仮想化事例集

仮想化事例集
HP × VMware
仮想化事例集
【 目次 】
GMOクラウド株式会社
2
株式会社栗山米菓
5
クオリカ株式会社
9
福岡大学
13
GMOクラウド株式会社
クラウド時代のビジネス成長を支える統合インフラソリューション
GMOクラウドがエンタープライズ向けクラウドサービス《IQcloud》のインフラに
「HP CloudSystem Matrix」を採用
物理環境で数日を要していた作業が、HP CloudSystem Matrix では数分
で完了できるようになりました。これが、IQcloud のセールスポイントである
“ 2 営業日でのスピード導入”
に大きく貢献しています。
クラウドを中核にエンタープライズ &
目的
●
エンタープライズ向けクラウドサービスIQcloud
の立ち上げ
●
エンタープライズの要求に応えるパフォーマン
ス、セキュリティ、可用性の追求
GMOクラウド株式会社
エンタープライズ営業本部
エンタープライズ営業企画部
部長
金子 眞治氏
●
IT インフラ運用管理負荷とトータルコストの
抑制
グローバルを指向
13 万超のユーザーを擁する国内最大手のホスティング
サービスと、国内第2位のSSLサーバー証明書発行サービス
― GMOクラウドは、2011 年 4 月1日の社名変更(旧社
名はGMOホスティング&セキュリティ)
を機に、
クラウドコン
ピューティングをビジネスの中核に据えたITインフラサービ
ス/セキュリティサービスを展開していく方針を打ち出した。
アプローチ
「いま、GMOクラウドが見据えているのは、エンタープラ
●
クラウド向けアプライアンスを検討
●
統合インフラソリューション「HP CloudSystem
イズ市場とグローバル市場への注力です。これまで支持を
Matrix」を採用
獲得してきた中堅・中小企業分野の枠を超え、クラウド時
●「HP
Switch Aシリーズ」と「HPバーチャルコネ
クト」によりネットワークを強化
目途にグローバルビジネスを立ち上げていく計画です」と
プライベートとパブリックの長所を兼ね備えた
「バーチャルプライベートクラウド」の実現
●
サーバー、ストレージ、ネットワークリソースの
迅速な構成を可能に
●
自動化を含め IT インフラ全体の運用を大幅に
効率化
●
エンタープライズ営業企画部 部長の金子眞治氏は語る。
GMOクラウドが社名変更と同時に提供を開始したのが、
IaaS モデルで提供される「 IQcloud(アイキュークラウ
ド)」である。新たなチャレンジとなるエンタープライズ市
場に向けた戦略サービスだ。金子部長は、IQcloud の特徴
を次のように説明する。
「企業のクラウドに対する期待として、可能な限り安くITイ
ビジネスの成果
●
けています。すでにSSLブランドのGlobalSignの海外展開
を先行させていますが、ITインフラ事業においても年内を
導入効果
●
代の成長曲線を描いていくためのチャレンジとして位置づ
99.999 %の SLA 、顧客要求から2 営業日での
ンフラを使いたいというものがあります。一方で、自社運
サービス提供を可能に
用する基幹系システムなどの戦略的なオフバランスを指向
エンタープライズクラスのパフォーマンス、セ
する企業もあります。そうしたお客様は、セキュリティやパ
キュリティ、可用性を確保しつつ価格を抑えた
フォーマンス、信頼性に高い要求を課しています。IQcloud
IaaSを実現
の提供にあたっては、こうしたエンタープライズレベルの
サービス要求に応えるとともに、
リーズナブルな価格、導入
リードタイムの最短化を目指しました」
(金子部長)
ソリューション概略:
パブリッククラウドとプライベートクラウドの“いいとこ取
導入ハードウェア
•HP CloudSystem Matrix
•HP BladeSystem
•HPバーチャルコネクト
•HP Switch Aシリーズ
•HP Storage P4000 G2 SAN
2
チャルプライベートクラウド」と呼んでいる。
「 IQcloud では、サーバー、ストレージ、ネットワークポート
導入ソフトウェア
•VMware vSphere
•VMware vCloud Director
り”
とも言えるこの提供形態を、GMOクラウドでは「バー
•HP Insight Dynamics
など、システムのコア部分については顧客ごとの占有利
用とすることでセキュリティとパフォーマンスを確保し、コ
ア以外の部分については共用型にすることで思い切って (税込¥102,900)からという低価格も実現している。
サービス価格を引き下げました。さらに、他社が追随でき
2010年末に策定されたこのIQcloudのサービス仕様は、
ない価値を追求しています」
(金子部長)
ITインフラに対してハードルの高い要求を課すこととなっ
G M O クラウドは、I Q c l o u d にお い て「ファイブナイン
た。複数のクラウド向けプラットフォームを候補に挙げ、慎
( 99.999 %)の稼働率保証」と「 2 営業日でのスピード導
重に検討を重ねた結果、選ばれたのは「HP CloudSystem
入」を打ち出した。しかも、CPUを占有し仮想マシン数に制
Matrix 」だった。
限を設けないにも関わらず、初期費用ゼロ・月額¥98,000
統合インフラソリューション
いう観点からは、主要コンポーネントが冗長化されている
HP CloudSystem Matrixを選択
ことはもちろん重要ですが、サーバー障害時の自動フェイ
サーバー、ストレージ、ネットワークなどの ITリソースは仮
サービス停止を起こさない仕組みを実装できること、すな
想的にプール化され、あらゆるアプリケーションから共有
わちビジネスコミットできることがポイントでした」
可能になる― HP CloudSystem Matrix は、この HP が
HP CloudSystem Matrixを中心とするIQcloud のイン
推進するHP Converged Infrastructure 戦略における中
フラ構築は、わずか 3 カ月間で完了した。このスピード感
核製品である。世界シェアNo.1 のブレードサーバー「 HP
は、GMOクラウドが掲げる
“スピード経営”の考えに基づ
BladeSystem 」を中心に、仮想化ソフトウェア、I/O 仮想
くものだ。
ルオーバー機能、ストレージのクラスタリング機能など、
化製品、HP Insight Dynamicsソフトウェア、共有 SANス 「 2011 年 1 月にシステムの選定を終えるとすぐに検証に
トレージなどを統合型アプライアンスとして提供するも
入りました。システムの信頼性、管理性を中心にテストを
のだ。金子部長は、HP CloudSystem Matrix 選定の理由
行い、4 月1 日にはサービスをスタートさせました。すべて
を次のように説明する。
の事業において、意思決定がなされたら即座に実行する、
「 HP CloudSystem Matrixの高い信頼性、耐障害性が大
というのがGMOクラウドの文化なのです」
(金子部長)
きな決め手です。99.999% の稼働率保証は、後発となる
クラウドサービスのシステム基盤を
“オールインワンのアプ
私たちがエンタープライズのお客様に選んでいただくた
ライアンス”
として調達可能なHP CloudSystem Matrix
めにどうしても譲れないものでした。信頼性・耐障害性と
の優位性が、本プロジェクトにおいて発揮された形だ。
HPバーチャルコネクトを活用し、
10ギガの帯域をサーバー単位で確保
に応えることができます。IQcloud では『 HP バーチャルコ
IQcloudのインフラ構成を紹介しよう。まず、サーバーを物
ネックを発生させないよう、ネットワーク性能にも十分な
理リソース集合単位で分離していることに注目してほしい。
配慮を施していますのでご安心ください」
(金子部長)
ハイパーバイザー上で異なるユーザーが共存することな
HP バーチャルコネクトは、HP が提供する最先端の I/O 仮
く、高いパフォーマンスとセキュリティを確保できる構成だ。
想化製品だ。HP ProLiant G7 サーバーブレードには、ネッ
「バーチャルプライベートクラウドは、セキュアなプライ
トワークI/Oとストレージ I/O を統合するネットワークア
ベートクラウドと安価なパブリッククラウドの長所を併せ
ダプター( CNA )が搭載されるが、HP バーチャルコネクト
持っています。お客様のサーバー環境は物理リソース集合
とCNAを組み合わせることでI/O の柔軟性を飛躍的に高
ネクト』を採用することでこれを実現しました。エンタープ
ライズクラスの要求に対してもパフォーマンスのボトル
単位で分離され、ネットワークは専用セグメントを構成し、 めることができる。
ストレージは仮想ボリューム単位で提供されます。お客様
「 IQcloud では、サーバーブレードに搭載された CNA を
が占有するリソース単位での契約になりますので、契約リ
ハードウェア的に分割し、計 10Gbps の帯域を最大 8 個の
ソース内であれば仮想マシンをいくつ立ち上げてもコスト
物理ポートとして利用できるようにしました。ネットワー
は変わりません」と金子部長はそのメリットを強調する。
クセグメントをポート単位で完全に隔離し、お客様の仮想
「また、10Gbps の帯域をお客様サーバーごとに確保して
サーバー環境を本当の意味で
“独立したサーバー”
として
いますので、あらゆる業務システムのパフォーマンス要求
お使いいただけるようにしています」
(金子部長)
3
さらに、HP IRF テクノロジーを搭載した仮想化スイッチ
Active 構成が可能だ。これにより、冗長化されたネット
「 H P N e t w o r k A シリーズ 」が 採 用されて いる。一 般
ワーク帯域をフル活用できるので、HP バーチャルコネク
的なネットワークスイッチが冗長化構成の際に Active-
トのネットワーク性能を最大限引き出すことが可能だ。
Standby 構成を採るのに対し、A シリーズでは Active-
システムを物理リソース集合単位で分離
システムを物理リソース集合単位で分離
ユーザー#1
ユーザー#2
VLAN#1
VLAN#2
コントローラ
VM
VM
プライベートクラウド#1
プライベートクラウド#2
物 理リソース 集合
物 理リソース 集合
VM
VM
VM
VMware vSphere 4.1
VM
VM
VM
VMware vSphere 4.1
仮想ボリューム#1
VM
VM
VM
VM
必要に応じて
追加割当て
VMware vSphere 4.1
仮想ボリューム#2
仮想ストレージプール
システム
テンプレート
システム
テンプレート
システム
テンプレート
システム
テンプレート
(ロードバランサー)
(ファイアウォール)
(Linux)
(Windows)
エンタープライズ企業の
HP CloudSystem Matrixにおいて、セットアップや運用監
マシンルームになる
視をサポートするのは「 HP Insight Dynamicsソフトウェ
ア」である。システム全体の構成管理、テンプレートを活用
ハイレベルな仕様要件をすべてクリアしたうえで、わずか
した自動プロビジョニング、仮想サーバーの自動リカバリ
3カ月でのインフラ構築を遂げ、IQcloud は順調な滑り出
など、様々な先進機能を活用できるが、中でもキャパシティ
しを見せている。
プランニング機能はクラウド事業者にとって魅力的だ。
「社名変更と同時に掲げたエンタープライズレベルのクラ 「 ITリソースの利用率を一定レベル以上に維持すること
ウドサービスを、計画どおり世に出すことができました。提
は、クラウドビジネスの成果を大きく左右するポイントで
供開始当初から、お客様から順調に引き合いをいただい
すが、IT 機器への投資のタイミングは常に難しい判断を迫
ています」と金子部長は胸を張る。
られます」と語る金子部長に朗報をもたらした。
運用フェーズにおいても、HP CloudSystem Matrixは期
さらに、仮想サーバーやネットワーク機器の障害監視、レ
待以上のメリットをもたらしているという。かつてエンジニ
ポート作成、運用代行などのサービスをGMOクラウドが
アとして運用管理の労苦を味わったことがあるという金子
提供する「スマート・ケア」にも、HP Insight Dynamicsソ
部長は、次のように説明する。
フトウェアの機能が活かされている。
「仮想サーバー環境の進展は、サーバー環境のセットアッ
最後に金子部長は次のように語って締めくくった。
プ作業を大幅に軽減しています。そして、統合アプライア 「クラウドビジネスに注力する私たちの目標は、
“エンター
4
ンスであるHP CloudSystem Matrixは、ストレージやネッ
プライズ企業のマシンルームになる”ことです。お客様の
トワークまでを含むシステム環境の構築をさらに容易に
ニーズを捉えて、ハウジングなどのオンプレミスサービスと
してくれました。実際に、物理環境で数日を要していた作
IQcloudを組み合わせた提案も始めています。今後は、デ
業が、HP CloudSystem Matrixでは数分で完了できるよ
スクトップクラウドやモバイルデバイス管理などにもビジネ
うになりました。これが、IQcloud のセールスポイントであ
スを拡張していきます。HP CloudSystem Matrixが、私た
る
“2営業日でのスピード導入”
に大きく貢献しています」
ちの多様なサービスを支えてくれることを期待します」
株式会社栗山米菓
SSD搭載の仮想ストレージが受注業務にスピードと信頼を提供
栗山米菓がSSD搭載FC-SANストレージ「HP EVA4400」を採用し、基幹業務を支えるシステム基盤を刷新
ボリューム管理が非常に容易なHP EVAは、まさに仮想サーバー環境に最適
なストレージであると実感しています。データが自動的に分散配置されてパ
フォーマンスが最適化されるなど、日常的な運用にかかる手間も大幅に削減
されました。
仮想化された統合インフラで
目的
●
基幹業務システムのインフラストラクチャ
(ハー
基幹業務システムを稼働
ドウェア)刷新
●
仮想サーバー用共有ストレージ強化によるシス
テム全体の性能向上
株式会社 栗山米菓
執行役員
新潟本社 部長
阿部 孝 氏
●
ビジネスクリティカルな基幹業務システムの高
信頼なデータ保護
アプローチ
●
FC-SANストレージ「 HP Enterprise Virtual
Array(EVA)4400」を採用
●
HP EVA4400 に高速な SSD( Solid State
Drive)を搭載
●
株式会社 栗山米菓
新潟本社
情報システム担当
マネージャー
石丸 朗一 氏
仮想サーバー環境に最適な統合ストレージ基
盤の構築
●
サーバーとストレージそれぞれに仮想化技術を採用し、高
盤を構築。ビジネスクリティカルな受注管理システムをは
SSD による I/O 高 速 化でシステム全 体 のパ
フォーマンスを向上
●
る栗山米菓が、基幹業務を支えるインフラを刷新した。
い信頼性と処理性能、柔軟性を備えたクラウド型の統合基
導入効果
●
「ばかうけ」や「星たべよ」などのブランドで親しまれてい
じめ、複数の業務系・情報系システムをこれに集約した。
「コーポレートブランド『 Befco(ベフコ)』、人気の米菓ブ
旧システムで約40分のバッチ処理を7∼8分に
ランドである『ばかうけシリーズ』をはじめ、私たちはブラ
短縮
ンド戦略を非常に重視してきました。それは、米菓の枠に
ボリューム管理をはじめストレージ運用を大幅
とらわれないパッケージデザインやキャラクター開発にも
に効率化
反映されています。こうした活動の成果を高めるには、販
売面における業務生産性の向上が不可欠です。いかに限
ビジネスの成果
られたスタッフで効率良く受注し、売上を確保していくか
●「仮想ストレージプール」
によるビジネス要求へ
の迅速な対応
●
アプリケーション資産に変更を加えることなくIT
インフラを刷新
―これが、私たちが継続的に取り組んでいるビジネス上
のテーマの一つです」と執行役員 新潟本社 部長の阿部
孝氏は語る。
栗山米菓は、IT 活用において先駆的な取組みを進めてき
た。IT による業務効率改善の成果は、10 年前との比較で
売上規模が 1.5 倍、営業人員の数は 8 割、という数字に如
ソリューション概略:
実にあらわれている。
導入ハードウェア
•HP EVA4400
•HP ProLiant DL580 G7
導入ソフトウェア
•VMware vSphere
•HP ProLiant DL380 G7
「最初にIT を適用したのは受注・出荷業務です。ビジネス
の起点であるとともに、IT 導入の効果がもっとも期待でき
る領域でした。受注・出荷業務の IT 化は、営業が注文を取
5
りまとめていた業務プロセスを大きく変えていきました」 ビジネスの起点という役割を担う受注管理システム、それ
(阿部氏)
と連携する業務システムのパフォーマンスは特に重要な
2000 年にはオフコンベ ースの 受 注 管 理システムを刷
要件となる。今回の刷新において石丸氏が特に重視した
新し、菓子業界向けパッケージソフトウェアを導入。x86
のはストレージだ。
サ ー バ ーに移 行 するとともに、S A N( S t o r a g e A r e a 「ストレージのディスク I/O がボトルネックになると、シス
Network )環境を構築した。長年、栗山米菓の IT 戦略を
テム全体のパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。性
リードしている情報システム担当 マネージャーの石丸朗
能が著しく向上した最新のサーバーシステムに見合った、
一氏は次のように語る。
ハイパフォーマンスの SANストレージが必要でした」
「私たちの業界には
“当日受注・当日出荷”
という厳しい要
2 0 1 1 年 3 月 、栗 山 米 菓 が 導 入したストレージ は「 H P
求があります。需要予測に基づく生産計画、適正在庫の確
EVA4400 」―“仮想ストレージプール”をいち早く実現
保を原則としながらも、実際には当日受注・当日生産とい
し、世界中で豊富な導入実績を誇る高性能な FC-SAN 製
う要求にもフレキシブルに対応しなければなりません」
品である。
SSD 搭載 FC-SANストレージ
「 HP EVA4400 」を採用
「当初はクラスター型の iSCSI ストレージも検討しました
が、パフォーマンスの面でどうしてもFC-SAN 製品に及ば
ないという理由で候補から外しました。FC-SAN 製品であ
栗山米菓の受注管理システムでは、1日あたり10,000件を
るHP EVA4400は、基本的な処理性能が優れているだけ
超えるオーダーをリアルタイムで処理している。集計さ
でなく、SSDを搭載することで大幅なパフォーマンス向上
れたデータは中条と新発田の生産拠点に送られ、商品は
が期待できました」
( 石丸氏)
全国の顧客・取引先に向けて即日出荷される。
SSD は、HDDと比べて特にランダムアクセスの読み出し
「基幹業務システムのトランザクションをより高速に、より
性能で圧倒的に有利だ。石丸氏は、
「 FC-SAN 製品とSSD
安定的に処理するために、新しい ITインフラのストレージ
の組み合わせなら、オンライントランザクションもバッチ
基盤として採用したのが『 HP EVA4400 』です。サーバー
処理も高速化できる」との確証を持っていたという。
CPU の性能は 3 ∼ 4 年前の 10 倍以上に向上しています 「実際に、新システムでは体感的には 5 倍以上のスルー
が、一般にディスクストレージの性能向上はそこまでは達
プットが出ていると思います。従来 40 分かかっていたバッ
していません。ストレージがパフォーマンスのボトルネッ
チ処理も 7 ∼ 8 分で終了できるようになりました」
(石丸
クになることは、何としても避けたいと考えました。そこで
氏)
着目したのがSSD( Solid State Drive )です」と石丸氏は
SSD を搭 載した HP EVA の 高 性 能は、第 三 者 機 関 のパ
振り返る。
フォーマンスベンチマークである「 SPC-1/E 」での高スコ
ストレージ製品の選定にあたって、栗山米菓が掲げた方針
アでも実証されている。
は次の3つだ。
① SSDを活用できること
②高速なFC-SAN ベースであること
③仮想サーバー環境に最適な機能を備えていること
6
仮想サーバー環境に最適な
境を導入してきた先進ユーザーでもある。
「 HP EVA の
“仮
「新世代 RAIDテクノロジー」
想ディスクの設計思想”に大いに共感させられました。一
般の SAN ストレージはなかなか扱いづらいもので、プロ
それでは、3 つ目の方針「仮想サーバー環境に最適な機
ビジョニングや容量拡張は容易ではありません。HP EVA
能」に対して、HP EVA4400 はどのように応えたのか。栗
では、ストレージリソースが仮想的にプール化され、サー
山米菓は、2003 年からVMwareによる仮想サーバー環
バーの要求に際してこのプールからボリュームを切り出す
だけの容易さです。面倒な物理設計から解放されました」
であると実感しています。また、データが自動的に分散配
石丸氏は、このようにHP EVA 独自の「新世代 RAIDテクノ
置されてパフォーマンスが最適化されるなど、日常的な運
ロジー」と、これが実現する「仮想ストレージプール」を高
用にかかる手間も大幅に削減されました」
( 石丸氏)
く評価する。
「基幹システムのインフラに
“ストレージ仮想化”を導入し
たのは初めてでしたが、ボリューム管理が非常に容易な
「新世代RAIDテクノロジー」は、これらに加えてストレージ
容量効率の向上、オンラインでの容量拡張など様々なメ
リットをもたらしている。
HP EVAは、まさに仮想サーバー環境に最適なストレージ
∼サーバー仮想化への先進的な取り組み∼
栗山米菓が仮想サーバー環境を導入したのは10 年前だ。ここで、栗山米菓のサーバー仮想化への
先進的な取り組みを紹介しておこう。
「仮想化技術が OSやデバイスドライバーなど様々なソフトウェアの差異を吸収することに着目し、
2002 年頃から検討を始めていました。アプリケーション、ミドルウェア、OS 、ハードウェアのライフ
サイクルの違いがもたらす諸問題を、仮想化によって解決できないかと考えたのです」
( 石丸氏)
アプリケーションを長く使い続けたくても、OS やハードウェアのサポート切れに直面してシステム
全体を再構築せざるを得ない― いま、こうした課題に多くの企業が直面しているが、栗山米菓で
はソフトウェア資産を仮想化技術によって継承する方法を早期に確立していた。
「ハードウェアは 4 年単位でのリプレースを基本としていますが、ソフトウェア資産はビジネス要件
が変わらない限り使い続けます。仮想サーバー環境にシステムを構築することで、ソフトウェア資
産に変更を加えることなく新しいハードウェア上に容易にポーティングできるようになりました。今
回のインフラ刷新では、ほぼ半日で移行作業を終えています」
( 石丸氏)
こうした手順を確立することで、栗山米菓では、2003 年に開発した受注管理アプリケーションを複
数回のハードウェア更新を経ても使い続けることを可能にしている。
災害対策も合理的に組み込まれた
考えたのです」
(石丸氏)
新基幹インフラ
HP EVA4400の信頼性について、石丸氏の評価はどうか。
「仮想ストレージプール内にRAIDを構成し、ディスク障害
新たに構築されたインフラ上には、受注管理をはじめ ERP
が発生してもサービスを停止させない仕組みを構築しまし
パッケージによる業務系、社内ポータルなど、およそ 20 の
た。
しかし、2011年3月の稼働直後から、ディスク障害を含
システムが集約された。実行環境は、SSD 搭載の共有スト
めひとつのトラブルも発生していません。ミッドレンジディ
レージ「 HP EVA4400」を中心に、4ソケットサーバー「 HP
スクアレイとしてのHP EVAの信頼性の高さを実感してい
ProLiant DL580 G7 」×2 台、2 ソケットサーバー「 HP
ます」
×1 台によって構成されている。ユ
ProLiant DL380 G7 」
HP EVAでは、仮想ストレージプール内に構成するRAIDを
ニークなのは、これらのハードウェアをコンパクトな 14U
「 Vraid(仮想 RAID )」と呼んでいる。Vraid は、ディスクグ
ラック×3本に分割 して運用している点だ。
ループを構成する各ディスクにスペア領域を分散して保
「かつて雪害による停電に見舞われた際に、すべての会社
持するので、予備のディスクを事前に組み込んでおく必要
機能がストップしてしまった教訓を今回のインフラ刷新に
がない。プール内のディスクに障害が発生(または障害発
活かしました。本システムをラックごと30km離れた新発田
生の予兆を確認)
した際には、これが自動的に切り離され
工場に移動させれば、その場でシステムを再構築できると
て正常なディスクだけでサービスが継続される。管理者は
7
システムを停止させることなく新しいディスクに交換する
石丸氏は最後に次のように語って締めくくった。
ことができ、追加されたディスクの領域は自動的に仮想ス 「 2003 年に仮想サーバー環境を導入したときから、サー
トレージプールに組み込まれる。デビュー以来10 年、様々
バーやストレージなどのリソースは、
ビジネス要求に対して
なシステムで採用され鍛えられてきた高い信頼性は、HP
オンデマンドで使える
“クラウド的”なものであるべきと考
EVAが支持される大きな理由のひとつである。
えてきました。HP EVAによって、私たちは大きくその理想
に近づいたと思っています」
受 注 管理
システム
生 産管理
システム
在 庫 管理
システム
社内 WEB
ポータル
・・・計 20 システムを集約
仮想サーバー環境
HP ProLiant DL580 G7
VMware vSphere
HP ProLiant DL580 G7
VMware vSphere
HP ProLiant DL380 G7
VMware vSphere
HP StorageWorks EVA4400 SSD/HDD
vRAID5(実効容量計3.6TB )
仮想ストレージプール(共有ストレージ)
コンパクトな
14Uラックに収容し移動可能に
8
クオリカ株式会社
基幹業務パッケージのクラウド化とその安定運用を支える統合ストレージ基盤
クオリカが「HP 3PAR Utility Storage」を採用しストレージシステムを統合。
VMware vSphereとHP BladeSystem c-Classによる仮想サーバー環境と組み合わせた柔軟なインフラを実現。
期待どおり、運用管理にかかる負荷は大幅に軽減されました。結果として、ス
トレージシステムにおける導入・運用を合わせたトータルコストを半減させ
ることができました。
運用管理負荷/コストの増大が極まり、
目的
●
クラウドサービス事業の本格展開に向けたITイ
インフラの刷新を決断
ンフラ統合
クオリカ株式会社
アウトソーシング事業部
営業推進室 主査
藤野 哲 氏
●
ITインフラの柔軟性・拡張性の向上
●
ITインフラ運用管理負荷の軽減とトータルコス
トの削減
アプローチ
●
統合ストレージ基盤として「HP 3PAR InSERV
T400」を採用
●
ストレージ統合と「 VMware vSphere 」による
サーバー仮想化を並行して実施
●
統合ストレージ基盤のストレージプールに全
サーバーを接続
の情報システム部門として出発し、現在では、ITホールディ
ングスグループで製造業をはじめとする業種向けシステ
導入効果
●
●
●
●
ストレージ統合による運用管理負荷/コストの
ムに強みを発揮しているソリューションプロバイダーであ
大幅な削減
る。2008 年秋、クオリカは「 HP 3PAR Utility Storage 」
テープバックアップの廃止による障害発生率の
を採用し、統合ストレージ基盤の構築に着手した。続い
大幅な低下
て 2009 年 10 月からは、
「 HP BladeSystem c-Classと
メンテナンス作業の容易化とサービス停止時間
VMware vSphere」による仮想サーバー環境の構築をス
の短縮
タートさせ、大規模なインフラ刷新プロジェクトを約 2 年
クラウドサービスの迅速な立ち上げと安定運用
で完遂させた。経緯を振り返ろう。クオリカが、同社で最
の実現
初のホスティングサービス「 QRS 」の提供を開始したのは
2004 年のことだ。その後、xSP モデルによるITアウトソー
ビジネスの成果
●
ビジネス要求に応えるオンデマンドなストレー
ジリソース提供
●
ミッションクリティカルな基幹業務を支える高
信頼性
●
クオリカ株式会社は、大手建設機械メーカーであるコマツ
中国でも日本と同等の高信頼なクラウドサービ
スを展開
顧客企業の期待が高まる中、クオリカはxSP サービスのラ
インアップを拡充してこのニーズに応えた。だが、それに
伴ってデータセンター内のサーバーやストレージが爆発
的に増加し、運用管理にかかる負荷やコストの増大も招く
実績を積み重ねたアプリケーションパッケージを順次SaaS
( Software as a Service )モデルで提供していく計画も
導入ハードウェア
導入ソフトウェア
ションノウハウが評価されて順調に成長を遂げていった。
ことになった。一方、時期を同じくして、製造業や流通業で
ソリューション概略:
•HP 3PAR Utility Storage
シング事業は、製造業や流通業での豊富な業務オペレー
•HP BladeSystem
進められていた。当時の状況を、アウトソーシング事業部
•VMware vSphere
9
営業推進室 主査 藤野哲氏は次のように説明する。
ス停止時間の伸長が運用負荷の増大に拍車をかけていた
「 xSP サービスを提供するインフラの運用管理にかかる負
こともあった。また、同社が長年運用してきたテープスト
荷とコストの増大、
という深刻な問題に直面していました。 レージへのバックアップ/リストアに限界が見えてきたこ
これらの問題を解決しないことには、お客様にリーズナブ
とも課題の1つであったという。
ルな価格で高信頼・高品質なサービスを提供し続けること 「バックアップの対象となるデータが急増し、日次の処理
が困難になります。もはやインフラの統合化、特に7 系統
が時間内に終わらなくなる懸念やスケジュール管理にか
あるストレージの統合は不可欠と考えました」
かる手間が問題視されてきました。また、メカニカルな部
藤野氏が着想したのは
“仮想ストレージプール”
の構築だ。
分が多いテープストレージのトラブルにも悩まされてきた
当時のストレージ環境では、システム/ディスク数が急増
経緯もあります。システムトラブルのおよそ 7 割がバック
していたことに加え、導入時期によってベンダー・製品・
アップ関連という状態だったのです」
(藤野氏)
スペックがバラバラに混在しており、サイロ化やベンダー
ロックインを招いていた。また、メンテナンス時のサービ
諸課題を解決しうるストレージとして
「 HP 3PAR Utility Storage 」を採用
して、ストレージシステムの可用性について 99.99 %とい
う高い稼働保証値を掲げていた。
「この数値を聞いたとき、本当に実現できるものなのか
ストレージ製品の選定は、およそ 4カ月を費やして慎重に
疑いましたが、実際にテストを行ったところ、HP 3PAR 独
行われた。クオリカが重視したのは、マルチベンダー環境
自の 4コントローラ構成によって、実運用中でもシステム
でのサーバーへの
“接続性”
と
“パフォーマンス”の 2 点だ。
を止めることなくファームウェアやセキュリティ・パッチの
接続性は、7システムに分割されサイロ化したSANを1 つ
ローリングアップデートが可能であることが確認できまし
の大きな
“仮想ストレージプール”
に集約・統合するのに不
た」
(藤野主査)
可欠な要件だった。また、パフォーマンスについては、ホス
SANシステム7 台/約 500ディスクに達していたストレー
ティング、IaaS 、SaaS すべてのサービスの品質を左右す
ジの移行・統合作業は2008 年 12 月から始まり、翌年 5 月
る要素であるため特に重視したという。これらの検証を進
には当初予定された半分の SANシステムの移行が完了。
めていくうちに最有力候補として浮上したのが「HP 3PAR
その後も統合を進め、運用管理の非効率を招いていたサ
Utility Storage 」である。
イロ化されたSAN 環境は、最終的には130TB の 1 つの巨
「 HP 3PAR のパフォーマンスの高さは、同じクラスのスト
大なストレージプールに集約された。この統合によって運
レージ製品の中で群を抜いていました。ストレージ専門の
用管理ツールも統一。さらに、筐体内での D2D バックアッ
第三者機関によるパフォーマンスベンチマークを使って
プに移行したことで、データバックアップ業務もわずか数
検証したため、経営陣の理解も容易に得られました」
( 藤野
時間で完了するようになったという。
主査)
「期待どおり、運用管理にかかる負荷は大幅に軽減されま
また、HP 3PAR が無停止でメンテナンスを行えること、筐
した。以前はディスクの増設だけでもサービスを停止しな
体内での D2D バックアップが可能なことなども大きな判
ければならず、7 台あるストレージの接続先サーバーの調
断材料となった。これなら、インフラ刷新のきっかけとなっ
整などで苦労していました。それが HP 3PAR の 1 システ
た運用管理負荷・コストの大幅な削減が可能と判断され、 ムに集約されたうえ、オンラインのまま作業を行えるよう
2008 年 11 月にはメンバー全員一致で、総容量 45TB の
になりました。結果として、ストレージシステムにおける導
ディスクを搭載した「 HP 3PAR InSERV T400 」の採用が
入・運用を合わせたトータルコストを半減させることがで
決まった。HP 3PARは、セルフメンテナンス、セルフチュー
きました」
ニング機能を高い実用レベルで実現している。その査証と
10
ストレージとサーバーの
IaaS( Infrastructure as a Service )がリリースされた。
両移行作業を同時に行う
同時にクラウドサービス( SaaS )事業を拡充するための
本プロジェクトにおいて、クオリカはストレージ統合の着手
からほぼ 1 年遅れて、VMware vSphereによるサーバー
クオリカ株式会社
アトムズキューブ室 担当部長
荒河 睦美 氏
クオリカ株式会社
開発センター 主査
清水 克彦 氏
環境も整ったことになる。そして 2011 年 1 月、この統合
基盤上でSaaS 版の中堅・中小企業向け生産管理システム
「 AToMsQube(アトムズキューブ)」の提供が始まった。
群( HP BladeSystem c-Class )の仮想化も行っている。
アトムズキューブ室 担当部長の荒河睦美氏は、
「仮想ス
この過程において、HP 3PARによる
“仮想ストレージプー
トレージと仮想サーバーの導入により、システムインフラ
ル”と
“シンプロビジョニング”が大きな威力を発揮した。
が刷新され、パフォーマンスも信頼性も大幅に向上しまし
物理設計を行うことなく、ストレージプールからボリュー
た。また、低価格でお客様にサービスをご利用頂くことが
ムを切り出すイメージで簡単にプロビジョニングが行え
可能となり、製造業を支える基幹業務システムを、自信を
たこと。さらに、シンプロビジョニングによってその時点
もって SaaS モデルでご提供することができると確信しま
で必要なボリュームだけを割り当てることができ、ディス
した」と語る。
ク容量の利用効率も大幅に高められたことが大きい。加
「お客様にとっては、アプリケーションを安定的に使えるか
えて、HP 3PARとHP BladeSystem c-Class 、VMware
どうかが重要です。システムの安定稼働を支える日常的な
vSphere の 3 製品の親和性が高かったことも移行を容易
運用管理、バックアップやデータ復旧のプロセスを含めて
なものにした。世界シェア No.1 のブレードサーバーであ
高い信頼性が求められます。おかげさまで、実運用に入っ
るHP BladeSystem c-Classとサーバー仮想化のデファ
てからも新システムにはトラブルがありません」
( 開発セン
クトVMware vSphere の組み合わせは、すでに
“業界標
ター 主査 清水克彦氏)
準”に等しいポジションを獲得している。これにHP 3PAR
アプリケーションの開発を担当した清水氏は、
「新しい統
による仮想ストレージプールを組み合わせることで、サー
合基盤はリソースへの要求が大きく変動するクラウドサー
バー側とストレージ側の構成スピードや柔軟性が等しく
ビスの要件を十分に満たしている」と評価する。
なり、結果としてプロビジョニングや構成変更にかかる作 「パフォーマンスと信頼性が確保されたクラウド基盤上
業負荷を劇的に低減することができる。この3 製品の組み
で、ユーザー数や使用モジュールを増やすなど、お客様
合わせは頭文字を取って「 3CV 」と呼ばれるほど人気が高
の要求に迅速に応えることが容易になりました。クラウド
い。システムインフラが刷新され、2010 年には、オンデマ
サービスの高い信頼性が競争力に結びつくものと期待し
ンドIT アウトソーシング・ソリューション「 Qcloud 」として
ています」
(荒河担当部長)
グローバル化のニーズに呼応して、
クオリカのクラウド戦略は順調な推移を見せている。荒
クラウドサービスをさらに拡充へ
河担当部長によれば、生産管理システムの「AToMsQube
(アトムズキューブ)」に加えて、機械予防保全システムの
「 CareQube(ケアキューブ)」もリリースされ、また、小
売専門店向け販売管理システムの「 SpecialtyQube(ス
ペシャリティキューブ)」、外食産業向け営業支援システム
「 TastyQube(テイスティキューブ)」などの既にリリース
されているQubeシリーズサービスも順次、統合基盤へ移
行された。一方で、藤野氏が担当するインフラレイヤにお
いても、ここにきて注目度が高まるDaaS(仮想デスクトッ
プサービス)の投入も計画されている。そして現在、クオリ
カが全社を挙げて取り組むのは、顧客企業のグローバル
HP 3PAR Utility Storageによる統合ストレージ基盤は、中国にも展開を始めたクオ
リカのクラウドビジネスを支えている。
※写真は、中国でSaas型AToMsQubeを導入した
(株)
タガミ・イーエクス
(常州田上
机械有限公司)の工場/中国江蘇省。
化の緊密なサポートだ。特に製造業では大手だけでなく中
堅・中小企業も、中国をはじめ新興国にビジネスの活路を
見いだしている。この潮流を受けて、
クオリカは中国に拠点
11
を開設し、すでに現地で複数の受注をとりつけているとい
長年にわたって蓄積したノウハウをサービス化して、顧客
う。クオリカでは、世界進出を目指す日中の企業に対して
のグローバル経営を支援していく―クオリカが構築し
クラウドサービスをアピールしていく構えだ。
た統合的な IT 基盤は、全社を挙げての取り組みを力強く
「進出先でのハードウェア調達やシステム構築などの手間
支えるものだ。その中でストレージ基盤の重要性は更に高
を省いて、スピーディにITを活用できるクラウドのメリット
まっていくことだろう。
については、どのお客様にもすぐに理解していただけま
藤野氏は、自身のミッションを次のように語った。
「アプリ
す。さらに、その先のカスタマイズやプライベートクラウド
ケーション開発チームが、日本のモノづくりを強力に支え
形態での導入といった、さまざまなニーズに応えていくこ
ていくサービスを世に送り出せるよう、統合 ITインフラを
とでお客様のビジネスに貢献したいと思っています」
(荒
さらに磨き上げていきたいと思います」
河担当部長)
ITアウトソーシング・
オンデマンド
中堅製造業向け
生産管理システム
機械予防
保全システム
小売専門店向け
販売管理システム
外食産業向け
営業支援システム
Qcloud
AToMs
Qube
Care
Qube
Specialty
Qube
Tasty
Qube
( IaaS )
( SaaS )
( SaaS )
( SaaS )
( SaaS )
ソリューション
“ 3CV ”による統合 ITインフラ
3PAR + BladeSystem c-Class + VMware
仮想サーバー環境
統合ストレージ基盤
HP 3PAR Utility Storage
HP BladeSystem c-Class
APP
OS
APP
OS
APP
OS
APP
OS
APP
OS
VMware vSphere
仮想化ソフトウェア
VMware vSphere
既存ストレージ( 7系統)を順次集約
12
福岡大学
仮想化により消費電力と運用負担を削減
HP BladeSystem、HP バーチャルコネクトを組み合わせた仮想化により、
サーバー台数を2/3に減らすことに成功
本センターが運営を担う教育研究システム「FUTURE」は、全学の教育・研究活
動にとって、まさに必要不可欠な存在。たとえば、専門科目はもちろん語学な
どの共通科目でも活用されるPC教室のパソコンが動かないということになれ
ば、それは講義が開けない、授業がストップするということを意味します。シス
テムを運営する立場からいえば、システムの安定・安全性、環境対策、運用と
いった点で、
これまで稼働していた「FUTURE 3」は課題を抱えていました。
目的
福岡大学
総合情報処理センター長
工学博士
本田 知宏 氏
●
システムの可用性向上
●
消費電力の削減
●
運用業務の効率化
アプローチ
●
仮想化によるサーバー統合
●
電力効率の高いHPブレードを採用
●
HP バーチャルコネクトFlex-10 によるネット
ワーク高速化
●
充実したHPの管理ツールを活用
2009年に創立75周年を迎えた福岡大学は、9学部31学科
2インスティテュート、大学院10研究科34専攻を擁し、約2
万1,000人の学生数を誇る西日本でも有数の私立総合大学
導入効果
だ。福岡の中心地から地下鉄でわずか十数分という好位置
●
消費電力、ラック数共に2/3に削減
●
ネットブートの起動時間を大幅短縮
に立地し、福岡ドーム8個分という広大な一つのキャンパス
●
効率の良い運用管理環境を構築
内にすべての学部、学科、大学院、病院などが結集。大学とい
う教育・研究機関としては理想的な環境を実現している。
ビジネスの成果
同大学では普遍的使命として教育、研究、医療の三つを掲
● システムのグリーン化を実現
げ、責任ある教育、探求心と地道な努力による、高い質を備
●
安定した学内ネットワーク基盤を獲得
えた医療を実践している。さらに、地元である九州エリアと
●
サービス品質向上への取り組みが可能に
の連携を重視。地域に根を張り、地域密着・地域融合型の大
学として存在価値を高めていこうとしている。
福岡大学の広大なキャンパス内には、教室や研究室、病院な
ソリューション概略:
ど学部の壁を越えて全学を包括的につなぐネットワークイン
導入ハードウェア
•HP ProLiant BL460c G6
•HP BladeSystem
c7000エンクロージャー
•HP バーチャルコネクトFlex-10
•HP ProLiant DL360 G6
•HP StorageWorks
MSL8096
テープライブラリー
Utilities for Research and Education)」のコンセプトの元に
構築された。学内の情報基盤として機能し、学生の日々の学
導入ソフトウェア
•VMware vSphere
•HP Systems Insight
Manager(HP SIM)
(Fukuoka University Telecommunication
フラが「FUTURE
•HP Integrated
Lights-Out(HP iLO)
•HP Insight Control
びの場となるPC教室で活躍する約1,400台にも上るパソコ
ンの稼働も支えている
「FUTURE」。その企画から構築、運用
までを一貫して担うのが、
総合情報処理センターである。
本田知宏総合情報処理センター長は、同センターの役割と
「 FUTURE 」の重要性をこう解説する。
「情報インフラを学
13
部ごとに運営していたのでは、効率化に限界があります。こ
科目でも活用されるPC教室のパソコンが動かないというこ
のため、このセンターを設置し、一括管理することで大幅な
とになれば、それは講義が開けない、授業がストップすると
効率化を進めることにしたのです。本センターが運営を担う
いうことを意味します。それだけに、FUTUREの安定稼働は
FUTUREは、全学の教育・研究活動にとって、まさに必要不
最重要のテーマでした」。
可欠な存在。たとえば、専門科目はもちろん語学などの共通
構築の方針となる
「また、ネットブートで動かしていた PC 教室のパソコン端
四つのチャレンジ
末は、起動に7 ∼ 8 分もかかるようになっていました。授業
で使う多くの先生方から『 授業にスムーズに入れないの
「 FUTURE 」はほぼ 5 年ごとにシステム更新を行ってきて
で、何とかして欲しい』
という声が寄せられていたのです」
と
おり、2005 年からは、サーバー約 120 台、PC 教室のパ
「 FUTURE 4 」構築プロジェクトの実務面で中心的役割を
ソコン端末 1200 台から成る「 FUTURE 3 」が稼働してい
果たした同センター研究開発室の藤村丞室長が解説する。
た。次の更新時期となる 2010 年に向けて、2008 年ご
環境面では、
「 FUTURE 3 」が消費する電力量が問題だっ
ろから総合情報処理センターを中心に、学内で次世代の
た。
「キャンパスが位置する福岡市城南区では、業種を問
「FUTURE 4 」構築に関する検討が始まる。
検討の結果、
「FUTURE 4」を具現化するための方針として、
①先端サービスや技術の提供
②安全・安定性の向上
③環境対策
④効率的な運用
という
「四つのチャレンジ」が設定された。
わず、福岡大学が最大の電力使用者となっています。しか
も、大学全体の使用量のうちの 1 割は当センターで消費し
ていました。新しいサーバーに切り替えることで、当然、そ
の数値を下げられることは予測していましたが、より積極
的に消費電力を減らしていこうと考えていました」と藤村
室長。
そして、複数ベンダーのサーバーで構成される
「FUTURE 3」
は運用の負荷が大きかった。
「より大規模なFUTURE 4に移
「システムを運営する立場からいえば、二つ目の安定・安
行した後もサービスの品質を落とさず、少数精鋭のスタッ
全性、三つ目の環境、四つ目の運用などの点でFUTURE3
フで運用していかなくてはなりません。それには、サー
は課題を抱えていました」と、本田センター長は語る。
バーの統一を図るとともに、自動化や運用支援のための
安定・安全性に関して大きな課題だったのは、プロジェク
環境を整備し、運用の効率化を進める必要がありました」
ト検討の前後から時折発生するようになったシステム停 (藤村室長)。
止。そのリカバリーに大きな人的負荷がかかっていた。
福岡大学
総合情報処理センター
研究開発室
室長 准教授
藤村 丞 氏
14
HPブレードと
HP バーチャルコネクトを評価
るインテル ® Xeon ® プロセッサー 5500 番台搭載の HP
以上のような課題の多くを解決する方策として、同セン
コネクトFlex-10 、さらに物理/仮想の両サーバー環境を
ターでは仮想化技術とブレードサーバーの採用を考えて
一括して分かりやすく運用できるようにするHP 独自の管
いた。
「省スペースなブレードサーバーでこれまでの物理
理ツールという組み合わせだった。
サーバーを統合すれば、サーバーの台数を減らすことが
HP 製ハードウェア採用の理由を藤村室長は次のように語
可能になります。台数が減れば、単純に消費電力も下げら
る。
「 HP BladeSystem c7000 エンクロージャーで注目
れるうえ、運用の効率化にもつなげることができます」と
したのは、電源の効率の良さ。80PLUS で GOLD 認定を
藤村室長は説明する。
取得した電源モジュールを搭載しているため変換効率が
こうした方針の下、2009 年の暮れ、ハードウェアの機器
良く、消費電力の大幅な削減が期待できました。また、HP
提案も含めた入札が行われた。同センターが最終的に採
ProLiant BL460c G6 の電力効率の高さも評価しまし
用を決めたのは、サーバーとして高性能 / 電力効率に優れ
た」。
ProLiant BL460c G6およびHP BladeSystem c7000
エンクロージャー、そしてネットワークにはHP バーチャル
HP バーチャルコネクトFlex-10 は、10Gbpsという高速
はできるだけ広帯域なものを採用したくなります。この点
なネットワーク帯域を利用できるのが魅力だったという。
で、HP バーチャルコネクトFlex-10なら効果を発揮してく
「ネットブートの高 速化を図ろうとすれば、ネットワーク
れるだろうと考えたのです」
( 藤村室長)。
サーバースイッチ
PCシステム
仮想化ソフト
VMware ESX
LAN
10Gbps×8
ブレードサーバー
統合管理用
管理コンソール
HP c7000
BL460c G6
10Gbps×8
10Gbps×8
ブレードサーバー
ブレードサーバー
HP c7000
BL460c G6
4Gbps×8
App
Windows.NET
Server2003
Windows.NET
Server2003
App
App
VMware vSphere
HP c7000
BL460c G6
4Gbps×8
仮想化
App
4Gbps×8
• HP BladeSystem c7000
エンクロージャー ×3
SANスイッチ
SAN
SANブート構成
• HP BladeSystem c3000
エンクロージャー ×1
HP バーチャルコネクトFlex-10 ×6
HP バーチャルコネクト ×6
• HP ProLiant BL460c G6 ×51
ストレージシステム
(ディスクコントローラ)
仮想OS領域
SANブート領域
• HP ProLiant DL360 G6 ×29
インテル® Xeon®
プロセッサー
5500番台
• HP StorageWorks MSL8096 ×3
消費電力、ラック数ともに
標のうちの一つが、この起動時間。目標値は、ログイン画
2/3に削減
面表示までが 1 分 45 秒、ログイン操作後デスクトップが
表示されるまでが 30 秒、というもの。
「この目標値内にき
採用が決まったハードウェアは 2010 年 4 月に納入され、 ちんと収まっています。それも、パソコン端末に載ってい
同年 10 月1 日に予定されている「 FUTURE 4 」のリリース
るのは、Windows XP ではなく、最新の Windows 7 。読
に向けて、慌ただしく設定や構築、実装など作業が進めら
み込み量が多くなったこの OS で当初目標をクリアーで
れていった。
きたことは、素晴らしいの一言です。最近、ネットワークの
8 月後半からは「 FUTURE 3 」から「 FUTURE 4 」への移
速度をネットブート用サーバーの出口で計測したところ、
行作業がスタート、9 月に入るとテストが続く。
「何度も事
6Gbpsも出ていることを発見して非常に驚いています。
前の検証を行っていたため、1カ月ほどという短期間でブ
HPブレードとHP バーチャルコネクトFlex-10とを組み合
レードサーバー約 50 台への大規模な移行を一気に実施
わせた時の実力の高さは想像していた以上です」
( 藤村室
できました。その間、
トラブルもなく、非常にスムーズ」と
長)。
藤村室長は振り返る。
「 FUTURE 4 」は当初の予定どおり、 運用の効率化という点での効果はどうだろうか。
「まず、
10 月1日から本格的にサービス提供を開始した。
サーバー台数が減ったこと、サーバーを統一したことによ
「 FUTURE 3 」から「 FUTURE 4 」への更新により、至るとこ
る負担軽減効果が出ています。また、HP BladeSystemに
ろで目に見える成果が上がりはじめている。まず、目標の
標準添付されているHP Systems Insight Manager( HP
一つであったサーバーの消費電力量削減。同センター内
SIM )により、ハードウェア類を統一した環境で一元的に
部では従来の 3 分の 2 程度にまで削減したいと目論んで
管理できるため、運用負荷が少なくなったと運用担当者か
いたが、見事にこれを達成。併せて、物理サーバーの統合
ら聞いています」と藤村室長。
により、ラック数も3 分の 2に減少。それまでサーバー追加
さらにリモ ートによる管 理を実 現 する H P I n t e g r a t e d
もままならなかったサーバールームにスペースの余裕が
Lights-Out 、HP BladeSystem c7000エンクロージャー
生まれた。
の前面に設置されたインサイトディスプレイといった、HP
「 PC 教室に設置しているネットブートのパソコン端末も起
動時間が大幅に短縮できています」と藤村室長は笑顔を
ならではの管理モジュールも運用の効率化に大いに役
立っているという。
見せる。入札のための要求仕様書に盛り込まれた数値目
15
クラウド技術の検討が
一方、本田センター長はすでに次の「 FUTURE 5 」の姿
次なるテーマ
に思いを馳せている。
「パブリック、プライベートなどク
2 0 1 0 年 1 0 月 のリリー ス から 半 年 ほ ど が 経 過し た
FUTURE5では、クラウド技術をいかに取り込むかというこ
「FUTURE 4」だが、これまでのところ目立ったトラブルは
とが検討課題になるかもしれません。こうした状況を見越
発生していない。
「一般に、システム移行後には何らかのト
し、クラウドに関する検討・研究をFUTURE 4 の上でも進
ラブルに見舞われるもの。それが発生していないこと自
めていく必要があるでしょう。今後は、その準備に向けた
体、高く評価できます。
トラブル対応に追われることもな
取り組みが急がれます」。
ラウドの 活 用 が 今 後 本 格 的に広 がって いくでしょう。
いので、新しいサービスの検討などに充てる時間が十分
「システムトラブルはできれば避けたいが、いつかは起き
に取れています。これはありがたいこと」と藤村室長は語
てしまうもの。そうしたトラブル発生時には、時間単位で
る。
の復旧対応が可能な HP の保守サポートに期待していま
「 FUTURE 4 の役割の一つであるPC 教室向けのサービス
す。半日、1 日といった単位でシステムが停止してしまう
を利用する学生たちの様子を観察していると、インター
と、授業への大きな影響が出てしまいます。しかし、最悪
フェイスや使い勝手の向上といった面でまだまだ改善の
でも数時間という時間単位のトラブルなら、影響を最小限
余地があると感じています。今後、単にサービス項目の拡
に抑えられます。FUTURE 4 の安定稼動という面から、こ
充を目指すのではなく、サービスのブラッシュアップの方
れからも HP には協力をお願いしたい」。本田センター長
向にも、より力を入れていくつもりです」
( 藤村室長)。
は最後の話題をこう締めくくった。
安全に関するご注意
ご使用の際は、
商品に添付の取扱説明書をよくお読みの上、
正しくお使いください。水、
湿気、
油煙等の多い場所に設置しないでください。火災、
故障、
感電などの原因となることがあります。
お問い合わせはカスタマー・インフォメーションセンターへ 03-6416-6520 月∼金 9:00∼19:00 土 10:00∼17:00(日、祝祭日、年末年始および5/1を除く)
HPについては http://www.hp.com/jp
VMware製品に関する情報は http://www.hp.com/jp/proliant_vmware
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閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。
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インテル、
Intel、
Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Centrino、Centrino ロゴ、Intel Viiv、Intel Viiv ロゴ、Intel vPro、Intel vPro ロゴ、
Celeron、Celeron Inside、Intel Core、Core Inside、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、Viiv Inside、vPro Inside、Xeon、Xeon Inside は、
アメリカ合衆国およびその他の国における Intel Corporationの商標です。
記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
記載事項は2012年1月現在のものです。
本カタログに記載された内容は、予告なく変更されることがあります。
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