医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 3

医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 3
医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 3-3 部:
受入試験−ディジタルサブトラクション血管造影
(DSA)
用X線装置 JIS Z 4752-3-3
(IEC 61223-3-3)
(篠原・他)
621
標準化小委員会だより
医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 3-3 部:
受入試験−ディジタルサブトラクション血管造影
(DSA)
用X線装置
JIS Z 4752-3-3
(IEC 61223-3-3)
標準化小委員会・JIRA:JIS原案作成分科会班
(DSA用X線装置の受入試験)
日本医科大学付属第二病院 篠原文章
東京都立保健科学大学 安部真治
東邦大学医学部附属大橋病院 宮
茂
はじめに
メータと,2)
それらのパラメータにかかわる測定量
JIS Z 4752-3-3 医用画像部門における品質維持の評
が指定の許容範囲に適合しているかどうかを試験す
価及び日常試験方法−第 3-3 部:受入試験−ディジタ
るための方法,の二つを定義する.方法は,主とし
ルサブトラクション血管造影
(DSA)
用X線装置は,
て適切な測定器を用いた非接続形測定で,据付完了
2003年に発行予定である.この規格は,1996年に第 1
時か完了後に行う.据付段階の試験結果を受入試験
版として発行されたIEC 61223-3-3 Evaluation and rou-
の一部として用いてもよい.
tine testing in medical imaging departments - Part 3-3:
目的は画質に関する仕様に適合しているかどうか
Acceptance tests - Imaging performance of X-ray equip-
を検証することにあり,合致しない機能不良を検出
ment for digital subtraction angiography
(DSA)
を翻訳
することである.ただし試験中のパラメータについ
し,技術的内容および規格票の様式を変更することな
ての許容差,具体的な数値での許容範囲などは規定
く作成した日本工業規格である.
しない.
今回,本規格の概要について解説する.
3.受入試験の概要
1.適用範囲
試験手順で考慮しなければならない一般条件
X線発生システム,X線イメージインテンシファイ
受入試験の目的は,機器の指定した特性が,指定
ア
(X線I.I.)
テレビシステムからなる検出器,ディジタ
した許容差内にあることを実証することである.画
ル画像処理用機器,画像保存やサブトラクションを含
像表示装置とハードコピーカメラ
(レーザーイメージ
む画像操作および画像表示用の機器から構成される画
ャ)
の性能が,許容範囲にあることを確認しておく.
像システムを持つDSA用装置の画質に影響を及ぼすX
DSA機能には,撮影機能を有するディジタルX線I.I.
線装置の構成品に適用される.一般のディジタル画像
テレビジョン技術が必要である.透視および一般的
装置には適用されないが,DSA機能が含まれている場
なX線I.I.の試験は,JIS Z 4752-3-1に記載されてい
合にはDSA機能に限定して適用される.
る.試験はDSA機能の試験に先立って,または同時
に実施する.
2.目 的
1)
X線装置の上記構成要素の画像特性に関するパラ
4.ファントムおよび試験器具を含む試験装置
項 目
1 カーマ測定器
内 容
空気カーマ測定用の積算カーマ測定器レンジの最小値
単一の照射用で約 1애Gy以下
連続の照射用で約10애Gy以下
不確かさは앐10%未満
2003 年 5 月
日本放射線技術学会雑誌
622
項 目
2 観察条件
内 容
周囲の照明が指定の用途に合致していること.
テレビ画面に明るい反射がないこと,視野内に明るい物体がないこ
と.
画像表示装置の輝度,コントラスト調整,ウィンドウ幅,およびウ
ィンドウレベルの調整など.
3 空気カーマファントム
厚さ25mmの純度99.5%以上のアルミニウムでできたファントム
4 DSAファントム
(例をFig. 1に示す)
試験機能 1)
ダイナミックレンジ試験用ステップウェッジ
2)
模擬血管パターン
3)
減弱の補正 を有する.
5 DSA目視空間分解能の試験対象物
0.05mmの鉛の試験パターンを使用して測定.
空間周波数が 0.6∼5Lp/mmの試験グループが望ましい.
グループ間のステップは20%を超えないこと.
低空間周波数は,予測される最低測定値より少なくとも20%低い
こと.
6 試験結果の評価
指定された限界値または,許容差を超える場合,
少なくとも 2 回の追加測定を行って結果を検証する.
試験時の組み合わせ
Fig. 1 DSAファントム
(例)
5.DSA用X線装置の試験方法
るため,X線ビームを適切に絞る.試験対象モードに
いくつかのアプリケーションモードを一つの試験モ
別の管電圧が要求されている場合を除き,70kVを使
ードで代表して実施してもよい.一般的に,X線I.I.の
用する.エッジ強調や画像加算平均などの後処理は,
設定可能な入射野寸法のそれぞれについて,試験を実
試験の対象でないので最低に設定するか,できれば解
施すべきである.試験に用いるファントムをX線I.I.の
除しておく.
入射野の中心に合わせ,入射野へ直接入るX線を避け
第 59 卷 第 5 号
医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 3-3 部:
受入試験−ディジタルサブトラクション血管造影
(DSA)
用X線装置 JIS Z 4752-3-3
(IEC 61223-3-3)
(篠原・他)
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6.試験方法
項 目
1 識別
内 容
試験対象の機器は,
形式
(形式番号)
製造業者名または供給者名,
使用者名または所有者名,
据付場所,据付日,
該当する関連モデルと製造番号
以上の項目で識別される.この情報は記録する.
2 文書の確認
必要な文書がすべて揃っていることの確認.
3 代表的なDSA操作モードの決定
適用範囲全体を代表する一つの試験手順を選択する.
既存の操作モードの中から選択か,専用の試験モードの使用.
各モードの次の条件を指定する.
1)
X線I.I.の入射面での1画像あたりの空気カーマ
2)
画像収集レート
3)
X線I.I.の入射野寸法
4)
マトリクス・ピクセル
5)
画像収集のための幾何学的配置
4 目視および機能試験
附属文書の記載どおりに機能するかどうかの試験項目.
1)
指定されたすべてのDSA操作
2)
キーボードの入力および応答
3)
表示,記号,および取扱説明書との関係
5 空気カーマの測定
3 項の条件に従って選択したモードすべてについて 1 画像あたりの
空気カーマをX線I.I.の入射面にできるだけ近い位置で測定.
6 ダイナミックレンジ
DSAファントムを使用し,サブトラクションでの模擬血管パターン
の最も太い部分を描出するステップウェッジの最大の厚さを測定.
7 DSAコントラスト感度
DSAファントムを使用し,サブトラクションでのステップウェッジ
の何枚目のステップまで血管シミュレーションパターンの各構造物
が見えているかを数えて評価する.
8 DSA目視空間分解能
テストパターンを画像領域の中央に,散乱線除去グリッドに対して
45˚に配置して撮影して測定.X線減弱物は置かずに低い管電圧で行
う.
サブトラクション像,またはサブトラクションしていない像のいず
れで測定してもよい.
9 アーチファクト
サブトラクション像での試験は,DSAファントムと空気カーマファ
ントムを用いる.試験は,アーチファクトの有無を調べることに絞
る.
時間依存アーチファクトの検出は,最低毎秒 1 フレーム以上で最
低20s継続して行う.
ミスレジストレーションアーチファクト,照射に関連したアーチ
ファクトなどを調べる.
10 減弱の非線形性補正
DSAファントムを使って,6 項の試験と同様に行う.
補正が正しければ,模擬血管パターンのサブトラクション像のコン
トラストは変化しない.
2003 年 5 月
日本放射線技術学会雑誌
624
7.試験報告書および適合の記述
5)
DSA用X線装置の仕様に対する適合不適合の記述
試験報告書は,次の項目について作成しなければな
らない.
(試験場所,日付および試験実施担当者名を含む)
以上,受入試験の概要を解説したが,詳細について
1)
DSA用X線装置の種類
(全構成品の個体確認デー
は,規格,附属書および解説を確認してください.
タを含む)
2)
主な性能および諸仕様についての資料
附)
DSAファントムは例に挙げたものと同様のもの
3)
試験機器の種類
(フィルムおよび現像に関するデ
が,PTW社
(独)
より
「DSA Phantom NORMI 8」
として
ータを含む)
販売されています.日本での代理店は東洋メディック
4)
試験結果
株式会社です.
本学会以外のJIS原案作成分科会 構成表
(作成当時の所属)
辻 久男
(主査)
株式会社島津製作所
須藤 禎人
株式会社インスペック
山田 均
GE横河メディカルシステム株式会社
吉田 慶一
シーメンス旭メディテック株式会社
小林 弘昌
株式会社東芝医療システム社
中沢 洋
トーレック株式会社
小林 一郎
株式会社日立メディコ
大竹口正治
株式会社日立メディコ京都工場
宗像 保男
経済産業省産業技術環境局
橋本 進
財団法人日本規格協会
加畑 俊
(事務局)
社団法人日本画像医療システム工業会
第 59 卷 第 5 号
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