Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)

Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)
Technical white paper
Red Hat Enterprise Virtualization
(RHEV)on HP ProLiant DL980 G7
サービスリリースまでのリードタイムの短さ、状況の変化に迅速に対応できる優れた柔軟
性、高いリソース利用効率によって可能になる投資コストの抑制といったメリットから、ビジ
ネス分野や学術分野をはじめ社会の至る領域で、仮想化インフラ、さらにはプライベートク
ラウドがIT環境の構築手段として当たり前に採用されるようになってきた。こうした状況の
中、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)
に標準搭載されるオープンソースの仮想化機能「KVM
(Kernel-based Virtual Machine)」、およびKVMの管理性を飛躍的に高める統合仮想化管
理ソフトウェアである「Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)」に関心が集まっている。
信頼性や管理性、パフォーマンスに優れ、コスト効率も高い仮想化インフラを実現する有効
なソリューションと目されるからだ。このホワイトペーパーでは、こうしたKVMとRHEVの主
要な特長を紹介するとともに、この両者とインテル® Xeon® プロセッサーE7ファミリーを最
大8基(80コア)搭載でき、最大メモリーも4TBと潤沢なリソースを提供できるHP ProLiant
DL980 G7との組み合わせで実現する、これまでの常識を覆す仮想化インフラについても言
及する。
1. コストパフォーマンスの良さと圧倒的なスケーラビリティで選ばれるKVM
KVMの誕生は2006年に遡る。当初からオープンソースで開発されていたKVMは、翌2007年、Linuxカーネルのソースコードに
取り込まれ、Linuxカーネルと統合(図1)。Linuxの提供する標準の仮想化機能としての地位を確立する。そして、企業システム
で実績のあるRHELでも、2010年にリリースされたRHEL 6から標準搭載になったことで、仮想化インフラソリューションの新し
い選択肢として大きな注目を集めるようになった。
KVMは、次ページに記したように、多くのアドバンテージを備えるが、中でも特筆すべきは、その圧倒的なパフォーマンスとス
ケーラビリティだ。仮想化環境のベンチマークであるSPECvirt_sc2010で実際に記録されたパフォーマンススコアでは、HP
(図2)
ProLiantDL980 G7との組み合わせが非常に高い性能を発揮している。
図1. KVMのアーキテクチャー
通常のLinuxの
ユーザー
プロセス
インテル® Xeon® プロセッサー
E7 ファミリー
通常のLinuxの
ユーザー
プロセス
ゲストモード
ゲストモード
仮想マシン
(QEMU)
仮想マシン
(QEMU)
Linuxカーネル
KVMドライバー
ハードウェア
Intel VT
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KVMが備える主なアドバンテージ
• Linuxに提供されているデバイスドライバーをすべて利用できる
• Linuxカーネルに追加される新機能や機能改善がKVMでも利用できる
(例えば、CFS、Cgroup、Tranparent Hugepageなど)
• 世界/国内のクラウドサービスで多くの稼働実績を持つ
(例えば、HP「HP Cloud Services」、NTTコミュニケーションズ「Bizホスティング ベーシック」、ソフトバンクテレコム「ホワイトク
ラウド」、KDDI「KDDIクラウドプラットフォームサービス」など)
• OSSならではのコストパフォーマンスの良さ
図2. SPECvirt_cs2012のスコア上位を占めるKVM
10,000
パフォーマンススコア
(左目盛り)
VM数(右目盛り)
8,000
600
1位
Red Hat Enterprise Linux 6.1(KVM)
500
HP ProLiant DL980 G7
Processor: Intel Xeon E7-4870
(80cores, 8chips) Memory: 2TB
(128×16GB)
400
2位
Red Hat Enterprise Linux 6.1(KVM)
6,000
300
4,000
200
2,000
100
0
0
5位
4位
3位
2位
1位
(2013年6月現在)
出典: spec.org All SPECvirt_sc2010 Results Published by SPEC
HP ProLiant DL980 G7
Processor: Intel Xeon E7-4870
(80cores, 8chips) Memory: 2TB
(128×16GB)
3位
Red Hat Enterprise Linux 6.0(KVM)
IBM System x3850 X5
Processor: Intel Xeon E7-4870
(80cores, 8chips) Memory: 2TB
(128×16GB)
4位
Red Hat Enterprise Linux 6.0(KVM)
IBM System x3850 X5
Processor: Intel X7560
(64cores, 8chips) Memory: 2TB
(128×16GB)
5位
Red Hat Enterprise Linux Server 6.1(KVM)
http://www.spec.org/virt_sc2010/results/specvirt_sc2010_perf.html
HP ProLiant DL580 G7
Processor: Intel Xeon E7-4870
(40cores, 4chips) Memory: 1TB
(64×16GB)
2. KVMに優れた使い勝手を提供する統合仮想化管理ソフトウェアRHEV
比較的新しい仮想化ソリューションであるKVM、およびその活用をサポートする管理環境は、オープンソース特有の開発者コ
ミュニティの活発な貢献によって年を追うごとに急速な進化を遂げている。その進化の大きな節目は二つある。一つ目は前述
したKVMのLinuxカーネルへの統合だ。そして、もう一つは、Red Hat社が中心になって2012年に達成した、KVMベースの統合
仮想化管理ソフトウェアであるRHEVのフルオープンソース化である。Windowsベースだった管理機能の中核であるRed Hat
Enterprise Virtualization Manager(RHEV-M)がJavaアプリケーション化され、RHEV 3.1ですべてがオープンソース化されたこ
とにより、KVMをベースとした仮想化ソリューションの管理性は飛躍的な進化を始める。
RHEVの基本的な製品パッケージは、KVMをベースとしたハイパーバイザーである「RHEV Hypervisor」、豊富な管理機能をホス
トOSとゲストOSの両方に一括して提供するRHEV-M、という二つのコンポーネントで構成されている(図3)。管理性という面に
フォーカスすれば、RHEVを利用することにより、高可用性やライブマイグレーション、ストレージライブマイグレーション、システ
ムスケジューラなどの高度な管理機能も可能になる。管理操作はコンソールを介した操作に加え、一目で操作内容や稼働状況
などを把握できるグラフィカルなインターフェースを採用。担当者のスキルに応じた管理操作が可能だ。そして、実際に仮想化
インフラやプライベートクラウドを導入し、本格的な運用フェーズに入ってから浮上しやすい仮想化インフラの最適化や利便性
向上、運用管理といった実務面での課題に対する十分な配慮もなされている。こうしたプライベートクラウドの運用管理の中心
的な役割を担うのが、
「ユーザーポータル」
と
「リソースクォータ」
という二つの機能だ。
図3. RHEV 3.2の基本アーキテクチャーとサポートゲストOS
ディレクトリサービス
Active Directory
RHEL IPA
Red Hat Directory Server
Webブラウザ
管理者ポータル
CLIシェル REST API
Webサービス
Webアプリケーション
Webブラウザ
ユーザーポータル
サポートするゲストOS
ストレージ
ドメイン
Webアプリ
ケーション
バックエンド
(Red Hat JBoss EAP)
Red Hat Enterprise Linux
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
VDSM
PostgreSQL
libvirt
コンソール
アクセス
VDSM
libvirt
SPICE
VNC
インテル® Xeon® プロセッサー
E7 ファミリー
Red Hat Enterprise
Virtualization Hypervisor
●主要なWindowsのバージョン
Windows Server 2012 R2(64bit)
Windows Server 2008 R2(64bit)
Windows Server 2008(32bit/64bit)
Windows Server 2003 SP2 以降(32bit/64bit)
Windows 8(32bit/64bit)
Windows 7(32bit/64bit)
Windows XP SP3 以降(32bit)
(2013年6月現在)
または
Red Hat Enterprise
Linux Host
●主要なLinuxディストリビューション
Red Hat Enterprise Linux 6(32bit/64bit)
Red Hat Enterprise Linux 5(32bit/64bit)
Red Hat Enterprise Linux 4 ELS(32bit/64bit)
Red Hat Enterprise Linux 3 ELS(32bit/64bit)
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3. RHEVを特徴付ける、ユーザーポータルとリソースクォータ
ユーザーに自由な設定変更などを可能にする“自治権”を提供するユーザーポータル
物理サーバーを集約しただけの単純な仮想化インフラにとどまるか、あるいは企業や研究機関などの組織全体の競争力を引き
上げるプライベートクラウドとして活用できるか。この両者を決定的に分けるのは、仮想化ソフトウェアに「オンデマンド・セルフ
サービス
(On-demand self-service)」の機能が備わっているかどうかにかかっているといわれる。
NIST(アメリカ国立標準技術研究所)によるクラウドコンピューティングの定義の中でも、クラウドの基本的な特徴のまず第1番
目に「オンデマンド・セルフサービス」のことが示されている。つまり競争力向上の源泉であるべきプライベートクラウドには、組
織内のユーザーが各サービスを利用しようとする際に、サービス提供者であるIT担当部門と直接やり取りすることなく、業務内
容やワークフローの変化に伴うデマンドに応じてコンピューティングリソースを迅速に最適化できることが必要なのだ。RHEVで
は、このオンデマンド・セルフサービスの機能を「ユーザーポータル」という機能で提供している
(図4)。一方、仮想化インフラの
全体的な管理および操作を行うIT部門向けには、
「管理者ポータル」機能を提供(図5)。
「ユーザーポータル」が提供する機能は
「管理者ポータル」とは別に提供されるウェブサービスだが、管理者ポータルと同じRHEVサーバー上のRed Hat JBoss EAP上
で稼働する。このため、
「ユーザーポータル」のために別途サーバーを用意する必要はない。ユーザーポータルから実行可能な
操作は次のとおりだ。
●仮想マシンの作成・変更・削除 ●仮想マシンの起動・停止・再起動 ●仮想マシンの仮想コンソールへの接続
●仮想マシン内へのOSのインストール ●テンプレートイメージからの仮想マシンのプロビジョニング
●リソースクォータの利用状況の確認 ●仮想マシンへのシングルサインオン
図4. ユーザーポータルのメイン画面
各部門などのサーバー担当者は、IT部門へ依頼することなく、直接ユーザーポー
タル画面から仮想マシンの稼働状況の確認や設定テンプレートの適用、リソース
設定の変更などを詳細に行うことができる
図5. 管理者ポータルのメイン画面
IT部門が使用する管理者ポータルからは、仮想化ホストの追加、ネットワーク構成
の定義、ユーザーの管理および権限の付与、仮想マシンの作成や仮想コンソー
ルへの接続など、仮想化インフラの全体に影響が及ぶ操作を詳細に実施できる
リソースの使用上限をユーザー権限ごとに定めておけるリソースクォータ機能
RHEV3.1から加わった管理者ポータルの新機能。組織のディレクトリーサーバー上の認証情報に基づき、グループやユーザーご
とに利用できる仮想化リソース量の上限を設定する認可の仕組みを実現する(図6)
。認証は、Active DirectoryやRHEL IPA、Red
Hat Directory ServerといったRHEVがサポートする認証システムと連携し、組織の構造に応じて仮想化環境の権限を付与でき
る。定義されたリソースの消費状況は、RHEVのユーザーポータルの画面から確認できる。
リソースクォータ機能により、IT部門にとっては特定ユーザーがリソースを独占してしまう事態の回避、ユーザー部門にとっては
IT部門の一括管理による自由度制限への不安払拭、などが期待できるため、スムーズなクラウド環境への移行が可能になる。ま
た、また、部門ごとに複数の仮想化環境が乱立するといった事態を阻止する取り組みの一つにもなるだろう。
図6. リソースクォータ機能の関連画面
インテル® Xeon® プロセッサー
E7 ファミリー
左は管理者ポータルのリソースクォータ設定画面。ユーザーごと、グループごと、ロールごとなどに詳細に使用できるリソースの上限を設定できる。右はユーザーポータ
ルのリソース割り当て確認画面。リソースの種類ごとに上限や使用量を確認できる
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4. 8ソケット、メモリー4TBというHP ProLiant DL980 G7の飛び抜けた価値
仮想化インフラやプライベートクラウドをいざ構築しようとする際、選択肢としてイメージするのは2ソケット、あるいは4ソケット
のサーバーであることが多い。その背景には選択肢となるベンダーの豊富さ、仮想化ソフトウェアのライセンス料金の抑制、と
いったことがあるのかもしれない。しかし、KVMベースであるRHEVを仮想化ソフトウェアとして採用するケースでは、圧倒的な
数の仮想マシンを安定的に稼働させることのできるスケーラビリティを備えていること、ライセンス料金がソケットごとのリーズ
ナブルな体系になっていること、といったメリットを享受できることから従来の発想に縛られない、新しい選択肢を想定すること
が可能になる。
その筆頭候補ともいえるのが、HP ProLiant DL980 G7である。HP ProLiant DL980 G7は8ソケットのスケールアップサーバーで
あり、高性能なインテル® Xeon® プロセッサーE7ファミリーを最大8基(80コア)、メモリーも最大で4TBまで搭載できる。シング
ルサーバーでありながら、これだけの潤沢なリソースを利用できるサーバーは貴重な存在だ
(図7)。
こうしたスペックをフルに活用できるよう、Red Hat社も特別なサポート対応をHP ProLiant DL980 G7に対して取っている。例え
ば、RHEV 3.2では、ホストOSが利用できるメモリー容量の標準の上限は2TBである。これに対し、HP ProLiant DL980 G7の場合
は4TBまで利用できる。もちろん、冒頭に紹介したSPECvirt_2010のスコアでも、KVMと組み合わせたときのパフォーマンスの
高さは実証されている。
RHEVの提供するユーザーポータル、リソースクォータ機能などを活用すれば、HP ProLiant DL980 G7の搭載する巨大なリソー
スを効率良く利用することが可能だ。しかも、HPが実施したSPECvirt_sc2010の検証結果では、最大で552台の仮想サーバー
を1台のHP ProLiant DL980 G7上で稼働できることが証明されている。物理サーバー1台あたりの仮想マシンの集積度が高
まることにより、仮想化インフラ全体の運用管理を担うIT部門にとっても管理負担の大幅な削減が期待できる。HP ProLiant
DL980 G7+RHEVという組み合わせを仮想化ソリューションの選択肢として検討する価値は多いにあるだろう。
図7. HP ProLiant DL980 G7を使った仮想化インフラの推奨構成
HP ProLiant DL380p Gen8
RHEV管理サーバー
仮想化リソースを
管理するマネージャー
HP ProLiant DL980 G7
RHEV仮想化ホスト群
仮想マシンを稼働させる
KVMホスト
RHEV 3.2のサポートスペック
一般のサーバー HP ProLiant DL980 G7
ホストOS
CPU数
メモリー容量
ゲストOS
CPU数
メモリー容量
160コア
160コア
2TB
4TB
160コア
160コア
2TB
2TB
HP 3PAR StoreServ 7450
共有ストレージ
仮想マシンのイメージ保存先
インテル® Xeon® プロセッサー
E7 ファミリー
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HP ProLiantに関する情報は http://www.hp.com/jp/proliant
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またはその他の国におけるIntel Corporationの商標です。
Linuxは、Linus Torvalds氏の登録商標です。
“Red Hat”は、米国Red Hat, Inc. ならびにその子会社の登録商標です。
記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
記載事項は2013年9月現在のものです。
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