測定とソフトウェア操作
34
9- 1 . ソフト ウェ ア の 基 本 操 作
34
9- 2 . 測 定 データ フォ ルダ ーの 作 成
40
9- 3 . 測 定 用 サン プ ルセ ルの セッ ティ ング
41
9- 4 . 電 子 拡 散 係 数 ( D) 測 定
45
9- 5 . 電 子 寿 命 ( τ) 測 定
57
9- 6 . 電 子 密 度 ( n) 測 定
69
9- 7 . I - V カー ブ 測 定
87
10. データ解析とソフトウェア操作
94
10- 1 . デ ータ 解 析 機 能 の 基 本 操 作
94
10- 2 . デ ータ 解 析 画 面
95
10- 3 . 解 析 プロ ット 図 の 描 画
10 0
10- 4 . 解 析 プロ ット 図 画 面
10 2
11. データの利用
105
11- 1. 計 測 デ ータフ ァ イ ル
10 5
11- 2. 解 析 デ ータフ ァ イ ル
10 8
12. 励起光源レーザ波長オプション
109
12- 1 . オ プシ ョン レー ザ 仕 様
10 9
12- 2 . オ プシ ョン レー ザ 既 知 の 問 題
10 9
13. 正確な測定・評価のために
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
110
Pg. 1
13- 1 . サン プル セ ル 受 光 面 への 光 照 尃
111
13- 2 . サン プル セ ル 半 導 体 電 極 内 部 の 励 起 状 態
11 6
14. PSL-100 測定範囲について
15. メンテナンス&トラブルシューティング
118
121
15- 1 . 日 常 的 な 点 検
12 1
15- 2 . 校 正 に つ いて
12 1
15- 3 . ト ラ ブ ルシ ュー ティ ング
12 2
16. 仕様
123
16- 1 . 本 体 仕 様
12 3
16- 2 . ソ フト 仕 様
12 6
16- 3 . ケー ブ ル 仕 様
12 6
16- 4 . 寸 法 図
12 7
16- 5 . オ プシ ョン 品 リス ト
12 9
APPENDIX
130
A- 1. ソフ トウ ェ ア の イン ストー ルと 削 除
13 0
A- 2. 測 定 に 用 い る D S C セ ル 外 形 につ い て
14 2
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Pg. 2
2. お使いいただく前に
この度は英弘精機製品をご利用いただきましてありがとうございます。
ご使用の前に必ずこの取扱説明書をよくお読みになり、正しくお使いください。また、本書は必ず保管して必
要なときにお読みください。不明な点やご質問などがありましたら、下記までご連絡ください。
2- 1. 連 絡 先
英弘精機株式会社
本社
〒151-0072
www.eko.co.jp
東京都渋谷区幡ヶ谷 1-21-8
Tel: (03)3469-6714
Fax: (03)3469-6719
カスタマー
Tel: (03)3469-5908
サポートセンター
Fax: (03)3469-5897
関西営業所
〒532-0012
大阪市淀川区木川東 3-1-31
Tel: (06)6307-3830
Fax: (06)6307-3860
2- 2. 保 証 と 責 任 につ いて
本製品は、出荷に際し十分な試験および検査を行っております。
万一、製造上の問題による故障あるいは納品輸送中の事故がありましたら、当社までご連絡ください。
本製品をご購入後、正常な使用状態において発生した当社の責任による不具合につきましては、納入後1年間の保
証をいたします。
但し、保証期間内にありましても、以下の事頄に該当する場合には有償となります。
・取扱説明書記載の使用方法、注意事頄をお守りいただけなかったことにより生じた故障・損傷。
・お客様ご自身により改造が施されている場合。
・お客様ご自身による輸送や移動時の落下、衝撃などにより生じた故障・損傷。
・火災、浸水、落雷、地震、およびその他天災地変などの不可抗力事故による故障・損傷。
・消耗品の寿命。
その他、詳細につきましては当社が定める保証規定に従いますので、営業担当者へご相談ください。
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Pg. 3
2- 3. 取 扱 説 明 書 につ いて
© 2013 英弘精機株式会社
この取扱説明書を、英弘精機の許可なしに無断複写または転載することを禁じます。
発行日:2013/05/08
バージョン番号:6
2- 4. 環 境 情 報 につ いて
1. WEEE 指令(Waste Electrical and Electronic Equipment)
本製品は、WEEE 指令 2002/96/EC の対象にはなっておりませんが、一般家庭のゴミとしての廃棄は避けてくださ
い。適切に処理、回収、およびリサイクルするには、専門の集積場所もしくは施設へお問い合わせください。
本製品を適切に廃棄する事により、貴重な資源の節約や、人間や環境に及ぼす悪影響を防ぐ事につながります。
2. RoHS 指令(Restriction of Hazardous Substances)
英弘精機では、RoHS 指令 2002/95/EC で規定される有害物質の最大量に準拠していることを保証するため、取扱
製品においては、総合的評価を行っています。よって全ての製品は、RoHS 指令 2002/95/EC に規定される有害物
質量未満、又は、RoHS 指令 2002/95/EC の付属文書により許容されているレベル未満の原材料を使用していま
す。
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3. 安全にお使いいただくために
当社製品は、安全を十分に考慮して設計・製造されておりますが、お客様の使用状況により思わぬ重大な事
故を招く可能性があります。本書をよくお読みになり、使用方法を必ず守りながら正しくお使い下さい。
警告・注意
この表示を無視して誤った取り扱いをすると、感電等のけがによる
レーザ注意
この表示を無視してレーザを直視したり、触れたりすると、失明や重
重傷または死亡を負う可能性があることを示しています。
傷を負う可能性があることを示しています。
3- 1. 警 告 ・ 注 意

必ず屋内に設置してご使用ください。
本装置は「屋内使用」を前提として設計・製作されております。『5-2.設置』頄に記載されている設置条件
をご確認ください。

計測装置本体のカバーは取り外さないでください。
感電の恐れおよび装置破損の原因となりますので、計測装置のカバーは絶対に取り外さないでください。
修理・点検が必要な場合は、必ず当社までご連絡ください。

異常を感じましたら使用を中止してください。
本装置から「発煙」、「発熱」、「異臭」および「異音」などの異常を感じましたら、直ちに使用を中止し電源
ケーブルを抜いてください。

改造、分解しないでください。
ご自身での「改造」および「分解」は危険ですので絶対に行わないでください。
英弘精機サービスマン以外による修理・改造が施されている装置においての故障は保証対象外となりま
す。

必ず接地してください。
本装置は必ず接地してご使用ください。装置付属電源ケーブルの 3 極電源プラグ部を、3 極電源コンセン
トに接続すれば自動的に接地されます。

必ず電源電圧をご確認ください。
本装置は、『5-3.電源接続と接地』頄に記載されている電源条件で動作します。電源を接続する前に、電
源電圧が本装置の定格に適合しているかご確認ください。
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3- 2. レ ーザ 注 意

レーザ光を直視しないでください。
本装置は「レーザ」を使用します。(JIS 安全クラス 3B)
必ず付属の「レーザゴーグル」を装着のうえ、「レーザ」の操作を行ってください。

必ず光学ベンチの扉は閉めてご使用ください。
本装置は「レーザ」を使用します。(JIS 安全クラス 3B)
安全のため、測定の際は光学ベンチの扉を閉めてご使用ください。
又、装置主電源 ON/OFF 時、一瞬「レーザ光」が出力されますので、扉が閉まっていることを確認してか
ら操作を行ってください。
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4. 製品概要
色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 は、色素増感太陽電池(DSC)に用いる材料設計・開発の指針を電子移動プロセ
スから得るために開発された測定評価システムです。
*1
本システムでは、SLIM-PCV 法(Stepped Light Induced Measurement of Photo-Current and Voltage) の測定理論
に基づきサンプルセルレベルにおける DSC の電子移動特性である「電子拡散係数(D)」および「電子寿命(τ)」を測定し
ます。
又、DSC セルの「電子拡散係数」および「電子寿命」は一般的に「電子密度」依存を持つことから、本システムではこの
*2
「電子密度(n)」を Charge Extraction 法 により測定します。
これらの測定により得られた「光強度依存性」を示すデータを基に解析プロット図を作成し、対象となる DSC セルの「電
子移動プロセス」傾向を考察・評価することで、より詳細な材料設計指針を得ることができます。
又、本システムは、サンプルセル劣化を調べるための「I-V カーブ」測定機能も搭載しております。
*1) Nakade,S.;Kanzaki,S.;Wada,Y.;Yanagida,S. Langmuir 2005, 21, 10803.
*2) Duffy,N.W.;Peter,L.M.;Rajapakse,R.M.G.;Wijayantha,K.G.U. Electrochemistry Communications 2000, 2, 658
4- 1. 製 品 の 主 な 機 能
色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 は下記の特長を備えています。
1. コンパクトなシステム構成
PSL-100は実際の研究現場での設置状況等を考慮し、「コンパクト」を重視した設計となっております。
「パーソナルコンピュータ」、「計測装置本体」、「光学ベンチ」および「レーザ操作管理機」により構成される測定評価
システムの設置スペースは、一般的な作業机1つで十分対応可能です。
2. 配線の簡素化
PSL-100は非常に簡単な配線接続作業を行うことで、容易に計測が可能です。
サンプルセルへのケーブル接続方法には「4 線式」を採用し、測定頄目ごとに接続を変更する必要がありません。
3. シンプルな操作性
PSL-100を用いたDSCサンプルセルの測定・評価は、全て付属の「ソフトウェア」により行われます。
ソフトウェア「メイン画面」から希望の測定頄目を選択し、パラメータ入力をするだけで「測定結果グラフ」および「測定
結果データ」を得ることができます。
測定データを決まったフォーマットの「ファイル名」で保存することにより、簡単に「解析プロット図」を作成できます。
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4- 2. シ ス テム 構 成
色素増感太陽電池評価装置PSL-100は下記の機器により、測定・評価システムを構成しています。
図 4-2-1. 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100
1. 計測装置本体:PSL-100-M
色素増感太陽電池評価装置の計測・制御部となります。
本装置によりサンプルセルの「短絡電流(Isc)」、「開放電圧(Voc)」計測、サンプルセルへの「バイアス電位印加」制御、
「レーザ光の光強度」制御などを行います。
2. 光学ベンチ:PSL-100-O
色素増感太陽電池評価装置の光学調整部となります。
本ベンチ内に測定対象となるDSCサンプルセルをセットします。
測定の励起光源となる「半導体レーザ」、照尃面積を調節する「レンズ」などの光学部品が装備されており、サンプル
セル受光面への光照尃調整を行います。
3. レーザ操作管理機: PSL-100-L
色素増感太陽電池評価装置に用いる「半導体レーザ」の操作管理部となります。
光学ベンチ内に設置されたレーザの取扱管理および安全に関わる制御を行います。
又、オプションとして追加された複数のレーザを切替える機能も装備しております。
4. パーソナルコンピュータ
専用のソフトウェアをインストールし、シリアルポートを介して計測装置本体とのデータ通信を行います。
この専用ソフトウェアにより「測定条件」の設定、「測定データ」の保存、「解析演算」が行われます。
又、「解析プロット図」の描画機能もソフトウェアに含まれております。
※本書では、以下「パーソナルコンピュータ」の表記部を「PC」と略記します。
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5. 使用前の準備
5- 1. 梱 包 内 容 および 外 観 の 確 認
はじめに、梱包内容をご確認ください。不足、または破損しているものなどがあった場合は、直ちに当社までご連絡く
ださい。
パネル面やつまみ、コネクタ類に傷やへこみがないことを確認してください。
表 5-1. 梱包内容
標準付属品
計測装置本体(PSL-100-M)
光学ベンチ(PSL-100-O)
レーザ操作管理器(PSL-100-L)
個数
詳細
1台
下記が付属しています。
1本
電源ケーブル:
3P コンセントプラグ型
1本
USBケーブル:
サンワサプライ社製:KU-AMB510
1本
サンプルセル接続ケーブル:
4芯シールド線、プラグ対クリップ
1本
予備ヒューズ:
ガラス管、φ6.4×30mm、250V/6A
2本
シールドケーブル:
黄/緑スパイラル線、1.5m
1台
下記が付属しています。
1枚
光学レンズ(平凸レンズ):
シグマ光機社製:SLB-30-60P
1枚
光学レンズ(平凹レンズ):
エドモンド社製:45020-H
1枚
標準半導体レーザ:
キコー技研社製:
MLX-D12-660-40-EOC2
1本
白金抵抗体:
Pt-100、留具付き
1式
光量センサ:
ML-020SLV BNC変換プラグ付き
1式
光学部品取付けベース板:
予備用スペーサ
1個
レーザゴーグル:
山本光学社製:YL-331M
1台
下記が付属しています。
1本
装置電源ケーブル:
3Pコンセントプラグ型
1本
レーザ制御信号ケーブル:
2芯シールド線、両端プラグ
1本
予備ヒューズ:
φ6.4×30mm、250V/3A
ノート型PC
1台
下記がプレインストールされています:
®
Microsoft Windows7 Home Premium 64bit 日本語版
専用ソフトウェア”PSL-100”
システム通信用ドライバ
CD-ROM
1枚
取扱説明書(本書)、ソフトウェアPSL-100、通信用ドライバ
検査証
1部
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5- 2. 設 置
1. 安全の確認
本装置を安全にご使用いただくため、取扱説明書の『3. 安全にお使いいただくために』をはじめにお読みください。
また、PSL-100 を設置する際には、安全のため下記の事頄をお守りください。
2. 設置位置
計測装置本体(PSL-100-M),光学ベンチ(PSL-100-O)および、レーザ操作管理機(PSL-100-L)の底面にはゴム足
があります。
必ずゴム足が平らな面に乗るよう設置してください。
3. 設置場所

PSL-100は「屋内使用」を前提として設計・製作されております。
必ず屋内にてご使用ください。

計測装置本体(PSL-100-M)および、レーザ操作管理機(PSL-100-L)横面には通風スリットがあります。
装置内部温度が異常上昇しないよう、この面をふさがないスペースを確保してください。

光学ベンチ(PSL-100-O)は測定の都度扉を開閉します。
扉開閉の障害とならない場所をお選びください。

本製品では「半導体レーザ」を使用します。
レーザ光の位置が目の高さと同じになる場所への設置はおやめください。
4. 設置環境条件
屋内でありましても、以下の温湿度環境条件をお守りください。
・周囲温度
: +10℃~+40℃
・湿度
: 70%以下(但し、結露のないこと)
屋内でありましても、次のような場所には設置しないでください。
・可燃性ガスのある場所。
・直尃日光の当たる場所。
・腐食性ガスや多量の塵埃が発生する場所。
・電磁界発生器、高電圧機器に近接する場所。
・振動の激しい場所。
警告・注意:

装置異常発熱、発煙、発火の恐れがありますので、必ず上記事頄をお守りください。

装置落下などによる事故の原因となりますので、必ず上記事頄をお守りください。

レーザ光により失明する恐れがありますので、必ず上記事頄をお守りください。

手や指をはさむなど事故の原因となりますので、必ず上記事頄をお守りください。
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Pg. 10
5- 3. 電 源 接 続 と接 地
装置を安全にご使用いただくため、下記電源条件および接地をお守りください。
1. 接地
本装置は必ず接地してご使用ください。
装置付属電源ケーブルの3極電源プラグ部を、3極電源コンセントに接続すれば自動的に接地されます。
本装置には「3極-2極 変換アダプタ」が付属しておりませんが、この変換アダプタを使用する際には必ず接地線を
接地端子に接続してください。
2. 電源条件
本装置は必ず下記の電源条件でご使用ください。
・電圧範囲:
AC100V ±10%
・周波数範囲:
50Hz/60Hz
・消費電力:
25VA以下 (計測装置本体のみ)
本装置は特別なご指示が無い場合、国内向けAC100V仕様で出荷されます。
この他の用途でご使用される場合には、当社までご連絡ください。
3. 電源の接続
本装置ご使用の際は、必ず付属の電源ケーブルを用い、下記の項で接続を行ってください。
(1)
レーザ操作管理機(PSL-100-L)背面の電源インレットに電源ケーブルを接続し、計測装置本体(PSL-100-M)
背面のサービスコンセントへ接続します。
(2)
計測装置本体(PSL-100-M)背面の電源インレットに電源ケーブルを接続します。
(3)
電源ケーブルの3極電源プラグ部を、商用電源(3極電源コンセント)へ接続します。
警告・注意:

装置異常発熱、発煙、発火の恐れがありますので、必ず上記事頄をお守りください。

感電の恐れ、および装置破損の原因となりますので、必ず上記事頄をお守りください。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 11
6. 製品取扱方法
6- 1. 各 部 の 名 称 と はた ら き
本装置を安全に正しくご使用いただくため、色素増感太陽電池評価装置構成機器のはたらきを説明します。
1. 計測装置本体(PSL-100-M)
色素増感太陽電池評価装置の計測・制御部となり、以下の機能を有しております。
(1)

色素増感太陽電池(DSC)サンプルセルの短絡電流(Isc)計測

DSCサンプルセルの開放電圧(Voc)計測

DSCサンプルセルへの「バイアス電位印加」制御

DSCサンプルセル受光面への「レーザ光照尃」制御

「レーザ光強度」モニター

光学ベンチ(PSL-100-M)内部温度計測
フロントパネル部
計測装置本体の「フロントパネル部」は次図(図6-1-1)となります。
④
①
②
③
図 6-1-1. 計測装置本体フロントパネル
①
POWER:
計測装置本体の「主電源ボタン」となります。
本ボタンを押し「黄緑色灯」が点灯しますと装置主電源がONとなり、アイドリング状態
となります。再度ボタンを押し「黄緑色灯」が消灯しますと装置主電源がOFFとなりま
す。
警告&注意:
②
RESET:
必ず、光学ベンチの扉が閉まっていることを確認してから操作を行ってください。
計測装置本体の「リセットボタン」となります。
本ボタンを押しますと計測装置本体の動作がリセットされ、アイドリング状態へと戻り
ます。
計測装置本体の主電源をONとしたままソフトウェアを再起動する場合には、本ボタ
ンを押しリセットしてください。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 12
③
計測装置本体の「エラーランプ」となります。
ERROR:
装置にエラーが発生しますと「燈色灯」が点灯します。
本ランプが点灯した際には「②RESET」ボタンを押し、装置をリセットしてください。
警告&注意:
④
本装置に異常を感じましたら直ちに使用を中止し、電源ケーブルを抜いてください。
計測装置本体内部の各計測回路リア
DISPLAY:
ルタイムモニターです。
主 電 源 を ON し ま す と 初 期 化 画 面 の
後、右図(図6-1-2)のように数値表示を
行います。
図 6-1-2. DISPLAY 表示例
(2)
リアパネル部
計測装置本体の「リアパネル部」は次図(図6-1-3)となります。
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
④
③
②
①
図 6-1-3. 計測装置本体リアパネル
①
計測装置本体への電源取り込み口です。
AC-IN
必ず付属の電源ケーブルをご使用ください。
警告&注意:
 感電および装置損傷の原因となりますので、必ず上記事頄をお守りください。
 感電および装置損傷の原因となりますので、本装置は必ず接地してご使用くだ
さい。
②
周辺機器への電源(商用電源)供給用のサービスコンセントです。
AC-OUT
2つのコンセント口合わせて3[A]以下でご使用ください。
警告&注意:
③
6A (FUSE)
思わぬ事故および装置損傷の原因となりますので、必ず上記事頄をお守りください。
計測装置本体の電源ライン保護用ヒューズです。
φ6.4×30mm、250V/ 6Aのガラス管ヒューズを使用しております。
警告&注意:
思わぬ事故および装置損傷の原因となりますので、必ず上記定格をお守りください。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 13
④
計測装置本体の筐体を接地するためのアース端子です。
FG
又、測定データへのハムノイズ混入を防止するため、付属のシールドケーブルを用
い、本FG端子と光学ベンチ(PSL-100-O)筐体間および、本端子とレーザ操作管理
機(PSL-100-L)のFG端子間を接続します。
警告&注意:
感電および装置損傷の原因となりますので、本装置は必ず接地してご使用くださ
い。
⑤
USB、RS-232C
計測装置本体と専用ソフトウェアがインストールされたPC間の通信ポートです。
通常はUSB側を使用します。(両方同時には使用できません。)
⑥
Laser Cont
測定に用いる半導体レーザの制御信号出力口となります。
付属の「レーザ制御信号ケーブル」を用い、本コネクタとレーザ操作管理機
(PSL-100-L)”IN”コネクタ間を接続します
⑦
Sensor
付属の「光量センサ(ML-020SLV)」を接続する端子で、BNC-バナナチップジャック
変換プラグを用いて接続します。
光量センサを接続することにより、装置フロントパネル部「④DISPLAY」の”Photo”欄
に計測値を表示します。(センサの電流出力100mA当たり200mVに変換し表示しま
す。参考値としてご使用ください。)
⑧
CELL
付属の「セル接続ケーブル」を接続する端子です。
⑨
Darkroom-Temp、
付属の「白金抵抗体(Pt-100)」を接続する端子です。通常は ”Darkroom-Temp” 側
Reverse-Temp
を使用します。
白金抵抗体を接続しますと、装置フロントパネル部「④DISPLAY」の”Dark-Temp”欄
に計測温度値を表示します。(参考値としてご使用ください。)
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Pg. 14
2. 光学ベンチ(PSL-100-O)
色素増感太陽電池評価装置の光学調整部となります。
本ベンチ内に測定対象となるサンプルセルをセットし、励起光源となる「レーザ」、照尃面積を調節する「レンズ」など
の光学部品を調整することで、サンプルセル受光面への光照尃を行います。
図 6-1-4. 光学ベンチ
(1)
光学ベンチの開閉
a.
光学ベンチの開け方
光学ベンチ正面の把手部を両手で握り、前扉を手前へ引きます。次に、上扉を静かに上げます。
b.
光学ベンチの閉め方
光学ベンチ上扉を静かに下ろします。次に、前扉をしっかりと閉めます。
警告・注意: 手や指をはさむなど事故の原因となりますので、必ず上記事頄をお守りください。
c.
光学ベンチ扉開閉スイッチ
光学ベンチ内部には測定に用いる「半導体レーザ」が設置されています。
このレーザは「JISレーザ製品の安全基準(JISC 6802)」において「クラス3B」に相
当する、非常に強い光強度を発するものとなります。
このため本システムでは安全性を考慮し、光学ベンチ扉開閉状態を常時監視する
ためのスイッチを取り付けております。(図6-1-5)
本スイッチはレーザ操作管理機(PSL-100-L)と連動しており、システム操作中にベ
ンチ前扉を開けた場合、レーザから発せられる光の強度を即座に安全と見なされ
図 6-1-5. 扉開閉スイッチ
るレベルまで減光するよう動作します。
通常の操作において、ユーザーが本スイッチに触れることのないよう取り付け位置の設計を行っておりま
すが、「意図的に物を詰め込む」などの行為をされますと、安全機能が正常に作動しなくなります。十分に
ご注意ください。
警告・注意:

装置破損の恐れがありますので、必ず上記事頄をお守りください。

本システムでは“JIS 安全クラス 3B”のレーザを使用します。取り扱いには十分ご注意ください。
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Pg. 15
(2)
光学部品構成
光学ベンチの内部は次図(図6-1-6)となります。
③
①
⑤
②
④
⑥
図 6-1-6. 光学ベンチ内部
①
XYZ軸ステージ:
半導体レーザを固定するためのステージです。
通常のSLIM-PCV法測定で必須の光学部品となります。
②
バータイプレンズホルダー:
付属の「平凹レンズ(45020-H)」を搭載するためのレンズホルダーです。
③
レンズホルダー:
付属の「平凸レンズ(SLB-30-60P)」を搭載するためのレンズホルダーです。
通常のSLIM-PCV法測定で必須の光学部品となります。
④
マルチプル
フィルタホルダー:
⑤
ハーフミラー:
レーザからの照尃光量を「NDフィルタ」などで減光させる場合に使用するホ
ルダーです。
レーザからの照尃光線を水平方向50%、直角方向50%に振り分けるミラー
です。
⑥
X軸ステージ:
測定対象となるDSCセルを設置するステージです。
通常のSLIM-PCV法測定で必須の光学部品となります。
(3)
光学部品セッティング
a. 光学ベンチレール
各光学部品は光学ベンチ内の「レール」上に固定されています。
それぞれの距離調整のため光学部品を移動させる際には、部品
ベース部を固定している「ローレットつまみ(2箇所)」を尐し弛め、
「レール」に沿って移動させます。
図 6-1-7. 光学ベンチレール
移動位置が決まりましたら、「ローレットつまみ」をしっかりと締め「レール」上に固定します。
尚、この「レール」と平行して「スケール」が取り付けられておりますので、移動の際の目安としてください。
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Pg. 16
b. 光学部品の取外しとポストの高さ調整
各光学部品はポストに取付けられております。
取外しの際は、ポスト横にあるつまみを弛め、光学部品を上方向へ
サポート
引き抜きます。
各光学部品の高さ調整を行う場合にも同様に、ポスト横にあるつま
ポスト
みを弛め、部品を上下させます。
高さ位置が決まりましたら、まず「サポート」から固定し、向きを調整
図 6-1-8. 光学ベンチポスト
してから「ポスト」を固定します。
c. レーザの取付け
XYZ軸ステージに取り付けられたレーザホルダーには、最大2種の
レーザを搭載することができます。(図6-1-9)
ホルダーの下部には、レーザ本体を安定させるための溝が2本彫ら
れていますので、標準のレーザのみ搭載する場合はXYZ軸ステー
ジ取付面から見て内側(奥側)の溝に合わせて、オプションのレーザ
を追加する場合にはXYZ軸ステージ取付面から見て外側(ドア側)の
溝に合わせて、それぞれ固定します。
図 6-1-9. レーザホルダー
レーザを搭載する際は、先ずホルダー上部中央寄りにあるローレッ
トネジが弛められていることを確認のうえ、ホルダー後方からレーザ発光部を溝上滑らすよう挿入します。
レーザの照尃口がホルダー前面から出ましたら、先程のローレットネジで押さえるように締めつけ、レーザ
を固定します。(図6-1-10)
ローレットネジ
図 6-1-10. レーザ取付
(4)
レンズホルダーへのレンズ取付け
レンズホルダーの「押さえ部」横にある2つのつまみを弛め、ガイドに沿って上方向へ動かします。
レンズホルダー「支持部」にある切り込みに合わせて「レンズ」を装着します。
「レンズ」を指で固定しながら上からゆっくりとホルダー「押さえ部」を下ろし、「レンズ」上部に軽く触ったところで
2つのつまみを締めます。
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Pg. 17
最後に「押さえ部」上側にあるつまみを締めて行き、レンズを固定します。
押さえ部
支持部
図 6-1-11. レンズの取付け
(5)
サンプルセルの取付け
サンプルセルホルダーの「押さえ部」横にある2つのつまみを弛め、ガイ
ドに沿って上方向へ動かします。
押さえ部
サンプルセルホルダー「支持部」にある絶縁シートの上に「サンプルセ
絶縁シート
ル」を装着します。
この時、サンプルセルの電極部分がホルダー金属部に接触しないよう
支持部
十分注意をしてください。
「サンプルセル」を指で固定しながら上からゆっくりとホルダー「押さえ
部」を下ろし、セル上部に軽く触ったところで2つのつまみを締めます。
最後に「押さえ部」上側にあるつまみを締めて行き、セルを固定します。
(6)
図 6-1-12. セルの取付け
ハーフミラーの取外しと高さ調整
ハーフミラーは2つのナットで「支持台」に固定されており
ます。
固定ナット
取外しの際には、必ずハーフミラー部を手で支えながら、
固定しているナットを外します。
高さ調整を行う場合も同様に、必ずハーフミラー部を手
で支えながら、固定しているナットを弛めます。
高さ位置が決まりましたら、2つのナットを締めて固定し
ます。
警告・注意:
図 6-1-13. ハーフミラーの取外し

手や指をはさむなど事故の原因となりますので、必ず上記事頄をお守りください。

無理な取り扱い又は操作を行った場合、破損の原因となりますので、必ず上記事頄をお守りください。
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3. レーザ操作管理機(PSL-100-L)
色素増感太陽電池評価装置に用いる「半導体レーザ」の操作管理部となります。
本システムで使用する「半導体レーザ」は「JISレーザ製品の安全基準(JIS C 6802)」において「クラス3B」に相当し
ますので、その取り扱いには十分な注意が必要となります。
このため、本機は制御装置本体(PSL-100-M)および、光学ベンチ(PSL-100-O)との連動機能を含め、以下の安全
機能を備えております。
①
発光警告機能
光学ベンチ(PSL-100-O)内で半導体レーザが発光している間は常に赤色表示灯を点
灯させ、視覚的な警告を行います。
②
減光機能
半導体レーザが発光している状態で光学ベンチ(PSL-100-O)の扉を開けた場合、レー
ザから出力される光の強度を、速やかに安全と見なされるレベルまで減光します。
③
キー制御機能
半導体レーザの操作をおこなえるユーザーが特定可能となるよう、ユーザーキー(鍵)
が設けられています。所定の箇所に鍵が挿入されない限り、半導体レーザを発光させ
ることはできません。
④
非常停止機能
半導体レーザの発光中、動作に異常を感じた場合には、押しボタン1つを押下するだ
けでレーザ光出力を遮断することができます。
又、本機はオプションのレーザを追加した際、複数のレーザ操作を切り替える機能も有しております。
警告&注意:
本システムでは「JIS安全クラス3B」のレーザを使用します。取り扱いには十分ご注意
ください。
(1)
フロントパネル部
レーザ操作管理機(PSL-100-L)の「フロントパネル部」は次図(図6-1-14)となります。
③
④
②
⑤
⑥
①
⑦
図 6-1-14. PSL-100-L フロントパネル
①
POWER:
レーザ操作管理機の「主電源ボタン」となります。
本ボタンを押し「緑色灯」が点灯しますと機器主電源がONとなります。
再度ボタンを押し「緑色灯」が消灯しますと機器主電源がOFFとなります。
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②
STATUS LEDブロック:
計測装置本体(PSL-100-M)および、光学ベンチ(PSL-100-O)との連動状態、又、
自機(PSL-100-L)の管理状態をLEDで表示します。
a.
MAIN UNIT POWER ON:
計測装置本体(PSL-100-M)の主電源状態を緑色LEDで表示します。
装置の主電源がONの場合に点灯、OFFの場合に消灯となります。
b.
自機(PSL-100-L)のレーザ使用許可(認証)状態を緑色LEDで表示しま
USER KEY ON:
す。
「⑤USER KEY」にレーザ使用者キー(鍵)を挿入し、ON位置へ回転させ
ますと点灯、OFF位置へ回転あるいは鍵が挿入されていない場合に消灯
となります。
c.
光学ベンチ(PSL-100-O)の扉開閉状態を緑色LEDで表示します。
DOOR CLOSED:
ベンチ扉が閉じている場合に点灯、開いている場合に消灯します。
レーザ光が出力されている状態で本LEDが消灯しますと(ベンチ扉が開
状態)、レーザから出力される光の強度は強制的に安全と見なされるレベ
ルまで減光します。
d.
MEASUREMENT MODE:
「③c.ON」ボタンが点灯中に光学ベンチの扉が閉まりますと、SLIM-PCV
測定実行モードへと移行し、本LEDが緑色に点灯します。
③
LASER LEDブロック:
a.
レーザの出力管理状態をLEDおよび、ランプで表示します。
レーザの出力許可条件が未完である場合、黄色LEDの点灯によりOFF
OFF:
状態であることを示します。又、外部インターロック信号がON状態の場
合、黄色LEDの点滅によりOFF状態であることを示します。
本LEDの点灯中又は点滅中は、「③c.ON」ボタンの操作が無効となり、
レーザを発光させることはできません。
b.
「②a.MAIN UNIT POWER ON」LEDおよび、「②b.USER KEY ON」
READY:
LEDの両灯が点灯している場合、レーザの出力許可条件が完了となりま
すので、緑色LEDの点灯によりレーザの発光準備完了(READY)状態で
あることを示します。
本LEDが点灯しますと、「③c.ON」ボタンの操作が有効となります。
c.
レーザの光出力をON/OFFする「操作ボタン」です。
ON:
「③b.READY」LEDが点灯中に本ボタンを押下しますと、ボタンが赤色に
点灯しレーザからの光出力を開始します。
レーザ光出力中に再度本ボタンを押下しますと光出力を止めボタンも消
灯し、READY状態へと戻ります。
尚、光学ベンチの扉が開いた状態でレーザ光出力を開始しますと、安全
と見なされるレベルまで減光された光が出力されます。
④
SELECT LEDブロック:
オプションのレーザを追加し複数のレーザを用いて測定を行う際、最大3系統のう
ち現在どのレーザが選択されているかを燈色LEDで示します。
レーザの選択操作はLED下部にある「セレクタスイッチ」で行います。
尚、何れかのレーザ光出力中に他のレーザへと切替操作を行った場合、安全の
ため「セレクタスイッチ」を切替えたタイミングでレーザからの光出力を遮断しま
す。
※ 通常の出荷時、本セレクタスイッチは“1”と“2”の選択のみとなります。
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⑤
USER KEY:
レーザ使用者キー(鍵)の挿入溝です。
本鍵溝に専用キーを差し込み、ON位置へ回転させますと、レーザの使用許可
(認証)状態となり、「②b.USER KEY ON」LEDが点灯します。
専用キーがOFF位置にある場合のみ、キーの抜き差しが可能です。
⑥
RELEASE:
通常時は安全性を考慮し、光学ベンチの扉を開けた状態でレーザからの光出力
をONした場合、安全と見なされるレベルまで減光された光を出力しますが、光学
ベンチの扉を開けた状態で任意の光強度にレーザ光を設定したい場合、本ボタ
ンを使用します。
「光学ベンチの扉が開いている状態」且つ「レーザからの光出力がONの状態」で
本ボタンを押下しますと、ボタンが燈色に点滅し減光出力機能が解除されます。
ボタンが燈色に点滅している間はソフトウェアからのレーザ制御が可能となりま
すので、任意の光強度をソフトウェア画面上から設定します。
本ボタン点滅中に再度ボタンを押下しますと消灯し、減光出力機能が回復しま
す。
⑦
ADJUST
レーザから減光された光が出力されている際、その光強度を微調整するために
設けられた可変抵抗器です。
精密ドライバー(マイナス)等を用い、時計回り方向に回転させますと光強度が微
増し、反時計回り方向に回転させますと光強度が微減します。
ソフトウェアからの光強度設定値、概ね0.500V~0.900Vに相当する値の間で微
調整可能です。
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(2)
リアパネル部
レーザ操作管理機(PSL-100-L)の「リアパネル部」は次図(図6-1-15)となります。
④
⑥
②
⑤
①
③
図 6-1-15. PSL-100-L リアパネル
①
レーザ操作管理機への電源取り込み口です。
AC-IN:
必ず付属の電源ケーブルを使用します。
警告&注意:

感電および装置損傷の原因となりますので、必ず上記事頄をお守りくださ
い。

感電および装置損傷の原因となりますので、本装置は必ず接地してご使用
ください。
②
レーザ操作管理機の電源ライン保護用ヒューズです。
FUSE 3A:
φ6.4×30mm、250V/3Aのガラス管ヒューズを使用しております。
警告&注意:
思わぬ事故および装置損傷の原因となりますので、必ず上記事頄をお守りくださ
い。
③
レーザ操作管理機の筐体を設置するためのアース端子です。
FG:
又、測定データへのハムノイズ混入を防止するため、付属のシールドケーブルを
用い、本FG端子と計測装置本体(PSL-100-M)のFG端子間を接続します。
警告&注意:
感電および装置損傷の原因となりますので、本装置は必ず接地してご使用くださ
い。
④
LASER CONTROL
コネクタブロック:
a.
IN:
レーザへの「電源供給」および「制御信号」の入出力コネクタブロックです。
計測装置本体(PSL-100-M)からの制御信号入力コネクタです。
付属の「レーザ制御信号ケーブル」を用い、本コネクタと計測装置本体
(PSL-100-M)”Laser Cont”コネクタ間を接続します。
b.
OUT-1:
標準レーザの接続コネクタです。
フロントパネルのレーザセレクタスイッチ “1” が選択されている場合、本
コネクタに接続されたレーザへ制御信号を送ります。
c.
OUT-2:
オプションレーザの接続コネクタです。
フロントパネルのレーザセレクタスイッチ “2” が選択されている場合、本
コネクタに接続されたレーザへ制御信号を送ります。
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Pg. 22
d.
オプションレーザの接続コネクタです。
OUT-3:
フロントパネルのレーザセレクタスイッチ “3” が選択されている場合、本
コネクタに接続されたレーザへ制御信号を送ります。
⑤
端子台:
光学ベンチとの連動接点信号入力用および、外部インターロック接点信号入力
用の端子台です。
a.
光学ベンチに取り付けられたドア開閉スイッチからの連動信号ケーブル
DOOR SW:
を接続します。“+” 側にケーブル白端子を、”-“ 側にケーブル黒端子を
接続します。
b.
緊急時、外部からの接点信号によりレーザの出力を強制遮断することが
INTER LOCK:
できます。(インターロック機能)
外部にスイッチなどを用意し、端子台の “+”、”-“ 間を短絡(ショート)させ
ますと、短絡させている間、レーザの発光を禁止状態に保持できます。
⑥
EXT. DO コネクタ:
外部拡張用信号を出力するコネクタで、レーザの動作状態に同期した下記信号を
出力します。
尚、出力信号の仕様は装置内部電気信号グランドと絶縁されたトランジスタによる
電流出力回路方式を採用しております。(最大駆動電流は10mAとなります)
EXT.DOの回路概要と一般的な信号受信回路例を次図(図6-1-16)に記します。
図 6-1-16. EXT. DO 回路
a.
LASER ON (1pin-8pin間):
フロントパネルLASERブロックの“ON”ボタンと同期した信号を出力し
ます。1pinが“DO+”、8pinが“DO-”となります。
ボタンが点灯中はドライブ電流が出力されます。
b.
RELEASE (2pin-9pin間):
フロントパネル“RELEASE”ボタンと同期した信号を出力します。
2pinが“DO+”、9pinが“DO-”となります。
ボタンが点灯中はドライブ電流が出力されます。
c.
INTER LOCK (3pin-10pin間):
リアパネル端子台の“INTER LOCK”信号と同期した信号を出力しま
す。3pinが“DO+”、10pinが“DO-”となります。
“INTER LOCK”が“ON”の場合、ドライブ電流が出力されます。
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Pg. 23
6- 2. 構 成 機 器 間 の 接 続
色素増感太陽電池評価装置の構成機器間接続方法は下図(図6-2-1)のようになります。
図 6-2-1. 構成機器間接続
各ケーブルを接続する際には、コネクタ形状および向きに十分注意してください。
無理な脱着を行いますと、装置破損の原因となります。
警告・注意: 装置破損の恐れがありますので、必ず上記事頄をお守りください。
又、ご自身でコネクタおよびプラグの改造を行わないでください。
改造の必要が生じた際には、当社までご連絡ください。
警告・注意:
思わぬ事故および装置破損の原因となりますので、ご自身での改造は絶対に行わない
でください。
① USBケーブル
専用ソフトウェアがインストールされたPCと計測装置本体(PSL-100-M)の”USB” コネクタ間を接続します。
② 白金抵抗体ケーブル
光学ベンチ(PSL-100-O)内に設置された白金抵抗体(Pt-100)のケーブルを、計測装置本体(PSL-100-M)の
“Darkroom-Temp” コネクタへ接続します。
③ 光量センサーケーブル
光学ベンチ(PSL-100-O)内に設置された光量センサ(ML-020-SLV)のケーブルを、計測装置本体(PSL-100-M)
の “Sensor” コネクタへ接続します。
尚、センサーケーブルの先端処理とコネクタの形状が異なりますので、付属のBNC-バナナチップジャック変換
プラグを介して装置本体と接続してください。
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④ セル接続ケーブル
測定に用いる色素増感太陽電池サンプルセルと計測回路を結ぶケーブルで、計測装置本体 (PSL-100-M)
の”Cell” コネクタにケーブルのプラグ側を接続します。
又、本ケーブルの逆端側は「ワニ口クリップ」加工され、4本に別れております。
「赤クリップ」のついた2線をセルの正極(+)側へ
「黒クリップ」のついた2線をセルの負極(-)側へ
それぞれ接続します。(図6-2-2)
⑤ レーザ制御信号ケーブル
レーザへの制御信号を転送するケーブルです。
計測装置本体(PSL-100-M)の ”Laser Cont” コネクタとレーザ操作管
理機(PSL-100-L)の “IN” コネクタ間を本ケーブルで接続します。
⑥ レーザケーブル
図 6-2-2. セルへの接続
光学ベンチ(PSL-100-O)内に設置されたレーザのケーブルを、レーザ
操作管理機(PSL-100-L)の“OUT-1” コネクタへ接続します。
オプションのレーザが追加されている場合には、追加されたレーザの数に応じ“OUT-2”、“OUT-3”コネクタへ項に
接続します。
⑦ ドア開閉スイッチ連動信号ケーブル
光学ベンチ(PSL-100-O)内に設置されたドア開閉スイッチからの連動信号ケーブルを、レーザ操作管理機
(PSL-100-L)の端子台 “DOOR SW” へ接続します。
“+” 側にケーブル白端子を、”-“ 側にケーブル黒端子を接続します。
⑧ シールドケーブル
測定データへのハムノイズ重畳を極力抑えるため、計測装置本体 (PSL-100-M)のFG端子と光学ベンチ
(PSL-100-O)筐体間および、計測装置本体(PSL-100-M)FG端子とレーザ操作管理機(PSL-100-L)FG端子間
をシールドケーブルで接続し、各筐体間を同電位とします。
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7. 測定原理
*1
本システムでは測定・評価の手法として SLIM-PCV 法 を採用し、サンプルセルレベルにおける DSC の電子移動特性で
ある「電子拡散係数(D)」および「電子寿命(τ)」を測定します。
又、DSC セルの「電子拡散係数」および「電子寿命」は一般的に「電子密度」依存を持つことから、本システムではこの「電
*2
子密度(n)」を Charge Extraction 法 により測定します。
ここでは、
「電子拡散係数」、
「電子寿命」および「電子密度」の測定原理について説明します。
1. 電子拡散係数
SLIM-PCV法による「電子拡散係数」の測定は、DSCセルの受光面に対する照尃光強度をステップ状に微小変化さ
せ、この時セルから出力される短絡電流(Isc)の「過渡応答波形」を測定・解析することで行われます。
この測定法における「電子拡散係数」とは、以下の式により算出されます。
上式(1)の定数 “τc” は、測定により得られた「電流過渡応答波形」に対して “exp ( -t / τc )” のフィッティングを行うこ
とで求められる値となります。
2. 電子寿命
SLIM-PCV法による「電子寿命」の測定は、DSCサンプルセルの受光面に対する照尃光強度をステップ状に微小変
化させ、この時セルから出力される開放電圧(Voc)の「過渡応答波形」を測定・解析することで行われます。
この測定法における「電子寿命」とは、以下の式により定義されます。
色素増感太陽電池では、照尃光強度の微小変化における「過渡電圧」は「電子密度」に比例すると近似できるため、
「過渡電圧の変化」は「電子密度の変化」と考えられます。
そこで定義式(2)より、開放状態にある色素増感太陽電池に対し、光強度を微小変化させた際の「電圧過渡応答波
形」に対し “exp ( -t / τ )” のフィッティングを行うことで電子寿命(τ)を求めることができます。
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3. 電子密度
色素増感太陽電池サンプルセルの受光面に対し光を照尃しますと、セルから短絡電流(Isc)が出力されます。
この短絡電流状態にあるセルに対して、外部から「バイアス電位」を徐々に印加して行きますと、その光強度におけ
るセル開放電圧(Voc)と「バイアス電位」が等しくなった時、短絡電流(Isc)は“0”となります。
仮想的に「開放電圧状態」となったセルへの「光照尃」と「バイアス電位の印加」を同時に「OFF」しますと、セル半導
体電極内部に蓄えられた「電子」が「電流過渡応答」というかたちで出力されます。
この「電流過渡応答」を波形として捉え「時間積分」を行い、「半導体電極体積で除算」することで電子密度(n)が求ま
ります。
参考文献
*1)
Nakade,S.;Kanzaki,S.;Wada,Y.;Yanagida,S. Langmuir 2005, 21, 10803.
*2)
Duffy,N.W.;Peter,L.M.;Rajapakse,R.M.G.;Wijayantha,K.G.U. Electrochemistry Communications 2000, 2,
658
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
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8. PC およびソフトウェア
色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 による測定操作は、全て専用のソフトウェアにより行われます。
ここでは、このソフトウェアをインストールしたPCについて説明します。
尚、本装置出荷時には最新のソフトウェアがインストールされておりますが、ご自身で別のPCにソフトウェアをインストー
ルされる場合には『A-1. ソフトウェアのインストールと削除』を参照ください。
計測装置本体とPC間の通信を行うためには、「USBポート」又は「RS-232Cポート」のいずれかを使用しますが、ここでは
当社標準と定める「USBポート」使用での設定について説明します。
又、オペレーティングシステム(以下「 OS」と略記)に関しましては、「Microsoft
®
®
WindowsXP」および、「Microsoft
Windows7」での操作について説明します。
®
その他の OS をご使用の場合、又は「Windows 」自体の操作方法詳細につきましては、各 OS の[ヘルプ(H)]機能等を参
照願います。
8- 1. 通 信 ポー トの 設 定
1. 通信ポートの確認
本ソフトウェアがインストールされたPCと計測装置本体(PSL-100-M)の間を「USBケーブル」で接続し、計測装置本
体の主電源をONにします。
(1)
Windows7
PC画面内、「デスクトップ」左下にあります[スタートボタン]→[コントロールパネル]を選択し、「コントロールパ
ネル」画面を起動します。
頄目の中から[システムとセキュリティ]を選択します。
図 8-1-1. コントロールパネル
「システムとセキュリティ」画面へと進みますので、この中から[システム]→[デバイスマネージャー]を選択します。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
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「デバイスマネージャー」画面内、[ポート(COMとLPT)]頄目に[USB Serial Port (COM$)]という表示がありま
す。この “$” に該当する番号が計測装置本体との通信ポートとなります。
次図(8-1-2)の例では “COM4” が割り当てられた通信ポートとなります。
図 8-1-2. デバイスマネージャー
2. ソフトウェア:通信ポートの設定
PC画面内、「デスクトップ」上にあります[PSL-100]アイコン(図8-1-3)をダブルクリックし、PSL-100ソフトウェアを起
動させます。
起動の際、次図(図8-1-4)のような「エラー画面」が表示される場合がありますが、この時は[OK]ボタンをクリックし、
操作を続けてください。
図 8-1-3. PSL-100 アイコン
図 8-1-4. COM ポートエラー
PSL-100ソフトウェアが起動し次図(図8-1-7)「メイン画面」へと進みましたら、画面左上の「メニューバー」から[ポート
選択(S)]を選択します。
ポート番号のリストが表示されますので、
この中から「デバイスマネージャー」で確
認したポート番号を選択し、チェックマー
クを付けます。
設定操作が終了しましたら、画面左上の
「メニューバー」から[ファイル(F)]→[終
了(X)]を選択し、ソフトウェアを終了させ
てください。
図 8-1-5. メイン画面とポート選択
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Pg. 29
8- 2. ソ フ トウ ェ ア 概 要
色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 による色素増感太陽電池サンプルセルの「測定」および「データ解析」操作
は、全て付属のソフトウェアによって行われます。
PSL-100ソフトウェアによる「測定」から「データ解析」までの流れは次のようになります。
図 8-2-1. 測定からデータ解析までの流れ
1. ソフトウェアによる測定
色素増感太陽電池サンプルセルの「電子拡散係数」および「電子寿命」には光強度依存性があるため、実際には上
図(図8-2-1)測定ブロックにある3つの測定を、異なる光強度でそれぞれ数回測定することになります。
例えば、サンプルセル受光面に対して「強めの光強度 “E1”」を照尃し「電子拡散係数測定」を行った場合の「電子拡
散係数 “D1”」と、「やや弱めの光強度 “E2”(E1>E2)」を照尃して測定した場合の「電子拡散係数 “D2”」では、“D1”の
方が “D2” より速くなる傾向を示します。
一方、サンプルセル受光面に対して「強めの光強度 “E1”」を照尃し「電子寿命測定」を行った場合の「電子寿命“τ1”」
と、「やや弱めの光強度 “E2”(E1>E2)」を照尃して測定した場合の「電子寿命“τ2”」では、“τ2”の方が“τ1”より寿命が長
くなる傾向を示します。
SLIM-PCV法では最終的にこのような光強度依存性を「解析プロット図」に描画し、測定に用いたサンプルセルの評
価指針としますので、光強度 “E1 > E2 > E3 > … > EN” となるような条件で「電子拡散係数測定」、「電子寿命測定」
および「電子密度測定」を行います。
PSL-100ソフトウェアでは最大8点の光強度までプロット図に表示できますが、経験的に光強度のポイントを4点
(N=4:E1 > E2 > E3 > E4)程度としますとセルの傾向をつかめるようになりますので、4点以上の測定を推奨します。
尚、本装置での「光強度」は光学ベンチ内の「レーザ光強度」初期値となりますので、この設定値を変えて測定を繰り
返します。
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Pg. 30
PSL-100ソフトウェアでは、次図(図8-2-2)のとおり光強度を変えて測定を行う毎に「測定結果データ」が1つ作成され、
電流や電圧の「計測値データ」等とまとめて1つの「測定データファイル(.par形式)」となり保存されます。
図 8-2-2. 各測定と光強度毎の測定結果データ
このことから1つのサンプルセルを測定しますと、10以上の「測定データファイル」が作成されることになります。
多数にわたるデータファイルを、次図(図8-2-3)のような「ファイル名」ルールに従い1つのフォルダー内に保存するこ
とで効率よく整理します。
図 8-2-3. 測定データファイル名ルール
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Pg. 31
(1) データファイル名には必ず3文字の「ヘッダ」が付きます。

1文字目は「測定頄目の識別文字」となり、それぞれの測定頄目により、下記のアルファベットが入り
ます。

電子拡散係数測定データ:
“D”
電子寿命測定データ:
“L”
電子密度測定データ:
“Q”
2文字目は「光強度の識別番号」となり、光強度が最も強い場合(E1)のデータであれば “1” が、次に
強い場合(E2)のデータであれば “2” というかたちで、「光強度の強い項」に数字が入ります。

3文字目は“_(アンダーバー)”が入り、後に続く「任意のファイル名」と区切ります。
(2) 3文字の「ヘッダ」の次に「任意のファイル名」を付けます。
「ヘッダ」の“_(アンダーバー)”に続けて「任意のファイル名」を付けます。
「サンプル名」、「測定年月日」など、判別しやすいファイル名とすることをお勧めします。
(3) 拡張子 “.par” が付きます。
PSL-100ソフトウェアにより計測されたデータには拡張子 “.par” が付きます。
“.par” は「カンマ区切りのテキストファイル」形式となります。
2. ソフトウェアによるデータ解析
SLIM-PCV法による色素増感太陽電池サンプルセルの評価は、次に示す4つの「解析プロット図」により行われます。
短絡電流密度 vs. 電子拡散係数
短絡電流密度 vs. 電子寿命
電子密度 vs. 電子寿命
電子密度 vs. 開放電圧
図 8-2-4. 解析プロット図
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Pg. 32
この「解析プロット図」描画に必要なデータは全て『8-2 ソフトウェア概要、1. ソフトウェアによる測定』により得られて
います。
①
電子拡散係数
2
(→電子拡散係数測定)
D [cm /s]
②
短絡電流密度
Jsc [mA/cm ]
(→電子拡散係数測定)
③
電子寿命
τ [s]
(→電子寿命測定)
④
開放電圧
Voc [mV]
⑤
電子密度
2
-3
n [cm ]
(→電子寿命測定、電子密度測定)
(→電子密度測定)
PSL-100ソフトウェアの「データ解析機能」では、これらが収録された「測定データファイル」を読み込むだけで自動的
に「データテーブル」を作成し、簡単に「解析プロット図」を描画できるよう設計されています。
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Pg. 33
9. 測定とソフトウェア操作
色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 による測定操作は、全て付属のソフトウェアによって行われます。
ここでは、「ソフトウェアの操作方法」と「SLIM-PCV法による測定」について説明します。
※
®
本章以降のソフトウェアに関する説明では、OSが「Microsoft Windows7」である場合を中心に説明しております。
®
その他のOSをご使用の場合、又は「Windows 」自体の操作方法詳細につきましては、各OSの「ヘルプ(H)」機能等
を参照ください。
9- 1. ソ フ トウ ェ ア の 基 本 操 作
色素増感太陽電池評価装置PSL-100に付属する専用ソフトウェアは、次に示す2種のソフトウェアによって構成され
ております。

PSL-100 ソフトウェア
測定およびデータ解析を行うためのメインソフトウェア。

PSL-100 Language Selector ソフトウェア
上記PSL-100ソフトウェアの画面に表記される言語を、「日本語」又は「英語」に切り替えるためのソフト
ウェア。
又、これら2種のソフトウェアは、ご使用頂くPCのOS仕様(「64bit版」又は「32bit版」)によりプログラム名が異なりま
すが、機能および操作方法は全て同じとなります。

64bit版 WindowsOSの場合 → “PSL-100_64”、 “PSL-100 Language Selector_64”

32bit版 WindowsOSの場合 → “PSL-100_32”、 “PSL-100 Language Selector_32”
1. 画面表記言語の設定
PSL-100ソフトウェアは、画面に表記される言語を「日本語」又は「英語」の何れかに設定可能なバイリンガル機能を
有しております。
PSL-100ソフトウェアをPCにインストールしますと、”WindowsOS”のバージョン、言語を問わず画面表記は英語とな
ります。
お使いの”WindowsOS”自身に「日本語用フォント」が予めインストールされている場合、PSL-100ソフトウェアの画
面表記を英語から日本語へと変更することができます。
ここでは、この画面表記言語を切り替えるために用いるPSL-100 Language Selector ソフトウェアの操作方法につ
いて説明します。
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
言語切替ソフトウェア “PSL-100 Language Selector” の起動
PSL-100ソフトウェアがインストールされているPCのデスクトップ画面左下にあります[スタートボタン]→[すべ
てのプログラム]を選択し、表示されたプログラム一覧の中から[PSL-100]フォルダーをクリックします。
[PSL-100]フォルダー内にあるプログラム一覧の中から[PSL-100 Language Selector_64]をクリックし、言
語切替ソフトウェアを起動します。
尚、PCの機種により、プログラム名が[PSL-100 Language Selector_32]となりますが、機能および設定方
法は変わりません。
図 9-1-1. “PSL-100 Language Selector” の起動

言語切替ソフトウェア “PSL-100 Language Selector” の画面と設定方法
言語切替ソフトウェアが起動しますと、次図(図9-1-2)の設定画面が表示されます。
図 9-1-2. “PSL-100 Language Selector” 設定画面
PSL-100ソフトウェアの画面表記を「英語」設定に変更する場合は、[English]側のラジオボタンへマークを移
動させます。
同様に、画面表記を「日本語」設定に変更する場合は、[Japanese]側のラジオボタンへマークを移動させま
す。
どちらの場合も、[OK]ボタンを押下することで言語設定の変更が確定します。
[Cancel]ボタンを押下しますと、直前の言語設定を保持したまま言語切替ソフトウェアが終了します。
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Pg. 35
言語設定の変更が確定しますと次図(図9-1-3)の「確認画面」が表示されますので、[OK]ボタンを押下し言語
切替ソフトウェアを終了してください。
図 9-1-3. 言語設定変更の確認画面
設定変更を行った直後のPSL-100ソフトウェア起動時から、画面の表記言語が切り替わります。(図9-1-4)
<英語表記>
<日本語表記>
図 9-1-4. 表記言語の切り替わり例
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2. PSL-100 ソフトウェアの起動
PSL-100ソフトウェアがインストールされているPCと計測装置本体(PSL-100-M)間が「USBケーブル」で接続されて
いることを確認し、計測装置本体の主電源をONにします。
PCのデスクトップ上[PSL-100_64]アイコン(図9-1-5)をダブルクリックすることにより、PSL-100ソフトウェアが起動
します。
又、PCのデスクトップ画面左下にあります[スタートボタン]→[すべてのプログラム]→[PSL-100]と指定し、一覧の
中から[PSL-100_64](図9-1-6)をクリックすることでも、PSL-100ソフトウェアが起動します。
尚、PCの機種により、プログラム名が[PSL-100_32]となりますが、機能および操作方法は変わりません。
図 9-1-5. “PSL-100”アイコン
図 9-1-6. スタートボタンからの起動
PSL-100プログラム起動の際、下図(図9-1-7)のような「エラー画面」が現れた場合には、PCと計測装置本体間の
「通信ケーブル」接続に異常があるか、又は「COMポート」設定に誤りがありますので再確認してください。
図 9-1-7. 通信ポートエラー画面
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3. PSL-100ソフトウェア「メイン画面」
PSL-100ソフトウェアが正常に起動しますと、次図(図9-1-8)のように「PSL-100 メイン画面」へと進みます。
①
②
図 9-1-8. PSL-100 ソフトウェアメイン画面
PSL-100ソフトウェアでは、この「メイン画面」から「測定頄目の選択」、「解析画面の呼び出し」などの基本操作
を行います。
① メニューバー
「メイン画面」には4つのメニュー頄目があります。
それぞれの頄目をクリックすることでメニュー内容を表示し、操作・選択を行います。
ファイル(F):
ファイル操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は[終了(X)]となります。
[ファイル(F)]→[終了(X)]と選択することで、PSL-100ソフトウェアが終了します。
ポート選択(S):
PCと計測装置本体間の通信ポートを設定するための頄目です。
メニュー内容として、使用しているPCの通信可能ポート番号を一覧で表示します。
計測装置本体との通信ポート番号をクリックし、「チェックマーク」を入れることでポートを設定し
ます。
関連:「8-1. 通信ポートの設定」
解析:
データ解析操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は[サンプル毎の解析]となります。
[解析]→[サンプル毎の解析]と選択することで、PSL-100ソフトウェアの「データ解析画面」が
起動します。
関連:「10. データ解析とソフトウェア操作」
ヘルプ(H):
ヘルプ操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は[バージョン情報(A)]となります。
[ヘルプ(H)]→[バージョン情報(A)]を選択することで、次図(図9-1-9)のような「バージョン情
報画面」が現れます。
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図 9-1-9. バージョン情報画面
② 測定頄目選択ボタン
「メイン画面」には4つの測定頄目選択ボタンがあります。
それぞれの選択ボタンをクリックすることで、各測定モードへと進みます。
電子拡散係数(D)測定:
「電子拡散係数」の測定モードへ進みます。
関連:「9-4. 電子拡散係数(D)測定」
電子寿命(τ)測定:
「電子寿命」の測定モードへ進みます。
関連:「9-5. 電子寿命(τ)測定」
電子密度(n)測定
「電子密度」の測定モードへ進みます。
関連:「9-6. 電子密度(n)測定」
I-Vカーブ測定
「I-Vカーブ」の測定モードへ進みます。
関連:「9-7. I-Vカーブ測定」
4. PSL-100ソフトウェアの終了
PSL-100ソフトウェアを終了する際には、「メイン画面」のメニューバーから[ファイル(F)]→[終了(X)]と選択します。
又、「メイン画面」右上の[閉じる]ボタンをクリックすることでも、PSL-100ソフトウェアを終了することができます。
図 9-1-10. PSL-100 ソフトウェアの終了
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Pg. 39
9- 2. 測 定 デー タ フォ ルダ ー の 作 成
先述のとおり、色素増感太陽電池の「電子拡散係数」および「電子寿命」には光強度依存性があります。
PSL-100ソフトウェアでは、まず「電子拡散係数」、「電子寿命」、「電子密度」の各測定を行い、光強度依存性を示す
これらの測定データから「解析プロット図」を作成します。
この「解析プロット図」を作成するためには、1つのサンプルセルに対しそれぞれの測定を「異なる光強度」で数回繰
り返し行い、データを揃える必要があります。
従いまして、1つのサンプルセルを測定するたびに10~20のデータを取り扱うこととなります。
この多数のデータを効率よく整理するため、測定をはじめる前に「測定データフォルダー」を作成しておき、サンプル
セル毎にデータファイルをまとめておきます。
尚、PSL-100ソフトウェアでは、この「測定データフォルダー」へ保存する各データファイルに対し「3文字のヘッダ」を
付けることで、自動的に「解析プロット図」を作成する機能が付いています。
関連:「8-2. ソフトウェア概要」
関連:「10. データ解析とソフトウェア操作」

測定データフォルダーの作成例
a.
任意の場所に「新しいフォルダー」を作成します。
デスクトップに「新しいフォルダー」を作成する場合には、画面上で「右クリック」し[新規作成(X)]→[フォル
ダー(F)]と選択します。
b.
作成した「新しいフォルダー」のフォルダー名部分に任意の名前をつけます。
このフォルダー名はサンプルセルの「識別番号」や「材料名」、又「測定日時」など、後になっても判りやすい
名前とすることをおすすめします。
図 9-2-1. 測定データフォルダーの作成例
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Pg. 40
9- 3. 測 定 用 サ ン プルセ ル のセ ッ ティ ング
先述のとおり、SLIM-PCV法では測定に用いる色素増感太陽電池サンプルセルの受光面に対し、半導体レーザを
用いて「光照尃」を行います。
ここでは、レーザの操作手項について説明を行った後、光学ベンチ内の各部品を用いてサンプルセル受光面に対し
光照尃を行うための光学セッティングについて説明します。
1. レーザの操作手項
基本操作
操作手項 1
各装置間および、レーザの接続が正しいことを確認のうえ、計測装置本体
(PSL-100-M)レーザ操作管理機(PSL-100-L)の項で主電源を“ON”にします。
PSL-100-Lフロントパネル STATUSブロックの“MAINUNIT POWER ON” LEDが点
灯します。(図9-3-1)
この段階ではLASERブロックのLEDは “OFF”が点灯していますので、レーザの発光
が不可な状態となります。
図 9-3-1.
操作手項 2
ユーザーキーを挿入(図9-3-2)し、”ON” 位置へ回転させますと、STATUSブロックの
“USER KEY ON” LEDが点灯し、LASERブロックのLEDが
“OFF”(黄LED)→“READY”(緑LED)
へと移ります。(図9-3-3)
LASERブロックのLEDが“READY”になりますと、レーザの発光準備完了となります
図 9-3-2.
ので、発光が可能な状態となります。
尚、LASERブロックのLEDが“READY”の状態から
PSL-100-M主電源を“OFF”
ユーザーキーを“OFF”
何れかの操作を行いますと、LASERブロックのLEDが“OFF”へと移り、レーザの発光
が不可な状態へと戻ります。
図 9-3-3.
操作手項 3
LASERブロックLEDが“READY”の状態で“ON”ボタンを押下しますとボタンが赤色に
点灯します。(図9-3-4)
“ON”を押下したタイミングで、選択したレーザ(例では“LASER1”)から微弱な光強度
(固定)に減光されたレーザ光が出力されます。
尚、この“ON”ボタンが点灯している状態で再度“ON”ボタンを押下しますとが消灯し、
図 9-3-4.
レーザ光の出力を止めます。(LASERブロックLEDも“READY”へと戻ります。)
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Pg. 41
又、LASERブロック“ON”ボタンが点灯の状態から
PSL-100-M主電源を“OFF”
ユーザーキーを“OFF”
何れかの操作を行いますとLASERブロックのLEDが“OFF”へと移り、レーザの発光が不可な状態へと戻りま
す。
操作手項 4
LASERブロックの“ON”ボタンが点灯している状態で光学ベンチ(PSL-100-O)の扉を閉じ
ますと、STATUSブロックの“DOOR CLOSED”LEDが点灯し、SLIM-PCV法による測定実
行モードとなります。
測定実行モードの間はSTATUSブロックの“MEASUREMENTMODE”LEDが点灯し、選
択されたレーザからの光出力も「減光された固定の光強度」から「ソフトウェアで設定した
光強度」へと替わります。
図 9-3-5.
尚、“MEASUREMENT MODE”の状態でPSL-100-Oの扉を開けますとレーザからの出力は「減光された固定
の光強度」の発光へと戻ります。
同モードからLASERブロックの“ON”ボタンを押下しますとLEDは“READY”へと戻り、レーザ光の出力を止め
ます。
又、“MEASUREMENT MODE”の状態から
PSL-100-M主電源を“OFF”
ユーザーキーを“OFF”
何れかの操作を行いますとLASERブロックLEDが“OFF”へと移り、レーザの発光が不可な状態へと戻ります。
※
尚、LASERブロックの“ON”ボタンが点灯している状態で停電など装置供給電源が喪失したような場合、
電源復帰時は“READY”状態へと戻ります。
応用操作
応用操作 1
LASERブロックの“ON”ボタンが点灯している状態で光学ベンチ(PSL-100-O)の扉
が開いている場合には、レーザからは「減光された固定の光強度」の光を出力しま
すが、この減光発光時の光強度を“ADJUST”で微調整することができます。
レーザが減光発光している状態で“ADJUST”をマイナスドライバで回転させますと、
光強度を微増(時計回り)/微減(反時計回り)できます。(図9-3-6)
図 9-3-6.
応用操作 2
LASERブロックの“ON”ボタンが点灯している状態で光学ベンチ(PSL-100-O)の扉が開いている場合には、レ
ーザからは「減光された固定の光強度」の光を出力しますが、減光発光機能を解除し、ソフトウェアから任意の
光強度設定を与えレーザを操作することができます。
但し、本操作は強い光強度を設定することも可能であることから危険を伴います。
本操作を行う際は必ず、付属のレーザゴーグルを着用ください。
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Pg. 42
レーザが減光発光している状態で“RELEASE”ボタンを押下しますと、ボタンが燈色に点
滅します。(図9-3-7)
尚、“RELEASE”ボタンは誤操作防止のため、ボタンカバーが取り付けてあります。
カバーを上方向に上げ操作してください。
本ボタンが点灯している間は減光発光機能が解除され、ソフトウェアの光強度設定値に
応じた光がレーザから出力されます。
図 9-3-7.
又、本ボタンが点灯中に再度ボタンを押下しますと解除を停止し減光発光出力へと戻りま
す。
オプションレーザ追加時の操作
オプションレーザが追加されている場合には、レーザ切替機能が有効となります。
LED下部にありますセレクタスイッチで任意のレーザを選択できます。
尚、安全面を考慮し、LASERブロックの“ON”ボタンが点灯している状態からレーザを切り
替えた場合、一旦“READY”状態へ戻るよう設計されております。
図 9-3-8.
2. サンプルセルへの光照尃セッティング
測定を行うための光学部品最小構成は、「レーザ」、「平凸レンズ」および「サンプルセル」となります。
2
2
経験的にサンプルセル受光面積が4mm角(0.16 cm )~5mm角(0.25 cm )程度、且つ半導体電極膜厚が5 μm~
10 μm程度であれば、このセッティングで測定できることが判っています。
特別な場合を除いては「平凹レンズ」、「ハーフミラー」を取り外し、レーザからセルに対して照尃される光強度の低下
を防ぐことをお勧めします。
構成部品の位置決め
最小構成光学部品のうち、「レーザ」と「サンプルセル」の位置を光学ベンチレール上任意の場所に決め、『6-2.
構成機器間の接続』の要領で、サンプルセル電極部に「セル接続ケーブル」を接続します。
『9-3. 測定用サンプルセルのセッティング、1. レーザの操作手項』に従い、レーザから微弱な光強度(固定)に
減光されたレーザ光を出力させます。
出力されたレーザ光が、セル受光面のほぼ中心に照尃されるよう「XYZステージ」で調整します。(図10-3-9)
図 9-3-9. レーザ光照尃の調整①
ここで、「レーザ」と「サンプルセル」間で任意の場所に「平凸レンズ」をセットします。
※
この時、レンズにレーザ光が反尃する場合がありますので、十分にご注意ください。
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Pg. 43
次にセル受光面全体に照度ムラなく光が照尃されるよう、「平凸レンズ」位置および「XYZステージ」を微調整し
ます。(図9-3-10)
図 9-3-10. レーザ光照尃の調整②
関連:「6-1. 各部の名称とはたらき、2. 光学ベンチ(PSL-100-O)、(3)光学部品セッティング」
関連:「6-2. 構成機器間の接続」
正確なレンズ位置調整
SLIM-PCV 法による色素増感太陽電池の測定・評価では、サンプルセル受光面へ均一に光を照尃することが
重要となります。
この条件を正しく調整する方法として、「電子拡散係数測定」ののデータを基に導き出す方法があります。
上記調整を行うためには、まず「電子拡散係数」の測定方法を理解する必要がありますので、次節『10-4. 電
子拡散係数(D)測定』の説明の後、『14-1. サンプルセル受光面への光照尃』に記します。
警告:
レーザ光により失明する恐れがありますので、必ず上記事頄をお守りください。
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Pg. 44
9- 4. 電 子 拡 散 係 数 (D ) 測 定
SLIM-PCV法による電子拡散係数の測定は以下の手項により行われます。
図 9-4-1. 電子拡散係数測定 測定概要
1.
光学ベンチ(PSL-100-O)内にセットされた色素増感太陽電池のサンプルセル受光面に対し、光源であるレー
ザから光を照尃します。
2.
サンプルセル半導体電極内部の光励起が十分に安定したところで、照尃中のレーザ光強度を微小変化させま
す。
3.
計測装置本体(PSL-100-M)は、この一連の操作が行われている間、セル短絡電流(Isc)をモニターし続け、レー
ザ光強度を微小変化させた瞬間に起こる電流「過渡応答反応」を計測します。
4.
計測されたデータは計測PCへと送られ、PSL-100ソフトウェア画面上に「電流過渡応答波形」を表示します。
この測定シーケンスは下図(図9-4-2)のようになり、図中、上段が光源であるレーザからの「光強度微小変化」を、下
段がサンプルセル短絡電流の「過渡応答」をそれぞれ表しております。
図 9-4-2. 電子拡散係数測定 測定シーケンス
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Pg. 45
SLIM-PCV法では、測定によって得られた「電流過渡応答波形」に対して “exp ( -t / τc )” のフィッティングを行うこと
からフィッティング係数 “τc” を求めます。
図 9-4-3. exp ( -t / τc ) によるフィッティング
この係数 “τc” と半導体電極膜厚 “L” を次式に代入することで電子拡散係数 “D” を算出します。
2
D = L / 2.77τc
…(1)
色素増感太陽電池における「電子拡散係数」には「光強度依存性」があります。
このことからSLIM-PCV法では1つのサンプルセルに対する上述「電子拡散係数測定」を、レーザ光強度を変化させ
ながら数回行います。
PSL-100ソフトウェアでは、このSLIM-PCV法による「測定」から「算出」までの操作を簡単に行えます。
1. 設定画面
PSL-100ソフトウェアを起動し「メイン画面(図9-1-8)」上の[電子拡散係数(D)測定]ボタンをクリックしますと、次図
(図9-4-4)のように「電子拡散係数測定設定画面」へと進みます。
①
②
③
図 9-4-4. 電子拡散係数測定 設定画面
この「設定画面」にあります各頄目を入力し、[測定開始]ボタンをクリックしますと「電子拡散係数測定」を実行します。
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Pg. 46
① メニューバー
「電子拡散係数測定設定画面」には2つのメニュー頄目があります。
それぞれの頄目をクリックすることでメニュー内容を表示し、操作・選択を行います。
ファイル(F):
ファイル操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は以下となります。
設定(S)
[開く(O)] :
過去に測定したデータファイル(.parファイル)を呼び出します。
[保存(S)] :
画面内に記入されている設定パラメータをデータファイル形式(.par)で保存します。
[戻る(C)]:
「設定画面」を終了し「メイン画面」へ戻ります。
設定操作を実行するための頄目です。
本メニューには操作可能な頄目はありません。
② パラメータ入力・表示
「電子拡散係数測定 設定画面」には9つのパラメータ入力・表示欄があります。
それぞれの欄をクリックし入力操作を行います。
File Name:
データファイル名(.parファイル)の表示欄です。
過去に測定したデータファイルを呼び出した際、そのファイル名を表示します。
Sampling Int (μs):
測定のサンプリング間隔を入力する欄です。
(測定必須パラメータ)
時間間隔ごとに、測定データをサンプリングします。
単位:
[μs]、半角数字により入力します。
設定可能範囲:
10 [μs] ~ 9999990 [μs]
設定分解能:
10 [μs]
Sampling Number (回):
測定のサンプリング回数を設定する入力欄です。
(測定必須パラメータ)
回数、測定データをサンプリングします。
単位:
[回]、半角数字により入力します。
設定可能範囲:
1 [回] ~ 9999 [回]
設定分解能:
1 [回]
待ち時間設定 (s):
サンプルセルの受光面に対しレーザ光を照尃した際、光励起が安定するまでの照
(測定必須パラメータ)
尃時間(待ち時間)を設定する欄です。
単位:
[s]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0 [s] ~ 3600 [s]
設定分解能:
1 [s]
Laser Initial (V):
測定時、サンプルセル受光面へ照尃するレーザ光の光強度初期値を入力する欄
(測定必須パラメータ)
です。
単位:
[V]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.100 [V] ~ 4.000 [V]
設定分解能:
0.001 [V]
Laser Final (V):
測定時、サンプルセル受光面へ照尃するレーザ光の微小変化後光強度を入力す
(測定必須パラメータ)
る欄です。
必ず、“Laser Final < Laser Initial” となるような値を入力します。
単位:
[V]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.100 [V] ~ 4.000 [V]
設定分解能:
0.001 [V]
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Pg. 47
サンプル膜厚設定 (μm):
測定に用いるサンプルセルの半導体電極膜厚値を入力する欄です。
(測定必須パラメータ)
本欄で入力した値を用いて「電子拡散係数」の算出を行います。
2
サンプル面積 (cm ):
(測定必須パラメータ)
コメント:
単位:
[μm]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.01 [μm] ~ 99.99 [μm]
設定分解能:
0.01 [μm]
測定に用いるサンプルセルの受光面積値を入力する欄です。
2
単位:
[cm ]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.0001 [cm ] ~ 16.0000 [cm ]
設定分解能:
0.0001 [cm ]
2
2
2
測定に関するメモ書きや、サンプルセルの組成データなど任意のコメントが入力で
きます。
最大で全角64文字(半角128文字)まで入力可能です。
③ 操作ボタン
「電子拡散係数測定 設定画面」には4つの操作ボタンがあります。
ボタンをクリックして各操作を行います。
測定開始:
上記②の「測定必須パラメータ」入力後、本ボタンをクリックすることで「電子拡散係数」の測定を
開始します。
「測定必須パラメータ」に未入力がある場合、本ボタンをクリックしても測定が開始されず、次図
(図9-4-5)のような「エラーメッセージ」が現れますので修正を行ってください。
図 9-4-5. 測定開始時エラー例
Laser On:
光学ベンチ内の調整時など測定以外の状況でレーザ光を出力させる場合、本ボタンをクリックし
ます。
本ボタンを押下した場合のレーザ光強度は、上記② [Laser Initial (V)] の入力値が反映されま
す。
Laser Off:
上記 [Laser On] 操作にて出力させたレーザ光を止める場合に本ボタンをクリックします。
戻る:
「設定画面」を終了し「メイン画面」へと戻る際、本ボタンをクリックします。
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Pg. 48
2. 測定中画面
「設定画面(図9-4-4)」内の「測定必須パラメータ」を入力した後、[測定開始]ボタンをクリックしますと「電子拡散係数
測定」が開始され、次図(図9-4-6)のように「測定中画面」へと進みます。
測定を途中で強制終了させる場合には、「測定中画面」内にあります[中止]ボタンをクリックしますと測定は中止さ
れ、「設定画面」へと戻ります。
図 9-4-6. 電子拡散係数測定 測定中画面
3. 測定結果画面
測定が終了しますと次図(図9-4-7)のように「測定結果画面」へと進みます。
③
②
①
④
図 9-4-7. 電子拡散係数測定 測定結果画面
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Pg. 49
① 測定結果-グラフ表示
「電子拡散係数測定」結果を「時間-電流」のグラフとして描画します。
又、測定結果である「電流過渡応答波形(赤線)」に対する「フィッティング曲線(青線)」を重ね描きします。
② 測定結果-数値データ表示
上記①の「測定結果グラフ」から得られる数値データを表示します。
y0、A、τ、x0:
「電流過渡応答波形」に対する「フィッティング曲線」方程式のパラメータ(係数)です。
膜厚L:
サンプルセルの半導体電極膜厚値です。
この値は「設定画面」で入力した[サンプル膜厚設定]の値となります。
拡散係数D:
上記「フィッティング曲線」方程式のパラメータおよび、膜厚データにより算出された「電子拡散
係数値」です。
この値は、「電流過渡応答波形」に対するフィッティングのポイントを変更しますと、自動的に再
計算されます。
短絡電流Isc:
レーザ光強度初期値時のサンプルセル短絡電流値を表示します。
この値は「解析プロット図」を作成する際のデータとなります。
③ メニューバー
「電子拡散係数測定 測定結果画面」には2つのメニュー頄目があります。
それぞれの頄目をクリックすることでメニュー内容を表示し、操作・選択を行います。
ファイル(F):
ファイル操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は以下となります。
設定(S):
[開く(O)]:
過去に測定したデータファイル(.parファイル)を呼び出します。
[保存(S)]:
表示されている測定結果をデータファイル形式(.parファイル)で保存します。
[戻る(C)]
「測定結果画面」を終了し「設定画面」へ戻ります。
設定操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は[フィッティング]となり、「電流過渡応答波形」に対する「フィッティング曲線」の開
始点と終了点を設定する子画面を呼び出します。
④ 操作ボタン
「電子拡散係数測定 測定結果画面」には2つの操作ボタンがあります。
ボタンをクリックして各操作を行います。
印刷:
PCにプリンターが接続されている場合、本ボタンをクリックすることにより「測定結果画面」のグラフ表示
部および、数値データ表示部を印刷することができます。
戻る:
「測定結果画面」を終了し「設定画面」へ戻ります。
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4. フィッティング
SLIM-PCV法による「電子拡散係数(D)」の導出は、測定により得られたセル短絡電流の「過渡応答波形」に対して
“exp ( -t / τc )” の「フィッティング」を行い、係数 “τc” を求める必要があります。
PSL-100ソフトウェアでは「測定結果画面」上からこの「曲線フィッティング」操作を行い、係数 “τc” を自動的に求め
ることができます。
先述、『9-4. 電子拡散係数(D)測定、3. 測定結果画面』のとおり、測定が正常に終了しますと、下図(図9-4-8)のよう
な結果グラフが表示されます。
グラフ内の赤線による表示が測定により得られたセル短絡電流の「過渡応答波形」、青線による表示が応答波形に
対する “exp ( -t / τc )” の「フィッティング曲線」となります。
図 9-4-8. 電子拡散係数測定 測定結果グラフ表示
上図(図9-4-8)では、過渡応答波形(赤線)に対するフィッティング
(青線)がうまくできていない状態となっています。
このままでは正確な「電子拡散係数(D)」を導出することができま
せんので、フィッティング(青線)の開始位置を「過渡応答波形(赤
線)」垂下直後のポイントへ修正する必要があります。(図9-4-9)
図 9-4-9. フィッティングポイントの修正
このフィッティングポイントの修正を行うため、「測定結果画面」
のメニューバー[設定(S)]→[フィッティング]を選択し、「フィッティングの設定」子画面(図9-4-10)を起動させます。
この「フィッティングの設定」子画面内、[開始]および[終了]の設定値を変更することで、「フィッティング曲線」操作を
行います。
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Pg. 51
図-4-10. フィッティングの設定
PSL-100ソフトウェアの「電子拡散係数(D)測定」結果グラフ表示で
は、セル短絡電流の「過渡応答波形」垂下ポイントを適切に捉える
ため、このポイントが全データ数の10%目となるようデータサンプリ
ングを行っています。(図9-4-11)
ここで、全データ数とは「設定画面」内の[Sampling Number]設定
値を指します。
上記の例では、全データ数を「1000点」としていますので、その10%
である「100点」をフィッティング開始の目安とします。
図 9-4-11. 過渡応答波形の垂下ポイント
実際には、「過渡応答波形」の垂下が明確となるポイントを開始点としますので、ここから数点加算した101点~103
点程度の値を設定することで最適な「フィッティング曲線」が得られます。
尚、フィッティングの終了点は全データ数と同じ値を設定します。
測定結果画面(図9-4-7)の「フィッティング曲線」を[開始:101]、[終了:1000]と設定し、再描画させたグラフを次図
(図9-4-12)に示します。
セル短絡電流の「過渡応答波形(赤線)」に対する「フィッティング(青線)」が最適となっています。
又、「測定結果画面内」の数値データ部もフィッティングの修正により更新されていることがわかります。
図 9-4-12. 電子拡散係数測定 フィッティング最適化グラフ
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5. データ保存
測定結果データを保存するには、「測定結果画面」のメニューバー[ファイル(F)]→[保存(S)]を選択し、「名前を付け
て保存」子画面を起動させます。(図9-4-13)
図 9-4-13. データ保存
「名前を付けて保存」子画面内[ファイルの場所(I)]には、『9-2. 測定データフォルダーの作成』で作成したフォルダ
ーを指定します。
SLIM-PCV法では、測定に使用するサンプルセルの「光強度依存」傾向を考察するため、異なるレーザ光強度にお
ける「電子拡散係数測定」を4回~8回行います。
これらの測定データを効率よく整理するため、PSL-100ソフトウェアでは次のような「ファイル名」のルールを定めて
います。
電子拡散係数の測定データファイルは
<D1_XXX.par>、<D2_XXX.par>、・・・・・
のように必ず“D”から始まる3文字のヘッダを付記します。
(図9-4-14)
図 9-4-14. 電子拡散係数 データファイル名ルール
1文字目:
“D” は電子拡散係数の測定データであることを意味します。
2文字目:
レーザ光強度初期値の強弱項に “1” ~ “8” までの数字が入ります。
3文字目:
アンダーバーを入れ、この後に任意のファイル名を付けます。
又、測定データファイルの拡張子は“.par”で、これはカンマ区切りのテキストファイル形式となります。
このルールによる「ファイル名」を「名前を付けて保存」子画面内[ファイル名(N)]欄に入力し、[保存(S)]ボタンをクリ
ックします。
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6. データ読み込み
PSL-100ソフトウェアでは過去に測定した「測定結果データ」を読み込み、「測定結果画面」を再現することができま
す。
「電子拡散係数測定 設定画面(図9-4-4)」又は「電子拡散係数測定 測定結果画面(図9-4-7)」画面のメニューバー
から[ファイル(F)]→[開く(O)]と選択し、「ファイルを開く」子画面を起動させます。(図9-4-15)
図 9-4-15. データ読み込み
「ファイルを開く」子画面内から、読み込みを行いたい電子拡散係数測定結果データ“D$_xxx.par”ファイルを指定し、
[開く(O)]ボタンをクリックします。
ここで、「電子拡散係数測定」以外の測定結果データを指定しますと、次図(図
9-4-16)のような「エラー画面」が表示されますので、操作をやり直してくださ
い。
図 9-4-16. ファイル読み込みエラー画面
正しくファイル名を指定しますと、次図(図9-4-17)のように過去に測定した電子拡散係数測定の結果画面が表示さ
れます。(このファイルを保存した時の「フィッティング結果」も再現されます。)
図 9-4-17. 測定結果データの読み込み完了
又、この画面から[戻る]ボタンをクリックしますと、測定条件を確認することができます。
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7. 測定に関して
SLIM-PCV法による電子拡散係数の測定では、色素増感太陽電池サンプルセルに対する光照尃を微小変化させた
際の「電流過渡応答波形」を観測しますが、測定原理上この「電流過渡応答幅:ΔIsc」は初期レーザ光照尃時サンプ
ルセル短絡電流値の10%程度となるような設定を行う必要があります。(図9-4-18)
この「電流過渡応答幅:ΔIsc」は、サンプルセルに対するレーザ光
強度の「微小変化量:ΔE」と相関しますので、実際の測定では「微
小変化量:ΔE」の設定が重要なポイントとなります。
先述のとおり、PSL-100ソフトウェア設定画面[Laser Initial]と
[Laser Final]の差が「微小変化量:ΔE」となります。
[Laser Final]照尃時サンプルセル短絡電流値(図中“Ifin”)が、
[Laser Initial]照尃時サンプルセル短絡電流値(図中“Iini”)の90%
程度となるよう光強度の設定を行いますと、理想的な「電流過渡
図 9-4-18. 電流過渡応答幅とレーザ微小変化量
応答幅:ΔIsc」を得ることができます。
又、解析に用いる電子拡散係数の値は、実測定により取得した「電流過渡応答波形」に対して “exp ( -t / τc )” のフ
ィッティングを行うことから求めますので、過渡応答波形は最適なフィッティング結果が得られる「応答時間」とする必
要もあります。
この「応答時間」は光のステップによって過渡の状態にある上図|tt-t0|の時間であり、「定常(収束)状態」となる
上図|tend-tt|の時間より十分に短く(|tt-t0|<<|tend-tt|)なるよう[Sampling Int]設定を行い調整します。
参考として、色素増感太陽電池サンプルセルの「電子拡散係数測定」測定結果例を以下に示します。
測定結果 D1
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測定結果 D2
測定結果 D3
測定結果 D4
<測定条件>
No.
Laser Ini→Fin
Sampling Int×Number
D1
3.500 [V]→3.250 [V]
200 [μs]×1000 [回]
D2
2.100 [V]→1.952 [V]
2400 [μs]×1000 [回]
D3
1.300 [V]→1.220 [V]
4800 [μs]×1000 [回]
D4
0.800 [V]→0.761 [V]
9600 [μs]×1000 [回]
2
膜厚:20.0 [μm]、面積:0.168 [cm ]、N719、TiO2サンプルセルを使用
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9- 5. 電 子 寿 命 (τ ) 測 定
SLIM-PCV法による電子寿命の測定は以下の手項により行われます。
図 9-5-1. 電子寿命測定 測定概要
1.
光学ベンチ(PSL-100-O)内にセットされた色素増感太陽電池のサンプルセル受光面に対し、光源であるレー
ザから光を照尃します。
2.
サンプルセル半導体電極内部の光励起が十分に安定したところで、照尃中のレーザ光強度を微小変化させま
す。
3.
計測装置本体(PSL-100-M)は、この一連の操作が行われている間、セル開放電圧(Voc)をモニターし続け、レ
ーザ光強度を微小変化させた瞬間に起こる電圧「過渡応答反応」を計測します。
4.
計測されたデータは計測PCへと送られ、PSL-100ソフトウェア画面上に「電圧過渡応答波形」を表示します。
この測定シーケンスは下図(図9-5-2)のようになり、図中、上段が光源であるレーザからの「光強度微小変化」を、下
段がサンプルセル開放電圧の「過渡応答」をそれぞれ表しております。
図 9-5-2. 電子寿命測定 測定シーケンス
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Pg. 57
SLIM-PCV法における「電子寿命」とは次式により定義されます。
色素増感太陽電池では、照尃光強度の微小変化における「電圧過渡応答」は「電子密度」に比例すると近似できる
ため、「過渡電圧の変化」は「電子密度の変化」と考えられます。
このことから、測定によって得られた「電圧過渡応答波
形」に対して “exp ( -t / τ )” のフィッティングを行うことで
電子寿命 “τ” を求めます。
色素増感太陽電池における「電子寿命」には「光強度依
存性」があります。
このことからSLIM-PCV法では1つのサンプルセルに対す
る上述「電子寿命測定」を、レーザ光強度を変化させなが
ら数回行います。
図 9-5-3. exp ( -t / τ ) によるフィッティング
PSL-100ソフトウェアでは、このSLIM-PCV法による「測
定」から「算出」までの操作を簡単に行えます。
1. 設定画面
PSL-100ソフトウェアを起動し「メイン画面(図9-1-8」上の[電子寿命(τ)測定]ボタンをクリックしますと、次図(図
9-5-4)のように「電子寿命測定 設定画面」へと進みます。
①
②
③
図 9-5-4. 電子寿命測定 設定画面
この「設定画面」にあります各頄目を入力し、[測定開始]ボタンをクリックしますと「電子寿命測定」を実行します。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 58
① メニューバー
「電子寿命測定 設定画面」には2つのメニュー頄目があります。
それぞれの頄目をクリックすることでメニュー内容を表示し、操作・選択を行います。
ファイル(F):
ファイル操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は以下となります。
設定(S)
[開く(O)] :
過去に測定したデータファイル(.parファイル)を呼び出します。
[保存(S)] :
画面内に記入されている設定パラメータをデータファイル形式(.par)で保存します。
[戻る(C)]:
「設定画面」を終了し「メイン画面」へ戻ります。
設定操作を実行するための頄目です。
本メニューには操作可能な頄目はありません。
② パラメータ入力・表示
「電子寿命測定 設定画面」には9つのパラメータ入力・表示欄があります。
それぞれの欄をクリックし入力操作を行います。
File Name:
データファイル名(.parファイル)の表示欄です。
過去に測定したデータファイルを呼び出した際、そのファイル名を表示します。
Sampling Int (μs):
測定のサンプリング間隔を入力する欄です。
(測定必須パラメータ)
本欄で設定した時間間隔ごとに、測定データをサンプリングします。
単位:
[μs]、半角数字により入力します。
設定可能範囲:
10 [μs] ~ 9999990 [μs]
設定分解能:
10 [μs]
Sampling Number (回):
測定のサンプリング回数を設定する入力欄です。
(測定必須パラメータ)
本欄で設定した回数、測定データをサンプリングします。
単位:
[回]、半角数字により入力します。
設定可能範囲:
1 [回] ~ 9999 [回]
設定分解能:
1 [回]
待ち時間設定 (s):
サンプルセルの受光面に対しレーザ光を照尃した際、光励起が安定するまでの照
(測定必須パラメータ)
尃時間(待ち時間)を設定する欄です。
単位:
[s]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0 [s] ~ 3600 [s]
設定分解能:
1 [s]
Laser Initial (V):
測定時、サンプルセル受光面へ照尃するレーザ光の光強度初期値を入力する欄
(測定必須パラメータ)
です。
単位:
[V]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.100 [V] ~ 4.000 [V]
設定分解能:
0.001 [V]
Laser Final (V):
測定時、サンプルセル受光面へ照尃するレーザ光の微小変化後光強度を入力す
(測定必須パラメータ)
る欄です。
必ず、“Laser Final < Laser Initial” となるような値を入力します。
単位:
[V]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.100 [V] ~ 4.000 [V]
設定分解能:
0.001 [V]
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サンプル膜厚設定 (μm):
測定に用いるサンプルセルの半導体電極膜厚値を入力する欄です。
(測定必須パラメータ)
本欄で入力した値を用いて「電子拡散係数」の算出を行います。
2
サンプル面積 (cm ):
(測定必須パラメータ)
コメント:
単位:
[μm]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.01 [μm] ~ 99.99 [μm]
設定分解能:
0.01 [μm]
測定に用いるサンプルセルの受光面積値を入力する欄です。
2
単位:
[cm ]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.0001 [cm ] ~ 16.0000 [cm ]
設定分解能:
0.0001 [cm ]
2
2
2
測定に関するメモ書きや、サンプルセルの組成データなど任意のコメントが入力で
きます。
最大で全角64文字(半角128文字)まで入力可能です。
③ 操作ボタン
「電子寿命測定 設定画面」には4つの操作ボタンがあります。
ボタンをクリックして各操作を行います。
測定開始:
上記②の「測定必須パラメータ」入力後、本ボタンをクリックすることで「電子拡散係数」の測定を
開始します。
「測定必須パラメータ」に未入力がある場合、本ボタンをクリックしても測定が開始されず、次図
(図9-5-5)のような「エラーメッセージ」が現れますので修正を行ってください。
図 9-5-5. 測定開始時エラー例
Laser On:
光学ベンチ内の調整時など測定以外の状況でレーザ光を出力させる場合、本ボタンをクリックし
ます。
本ボタンを押下した場合のレーザ光強度は、上記② [Laser Initial (V)] の入力値が反映されま
す。
Laser Off:
上記 [Laser On] 操作にて出力させたレーザ光を止める場合に本ボタンをクリックします。
戻る:
「設定画面」を終了し「メイン画面」へと戻る際、本ボタンをクリックします。
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2. 測定中画面
「設定画面(図9-5-4)」内の「測定必須パラメータ」を入力した後、[測定開始]ボタンをクリックしますと「電子寿命測
定」が開始され、次図(図9-5-6)のように「測定中画面」へと進みます。
測定を途中で強制終了させる場合には、「測定中画面」内にあります[中止]ボタンをクリックしますと測定は中止さ
れ、「設定画面」へと戻ります。
図 9-5-6. 電子寿命測定 測定中画面
3. 測定結果画面
測定が終了しますと次図(図9-5-7)のように「測定結果画面」へと進みます。
③
②
①
④
図 9-5-7. 電子寿命測定 測定結果画面
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① 測定結果-グラフ表示
「電子寿命測定」結果を「時間-電圧」のグラフとして描画します。
又、測定結果である「電圧過渡応答波形(赤線)」に対する「フィッティング曲線(青線)」を重ね描きします。
② 測定結果-数値データ表示
上記①の「測定結果グラフ」から得られる数値データを表示します。
y0,A,τ,x0 :
「電流過渡応答波形」に対する「フィッティング曲線」方程式のパラメータ(係数)です。
膜厚L:
サンプルセルの半導体電極膜厚値です。
この値は「設定画面」で入力した[サンプル膜厚設定]の値となります。
開放電圧Voc:
レーザ光強度終期値時のサンプルセル開放電圧値を表示します。
③ メニューバー
「電子拡散係数測定 測定結果画面」には2つのメニュー頄目があります。
それぞれの頄目をクリックすることでメニュー内容を表示し、操作・選択を行います。
ファイル(F):
ファイル操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は以下となります。
設定(S):
[開く(O)]:
過去に測定したデータファイル(.parファイル)を呼び出します。
[保存(S)]:
表示されている測定結果をデータファイル形式(.parファイル)で保存します。
[戻る(C)]
「測定結果画面」を終了し「設定画面」へ戻ります。
設定操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は[フィッティング]となり、「電流過渡応答波形」に対する「フィッティング曲線」の開
始点と終了点を設定する子画面を呼び出します。
④ 操作ボタン
「電子寿命測定 測定結果画面」には2つの操作ボタンがあります。
ボタンをクリックして各操作を行います。
印刷:
PCにプリンターが接続されている場合、本ボタンをクリックすることにより「測定結果画面」のグラフ表示
部および、数値データ表示部を印刷することができます。
戻る:
「測定結果画面」を終了し「設定画面」へ戻ります。
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4. フィッティング
SLIM-PCV法による「電子寿命(τ)」の導出は、測定により得られたセル開放電圧の「過渡応答波形」に対して
“exp ( -t / τc )” の「フィッティング」を行い、係数 “τ” を求める必要があります。
PSL-100ソフトウェアでは「測定結果画面」上からこの「曲線フィッティング」操作を行い、係数 “τ” を自動的に求める
ことができます。
先述、『9-5. 電子寿命(τ)測定、3. 測定結果画面』のとおり、測定が正常に終了しますと、下図(図9-5-8)のような結
果グラフが表示されます。
グラフ内の赤線による表示が測定により得られたセル開放電圧の「過渡応答波形」、青線による表示が応答波形に
対する “exp ( -t / τc )” の「フィッティング曲線」となります。
図 9-5-8. 電子寿命測定 測定結果グラフ表示
上図(図9-5-8)では、過渡応答波形(赤線)に対するフィッティング(青線)がう
まくできていない状態となっています。
このままでは正確な「電子寿命(τ)」を導出することができませんので、フィッ
ティング(青線)の開始位置を「過渡応答波形(赤線)」垂下直後のポイントへ
修正する必要があります。(図9-5-9)
図 9-5-9. フィッティングポイントの修正
このフィッティングポイントの修正を行うため、「測定結果画面」のメニューバー[設定(S)]→[フィッティング]を選択し、
「フィッティングの設定」子画面(図9-5-10)を起動させます。
この「フィッティングの設定」子画面内、[開始]および[終了]の設定値を変更することで、「フィッティング曲線」操作を
行います。
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図 9-5-10. フィッティングの設定
PSL-100ソフトウェアの「電子寿命(τ)測定」結果グラフ表示では、セル開
放電圧の「過渡応答波形」垂下ポイントを適切に捉えるため、このポイ
ントが全データ数の10%目となるようデータサンプリングを行っています。
(図9-5-11)
ここで、全データ数とは「設定画面」内の[Sampling Number]設定値
を指します。
上記の例では、全データ数を「1000点」としていますので、その10%で
ある「100点」をフィッティング開始の目安とします。
図 9-5-11. 過渡応答波形の垂下ポイン
ト
実際には、「過渡応答波形」の垂下が明確となるポイントを開始点としますので、ここから数点加算した101点~103
点程度の値を設定することで最適な「フィッティング曲線」が得られます。
尚、フィッティングの終了点は全データ数と同じ値を設定します。
測定結果画面(図9-5-7)の「フィッティング曲線」を[開始:101]、[終了:1000]と設定し、再描画させたグラフを次図
(図9-5-12)に示します。
セル開放電圧の「過渡応答波形(赤線)」に対する「フィッティング(青線)」が最適となっています。
又、「測定結果画面内」の数値データ部もフィッティングの修正により更新されていることがわかります。
図 9-5-12. 電子寿命測定 フィッティング最適化グラフ
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5. データ保存
測定結果データを保存するには、「測定結果画面」のメニューバー[ファイル(F)]→[保存(S)]を選択し、「名前を付け
て保存」子画面を起動させます。(図9-5-13)
図 9-5-13. データ保存
「名前を付けて保存」子画面内[ファイルの場所(I)]には、『9-2. 測定データフォルダーの作成』で作成したフォルダ
ーを指定します。
SLIM-PCV法では、測定に使用するサンプルセルの「光強度依存」傾向を考察するため、異なるレーザ光強度にお
ける「電子寿命測定」を4回~8回行います。
これらの測定データを効率よく整理するため、PSL-100ソフトウェアでは次のような「ファイル名」のルールを定めて
います。
電子寿命の測定データは
<L1_XXX.par>、<L2_XXX.par>、・・・・・
のように必ず“L”から始まる3文字のヘッダを付記します。
(図9-5-14)
図 9-5-14. 電子寿命 データファイル名ルール
1文字目:
“L”は電子寿命の測定データであることを意味します。
2文字目:
レーザ光強度初期値の強弱項に “1” ~ “8” までの数字が入ります。
3文字目:
アンダーバーを入れ、この後に任意のファイル名を付けます。
又、測定データファイルの拡張子は“.par”で、これはカンマ区切りのテキストファイル形式となります。
このルールによる「ファイル名」を「名前を付けて保存」子画面内[ファイル名(N)]欄に入力し、[保存(S)]ボタンをクリ
ックします
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Pg. 65
6. データ読み込み
PSL-100ソフトウェアでは過去に測定した「測定結果データ」を読み込み、「測定結果画面」を再現することができま
す。
「電子寿命測定 設定画面(図9-5-4)」又は「電子寿命測定 測定結果画面(図9-5-7)」画面のメニューバーから[ファ
イル(F)]→[開く(O)]と選択し、「ファイルを開く」子画面を起動させます。(図9-5-15)
図 9-5-15. データ読み込み
「ファイルを開く」子画面内から、読み込みを行いたい電子寿命測定結果データ“L$_xxx.par”ファイルを指定し、[開く
(O)]ボタンをクリックします。
ここで、「電子寿命測定」以外の測定結果データを指定しますと、次図(図
9-5-16)のような「エラー画面」が表示されますので、操作をやり直してくだ
さい。
図 9-5-16. ファイル読み込みエラー画面
正しくファイル名を指定しますと、次図(図9-5-17)のように過去に測定した電子寿命測定の結果画面が表示されます。
(このファイルを保存した時の「フィッティング結果」も再現されます。)
図 9-5-17. 測定結果データの読み込み完了
又、この画面から[戻る]ボタンをクリックしますと、測定条件を確認することができます。
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Pg. 66
8. 測定に関して
SLIM-PCV法による電子寿命の測定では、色素増感太陽電池サンプルセルに対する光照尃を微小変化させた際の
「電圧過渡応答波形」を観測しますが、測定原理上この「過渡応答幅:ΔVoc」を “1 [mV]” 幅以内にする必要があり
ます。(図9-5-18)
この「電圧過渡応答幅:ΔVoc」は、サンプルセルに対するレー
ザ光強度の「微小変化量:ΔE」と相関しますので、実際の測定
では「微小変化量:ΔE」の設定値が重要なポイントとなります。
先述のとおり、PSL-100ソフトウェア設定画面[Laser Initial]と
[Laser Final]の差が「微小変化量:ΔE」となります。
[Laser Initial]照尃時サンプルセル開放電圧値(図中“Vini”)と
[Laser Final]照尃時サンプルセル開放電圧値(図中“Vfin”)の
差が“1 [mV]”以下となるよう光強度の設定を行いますと、理想
的な「電圧過渡応答幅:ΔVoc」を得ることができます。
図 9-5-18. 電圧過渡応答幅とレーザ微小変化量
又、解析に用いる電子寿命の値は、実測定により取得した「電
圧過渡応答波形」に対して “exp ( -t / τ )” のフィッティングを行うことから求めますので、過渡応答波形は最適なフィ
ッティング結果が得られる「応答時間」とする必要もあります。
この「応答時間」は光のステップによって過渡の状態にある上図|tt-t0|の時間であり、「定常(収束)状態」となる
上図|tend-tt|の時間より十分に短く(|tt-t0|<<|tend-tt|)なるよう[Sampling Int]設定を行い調整します。
参考として、色素増感太陽電池サンプルセルの「電子寿命測定」測定結果例を以下に示します。
測定結果 L1
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Pg. 67
測定結果 L2
測定結果 L3
測定結果 L4
<測定条件>
No.
Laser Ini→Fin
Sampling Int×Number
L1
3.500 [V]→3.435 [V]
2000 [μs]×1000 [回]
L2
2.100 [V]→2.067 [V]
3000 [μs]×1000 [回]
L3
1.300 [V]→1.285 [V]
5000 [μs]×1000 [回]
L4
0.800 [V]→0.794 [V]
8000 [μs]×1000 [回]
2
膜厚:20.0 [μm]、面積:0.168 [cm ]、N719、TiO2サンプルセルを使用
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Pg. 68
9- 6. 電 子 密 度 (n ) 測 定
SLIM-PCV法による電子密度の測定は以下の手項により行われます。
図 9-6-1. 電子密度測定 測定概要
1.
計測装置本体(PSL-100-M)「リソースバイアス電源」の設定値 “0 [V]”とします。
このことにより、光学ベンチ(PSL-100-O)内にセットされた色素増感太陽電池サンプルセルの出力両端が仮想
的に「短絡状態」となります。(図9-6-2)
図 9-6-2. セルの仮想短絡
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Pg. 69
2.
サンプルセル受光面に対して光強度“Eini”のレーザ光を照尃しますと、光励起したセルから仮想的な「短絡電
流(Isc)」が流れます。
計測装置本体は、この電流値を計測します。(図9-6-3)
図 9-6-3. 仮想短絡電流
3.
光強度“Eini”でのレーザ光照尃を続けたまま「リソースバイアス電源」の設定値を徐々に上げますと、計測中の
電流値が減尐して行きます。
結果的に、「リソースバイアス電源の設定値」が「光強度“Eini”におけるセル開放電圧」と同じ値になった時、計
測中の電流値が “0 [mA]” となります。
このポイントを仮想的な「開放電圧(Voc)」状態と考えます。(図9-6-4)
図 9-6-4. 仮想開放電圧
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Pg. 70
4.
仮想的な開放電圧状態となったところで、セルに対する「バイアス電位の印加」と「レーザ光照尃」を同時に
「OFF」にします。
この操作により、セル内部に蓄えられた「電子」が「電流」というかたちで計測されます。
図 9-6-5. 内部励起電子の計測
5.
計測装置本体はこの一連の操作に対する制御・モニターを行い、「バイアス電位の印加」と「レーザ光照尃」を
同時に「OFF」にした瞬間に起こる「電流過渡応答」を計測します。
6.
計測されたデータは計測PCへと送られ、PSL-100ソフトウェア画面上に「電流過渡応答波形」を表示します。
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Pg. 71
この測定シーケンスは次図(図9-6-6)のようになり、図中、上段が光源であるレーザの「光強度制御」を、中段がリソ
ースバイアスの「印加電圧制御」を、下段がサンプルセル電流の「過渡応答」をそれぞれ表しています。
図 9-6-6. 電子密度測定 測定シーケンス
SLIM-PCV法では、測定によって得られた「電流過渡応答波形」を時間積分することでサンプルセルから抽出された
「電荷量:Q [C]」を算出します。
-3
この電荷量を次式に代入することで、「電子密度:n [cm ]」を算出します。
SLIM-PCV法では1つのサンプルセルに対する上述「電子密度測定」を、レーザ光強度を変化させながら数回行い
ます。
PSL-100ソフトウェアでは、このSLIM-PCV法による「測定」から「算出」までの操作を簡単に行えます。
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Pg. 72
1. 設定画面
PSL-100ソフトウェアを起動し「メイン画面(図9-1-8)」上の[電子密度(n)測定]ボタンをクリックしますと、次図(図
9-6-7)のように「電子密度測定 設定画面」へと進みます。
①
②
③
図 9-6-7. 電子密度測定 設定画面
この「設定画面」にあります各頄目を入力し、仮想開放電圧状態の設定(モニターモード)および「電子密度測定」を実
行します。
① メニューバー
「電子密度測定 設定画面」には2つのメニュー頄目があります。
それぞれの頄目をクリックすることでメニュー内容を表示し、操作・選択を行います。
ファイル(F):
ファイル操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は以下となります。
設定(S)
[開く(O)] :
過去に測定したデータファイル(.parファイル)を呼び出します。
[保存(S)] :
画面内に記入されている設定パラメータをデータファイル形式(.par)で保存します。
[戻る(C)]:
「設定画面」を終了し「メイン画面」へ戻ります。
設定操作を実行するための頄目です。
本メニューには操作可能な頄目がありません。
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② パラメータ入力・表示
「電子密度測定 設定画面」には12のパラメータ入力・表示欄があります。
それぞれの欄をクリックし入力操作を行います。
データファイル名(.parファイル)の表示欄です。
File Name:
過去に測定したデータファイルを呼び出した際、そのファイル名を表示します。
Sampling Int (μs):
測定のサンプリング間隔を入力する欄です。
(測定必須パラメータ)
本欄で設定した時間間隔ごとに、測定データをサンプリングします。
単位:
[μs]、半角数字により入力します。
設定可能範囲:
10 [μs] ~ 9999990 [μs]
設定分解能:
10 [μs]
Sampling Number (回):
測定のサンプリング回数を設定する入力欄です。
(測定必須パラメータ)
本欄で設定した回数、測定データをサンプリングします。
単位:
[回]、半角数字により入力します。
設定可能範囲:
1 [回] ~ 9999 [回]
設定分解能:
1 [回]
待ち時間設定 (s):
サンプルセルの受光面に対しレーザ光を照尃した際、光励起が安定するまでの照
(測定必須パラメータ)
尃時間(待ち時間)を設定する欄です。
単位:
[s]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0 [s] ~ 3600 [s]
設定分解能:
1 [s]
Laser Initial (V):
測定時、サンプルセル受光面へ照尃するレーザ光の光強度初期値を入力する欄
(測定必須パラメータ)
です。
リソースバイアス (V)
単位:
[V]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.100 [V] ~ 4.000 [V]
設定分解能:
0.001 [V]
「モニターモード」でサンプルセルを仮想開放電圧へと設定する際、セルに印加す
るバイアス電位量を入力する欄です。
入力欄横にあります[SET]ボタンをクリックすることで、入力値を確定します。
単位:
[V]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.100 [V] ~ 4.000 [V]
設定分解能:
0.001 [V]
サンプル膜厚設定 (μm):
測定に用いるサンプルセルの半導体電極膜厚値を入力する欄です。
(測定必須パラメータ)
本欄で入力した値を用いて「電子密度」の算出を行います。
2
単位:
[μm]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.01 [μm] ~ 99.99 [μm]
設定分解能:
0.01 [μm]
サンプル面積 (cm ):
測定に用いるサンプルセルの受光面積値を入力する欄です。
(測定必須パラメータ)
本欄で入力した値を用いて「電子密度」の算出を行います。
2
単位:
[cm ]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.0001 [cm ] ~ 16.0000 [cm ]
設定分解能:
0.0001 [cm ]
2
2
2
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空孔率:
セル半導体委電極に用いられる多孔質材の空孔率を入力する欄です。
(測定必須パラメータ)
本欄で入力した値を用いて「電子密度」の算出を行います。
空孔率(ρ)は“0≦ρ<1”の値となり、“0”のときが空孔無しとなります。
本頄目の情報を必要とされない場合には、算出結果に影響がない“0”を
入力してください。
本欄は半角数字により値を入力します。
コメント:
設定可能範囲:
0.000 ~ 1.000
設定分解能:
0.001
測定に関するメモ書きや、サンプルセルの組成データなど任意のコメントが入力で
きます。
最大で全角64文字(半角128文字)まで入力可能です。
「モニターモード」でサンプルセルを仮想開放電圧へと設定する際、操作
Monitor
中のセル出力「電圧」および「電流」リアルタイム計測値を表示します。
測定レンジ
上段:
V [mV] (電圧値)
下段:
I [mA] (電流値)
「モニターモード」でサンプルセルを仮想開放電圧へと設定する際、セル
から出力される電流の計測レンジを設定する頄目です。
プルダウンメニューにある4つの中から最適の電流計測レンジを選択
します。
尚、空欄にしますと、自動的に[100mA]レンジが選択されます。
選択頄目:
100mA/10mA/1mA/100μA
③ 操作ボタン
「電子密度測定 設定画面」には5つの操作ボタンがあります。
ボタンをクリックして各操作を行います。
測定開始:
上記②の「測定必須パラメータ」入力後、本ボタンをクリックすることで「電子密度」の測定を開始し
ます。
「測定必須パラメータ」に未入力がある場合、本ボタンをクリックしても測定が開始されず、次図(図
9-6-8)のような「エラーメッセージ」が現れますので修正を行ってください。
図 9-6-8. 測定開始時エラー例
Laser On:
光学ベンチ内の調整時など測定以外の状況でレーザ光を出力させる場合、本ボタンをクリックし
ます。
本ボタンを押下した場合のレーザ光強度は、上記② [Laser Initial (V)] の入力値が反映されま
す。
Laser Off:
上記 [Laser On] 操作にて出力させたレーザ光を止める場合に本ボタンをクリックします。
Monitor
仮想開放電圧状態を設定する「モニターモード」を開始する際、本ボタンをクリックします。
戻る:
「設定画面」を終了し「メイン画面」へと戻る際、本ボタンをクリックします。
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2. モニターモード 操作手項
先述のとおり「電子密度測定」では、光照尃下の色素増感太陽電池サンプルセルに対して「バイアス電位」を印加す
ることにより、まず「仮想開放電圧状態」とする必要があります。
この「仮想開放電圧状態」となったサンプルセルへの「光照尃」と「バイアス電位の印加」を同時に「OFF」することで
観測できるセル「電流過渡応答波形」から「電子密度」を導出します。
ここでは、測定に用いるサンプルセルを「仮想開放電圧状態」とする「モニターモード」の操作手項について説明します。
「設定画面(図9-6-7)」内の「測定必須パラメータ」を入力した後、画面内[測定電流レンジ]頄目から電流モニターを
行う際のフルスケールレンジを設定します。(図9-6-9)
測定に用いるサンプルセルにより多尐の差はありますが、「モニターモード」の開始時は “1mA” レンジの選択をお
勧めします。
図 9-6-9. モニターモード 電流レンジの設定
[リソースバイアス(V)]の設定値が“0”となっていることを確認し[Monitor]ボタンをクリックしますと、画面内「リアルタ
イムモニター」の表示が開始されます。(図9-6-10)
図 9-6-10. モニターモード開始
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Pg. 76
ここで、[Laser On]ボタンをクリックしますと、[Laser Initial (V)]設定値による光強度でサンプルセルに対しレーザ
光照尃を行います。
この時、サンプルセルは「リソースバイアス電源」により仮想的に短絡されていますので、計測された「短絡電流値」
を「リアルタイムモニター」に表示します。(図9-6-11)
図 9-6-11. モニターモード LaserOn
「モニターモード」では[リソースバイアス(V)]の設定電位を徐々に上げていきながら、「リアルタイムモニター」表示さ
れる「電流値」を限りなく“0”に近づけることでセルの「仮想開放電圧状態」を設定します。
モニターモード中の「リソースバイアス印加電位」変更は、次図(図9-6-12)のとおり[リソースバイアス(V)]設定欄へ
印加させたい電位量を入力し、[SET]ボタンをクリックすることで行います。
[SET]ボタンを押しますとセルへのバイアス電位印加量の変更が確定し、実際のセル電圧計測値が「リアルタイム
モニター」に表示されます。
図 9-6-12. モニターモード リソースバイアス電位量の変更
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Pg. 77
バイアス電位印加量を徐々に増加させますとセルから出力される「電流」は減尐して行きますので、その計測される
電流値に合わせ[測定レンジ]を変更します。
次図(図9-6-13)のように電流計測値が “0.1000 [mA]” 以下となりましたら、[100μA]レンジを使用します。
図 10-6-13. モニターモード 電流計測値と測定レンジ
このようにしてバイアス電位印加量を調節しながら電流値をモニターし、電流計測値が限りなく “0” に近づきました
らそのポイントが「仮想開放電圧状態」ですので、[測定開始]ボタンをクリックし「電子密度測定」を開始します。(図
9-6-14)
図 9-6-14. モニターモード 仮想開放電圧状態と電子密度測定開始
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3. 測定中画面
『9-6. 電子密度(n)測定、2. モニターモード操作手項』により仮想開放電圧状態へ設定した後、[測定開始]ボタンを
クリックしますと「電子密度測定」が開始され、次図(図9-6-15)のように「測定中画面」へと進みます。
測定を途中で強制終了させる場合には、「測定中画面」内にあります[中止]ボタンをクリックしますと測定は中止さ
れ、「設定画面」へと戻ります。
図 9-6-15. 電子密度測定 測定中画面
4. 測定結果画面
測定が終了しますと次図(図9-6-16)のように「測定結果画面」へと進みます。
③
②
①
④
図 9-6-16. 電子密度測定 測定結果画面
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Pg. 79
① 測定結果-グラフ表示
「電子密度測定」結果を「時間-電流」のグラフとして描画します。
又、測定結果である「電流過渡応答波形(赤線)」を時間積分した「電気量(青線)」を重ね描きします。
② 測定結果-数値データ表示
上記①の「測定結果グラフ」から得られる数値データを表示します。
電気量 Q [C]:
「電流過渡応答波形」を時間積分した最終値です。
-3
電子密度 n [cm ]:
測定結果データを基に算出された値です。
レーザイニシャル時 Voc [mV]:
電子密度測定を開始した時の「リソースバイアス」設定値です。
この値は「解析プロット図」を作成する際のデータとなります。
③ メニューバー
「電子密度測定 測定結果画面」には2つのメニュー頄目があります。
それぞれの頄目をクリックすることでメニュー内容を表示し、操作・選択を行います。
ファイル(F):
ファイル操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は以下となります。
設定(S):
[開く(O)]:
過去に測定したデータファイル(.parファイル)を呼び出します。
[保存(S)]:
表示されている測定結果をデータファイル形式(.parファイル)で保存します。
[戻る(C)]
「測定結果画面」を終了し「設定画面」へ戻ります。
設定操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は[積分範囲]となり、「電流過渡応答波形」を時間積分する際の開始点と終了点
を設定する子画面を呼び出します。
④ 操作ボタン
「電子密度測定 測定結果画面」には2つの操作ボタンがあります。
ボタンをクリックして各操作を行います。
印刷:
PCにプリンターが接続されている場合、本ボタンをクリックすることにより「測定結果画面」のグラフ表示
部および、数値データ表示部をプリントアウトすることができます。
戻る:
「測定結果画面」を終了し「設定画面」へ戻ります。
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Pg. 80
5. 積分範囲指定
SLIM-PCV法による「電子密度(n)」の導出は、測定により得られた「電流過渡応答波形」に対して時間積分を行い、
電気量 “Q [C]” を求める必要があります。
グラフ内の赤線による表示が測定により得られた「電流過渡応答波形」、青線による表示が「電流過渡応答波形」を
時間積分することで算出した「電気量Q」となります。
図 9-6-17. 電子密度測定 測定結果グラフ表示
上図(図9-6-17)では、過渡応答波形(赤線)への時間積分(青線)が測定時間の一部分となっております。
より正確な「電気量:Q [C]」を算出するためには、この時間積分(青線)の区間を「電流過渡応答」が始まる直近のポ
イントから完全に収束するポイントへ修正する必要があります。
この時間積分ポイントの修正を行うため、「測定結果画面」のメニューバー[設定(S)]→[積分範囲]を選択し、「積分
範囲の設定」子画面(図9-6-18)を起動させます。
この「積分範囲の設定」子画面内、[開始]および[終了]の設定値を変更することで、「時間積分」操作を行います。
図 9-6-18. 積分範囲の設定
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Pg. 81
PSL-100ソフトウェアの「電子密度(n)測定」結果グラフ表示では、「電
流過渡応答波形」ピークのポイントを適切に捉えるため、このポイント
が全データ数の10%目となるようデータサンプリングを行っています。
(図9-6-19)
ここで、全データ数とは「設定画面」内の[Sampling Number]設定値を
指します。
上記の例では、全データ数を「5000点」としていますので、その10%で
ある「500点」を時間積分範囲開始の目安とします。
図 9-6-19. 過渡応答波形のピークポイント
尚、積分範囲の終了点は全データ数と同じ値を設定します。
測定結果画面(図9-6-7)の「時間積分範囲」を[開始:500]、[終了:5000]と設定し、再描画させたグラフを次図(図
9-6-20)に示します。
「電流過渡応答波形(赤線)」に対する「時間積分(青線)」が最適となっています。
又、「測定結果画面内」の数値データ部も積分範囲の修正により更新されていることがわかります。
図 9-6-20. 電子密度測定 積分範囲最適化グラフ
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6. データ保存
測定結果データを保存するには、「測定結果画面」のメニューバー[ファイル(F)]→[保存(S)]を選択し、「名前を付け
て保存」子画面を起動させます。(図9-6-21)
図 9-6-21. データ保存
「名前を付けて保存」子画面内[ファイルの場所(I)]には、『9-2. 測定データフォルダーの作成』で作成したフォルダ
ーを指定します。
SLIM-PCV法では、測定に使用するサンプルセルの「光強度依存」傾向を考察するため、異なるレーザ光強度にお
ける「電子密度測定」を4回~8回行います。
これらの測定データを効率よく整理するため、PSL-100ソフトウェアでは次のような「ファイル名」のルールを定めて
います。
電子密度の測定データは
<Q1_XXX.par>、<Q2_XXX.par>、・・・・・
のように必ず“Q”から始まる3文字のヘッダを付記します。
(図9-6-22)
図 9-6-22. 電子密度 データファイル名ルール
1文字目:
“Q”は電子密度の測定データであることを意味します。
2文字目:
レーザ光強度初期値の強弱項に “1” ~ “8” までの数字が入ります。
3文字目:
アンダーバーを入れ、この後に任意のファイル名を付けます。
又、測定データファイルの拡張子は“.par”で、これはカンマ区切りのテキストファイル形式となります。
このルールによる「ファイル名」を「名前を付けて保存」子画面内[ファイル名(N)]欄に入力し、[保存(S)]ボタンをクリ
ックします。
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7. データ読み込み
PSL-100ソフトウェアでは過去に測定した「測定結果データ」を読み込み、「測定結果画面」を再現することができます。
「電子密度測定 設定画面(図9-6-7)」又は「電子密度測定 測定結果画面(図9-6-16)」画面のメニューバーから[フ
ァイル(F)]→[開く(O)]と選択し、「ファイルを開く」子画面を起動させます。(図9-6-23)
図 9-6-23. データ読み込み
「ファイルを開く」子画面内から、読み込みを行いたい電子密度測定結果データ“Q$_xxx.par”ファイルを指定し、[開
く(O)]ボタンをクリックします。
ここで、「電子密度測定」以外の測定結果データを指定しますと、次図
(図9-6-24)のような「エラー画面」が表示されますので、操作をやり直し
てください。
正しくファイル名を指定しますと、次図(図9-6-25)のように過去に測定し
図 9-6-24. ファイル読み込みエラー画面
た電子密度測定の結果画面が表示されます。(このファイルを保存した
時の「積分範囲結果」も再現されます。)
図 9-6-25. 測定結果データの読み込み完了
又、この画面から[戻る]ボタンをクリックしますと、測定条件を確認することができます。
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Pg. 84
8. 測定に関して
SLIM-PCV法による電子密度の測定では、光照尃下で仮想的に開放電圧状態へと設定された色素増感太陽電池
サンプルセル内部に蓄えられた電荷を「電流過渡応答」波形として計測しますが、この「過渡応答」を正確に捉える
ためにはいくつかの注意が必要となります。
この「過渡応答」は非常に速い物理現象ですので、測定時の「サンプリング間隔(Sampling Int)」の設定も速くする必
要があります。
右図(図9-6-26)の例では、同じ「過渡応答反応」を「速い」
サンプリング間隔で計測した場合と、「遅い」サンプリング
間隔で計測した場合の比較を表しています。
電子密度の測定では、電流過渡応答波形を時間積分す
ることで「電気量:Q」を求めます。
これは、図中の「青」および「赤」の面積に相当します。
この例からも明らかなように、「サンプリング間隔」を速くす
図 9-6-26. サンプリング間隔による違い
るほど実際の波形面積に近づきます。
電子密度測定の過渡応答波形を正確に捉えるため、経験的に「サンプリング間隔(Sampling Int)」の設定値を“100
[μs]”以下として測定することをお勧めします。
又、応答波形の「収束」を確実にするため、「測定点数(Sampling Number)」の設定値も長めの“4000~5000[回]”
程度に設定することをお勧めします。
参考として、色素増感太陽電池サンプルセルの「電子密度測定」測定結果例を以下に示します。
測定結果 Q1
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Pg. 85
測定結果 Q2
測定結果 Q3
測定結果 Q4
<測定条件>
No.
Laser Ini
Sampling Int×Number
Q1
3.500 [V]
100 [μs]×5000 [回]
Q2
2.100 [V]
100 [μs]×5000 [回]
Q3
1.300 [V]
100 [μs]×5000 [回]
Q4
0.800 [V]
100 [μs]×5000 [回]
2
膜厚:20.0 [μm]、面積:0.168 [cm ]、N719、TiO2サンプルセルを使用
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Pg. 86
9- 7. I -V カ ー ブ 測 定
SLIM-PCV法による測定・解析と直接の関係はありませんが、本装置にはレーザ光による「I-Vカーブ」測定機能が
搭載されています。
測定に用いる色素増感太陽電池サンプルセルの「劣化度」を調べる時などにご使用ください。
I-Vカーブの測定は以下の手項により行われます。
図 9-7-1. I-V カーブ測定 測定概要
1.
光学ベンチ(PSL-100-O)内にセットされた色素増感太陽電池のサンプルセル受光面に対し、光源であるレー
ザから光を照尃します。
2.
サンプルセルの光励起が十分に安定したところで「リソースバイアス電源」を用い、セルの出力両端へバイアス
電位を印加します。
3.
サンプルセルへのバイアス電位印加量を一定の速度でスイープ(挿引)します。
4.
計測装置本体(PSL-100-M)はこの一連の操作に対する制御および計測を行い、「バイアス電位の印加量変
化」に対するセル出力電流を計測します。
5.
計測されたデータは計測PCへと送られ、PSL-100ソフトウェア画面上に「I-Vカーブ波形」を表示します。
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Pg. 87
1. 設定画面
PSL-100ソフトウェアを起動し「PSL-100 メイン画面(図9-1-8)」上の[I-Vカーブ測定]ボタンをクリックしますと、次図
(図9-7-2)のように「I-Vカーブ測定 設定画面」へと進みます。
①
②
③
図 9-7-2. I-V カーブ測定 設定画面
この「設定画面」にあります各頄目を入力し、[測定開始]ボタンをクリックしますと「I-Vカーブ測定」を実行します。
① メニューバー
「I-Vカーブ測定 設定画面」には2つのメニュー頄目があります。
それぞれの頄目をクリックすることでメニュー内容を表示し、操作・選択を行います。
ファイル(F):
ファイル操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は以下となります。
設定(S)
[開く(O)] :
過去に測定したデータファイル(.parファイル)を呼び出します。
[保存(S)] :
画面内に記入されている設定パラメータをデータファイル形式(.par)で保存します。
[戻る(C)]:
「設定画面」を終了し「メイン画面」へ戻ります。
設定操作を実行するための頄目です。
本メニューには操作可能な頄目がありません。
② パラメータ入力・表示
「I-Vカーブ測定 設定画面」には11のパラメータ入力・表示欄があります。
それぞれの欄をクリックし入力操作を行います。
File Name:
データファイル名(.parファイル)の表示欄です。
過去に測定したデータファイルを呼び出した際、そのファイル名を表示します。
Sampling Number (回):
測定のサンプリング回数を設定する入力欄です。
(測定必須パラメータ)
本欄で設定した回数、測定データをサンプリングします。
単位:
[回]、半角数字により入力します。
設定可能範囲:
1 [回] ~ 9999 [回]
設定分解能:
1 [回]
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挿引時間設定 (s):
I-Vカーブ測定の電圧挿引時間を設定する入力欄です。
(測定必須パラメータ)
後述、[挿引開始電圧(mV)]設定値から[挿引終了電圧(mV)]までの
電圧幅を、本欄で設定した時間で挿引します。
単位:
[s]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0 [s] ~ 99 [s]
設定分解能:
1 [s]
待ち時間設定 (s):
サンプルセルの受光面に対しレーザ光を照尃した際、光励起が安定するまでの照
(測定必須パラメータ)
尃時間(待ち時間)を設定する欄です。
単位:
[s]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0 [s] ~ 3600 [s]
設定分解能:
1 [s]
Laser Initial (V):
測定時、サンプルセル受光面へ照尃するレーザ光の光強度初期値を入力する欄
(測定必須パラメータ)
です。
挿引開始電圧 (mV)
(測定必須パラメータ)
単位:
[V]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.100 [V] ~ 4.000 [V]
設定分解能:
0.001 [V]
I-Vカーブ測定の電圧挿引開始電圧を設定する入力欄です。
単位:
[mV、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
-300 [mV] ~ 1200 [mV]
設定分解能:
0.1 [mV]
挿引終了電圧 (mV)
I-Vカーブ測定の電圧挿引終了電圧を設定する入力欄です。
(測定必須パラメータ)
必ず、“挿引開始電圧≠挿引終了電圧”となるような値を入力します。
サンプル膜厚設定 (μm):
2
サンプル面積 (cm ):
コメント:
単位:
[mV、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
-300 [mV] ~ 1200 [mV]
設定分解能:
0.1 [mV]
測定に用いるサンプルセルの半導体電極膜厚値を入力する欄です。
単位:
[μm]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.01 [μm] ~ 99.99 [μm]
設定分解能:
0.01 [μm]
測定に用いるサンプルセルの受光面積値を入力する欄です。
2
単位:
[cm ]、半角数字により値を入力します。
設定可能範囲:
0.0001 [cm ] ~ 16.0000 [cm ]
設定分解能:
0.0001 [cm ]
2
2
2
測定に関するメモ書きや、サンプルセルの組成データなど任意のコメントが入力で
きます。
最大で全角64文字(半角128文字)まで入力可能です。
測定レンジ:
「モニターモード」でサンプルセルを仮想開放電圧へと設定する際、セルから出力
される電流の計測レンジを設定する頄目です。
プルダウンメニューにある4つの中から最適の電流計測レンジを選択します。
尚、空欄にしますと、自動的に[100mA]レンジが選択されます。
選択頄目:
100mA/10mA/1mA/100μA
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③ 操作ボタン
「I-Vカーブ測定 設定画面」には4つの操作ボタンがあります。
ボタンをクリックして各操作を行います。
測定開始:
上記②の「測定必須パラメータ」入力後、本ボタンをクリックすることで「I-Vカーブ」の
測定を開始します。
「測定必須パラメータ」に未入力がある場合、本ボタンをクリックしても測定が開始されず、
次図(図9-7-3)のような「エラーメッセージ」が現れますので修正を行ってください。
図 9-7-3. 測定開始時エラー例
Laser On:
光学ベンチ内の調整時など測定以外の状況でレーザ光を出力させる場合、本ボタンをクリックし
ます。
本ボタンを押下した場合のレーザ光強度は、上記② [Laser Initial (V)] の入力値が反映されま
す。
Laser Off:
上記 [Laser On] 操作にて出力させたレーザ光を止める場合に本ボタンをクリックします。
戻る:
「設定画面」を終了し「メイン画面」へと戻る際、本ボタンをクリックします。
2. 測定中画面
「設定画面(図9-7-2)」内の「測定必須パラメータ」を入力した後、[測定開始]ボタンをクリックしますと「I-Vカーブ測
定」が開始され、次図(図9-7-4)のように「測定中画面」へと進みます。
測定を途中で強制終了させる場合には、「測定中画面」内にあります[中止]ボタンをクリックしますと測定は中止さ
れ、「設定画面」へと戻ります。
図 9-7-4. I-V カーブ測定 測定中画面
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3. 測定結果画面
測定が終了しますと次図(図9-7-5)のように「測定結果画面」へと進みます。
③
②
①
④
図 9-7-5. I-V カーブ測定 測定結果画面
① 測定結果-グラフ表示
「I-Vカーブ測定」結果を「電圧-電流」のグラフとして描画します。
又、測定結果である「I-Vカーブ(赤線)」から導出された「P-Vカーブ(青線)」を重ね描きします。
② 測定結果-数値データ表示
上記①の「測定結果グラフ」から得られる数値データを表示します。
短絡電流 Isc:
「I-Vカーブ(赤線)」と電流軸の交点から導出された「短絡電流値」を表示します。
開放電圧 Voc:
「I-Vカーブ(赤線)」と電圧軸の交点から導出された「開放電圧値」を表示します。
最大電力 Pm:
「P-Vカーブ(青線)」のデータから「電力」の最大値を求め、その値を表示します。
曲線因子 FF:
測定結果からサンプルセルの「曲線因子(フィル・ファクター)」を算出し、その値を表示します。
③ メニューバー
「I-Vカーブ測定 測定結果画面」には2つのメニュー頄目があります。
それぞれの頄目をクリックすることでメニュー内容を表示し、操作・選択を行います。
ファイル(F):
ファイル操作を実行するための頄目です。
メニュー内容は以下となります。
設定(S):
[開く(O)]:
過去に測定したデータファイル(.parファイル)を呼び出します。
[保存(S)]:
表示されている測定結果をデータファイル形式(.parファイル)で保存します。
[戻る(C)]
「測定結果画面」を終了し「設定画面」へ戻ります。
設定操作を実行するための項目です。
本メニューには操作可能な項目がありません。
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④ 操作ボタン
「I-Vカーブ測定 測定結果画面」には2つの操作ボタンがあります。
ボタンをクリックして各操作を行います。
印刷:
PCにプリンターが接続されている場合、本ボタンをクリックすることにより「測定結果画面」のグラフ表示
部および、数値データ表示部をプリントアウトすることができます。
戻る:
「測定結果画面」を終了し「設定画面」へ戻ります。
4. データ保存
測定結果データを保存するには、「測定結果画面」のメニューバー[ファイル(F)]→[保存(S)]を選択し、「名前を付け
て保存」子画面を起動させます。(図9-7-6)
任意のフォルダーを指定し、任意のファイル名で保存します。(拡張子は“.par”)
図 9-7-6. データ保存
他の測定データと異なり「I-Vカーブ」の測定データには「ファイル名」のルールはありませんが、測定データ管理の観
点から『9-2. 測定データフォルダーの作成』で作成したフォルダーに保存することをお勧めします。
5. データ読み込み
PSL-100ソフトウェアでは過去に測定した「測定結果データ」を読み込み、「測定結果画面」を再現することができます。
「I-Vカーブ測定 設定画面(図9-7-2)」又は「I-Vカーブ測定 測定結果画面(図9-7-5)」画面のメニューバーから[ファ
イル(F)]→[開く(O)]と選択し、「ファイルを開く」子画面を起動させます。(図9-7-7)
図 9-7-7. データ読み込み
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「ファイルを開く」子画面内から、読み込みを行いたいI-Vカーブ測定結果データファイルを指定し、[開く(O)]ボタンを
クリックします。
ここで、「I-Vカーブ測定」以外の測定結果データを指定しますと、次図
(図9-7-8)のような「エラー画面」が表示されますので、操作をやり直し
てください。
図 9-7-8. ファイル読み込みエラー画面
正しくファイル名を指定しますと、次図(図9-7-9)のように過去に測定したI-Vカーブ測定の結果画面が表示されます。
(このファイルを保存した時の「フィッティング結果」も再現されます。)
図 9-7-9. 測定結果データの読み込み完了
又、この画面から[戻る]ボタンをクリックしますと、測定条件を確認することができます。
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10. データ解析とソフトウェア操作
色素増感太陽電池評価装置PSL-100には、各測定により得られたデータを基に「データテーブル」を作成し、色素増感太
陽電池サンプルセルの評価に用いる「解析プロット図」を描画する機能があります。
ここでは、「データテーブル」の作成から「解析プロット図」の描画までのソフトウェア操作方法について説明します。
10 -1 . デ ータ 解 析 機 能 の 基 本 操 作
PSL-100ソフトウェアを起動し「メイン画面(図9-1-8)」左上にあります「メニューバー」から[解析]→[サンプル毎の解
析]と選択しますと「データ解析機能」へと進み、次図(図10-1)のように「データ解析画面」が起動します。
図 10-1. データ解析機能の起動と終了
「データ解析機能」を終了する際には、画面右下にあります[終了]ボタンをクリックします。
又、画面右上にあります[閉じる]ボタンをクリックすることでも本機能を終了できます。
尚、本機能を終了しますと「メイン画面(図9-1-8)」へと戻ります。
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10 -2 . デ ータ 解 析 画 面
「データ解析画面」では、「測定結果データファイル」の読み込み操作、作成された「データテーブル」の保存、「解析
プロット図」の描画などを行います。
尚、本画面上に読み込み可能な「測定結果データファイル」は、『9-2. 測定データフォルダーの作成』で作成したフォ
ルダー内へ「ファイル名のルール」通りに保存されたデータファイルのみとなりますのでご注意ください。
図 10-2-1. データ解析画面
1. 測定データファイルの読み込み
PSL-100ソフトウェアにより測定されたサンプルセルの各「測定結果データファイル」を「データ解析画面」上に読み
込みますと、画面中央に「データテーブル」というかたちで表示されます。(図10-2-1)
このファイル読み込み操作には「フォルダー」内に含まれる全ての「測定結果データファイル」を一括で読み込む方
法と、「フォルダー」内にある任意の「測定結果データファイル」のみ読み込む方法があります。
(1)
「測定結果データファイル」一括読み込み
『9-2. 測定データフォルダーの作成』で作成したフォルダー内へ「ファイル名のルール」通りに保存された「電
子拡散係数測定結果データファイル」、「電子寿命測定結果データファイル」、「電子密度測定結果データファイ
ル」を一括で読み込む方法です。
「データ解析画面(図10-2-1)」下部にあります[測定データ結果選択]ボタンをクリックしますと、「フォルダーの
参照」子画面が起動します。(図10-2-2)
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図 10-2-2. フォルダーの参照子画面
子画面内から読み込み対象となる「フォルダー」を選択し[OK]ボタンをクリックしますと、「フォルダー」内にある
「測定結果データ」が「データテーブル」部に表示されます。(図10-2-3)
図 10-2-3. 測定結果データの読み込み
尚、読み込み対象となる「フォルダー」内の「電子拡散係数測定」、「電子寿命測定」および「電子密度測定」の
各「測定結果データファイル」数が異なりますと、正確なデータ表示がおこなわれませんのでご注意ください。
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(2)
任意の「測定結果データファイル」のみ読み込み
『9-2. 測定データフォルダーの作成』で作成したフォルダー内へ「ファイル名のルール」通りに保存された「測
定結果データファイル」のうち、任意の測定結果のみ読み込む方法です。
「データ解析画面(図10-2-1)」上部にあります[電子拡散係数測定結果選択]ボタンをクリックしますと、「フォル
ダーの参照」子画面が起動します。(図10-2-4)
図 10-2-4. フォルダーの参照子画面
子画面内から読み込み対象となる「フォルダー」を選択し[OK]ボタンをクリックしますと、「フォルダー」内にあ
る「電子拡散係数測定結果データ」のみが「データテーブル」部に表示されます。
図 10-2-5. 測定結果データの読み込み
同様に、「電子寿命測定結果データ」のみを読み込む場合には[電子寿命測定結果選択]ボタンを、「電子密
度測定結果データ」のみを読み込む場合には[電子密度測定結果選択]ボタンをクリックし、「フォルダーの選
択」子画面内から読み込み対象となる「フォルダー」を選択することで、それぞれのデータが表示されます。
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2. データテーブル
『10-2. データ解析画面、1. 測定データファイルの読み込み』により読み込まれた各「測定結果データ」は、次図(図
10-2-6)のような「データテーブル」となります。
電子拡散係数測定
電子寿命測定
電子密度測定
結果データ
結果データ
結果データ
E1
E2
E3
E4
図 10-2-6. データテーブル
「データファイル名のルール」に従って保存された各「測定結果データファイル」から、「解析プロット図」の描画に必要
なデータを自動抽出し「光強度」別にテーブルへと並べます。
本解析機能では、作成されたこの「データテーブル」を用いて「解析プロット図」を描画します。
3. データテーブルのファイル保存
「データテーブル」は、「カンマ区切りのテキストファイル」としてファイル保存することができます。
ファイル保存時には「サンプルセル名」や簡単な「メモ書き」を追記することもできます。
下図(図10-2-7)のように「測定結果データ」が読み込まれた状態で、必要に応じ画面上部の[Sample name]欄およ
び[コメント]欄へ簡単なメモを入力します。(両入力欄とも、最大で半角128文字まで入力可能)
図 10-2-7. データテーブルのファイル保存
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記入が終了しましたら、画面左下にあります[データ書き込み]ボタンをクリックし、次図(図10-2-8)「名前を付けて保
存」子画面を起動します。
フォルダーを指定し、任意のファイル名で保存します。(拡張子は“.par”)
図 10-2-8. データ保存
「測定結果データファイル」と異なりこの「データ解析ファイル」には「ファイル名」のルールはありませんが、データ管
理の観点から『9-2. 測定データフォルダーの作成』で作成したフォルダーに保存することをお勧めします。
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10 -3 . 解 析 プ ロッ ト 図 の 描 画
1. 描画用データの選択
「データ解析画面」により作成された「データテーブル」を用いて、「解析プロット図」を描画します。
この「解析プロット図」を描画するためには、作成した「データテーブル」からプロットするデータを選択設定する必要
があります。
「データテーブル」上に並べられたデータ行の左端には、下図(図10-3-1)のように「光強度」毎の[番号]ボタンが付い
ています。
図 10-3-1. 解析プロット図 番号ボタン
この[番号ボタン]をクリックし選択状態とすることで、プロットするデータを設定します。(図10-3-2)
選択状態にある[番号ボタン]を再度クリックすることで、非選択状態へ戻すこともできます。
非選択状態
選択状態
図 10-3-2. プロットデータの選択設定
尚、「データ解析画面」左下にあります[一括設定]ボタン、[一括解除]ボタンを用いても、プロットするデータの選択、
非選択操作を行うことができます。(図10-3-3)
図 10-3-3. 一括設定/解除ボタ
ン
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2. 解析プロット図の描画
「データ解析画面」上でプロットするデータの選択設定ができましたら、画面下にあります[グラフ表示]ボタンをクリッ
クします。(図10-3-4)
図 10-3-4. 解析プロット図 グラフ表示ボタン
画面が切り替わり、下図(図10-3-5)のように「解析プロット図画面」の1ページ目が表示されます。
図 10-3-5. 解析プロット図
プロットするデータの選択設定がされていないまま[グラフ表示]ボタンをクリックしますと、下図(図10-3-6)のようなエ
ラー画面が表示されますので修正を行ってください。
図 10-3-6. データ選択設定エラー画面
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10 -4 . 解 析 プ ロッ ト 図 画 面
色素増感太陽電池サンプルセルの評価に用いる「解析プロット図」は次の4つとなります。
①
短絡電流密度 Jsc vs. 電子拡散係数 D
②
短絡電流密度 Jsc vs. 電子寿命 τ
③
電子密度 n vs. 電子寿命 τ
④
電子密度 n vs. 開放電圧 Voc
本データ解析機能では、これら「解析プロット図」を個別に表示します。
1. 解析プロット図画面の操作
「データ解析画面」から[グラフ表示]ボタンをクリックしますと、次図(図10-4-1)のように「解析プロット図画面」の1ペ
ージ目である「短絡電流密度vs電子拡散係数」図が表示されます。
図 10-4-1. 解析プロット図
この「解析プロット図画面」には、4つの操作ボタンがあります。
印刷:
PCにプリンターが接続されている場合、本ボタンをクリックすることにより画面表示されている「解
析プロット図」を印刷することができます。
前へ/次へ:
本ボタンを使用し、4つの「解析プロット図画面」のページ切替を行います。
キャンセル:
本ボタンをクリックしますと「解析プロット図画面」を終了し、「データ解析画面」へと戻ります。
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2. 解析プロット図
(1)
短絡電流密度 Jsc
vs.
電子拡散係数測定 D
2
2
作成された「データテーブル」から「短絡電流密度 Jsc [mA/cm ] 」と「電子拡散係数 D [cm /s] 」のデータを抽
出し、「光強度」毎にプロットします。(図10-4-2)
図 10-4-2. 短絡電流密度 vs 電子拡散係数
(2)
短絡電流密度 Jsc
vs.
電子寿命 τ
2
作成された「データテーブル」から「短絡電流密度 Jsc [mA/cm ] 」と「電子寿命 τ [s] 」のデータを抽出し、「光
強度」毎にプロットします。(図10-4-3)
図 10-4-3. 短絡電流密度 vs 電子寿命
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(3)
電子密度 n
vs.
電子寿命 τ
-3
作成された「データテーブル」から「電子密度 n [cm ] 」と「電子寿命 τ [s] 」のデータを抽出し、「光強度」毎に
プロットします。(図10-4-4)
図 10-4-4. 電子密度 vs 電子寿命
(4)
電子密度 n
vs.
開放電圧 Voc
-3
作成された「データテーブル」から「電子密度 n [cm ] 」と「開放電圧 Voc [mV] 」のデータを抽出し、「光強度」
毎にプロットします。(図10-4-5)
図 10-4-5. 電子密度 vs 開放電圧
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11. データの利用
PSL-100ソフトウェアにより測定された「計測データファイル(.par)」および、解析機能により作成された「解析データファイ
ル(.par)」は全て「カンマ(,)区切り」のテキストファイル形式となっております。
ここでは、このデータファイルを市販の「表計算ソフトウェア」あるいは「解析ソフトウェア」でご利用になられる場合の手項
等について説明します。
11 -1 . 計 測 デ ータ ファイ ル
1. データ呼び出しとデータ表
ご使用になる「表計算ソフトウェア」等を起動し、「計測データファイル(.par)」を「カンマ(,)区切りのデータ」として呼び
出しますと、下図(図11-1-1)のようなデータ表が表示されます。
(A) 設定に関するデータ領域
①
②
③
データ表の1行目から14行目までは測定条件の設
定に関するデータが並びます。
①列目は「データ識別文字」、②列目は「実データ」
(A)1 行目~14 行目
となります。
PSL-100ソフトウェア「設定画面」のデータです。
(B) 測定結果から得られた数値データ領域
データ表の15行目から21行目まで、27行目から31
(B)15 行目~21 行目
行目までは測定結果から得られた数値データが並
びます。
①列目は「データ識別文字」、②列目は「実データ」
(C)22 行目~26 行目
となります。
PSL-100ソフトウェア「測定結果画面」の数値デー
タです。
(B)27 行目~31 行目
(C) 測定結果グラフに関するデータ領域
(D)32 行目 以降
データ表の22行目から26行目までは測定結果グラ
フに関するデータが並びます。
①列目は「データ識別文字」、②列目は「実データ」
図 11-1-1. データ表
となります。
PSL-100ソフトウェア「測定結果画面」のフィッティングに関する数値データです。
(D) 実データ領域
データ表の32行目以降が実際の「電圧計測データ」および「電流計測データ」が並びます。
①列目は「データ識別文字」、②列目は「電圧計測データ」、③列目は「電流計測データ」となります。
グラフを描画させる場合には、この32行目以降のデータを利用します。
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Pg. 105
このデータ表は、「電子拡散係数(D)測定」、「電子寿命(τ)測定」、「電子密度(n)測定」、「I-Vカーブ測定」の各計測デ
ータファイルごとに収録データ内容が異なります。
データ表の①列目「データ識別文字」と「データ内容」の対応表および、測定頄目別の収録データ有無を次表(表
11-1)に示します。
表 11-1. データ識別文字対応表
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Pg. 106
2. データの操作
本計測データを「表計算ソフトウェア」等でグラフ描画させる場合には、ご自身で「タイムスケール(時間軸データ)」を
作成していただく必要があります。
この「タイムスケールデータ」の作成方法について以下に記します。
先述のとおり、データ表の1行目「E0」の値がサンプリング間隔となりますので、この値が「タイムスケール」の基とな
ります。
この値を、データ表の32行目からはじまる実データの横に入力します。
表計算機能を使用し、次の行以降サンプリング間隔ずつデータの最終行まで加算して行きます。
図 11-1-2. タイムスケール開始点
図 11-1-3. タイムスケール終了点
「時間-電流」のグラフ描画を行うのであれば、X軸に作成した「タイムスケール」、Y軸に「データ表③列目」を設定し
ます。
「時間-電圧」のグラフ描画を行うのであれば、X軸に作成した「タイムスケール」、Y軸に「データ表②列目」を設定し
ます。
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Pg. 107
11 -2 . 解 析 デ ータ ファイ ル
『11-1. 計測データファイル』と同様、「解析データファイル(.par)」を「カンマ(,)区切りのデータ」として呼び出しますと、
下図(図11-2-1)のようなデータ表が表示されます。
図 11-2-1. 解析データ表
このデータ表は、PSL-100ソフトウェアの「データ解析画面」と同じく「データテーブル」となります。
複数の「解析データファイル」から「データテーブル」を並べ、下図(図11-2-2)のように「解析プロット図」の重ね描きを
行う場合などに本データを用います。
図 11-2-2. 解析プロット図の重ね描き
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12. 励起光源レーザ波長オプション
色素増感太陽電池(DSC)の研究・開発では様々な「色素」が用いられており、それぞれ独自の「吸収波長」、「モル吸光係
数」を持ちます。
本システムでは標準の励起光源として“660 [nm] / 40 [mW] ”の半導体レーザを使用しておりますが、この励起光源波長
域に対しほとんど光吸収を持たない色素もDSCには採用されます。
このため、標準励起光源より短波長側となる“473 [nm] / 20 [mW] ”の半導体レーザをオプションとしてラインナップしてお
ります。
ここでは、オプションの半導体レーザにつきまして説明します。
※
この他の波長域(又は強度)レーザにつきましては、当社までお問い合わせください。
12 -1 . オ プ ショ ンレ ーザ 仕 様
本装置のオプションとして使用する半導体レーザは下記のものとなります。
MLX-D13-473-20 (キコー技研社製)
・
レーザ光波長:
473 [nm] ± 10 [nm]
・
LD最大定格:
20 [mW]
・
JIS安全クラス:
3B
・
光学レンズ部:
φ6.4 非球面ガラスレンズ
12 -2 . オ プ ショ ンレ ーザ 既 知 の 問 題
オプションとして用いる半導体レーザ(MLX-D13-473-20)は、レーザ内部に組み込まれているデバイスの特性上、僅
かな残留光が発生します。
これは装置本体に半導体レーザを接続し[Laser Initial (V)]値を“0 [V]”に設定しても、ほのかに発光する特性となり
ます。
この発光による光強度は極めて微弱なものですが、設置・調整作業中誤ってレーザ出力口を覗き込むなど、光を直
視しないよう十分にご注意ください。
尚、レーザの設置・調整作業を行う際には、必ずレーザゴーグルを着用頂けますようお願い致します。
警告・注意:
失明の恐れがありますので、絶対にレーザ光を直視しないでください。
又、本レーザは光強度をステップ状に変化させた際、極めて短時間のあいだ出力に歪みが発生します。
この歪み時間は、多くの色素増感太陽電池(DSC)セルでは応答できないほど短時間で収束しますが、万一、測定に
用いるDSCセルの電流過渡応答が“1 [msec]”よりも早い場合には、測定データに影響する可能性がありますのでご
注意ください。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 109
13. 正確な測定・評価のために
本システムでは、光源であるレーザの光強度をステップ状に微小変化させた際に色素増感太陽電池(DSC)セルから出力
される「短絡電流」および「開放電圧」の過渡応答波形を測定します。
本システムが準拠しておりますSLIM-PCV法による測定・評価では、微分方程式の解をこれら「過渡応答波形」に対して
“exp ( -t / τ )” のフィッティングを行うことから求め「電子拡散係数」、「電子寿命」を算出します。
従いまして、測定に用いるDSCセルの構造や構成は微分方程式の「初期条件」および「境界条件」を満たす必要がありま
す。
又、SLIM-PCV法で用いる上記微分方程式は、「拡散係数」および「電子寿命」を定数として扱っています。
これは、DSCの「拡散係数」、「電子寿命」が一般的に「電子密度」依存を持つことが基となっております。
よって実際の測定も、「DSCセル半導体電極中の電子密度が均一である」と近似可能な条件でおこなわれる必要があり
ます。
以上のことから、SLIM-PCV法による測定・評価では、測定対象であるDSCセルに対する「レーザ(光源)からの光照尃状
態」およびDSCセル「半導体電極膜内部の光励起状態」の確認が非常に重要となります。
測定に際し、光源となるレーザからDSCセル有効受光面に対して光照尃を行いますが、その照尃条件は「レーザの照尃
面積直径が測定対象となるDSCセルの膜厚より十分に長いこと且つ、拡散長より十分に長いこと」となります。
実際には、測定に用いるDSCセルの「有効受光面積」に対して光照尃面積(平凸レンズにより拡大されたレーザ照尃面)を
十分に大きくし、均一に照尃することとなります。
又、DSCへ光を照尃し電子を励起する場合、照尃面となる半導体電極側から対極側へ向かって励起密度が低くなりま
す。
これは、照尃面に近い方から光吸収が発生することに起因し、DSCが短絡回路状態、開放回路状態の何れであっても、
厳密には電子密度が均一でないことを意味します。
SLIM-PCV法による測定・評価では、測定に用いるDSCセルの半導体電極膜に対し「吸光係数が低い波長」を光源とし、
電極膜自体も「薄膜」とすることで「DSCセル半導体電極中の電子密度が均一である」と近似できる状態を得ます。
このことにより、「拡散係数」および「電子寿命」を定数として扱えるようになります。
本頄では、測定に用いるDSCセル受光面に対し光源であるレーザから光照尃を行う際の「注意点」および照尃状態の「確
認方法」について説明した後、光源として“473 [nm]”オプションレーザを使用する際の「注意点」について説明をします。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 110
13 -1 . サン プ ル セ ル 受 光 面 へ の 光 照 尃
前述のとおり、SLIM-PCV 法よる測定・評価では、色素増感太陽電池(DSC)セルの有効受光面全体に対し光照尃
することが重要となります。
DSC セル受光面に対する光照尃面積がセル有効受光面積より小さくなる場合、その要因の多くはレーザ光スポット
径を拡大する「レンズ位置」にあります。
本装置では、レーザから出力される光を平凸レンズで拡大しサンプルセル有効受光面へ照尃しますが、この平凸レ
ンズの位置が適切でない場合「集光」などの不具合が生じます。(図 13-1-1)
図 13-1-1. レンズ位置による光照尃の違い
測定に用いる DSC セルの受光面全体に対し十分な光照尃面積が得られているかを、「電子拡散係数(D)測定」のデ
ータから確認する方法があります。
DSC セルは、有効受光面への光照尃面積が十分に得られており、且つ半導体電極内の光励起分布が均一である
場合、同じ「短絡電流値(Isc)」における「電子拡散係数値」は一定の値となります。
一方、セル受光面に対する光照尃面積の大きさは、光源であるレーザとそのレーザ光を拡大するために用いる平凸
レンズの位置関係で決まります。
このことから、光学ベンチ内で「レーザ位置」および「サンプルセルホルダー位置」を任意の位置で固定し、両者の間
で「平凸レンズ位置」を「レーザ位置」に近いほうから徐々に数カ所移動させ、同じ「短絡電流値(Isc)」となる「電子拡
散係数(D)測定」を繰り返します。
平凸レンズが「セル有効受光面への光照尃面積が十分に得られており、且つ半導体電極内の光励起分布が均一と
なる」位置である間、「電子拡散係数(D)測定」により得られる「電子拡散係数値」は一定値を維持しますが、レンズ
位置が「サンプルセルホルダー」側へ近付き十分な光照尃面積を確保できなくなりますと、「電子拡散係数値」がそ
れまで維持していた一定値から外れます。
この「電子拡散係数値」が一定の値から外れてしまうポイントを避けることが、SLIM-PCV 法による測定・評価に適し
た光学条件(「レーザ」、「レンズ」および「サンプルセル」の位置決め)となります。
2
以下に、“0.16 [cm ]”の有効受光面積を持つ DSC セルを用いた光学条件確認例を、実データとともに記します。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 111
1. 光学条件の確認例
(1)
手項 1
光学ベンチ内にある光学部品のうち、「レーザホルダー(レーザ装着済み)」、「レンズホルダー(平凸レンズ装着
済み)」、「サンプルセルホルダー(DSC セル装着済み)」以外の部品を外し、十分なスペースを確保します。(図
13-1-2)
図 13-1-2. 光学ベンチ内部
(2)
手項 2
「レーザホルダー」と「サンプルセルホルダー」を任意の位置で決め、固定します。
続けて「レーザホルダー」と「サンプルセルホルダー」の間で「レンズホルダー」の位置を任意に決めますが、こ
の「レンズホルダー」の初期位置はなるべく「レーザホルダー」に近い場所を選びます。(この後、徐々に「サンプ
ルセルホルダー」方向へと移動させながら、「電子拡散係数(D)測定」を繰り返します。)
尚、光学ベンチには「スケール」が付いておりますので、位置決めの目安として、この「スケール」の読み値を使
用します。
今回の例では各光学部品の初期位置をスケールの読み値で以下としました。(図 13-1-3)
・
レーザホルダー
: 50 [mm]
・
サンプルセルホルダー
:600 [mm]
・
レンズホルダー
:200 [mm]
図 13-1-3. 各光学部品 初期位置
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 112
(3)
手項 3
レーザゴーグルを装着し、サンプルセルの有効受光面全体に光が照尃されるよう「レーザホルダー」の XYZ ス
テージ操作により微調整します。(図 13-1-4)
図 13-1-4. セル受光面への光照尃例
(4)
手項4
任意のレーザ強度で「電子拡散係数(D)測定」を行います。
2
測定結果画面から「短絡電流値:Isc [mA] 」と「電子拡散計数値:D [cm /s] 」を、又、設定画面上から「Laser
Initial」の値をそれぞれ控えておきます。(図 13-1-5)
今回の例では、次の測定条件設定で光学部品初期位置の「電子拡散係数(D)測定」を行い、以下の結果を得
ました。
<測定条件設定>
Sampling Int:
100 [μs]
Laser Initial:
2.940 [V]
Sampling Number:
1000 [回]
Laser Final:
2.840 [V]
待ち時間設定:
5 [s]
<測定結果>
短絡電流値 Isc
= 0.350 [mA]
電子拡散係数 D
= 6.06E-5 [cm /s]
2
図 13-1-5. 電子拡散係数測定結果(レンズ位置=200 [mm])
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 113
(5)
手項 5
「レンズホルダー」の位置を光学ベンチスケールに沿って 50[mm]ほど「サンプルセルホルダー」側へ移動させ
ます。(スケール読み値=250[mm])
光学部品初期位置で計測した「短絡電流値:Isc[mA]」と同じ値となるよう「Laser Initial (V)」値の設定を行い、
「電子拡散係数(D)測定」を行います。
今回の例では、“Laser Initial = 2.095 [V]”で測定した際、光学部品初期位置とほぼ同じ「短絡電流値:
Isc[mA]」が得られました。(図 13-1-6)
<測定条件設定>
Sampling Int:
100 [μs]
Laser Initial:
2. 095 [V]
Sampling Number:
1000 [回]
Laser Final:
2. 005 [V]
待ち時間設定:
5 [s]
<測定結果>
短絡電流値 Isc
= 0.350 [mA]
電子拡散係数 D
= 5.99E-5 [cm /s]
2
図 13-1-6. 電子拡散係数測定結果(レンズ位置=250[mm])
尚、各「レンズホルダー」位置の「電子拡散係数(D)測定」において、光学部品初期位置と同じ「短絡電流値:
Isc[mA]」となる「Laser Initial」設定値を見出すためには、それぞれ何度かの「電子拡散係数(D)測定」を行い、
その中からより適切なデータを選択する必要があります。
上記の設定値を見出す目安としては、経験的に「レンズホルダー」位置を「レーザホルダー」側から「サンプル
セルホルダー」側へ移動させるにつれ、「Laser Initial」の設定値を下げる傾向となる点があります。
同様に「レンズホルダー」位置を移動させるにつれ、「Laser Initial」設定値と「Laser Final」設定値幅も狭めま
すと、光学条件初期位置と同様な波形データを得やすくなります。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 114
(6)
手項6
「レンズホルダー」の位置を光学ベンチスケールに沿ってさらに50[mm]程度ずつ「サンプルセルホルダー」方
向へ移動させ、手項5の操作を数回繰り返します。
今回の確認例では、「レンズホルダー」の位置を光学ベンチスケールにそって50[mm]ずつ移動させながら6点
の測定を行いました。
その結果を次表に示します。(表13-1)
表 13-1. 電子拡散係数 測定結果
短絡電流値
レンズ位置
電子拡散係数
レーザ光強度設定
(スケール読み値[mm])
Isc[mA]
Jsc[mA/cm^2]
D[cm^2/s]
Laser Initial [V]
1
200
0.350
2.244
6.06E-05
2.940
2
250
0.350
2.243
5.99E-05
2.095
3
300
0.350
2.242
5.99E-05
1.680
4
350
0.350
2.242
6.11E-05
1.485
5
400
0.350
2.241
6.95E-05
1.200
6
450
0.350
2.242
1.26E-04
1.080
但し、レーザ位置=50[mm]、サンプルセル位置=600[mm]
(7)
手項7
2
測定結果(表13-1)を基に、「電子拡散係数:D[cm /s]」の値が一定値を維持しているポイントを確認します。(図
13-1-7)
図 14-1-7. レンズ位置決め調整結果(レンズ位置 vs 電子拡散係数)
今回用いたDSCセルをSLIM-PCV法により測定・評価する場合、以下の光学部品位置条件であれば「セル有
効受光面への光照尃面積が十分に得られており、且つ半導体電極内の光励起分布が均一となる」ことが確認
できました。
・
レーザホルダー
: 50[mm]
・
サンプルセルホルダー
:600[mm]
・
レンズホルダー
:200[mm]~350[mm]
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 115
13 -2 . サン プ ル セ ル 半 導 体 電 極 内 部 の 励 起 状 態
先述のとおり、SLIM-PCV法による色素増感太陽電池(DSC)セルの測定・評価は、「DSCセル半導体電極中の電子
密度が均一である」と近似可能な条件でおこなわれる必要があります。
このため、半導体電極内部の励起状態が均一となるよう、用いた色素に適合した電極の「膜厚」設定、励起光の「波
長域」選択が必要となります。
ここでは、代表的な色素を用い作成されたDSCセルのSLIM-PCV法測定・評価結果から、色素に適合した電極「膜
1]
厚」および励起光「波長域」の選択指針について説明します。[
参考文献 : [1]小川潤一,西川賢,長谷川壽一,森正悟 Electrochemistry, 80(11), 1-5(2012)
1. 電子拡散係数測定時における半導体電極内の光励起状態
SLIM-PCV法による「電子拡散係数」測定を行う際、測定に用いるDSCセル半導体電極内の光励起状態が均一で
あるならば、「半導体電極膜側から対極側」を励起光の照尃方向とした場合と「対極側から半導体電極膜側」を照尃
方向とした場合、どちらも同じ電子拡散係数が得られるはずです。
このことから、対象となるDSCセルの「対極」が光を透過する材質で構成されている場合、励起光の照尃方向を「半
導体電極膜側から対極側」、「対極側から半導体電極膜側」、両方向における「電子拡散係数(D)測定」を数点の光
強度下で行い、得られた測定データの値と傾向を比較することでセル半導体電極内の光励起状態を確認できます。
次図(図13-2-1 & 図13-2-2)は、レーザ波長“660[nm]”および“473[nm]”を励起光源とし、「電子拡散係数(D)測定」
による光励起状態確認を行った結果となります。
図 13-2-1. 電子拡散係数測定結果例①
図 13-2-2. 電子拡散係数測定結果例②
上図、結果例①(図13-2-1)では「セルへの励起光照尃方向」および、「励起光源となるレーザの波長」に関係なくほ
ぼ同じ「短絡電流密度Jsc-電子拡散係数D」傾向を得ることができましたので、セル半導体電極の励起状態は均一
であると考えることができます。
一方、結果例②(図13-2-2)では、「セルへの励起光照尃方向」および、「励起光源となるレーザの波長」の違いにより
「短絡電流密度Jsc-電子拡散係数D」の傾向が大きく異なっていますので、測定に用いたセルの半導体電極励起状
態は不均一であると考えられます。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 116
結果例②のような傾向となる場合、SLIM-PCV法による測定・評価を正しく行うことはできませんので、電極内部の
励起状態が均一となるよう、セル「電極膜条件」の再設計あるいは、「励起光源の波長」を適宜変える必要がありま
す。
2. DSCセルの吸光度(アブソーバンス)
前頄、光励起状態の確認結果例にありましたとおり、DSCセルでは「励起光源となるレーザ波長」の違いなどによっ
て、測定時におけるセル半導体電極内の光励起状態が異なります。
これらDSCセル半導体電極内における励起電子密度の分布は「電極の吸収係数」によって決まりますので、異なる
測定結果となった要因は各色素を担持させたTiO2電極部の「吸光度(アブソーバンス)」にあると考えられます。
右図(図13-2-3)は、DSCセル作成時、「封止」を行う直前に半導体電極
部の吸光度を「UV-vis」で測定した結果となります。
この図には、色素や膜厚、浸積時間の異なるサンプルデータを並べて
ありますが、何れも測定に用いる励起光源波長において吸光度“1.0”を
越えた場合、電極内の励起状態が不均一となることが解っております。
測定に用いるセルを作成する際には、励起光源波長において吸光度
が“1.0”以下となるよう設計を行ってください。
図 13-2-3. セル電極部 吸光度測定データ
又、電子拡散係数測定結果である短絡電流過渡応答波形に “exp ( -t / τc )” のフィティングが乗らない場合があり
ます。(図13-2-4)
このような結果は、測定に用いるセルの吸光度が励起光源波長において高い値(1.0以上)の時顕著に現れますの
で、セル設計時の目安としてください。
図 13-2-4. 電流過渡応答波形 フィッティング不適合例
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 117
14. PSL-100 測定範囲について
色素増感太陽電池評価装置PSL-100は、色素増感太陽電池サンプルセルの測定・評価を「SLIM-PCV法」により簡便に
おこなえる専用装置として開発されておりますが、装置仕様(スペック)の都合上、測定・評価可能範囲に制限があります。
ここでは、「高精度(高分解能)な測定器を組合せて構築したシステム」と「PSL-100」を用いて、同一の色素増感太陽電池
サンプルセルを測定した結果から、装置測定範囲と測定限界について記します。

サンプルセル受光面に対し光照尃を行った際、セルから出力される短絡電流値(Isc)が“10[μA]”以
下となるような条件で測定された電子拡散係数の値は信頼性が低くなります。
SLIM-PCV法による色素増感太陽電池サンプルセルの電子拡散係数測定・評価は、光強度を微小変化させた際に
セルから出力される「電流過渡応答波形」を計測し、その波形データに対するフィッティング結果から電子拡散係数
2
(D [cm /s])を算出します。
本装置では、光照尃下におけるセル出力短絡電流(Isc)が“10[μA]”以下となるような条件で計測された「電流過渡応
答波形」に対して “exp ( -t / τc )” のフィッティングを行った場合、装置電流計測分解能の影響からフィッティング係数
2
“τc” の精度が落ち、結果として電子拡散係数(D[cm /s])値の信頼性が低くなることが判っています。(図14-1 赤丸
部参照)

電子密度(n)の値が、“7×1017[cm-3]” 以上となる光強度条件で測定を行ってください。
SLIM-PCV法による色素増感太陽電池サンプルセルの電子密度測定では、光照尃によりセル内部に蓄えられた電
-3
子を「電流過渡応答波形」として計測し、その波形データを時間積分した電気量(Q[C])をもとに電子密度(n[cm ])を
算出します。
17
-3
本装置による電子密度測定では電流計測分解能の影響から、測定結果がおよそ“7×10 [cm ]”以下の電子密度
-3
(n[cm ])となった場合その誤差が大きくなるため、実際の値より高めとなる傾向を示すことが判っています。(図14-4
赤丸部参照)
以下に示すデータは、「高精度(高分解能)な測定器を組合せて構築したシステム(以下、Systemと略記)」と「PSL-100シス
テム」の比較試験結果となります。
本試験では膜厚のみ異なる次の色素増感太陽電池サンプルセルを用い、両システムで取得されたデータの比較を行うこ
とで、PSL-100測定可能範囲を調査しました。
<試験サンプルセル>
膜厚
Sample_A
Sample_B
7.32[μm]
3.16[μm]
受光面積
色素
電極材
2
N719
TiO2
2
N719
TiO2
0.159[cm ]
0.149[cm ]
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 118
図 14-1. 「短絡電流密度 vs 電子拡散係数」比較試験結果
図 14-2. 「短絡電流密度 vs 電子寿命」比較試験結果
図 14-3. 「電子密度 vs 電子寿命」比較試験結果
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 119
図 14-4. 「電子密度 vs 開放電圧」比較試験結果
これら測定結果データより、PSL-100システムで色素増感太陽電池(DSC)セルの測定・評価を行うにあたり、現在までに
確認できている事頄は以下となります。
◇
電子拡散係数(D)測定
光照尃下における短絡電流(Isc)値が “10[μA] <Isc< 1.2[mA]” の範囲となるような光強度条件設定あるいはサ
ンプルセル設計を要す。
◇
電子寿命(τ)測定
電子寿命(τ)が “2.5[ms] <τ< 1[s]” の範囲となるような光強度条件設定あるいはサンプルセル設計を要す。
◇
電子密度(n)測定
17
-3
電子密度(n)が “7×10 [cm ]” 以上となるような光強度条件設定あるいはサンプルセル設計を要す。
19
-3
尚、電子密度の上限は “1×10 [cm ]” まで計測できることを確認している。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 120
15. メンテナンス&トラブルシューティング
色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 による安定した測定・解析を維持するため、日頃から装置のメンテナンスを心掛
けてください。
15 -1 . 日 常 的 な 点 検
下記の点検とメンテナンスを定期的に行うことをお勧めします。
1. 光学ベンチ内部の清掃
光学ベンチ内部に埃が溜まらないよう、日頃から清掃を行ってください。
又、「レンズ」、「レーザ出力部」などの光学部品は、メガネ拭きのような柔らかい布を用いてメンテナンスしてくださ
い。
2. レーザの交換
レーザは消耗品です。以下の規格を参考に、定期的な交換をお勧めします。
MTTF : システム環境温度 60℃使用時、出力 40nW、30000 時間
3. 通風口付近の清掃
計測装置本体のサイドパネルには通風口があります。埃などが詰まらないよう、定期的に清掃を行ってください。
15 -2 . 校 正 に ついて
本製品は、その使用頻度および環境により異なりますが、2年に1回程度の周期で定期点検することをお勧めしま
す。
又、長期間電源が投入されていないような場合にも、校正を行ってからご使用いただくことをお勧めします。
当社への点検・校正依頼の際は、『2-1. 連絡先』までご連絡ください。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 121
15 -3 . トラ ブ ル シ ュー ティ ング
修理やお問い合わせのご連絡を頂く前に、下記の頄目をご確認下さい。下記頄目に当てはまらないトラブルや、技
術的質問などは、当社までご連絡頂けますようお願い致します。
症状
考えられる原因
処置
定格範囲外の電源を使用し
定格範囲内の電源を使用し
ている。
てください。
PC と計測装置の通信が
通信ケーブルが正しく接続さ
通信ケーブルを正しく接続し
できない。
れていない。
てください。
COM ポートの設定に誤りが
COM ポートの設定を確認し
ある。
てください。
レーザ光が
レーザケーブルが正しく接続
レーザケーブルを正しく接続
出力されない。
されていない。
してください。
ソフトウェアの設定・操作に
ソフトウェアの設定・操作を
『9-3. 測定用サンプルセル
誤りがある。
確認してください。
のセッティング』
通信ケーブルが正しく接続さ
通信ケーブルを正しく接続し
『6-2. 構成機器間の接続』
れていない。
てください。
COM ポートの設定に誤りが
COM ポートの設定を確認し
ある。
てください。
ソフトウェアの設定・操作に
ソフトウェアの設定・操作を
『9. 測定とソフトウェア操
誤りがある。
確認してください。
作』
装置が接地されていない。
装置を接地してください。
『5-3. 電源接続と接地』
光学系部品の設定が適切で
光学系部品の設定を適切に
『6-1. 各部の名称とはたら
ない。
行ってください。
き、2. 光学ベンチ
電源が入らない。
測定が開始できない。
測定データが
うまく取れない。
参照
『5-3. 電源接続と接地』
『6-2. 構成機器間の接続』
『8. PC およびソフトウェア』
『6-2. 構成機器間の接続』
『8-1. 通信ポートの設定』
(PSL-100-O)』
サンプルセルへのケーブル
サンプルセルへのケーブル
『6-2. 構成機器間の接続』
接続に誤りがある。
接続を確認してください。
サンプルセルへの光照尃に
サンプルセルへの光照尃を
『9-3. 測定用サンプルセル
不具合がある。
正しく行ってください。
のセッティング』
測定条件設定が適切でな
測定条件設定を適切な値に
『9. 測定とソフトウェア操
い。
してください。
作』
レンズなどに汚れがある。
キレイに清掃してください。
『15-1. 日常的な点検』
レーザが消耗してしまった。
新しいレーザへ交換してくだ
『15-1. 日常的な点検』
さい。
過去に測定した
測定結果データと測定頄目
測定結果データを正しい測
『9. 測定とソフトウェア操
データを読み込めない。
が一致していない。
定頄目上で読み込んでくださ
作』
い。
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Pg. 122
16. 仕様
16 -1 . 本 体 仕 様
表 16-1. 一般仕様
頄目
詳細
設置条件
屋内使用
周囲温度
+10℃ ~ +40℃
湿度
70%以下 (但し、結露のないこと)
表 16-2. 計測装置本体 PLS-100-M
頄目
詳細
一般仕様
供給電源
AC100V ±10%
周波数範囲
50Hz / 60Hz
消費電力
25VA 以下
ウォームアップラン
30 分以上
外形寸法
480(W)×210(H)×418(D) mm
重量
10kg
計測部仕様
電子拡散係数測定
電子寿命測定
計測方式
電流計測
変換比
1.0000 [mA] / 1.0000 [V]
計測可能範囲
-0.3000 [mA] to +1.2000 [mA]
A/D 変換レート
1:1
数値データ誤差
±0.005 [mA]以内
計測方式
電圧計測
入力インピーダンス
10 [Ω]以上
計測可能範囲
-0.3000 [V] to +1.2000 [V]
A/D 変換レート
1:1
数値データ誤差
±0.005 [V]以内
9
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表 16-2. 計測装置本体 PLS-100-M – つづき
電子密度測定、I-V カーブ測定
制御部
制御方式
バイアス電位印加方式
制御出力インピーダンス
20 [Ω]以下
制御出力設定範囲
-0.3000 [V] to +1.2000 [V]
制御出力設定分解能
0.0001 [V]
制御出力設定誤差
±0.005 [V]以内
電圧計測部
計測方式
電圧計測
入力インピーダンス
10 [Ω]以上
電圧計測可能範囲
-0.3000 [V] to +1.2000 [V]
A/D 変換レート
1:1
数値データ誤差
±0.005 [V]以内
9
電流計測部
計測方式
電流計測
計測レンジ
4 レンジ (100mA、10mA、1mA、100μA)
変換比
電流レンジ F.S / 1.0000 [V]
計測可能範囲
A/D 変換レート
数値データ誤差
100mAレンジ時:
-30.00 [mA] to +100.00 [mA]
10mAレンジ時:
-3.000 [mA] to +10.000 [mA]
1mAレンジ時:
-0.3000 [mA] to +1.0000 [mA]
100μA レンジ時:
-30.00 [μA] to +100.00 [μA]
1:1
100mAレンジ時:
±1.0 [mA]以内
10mAレンジ時:
±0.05 [mA]以内
1mAレンジ時:
±0.005 [mA]以内
100μAレンジ時:
±0.5 [μA]以内
通信仕様
通信方式
シリアル通信方式
通信ポート
USBポート 又は RS-232Cポート (USBポートを推奨)
通信速度
19200bps
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表 16-3. 光学ベンチ PLS-100-O
頄目
詳細
一般仕様
外形寸法
817(W)×314(H)×344(D) mm
重量
50kg
光学部品(主要部品)
レーザ仕様(標準光源)
レーザ仕様(オプション光源)
平凸レンズ仕様
使用レーザ
MLX-D12-660-40
キコー技研社製
JIS 安全クラス
3B
光学レンズ部
φ6.4 非球面ガラスレンズ
レーザ光波長
660 [nm] ±10 [nm]
使用レーザ
MLX-D13-473-20
JIS 安全クラス
3B
光学レンズ部
φ6.4 非球面ガラスレンズ
レーザ光波長
473[nm] ±10 [nm]
レンズ
SLB-30-60P
外形
φ30 [mm] +0~-0.1 [mm]
焦点距離
60 [mm] ±1%
キコー技研社製
シグマ光機社製
表 16-4. レーザ操作管理機 PLS-100-L
頄目
詳細
供給電源
AC100V ±10% 又は AC200V ±10%
周波数範囲
50Hz / 60Hz
消費電力
6.3VA 以下
ウォームアップラン
30 分以上
外形寸法
150(W)×211(H)×305(D) mm
重量
3.0kg
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16 -2 . ソフ ト 仕 様
表 16-5. ソフト仕様
頄目
詳細
®
Microsoft Windows7
®
対応 OS
Microsoft Windows7
※Windows7
動作環境
Professional
Home Premium
Home Premium 64bit を推奨
CPU:
インテル Core i3 程度推奨
メモリ:
2GB 以上
ハードディスク空き容量:
10GB 程度
ディスプレイ解像度:
1280×1024 ピクセル以上
外部インターフェース:
USB ポート ×2 以上
PSL-100_64.exe
プロクラム名
PSL-100_32.exe
データ解析
データテーブル作成
解析プロット図描画
①短絡電流密度 vs 電子拡散係数測定
ソフト機能
②短絡電流密度 vs 電子寿命
③電子密度 vs 電子寿命
④電子密度 vs 開放電圧
電子拡散係数(D)測定
電子寿命(τ)測定
計測頄目
電子密度(n)測定
I-Vカーブ測定
16 -3 . ケ ー ブル 仕 様
表 16-6. ケーブル仕様
ケーブル名
出力ケーブル
電源ケーブル
通信ケーブル
詳細
材質:
MVVS
径:
4 芯×0.5mm
仕上外形:
φ6.5mm
先端処理:
ワニ口クリップ加工
材質:
VCTF
径:
3 芯×1.25mm
仕上外形:
φ7.8mm
先端処理:
3P プラグ(日本国内仕様)
2
シールド付
2
USB2.0 準拠ケーブル A コネクタ⇔ミニ B コネクタ
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16 -4 . 寸 法 図
1. システム外形
図 16-1. PSL-100 システム前面
図 16-2. PSL-100 システム側面
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2. 構成機器外形
図 16-3. PSL-100-M 寸法図
図 16-4. PSL-100-O 寸法図
図 16-5. PSL-100-L 寸法図
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16 -5 . オ プ ショ ン品 リ ス ト
表 16-7. オプション品一覧
オプション品
473nm波長 半導体レーザ
詳細
MLX-D13-473-20
キコー技研社製
・JIS安全クラス:
3B
・光学レンズ部:
φ6.4 非球面ガラスレンズ
・レーザ光波長:
473[nm] ±10 [nm]
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APPENDIX
A- 1. ソ フト ウェ ア のイ ンス トー ルと 削 除
色素増感太陽電池評価装置PSL-100による測定操作は、全て専用のソフトウェアによって行われます。
本システム出荷時には最新のソフトウェアがインストールされておりますが、ご自身で別のPCにソフトウェアをインス
トールされる場合、もしくは将来的にソフトウェアバージョンアップの必要が生じた場合には本頄をご参照ください。
本ソフトウェアの対応しているOSは次のとおりです。
®
Professional
®
Home Premium
◇ Microsoft Windows 7
◇ Microsoft Windows 7
※
64bit or 32bit
64bit or 32bit
この他のWindowsOS(Vista等)における動作確認はとれておりません。予めご了承願います。
ここでは、まず専用ソフトウェアのインストーラパッケージに関する説明をした後、対応OSである“Windows7”の「イン
ストール方法」、「削除方法」について説明します。
尚、PSL-100ソフトウェアが既にインストールされているPCに、新たなインストールを行うことはできません。
この場合、先にインストールされているPSL-100ソフトウェアを削除した後、新たなインストールを行ってください。
®
又、「Windows 」自体の操作方法詳細につきましては、各OSの「ヘルプ(H)」機能等を参照ください。
1. 専用ソフトウェアのインストーラとOS仕様
(1)
付属セットアップディスク
本システム出荷時、付属品として「セットアップディスク」が同梱されております。
このディスクの中に、専用ソフトウェアのインストーラパッケージおよび、通信用ドライバーが入っております。
ディスクの内容は次のようになっております。
SetupDisk
専用ソフトウェアのインストーラパッケージが入ったフォルダー
PSL-100
SetupPsl100_32.msi
32bit 版 Windows OS 用のインストーラパッケージ
SetupPsl100_64.msi
64bit 版 Windows OS 用のインストーラパッケージ
CDM***WHQL
通信用ドライバが入ったフォルダー
(***の部分はバージョンを表します)
PSL-100_取扱説明書
_Revxxx.pdf
取扱説明書(本書)の pdf ファイル
(xxx の部分はバージョンを表します)
図 A-1-1. 付属セットアップディスクの構成
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(2)
インストール用PCのOS仕様確認
本システム付属のソフトウェアは、インストールを行うPCのWindows OS仕様(64bit版又は32bit版)によりイン
ストーラパッケージが異なります。
インストールを行うPCが、
◇
32bit版Windows OSの場合には[SetupPsl100_32.msi]インストーラパッケージを、
◇
64bit版Windows OSの場合には[SetupPsl100_64.msi]インストーラパッケージを
用います。(図A-1-1)
ここでは、ソフトウェアをインストールする際、どちらのインストーラパッケージを摘要するか判別(OS仕様を確
認)する方法について説明します。
PC画面内、「デスクトップ」左下にあります[スタートボタン]→[コンピューター]を選択します。
次図(図A-1-4)のように「コンピューター」画面が起動しますので、画面内上部のタブから[システムのプロパテ
ィ]を選択します。
図 A-1-4. 「コンピューター」画面の起動
次図(図A-1-5)のように「システムのプロパティ」画面が起動しますので、この画面内[システムの種類:]からバ
ージョン番号を確認します。
<32bit 版 OS>
<64bit 版 OS>
図 A-1-5. システムのプロパティ
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ここで、[システムの種類:]の横に
◇
[32ビット オペレーティング システム] と表示されている場合は
[SetupPsl100_32.msi] インストーラパッケージを、
◇
[64ビット オペレーティング システム] と表示されている場合は
[SetupPsl100_64.msi] インストーラパッケージを、
それぞれ用います。
2. 専用ソフトウェアのインストール
ここでは、専用ソフトウェアをPCへインストールするための手項について説明します。
(1)
インストールを行うPCの電源を投入し、「CDドライブ」へ付属の「セットアップディスク」を挿入します。
「CDドライブ」内の[PSL-100]フォルダーへと進み、インストールするPCのWindows OSが32bit版の場合は
[SetupPsl100_32.msi]を選択、64bit版の場合は、[SetupPsl100_64.msi]を選択し、「セットアップウィザー
ド」を起動させます。
図 A-1-6. インストーラパッケージの選択
(2)
「セットアップウィザード」が起動しますと、「ようこそ」画面(図A-1-7)となります。
画面下部の[WARNING:]をお読み頂き、問題がなければ[Next>]ボタンを押し、セットアップを開始します。
(3)
続いて、「インストールホルダの選択」画面(図A-1-8)へと進みます。
ここでは、ソフトウェアのインストール先フォルダーを指定します。
デフォルトでは、“C:¥Program Files” の下に “¥EKO¥PSL-100” フォルダーを自動作成し、その中へソフト
ウェアの実行に必要となるファイルをインストールします。
フォルダー指定は、任意の場所とすることもできます。
この場合、[Brows...]ボタンを使用しフォルダーを指定するか、[Folder:]部分に直接パスを記入してください。
図 A-1-7. セットアップウィザード[1]
図 A-1-8. セットアップウィザード[2]
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Pg. 132
又、画面下部のラジオボタンにより、インストールしたソフトウェアの権限を[Everyone](全てのユーザー)又は、
[Just me](このユーザーのみ)の何れかに設定できます。
全ての設定が完了しましたら、[Next>]ボタンを押します。
(4)
次に「インストールの確認」画面(図A-1-9)へと進みます。
ここまでの設定に問題がなければ[Next>]ボタンを押します。
以上により、インストールが開始されます。(図A-1-10)
図 A-1-9. セットアップウィザード[3]
(5)
図 A-1-10. セットアップウィザード[4]
インストールが完了しますと、「インストールが完了しました」画面(図A-1-11)が表示されます。
[Close]ボタンを押し、終了してください。
図 A-1-11. セットアップウィザード[5]
(6)
図 A-1-12. ショートカットの追加
専用ソフトウェアがインストールされますと、デスクトップ上に[PSL-100_32]又は[PSL-100_64]ショートカット
が追加されます。(図A-1-12)
又、プログラムメニュー[PSL-100]の中に、[PSL-100_32]、[PSL-100 Language Selector_32]又は、
[PSL-100_64]、[PSL-100 Language Selector_64]が追加されます。(図A-1-12)
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Pg. 133
3. 通信用ドライバーのインストール
本装置では、専用ソフトウェアがインストールされているPCと計測装置本体(PSL-100-M)間のデータ送受信を、「シ
リアル通信」で行っています。
この通信に際し、本システムでは「Future Technology Devices International Ltd.(以下FTDI社と略す)」の“Virtual
COM Port(VCP)”技術を採用しております。
ここでは、この“Virtual COM Port”による「シリアル通信」を行うためにFTDI社から提供される、通信用ドライバーの
インストール方法について説明します。
(1)
インストールを行うPCの電源を投入し、「CDドライブ」へ付属の「セットアップディスク」を挿入します。
(2)
PCと計測装置本体(PSL-100-M)間を「USBケーブル」で接続し、計測装置本体の主電源を投入します。
(3)
計測装置本体は認識されますが、デスクトップ画面右下に、下図(図A-1-25)のような「メッセージ」が表示されます。
図 A-1-25. メッセージの表示
(4)
[スタートボタン]→[コントロールパネル]を選択ます。
「コントロールパネル」画面の頄目内から[システムとセキュリティ]を選択します。
「システムとセキュリティ」画面の頄目内から[デバイスマネージャー]を選択します。
図 A-1-26. デバイスマネージャー呼出
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Pg. 134
(5)
「デバイスマネージャー」画面内に[ほかのデバイス]として[USB <->Serial]という頄目があります。
この頄目上で右クリックし、現れたメニューの中から[ドライバーソフトウェアの更新(P)...]を選択します。(図
A-1-27)
図 A-1-27. ドライバーソフトウェアの更新
(6)
ドライバーソフトウェアの検索方法を選択する画面(図A-1-28)へ進みますので、[コンピューターを参照してドラ
イバーソフトウェアを検索します(R)]をクリックします。
ドライバーソフトウェアの参照先を指定する画面(図A-1-29)へ進みますので、[次の場所でドライバーソフトウェ
アを検索します:]の欄にPCのCDドライブ(図の例ではE:¥ドライブ)を指定し、[サブフォルダーも検索 する(I)]
へチェックマークを入れた後[次へ(N)]ボタンを押します。
図 A-1-28. ドライバー検索方法指定
図 A-1-29. ドライバー検索先指定
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Pg. 135
(7)
自動的にインストールが開始され、次図(図A-1-30)が表示されますと“USB Serial Converter”ドライバーの更
新が完了します。
[閉じる(C)]ボタンを押しますと、「デバイスマネージャー」画面(図A-1-31)の[ユニバーサル シリアル バスコ
ントローラー]一覧内に[USB Serial Converter]が追加されます。
図 A-1-30. ドライバー更新完了
(8)
図 A-1-31. デバイスマネージャー画面
“USB Serial Converter”ドライバーがインストールされますと、同「デバイスマネージャー」画面(図A-1-32)に
[ほかのデバイス]として[USB Serial Port]という頄目が現れます。
引き続き、“USB Serial Port”ドライバーのインストールを行います。
この頄目上で右クリックし、現れたメニューの中から[ドライバーソフトウェアの更新(P)...]を選択します。(図
A-1-32)
図 A-1-32. ドライバーソフトウェアの更新
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Pg. 136
(9)
ドライバーソフトウェアの検索方法を選択する画面(図A-1-33)へ進みますので、[コンピューターを参照してドラ
イバーソフトウェアを検索します(R)]をクリックします。
ドライバーソフトウェアの参照先を指定する画面(図A-1-34)へ進みますので、[次の場所でドライバーソフトウェ
アを検索します:]の欄にPCのCDドライブ(図の例ではE:¥ドライブ)を指定し、[サブフォルダーも検索 する(I)]
へチェックマークを入れた後[次へ(N)]ボタンを押します。
図 A-1-33. ドライバー検索方法指定
図 A-1-34. ドライバー検索先指定
(10) 自動的にインストールが開始され、次図(図A-1-35)が表示されますと“USB Serial Port”ドライバーの更新が完
了します。
[閉じる(C)]ボタンを押しますと、「デバイスマネージャー」画面(図A-1-36)の[ユニバーサル シリアル バスコ
ントローラー]一覧内に[USB Serial Converter]が追加されます。
以上で通信用ドライバーのインストールは完了し、使用可能となります。
図 A-1-35. ドライバー更新完
図 A-1-36. デバイスマネージャー画面
了
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Pg. 137
4. 専用ソフトウェアの削除
専用ソフトウェアをPCから削除する手項について以下に記します。
将来的にソフトウェアのバージョンアップを行う際には本手項に従い、必ず旧バージョンのソフトウェアを削除してか
らインストール作業を行ってください。
(1)
PC画面内、「デスクトップ」左下にあります[スタートボタン]→[コントロールパネル]を選択し、「コントロールパ
ネル」画面を起動します
「コントロールパネル」画面内から[プログラムのアンインストール]を選択します。(図A-1-40)
図 A-1-40. コントロールパネル画面
(2)
「プログラムのアンインストールまたは変更」画面内のプログラム一覧から[PSL-100]を選択し、[アンインスト
ール]ボタンをクリックします。(図A-1-41)
図 A-1-41. プログラムのアンインストール又は変更画面
(3)
確認を求める画面(図A-1-42)が現れた場合には、[はい(Y)]をクリックします。
以上でソフトウェアが削除されます。
図 A-1-42. アンインストール確認画面
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5. 通信用ドライバーの削除
通信用ドライバーをPCから削除する手項について以下に記します。
将来的に通信用ドライバーのアップデートを行う際には本手項に従い、必ず旧バージョンのドライバーを削除してか
らインストール作業を行ってください。
OSの「デバイスマネージャー」画面から通信ドライバーを削除します。
(1)
計測装置本体とPCの間をUSBケーブルで接続してください。
(2)
デスクトップ画面左下にあります[スタートボタン]→[コントロールパネル]を選択します。
「コントロールパネル」画面の頄目内から[システムとセキュリティ]を選択します。
「システムとセキュリティ」画面の頄目内から[デバイスマネージャー]を選択します。
図 A-1-50. デバイスマネージャー呼出
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 139
(3)
「デバイスマネージャー」画面内、[ポート(COMとLPT)]に[USB Serial Port(COM*)]頄目があります。
(“COM*”の“*”はポート番号を示します。)
この頄目上で右クリックし、現れたメニューの中から[削除(U)]を選択します。(図A-1-51)
図 A-1-51. デバイスマネージャー画面(ポート)
(4)
アンインストールの確認画面(図A-1-52)が表示されます。
[このデバイスのドライバーソフトウェアを削除する]にチェックマークを入れ、[OK]ボタンを押下します。
アンインストールが完了しますと、「デバイスマネージャー」画面から[USB Serial Port(COM*)]頄目が消えま
す。
図 A-1-52. アンインストール確認画面
(5)
次に、同「デバイスマネージャー」画面内、[ユニバーサル シリアル バス コントローラー]を確認します。
一覧から[USB Serial Converter]頄目を探し、その上で右クリックします。
現れたメニューの中から[削除(U)]を選択します。(図A-1-53)
図 A-1-53. デバイスマネージャー画面(USB)
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
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(6)
アンインストールの確認画面(図A-1-54)が表示されます。
[このデバイスのドライバーソフトウェアを削除する]にチェックマークを入れ、[OK]ボタンを押下します。
アンインストールが完了しますと、「デバイスマネージャー」画面から[USB Serial Converter]頄目が消えま
す。
図 A-1-54. アンインストール確認画面
以上で、通信用ドライバーの削除作業は終了です。
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Pg. 141
A- 2. 測 定 に 用 いる D SC セ ル 外 形 につ いて
1. セル設置可能領域(標準セルホルダー)
測定時、DSCセルを設置する標準セルホルダーの外観は右写真(図
A-2-1)となります。
ホルダーバー(押さえ部)
ホルダーバー支持部に測定対象となるDSCセルを設置し、ホルダー
バー押さえ部をスライドさせて固定する構造となっております。
ガイドレール
このことからホルダーへのDSCセル設置可能領域は、上下バー及び
左右のガイドレールに囲まれた領域で制限されることになります。
ホルダーバー(支持部)
図 A-2-1. 標準セルホルダー外観
次図(図A-2-2)はホルダーの外形寸法となります。
正面寸法図にありますとおりセル設置可能領域は、縦・横ともに60mmとなります。
又、設置時のDSCセル安定を考慮し、奥行き方向はホルダーバー支持部の幅と同じ12mm以内として頂くことをお
勧めしています。
図 A-2-2. 標準セルホルダー外形寸法図
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Pg. 142
2. DSCセルへのケーブル接続
PSL-100ではDSCセルから出力される「電圧」,「電流」を計測するため、セル透明導電性ガラスの集電部にケーブ
ルを接続します。
このケーブルはクリップ加工されており、多くの場合透明導電性ガラスの集電部を直接クリップで挟むことにより接
続します(図A-2-3)。
対極側透明導電性ガラス
(Pt 蒸着)
半導体電極側透明導電性ガラス
(多孔質電極膜焼成)
図 A-2-3. セルへのケーブル接続
尚、セル透明導電性ガラスへクリップを挟む際の「挟みしろ」は、クリップの形状から尐なくとも5mm程度必要となり
ます(図A-2-4)。
図 A-2-4. クリップ挟みしろ
3. 測定に用いるDSCセル受光面積と外形
測定に用いるDSCセルの有効受光面積(多孔質半導体電極
焼成部)は、概ね10mm×10mm程度として頂けますようお
願い致します(図A-2-5)。
これはPSL-100システム光学部(レーザ光強度,光路長)に
依存する部分で、DSCセル有効受光面積全体均一に光照
尃をおこなうための制限となります。
又、励起光源となるレーザからの光照尃の際、セル有効受
光面積部にセルホルダーのバー及びガイドレールの影がか
からないよう、透明導電性ガラス端面から受光面縁までのマ
ージンを10mm程度とって頂くことをお勧めしています。
図 A-2-5. DSC セル有効受光面積
加えて、先述のとおり測定に用いるDSCセルの外形目安は下記となります。
① 60mm×60mm角のセル設置領域に収まること(奥行き12mm以内)
② DSCセルの出力集電用に5mm程度のクリップ挟みしろがあること
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 143
以下に、PSL-100システムによる測定で多く用いられるDSCセルの外形例を図示しますので参考としてください。
図 A-2-6. セル外形例とホルダー設置イメージ
尚、測定に用いるDSCセルは各研究機関,製造(製作)工程などで様々な形状となります。
上記、標準セルホルダーでの測定が困難な場合には、用いるDSCセルに適した光学部品の再選定,専用セルホル
ダーの試作など対応致しますのでご相談ください。
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 144
http://www.eko.co.jp/
英弘精機株式会社 色素増感太陽電池評価装置 PSL-100 取扱説明書 V6
Pg. 145
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