(平成21年11月)【PDF:5.17MB】

(平成21年11月)【PDF:5.17MB】
生活
8号
第
安全
ジャ ー ナ ル
特集
家庭用電気製品の事故を
検証する
08
22009.11
鍵
生活安全ジャーナル
C
O
N
T
E
N
T
S
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
▼特集に向けて…………………………………………………………………………………3
▼ NITE データベースにみる ~家庭用電気製品の事故………………………………4
▼消費生活用製品安全法 長期使用製品安全点検制度及び
電気用品安全法 長期使用製品安全表示制度の概要と JEMA の対応について
日本電機工業会
金子 健一……9
▼電気製品の安心 ・ 安全のために
認証制度共同事務局電気製品認証協議会(SCEA)事務局 鈴木 政弘……14
▼電気製品の発火燃焼事故原因究明手法
製品評価技術基盤機構北関東支所燃焼技術課 今田 修二……18
NITE安全の視点
事故動向等について(平成 20 年度)……………………………………………………28
社告・リコール情報(平成 21 年1月~平成 21 年5月)……………………………32
安全研究だより
安全設計入門-最終回:安全設計を行う 和歌山大学 山岡 俊樹……41
生活者の視点
電気製品安全のために消費者に求められる安全意識の向上と役割
日本消費者協会 飯野 由喜枝……46
コラム
製品安全だより~コミュニケーションの壁を越えて 経済産業省 谷 みどり……26
数字で見る事故情報「82%」…………………………………………………………40
事故情報収集制度とNITE………………50
編集後記………………………………………52
特集
家庭用電気製品の
事故を検証する
便利で、簡単に操作できる家庭用電気製品が次々に開発され、時間の有効利
用や快適さが増すなど生活は豊かになっています。しかし、電源を伴う製品で
あるため、正しく使用しないと事故につながるおそれがあります。一方、家庭
用電気製品は、事故原因が製品に起因するものが多くみられるという傾向もあ
ります。
今号の特集では、「家庭用電気製品の事故を検証する」をテーマにして、家
庭用電気製品の事故について分析します。NITEの事故情報データベースに
みる「家庭用電気製品」の事故情報の分析をはじめ、電気製品にかかわる関係
機関には安全性の確保等に向けた取り組みなどを執筆していただきました。
また、NITE北関東支所が行っている電気製品の発火燃焼事故原因究明手
法についても紹介します。
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
家庭用電気製品の事故を検証する
特集に向けて
生活安全ジャーナル編集事務局
NITE が平成 18 年度から平成 20 年度の3年
間に収集した事故情報 13,813 件 (※) の製
保健衛生用品 176 件
品区分別事故情報収集件数を図1で示します。
身のまわり品
1,897 件
最も多いのが 「家庭用電気製品」 の 6,002 件
で約 43%を占めています。 次いで多いのは、
乗物 ・ 乗物用品
511 件
13,813 件
「燃焼器具」 の 3,537 件の約 26%で、 この2製
品区分で全体の約7割を占めることになります。
「身のまわり品」 の 1,897 件については、 同一
繊維製品 64 件
乳幼児用品 286 件
レジャー用品 248 件
家具 ・ 住宅用品
765 件
その他 2 件
家庭用電気製品
6,002 件
燃焼器具
3,537 件
台所 ・ 食卓用品
325 件
製品である 「デスクマット」 のリコール回収対象
品 1,088 件が含まれているため、総数が多くなっ
図1 製品区分別事故情報収集件数
ています。
(※平成 21 年8月 31 日現在。 重複情報等を
不明」 405 件、 「調査中」 824 件、 「重大事故」
除きます。 事故情報収集件数については暫定
119 件を除く 2,189 件中 (図3)、 「製品に起因
であり、 今後数値が変わる可能性があります。)
しない事故」 が 1,796 件で約 82%となっていま
「家庭用電気製品」 の事故 6,002 件中、 「原
す。 「家庭用電気製品」 は、 事故原因が 「製
因不明」 805 件、 「調査中」 2,000 件、 「重大
品に起因する事故」、 「燃焼器具」 については
製品事故」 463 件を除いた 2,734 件中 (図2)、
「製品に起因しない事故」 がそれぞれ多くなる
「設計、 製造又は表示等に問題があったもの」
のは、 NITEの事故データベースに常にみられ
「製品及び使い方に問題があったもの」 「経年
る傾向です。
劣化によるもの」 など 「製品に起因する事故」
今号では 「家庭用電気製品の事故を検証す
は合計 1,906 件で約 70%におよびます。 一方、
る」 をテーマに NITE データベースをもとに分
「燃焼器具」 の事故件数 3,537 件から、 「原因
析します。
その他製品に起因し
ないもの 67 件
その他製品に起因
しないもの 121 件
設計、 製造又は表示等に
問題があったもの 293 件
製品及び使い方に問
題があったもの 11 件
経年劣化によ
るもの 89 件
誤使用や不注意
によるもの 604 件
施工、 修理又
は輸送等に問
題があったも
の 103 件
2,189 件
2,734 件
経年劣化による
もの 185 件
製品及び使い方に問
題があったもの 157 件
設計、 製造又は表示等
に 問 題 が あ っ た も の 1,564 件
図2 事故原因別 (家庭用電気製品)
施工、 修理又は
輸送等に問題が
あったもの 95 件
誤使用や不注意によるもの 1,634 件
図3 事故原因別 (燃焼器具)
内側のオレンジ部分は 「製品に起因する事故」。 濃いグリーン部分は 「製品に起因しない事故」
NITE データベースにみる家庭用電気製品の事故
生活安全ジャーナル編集事務局
NITEが平成 18 年度から平成 20 年度の3年間に収集した事故情報は 13,813 件です。
その中で、
「家庭用電気製品」による事故は 6,002 件ありました。この事故情報をもとに、
「家庭用電気製品」で、事故の多い品目の事故状況や事故の傾向等についてデータベース
をもとに検証します。
事故件数
り品」 の中で同一製品の 「デスクマット」 のリコー
ル事故 1,088 件が含まれています。 そこで、 こ
NITE が平成 18 年度から 20 年度の3年間に
のデスクマットを除いた 12,725 件で 「家庭用電
収集した事故情報 13,813 件 (平成 21 年8月
気製品」 の事故割合をみると約 47%でほぼ半
31 日現在。 事故情報収集件数については暫
数を占めることになります。
定であり、 今後数値が変わる可能性があります。
事故原因
重複情報等を除きます) の中で、 「家庭用電
気製品」 の事故情報は 6,002 件で、 約 43%
に達しています (図1)。 次いで多いのは 「燃
「家庭用電気製品」 の事故 6,002 件中、 「調
焼器具」 3,537 件約 26%、「身のまわり品」 1,897
査中」 のものは 2,000 件あります。 そこで、 「調
件約約 14%となっています。 なお、 「身のまわ
査中」 及び 「重大製品事故」 463 件を除いた
3,539 件の事故原因をみると、 製品に起因する
「設計、 製造又は表示等に問題があったもの」
調査中
2,000 件
が最も多く 1,564 件約 44%でした。 また、 事故
設計、 製造又は表示等に問題が
あったもの 1,564 件
製品及び使い方に問題が
6,002 件
あったもの 157 件
使い方に問題があったもの」 (事例①) が 157
経年劣化によるもの 185 件
件、「経年劣化によるもの」 が 185 件ありました。
施工、 修理又は輸送等に
問題があったもの 103 件
重大製品事故
463 件
誤使用や不注意によ
るもの 604 件
原因不明のもの
805 件
原因が製品に起因するものとして、 「製品及び
これら 「製品に起因する事故」 の合計は、1,906
件で約 54%と過半数を超えました。 事故原因
が使用方法に問題があった 「誤使用や不注意
その他製品に起因
しないもの 121 件
によるもの」 (事例②) は 604 件約 17%でし
図 1 家庭用電気製品の事故原因
た。 さらに事故原因と推測される製品が焼損し
【事例①表示または取扱説明書の不備で事故に至った事故事例】
電気くん蒸殺虫器 (2007 年 6 月)
事故内容 使用中の電気くん蒸殺虫器の器具側のコードの根元から発火して、コードが切れ、畳が焦げた。
事故原因 薬液蒸散口の上に遮蔽物があった等の状況下で使用したことで、 蒸散した薬液が電源コード
に接触 ・ 付着してコード被覆の樹脂が硬化し、 さらに使用時の屈曲によってコード被覆に亀裂
が生じ、 芯線が露出して異極間でショートし、 発火したものと推定される。
再発防止 ホームページに 『蒸散口の上に遮蔽物がある等によりコードに薬液が付着するとコードが固く
措置
なりショートの原因となる』 旨告知を掲載し、 注意喚起を行っている。 なお、 今後は取扱説明
書に 『電源コードに傷が付いたり、 硬化するとショートすることがあるので使用を中止する。』
旨記載することとした。
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
たなど 「原因不明のもの」 805 件を除いて事故
が 1,634 件約 75%に達します。 これらのことか
原因が判明している 2,734 件で 「設計、 製造
ら 「家庭用電気製品」 は 「設計、 製造又は表
又は表示等に問題があったもの」 の割合は約
示等に問題があったもの」 が事故原因として多
57%、 一方 「誤使用や不注意によるもの」 は
く、「燃焼器具」 は 「誤使用や不注意によるもの」
約 22%となります。
が事故原因の大半を占めるという傾向がみられ
全事故情報 13,813 件から 「調査中」 3,682
ます (3ページ図2 ・ 3参照)。
件と 「重大製品事故」 709 件、 「原因不明のも
また、 「家庭用電気製品」 の事故のうち、 「誤
の」1,899 件及び先の同一製品によるデスクマッ
使用や不注意によるもの」 604 件を分析すると、
ト 1,088 件を除いた 6,435 件をみると 「誤使用
「消費者の誤使用」 136 件、「消費者の不注意」
や不注意によるもの」 が最も多い 2,603 件で約
434 件のほか、「消費者の設置・加工不良」 (事
40%、 「設計、 製造又は表示に問題があったも
例③) 23 件、 「消費者の修理不良」 (事例④)
の」 が 2,489 件約 39%となります。 事故件数
11 件となっています。
が 「家庭用電気製品」 に次いで多い 「燃焼器
品目別の事故状況
具」 3,537 件については、 「調査中」 「重大製
品事故」 「原因不明のもの」 を除いた 2,189 件
中、 「設計、 製造又は表示に問題があったもの」
「家庭用電気製品」 の事故 6,002 件を品目
は 293 件約 13%、「誤使用や不注意によるもの」
別にみると 300 品目超と、 多くの製品から事故
【事例②】 消費者の誤使用により事故に至った事故事例
ドライヤー (2007 年 12 月)
事故内容 延長コードにドライヤーをつないで使用後にコンセントを抜こうとしたところ、 延長コードのタップ
付け根部分から出火し、 じゅうたんに火がついた。
事故原因 かつて熱くなることを認識したことがある当該延長コードを電気容量の大きいドライヤーに使用
していた。 また、 タップ付け根部分の芯線が断線していることから、 繰り返し屈曲が当該部に
加わり、 芯線が半断線状態から全線の断線状態に徐々になってゆき発火発煙したものであり、
消費者の使用方法に問題があったものと推定される。
【事例③】 消費者の修理不良で事故に至った事故事例
電気ファンヒーター 【電気温風機】 (2007 年 11 月)
事故内容 使用中のトイレ温風機から異臭がして、 炎が出、 トイレの壁の一部が焦げた。
事故原因 当該機は、 上部に温風吹き出し口のあるフロントカバーが上下逆に取り付けられていたこと、
また、 安全装置の温度ヒューズが取り外され、 リード線で短絡接続されていたため、 温風吹出
経路が閉塞され異常過熱しても安全装置は働かず、 周囲の樹脂が焼損したものと推定される。
なお、 取扱説明書には 「ご家庭での修理は事故の原因となりますので絶対におやめください」
と記載し注意喚起している。 【事例④】 消費者の設置 ・ 加工不良で事故に至った事故事例
電動冷蔵庫 (2006 年6月)
事故内容 木造2階建て住宅から出火し、 台所など約 40 平方メートルを焼いた。
事故原因 古い冷蔵庫のコード部分を使い、 手ひねりで接続して造った自作の延長コードに、 冷蔵庫や
冷凍庫等の電気製品を接続して使用していたため、 コード接続部が発熱し、 火災に至ったも
のとみている。
が発生している状況がうかがえます。
図2 家庭用電気製品で事故件数が多かった 10 品目(6,002 件)
6,002 件の事故情報の中で最も多い品目 (図
800
800
2、 表1) は、 「電気ストーブ」 758 件、 次いで
700
700
「配線器具」 274 件、 「エアコン」 270 件、 「電
600
600
気乾燥機」 269 件と続きます。 「電気ストーブ」
については、 3年間を通じて最も多くの事故が
500
500
報告されています。
400
400
平成 20 年度に
「電気ストーブ」 に次いで多
300
300
いのが、 「ノートパソコン」 140 件です。 「ノート
200
200
パソコン」 以外のパソコン関連では 「パソコン」
24 件、 「パソコン周辺機器」 12 件などがみら
100
100
れます。
電気洗濯機
照明器具
ノートパソコン
直流電源装置
ブラウン管型テレビ
使用や不注意によるもの」 が 161 件となります。
電気こんろ
電気乾燥機
は表示等に問題があったもの」 211 件で 「誤
エアコン
るのは 485 件です。 その中で 「設計、 製造又
配線器具
0
( 件数 )
電気ストーブ
「電気ストーブ」 の事故で調査が終了してい
なお、 「設計、 製造又は表示等に問題があっ
たためです。 また、 「誤使用や不注意によるも
たもの」 など事故原因が製品に起因する事故
の」 は 61 件ありましたが、 「たこ足配線による
の中で、被害状況としては 「死亡」 はなく、「重
延長コードの過電流」 「繰り返しの屈曲による
傷」 は3件でした。 事故原因が 「誤使用や不
半断線」 「下敷きになっていたことによる機械的
注意によるもの」 161 件では、「死亡」 36 件、「重
ストレス」 等、 多くの原因がありました。
傷」 7件でしたが、 「洗濯物の落下」 などの可
「エアコン」 は 270 件中、 「重大製品事故」
燃物接触が大半を占めましたが、「就寝中」 「つ
が 133 件と約半数近くを占めています。
い眠ったしまった」 などの使用状況で発生した
被害状況
事故も多くありました。
「配線器具」 で調査が終了しているのは 190
件で、 「原因不明のもの」 が半数以上を占める
「家庭用電気製品」 の事故 6,002 件の被害
100 件でした。 これは、 多くが事故原因と推測
状況 (図3) をみると 「製品破損」 が最も多い
される 「配線器具」 をそのものが焼損してしまっ
2,600 件で「拡大被害」2250 件と続きます。なお、
表1 家庭用電気製品で年度別事故件数が多かった 10 品目
平成 18 年度
平成 19 年度
平成 20 年度
電気ストーブ
195 電気ストーブ
326 電気ストーブ
配線器具
97 電気衣類乾燥機
178 ノートパソコン
エアコン
72 配線器具
101 エアコン
電気こんろ
57 エアコン
94 直流電源装置
ブラウン管型テレビ
47 電気こんろ
87 照明器具
電気冷蔵庫
45 電気洗濯機
80 配線器具
直流電源装置
41 ブラウン管型テレビ
72 ブラウン管型テレビ
屋内配線
35 電子レンジ
60 電気スタンド
照明器具
35 扇風機
57 電気こんろ
電気洗濯機
34 洗面化粧台
57 電気温風機
237
140
104
98
81
76
66
65
61
61
平成 18 年~ 20 年度
電気ストーブ
758
配線器具
274
エアコン
270
電気乾燥機
269
電気こんろ
205
ブラウン管型テレビ 185
直流電源装置
184
ノートパソコン
172
照明器具
172
電気洗濯機
158
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
死亡 156 件
重傷 142 件
被害なし 262 件
気洗濯機」 14 件、 「シュレッダー」 14 件の順
となっています。 「軽傷」 は、 「電気ストーブ」
89 件、 「シュレッダー」 31 件、 「配線器具」 が
軽傷
592 件
製品破損
2,600 件
24 件となり、 「重傷」 と 「軽傷」 で被害がみら
れた 「シュレッダー」 については子どもが指を
6,002 件
はさまれた事故のほか、 不注意による事故 (事
拡大被害
2,250 件
故事例⑤) などもありました。
経年劣化
図3 被害状況
「拡大被害」 の中には製品の周辺のみならず、
「家庭用電気製品」 の事故中で、 平成 18
住宅半焼 ・ 全焼するなど火災が多く含まれてい
年度から 20 年度の3年間に 「経年劣化」 が原
ます。
因で発生した事故は 242 件ありました (重大製
「死亡」 156 件に至った事故の品目で最も多
品事故含む)。 3年間で経年劣化が原因で発
いのは 「電気ストーブ」 67 件、 次いで 「電気
生した品目 (表2) で最も多いのが 「扇風機」 (事
こたつ」 14 件、 「電気こんろ」 10 件などです。
例⑥) 42 件、以下 「ブラウン管型テレビ」 37 件、
「重傷」 については 「電気ストーブ」 16 件、「電
「電子レンジ」 17 件と続きます。
表2 経年劣化による事故が多かった 10 品目
平成 18 年度 (72 件 )
ブラウン管型テレビ 15
扇風機
8
電子レンジ
配線器具
5
冷蔵庫
インターホン
4
エアコン
換気扇
3
電気カーペット
電気毛布
平成 19 年度 (132 件 )
扇風機
25
ブラウン管型テレビ 20
照明器具
9
電子レンジ
8
インターホン
7
電気カーペット
エアコン
4
温水洗浄便座
換気扇
3
電気冷蔵庫
平成 20 年度 (38 件 )
扇風機
9
照明器具
5
電子レンジ
4
換気扇
電気洗濯機
2
ブラウン管型テレビ
電気毛布
温水洗浄便座
置時計
1
電気冷蔵庫
平成 18 年~ 20 年度 (242 件 )
扇風機
42
ブラウン管型テレビ
37
電子レンジ
17
照明器具
16
インターホン
11
電気カーペット
換気扇
8
エアコン
7
電気毛布
電気冷蔵庫
6
【事例⑤】 シュレッダーでの不注意による事故事例
シュレッダー (2007 年 11 月)
事故内容 当該製品を使用中に、 紙投入口から出火し、 左目等に火傷を負った。
事故原因 調査の結果、 エアースプレーを当該機器に使用し、 機器内部に可燃性ガスが充満したままの
状態で、 機器を作動させたため、 充満していたガスに引火し、 発火に至ったと考えられ、 取
扱説明書でも、 可燃性スプレーの使用を禁止していることから使用者の誤使用による事故であ
ると判断した。
【事例⑤】 経年劣化で事故に至った事例
扇風機 (2007 年8月)
事故内容 扇風機から出火する火災が発生。 就寝中であった2人が煙を吸うなどして死亡した。
事故原因 長期使用の間に吸湿等でコンデンサが絶縁劣化を起こし、 これによりモーター巻線が異常温
度上昇に至り、 レアショートに発展して発煙 ・ 発火したものと考えられる。
図 4 経年劣化事故の使用年数ごとの件数
( 件数 )
30
30
25
25
20
20
15
15
10
10
55
40
不明
35
約 年
30
約 年
25
約 年
20
約 年
約 年
15
約 年
10
約 年
約 年
約5年
約1年
00
45
( 使用年数 )
経年劣化事故を使用期間 (図4) ごとにみる
も多くなり、 40 年以上の使用による事故も報告
と、 最も多いのは 「不明」 を除くと 「約 15 年」
されています。
と 「約 20 年」 がそれぞれ 21 件、 「約 19 年」
が 17 件です。 10 年を超えると事故が増える傾
社告・リコール
向がみられますが、 「約 14 年」 ~ 「約 22 年」
に多く事故が発生しています。 ただ 「約 23 年」
NITE が収集した平成 20 年度 (平成 21 年3
以降の減少については、 市場の残存数を考慮
月 31 日現在) 中にに実施されたリコール件数
する必要があります。
(表3) は 201 件です。 その中から 「家庭用電
使用年ごとに経年劣化による事故が多かった
気製品」をみると平成 18 年度が 190 件中 87 件、
品目としては、 約 10 年から約 19 年では 「テレ
19 年 度 が 200 件 中 96 件、 20 年 度 が 201 件
ビ」 が最も多く 23 件で、「電子レンジ」 14 件、「イ
中 101 件と、 ほぼ例年約半数を占めています。
ンターホン」 の 10 件と続きます。 約 20 年から
これは、 「家庭用電気製品」 の事故原因が製
約 29 年でも 「テレビ」 が 12 件で最も多くなっ
品に起因するものが多いこと及び品目数の多さ
ていますが、 その後の事故報告ありません。 約
や利用頻度の高さによるものと思われます。
30 年から約 39 年では 「扇風機」 が 23 件と最
表3 社告 ・ リコール情報収集件数※
製品区分
平成 18 年度
家庭用電気製品
87 件
45.8%
台所 ・ 食卓用品
7件
3.7%
燃焼器具
25 件
13.2%
家具 ・ 住宅用品
19 件
10.0%
乗物 ・ 乗物用品
6件
3.2%
身のまわり品
21 件
11.1%
保健衛生用品
1件
0.5%
レジャー用品
14 件
7.4%
乳幼児用品
3件
1.6%
繊維製品
7件
3.7%
その他
0件
0.0%
合計
190 件
100.0%
平成 19 年度
96 件
48.0%
7件
3.5%
24 件
12.0%
17 件
8.5%
11 件
5.5%
18 件
9.0%
9件
4.5%
9件
4.5%
5件
2.5%
4件
2.0%
0件
0.0%
平成 20 年度
101 件 50.2%
11 件
5.5%
7件
3.5%
12 件
6.0%
13 件
6.5%
26 件 12.9%
2件
1.0%
3件
1.5%
9件
4.5%
12 件
6.0%
5件
2.5%
200 件
201 件 100.0%
100.0%
※件数は平成 21 年 3 月 31 日現在で再社告 ・ リコール件数を含みます
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
消費生活用製品安全法 長期使用製品安全点検制度
及び電気用品安全法 長期使用製品安全表示制度の
概要と JEMA の対応について
社団法人日本電機工業会
家電部技術課
金子 健一
平成 19 年 11 月に消費生活用製品安全法が改正され、長期使用製品の経年劣化による
重大製品事故の未然防止の為、長期使用製品安全点検制度(以下、安全点検制度)が設
けられました。また電気用品安全法 技術基準が平成 20 年5月に改正され、長期使用製
品安全表示制度(以下、安全表示制度)が設けられました。平成 21 年4月から施行され
たこれらの新制度の概要と当会としての対応について以下に説明します。
安全点検制度
の義務を事業者に課す制度です (点検は有
(消費生活用製品安全法)
料)。
制度の詳細は、 次のようになっています。
1. 対象製品
(1) 製品本体への表示
安全点検制度の対象品目は特定保守製品と
下記項目を製品本体に表示することが必要
定義され、 消費者自身による保守が難しく、 経
です。
年劣化による重大製品事故の発生のおそれが
①特定製造事業者等の氏名又は名称及び
高い9品目であり、 当会取扱製品ではビルトイ
住所
ン式電気食器洗機と浴室用電気乾燥機が対象
②製造年月
になっています ( 他7品目はガス ・ 石油機器 )。
③設計標準使用期間 : 標準的な使用条件の
なお、 当会の国内出荷統計によると、 2008 年
下で使用した場合に安全上支障がなく使用す
度の国内出荷台数はビルトイン式電気食器洗
ることができる標準的な期間として設計上設定さ
機は 510 千台、 浴室用電気乾燥機は 621 千
れる期間です。 無償修理期間ではありません。
台となっています。
設計標準使用期間の算出方法は、 敢えて統一
した方法を規定せず各社独自の確認方法に委
2. 制度の概要
ねる方式としています。
安全点検制度は特定製造事業者等 (製造
④点検期間 : 点検期間の始期及び終期を年
事業者 ・ 輸入事業者を指す : 以下、 事業者)
月で記載します (設計標準使用期間を基に設
が製品の所有者から製品に同梱した所有者票
定する)。
によって住所 ・ 氏名 ・ 電話番号等の情報提供
⑤点検その他の保守に関する問合せ先
を得て、 設計標準使用期間の終期近くに設定
⑥型番等
した点検時期の到来前に点検通知を所有者に
⑦特定保守製品の表示
送り使用製品が点検時期にあることを知らせ、
(2) 取扱説明書等
所有者から点検要請があった場合に点検応諾
下記項目を取扱説明書等に表示することが
9
必要です。
当会ウェブサイトに安全点検制度等の概要説
①設計標準使用期間の算定の根拠
明と各社のウェブサイトへのリンク一覧を掲載し
②点検を行う事業所の配置等
ています。
③点検の結果必要になると見込まれる部品
http://www.jema-net.or.jp/Japanese/kaden/
の保有期間
productsafety/check/faq.htm#05
④清掃等の日常的に行うべき保守の内容と
なお、 点検の結果、 整備が必要な場合、 そ
その方法
の費用は、 点検料金には含まれていないため、
⑤標準的な使用環境と異なる環境で使用さ
別途、 所有者にご負担頂くことになります。
れた場合等、 経年劣化を早める事情が存在す
(7) 点検の結果の伝達
る場合には設計標準使用期間よりも短期間で
点検結果は 「点検結果シート」 に記載し所
安全上支障を生ずるおそれが多い旨の注意
有者に説明します。 仮に点検の結果、 不適合
(3) 所有者票
になった場合の整備 ・ 廃棄の判断は所有者に
所 有 者 票 と は 所 有 者 情 報 ( 氏 名、 住 所、
委ねられます。
TEL 等) を事業者に提供するための書面 (例
安全表示制度
(電気用品安全法)
えば郵便はがきに印刷したもの) であり、 本体
に同梱する必要があります。
(4) 点検の通知
1. 対象製品
事業者は所有者に点検期間の始期の到来前
安全表示制度は、 経年劣化の注意喚起を主
に点検の通知を行い、 その際、 点検を希望す
目的にしており、 扇風機、 エアコン、 換気扇、
る場合の連絡先、 点検料金の内訳及び金額の
洗濯機、ブラウン管テレビの5品目が対象になっ
目安を連絡します。 点検期間中に点検の実施
ています。 安全表示制度は、 安全点検制度と
を求められた場合、 事業者は点検基準に従い
は異なり点検を伴わないのが特徴です。
点検を実施する必要があります。
安全表示の規定は電気用品安全法 技術基
(5) 点検基準
準の扇風機、 エアコン、 換気扇、 洗濯機、 ブ
経済産業省令に基づき点検基準が定められ
ラウン管テレビの各品目の項目に規定されてい
ており、 事業者は、 点検を行う技術者が点検
るため、 それぞれの機能を有する電気用品で
基準に従った点検を行い、 点検基準への適合
あれば表示を行う必要があります。
性を客観的に判断することを可能とする事項を
また、 洗濯乾燥機は対象から除外されていま
記載した点検に必要な手引き ( 点検マニュア
すが、 これは洗濯乾燥機の経年劣化事故が発
ル ) を作成する必要があります。 なお、 事業者
生しておらず、 また経年劣化事故発生の蓋然
は点検に必要な手引きの保管を第三者機関に
性が低いと判断されたためです。
依頼する必要があります。
なお、 安全表示制度は法体系上、 消費生活
(6) 点検料金の設定
用製品安全法にも関連しますが、 安全点検制
点検料金の基本的な考え方は次の内訳とな
度とは制度の内容が異なることと、 具体的な表
ります。
示規定が電気用品安全法で規定されているた
点検料金=技術料+出張料+その他経費
め、 ここでは安全表示制度 (電気用品安全法)
料金体系は事業者毎に異なりますが、 各事
と表現しています。
業者のウェブサイトに概要が掲載されています。
10
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
2. 制度の概要
で機器を使用した場合に安全上支障なく使用
安全表示制度は、 経年劣化による重大事故
できる年数であり (図1)、 安全点検制度並び
の発生率は高くないものの、 その残存台数が
に安全表示制度の中心に位置付けるものです。
多く、 長期間使用されることが多いために、 経
設計標準使用期間の表示は、 消費者が購入
年劣化による重大製品事故が一定程度発生し
時に商品選択の目安に利用できるメリットがあり
ている製品について、 消費者等に長期使用時
ますが、 使用頻度については基準化されてい
の注意喚起を促す表示を義務付ける制度であ
なかったため、 設計標準使用期間の長短は単
り下記項目を製品本体に表示することが必要で
純に比較できない問題が生じました。 そのため
す。
当会では設計標準使用期間を設定するための
①製造年
使用頻度 (以下、 標準使用条件と呼ぶ) を次
②設計上の標準使用期間 (安全点検制度と
のような考え方で JIS 化することにしました。
同様の主旨)
(1) 標準使用条件の基準化
③ 「設計上の標準使用期間を超えて使用す
製品の使用頻度である標準使用条件の基準
ると、 経年劣化による発火 ・ けが等の事故に至
化には次の方法が考えられます。
るおそれがある」 旨
a) ユーザーの使用実態の調査
b) 理論的に推定した使用パターンの作成
当会の取り組み
食器洗い機を例にすると、 a) は実際にユー
ザーが1日に何回洗浄するかを調査することで
両制度実施に関して当会がこれまで実施した
あり、 b) は例えば朝食の食器と昼食の食器を
取り組みについて以下に説明します。
昼に纏めて洗い、 夕食の食器は夜洗うと想定し
安全点検制度と安全表示制度の双方に関連す
1日2回の洗浄を標準的な使用パターンと考え
る項目は 1. ~ 2. 項 , 安全点検制度のみに
ることです。 a)は経済産業省の委託事業によっ
関連する項目は、 3. ~6. 項です。
て調査が実施され、 b) は当会技術委員会が
作成しました。 その後消費者代表も参加した委
1. 標準使用条件の作成
託事業の委員会にてa)、 b) を考慮して標準
設計標準使用期間を設定するための 「標準
使用条件が設定されました。 ユーザーの使用
使用条件」 ( 1年間に機器を使用する
図1 設計標準使用期間のイメージ
時間 ・ 回数等 ) については平成 20 年
4月に業界統一案を当会のホームペー
ジに掲載しましたが、 その後経済産業
省が実施した使用実態調査を基に JIS
化を行い平成 21 年3月に JIS が発行
されました。 設計標準使用期間は家電
製品では、 今回の制度によって新たに
表示されることになりましたので、 詳細
に紹介します。
設計標準使用期間とは端的に言え
ばある頻度 (年間使用時間 ・ 回数等)
11
【設計標準使用期間等の表示例 ( 換気扇本体 )】
実態の調査の内容は経済産業省のHPにも掲
載されています。
最終的には①使用実態調査を参考に、 ②理
論的に推定した使用パターンを検証する方法
2. 製品本体への表示例の作成
で検討を行い、 ③使用実態調査の結果を下回
製品本体への具体的な表示場所 ・ 方法を当
らない数値で標準使用条件を決定しています。
会の委員会で検討しており、 具体的な表示例
具体例を紹介すると、 食器洗い機の場合、 a)
が経済産業省のウェブサイトに製品毎に詳しく
の使用実態調査は1日1回が最も多く次いで1
掲載されています。 なお、 表示開始時期は平
日2回という結果であり、 その平均はb) で想
成 21 年1月以降順次実施のため、 しばらくは
定していた1日2回の使用回数よりも少なかった
流通過程において表示のある製品とない製品
が、 安全性を考慮し、 より厳しい条件である1
が混在いたします。
日2回を採用しました。
換気扇 (台所用) の場合は、 a) の結果が
3. 点検基準案の作成
2,410 時間であり、 b) は 1,095 時間と想定しま
経年劣化を起こしやすく事故に繋がる可能性
した(1h /回× 3 回/日× 365 日)。 この場合、
がある項目を中心に当会にて品目毎に点検基
使用実態調査結果の時間が長いため標準使用
準案を作成しました。 この内容は平成 20 年3
条件を 2,410 時間としています。
月に経済産業省令として採用されました。
(2) 標準使用条件の概要
各製品の標準使用条件の概要は表1、 2の通
4. 点検結果の記入シートの作成
りです。 なお、 JISには温度や湿度等の条件も
点検結果を記入する記入用紙のフォーマット
記載されているので詳細はJISをご参照願いま
を当会にて作成しており、 経済産業省のガイド
す。
ラインにも例示として掲載されています。
表1 安全点検制度
品 目
項 目
回数 ・ 時間
注 記
ビルトイン式電気食器洗い機 年間使用回数
730 回 2回/日× 365 日
局所換気 年間使 1460 時間
乾燥
650 時間
浴室用電気乾燥機
用時間
暖房
302 時間
表 2 安全表示制度
品 目
扇風機
扇風機
天井扇
台所用
居室用
換気扇
トイレ用
浴室用
電気洗濯機
(除く洗濯乾燥機)
冷房
ルームエアコン
暖房
ブラウン管テレビ
項 目
回数 ・ 時間
注 記
880 時間 8時間/日× 110 日
年間使用時間
1800 時間 10 時間/日× 180 日
2410 時間
2193 時間
年間使用時間
2614 時間
1671 時間
年間使用回数
547.5 回 1.5 回/日× 365 日
1008 時間 9 時間/日× 112 日
年間使用時間
1183 時間 7 時間/日× 169 日
年間使用時間 1642.5 時間 4.5 時間/日× 365 日
ルームエアコンは (社) 日本冷凍空調工業会、 ブラウン管テレビは (社) 電子情報技術産業協会がJ
ISを作成。 なお、 法律上、 安全点検制度では 「設計標準使用期間」、 安全表示制度では 「設計上の
標準使用期間」 と呼びますがここでは 「設計標準使用期間」 と記載しています。
12
なお、 フォーマットの料金
記入欄には整備費用の項目
を記載していません。 これは
法の主旨が点検であるため、
あくまで点検に掛かる費用を
記載しているためです。 仮
に所有者が整備を希望する
場合には別途、 整備の修理
見積もり書や結果明細書を
作成することになります。
5.「点検技術的講習実施
のためのガイドライン」
の作成
各社の点検員 ( サービス
技術員 ) の技術力向上のた
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
めのガイドラインを当会にて作成し、 当会会員
3. 電気用品安全法 技術基準改正への協力
に配布しています。 会員各社はこのガイドライ
安全点検制度と安全表示制度は、 製造後の
ンを参考に社内にて点検員の講習等を定期的
安全対策を目的としたものであることから、設計・
に実施し、 自社の点検員の技術力向上を図っ
製造時の安全対策の強化のために経済産業省
ています。
にて電気用品安全法 技術基準の改正が9月
に公布されています。 今回改正された項目は、
6. 点検制度に関するウェブサイト作成
過去発生した様々な事故例を分析した上で改
安全点検制度スタートに合わせて当会ウェブ
正案をまとめているため、 家電製品全般を対象
サイトに安全点検制度等の概要説明を掲載す
としており、 また経年劣化対策に限定しており
ると共に各社のウェブサイトへのリンク一覧を掲
ません。 具体的には、 「基板の難燃化」 「内部
載しました [2.2(7) 参照 ]。 リンク一覧を利用す
配線の耐久性強化」 「電源プラブのトラッキング
ることによって各社の点検料金の目安や点検の
対策」 等の規定が検討されており、昨年1年間、
対象機種一覧の検索が容易になっています。
当会を含めて関連工業会が改正作業に協力し
ています。 技術基準改正に対応するためには、
今後の課題
一部製品で設計変更を必要とするものがありま
すが、 より安全な製品作りの観点から当会では
安全点検制度の円滑な実施並びに経年劣
積極的に対応しています。
化事故未然防止のために必要な検討事項とし
今回の技術基準改正は早ければ9月頃に施
て当会は次の内容を考えています。
行される予定ですが、 技術基準改正は今後も
継続的に対応すべき内容と考えられることから、
1. 点検実施率の向上
当会は引き続き基準改正の協力を行う予定で
点検実施率の向上のためには、 ①製品に同
す。
梱する所有者票の回収率の向上、 ②点検期
間にある製品型番の情報提供、 ③消費者が受
最後に
け入れやすい点検料金の設定等が挙げられま
す。 点検料金については、 今後設計する製品
安全点検制度と安全表示制度は、 家電製品
を点検しやすい構造に見直し、 点検時間の短
の長期使用によるリスクを消費者に新たに意識
縮等を図ることによる点検費用の低減が重要と
付けし、 消費者の安全意識を変革するものと期
考えています。
待されます。 特に安全点検制度は製造事業者
にとって、 従来できなかった製品の所有者の所
2. 既販品への対応
在把握や一定期間後の点検を可能とし、 長期
既販品に関しても各社は点検の体制を整え
使用による事故の未然防止が期待できるため
ています。 しかしながら、 既販品には部品の保
消費者保護に加えて製造事業者にとっても今
有期間を過ぎたものがあるため点検を行っても
までにないメリットがあります。 当会は今後も両
整備が出来ないものがあり、 そのためトラブル
制度の実効が上がるよう引き続き協力を行うとと
を予防するために点検要請があった場合には
もに、 製造時の安全対策である技術基準改正
事前に所有者に理解いただくことが重要と考え
も含めた総合的な安全確保に取り組んで参りま
ています。
す。
13
電気製品の安心・安全のために
認証制度共同事務局
電気製品認証協議会(SCEA)事務局
鈴木政弘
近年、食品の事故、電気製品の事故、その他種々の製品事故が多数おこり「安心・安全」
が日々話題になっています。「電気製品の安心・安全のため」平成9年 10 月に設立され
た電気製品認証協議会(SCEA)は、電気製品の第3者認証制度「Sマーク」に関する協
議会として電気安全に関する諸問題の解決、電気安全に係る機関、団体、消費者などか
らの賛同・協力と信頼をえるための活動を行い昨年 10 月に 11 年目を迎えました。「電気
製品の安心・安全のため」Sマーク付き電気製品の安全性をより多くの消費者の皆さま
に認識して頂くと共に、流通・販売事業者、輸入関係者及び製品製造事業者に、Sマー
クの価値をより一層ご理解頂くため、本誌に電気製品認証協議会(SCEA)及び電気用品
部品・材料認証協議会(CMJ)の発足の経緯及び活動をご紹介させて頂きます。
電気製品認証協議会(SCEA)と
マーク認証制度の発足
産業省 (現 : 経済産業省) からの検討依頼に
より電気用品調査委員会でその在り方を検討し
た後、 電気用品安全検討会の審議を経て 『第
1. 電気製品の安全性確保体制の経緯
三者認証制度の公平な運営及び普及等につ
電気製品の安全性確保体制は、 昭和 36 年
いて認証機関に提言を行い、 我が国の電気製
に公布された電気用品取締法に始まり、 政府
品等の安全性向上に貢献することを目的とす
による強制認可によって安全性確保を図ってき
る』 電気製品認証協議会 (略称 : SCEA) が
ました。 しかし、 時代の変遷とともに、 諸外国
平成6年 12 月に発足し、 翌年より SCEA に参
からの要望等を受け入れた規制緩和政策の実
加している認証機関によって第三者認証 ( マー
施によって取締行政の国際化が図られ、 電気
ク認証) 業務が開始されました。 なお、 現在
用品取締法についても、 国際規格 (IEC 規格)
SCEA に参加している認証機関は、 財団法人
採用等の改正が行われました。
電気安全環境研究所 ( 略所 : JET)、 財団法
その後、 製造物責任法 (PL 法) の導入等
人 日本品質保証機構 ( 略称 : JQA)、 株式会
を契機とする自己責任原則への移行等の情勢
社 UL Japan( 略称 : UL Japan) 及びテュフ ・ ラ
を踏まえ、 政府認証を基調とする安全性確保
インランド ・ ジャパン 株式会社 ( 略称 : TÜV-
体制から欧米先進国で既に一般化している民
Rheinland) の4機関です。
間機関による第三者認証制度を有効に活用す
SCEA は、製造事業者、流通事業者、消費者、
る体制への変革が求められました。 それらに伴
認証機関などの 47 団体と学識経験者により構
い、 平成 13 年4月に電気用品取締法から電気
成され、 日本で唯一の第三者認証制度を協議
用品安全法への改正が行われました。
する団体であり、 電気製品の安全性を示す目
第三者認証制度の発足に当たっては、 通商
印として
1
マークを推奨するとともに、
マー
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
ク認証制度の普及のための諸活動を行ってい
入関係者及び製品製造事業者にも、
ます。
クの価値をより一層ご理解頂き
マーク認証制度は、 認証を希望される製
及 ・ 促進及び定着化を図ることを目的として
品とその製造工場を公正中立な第三者が専門
マーク広報用リーフレット及びポスターを用
マー
マークの普
的な立場で検査し、 安全基準への適合性を客
いたPR、
観的に証明するもので、 自己責任原則に基づ
実態調査、 大型スーパマーケットにおける
く事業者の自己確認を補完する役割を担って
マーク広報・普及活動、 各種セミナーの実施、
います。
マーク付き電気製品の店頭普及
マークの普及に関する記者懇談会の開催、
さらなる電気製品の安全をより一層確実なも
ホームページを利用しての広報活動及び会員
のとさせていくことは、 国民生活の向上に資す
団体による
るものであり、 認証制度の普及と認証機関に対
います。
マークの普及促進活動を行って
する提言を行っていくSCEAに流通事業者団
体等幅広い分野から参加していただき、 安全
3.
認証制度をさらに充実を行うよう努力していま
電気製品認証協議会では、 より安心 ・ 安全
す。
な認証を行うため NITE の事故情報及び製品の
マーク認証における追加基準
社告等に基づき認証時の試験基準に対して追
2.電気製品認証協議会 (SCEA) の主な活動
加基準を検討しています。 近年に採用した追
電気製品認証協議会は、 学識経験者、 電
加基準を下記に例示します。 また、 追加基準
気製品等の製造、 輸入、 流通及び消費者等
のうち一部は電気用品安全法技術基準に採用
の団体並びに認証機関で構成され、 低圧で使
されています。
用される電気製品等について、 第三者認証制
①ハロゲンヒーター等電気ストーブ類の遠隔
度の公正な運営及び普及等について認証機関
操作機構に係る取扱運用
に対して提言を行い、 我が国の電気製品等の
ハロゲンヒーター等電気ストーブ類において、
安全性の向上に貢献することを目的で設立され
有線式以外の遠隔操作機構を有するものに
活動しています。
あっては、 遠隔操作機構によって電気ストーブ
参加団体は、 学識経験者 (東大教授)、 電
機能の電源をONできないこと。
気製品等の製造、輸入、流通及び消費者等 (47
②ハロゲンヒータ―等電気ストーブ類の電力
団体) の団体並びに認証機関 (4機関) で構
調整用ダイオードに係る取扱運用
成されています。
ハロゲンヒーター等電気ストーブ類において、
主な活動として認証に関する事項、 将来展
電力調整用ダイオードを並列接続して使用する
望、
ものにあっては、 次の運用とする。
マーク認証制度の信頼性向上を目指
し、 認証の充実、 並びに普及 ・ 拡大に寄与す
・ ダイオードの定格
るため市場の事故情報に基づき認証システム
一個のダイオードが主回路の電流以上の定
の検討及び認証試験基準の見直し等について
格電流を有しており、 並列接続されたダイオー
の検討を行っています。
ドは同一仕様のものであること。
あわせて、 広報活動の一環として
・ 温度上昇試験
マー
ク付き電気製品の安全性をより多くの消費者に
並列に接続されたダイオードの一方を切り離し、
認識して頂くとともに、 流通 ・ 販売事業者、 輸
他方のダイオードだけを通電した状態において
15
温度上昇試験を行い、 通常どおりの温度限度
全性評価対象範囲とする。
を適用する。
電気用品部品・材料認証協議会
(CMJ) の発足の経緯
③工場調査における製造工程の半田付け工
程に係る取扱運用
半田付け不良が原因とされる事故が散見さ
れています。それら半田付け不良の要因として、
1.電気用品部品・材料の安全性確保体制
製造工程での作業員の未習熟が原因とされる
の経緯
単純な事故が多いことに鑑み、 事故の未然防
電気製品の基準認証では、 “認証を経済的・
止の観点から、 半田付け工程に係る妥当性の
効率的に行う為には、 部品 ・ 材料の事前登録
確認を行うものです。
は不可欠なもの” との認識が世界の常識となっ
④シュレッダーの開口部に適用するプローブ
ています。
の検討状況
しかしながら、 我が国においては、 唯一電
シュレッダーに関する電気用品安全法の技
気用品取締法の補完的役割として昭和 52 年よ
術基準改正案 (平成 19 年2月 28 日にパブ
り行われてきた電気用品部品 ・ 材料任意登録
リックコメントで出た改正案。 別紙参照) を同改
制度がありましたが、 認証が多様化 (電気用
正内容の施行に先行してSマーク認証に取り込
品安全法、 第三者認証 (Sマーク)、 IECEE-
む。
CB 制度等) している現状のニーズを充分に満
⑤洗濯機類の回転式脱水装置及び脱水機
たすことが出来ませんでした。
に係る取扱運用
そこで、 これらの問題を解消するために、 認
遠心力で脱水する脱水装置 (電気脱水機を
証を経済的 ・ 効率的に行うため、 新たな制度
含む) は、 脱水槽のふたを開いた状態では通
として平成 13 年4月より名称を変更し 「電気製
電することができず、 かつ、 脱水槽の回転が
品に使用される部品 ・ 材料登録制度 (CMJ 登
停止しなければ脱水槽のふたを開けることがで
録制度)」 を発足しました。
きない構造のものであること。 ただし、 脱水槽
電気用品部品 ・ 材料認証協議会は、 電気
が回転している状態で脱水槽のふたを開けたと
用品に使用される部品 ・ 材料の登録制度の円
き、 脱水用電動機の通電がしゃ断し、 脱水槽
滑な運営及び普及促進等を図るため平成2年
に制動を加える構造のものであって、 電気用品
に設立されました。
の技術上の基準を定める省令別表第八2 (48)
CMJ で登録された部品 ・ 材料の活用は、 電
イ (ル) の aから dに適合するものは、 この限
気製品の認証を取得する際に、 提出された製
りではない。
品に登録部品 ・ 材料が使用されていますと、
この場合において、 「脱水容量」 の表示がな
製品に適用される規格と同じ規格で部品 ・ 材
いものにあっては 「洗濯容量」 と読み替える。
料が登録されている場合、 適用される規格で要
⑥テレビ等の市場取り付けスタンド等に係る
求されている試験が省略されます。
取扱運用
省令第二項 (J60065) を適用するテレビ等
2.電気用品部品・材料認証協議会 (CMJ)
に関し、 同申請者が同テレビ等用に意図して
の主な活動
別売りする脚やスタンド等のオプション品は、 S
電気用品部品 ・ 材料認証協議会は、 電気
マーク認証に関わりSマーク認証機関による安
製品等の製造者団体、 電気製品等に使用され
16
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
る部品 ・ 材料の製造者団体、 認証機関等で構
関係者及び製品製造事業者にもご理解頂き普
成され構成員の相互理解を深め 「電気製品に
及 ・ 促進がなされたと思っています。
使用される部品 ・ 材料登録制度」 (以下 「CMJ
これからも 「電気製品の安心 ・ 安全のため」
登録制度」 という) の普及等の促進を図るとと
Sマーク付き電気製品の安全性をより多くの消
もに、 認証機関に対して CMJ 登録制度の公正
費者に認識して頂くとともに、 流通 ・ 販売事業
な運用に関する提言を行い、 併せて電気製品
者、輸入関係者及び製品製造事業者に、Sマー
に使用される部品、 材料の安全性確保に貢献
クの価値をより一層ご理解頂きSマークの普及 ・
することを目的で設立され活動しています。
促進を図ることを目的として活動を行ってまいり
参加団体は、 電気製品等の製造者団体、
ます。
電気製品等に使用される部品 ・ 材料の製造者
団体 (15 団体)、 認証機関 (2機関) 等で構
用語の解説 :
成されています。
・ SCEA : 電気製品認証協議会の英文略称
主な活動として CMJ 登録制度に係る諸課題、
Steering Council of Certification for Electrical
認証機関への提言、 CMJ 登録制度の普及促
and Electronic
進、 CMJ 登録制度に関する専門的事項を検討
Appliances and Parts of Japan
する部会報告、 提案及び CMJ 登録制度に関
・ CMJ : 電気用品部品 ・ 材料認証協議会の英
する内外情報の収集及び情報の交換等につい
文略称
て検討を行っています。
Certification Management Council for
あわせて、 広報活動の一環として電気用品
Electrical& Electronic Components and
の部品及び材料メーカーに対して CMJ 登録
Materials of Japan
制度の重要性について広報活動、 CMJ 広報
電気製品認証協議会のホームページ :
用リーフレット及びポスターを用いた広報活動、
http://www.s-ninsho.com/
セミナーの開催及び WG ・ 各部会等において
CMJ 登録制度の普及促進活動を行っていま
す。
最後に
11 年間にわたり、 我が国の 「電気製品の安
心・安全の向上のため」 認証機関への提言、
製造事業者及び流通事業者へのセミナー、 店
頭普及率調査、 大型量販店での消費者への広
報活動を実施してきました。 毎年行っています
Sマーク付電気製品の店頭普及調査では平成
9年の調査開始時は 64%であった普及率が平
成 19 年においては 73.5%と大きく向上し、 S
マーク付電気製品の価値を多くの消費者に認
識して頂くとともに、 流通 ・ 販売事業者、 輸入
17
電気製品の発火燃焼事故原因究明手法
独立行政法人製品評価技術基盤機構
北関東支所燃焼技術課
今田 修二
製品事故を減らすうえで事故原因を究明することが重要なことは言うまでもありませ
んが、物的証拠となる事故品そのものが焼失又は焼損してしまう発火燃焼事故では特に
原因究明が困難となります。こうした事故に対して NITE では原因究明手法の開発に取り
組んできました。ここではその取組みを概略紹介しながら、家電製品の発火燃焼事故原
因究に必要な事柄を考えてみたいと思います。
家電製品の発火燃焼事故と
前年度の倍になります )。 中でも毎年 40 ~ 50%
原因究明手法
近くが電気製品による事故となっており、 そのう
ちの 50 ~ 70% を発火や燃焼といった事故が占
NITE には毎年沢山の事故情報が寄せられ
めています (全体の受付件数に対しても毎年
ます。 消費生活用製品安全法が改正されて製
約 1/4 を占めています)。
造等事業者への重大製品事故の報告義務が
さらにこうした電気製品の発火燃焼事故に
課せられる前の平成 14 ~ 18 年度までの 5 年
ついて原因不明の件数を調べてみると、 25 ~
間をみても全体の受付件数は 2 ~ 3,000 件と
40%となっており、 この値は毎年上昇していま
なっています ( ちなみに平成 19 年度の受付件
す。 また、 これらの事故のうち、 毎年 60%以
数は 6,007 件 (平成 21 年 8 月 31 日現在) と
上の案件に 「焼損が著し ( く )」 というキーワー
表1 平成 14 ~ 18 年度の電気製品の発火燃焼事故における原因不明件数
(平成 21 年 10 月 31 日付NITE公表データより)
項目 受付年度
受付件数
H.14
H.15
H.16
H.17
H.18
1,714
1,593
2,117
2,044
3,016
827
627
941
743
1,184
48.2%
39.4%
44.4%
36.4%
39.3%
555
442
495
519
680
受付件数全体に対する電気製品の発火燃焼事故の割
合
32.4%
27.7%
23.4%
25.4%
22.5%
電気製品における発火燃焼事故の割合
67.1%
70.5%
52.6%
69.9%
57.4%
147
118
144
176
256
26.5%
26.8%
29.1%
34.4%
41.2%
97
76
87
110
169
66.0%
64.4%
60.4%
62.5%
66.0%
電気製品関連の事故件数
全体の受付件数に対する電気製品関連の事故の割合
電気製品の発火燃焼事故件数
電気製品の発火燃焼事故で原因不明の件数
電気製品の発火燃焼事故における原因不明率
焼損が著しいことで原因不明となった件数
電気製品の発火燃焼事故で焼損が激しいとして原因不
明となった事故の割合
1
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
ドが含まれています。
体顕微鏡で観察した場合に C の (ような) 状
事故情報収集制度の大きな目的のひとつに
態で観察され、 さらに走査型電子顕微鏡などを
「製品事故の再発、 未然防止」 があります。 そ
用いて観察すると D の(ような)特徴が見られる。
のためにも事故の原因を究明して対策を講じる
ただし灰化するまで被熱すると痕跡は確認でき
必要があることは言うまでもありません。 そうした
なくなる (あくまで例です)」 といった A ~ D な
製品の改善や注意喚起などの対策に欠かせな
どに相当する参考情報が無いことも問題のひと
いのが客観的なしっかりとした原因究明であり、
つではないでしょうか。
原因不明の事故件数は少しずつでも減らす必
また、 仮に断線部や溶融痕といった直接的
要があります。
に発火が疑われる痕跡以外の特徴から事故時
外郭に限らず内部の基板や素子、 各種絶縁
の被熱条件をある程度推定することができると
材として樹脂材料が用いられている電気製品で
すれば、 延焼過程の推定から発火部位の絞り
は、 発火から消火までの間に焼失又は焼損す
込みに有効となるかも知れません。 発火が疑わ
るものがあるため原因究明は困難になります。
れる電気製品の事故時の通電状況が確認でき
特に本格火災にまで発展した事故では聞き取り
るだけでも重要な手掛かりとなることがあります。
などから発火した製品の絞り込みができたとして
このほかにも、 痕跡が残存していても、 それが
も、 その製品や部品の大部分が焼失してしまう
どのようにして生成されたかわからないものも沢
訳ですから、 この場合には原因不明となるのも
山あり、 その中には、 調べてみると実はその発
やむを得ないかと思われます。
生メカニズムに大きな影響を与えている因子で
しかしながら、 表1をみると事故品が著しく焼
あって、 から考えて非常に高い確率で異常発
損していない場合でも原因不明となるケースが
熱の痕跡と言えるようなものがあるのかも知れま
40% 前後あることみれば、 これを減らすための
せん。
対策が必要です。
そうした原因究明に有効な参考情報が蓄積
こうした事故の中には、 発火痕跡が見られな
された環境をつくることは、 原因不明事故を減
い、 発熱や発火のメカニズムを推定できないと
らす手段であり、 原因究明に携わる関係者に
いったことから原因不明となっているものが見ら
共通の今後益々重要となる課題の一つと言える
れます。 原因調査では構造や原理、 部品の配
のではないでしょうか。
置などから発熱要因や発熱部位を推定し、 焼
NITE がこれまで取り組んでき
た原因究明手法について
残物の観察から絞り込みを行うことが多いかと
思いますが、 発火痕跡に関する参考情報が乏
しいことで実はその痕跡が見つけにくい状況な
のかもしれません。
1. 短絡痕断面の金属組織から短絡時の温度
つまり、 調査に用いる機器としては、 ルーペ、
を推定する手法
実体顕微鏡、 軟X線透視装置、 走査型電子顕
NITE ではこれまで電源コードや電源プラグ
微鏡やX線マイクロアナライザや FTIR など様々
の栓刃に生じた短絡痕に着目し、 発火箇所の
挙げられるのですが、 たとえば 「基板上で絶
特定に活用する手法を開発しました。
縁破壊して発火すると A の(ような)痕跡が生じ、
これらの手法は、 原理として結晶サイズが冷却
その痕跡は火災の炎を想定した条件で加熱す
速度に依存する性質を利用し、 断面に観察さ
ると B の (ような) 状態で残存する。 それは実
れる結晶組織の大きさから短絡痕が生成したと
19
(写真2)プラグ栓刃の短絡痕の断面 ( 例 )
(写真1)電源コード短絡痕の断面 ( 例 ) きの温度を推定するものであり、 定量的な推定
測されるのです。
温度データが取得できる画期的な手法と考えて
本格火災ではコードが広範囲に加熱され
います。
コードからの熱伝導による放熱が小さいため(冷
ここで本手法の原理上の特質を整理してみ
却速度が遅いため)、 結晶サイズはボヤ火災
ると、 前述のとおり結晶サイズが冷却速度に依
に比べ大きくなります。 一方、 ボヤ火災では加
存する性質を利用して短絡痕の生成温度を推
熱が局部的でありコードからの熱伝導による放
定するものであり、 したがって、 得られる情報
熱が大きいため (冷却速度が速いため)、 結
は温度データであることから、 実際の一 ・ 二次
晶サイズは本格火災に比べ小さくなると推測さ
痕識別を行うには、 その原理からみて、 回収さ
れ、 これを反映して前者の生成温度は火災温
れた短絡痕がいかなる火災温度下、 位置関係
度に近い温度、 後者の生成温度は火災温度よ
にあったか等の詳細な火災状況、 また、 コード
りも低い温度と推定されることになりますが、 こう
に接続された器具の消費電力や設置環境等の
した原理と特質を念頭においた上で用いれば、
詳細な使用状態を十分確認し考察する必要が
多くの場面での活用が期待できるものと考えて
あります (図1 短絡時の火災規模の差による銅
おります。
線の放熱への影響 参照)。
具体的には、 例えば同じ電源コードの二次
2. 焼損したポリ塩化ビニル絶縁樹脂に着目
痕であっても図1に示すとおり、 本格火災とボヤ
した手法
火災では、 仮に短絡部近傍の火災温度が同じ
この手法は、 電源コードの短絡痕や溶融痕
でも、 生じた短絡痕の結晶サイズは異なると推
といった発火痕跡の疑いのある部位の周辺から
図1 短絡時の火災規模の差による銅線の放熱への影響
20
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
採取したポリ塩化ビニル絶縁樹脂が、 黒鉛化
素化物を採取し
処理を行ったのちにどの程度黒鉛化しているか
て、 最 終 的 な 解
をラマン分光分析装置を用いてやはり定量的に
析対象である炭
評価することで、
素 化 し た 20 ~
・ 電気的な不具合によって長期間異常発熱し
40 μmの粒子の
ていたもの ( 発火箇所の可能性のあるもの≒一
幾つかにランダム
次痕 ) か。
にレーザーを当
・ 正常な絶縁樹脂が突然火災の炎に晒されて
ててラマンスペク
炭素化したもの ( 発火箇所の可能性が考えにく
トルを得る操作を
いもの≒二次痕 ) か。
法です。
行います。 このた (写真3)事故品洗濯機の外
写真3事故品洗濯機の外郭
め、 コネクタ接続 郭鋼板に現れた被熱痕跡
鋼板に現れた被熱痕跡
部やコードのかしめ部などでごく局部的な発熱
本手法は、 以下の検証結果に基づいて識別
により発火したケースでは黒鉛化の進まなかっ
の区分の目安 (ラマンスペクトルから得られる R
た炭素化物 (一次) が焼失あるいは回収され
値の範囲) を設定した手法です。
なかった等により、 見つけられない場合も考え
・ 一次、 二次相当の各々の状態を模した実験
られます。
で炭素化したサンプルを作製し、 定められた手
こうしたことから、 「黒鉛化が進んでいたもの
順によって酸処理、 黒鉛化処理などの前処理
しか見られなかったから二次痕」 とはにわかに
を行う。
判断することはできませんが、 一方で、 「黒鉛
・ 炭素化したサンプルの粉末から得られるラマ
化が進んでいなかったものが見られた」 場合に
ンスペクトルより黒鉛化度を評価する R 値を求
はことで一次痕としての可能性を考察することが
め、 黒鉛化度を評価した結果、 異常発熱を模
可能となりますので、 他の手法や状況証拠と組
したサンプルでは黒鉛化の進行が認められな
み合わせることで、 より高度な原因究明が可能
かったのに対し、 正常な絶縁樹脂を火災の炎
になると期待できます。
を識別するための判断材料の一つをもたらす手
を模した条件で加熱し、 炭素化したサンプルで
は黒鉛化の進行が認められた、 とのデータを取
3. 塗装鋼板に生じた被熱痕跡
得した。
写真3は近畿地方で発生した出火事故の火
この手法ではコード短絡痕や溶融痕などの
災現場から回収された洗濯機に生じていた鱗
他の痕跡を手掛かりに、 その痕跡周辺から炭
状の痕跡です。 焼損事故の原因究明の経験者
図2 実験サンプルから得たラマンスペクトルの例 右が黒鉛化が進んだ状態
21
〈電動車いす安全普及協会調べ〉
なら誰でも二度三度となく目にしたことのある痕
生じる (写真5)。
跡と思われますが、 筆者らもこの痕跡は一体何
・ 輻射熱での加熱では内火、 外火による明確
だろうか、 どのように生成したのだろうかと、 前々
な差は見られない
から疑問を抱いておりました。 この痕跡が我々
等です。
に何かを訴えているのだとすれば、 原因究明
この痕跡は加熱によって表層の塗料が炭化、
に活用できるのではないかと考え、 調査した例
収縮することと鋼板に施された亜鉛メッキ層が
を以下に紹介します。
溶融して流動する際に生じるものと推察され、
エアコン室外機や洗濯機はアパートのベラン
内火想定での火炎による加熱では、 表側の塗
ダなど屋外に置かれることがあり、 放火に遭う
装が直接加熱されずに、 鋼板の反対面から伝
可能性もあることから、 こうした痕跡が 「最初に
導した熱によって加熱されることから輪郭の滑ら
鋼板の裏側 (製品の内部) から加熱した場合
かな痕跡が生じることが考えられました。
(内火想定) と、 最初に鋼板の表側 (製品の
ひと度生じたこの痕跡は、 さらに加熱しても、 ま
外側) から加熱した場合 (外火想定)」 とで差
た加熱後にたわしを使って水洗いしようとも消え
が見られないか調査しました。
ることがないのには正直驚きました (加熱し続
当時、 エアコンや洗濯機メーカ数社から試料用
けると最終的に見えにくくなることはありましたが
鋼板の入手、 塗装の仕様調査など様々な点で
…)。
ご協力いただきました。 そうして集めた試料や
このことからこうした観点は鋼板の被熱データ
情報をもとに、 バーナ火炎や輻射熱で加熱す
を蓄積することによって、 鋼板が火災の熱を最
る実験を行ったところ、 一部の塗装鋼板に写真
初に受けたときの状態を推定するのに極めて簡
3と同様な被熱痕跡が現れ、 特にバーナ火炎
便な大変有用な情報になり得るものと考えられ
では、 鋼板の裏側を最初に加熱した場合と表
ます。
側を最初に加熱した場合とで、 痕跡の生じ方
や輪郭に差が生じることが分りわかりました。
4. 痩せて表面の荒れた F ケーブル
具体的には、
写真6の例は、 平成 19 年に群馬県で起きた
・ バーナ火炎で表側を最初に加熱した場合は、
床暖房のリモコン装置からの発熱事故で、 内部
亀裂は少ないが、 連続したギザギザ様の痕跡
電源線のコネクタ部分に見られたものですが、
が生じる (写真4)。
元は線径 2mm の F ケーブルが部分的には約
・ 裏側を最初に加熱した場合には、 同じ表側
1mm 程度まで減少し、 表面に著しい荒れが生
に角形で網状の痕跡が滑らかに連続した形で
じていました。
(写真4) 外火想定のバーナ火炎
による加熱で鋼板おもて側に生じ
た被熱痕跡
(写真5) 内火想定のバーナ火炎
による加熱で鋼板おもて側に生じ
た被熱痕跡
22
(写真6)
事故品の電源コネ
写真6 事故品の電源コネクタ
クタに接続されていた線
に接続されていた銅線
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
こうした外観の電線は、 過去の原因究明の
ていたことは明らかですが、 仮に周辺がある程
場面でも何度も見ていましたが、 どのような条
度焼損していた場合でも、 こうした特徴を持っ
件でこうした痕跡が生じるのか、 といった点が大
た F ケーブルが発火燃焼事故現場で見られた
変気になっており、 他にも見られる電線上の特
場合は、 異常発熱の痕跡として考察することが
徴とも併せてデータを整理すれば原因究明に
できるようになったと考えています。
役立つのではないか、 常々考えておりました。
そこで、 あくまで限られた条件ではありますが、
5. ケースが破壊して中身が溶出したフィル
ねじを緩めた状態で端子台部分に取り付けた F
ムコンデンサ
ケーブルに断続的に電流を流して発火させた
写真9は、 平成 19 年に埼玉県で起きた火災
サンプルや、 新品試料を火災時の被熱条件を
現場から持ち込まれたエアコン室外機に用いら
模したバーナ火炎や電気炉を用いて加熱する
れていたフィルムコンデンサですが、 中身のフィ
などしてサンプルを実験により作製して比較して
ルムが溶融して飛び出した状態を呈していま
みました。
す。
そうしたところ、 発火サンプルで同様な特徴
コンデンサの焼損痕については現在調査中
を持ったサンプルができた(写真7)のに対して、
ですが、 不具合を与えて発火させたとき、 様々
新品試料をバーナ火炎や電気炉で加熱したも
な条件で加熱したときなどのサンプルを生成条
のには極端な加熱条件で比較的発火サンプル
件別にそれぞれの外観やミクロ的な特徴を整理
に近い特徴が見られた (写真8) 以外はそうし
しておくことは、 その部位が焼損したときの状況
た特徴が見られませんでした。
や焼損過程を考察するのに有用なデータになり
また、 線径の減少については実験中の観察
得ると考えております。
や断面の元素分析結果から、 異常発熱による
その他の特徴的痕跡の例
について
酸化や塩ビ被覆からの熱分解ガスによって腐食
が生じ、 通電時と無通電時の温度差とまだ酸
化、 腐食していない銅素地部分との熱膨張条
件の差によると思われる外周部の酸化、 腐食
前掲 2. ではこれまで NITE が着目して取り組
層が脱落することで生じることがわかりました。
んできた原因究明手法について概略紹介しま
この事故事例では幸い周辺の焼損がほとん
したが、 他には特徴的痕跡は無いのでしょうか。
ど無いことから、 この電線接続部で異常発熱し
あるとすれば、 そうした痕跡についてもその生
(写真7)接続不良状態で異常発
熱させて発火させたサンプル
(例写真の上側は新品試料)
(写真8) 新品試料を 1000℃の電気写真9
(写真9)
事故品の基板上でアルミ
事故品の基板上でアルミ蒸着フィ
炉中で 60 分加熱したときのサンプ ルムが溶け出したフィルムコンデンサ
蒸着フィルムが溶け出したフィルム
ル
コンデンサ
23
成要因が推定できれば、 発火燃焼事故原因に
有用な知見になると考えられます。
1. プラグ、コンセントの実験サンプルで生
じた痕跡
写真10は以前、 電源プラグの発火後痕跡
を調べるため、 実験で沢山の短絡痕サンプル
を作ったときのものです。 栓刃を変形させたも
の、 通電前にプラグを電気炉で加熱して熱劣
化させたものなど様々な短絡サンプルの作成を
試みましたが、 その中で過電流による発火サン
プルは3個発火させたサンプルのいずれも両極
とも栓刃、 刃受けがほぼ原形をとどめないような
溶融塊が痕跡として残りました ( 写真中、 赤円
(写真 10) 実験で発火させたプラグ刃溶融痕
実験で発火させたプラグ刃溶融痕
写真10
で囲ったサンプル )。 12 もしくは 15A 定格のプ
あると考えます。 ただし、 酸化層は脱落するこ
ラグ、 コンセントに 20 ~ 30A を通電させたもの
とがあるため、 短絡痕表面だけではなく、 近傍
であり、 設定条件としては通常考えにくい条件
の素線表面も慎重に観察する必要があります。
ではありますが、 この条件でのみこうした極端に
特徴的な痕跡が現れました。
3. 電源コードや屋内配線の熱痕
また、 その他にも栓刃が片極でのみ溶断す
電源コードの熱痕に発生状況や外観上の特
るものが見られました。 栓刃が溶断するには相
徴があるとすれば、 そうしたものも整理する価値
当な発熱が必要と思われ、 その要因としては短
があります。 NITE の開発した断面組織による
絡電流がまず思いつくところですが、 相手極側
解析手法ではこうした溶融痕は対象外としてい
については短絡電流が流れたような痕跡は見ら
ますが、 一方で実験に基づく明らかな熱痕に
れず、 熱容量の極端な偏りが生じて生成された
ついてその特徴を整理した資料は見当たりませ
ものと推察されるものの、 その生成要因は過電
ん。 このため事故調査でそれと思しきサンプル
流条件での溶融塊とともに不明のままです。
があっても、 「長手方向に棒状に伸びた溶融痕
がコード上の複数箇所で生じているようなもの」
2. 短絡痕の酸化層
で、 短絡現象のような瞬間的な溶融によるもの
短絡痕の表面に酸化層が生じているというこ
とは考えにくいものについて、 周辺可燃物の内
とは短絡したのちに酸化層が生じるような被熱
容や量、 位置関係などを参考に熱痕ではない
条件が加わったことを示しています。 例えば、
かと推定しているのが現状です。
2つの電気製品が焼損しているような事故現場
これを裏付けるような技術情報があれば、 そ
で、 一方の製品のコードや短絡痕には酸化層
れを参考に解析の対象から外すことが可能とな
がみられるのに、 同じ室内の別の位置にあった
り、 また別の側面では事故現場の著しい被熱
他方の製品のコードや短絡痕に見られない、 と
状況を裏付けるサンプルとすることができます。
いったケースでは後者のコードが後から短絡し
たものという推定に繋がることが考えられ、 事故
時の延焼過程を推定する手掛かりになることも
24
特集 家庭用電気製品の事故を検証する
おわりに
経年劣化した部品や素子による異常発熱に
及ぼす影響や、 発火、 焼損した場合の痕跡に
電気製品の発火燃焼事故では物的証拠であ
与える影響も調査しておく必要があります。 そう
る事故品そのものが焼失又は焼損してしまうこと
した問題に対する調査では、 実際に市場で長
が原因究明を困難にしている要因であることは
期間使用されていた製品への追跡調査も必要
冒頭述べたとおりですが、 そのほかにも要因は
になると考えられ、 非常に困難なものになると
あります。
思われますが注目すべき課題として挙げられま
例えば短絡による発火を考えた場合、 電線
す。
や基板が短絡するには絶縁物が炭化するなど
さらに発火箇所が不具合箇所とは限りませ
して絶縁劣化する必要があり、 何らかの不具合
ん。 事故原因究明には発火部位の特定が必要
による異常発熱や導電路の形成などのような経
ですが、 同種事故の未然再発防止という意味
過が必要です。 そうした要因、 発火に至るまで
では、 発火箇所を特定するのみではなく、 大
の時間とその間の使用状態や周囲の環境、 発
元の発熱要因や不具合の要因を究明する必要
火後の延焼過程や火災そのものの規模といっ
があります。
た痕跡の生成や残存のしかたに関係する条件
そうした意味では電気製品の発火燃焼事故
が個々の事故によって異なっていることもその
の発生要因も製品とともに変化していくものであ
要因の一つです。
り、 原因究明技術の開発は、 NITE はもとより
このように様々な条件の中で生じる痕跡に対
企業、 業界や原因究明機関による地道な取組
して、 単純に一つの観点のみを当てはめて 「こ
が必要であることは言うまでもありません。 大学
こが発火箇所だ」 と言えるようなツールを作ろう
などとの連携も重要な課題といえるのではない
というのは至難の技といえます。
でしょうか。
また、 ブラウン管式テレビには高電圧を発生
させるフライバックトランスと呼ばれる部品があ
り、 ある時期、 不幸な発火事故が多数起きまし
た。 業界自主基準が作成されるなどの取組が
行われましたが、 今やフライバックトランスを使
用しない薄型の液晶型テレビやプラズマテレビ
に変わりつつあります。 キッチンでは電磁調理
器がガスこんろに変わってきています。 一般家
庭の中にもパソコンがあるのが当たり前で、 多
くの人が携帯電話を持ち歩いています。 それ
らに用いられているバッテリーも以前に比べると
種類が変わり容量の大きなものが出てきており、
製品内部でも鉛フリーはんだの普及という大き
な変化もあります。 こうした製品の種類、 構造、
素材の変化によって、 発火のトリガとなる現象
や部材の発火事故で生じる痕跡の種類や事故
後の残存の仕方が変わると考えられます。
25
経済産業省
商務流通グループ・消費者政策研究官
製品安全だより
谷 みどり
コミュニケーションの壁を越えて
「取扱説明書をよく読んで」。製品安全を語るとき、必ず言われます。
そうそう、私もよく読まないと。
と思って、我が家の「取扱説明書箱」を出してきました。手にずっしりき
た重さで、いやな予感がしました。洗濯機、冷蔵庫、テレビ、ガスレンジ、
お風呂と給湯器、電話・・・。いくつか読んでわかりました。頭に入らない
のです。
「危険を避けるために大事な情報だけでも」とも思いました。でも、何がどのくらい危険かがわ
かりません。電気製品やガス製品だけではなく、鍋も衣類も家具も洗剤も雑貨も、膨大な取扱注
意があります。読んだ端から忘れます。仕事も忙しいのにとてもそこまでできない、と思うこと
も数々あります。どうしたらいいでしょうか。
役立つのは、事故情報です。
家でだらだらしていても、「発火」「一酸化炭素中毒」など、実際に起きた製品事故の被害を見
聞きすると、ぴりっとします。なぜ起きたのか、知りたいと思います。そうして得た事故原因か
ら必要性を理解した使用上の注意は、身につきます。
製品事故を知ると、買い物をする時、気をつけるようになりました。「安けりゃいい」ではなく、
信頼できるメーカーはどこか、安心して買えるお店はどこか、考えます。もっと多くの人が事故
情報を正確に知ることで、安全な製品を作る人、安全に役立つ技術を開発する人が、報われる市
場ができるでしょう。そうなれば、使い手と作り手の間で、安全性を共に支え合う関係が築けます。
欧州が RAPEX( 危険な消費者用製品についての早期警報システム ) で域内の製品事故情報を共
有し、欧米と中国との間でも製品事故の情報を交換し始めたのも、こんな市場を目指すからかも
しれません。今年 6 月 15 日に OECD で開かれた、消費者の力と企業の社会的責任についての会
議で話されたことの中にも、事故情報を国際的に共有することによって製品安全を確保すること
がありました。
どこでどんな仕事をしていても、私たちは、みんな消費者です。そして、製品事故の防止は、
作り手も使い手も、誰もが願うことです。けれども、そんな願いの実現を阻むものに、コミュニケー
ションの壁があります。たとえば作り手は専門家なので、自分の作る製品の使用上の注意は常識
と感じ、これが一般には知られておらず、取扱説明書に書いても膨大な物に囲まれて暮らす使い
手に伝わりにくいことを、実感しにくいかもしれません。
消費者が使う製品の危険に関する情報を、異なる立場の人々に、重要度に応じてわかりやすく
伝えることは、命や健康や財産を守るために役立つ、とてもたいせつな仕事です。職業や性別や
国境を越えて、事故情報を伝え活用することにより、次の事故を防ぐことができるよう願ってい
ます。
26
NITE 安全の視点
事故動向等について
(平成 20 年度)
事故情報収集件数の分析
ます。 また、 「消費生活センター等」 も 725 件
から 758 件と増加しており、全体の 13.9%となっ
(平成 19 年度と平成 20 年度 (暫定値) の
ています。
情報収集結果に基づく)
製品区分別の事故情報収集件数 (図2) で
平成 20 年度に受け付けた事故情報は 5,440
は、 収集件数が 19 年度より減少しているため、
件で、 前年度 7,298 件の約 74.5%となります。
大幅に増加したものはありませんでした。 「身の
また、 重複情報を除くと 20 年度は 4,763 件で
まわり品」 が 19 年度の 1,253 件から 20 年度に
前年度 6,007 件の約 79.3%となっています (図
426 件と減少しているのは、 19 年度には同一
1参照)。
製品のリコール 「デスクマット」 約 1,000 件が
情報源別事故情報収集件数 (表1、 2) で、
含まれていたためです。 なお、 事故情報収集
19 年度に比べ収集件数が増加したのは 「重大
件数が減少したのは、重大製品事故情報報告・
製品事故」です。 1,571 件から 1,852 件に増え、
公表制度の施行により、 19 年度は事業者から
情報源別事故収集件数全体の約 34.0%となり
過去の事故についても報告がなされたためと推
8000
7000
6000
表1 情報源別事故情報収集件数
(平成 19 年度)
表2 情報源別事故情報収集件数
(平成 20 年度)
情報源
件数及び割合
製造事業者等
2,925 件 40.1%
自治体(消防機関含む) 218 件
3.0%
消費生活センター等
725 件
9.9%
国の行政機関
200 件
2.7%
消費者
263 件
3.6%
その他
79 件
1.1%
新聞情報等
1,317 件 18.0%
経済産業省
1,571 件 21.5%
情報源
件数及び割合
製造事業者等
2,047 件 37.6%
自治体(消防機関含む) 136 件
2.5%
消費生活センター等
758 件 13.9%
国の行政機関
130 件
2.4%
消費者
214 件
3.9%
その他
28 件
0.5%
新聞情報等
275 件
5.1%
経済産業省
1,852 件 34.0%
5000
4000
3000
7,298 件
5,440 件
19 年度
20 年度
2000
1000
0
図1 平成 19 年度、20 年度の
事故情報収集数
合計
7,298 件
100.0%
合計
5,440 件
100.0%
2420
2392
01. 家庭用電気製品
115
140
02. 台所・食卓用品
1408
03. 燃焼器具
1003
281
329
04. 家具・住宅用品
154
168
05. 乗物・乗物用品
06. 身のまわり品
1253
426
119
07. 保健衛生用品
32
111
108
131
134
08. レジャー用品
09. 乳幼児用品
平成 19 年度
平成 20 年度
13
31
2
0
10. 繊維製品
11. その他
00
500
500
1000
1000
1500
1500
図2 製品区分別事故情報収集件数
28
2000
2000
2500
2500
NITE安全の視点
表3 事故情報収集件数が多かった 10 品目
ガスこんろ
ガスこんろ
平成 19 年度
平成 20 年度
品目別
件数
品目別
件数
デスクマット
1,003 ガスこんろ
258
ガスこんろ
428 電気ストーブ
237
電気ストーブ
326 ノートパソコン
140
石油ストーブ
199 石油給湯器
134
電気乾燥機
198 石油ストーブ
113
ガスふろがま
127 エアコン
104
配線器具
101 カイロ
100
石油ふろがま
96 ガスふろがま
98
エアコン
94 直流電源装置
98
電気こんろ
87 デスクマット
84
電気ストーブ
電気ストーブ
ノートパソコン
ノートパソコン
石油給湯器
石油給湯器
石油ストーブ
石油ストーブ
カイロ カイロ
直流電源装置
ACアダプター
デスクマット
デスクマット
配線器具
配線器具
一製品のリコール 「デスクマット」 1,003 件を除
電気こんろ
電気こんろ
平成 19 年度
くと、 「ガスこんろ」 「電気ストーブ」 「石油ストー
ガスふろがま
ガスふ
平成 20 年度
ブ」 が例年、 事故の多い製品となっています。
20 年度の 「ノートパソコン」 については、 同一
電気乾燥機
電気洗濯機
00
200
400
800
200
400
600
図3 品目別事故情報収集件数
1000
1000
製品のリコール等によるものではなく、 全体的
1200
に事故が多くみられたものです。 「カイロ」 につ
測されます。
いては、 電子レンジで加熱するタイプの製品に
品目別 (図3) にみると、 平成 19 年度の同
よる事故が多くみられました。
400
400
350
300
300
250
200
200
150
100
100
50
00
エアコン
石油ふろがま
電気こんろ
ガスふろがま
配線器具
電気乾燥機
石油ストーブ
電気ストーブ
ガスこんろ
デスクマット
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10 月
11 月
12 月
1月
2月
3月
図4 平成 19 年度で事故情報が多かった 10 品目の推移
100
100
100
ガスふろがま
ガスふろがま
デスクマット
デスクマット
80
8080
直流電源装置
直流電源装置
エアコン
エアコン
6060
60
カイロ
カイロ
4040
40
石油ストーブ
石油ストーブ
20
2020
ノートパソコン
ノートパソコン
000
石油給湯器
石油給湯器
電気ストーブ
電気ストーブ
ガスこんろ
ガスこんろ
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10 月
11 月
12 月
1月
2月
3月
図5 平成 20 年度で事故情報が多かった 10 品目の推移
29
注目事故
NITEでは、 同一型式製品で同種事故が多発した事故等、 再発の蓋然性が高い事故等注視する必要
がある事故は、第一報のみならず、その後の調査等で得た情報についても入手次第、調査を進めています。
製品事故の拡大、 再発防止のための措置に資する観点から、 事故原因に注目し調査を行い、 結果を
公表した主な事故は以下の通りです。
製品名
事故内容及び調査概要
調査結果に基づく対応
電気スタ
ンド
電気スタンドを使用していたところ、 異臭がして発煙
し、 蛍光灯の接続部やその周囲にあった樹脂が焼け
て焦げたとの通知があった。
調査を行った結果、 蛍光灯の使用によってフィラメン
トに塗布された電子放出物質が蒸散すると放電抵抗
が大きくなるため、 コンデンサーを介してフィラメントに
高周波電流が流れてフィラメントが加熱する。 この時、
蛍光灯のバラツキによりフィラメントが切れるまでの時
間が長いものは、 蛍光灯器具のカバーの溶融に至る
ものと推定される。
事 業 者 は、 平 成 20 年 1 月 29
日に社告に社告を掲載し、注意
喚起を行っている。
また、 基板上に管末期状態の
異常電流を感知する装置を追加
することとした。
電動アシ
スト自転
車
子どもを乗せて電動アシスト自転車のペダルを踏み
走り出したところ、 突然ハンドルが引掛かり、 バラン
スを崩して自転車で足を打ち、 2人が擦り傷と打撲を
負ったとの通知があった。
調査の結果、 ハンドル錠部品の台座に生じたバリを
除去するプレス金型の補修ミスにより、 台座と金型に
隙間が生じたため、 プレスされた台座が変形し、 当
該台座をハンドル錠ケースに組み付けたところ、 台座
とレバー (ロックキー作動用) の間隔が狭まり接触し、
ハンドル錠のキー戻り不良となり、 ハンドルに引っ掛
かりが生じたものと推定される。
事 業 者 は 平 成 20 年 2月 13 日
付のホームページに社告を掲載
し、 無償で点検 ・ 修理を行ってい
る。
ま た、 部 品 プ レ ス 時 の 変 形 を
防ぐために金型を変更し、 ハンド
ル台座部品も目視検査を追加し、
組み立て後の完成検査を強化す
ることとした。
電 気 ス
トーブ
(ハロゲン
ヒーター)
使用中のハロゲンヒーターから異臭がし、 黒煙が出
たとの通知があった。
調査の結果、 本体の出力切替え (強 ・ 弱) の弱使
用時に使っているダイオードの特性が劣化し、 短絡 ・
過熱して発煙したものと推定される。
事 業 者 は 平 成 20 年 4月 18 日
付けでプレスリリースを行うととも
にホームページに社告を掲載し、
無償点検又は代替品との交換を
行っている。
電 気 ス
トーブ
(ハロゲン
ヒーター)
電気ストーブを使用中に本体電源スイッチが故障
し、電源を切ることができなくなったとの通知があった。
調査の結果、 スイッチ接点の材質が不適切であった
ため、 使用に伴い接点荒れを起こして接点が溶着し、
スイッチを切にしてもヒーターがオフしなかったものと
推定される。
事 業 者 は、 平 成 20 年 8 月 21
日付けのホームページに社告を
掲載し、 無料で点検 ・ 修理を行っ
ている。 なお、平成 18 年3月から、
スイッチ接点の材質と厚さを変更
している。
冷温風機
【電気冷
風機】 【電
気 温 風
機】
冷温風機の温風機能を使用中、 機器下部から発火
し、 床が焦げたとの通知があった。
調査の結果、 長期使用 (約 20 年) により、 電源
コードが本体側ブッシング付近で断線したため、 ショー
トによる熱で被覆が溶融し、 短絡 ・ 発火に至ったもの
と推定される。
事 業 者 は、 平 成 21 年 1 月 14
日付けで、 ホームページに長期
使用製品に関する事故防止の注
意喚起を掲載した。
30
NITE安全の視点
製品名
事故内容及び調査概要
調査結果に基づく対応
乳 母 車
(折り畳み
式)
使用中のベビーカーのシートベルトが外れて幼児が
転倒し、 顔と膝を擦り剥いたとの通知があった。
調査の結果、 バックルに破損等の異常がみられず、
バックル解除ボタンの解除力が弱い又はバックル解
除ボタンがワンタッチ式で解除が簡単だったため、 幼
児がバックル解除ボタンを押した際にシートベルトが
外れたものと推定される。
事業者は、 平成 20 年 11 月 27
日付けのホームページ及び販売
店舗での告知、 さらにDMを送付
し、 バックル解除防止器具 (補
助ベルト) の無償提供を実施した。
なお、 在庫品にはバックル解除
防止器具を添付して販売し、 次
回生産品より2箇所同時押しする
バックルに設計変更する。
カラーテ
レビ (液
晶) 【テレ
ビジョン受
信機】
視聴中のテレビの画面が下に傾いていき床に落下、
家具や電気カーペットに傷がついたとの通知があっ
た。
調査の結果、 テレビの角度調整時に勢いよく操作す
ることにより、 過度の応力が繰り返し加わり、 テレビ
本体側プラスチックのネジ穴部分が破損し、 スタンド
が外れ、 テレビ本体が落下するに至ったものと推定さ
れる。
事業者は平成 21 年1月 13 日
付ホームページ及び販売店名簿
により所有者への告知を行い、 ス
タンド支柱部分の強度を上げた部
品に交換する修理を実施してい
る。
【製品安全センター業務報告会】
NITE 製品安全センターが収集 ・
大阪市中央公会堂 調査した事故情報の概要や、 事
(大阪市北区中之島) 故原因究明の調査事例などを発 製品安全センター
表 や ポ ス タ ー セ ッ シ ョ ン で 紹 介。
文京シビックホール 特別講演やパネルディスカッショ 06-6942-1113
東京会場 11 月 24 日(火)
ンも実施。詳細はNITEホームペー
(文京区春日)
ジで。
大阪会場 11 月 12 日(木)
31
社告・リコール情報
社告情報はリスクアセスメントの観点から、 事故等が発生後、 事業者が事故の被害の大きさと事故の
発生確率が社会に許容されるかどうか、 検討 ・ 判断し、 最終的に社告に至ったとみることができるもの
であり、 大変参考になる情報です。 NITE が収集している社告情報を関係者が使いやすいように品目
別に整理しました。
社告情報は NITE ホームページ (http://www.jiko.nite.go.jp) にも掲載しています。
平成 21 年1月~平成 21 年 5 月
平成 21 年1月~平成 21 年 5 月の間に NITE で収集した社告情報は 47 件です。 当社告情報は、
平成 21 年1月~平成 21 年 5 月まで、 新聞等に社告を掲載し、 製品の回収 ・ 交換等を実施している
もの (再社告情報含む) の中から、 事故情報収集制度における対象製品で、 事故が発生したか事故
の起こる可能性の高い製品の社告を収集したものです。
平成 21 年1月~平成 21 年 5 月の社告情報品目別内訳
身のまわり品 3
乗物 ・ 乗物用品 4
家庭用電気製品 30
家具 ・ 住宅用品 5
燃焼器具 3
台所 ・ 食卓用品 2
平成 21 年1月~平成 21 年 5 月の社告回収一覧
【家庭用電気製品】
品名
製造事業者名等
ハロゲン
ヒーター
㈱アイアン
0120-848-450()
http://www.iron.
co.jp/info/info2.htm
型式等
製品名 : タワーハロゲンヒーター
型式 : IR 4423
色/アイボリー
※タワー型 (二本の直線型電球)
販売等期間
対処方法
社告日 ( 平成)
社告等の内容
(製造時期)
H14 年 8 月 21 21 年 01 月 07 台座部より発火 ・ 発煙の事 代替品交
日~
日
故が発生。 首振り時に内部 換
H15 年 3 月 20 <HP>
配線がよじれ、 コード皮膜
日 ( 販売 )
が損傷しスパークが原因と
考えられる。
32
NITE安全の視点
【家庭用電気製品 (つづき)】
品名
製造事業者名等
液晶テレビ シャープ㈱
0120-001-364
http://www.sharp.
co.jp/support/
announce/lc26gd.
html
フカダック㈱
ハロゲン
0120-041-212
ヒーター
http://www.
fukadac.co.jp/
fukadac0114001003.
pdf
電子レンジ 日立アプライアンス
㈱
0120-312-111
0120-312-134( FA
X)
年末年始は休み/
携帯電話、 PHSか
らも利用可
http://kadenfan.
hitachi.co.jp/mro2/
index.htmll
KDDI㈱
・ フリーダイヤル :
157 (au 携帯電話)
・ 0077-7-111 (一般
電話)
・ http://www.
au.kddi.com/seihin/
up_date/kishubetsu/
au_info_20090203.
html
ルームエア ダイキン工業㈱
フ
コン (室外 0120-330-696(
リーダイヤル )
機)
URL : http://
www.daikin.co.jp/
taisetsu/2009/
090203/index.html
携帯電話
型式等
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
LC-26GD1
LC-26GD2
LC-26GD3
LC-26AD5
LC-26GD6 販売等期間
社告日 ( 平成)
(製造時期)
(1)(2) H16 年 3 21 年 01 月 13
月発売 (3) H16 日
年 11 月発売 <HP>
(4) H17 年 6 月
発売 (5) H17
年 8 月発売
社告等の内容
対処方法
スタンドの接合部分の不具 訪問の上、
合により、 液晶テレビ本体 (無償) 点
がぐらついたり、 前に傾いた 検修理
りする場合がある。
薄型ハロゲンヒーター/ FH-911
H16 年 10 月 6 21 年 01 月 15
日~
日
H17 年 12 月 <HP>
31 日
ヒーター管と電源リード線
の接続部に亀裂が生じ、 本
体側面から使用中に発熱 ・
発火を起こす恐れがあるた
め。
商品交換
(遠赤外線
クオーツ
ヒーター)
MRO-5400/ MRO-5400A/
MRO-5000/ MRO-5800/
MRO-5510/ MRO-5700S /
MRO-5600/ MR-500
S54 年 7 月~ 21 年 02 月 03
S58 年 8 月(製 日
造)
<HP>
無料点検
及び修理
TOSHIBA : W55T
H19 年 12 月 7 21 年 02 月 03
日~不明
日
電子レンジの回転台底部に
ある回転軸に金属粉が一部
混入し、 回転軸に取り付け
てある樹脂製部品が過熱し
て、 機体内で発煙 ・ 発火に
至る恐れがあることが判明。
(昭和 61 年 12 月にプレス
公表を行った内容について、
ホームページ上で、 再度
点検の呼びかけを図ったも
の。)
落下等の強い衝撃によりヒ
ンジ部分 ( 折りたたみのつ
なぎの部分 ) が破損した状
態でご使用を継続した場合、
稀にヒンジ内部のケーブル
が断線しショート ・ 発熱に至
る可能性がある。
<HP>
「室外機の機種名」 または 「リモコン H6 年 1 月~ 21 年 02 月 04
型番」 「室内機の機種名」 のいず H8 年 8 月 (製 日
れかで確認してください。
造)
<新聞 >
「室外機 機種名」 : 無償点検 ・ 修理
の対象
AR2504X/AR2505X/AR
2804X/AR2805X/RA224X/
RA224XE/RA225X/RA225X
E/RA2541X/
RA2542X/RA2542XE/RA
254X/RA254XE/RA255GX/
RA255GXE/RA255X-T/RA
255X-W/
RA255X-WE/RA284X/RA
284XE/RA285GX /RA285GX
E/RA285X-T/RA285X-W/
RA285X-WE/
RAZ255X/RAZ255XE/RAZ
285X/RAZ285XE
室外機の機種名を確認できない場合
は、 下記 「リモコン型番」 「室内機の
機種名」 で確認してください。
「リモコン型番」 :
・ 室外機が対象機種となり対策が必
要です : ARC401A5
・ 対象以外の室外機の可能性もある
ので、 室内機の機種名を確認してく
ださい。
: ARC401A7/ARC402A1/A
RC407A1/ARC408A2/ARC
409A1
ページ下部のリモコン写真を参照くだ
さい。
「室内機 機種名」 :
AN2504X / AN2505X / AN
2804X / AN2805X / F224TX / F
225TX / F2541TX / F2542TX /
F254TX / F255TGX / F255TX
/ F284TX / F285TGX / F285TX
/ FZ255X / FZ285X /
33
注意喚起
及びエラー
表示 ・ 連続
バイブレー
タ動作機能
プログラム
の追加
室外機のコンデンサ端子 無償点検 ・
部のゆるみ、 または機外か 修理
らの異物侵入 ・ 付着による
ショートが原因で、 室外機が
発煙 ・ 発火にいたる事故が
発生。
【家庭用電気製品 (つづき)】
品名
ハロゲン
ヒーター
販売等期間
(製造時期)
㈱日本ビネガーボト 本体スタンド背面のステッカーに次の H13 年~
型番が表示されている商品です。
ラーズ
VINEXアフターサー 1. 型番 V- 800- GR - I -WH (平成
14 年製) 製造番号0218090001
ビス課
~0218124352
0946-24-1490
http://www.vinex.jp/ 2. 型番 V- 800ST (平成 13 年製)
※平成 21 年 2 月 10 日もってリコー
ル製品の買取は終了いたしました。
平成 21 年 2 月 11 日より製品の回収
のみとなりますのでここにご案内申し
上げます。
ご連絡は誠に恐縮ですが下記サポー
トセンター迄お願い申し上げます。
H16 年 11 月~
㈱アートワークスタジ 「カミカゼシーリングランプ
(AW-0211)」
H19 年 9 月
オ
製造事業者名等
型式等
天井用照明
器具
0120-994-996( フ
リーダイヤル )
http://www.
artworkstudio.
co.jp/?p=280
衣類乾燥機 ミーレ ・ ジャパン㈱
0120-310-229 (フ
リーダイヤル)
http://www.miele.
co.jp/indexa.html
型式 : T 560 C / T 570 C
USB メモリ 日本ヒューレット ・
「カンフー ・ パンダ」 USB メモリ ( 販
売促進用 )
遠赤外線
ヒーター
ルームエア
コン
パッカード㈱
0120-077-322 ( フ
リーダイヤル )
http://h30090.www3.
hp.com/HPKFP/JPja/
エレクトロラックス ・
ジャパン㈱
0120-978-906( フ
リーダイヤル )
http://www.
electrolux.biz-online.
jp/
社告日 ( 平成)
内部の部品が発熱し、 発煙・ 回収
焼損の恐れがあることが判
明。
※製品寿命劣化による事故
発生の可能性があるで、 即
刻使用を中止し、 連絡してく
ださい。
21 年 02 月 09
日
<HP>
使用中に電球が破損 ・ 落 電球の無
下する恐れがあることが判 償交換 ・ 回
収
明。
(付属
球 E17
『100V40W』
ミニ電球)
熱交換器がロックされてい 無料点検 ・
ない状態で、 モーターの運 修理
転不良 (ドラム回転モーター
の停止状態) が起こった場
合に火災が発生する恐れが
あることが判明。
キャップ (パンダのズボン 回収及び無
に相当する部分) に、 幼い 償交換
子供の窒息事故が発生する (HP 社商標
付き USB メ
危険性があることが判明。
モリ 4GB)
H7 年 11 月~ 21 年 02 月 10
H20 年 6 月~ 21 年 02 月 13
H20 年 8 月
日
<HP>
H20 年 8 月~ 21 年 02 月 24
H20 年 11 月 日
<新聞 >
H10 年 9 月~ 21 年 03 月 02
H14 年 1 月
日
<中吊り >
34
対処方法
21 年 02 月 04
日
<HP>
日
<新聞 >
遠赤外線チャコールファイバーヒー
ター ECH630A ・ DG ・ LB
・ 型番 ・ 本体色 ・ シリアルNo .
ECH630A White 83700001~84506186
ECH630ALB Light Brown 83000001~83903093
ECH630ADG Dark Gray 83000001~83903092
(シリアルNoが6と7から始まる製品
は対象外です。)
RAS- ×××L DR シリーズ/ RAS東芝キヤリア㈱
×××Y DR シリーズ
0120-444-899 ( フ
リーダイヤル ) /FA 機種名 :RAS- 225LDR,255LDR,285L
DR,325LDR,255LDR-G,
X : 0120-445-175
http://www.toshiba- 2559SDR,2859SDR,4069SDR,
V285DR,RAS- 225YDR,255YDR,
carrier.co.jp/
company/oshirase/ 285YDR,325YDR,405YDR,406YDR,
506YDR,255YDR-D,285YDR-D,
aircon.htm
406YDR-D,V285DR3,2833D-I
製造番号 上記の機種は製造番号に
関係なくすべて対象になります。 ※
家庭用ルームエアコン RAS- ×××
LDR シリーズ ,RAS- ××× YDR シ
リーズ以外の機種は次のとおりです。
[ハウジングエアコン , 石油エアコン ,
ガスエアコン , 業務用エアコン] (製
造番号をご確認ください)
機種名 :HAS-M221FDR1,M281FDR1/
RAK-285DR3,405DR3/RAG283KE,323KE,403KEJ,283KE (TSB2842U-S…東京ガス向け) ,323KE
(TS-B3242U-S…東京ガス向け) /
403KEJ (TS-B4052U-S…東京ガス
向け) ,283KE (144-0014,144-0015
…大阪ガス向け) /323KE
(144-0016,144-0017…大阪ガス向
け) ,403KEJ (144-0019…大阪ガス
向け) /323KE (THCI-4932RC…東
邦ガス向け)
社告等の内容
使用部品の一部不具合に 無償交換
より、 通電の不具合や切り
忘れ防止機能が働いた後 3
時間経過すると再度電源が
入る可能性があることが判
明。
使用中に、 エアコン室内ファ 無償点検
ンを回転させるためのモー 修理
ターのリード線接続部分に、
エアコン洗浄液またはそれ
に類似する電気を通しやす
い物質が付着し、 さらに室
内機内部で発生した結露が
リード線接続部分に回りこん
だ場合に、 室内機の発煙 ・
発火のおそれがあることが
判明。
(2004 年 8 月に新聞紙上で
行った社告について、 今回
大阪市内にて地下鉄車内の
中吊りにより、 再度の呼び
かけを図ったもの。)
NITE安全の視点
【家庭用電気製品 (つづき)】
品名
製造事業者名等
型式等
製造番号 :
911*****/912*****/001*****/
002*****/003*****/ 004*****/
リーダイヤル ) /FA 005*****/006*****/007*****/
008*****/009*****/ 010*****/
X : 0120-445-175
http://www.toshiba- 011*****/012*****/101*****/102*
****/103*****/104*****/ 105****
carrier.co.jp/
company/oshirase/ */106*****/107*****/108*****/10
9*****/110*****/111*****/112***
aircon.htm
**/201***** (***** は任意の数字)
ルームエア (続き)
東芝キヤリア㈱
コン
0120-444-899 ( フ
電気ケトル ㈱ドウシシャ
0120-104-481 (フ
リーダイヤル)
http://www.
doshisha.co.jp/
news/pdf/090302.
pdf
ウォーター ㈱ナック
フ
サーバー 0120-365-966(
リーダイヤル )
http://www.
crystalclara.com/
news/1.html
蛍光型電球 兼松㈱
03-5440-9035( 電
話)
http://www.
kanematsu.co.jp/
CONTENTS/jp/
news/2009/
20090306.html
スピーカー 0120-645-301 (フ
リーダイヤル)
受付時間 : 9:30 ~
18:00 (土 ・ 日 ・ 祝
日は除く)
㈱サンリオ ( 販売 )/
充電池
廣華物産㈱ (輸入)
03-3779-8148 http://www.
sanrio.co.jp/news/
recall/20090313.html
販売等期間
社告日 ( 平成)
(製造時期)
H10 年 9 月~ 21 年 03 月 02 H14 年 1 月
日
オイルヒー 長田通商㈱
0120-642-188( フ
ター
リーコール )
無償点検
修理
H19 年 12 月~ 21 年 03 月 03
電気ケトル DEK ‐ 0702
H21 年 2 月(製 日
ブランド名 : 「Pieria」 / 「aishit 造販売)
<HP>
eru?aishiteru!」 / 「aishiteru」
使用時にケトル本体底面が、 不具合品
発熱により変形もしくは穴あ の無償交
きするものが含まれている 換
事が判明。 なお、 材質およ
び構造上、 発火に至る恐れ
はありません。
クリスタルサーバーL4
温水温度調節部品に不具 無償交換
合が原因で、 ごく稀に温水 (改良品と
の出水温度が設定温度外に 順次)
なってしまう事が判明。
H19 年 10 月~ 21 年 03 月 04
21 年 01 月
日
<HP>
エコ電球 (蛍光型電球) : EFS13 H16 年 4 月~ 21 年 03 月 06
EL
日
<HP>
301-AV MONITOR
S63 年 8 月~ 21 年 03 月 12
H9 年 5 月
日
<HP>
KT エキショウDVDハートP用充電池 H19 年 09 月~ 21 年 03 月 13
商品コード 94236ー7
20 年 07 月
日
(販売)
< HP >
DMF035W
H20 年 6 月~ 21 年 03 月 17
対象製造番号 : 085L3B28512089 ~ H21 年 3 月
日
085L3B28514098
< HP >
http://www.dream- ※製造番号は、 本体背面のスタンド
maker.co.jp/osirase/ 収納部に表記している。
※製造番号の頭3桁が 「086」 又は
recall.html
「088」 の製品は対象外
ソニー㈱
VAIO カスタマーリン
ク VAIO LV/LN
対応窓口
0120-30-2696 (フ
リーダイヤル)
http://vcl.vaio.sony.
co.jp/rd/info/0903.
html
対処方法
<中吊り >
液晶デジタ ドリームメーカー㈱
フ
ル写真たて 0120-771-193(
リーダイヤル )
ディスプレ
イ一体型パ
ソコン
社告等の内容
「VAIO パーソナルコンピューター typ H21 年 1 月~ 21 年 03 月 25
e L ・ LV/LNシリーズ」
日
・ 2009 年 1 月発売モデル
<新聞>
VGC-LV71JGB、 VGC-LV51J
GB、 VGC-LN71JGB、 VGC-L
N51JGB
・ VAIOオーナーメードモデル
VGC-LV91JS、 VGC-LN91JS
ノガマティックオイルヒーター
S63 年 10 月~ 21 年 03 月 30
H6 年 12 月
日
<新聞>
http://www.
d-nagata.co.jp/
outline/index.html
35
使用開始後発熱が発生す
ることが判明。 この発熱によ
りガラス管付け根部分 ・ 及
び白い樹脂部分が黒く変色
したり焦げたような状態にな
ることがあり、 発煙を伴う場
合もあります。
ネジ穴ナットの強度不足が
判明。 (2003 年 2 月 17 日、
2005 年 10 月 14 日に行った
社告の再社告)
商品引取
り ・ 交換
無償点検 ・
修理または
現行機種
301 Vへの
無償交換
付属充電池が変形発火する 無償交換
(付属充電
可能性がある事が判明。
池)
リチウムイオン電池の原因 無償交換
による発火の可能性がある (本体含)
ことが判明。
当製品の一部製品におい
無償点検 ・
て、 強い衝撃が加わった場 修理
合、 ディスプレイ部の取り付
け部位が外れ、 その後、 ディ
スプレイ部が脱落するおそ
れがあることが判明。
※ディスプレイ部の取り付け
部位にガタツキ ・ 緩みなど
が感じられた場合には、 使
用を中止し、 下記電話番号
に連絡してください。
経年使用によるスイッチ ・ 温 注意喚起
度調節ダイヤル部分におい
て発煙 ・ 発火の可能性があ
ることが判明。
現在も当製品を使用中の場
合は、 速やかに使用を中止
してください。
【家庭用電気製品 (つづき)】
品名
製造事業者名等
浴槽用温水
循環器 (通
称 「24時
間風呂」)
コロナ工業㈱
本社営業部営業
サービス課
0883-24-1155
http://www.coronanet.com/inform85.
htm
象印マホービン㈱
0120-950-600 (フ
リーダイヤル)
http://www.zojirushi.
co.jp/toiawase/
rvh_kinkoku.html
旭硝子㈱
0120-80-5273
http://www.agc.co.jp/
news/2009/0331.pdf
エレクトロラックス ・
ジャパン㈱
0120-042-320
http://www.
electrolux.co.jp/
household/recall/
pdf/090403_2.pdf
ダイソン㈱
0120-246-320
http://safetynotice.
dyson.com/
snDC22100409.
asp?country=jp
㈱スパイス
0120-965-031
http://www.spicegarden.com/
http://www.spicegarden.com/cgi-bin/
ec/36/ec36040102.cgi
http://www.spicegarden.com/ec/
wimgs/Decolight.jpg
コーナン商事㈱
0120-04-1910
http://www.hckohnan.com/pdf/
info_090508.pdf\
除湿乾燥機
温水浄化シ
ステム (24
時間風呂 )
充電式ク
リーナー
掃除機
デコレー
ションライト
電気ストー
ブ (ハロゲ
ンヒーター)
型式等
(1) ツルツル CK-85 (2) イキイキ CK-85
型番 / 製造期間
RV-HA60 2006 年 2 月~ 2007 年 1 月
RV-HS60 2006 年 3 月~ 2007 年 9 月
販売等期間
社告日 ( 平成)
(製造時期)
(1)S59 年 12
21 年 03 月 31
月~ S63 年 11 日
月 1,895 台
<HP>
(2)S60 年 9 月
~ S63 年 11
月 111 台
H18 年 2 月~
H19 年 9 月(製 21 年 04 月 01
造)
日
<新聞>
(2008 年 8 月 22 日の再社告)
スパックス (AL-505)
S61 年 1 月~ 21 年 04 月 01
H3 年 3 月 販 日
売台数 : 293 <新聞>
台
社告等の内容
対処方法
浴槽水保温用ヒーターを入
切する制御用リレーの接点
部が経年劣化した事によりス
イッチが切れずに空焚きにな
り、 製品内部の一部が焦げ
るおそれがある事が判明。
追加の安
全装置を設
置する無償
改修を行
う。
製品の使用に伴い、 製品内 無償修理
部に吸着された可燃性物質 (または無
により、 除湿 ・ 乾燥運転中 償交換)
に部品の一部が発煙 ・ 発火
する可能性があることが判明。
焼損事故が発生。
訪問の上、
無料点検 ・
部品追加
エルゴラピード ・ アップグレード (ハ H19 年 11 月~ 21 年 04 月 03
ンディークリーナー部分)
H21 年 1 月末 日
ZB271RF / ZB271GF / <HP>
ZB271WF / ZB271TF
下記のシリアル No, が交換対象製品
です。 74000001~85000400
上記以外のシリアル No, は対象外です。
充電池の不具合により、 一 無償交換
部の充電池が膨張、 破裂す (充電池が
内蔵された
る現象が判明。
ハンディー
クリーナー
部分)
(1) DC22 DDM モーターヘッド<濃 H19 年 11 月~ 21 年 04 月 11
いオレンジ (褐色 ) >
日
504-JP-A10002 から 77457
<新聞>
(2) DC22 モーターヘッド<シルバー
(銀色 ) >
502-JP-A10002から41081
ホースの磨耗で電気ケーブ 無償交換
(改良済
ルの露出が判明。
ホース)
H20 年 8 月~ 21 年 04 月 14
12 月
日
日本の品質基準を下回る中 回収 (返
国製コントローラー部品を使 金)
用していることが判明。
1.
2.
3.
4.
5.
BSX802
BSX803
BSX805
BSX806WH
BSX806BR
KK22-140H
HP Compaq 6720s Notebook PC
HP Pavilion Notebook PC
dv2000 シリーズ dv2405 (PN:
RX692AV) ,dv2605 (P/N: RW026AV)
リーダイヤル)
HP Pavilion Notebook PC dv6000 シ
http://h50222.
リーズ dv6200 (P/N: RD869AV ま
www5.hp.com/
support/GY693PA/ たは RD870AV) dv6205 (P/N:
experts/114902.html RD861AV または RD862AV0) dv6500
(P/N: RL675AV または RL676AV)
HP Pavilion Notebook PC dv9000 シ
リーズ dv9500 (P/N: RL596AV)
HP G7000 Notebook PC
「ベルテクノ」 ・ 「イズミ」 ブランド /
㈱ベルキッチン
M-60型
0120-201-271
<HP>
H14 年 11 月~ 21 年 05 月 08
H15 年 3 月
日
<HP>
ヒーター管の破裂による事
故が発生。
回収 (代替
品交換)
PCバッテリ 日本ヒューレット ・
パッカード㈱
パック
0120-589-455 (フ
H19 年 8 月~ 21 年 05 月 15
20 年 1 月 (製 日
造)
<HP>
バッテリーパックの過熱、 発 回収 (無料
火、 火傷の危険の可能性が 交換)
判明。
洗面化粧台
ミラーキャ http://www.
ビネット
belkitchen.co.jp/
H 元年 4 月~ 21 年 05 月 16
H19 年 5 月
日
照明スイッチ部分でトラッキ 無償修理
ング現象を起こし、 焼損する 等
事故が発生。
index_mirrorkyabinet.html
http://www.
belkitchen.co.jp/index_
mirrorkyabinet_2.html
コーヒー豆 スターバックス コー スターバックス バリスタ ブレード グラ
インダー
ジャパン ㈱
の電気式グ ヒー
0120-782-805
ラインダー http://www.
starbucks.co.jp/
announcement_
20090617.php
http://www.
starbucks.co.jp/
<新聞>
・ シルバー色 : 21 年 6 月 17 日
H14 年 10 月~ <新聞>
H21 年 5 月
・ ブラック色 :
H13 年 3 月~
H17 年 5 月
36
スイッチが切れなかったり、 自主回収
また不意にスイッチが入った (返金)
りする不具合が確認。 (ホー
ムページ、 スターバックス各
店店頭にても告知)
NITE安全の視点
【台所 ・ 食卓用品】
販売等期間
対処方法
社告日 ( 平成)
社告等の内容
(製造時期)
H18 年 5 月~ 21 年 02 月 12 熱湯を入れてすぐに栓をす 注意喚起
品名
製造事業者名等
型式等
冷水筒/ア
クリル冷水
筒
㈱良品計画
0120-64-0964
http://ryohinkeikaku.jp/
news/2008_0930_02.
html
JAN / 商品名 / 規格
4548076710349 / 冷水筒 / 2
L 2L
4945247029062 / アクリル冷水
筒 / 大 2L
4945247029079 / アクリル冷水
筒 / 小 1.2L
4945247236927 / アクリル冷水
筒 / M 2L
4945247236934 / アクリル冷水
筒 / S 1.2L
(2008 年 9 月 30 日に、 ホームペー
ジ上で行った 「注意喚起」 の呼びか
けを再度図ったもの。)
ステンレス
エアーポッ
ト
サーモス㈱
0120-356-304
http://www.thermos.
jp/WhatsNEW/
2009_02_12.html
サーモス ステンレスエアーポット
H20 年 8 月 1
型番 : TAH-2200、 TAH-3000、 日~
TAK-2200、 TAK-3000
H20 年 12 月
製造番号 : TAH ・ TAK共通 「** 31 日
**08D」 (注 : *は数字です)
日
<新聞 >
ると、 製品が破損するという
事例が発生。
・ 本品は気密性が高いため、 熱
湯を注ぎ入れ、 栓をすると、 内
圧の著しい変化で製品の変形、
破損、 割れが起こり、 火傷をす
る恐れがあります。
・ 当製品は冷水用として製造さ
れておりますので、 絶対に熱湯
を入れないでください。
・ お茶など煮出したものを保冷す
る場合は、 室温程度に冷まして
から入れてください。
・ 製品に細かいキズや割れを発
見した場合、 事故が起きる可能
性がありますので、 ただちにご
使用を中止してください。
21 年 02 月 12
日
<HP>
当製品の一部で容器内部 無償交換
の圧力を逃がす機能が低下
し、 熱湯を入れて振った場
合、 熱湯が吐出する可能性
があることが判明。
【燃焼器具】
品名
ガスふろが
ま
製造事業者名等
型式等
GF-200D / LP / 040142~
㈱長府製作所
064540/ 都市ガス / 005617~
0120-911-870
9:00 ~ 18:00 (受付 009390
GF-201DE / LP / 017147~
時間) (平日)
029121/ 都市ガス / 005131~
http://www.
008146
chofu.co.jp/
important/20090204. ※本体正面に型式製番シールがあり
ます。
html
ガスふろ給 ㈱ノーリツ(製造)(販
売) / ㈱日立ハウス
湯器
テック (販売)
販売等期間
社告日 ( 平成)
社告等の内容
(製造時期)
H13 年 1 月~ 21 年 02 月 05 スイッチを切ったあとのガス
H15 年 12 月 日
電磁弁の閉止遅れにより、
(製造)
<HP>
無料点検 ・
改修
しばらく火が残るという不具 (対策用ガ
ス電磁弁)
合が発生。
屋内設置型強制給排気式 「ガスふろ H5 年 2 月~
給湯器」
H8 年 10 月
販売ブランド : ノーリツ
製品型式名 : GT-165W-FFA
/ GT-165AW-FFA / GT-165
AWX-FFA
21 年 03 月 06
日
<新聞>
0120-462-220( フ
リーダイヤル )
http://www.noritz.
co.jp/contact/
important/21/index.
html
GS-320 (08.07-000611~ H20 年 8 月 1 21 年 04 月 23
ギガパワー ㈱スノーピーク
08.07-000810)
日~ H20 年 8 日
Ll ストーブ 0120-010-660
月 8 日(200 台) <HP>
http://www.
(製造) H20 年
メタルクラブ snowpeak.co.jp/info/
8 月 4 日~ H21
(カートリッジ collects/gs-320/
年 4 月 1 日(199
index.html
ガスこんろ)
対処方法
排気通路部に穴あきが発生 無償点検 ・
改修
する不具合が判明。
ガスカートリッジと本体を接 無償交換
続するホースが抜けてしまう (ホース)
事が判明。
台) (販売)
【家具 ・ 住宅用品】
品名
製造事業者名等
ジェットバス ㈱ブリヂストン
用リモコン 0120-281-294
http://www.
スイッチ
bridgestone.co.jp/
customer/20090115.
html
販売等期間
(製造時期)
ジェットバス (機種名 : JBU-101) 用 H8 年 9 月~
リモコンスイッチ
H10 年 6 月
型式等
37
社告日 ( 平成)
21 年 01 月 16
日
<HP>
社告等の内容
対処方法
当製品の一部に置いて、 水 無償交換
密不足のためリモコンスイッ (リモコンス
チ内部へ水分が浸入し、 誤 イッチ)
作動発生 (勝手に作動 ・ 停
止する) の可能性のあるこ
とが判明。
※上記機種 (JBU-101) で
1998 年 7 月 ~ 2002 年 12
月に販売しているものは問
題はありません。 ※上記販
売期間に購入いただいたお
客様のうち、 1998 年 7 月以
降にリモコンスイッチを無償
で交換させていただいている
場合は対象外です。
【家具 ・ 住宅用品 ( 続き )】
品名
製造事業者名等
スチールハ ㈱ニトリ
0120-144-090
イベッド
http://www.nitori.
型式等
品名 : スチールハイベッド LB 935- 3 シルバー
コード : 2020080
co.jp/common/
documents/pdf/
important/090124.pdf
コンテッサ / Contessa (「CMシリー
事務用回転 ㈱岡村製作所
ズ ・ 事務用回転椅子」) / 製品コード
0120-676-399
椅子
http://www.okamura. CM3□□□ ~CM6□□□
co.jp/company/
press/2009/
090313_contessa.php
販売等期間
対処方法
社告日 ( 平成)
社告等の内容
(製造時期)
H15 年 5 月 29 21 年 01 月 24 「布団落下防止、 及び就寝 無償提供
日~ H20 年 8 日
者の安全向上のため」 手す (手すり部
月 12 日
<HP>
品)
り部品を追加。
H14 年 12 月 2 21 年 03 月 13
日~
日
H18 年 7 月 31 <新聞>
日 (製造)
当製品の一部において、 座 無料点検 ・
をフレームに保持している後 修理
部ボルトが、 接着剤の塗付
不足により、 緩み、 脱落す
る可能性のあることが判明。
ま た、 こ の 後 部 ボ ル ト が、
二本とも緩んで脱落した場
合に限り、着座の仕方によっ
ては座の後部が浮き上がる
可能性があります。
【乗物 ・ 乗物用品】
品名
自転車用
キャリヤ
製造事業者名等
型式等
ホダカ㈱
キャリヤ点検窓口
0120-525-445 ( フ
リーダイヤル )
http://www.hodakabicycles.jp/htmls/
image/navi/KB.pdf
2008 年度 KhodaaBloom 製品のフロ
ントキャリヤ装備モデル
点検対象モデル (全サイズが対象)
Canaff CS 1.0 FS: パールホワイト /
ゴールド パールホワイト / ブラック
Canaff CS 1.4: ブラック ブルー レッ
ド Canaff CS 1.0: ポリッシュ パール
ホワイト ネイビー Canaff CS 2.4: グ
リニッシュブルー パールホワイト ブ
ラック ピンク Canaff CS 2.0: ラベン
ダー ネイビー ライトブルー Canaff
CT 1.0: イエローグリーン ポリッシュ
ブラック Canaff CT 2.0: パールホ
ワイト イエロー ポリッシュ ブルー
Canaff CT 3.0: イエロー レッド ニュ
アンスブラック パールホワイト Nolly
CS 1.0: マットシルバー マットブルー
Nolly CS 2.0: マットレッド マットホワイ
ト Nolly CT 3.2: マットブラック ワイン
レッド マットグリーン ゴールド Nolly
CT 4.2: マットパープル マットグリーン
パールホワイト
自転車用ホ アメアスポーツジャ
パン㈱
イール
001-010-800-234788-75( 国際フリー
ダイヤル )
http://www.
amerjapan.
com/media/contents/
315.html
自転車用空 ㈱オージョイフル
0120-037-766( フ
気入れ
リーダイヤル )http://
www.o-joyful.co.jp/
シルバー アロン化成㈱
カー ( 歩行 0120-867-735
http://www.
補助車 )
aronkasei.co.jp/
whatsnew/news/
n090129.pdf
品名 : Mavic (マヴィック) 社製 R-SYS 前輪
対象機種 : 下記モデルの前輪が対
象 R-SYS、 R-SYS test、
R-SYS Premium
販売等期間
対処方法
社告日 ( 平成)
社告等の内容
(製造時期)
H19 年 9 月~ 21 年 01 月 05 当製品において、 前キャリ 無償点検
20 年 11 月
日
ヤの固定の際、 ネジ類の組
<HP>
H19 年 08 月~ 21 年 01 月 16
H20 年 12 月 日
(販売)
<HP>
軽量プラスチック エアーポンプ : OJ H16 年 12 月~ 21 年 01 月 29
01AP-002
H19 年 9 月
日
<HP>
シルバーカー 「サンフィール」 シリー 20 年 8 月~
ズ 品番 / 製品名 / 対象ロット番号
532365/ サンフィールⅡ (バータイ
プ) ブルー / 38191631 532367/ サンフィールⅡ (バー
タイプ) 青チェック / 38190331
38191031 38212431 532342/ サンフィール (ショッピ
ング) 青チェック / 38180631
38182631 38191131 532347/ サンフィール (ショッピ
ング) 赤チェック / 38182631
38191531 38202531
38203031
32352 / サンフィール (ウォー
キング) 青チェック / 38180631
38182631 38192431
38201231
38
21 年 01 月 29
日
<HP>
み付け順に不都合がある場
合や緩みがでているなどの
条件が重なった場合、 継続
使用によりキャリヤ支柱部分
が折損し、 転倒事故に至る
可能性のあることが判明。
※点検の手順
無償点検の点検対象モデ
ルの購入者宛に、 「無料点
検のお願い」 のハガキを順
次送付しています。 購入者
は販売店へ点検依頼対象
モデル自転車と 「無料点検
のお願い」 のハガキを持参
し、 販売店に渡しください。
無償にて点検を受けること
ができます。
前輪のスポークが破損し、 無償交換
転倒事故に至るおそれがあ (前輪 :
2009 年 3
ることが判明。
月 31 日
(火) から
順次開始)
使用中にタンクが破裂する
事故が発生。
回収及び代
金払い戻し
使用中に車輪が外れて転倒 回収 (補
する恐れがあることが判明。 修)
NITE安全の視点
【乗物 ・ 乗物用品】
品名
自転車ハン
ドルバー
販売等期間
社告日 ( 平成)
社告等の内容
(製造時期)
(1) ROCKHOPPER COMP DIS (1)20 年 7 月~ 21 年 3 月 27 日 ハンドルバーが破損し、 転
スペシャライズド ・
C 29
21 年 3 月 (22 <HP>
ジャパン㈱
倒する可能性が判明。
(2) ROCKHOPPER (SLX) に標 台)
フリーダイヤル 準装備されている Specialized All (2)20 年 10 月
0800-123-2453
oy 31.8mm Handle Bar
~ 21 年 3 月
http://www.
(34 台)
specialized.com/bc/
製造事業者名等
SBCWhats
NewDetail.
jsp?article=
7239&refp
=USHome
ダホン社製 ㈱アキボウ
ハンドルポ 0120-55-7602
http://www.
スト
dahon.jp/pdf/
20090417user-b.pdf
http://www.dahon.
jp/
http://www.
dahon.jp/pdf/
20090427freedial.pdf
型式等
2008 年製 Radius Handle post (ラディ H20 年 5 月 7 21 年 04 月 17
アスハンドルポスト) を装着している 日~
日
下記モデルの一部
21 年 4 月 7 日 <HP>
(1) スピードプロTT (KC075TT)
(2) ヘリオスSL (YA095)
(3) ビテスP16 (KA063)
(4) ミューP8 (PA083)
(5) スピードP8 (KC083)
(6) ボードウォークD7 (HC072)
(7) カーブD3 (PA632) 対処方法
ハンドル
バーの無償
修理
使用中に破損する恐れが判 回収 (ハン
ドルポスト
明。
交換)
【身のまわり品】
品名
ランドセル
製造事業者名等
㈱ニトリ
0120-110-180
10:00 ~ 18:00 (土・
日・祝日を含む) ( 受
付時間 )
http://www.nitori.
co.jp/common/
documents/pdf/
important/090114.
pdf
婦人用ブー ㈱サンエー・インター
ナショナル
ツ
0120-305-221
http://www.sanei.
net/recall/090129jj.
php
婦人用ブー ㈱サンエー・インター
ナショナル
ツ
0120-305-221
http://www.sanei.
net/recall/090129jj.
php
サンスター㈱
歯ブラシ
0120-578-020
http://jp.sunstar.
com/7.0_press/
2009details/
2009_0218.html
エアマット
㈱ケープ
ケープお客様相談室
0120-958-865
http://www.cape.
co.jp/support/
infonexus.html
㈱イマオコーポレー
ション
0120-775-808
http://www.imao.
co.jp/files/laserpod.
pdf
婦人用サン ㈱サンエー・インター
ナショナル
ダル
0120-305-221
http://www.sanei.
net/recall/090416bs.
php
携帯用レー
ザー応用装
置
型式等
SY108 シリーズ
販売等期間
(製造時期)
H20 年 11 月
10 日~
H20 年 12 月
18 日
社告日 ( 平成)
21 年 01 月 14
日
<HP>
ブランド名 : JILL STUART (ジル 20 年 10 月 20 21 年 01 月 29
スチュアート)
日~ 21 年 1
日
製品名 : 08FW SHOES2
月 27 日
<HP>
品番:093-285073 (黒、グレー)
社告等の内容
対処方法
当該製品の肩ベルト内部の
補強材の長さにばらつきが
あるものが混在し、 外側に
露出して、 万が一の場合怪
我をする恐れがあるため。
上記の販売期間に店頭にて
お持ち帰りの方は、 使用を
中止し、 フリーダイヤルまで
連絡してください。
ヒール取り付け用の釘が打
たれていない商品があること
が判明。
製品回収
及び改善品
交換
無償点検 ・
回収
ブランド名 : JILL by JILL STUA
RT (ジル バイ ジル スチュアート)
製品名 : レザーロングブーツ
品番 : 127-285021 (ブラック、
ブラウン)
H20 年 8 月 1 21 年 01 月 30
日~
日
H21 年 1 月 29 <HP>
日
靴底のヒール取り付け金具 無償点検 ・
が足の裏にあたってしまう可 回収
能性があることが判明。
C&F 歯みがき習慣トレーニング乳
歯ブラシ
H17 年 9 月~ 21 年 02 月 19
(販売)
日
強く噛みすぎるというような
想定以上の負荷がかかる使
用や熱水での繰り返し洗浄
等により先端部の軟質ゴム
が外れる可能性のあること
が判明。
使用中にエアマットのベース
マット部が異常に膨らむ恐れ
があることが判明。
<新聞 >
エアマスターネクサス840タイプ H19 年 6 月~ 21 年 03 月 03
108000422 ~ 108003432、
H20 年 2 月
日
エアマスターネクサス840/shortタ
<HP>
イプ 128000066 ~ 128000461、
エアマスターネクサス840タイプ 118000571 ~ 118003066、
エアマスターネクサス900/shortタ
イプ 138000052 ~ 138000377
レーザーポッド Laserpod LAS
001
H17 年 11 月~ 21 年 04 月 01
H20 年 9 月
日
対象台数 :
<HP>
1,865 台
製品名 : スタッズサンダル
品 番 : 021-185301
カラー : ブラック (010)
H21 年 2 月 20 21 年 04 月 16
日~
日
H21 年 4 月 10 <HP>
日 ( 販売)
39
回収及び商
品代金の
返金
使用中に
エアマット
のベース
マット部が
異常に膨ら
む恐れがあ
ることが判
明。
消費生活用製品安全法に定 無償改修
める 「特別特定製品」 に適
用する技術上の技術基準の
一部項目に対して、 不適合
であることが判明。
一部の婦人用サンダルに靴 回収 (返
底のヒール取り付け強度が 金)
不足している商品があるこ
と、 下げ札記載の組成表示
に誤りがあることが判明。 数
字で見る事故情報
82%
NITEに寄せられる事故情報で、例年多くみられるのが「ガスこんろ」「電気ストーブ」
「石油ストーブ」による事故です。平成 20 年度に収集した事故情報の中で、これまでにみら
れなかった品目で多くの事故が発生しました。それは「ノートパソコン」の 140 件で、「電
気ストーブ」に次いで2番目に事故の多い品目となりました。「ノートパソコン」のほか、
「パ
ソコン周辺機器」24 件、「パソコン」12 件などパソコン関連の事故情報は合計 185 件とな
ります。
「ノートパソコン」の事故原因をみると、同一製品からの多数のリコール等は特に含まれず、
メーカーや事故原因もさまざまで、あらゆる機種から事故が起こっているといえます。パソ
コン関連の事故 185 件中、事故原因が「設計、製造又は表示等に問題があったもの」は約
151 件で、約 82%に達します。
事故が急増した理由は、著しい普及によるものと推測されますが、パソコン関連の製品は
今後ますますの需要が見込まれます。さらにパソコン関連の事故は、発熱・発煙・発火をと
もなうものが多いにもかかわらず、「ガスこんろ」や「ストーブ」等とは異なり、危険性を
認識しにくい製品特性があると思われます。それだけに、事業者はより安全を確保した製品
づくり、NITEにおいては、これら事故情報を積極的に提供して事故の現状を伝えること
が急務といえます。
40
安全研究だより
安全設計入門
最終回:設計や製品の評価を行う
国立大学法人 和歌山大学
システム工学部 教授
山岡 俊樹
今回は製品やシステムの安全設計を評価する方法について述べます。第一回目は、人間
の特性、HMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)の 5 側面について、第二回目は、
直接観察、タスク分析、誤操作と使いにくさ、分かりにくさの関係、多様なユーザーにつ
いて、第三回目は、構造化コンセプトと安全設計項目を使用して安全設計を行う方法につ
いて述べました。最終回の今回は、今まで述べた事項をベースに設計、製品やシステムに
対して、人間側の安全性についてどう評価したらよいのか説明したいと思います。
評価の重要性
評価を行う際のポイントは、人間の特性を知っ
ていることです。 我々の行動は 、 環境から影響
設計を完璧に行ったから安全だという訳には
を受けて決定されます。 例えていえば、 A地点
いきません。検討漏れや安全に気がつかなかっ
からB地点に行くというのは人間の意思ですが、
た事項など設計時で見落としている設計事項が
行く途中に山があると迂回して、 つまり環境か
結構多いのです。 それらを減らすために設計
ら制約をうけて最適な行動をとるのです。 しか
案の評価を行うことが必要です。 特に 1990 年
し、 山の頂上にある岩が落ちそうという情報は、
代以降、 製品がブラックボックス化 (機械のコ
下を歩いている人間には分かりません。 しかし、
ンピュータ化により製品の中身が分からない状
その山の状況を俯瞰できる更に大きな山から眺
態) になり、 危険にかかわる問題点が見えにく
めると即分かります。
くなっています。
以上のことから、 人間の行動には目的があり、
今回は製品やシステムの安全設計を評価す
環境からの制約に対して、 無駄のない行動を
る方法について述べます。 第一回目は、 人間
とります。 人間の情報処理プロセスの 「情報入
の特性、 HMI (ヒューマン・マシン・インタフェー
手→理解 ・ 判断→操作」 の観点から考えてみ
ス) の5側面について、第二回目は、直接観察、
ると、 行動するには常に新しい情報を必要とし、
タスク分析、 誤操作と使いにくさ、 分かりにくさ
理解 ・ 判断は知識や経験に影響を受け、 操作
の関係、 多様なユーザーについて、 第三回目
後の自然 ( 人工物 ) からのフィードバックを必要
は、 構造化コンセプトと安全設計項目を使用し
とします。 更に、 山の上にある岩の落下の危険
て安全設計を行う方法について述べました。 最
性から、 我々は視点を変えないと内在する危
終回の今回は、 今まで述べた事項をベースに
険性が認識できないというのが分かります。 部
設計、 製品やシステムに対して、 人間側の安
屋に手帳を置き忘れて無いと騒いでいると、 家
全性についてどう評価したらよいのか説明した
族が来てすぐ探してくれたという経験をします。
いと思います。
我々は環境 ( オフィス、 工場など ) に慣れてし
41
まうと 、 意外と内在する危険に気がつかなくな
なかなか喋ってくれない場合があります。 このよ
りますので、 第三者に見てもらうと良いと思いま
うな状況を避けるため、 仲の良い友人などと 2
す。
名でお互いに喋りながら評価してもらう方法もあ
ります。これならば、思ったことを述べてくれたり、
2つの評価スタンス
安全性の気付きが倍になる可能性があり都合が
よいのです。
評 価 に は 2 通 り の 方 法 が あ り ま す。 安 全
得られたデータの解析は以下のように行いま
設計のコンセプトや仕様の確認を行う検証
す。
(verification) と製品のモックアップや試作品を
(a) 安全性に関する発言は収集して整理する
ユーザーに使ってもらい、 評価をする有効性の
(b) 機器を操作したり、 使っているところを録画
確認 (validation) です [1]。 設計段階では気が
し、 安全に影響を与えそうな操作や使用状況を
つかなかった事項や誤操作を誘発する使い方
チェックし、 問題個所を特定します。
を有効性の確認で行います。
(c) 更に、 操作や使用状況に対して、 過去の
前者の検証の場合、 事前にウエイト付けされ
事故データベースと人間の特性から予測される
た設計項目が実現されているのか調べます。 ウ
問題点を幅広く抽出します。
エイトの高い項目は重要なので実現させねばな
りません。
2.チェックリストを活用する
後者の有効性の確認の場合、 試作品だと実
本シリーズ三回目で述べた安全設計6項目を
際に動きますので問題は無いのですが、 製品
使って評価をします。 以下に安全設計6チェッ
のモックアップ ( 模型 ) はあくまでも形状の確認
ク項目とそれ以外の項目を以下に示します。 こ
用なので推測を加えながら検討する必要があり
れらの項目は上位概念なので、 評価する対象
ます。 いずれにせよユーザーの多様な使い方
により下記の具体的な評価項目を定めます。 ま
を推測して評価しなくてはいけません。 この推
た、 その構造化コンセプトや使われる状況など
測をする際、 評価者の人間に対する幅広い知
から評価項目のウエイト付けもするようにします。
識、 人間工学の知識や過去の事故データベー
特にウエイトの高い項目は優先して安全性を阻
スが必要となります。
害する要素を排除しなくてはなりません。
<安全評価6チェック項目>
①危険の除去がされているか
具体的な評価方法
②フール ・ プルーフ (fool proof) 設計が行わ
れているか
1.プロトコル解析を使う
③タンパー ・ プルーフ (tamper proof) 設計が
安全性の評価方法はいろいろ提案されてい
行われているか
ますが、 扱いやすく簡単で実用的な方法として
④保護装置 ( 危険隔離 ) が設けられているか
プロトコル解析があります。 この方法は、 ユー
⑤インターロック機能を考えた設計となってい
ザーに製品を使ってもらいながら、 思ったこと
るか
感じたことを述べてもらう方法です。 通常、 喋っ
⑥警告表示がされているか
てもらうため練習をした上で、 行うのですが、 ど
<それ以外のチェック項目>
うしても一人だと考え込んだり、 夢中になって、
(a) 「情報入手」 のチェック項目 ( 図 1) →錯視
42
安全研究だより
を避ける
④現在の操作状況が分かり、 何をすべきか
わかるか
・ 何をすべきか分からないとユーザーは混乱
④集中して見る
①手がかり
して誤操作につながる
⑤分かりやすい情報 (用語) か
②関係性
③不足
情報は?
ノイズ
(c) 「操作」 のチェック項目 ( 図3) →操作すると
きの確実性が求められる
①使い易くなっているか
図1 「情報入手」 のチェック項目
①手がかりに関する情報を的確に入手できる
②フィードバック
か
①使いやすいか
・ 重要な情報は強調されているか―――
見落とし防止
図3 「操作」 のチェック項目
②情報間の関係を明確になっているか
(適
③必要情報が不足していないか
正な作業姿勢の確保、 操作具とのフィット
④集中して見ることができるか 性と最適操作力の確保、 操作が簡単)
・ レイアウトが複雑か、 アニメのようなノイズが
②フィードバックが確保されているか
あるのか
(d) 作業時間に関するチェック項目
(b) 「理解 ・ 判断」 のチェック項目 ( 図2) →誤
・ 最適な休息時間を設けているか
操作とつながる理解 ・ 判断をしない
(e) 使用環境に関するチェック項目
①動作原理がわかるように考慮されているか
・照度、 作業スペース、 騒音、 気温、 湿度、
( メンタルモデルを容易に構築できるか )
他は最適か
②操作するのにユーザーレベル以上の知
(f) 運用面に関するチェック項目
識、 理解力を要求しているか
① HMI の運用方針が決まっているか
・ 初心者用の機器操作に中級者以上の知識
②メンバー間での情報の共有化がなされてい
や理解力が必要になっているのか
るか
③扱う情報やインタフェースの構造がシンプ
③メンバーのモチベーションが高いか
ルになっているか
(扱う情報やインタフェースが複雑であると
3.タスク分析+ FMEA 誤使用を誘発する)
タスク分析に FMEA(Failure Mode and Effect
分かりやすい情報か (用語) か
何をすべきかわかるか
情報やインタフェースの構造がシンプルか
ユーザーレベル以上の知識、 理解力を要求しているか
動作原理がわかるように考慮されているか
図2 階層化された 「理解 ・ 判断」 のチェック項目
43
Analysis) を加えた分析方法です。タスク分析は、
いるとき、 間違えて元栓を切ってしまいました。
タスク毎のユーザーの行う操作や作業の問題点
この場合は、 安全性を阻害する事態とはなりま
を抽出する方法です。 タスク分析には、 機器
せんが、 このようにある定められた手順から逸
などの調査対象を人間と機械とのインタフェー
脱して操作をすることがよくあります。 誤操作の
スに絞って分析する3Pタスク分析 [2] と、 イン
大部分はこのような所定の手順から逸脱した操
タフェースだけでなくシステムやその運用面に
作と思われます。 このような誤操作を調べる方
対象を広げた5Pタスク分析 [3] があります。 一
法が状態遷移表 (Transition matrix (TM)) [4]
方、 FMEA は計画の段階で誤操作の発生確率
です。 TM を求めるために、 階層タスク分析
とそれによる影響度から誤操作の重要度を予測
(Hierarchical task analysis (HTA)) [4] と状態 ・
して対策を検討する方法です。 このタスク分析
空 間 図 (State/Space Diagram (SSD)) [4] か ら
と FMEA と一体化させることにより誤操作の問
求めるのですが、 操作が複雑でない場合は 、
題点の抽出とその重要さを事前に検討すること
直接 TM を求めることも可能です。 やり方は機
が可能となります。
械のある状態からある状態に変えるように操作
詳細は本シリーズ第二回目に書いてありま
することは正しい操作なのか違反操作なのかを
す。
判断します。 そこで違反と判断された操作は誤
操作となります。 図5に示すように From の状態
4.タスク分析+チェック項目+ FMEA
から To の状態への遷移が正しいのか違反なの
前述したタスク分析 (3P、 5P タスク分析)
が調べてゆきます。 例えば、 1 の空の電気ポッ
に誤操作チェック項目と FMEA を一体化して 、
トから2の水を入れないで、 3の電源スイッチを
誤操作を抽出することができます ( 図4)。
入れることは違反なので誤操作となります。 この
ようにチェックしてゆくと 7 つの誤操作を推測す
5.状態遷移表を活用する
ることができます。
筆者が現在住んでいる大学宿舎の風呂釜が
特に、 「タスク分析+チェック項目+ FMEA」
故障し、 新たに取り替えられた釜で操作をして
と TM の組み合わせを行うと、 網羅的に誤操作
タスク
情報処理プロセスにおける誤操作チェック項目
情報入手
①手がかり情報の
入手
②情報間の関係の
明確化
③必要情報の不足
④集中して見れる
か
理解 ・ 判断
①動作原理がわかるか
②必要以上の知識、 理
解を要求しているか
③情報やインタフェース
の構造がシンプルか
④現在の操作状況の把
握と何をすべきかわかる
か
⑤分かりやすい情報 (用
語) か
タスク1 ・ 操作上の手がかり ・ 情報やインタフェース
情報がない
の構造がシンプルでない
タスクn
操作
誤操作の重要度
影響度
重要度
① 使 い 易 い か ( 作 ①生じない
業姿勢の確保、 操 ②まれに
作具とのフィット性、 ③時として
最適操作力、 操作 ④しばしば
が簡単)
⑤ほぼ常時
②フィードバックの
確保
発生確率
①生じようがな
い
②微少
③軽度
④重度
⑤甚大
①無視
②許容可能
③受け入れな
い
④全く受け入れ
られない
・ フィードバックがな ②まれに
い
③軽度
③受け入れら
れない
図4 誤操作とその重要度を調べることができるタスク分析
44
安全研究だより
を抽出することができます。 前者の方法で各タ
で言えば循環器系といえます。
スクに対する誤操作の推測し、 後者の方法で
3.構成員のモチベーション
は操作手順上の逸脱した誤操作を推測すること
組織の方針や情報の共有化を実現する基礎
ができます。
的な事項として、 構成員のモチベーションを向
上させることは非常に重要なことです。 人間で
HMIの安全に関して
言えば各部位の活性化となります。
運用面から考える
ここ4回の連載を通じて、 疑問や質問があり
ましたら 、 事務局を通して遠慮無くご連絡くださ
HMI の安全性に関して、 今まで述べてきた
い。
ような人間と機械間で発生する危険ではなく、
HMI を運用する側面において危険を発生させ
<参考文献>
る要件を抽出する必要があります。 検討する視
1) 海保博之、 田辺文也 : ヒューマン ・ エラー 誤りから
点は下記の3視点です。
みる人と社会の深層、 p144-147、 新曜社、 1996
1.組織の方針
2) 山岡俊樹、 ヒューマンデザインテクノロジー入門、
組織の方針が明確になっていないと、 担当
P23-P29、 森北出版、 2003
者の行動規範が無くなり、 各自の判断で行動
3) 山岡俊樹、 ヒューマンデザインテクノロジー入門、
するようになります。 人間で言えば頭の部分と
P30-P32、 森北出版、 2003
いえます。
4) Neville Stanton ed.、 Human factors in consumer
products、 pp83-89、 Taylor & Francis、 1998
2.情報の共有化
5) Neville Stanton ed.、 Human factors in consumer
組織の方針が明確となり、 その情報を伝える
products、 P85、 Taylor & Francis、 1998
ためには情報の共有化が必要となります。勿論、
このためだけではなく組織を運用する上で、 構
成員の情報の共有化は大事な要素です。 人間
FROM (こちらから)
の状態
TO (こちらへ) の状態
1. 空の状態
2. 水を入れる
3. 電源ON
4. 加熱する
5. 沸騰する
6. 電源OFF
7. 注ぐ
1. 空の状態 2. 水を入れる 3. 電源ON 4. 加熱する 5. 沸騰する 6. 電源 OF F 7. 注ぐ
ー
L
I/A
ー
ー
ー
I/B
ー
ー
L
ー
ー
ー
I/C
ー
ー
ー
M
ー
ー
I/D
ー
ー
ー
I/F
L
ー
I/E
ー
ー
ー
ー
ー
ー
I/G
ー
ー
ー
ー
ー
ー
L
ー
ー
ー
ー
ー
ー
L
L : 正しい操作
I : 違反操作
M : 機械側の対応
A : 空の電気ポットにスイッチを入れる
B : 空の電気ポットから注ぐ
C : 冷たい水を注ぐ
D : お湯になる前に注ぐ
E : 水が沸騰する前に注ぐ
F : 沸騰する電気ポットの電源をOFFにしない
G : 電気ポットをOFFにする前にお湯を注ぐ
図5 状態遷移図 [5]
45
電気製品安全のために消費者に
求められる安全意識の向上と役割
日本消費者協会 消費生活研究所
消費生活コンサルタント
飯野 由喜枝
当然のことながら事業者は安全な製品を市場に送り出しているはずなのに、消費者の
元で製品事故が起き、消費者が被害を蒙るという現状があります。消費生活用製品安全
法の改正により、平成 19 年5月から重大製品事故情報の報告・公表制度、さらにこの4
月から同法の再改正による長期使用製品安全点検制度・安全表示制度が施行されました。
これらの制度が活用され、より安全な社会に近づくために電気製品を中心に消費者とし
ての意識、役割について考えてみました。
はじめに
成された消費者に対する注意喚起情報冊子で
す。 最近のリーフレットの中で採り上げている電
現在、 各地の消費生活センターで受けてい
気製品事故は、 暖房器具の事故 (№ 287) 電
る相談の多くは商品やサービスの契約に関する
子レンジを調理以外目的で使用する危険 (№
相談ですが製品事故に関する相談も入ってきま
283) 電気あんかの事故 (№ 281) 指を切断
す。 筆者の勤務する消費生活センターでも電
することもあるシュレッダー (№ 275) IH クッキ
気製品も含め年間数件の製品事故の相談を受
ングヒーター (№ 273) 電気ジャーポット (№
けています。 「製品の欠陥でけがをした。 メー
266) 子どものやけど (№ 262) などです。 また、
カーと話しがつかない。 損害賠償請求したいが
同センター発行の 「月刊国民生活」 2009 年6
どうすればよいのか」 「メーカーでの調査は信
月号には 「電気アイロンによる子どものやけど
用できないので事故品を渡したくない。 信用で
事故を減らすために」 として電気アイロンの商
きる機関で検査して欲しい」 「メーカーの事故
品テストの報告が掲載されています。
調査報告書が正しいか見てほしい」 など消費
電気製品は身近なだけに事故や危険も多く
者からの様々な苦情や相談があります。 NITE
報告されているのだと思われます。 また、 ここ
に相談し助言や調査をしていただいているケー
で示されている内容は消費者に暮らしの中での
スもあります。 このように製品事故が起きたとき
危険情報を知らせるものなので、 原因が誤使
消費者は事業者と対立してしまい解決の方法を
用、 不注意による場合、 長期間の使用品の場
消費生活センターに求めることも多いのです。
合が多く、 元々の製品自体の不具合 ・ 欠陥と
いうものはほとんど見当たりません。 したがって
消費者に対しては注意喚起としての意味があり
「くらしの危険」による啓発
ますが、 事業者はこれを誤使用、 不注意と思
国民生活センター発行のリーフレット 「くらし
い消費者の責任だとして事故を片付けるのでは
の危険」 はこのように全国の消費生活センター
なく、 どうして正しく使用できなかったのか、 勘
や協力病院から集められた事故情報をもとに作
違いしてしまったのか、 注意を怠ってしまうこと
46
生活者の視点
になったのかをも検証し、 より安全な製品開発
と回答しています。 (これは同協会の消費生活
の材料としてほしいと思います。 現にそのような
モニターが対象となっているためだと思われま
取り組みをしているメーカーも多数あるのも事実
す。 消費生活モニターに応募する人は一般の
です。
消費者より問題意識が高いので9割にもなって
いるのでしょう。) しかし、 驚くことに、 その中で
安全意識をもった消費者の
製品選び
説明書が 「わかりやすい」 と答えた人は2割も
いませんでした。 説明書でわからなかったとき
はどうしているのかについては 「自分なりに何
消費者が電気製品を購入しようとするときは、
とか操作した」 「周囲の人に何とか教えてもらっ
パンフレットや店頭で性能、 取り扱い方法など
た」 「メーカーに問い合わせて操作した」 と続
を比較検討します。 次にデザインや価格に注
いています。 ここで問題なのは 「自分なりに何
目します。 安全性を第一に考えているということ
とか操作した」 という場合です。 同誌も 「自己
はあまり聞きません。 製品はまず安全性に留意
流の操作が故障や事故の原因になることがメー
することが大事です。 特に小さいこどもがいる
カーは心配ではないのか」 と記しています。 最
家庭や高齢者世帯では重要なことです。 ここで
後に消費者が取扱説明書に望むことがあげら
製品の 「取扱説明書」 を見ることができればもっ
れていますが、 特に注目したいのは安全性に
と正確な情報が掴めるのですが、 殆どの場合
ついて、 「安全面に関わることは必ず目にする
「取扱説明書」 は製品と一緒に梱包された箱の
ところに記載してほしい」 「禁止事項はしつこい
中に入っているので見られません。 そこで実物
くらいに解説してほしい」 という要望が上げられ
をできれば試用し、 不明な点は販売員に質問
ていることです。 ここでは消費者の安全意識が
し、 購入後自分で安全に使用できると思えたら
感じられます。 また、 本誌第2号から6号に連
購入するくらいになればよいのですが。
載されていた 「商品の使いやすさとマニュアル
研究会」 によるコラム 「取説考」 にも 「…誤り
安全に使用する努力が必要
を招きやすい使い方に対する注意喚起を 「わ
かりやすく」 「目に触れやすい形」 での説明も
1.取扱説明書をしっかり読む
重要です。 …使い方を誤ると事故につながりか
購入した製品についている 「取扱説明書」
ねない商品については、 特に説明に配慮され
は操作方法のほか製品を安全に使用するため
た取扱説明書であることを強く望んでいます。」
に種々の注意が書かれている重要なものです。
とあります。 取扱説明書は誤使用を防ぐ第一の
日本消費者協会発行の 「月刊消費者」 2009
啓発となるものですから、 消費者は必ず読むと
年5月号には 「取説、 私たちはこうしてほしい
いう意識をもつこと、 メーカーには消費者に読
んです!」 との記事で家電製品の取扱説明書
みやすい取扱説明書を作ることをお願いしたい
についてのアンケート調査報告が載っていま
と思います。
す。 ここでは 「家電製品購入時、 付属されて
最近は、 リサイクル店、 フリーマーケットでの
いる取扱説明書を読みますか」 との問いに 「全
購入やインターネットオークションでの落札品な
体をよく読む」 「全体をざっと読む」 「必要なと
どで取扱説明書がなく使っていて事故を起こし
ころだけ読む」 をあわせて9割以上の人が読む
たという人の相談もあります。
47
2.わからないことはメーカーに聞く 含む) にも責務が課されています。 責務の内
消費者が家電メーカーのお客様相談室や
容は①製品の製造 ・ 輸入事業者に所有者情
サービスセンターに問い合わせをするのは製品
報 (ユーザー登録) の提供 (登録 ・ 変更) を
が故障したとき初めて電話することが多いので
する。 これは製品に同梱されている所有者票に
すが、 取扱説明書を見てもわからないところは
住所 ・ 氏名 ・ 製品の所在場所 ・ 法定点検等
すぐに聞く習慣をつけると良いと思います。 特
の通知方法等を記入し投函するか、 あるいはイ
に安全についてはすぐに聞いて確認することが
ンターネット、 電話、 携帯電話によって知らせ
大事です。
る方法があります。 ②製品の点検等の保守の
責務。 製品に表示されている点検期間に点検
3.リコール・社告などの危険情報のキャッ
を受けるということです。 ユーザー登録していれ
チ
ば事業者から点検通知が届きます。
「長年使っているハロゲンヒーターのスイッチ
これらの責務は違反しても行政処分を受けま
を入れると異常な音がするが大丈夫か」 との相
せん。 また保守 ・ 点検は有料となりますが重大
談がありました。 調べるとリコール製品で回収の
事故を防止するためにも消費者としての責務と
お知らせが大分前から出ている製品でした。 消
して果たしていくべきものです。
費者は新聞 ・ インターネットなどを通してリコー
長期使用製品安全表示制度も同時に施行さ
ル ・ 社告 ・ 重大事故公表の情報に注意を払う
れました。 これは経年劣化による重大事故発生
こと、 該当するリコール製品があったときは回収
率は高くないものの事故件数が多い製品5品目
に協力する、 日頃からこのような意識を持つこと
(扇風機、 エアコン、 換気扇、 洗濯機、 ブラウ
が望まれます。
ン管テレビ) について、 製品の製造 ・ 輸入事
業者に長期使用時の注意喚起を促す表示を義
長期使用製品安全点検制度に
おける消費者としての責務
務付けた制度です。 2009 年6月 10 日には扇
風機のメーカーから 【古い製品の使用中止の
お願い】 「販売年が 1977 年 (昭和 52 年) 以
長期間の使用での経年劣化により特に重大
前の扇風機につきましては、 モーター、 コード、
な危害を及ぼすおそれの多い9品目 〔屋内式
コンデンサー等の電気部品の経年劣化による
ガス瞬間湯沸器-都市ガス用 ・ LPガス用、 屋
発煙 ・ 発火のおそれがありますのでご使用を
内式ガスバーナー付ふろがま-都市ガス用、 L
中止ください」 との新聞広告が掲載されました。
Pガス用、 石油給湯機、 石油ふろがま、 密閉
30 年以上も前に製造された製品がまだ使用で
燃焼 (FF) 式石油温風暖房機、 ビルトイン式
きるということです。 消費者は電気製品は一度
電気食器洗機、 浴室用電気乾燥機〕 につい
お金を出して買ったら、 壊れるまで安全に使え
て点検制度が設けられました。 平成21年4月1
るものと思いがちです。 スイッチを入れても作
日以降に製造 ・ 輸入された製品 (点検等のサ
動しなくなったら廃棄するということを連想します
ポート体制の整備義務については試行日以前
が、 そうではなく経年劣化により事故が起きてし
の既販品も対象になる) の製造 ・ 輸入事業者、
まうケースもあることを知らなければいけません。
販売事業者等、 関連事業者 (不動産取引仲
消費生活センターでよく受けるクリーニングトラ
介事業者等) への各種義務 ・ 責務に加え、 製
ブルの相談の際、 基準としている全国クリーニ
品の所有者である消費者 (家屋の賃貸人等も
ング生活衛生同業組合連合会が定めた 「クリー
48
生活者の視点
ニング事故賠償基準」 もその衣料品の平均使
用年数を基に損害額を算定しています。 電気
製品も平均使用年数があり経年劣化し、 それ
に起因する事故が起こる可能性があることを知
るべきです。
まとめ
消費者は製品を購入して単に使用するという
のではなく実生活の中で使い育てていくという
ように考えてみてはどうでしょう。 製品は製造段
階ではわからなくても、 消費者が使ってみて初
めて思わぬ危険や事故、 不具合の存在がわか
ることもあります。 そのようなときは実際に起きた
事故がどのような状況の下でどのようになったの
かをメーカーに具体的に知らせることで、 再発
防止、 製品の改良に役立ちます。 メーカーと
消費者は相対する関係ではないのです。 製品
をより安全でより使いやすいものとするために両
者がそれぞれの立場で役割を果たし、 そこに
国の施策が加わり三者が一体となって、 事故の
未然、 再発、 拡大防止に協力していくことが大
事だと思います。
49
事故情報収集制度とNITE
◎暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めています。
独立行政法人製品評価技術基盤機構 (NITE) は、 経済産業省の製品安全行政の一環として、
暮らしの中で使用する製品で起こった事故の情報を集めています。 平成 19 年5月改正消安法が施行
され、 重大製品事故の発生を知った製造 ・ 輸入事業者は、 国へ事故の情報を報告することが義務づ
けられました。 この消安法に基づいて国へ報告される重大製品事故以外の事故は NITE で収集して
います。 なお、 最新の受付情報は、 毎週公表しています。
NITE は、 昭和 49 年 10 月から事故情報を収集しています。
◎集めた事故情報を調査し、 その結果を公表して製品事故の未然 ・ 再発防止
に役立てています。 (被害者救済のための調査等は行っておりません)
NITE は、 集めた事故情報のすべての事故についての内容を調査 ・ 分析し、 必要な場合には原因
究明のためのテスト等を実施しています。 調査結果は、 学識経験者や消費者代表等により構成され
る事故動向等解析専門委員会による審議 ・ 評価を経た上で、 事故原因や事業者の再発防止措置を
含め、 定期的に公表しています。
また、国へ報告された重大製品事故のうち、安全性に関する技術上の調査が必要なものについては、
経済産業省の指示により、 NITE が調査を行っています。
◎必要な場合、 経済産業省から行政上の措置が講じられます。
集めた事故情報や調査・分析状況は、 随時、 経済産業省及び消費者庁に報告し、 必要な場合には、
経済産業省から事業者や事業者団体に対して行政上の措置が講じられます。
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●編集後記
◇4月から「製品安全センター」と改称し、製品安全業務に向けて新たなスタートを切りました。「経年劣化
対策室」や「リスク対策室」を設置し、多方面から製品事故の未然・再発防止に向けた業務の強化を図ります。
◇製品安全業務の強化に向けて、新たに「ちらし」の作成を始めました。これまで誤使用事故をまとめた「消
費者向け 身・守りハンドブック」のほか、シーズンごとに多発する事故をまとめたリーフレットを作成して
配布してきましたが、
「ちらし」は A 4サイズでほぼ月に2回作成し、NITEホームページに掲載しています。
主な目的は、地域の回覧板などで配布してもらうことで、そのために「カラー」と「白黒」対応できるような
ものに仕上げています。内容としては、事故防止啓発用の「こんな事故にもご用心」とリコール情報をまとめ
た「リコールなど注意を呼びかけています」の2種です。今後も多くの方に安全情報を届けるために、新たな
手法をどんどん開発していきたいと思っています。
◇恒例の「製品安全業務報告会」を今年も東京・大阪でそれぞれ開催します。毎年、NITEからの各種発表
のほか、ポスターセッションを行っています。特にポスターセッションは直接事故品などを前にして、担当者
に直接質問ができるとあって好評です。今年度の「製品安全業務報告会」は、新たな趣向として特別講演やパ
ネルディスカッションも予定しています。多方面の方々からの製品安全についてのご意見など、『大豊作』の
実りある秋の1日を過ごして頂きたいと思っています。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 編集者
************************
○生活安全ジャーナル編集委員会
○生活安全ジャーナル編集事務局
長田 敏 鬼頭 茂芳 田中 ちずる 三好 英樹 山田 秀和 高寺 慎吾 用貝 成 子 長田 竜徳
ヒ ニ
「第二火曜日は火二注意」
経済産業省では、 平成 19 年3月より、 毎月第2火曜日を製品安全点検日と定め、 製品安全
についてのセミナーを開催したり、 消費者へは情報提供や注意喚起を行っています。
平成 21(2009)年 11 月第8号発行
〈編集〉
生活安全ジャーナル編集事務局
〒 540 ー 0008
大阪市中央区大手前 4 ー 1 ー 67 大阪合同庁舎第2号館別館
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE:ナイト)
製品安全センター 製品安全調査課
電話:06 ー 6942 ー 1113 FAX:06 ー 6946 ー 7280
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NITE製品安全センター(製品安全担当部門)、
各支所のご案内
北海道支所
東北支所
北陸支所
製品安全センター(大阪)
中国支所
北関東支所
九州支所
中部支所
四国支所
製品安全センター(東京)
製品安全センター
製品安全センター(大阪)
〒 540-0008 大阪府大阪市中央区大手前 4-1-67 大阪合同庁舎第2号館別館
製品安全調査課 電話 06-6942-1113 FAX 06-6946-7280 (事故情報に関する照会)
製品安全技術課 電話 06-6942-1114 FAX 06-6946-7280 (事故の報告 ・ 通知等の問い合わせ)
フリーダイヤルファックス 0120-23-2529 (事故の報告 ・ 通知)
製品安全センター(東京)
〒 151-0066 東京都渋谷区西原 2-49-10
技術業務課
電話 03-3481-1820 FAX 03-3481-1934
北海道支所 〒 060-0808 北海道札幌市北区北八条西 2-1-1 札幌第一合同庁舎
電話 011-709-2324 FAX 011-709-2326
東北支所
〒 983-0833 宮城県仙台市宮城野区東仙台 4-5-18
電話 022-256-6423 FAX 022-256-6434
北関東支所 〒 376-0042 群馬県桐生市堤町 3-7-4
電話 0277-22-5471 FAX 0277-43-5063
中部支所
〒 460-0001 愛知県名古屋市中区三の丸 2-5-1 名古屋合同庁舎第2号館
電話 052-951-1931 FAX 052-951-3902
北陸支所
〒 920-0024 石川県金沢市西念 3-4-1 金沢駅西合同庁舎
電話 076-231-0435 FAX 076-231-0449
中国支所
〒 730-0012 広島県広島市中区上八丁堀 6-30 広島合同庁舎第3号館
電話 082-211-0411 FAX 082-221-5223
四国支所
〒 760-0023 香川県高松市寿町 1-3-2 高松第一生命ビルディング5F
電話 087-851-3961 FAX 087-851-3963
九州支所
〒 815-0032 福岡県福岡市南区塩原 2-1-28
電話 092-551-1315 FAX 092-551-1329
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* Your assessment is very important for improving the work of artificial intelligence, which forms the content of this project

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