光ヘテロダイン変位計HV250

光ヘテロダイン変位計HV250
Optical Measuring Instruments and Parts
光ヘテロダイン変位計 HV250
取扱説明書
フォトンプローブ
株式会社 Photon Probe, Inc.
Optical Measuring Instruments and Parts
<< 目次 >>
1.光ヘテロダイン変位計概要 3
1−1.光計測の概要 3
1−2.光ヘテロダイン計測の概要 4
1−3.測定精度の概要 5
1−4.測定ビーム光 6 2.構成 7 3.機能 8
3−1.概要 8 3−2.仕様 8
3−3.表示 9 3−3−1.データ表示 9
3−3−2.インジケータ表示 9 3−4.出力 10
3−4−1.デジタル出力 10 3−4−2.アナログ出力 10
4.使用前の注意 11
5.操作 12
5−1.概要 12
5−2.フロントパネル 13
5−3.リアパネル 14
5−3−1.デジタル出力のピン配置 15
5−3−2.SET信号とデジタル信号の関係 16
6.プローブ図面 17 7.消耗品 20
8.調整等の対応 20 Photon Probe, Inc.
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1.光ヘテロダイン変位計概要
光ヘテロダイン変位計HV250は、計測原理として光ヘテロダイン計測方法を用いています。その原理を理解し
て頂いてご利用ください。また基本的に被測定物からの反射光に情報が含まれていますので、反射光を検出でき
ないような状況下では測定できません。反射光がプローブに戻るような状態に調整を行ってからご使用ください。
光計測、および光ヘテロダイン計測方法の概要を以下に示します。
<測定原理概要>
1−1.光計測の概要
通常レーザ光は単色光であり、コヒーレント性の高い光です。個体レーザやガスレーザはその波長までもが安定
しています。そのため、現在、国際基準の長さ標準にレーザ波長が使われています。標準に使われるほど安定し
てはいませんが、通常のHeNeレーザもその周波数は6桁まで安定しています。従って、この波長の安定性を用い
て長さ測定に使えれば精度の高い測定になります。レーザ光を用いた光計測の優れた点がここにあります。
しかしながら、レーザ光の周波数は、約500THz
と極めて高く、現在この周波数を直接観測することができません。
処理可能な周波数帯域まで下げることが必要となります。この問題点に対し、レーザ光のもうひとつの特徴、高コ
ヒーレンス性、を用いて光干渉操作をすれば周波数を下げることが可能になります。ニュートンリングをはじめとする
干渉縞は波長のオーダーの距離を具現化しています。これはきわめて短い波長が干渉効果によって測定の対象
になることを示しています。この干渉縞が変動すれば、干渉縞を作り出している2つの面の間の距離が変動してい
ることと直結します。この干渉縞の濃淡の変動をカウントする方式がフリンジスキャン方式の原理です。光ヘテロダ
イン方式も基本的に干渉縞を用います。しかしながら、濃淡を計測するのではなく、干渉縞の位相を計測します。こ
の位相を計測するために、ヘテロダイン方式(
これに対してフリンジスキャン方式はホモダイン方式と呼べます。た
だゼーマンレーザを用いた方式もあり全てがホモダイン方式ではありません)
を用います。これにより、信号処理を
容易にしています。
干渉性についてもご理解ください。光は電磁波で電場ベクトル、磁場ベクトル、ポインチングベクトルで表されま
す。
電場が磁場を作り、またその磁場が電場を作る、これを猛烈なスピードで繰り返して光はポインチングベクトルで示
す方向に伝播しています。等方性のある空間では、この3つのベクトルは互いに垂直です。2つの光が干渉するた
めには、この2組のベクトル群が独立ではなく、相互作用しなくてはなりません。相互作用する2つの電場をE1,E2
で表すと、相互作用強度はスカラー的に表現しますと
*E1+E2*2=E12+E22+2E1E2
と展開される第3項の大きさです。本プローブではE1に相当する光は出射口より出射されます。E2に相当する光
はプローブ内で折り返され、被測定物から反射した光(
この反射光が上式でのE1光になります)
と干渉します。E2
光は調整済みですので、ある一定値です。しかしながら、E1光は反射状況により大きくその値を変化させます。で
きるだけ反射光量が大きいことが前提になることがお解りいただけると思います。HV250では、反射光が出射光の
2%程度でも計測できるように設定されています。
光強度以外に相互作用強度を最大にさせる理想的な状況があります。それは次の3つを条件を満足することで
す。
(
1)
光ビームの中心が一致すること
(
2)
光ビームの光軸が一致すること
(
3)
光ビームの偏光方向が一致すること
どの程度条件を満足できるかで、干渉強度が異なります。 (
1)
の条件は、光の重なりがなければ相互作用も起き
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ないこと、及び、レーザ光強度はガウシアン分布していますので、最大の重なりは中心が一致すること、からお解り
かと思います。(
2)
及び(
3)
の条件は、2つの光の電場ベクトルの内積の関数で相互作用強度が表されることより、
角度ずれのない場合が最大の強度を引き起こすこと、からお解りかと思います。
(
1)
の中心の一致はガウシアン分布で反射光が存在する際は判別しやすいのですが、拡がりのある場合、肉眼
では判別が難しくなります。その際は概略での一致で十分です。(
2)
の光軸の一致は(
3)
の偏光方向につきまして、
被測定物がミラーであることより、出射光は両出射口とも直線偏光光です。途中に介在する物体が旋光性を持たな
い限り、プローブ内での干渉の偏光方向は一致させてありますので、特に注意を払う必要がありません。
干渉させるために、計測値を得るために、2つの光ビームの光軸を合わせることの必要性、および反射光がある
程度以上必要なこと、その反射光の特性がお解り頂けたと思います。測定の際には最大の干渉強度になるように、
調整をお願いします。
1−2.光ヘテロダイン計測の原理概要
2つのわずかに周波数の異なるレーザ光を干渉させると、干渉光は差周波数のビート信号が発生します。この
ビート信号は、干渉させる光の情報を含んでいます。下図のような干渉計において
レーザ光周波数に極めて近い、相異なる2つの周波数を持つ測定光と参照光の内、測定光のみを測定面に照射
します。測定面からの反射光と参照光を干渉させます。その干渉光の信号は次式で表現されます。
L
ビート信号=A×SI
N(2B(
f
1−f
0)
t
+2B )
8
と表現されます。距離Lが時間とともに変動しても、位相を計測すれば、長さ基準の物差しとして、レーザ波長()
を用いて計測できることが知れます。これが基本的な測定原理です。ヘテロダイン方式の利点は周波数をf
1−f
2
で与えられる低周波に落とし、電気信号処理できる帯域にすることができる点にあります。(
光周波数=約500TH
z
、f
1、f
2周波数=約80MHz
、差周波数=約10MHz
、もちろん500THz
は直接計測できません。しかし、その周
波数をf
1、f
2だけ、ほんのわずかだけシフト(80MHz
/500THz
=1.6×10^
−7)
させるだけで、上記のように
計算され、検出することができるのです。)
しかしながら、欠点もあります。位相を検出しており、計測時間間隔がある有限時間であるがために、
”
その計測時間間隔内に2の位相を越えた場合、信号からはその2(
の整数倍)
の値を認識できない”
ことが欠点です。反射光測定の場合、往復がありますので、被測定物の変動距離の2倍を認識することより、計測
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時間間隔内に”
波長の半分”
以上の変化がある場合、計測値は誤った答えを示します。これより、応答速度に上限
が生じます。この上限速度以内に被測定物の変動が収まっているか否か確認してご使用ください。特に、振動して
いる場合、最大速度を示す位置での値にご注意ください。上限はありますが、下限はありません。これは計測時間
間隔内に位相が変動しなくても、当然計測できることにあります。光ヘテロダイン方式はドップラー方式とは異なり、
被測定物が動くことによる効果(
ドップラー効果)
を必要としないためです。
位相計測ですので、ある基準の下で位相を決定しています。時間的には、”
ある瞬間”
での位相を基準にしてい
ます。この時刻は、RESETにより、ユーザが決めることができます(
RESETの操作に関しては該当項目をご覧くだ
さい)
。そして、位相変動を明確にするため、位相計測の基準として、(
上図には記載していませんが)
参照面の変
動を計測して求めています。この参照面は1ビーム出射タイプの場合プローブ内部にあります。2ビーム出射タイプ
の場合、参照面が外部に存在しているものとしてもとめますので、参照面を構成する必要があります。いずれの場
合も、参照面を基準にしていますので、参照面と測定面が同じ変動を有する場合、位相差の検出としてキャンセル
され、測定変位はゼロとなります。たとえば、参照面をベースにとり、測定面をこのベースの上に構成された測定対
象物の面にとれば、ベースの振動はキャンセルされ、測定対象物のみの変位が得られます。
1−3.測定精度の概要
波長の長さを物差しに距離が測定できることが知れましたが、その精度はレーザ等に依存します。それは、絶対
的な安定性を持つことができないからです。レーザを例にしますと、レーザの発生原理より、2つのミラー間が変動
しますと、わずかに波長が変動(
ミラー間距離は定在波波長の整数倍の条件により)
します。このミラー間距離を絶
対的に安定にすることは不可能です。重力があり、温度が変動し、湿度も変わり、振動もある、この環境下でミラー
間を固定することは不可能なのです。しかし、安定であるほど波長は安定します。その結果が現在のレーザ構造と
安定度に示されています。つまり、結晶やガラスなどで作った固体レーザは安定度が高く、ガスレーザはやや落ち
ます。半導体レーザは電流を注入することから自分自身で安定を阻害しています。安定性を、周波数揺らぎ/周
波数、で表現しますと、固体レーザは10^
−9程度、ガスレーザは10^
−6程度、半導体レーザは10^
−3程度です。
この値が測定精度にどのように影響するか説明します。上式で、測定距離が移動しない場合でも、この安定性の場
合、観測される位相の揺らぎは、固体レーザでは2B×10^
−9、ガスレーザでは2B×10^
−6、半導体レーザでは
2B×10^
−3です。この揺らぎを、波長が絶対で測定距離が変動したと認識したら、(
便宜上波長を500nmとしま
す)
安定化固体レーザでは5×10−7、ガスレーザでは5×10−4、半導体レーザは5×10^
−1nmの変動(見か
けの測定値)
と認識します。半導体レーザの場合でも、この値は一見小さく、問題ないように見えます。しかし、測定
は連続して行われます。1回の測定が10マイクロ秒の場合、1秒間に10^
5回の測定を行います。いっぽう、レーザ
の揺らぎは様々な周波数成分を含んでおり、10マイクロ秒で変化する成分のみだけではありません。従って、揺ら
ぎの影響として見かけの測定値を積算する必要があります。すると10^
5の積算では、安定化固体レーザで0.05n
m、ガスレーザでは50nm、半導体レーザでは5000nmになってしまいます。
このままでは、ガスレーザ、半導体レーザを用いた場合、安定性が悪く、精度がでないことになります。
固体レーザは特性は素晴らしいのですが、価格が高く安価に測定装置を製作するには向きません。そこで、安価
でかつ安定性の高いガスレーザが要求されます。弊社では、以上の理由により、周波数安定化HeNeレーザを開
発し、使用しています。仕様値で安定性(
周波数揺らぎ)
は10^
−8以下の値です。この値を上の議論に当てはめ
ると、10^
5の積算で、0.633nmとなります。HV250の分解能10nmに比し十分小さな値を実現しています。
更に次の問題もあります。
測定時間間隔の安定性
周波数の差(
f
1−f
2)
の揺らぎ、安定性
これらの安定性も問われなければなりません。
測定時間間隔は水晶発振器を用いており、10^
−6以上の高安定性を持っています。したがって、4:s
の時間間
隔のずれによる、測定値への影響は10^
−6以下となります。この値は周波数の安定度ですので、ホワイト成分と
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考えられます。したがって、測定値の誤差が蓄積する問題は考えなくて良いと思われます。
周波数の差の安定度は光の周波数の安定度とは別に発生します。光の周波数からわずかに異なる周波数を2
つ作り出し、その差を安定にしなければなりません。わずかに異なる周波数を音響光学効果を用いて作り出してい
ます。この効果を生み出すために、AOM(
音響光学素子)
を用いていますが、この素子に加えるRF信号のドライ
バの周波数の安定度がシフトした周波数の安定度と直結します。2つのドライバが独立に動作する場合、ドライバ
の安定性がそのまま周波数差に現れます。しかし、2つのドライバを連携させれば、同時性を利用できますので、
周波数差の安定度を高めることができます。差の周波数を安定化させることの策は色々あるところです。弊社では、
周波数シフタを開発し、10^
−6以下の値としています。これにより安定度を更に高めています。
*周波数安定化HeNeレーザ及び周波数シフタは単独で販売しております。
計測光学系を構成される際などには参照してください.
1−4 測定ビーム光
HV250は光ファイバーを用いて、本体とプローブを結合しています。そしてプローブから出射しています。従い
まして、光ファイバーからの出射光をコリメート光にできるだけ近づけたビーム形状(
横モードシングル、ガウシアン
分布)、ビーム拡がりにする必要があります。フォトンプローブは光ファイバ光学系も開発し、コリメート光に近いビー
ムを得て、プローブを小型化にしています。しかしながら、ビーム広がりは2mr
ad程度存在します。被測定物がプ
ローブから離れれば離れるほど、反射光がプローブに戻る際のビーム径は拡がり、干渉の項で述べたように干渉
強度を下げてしまい、ついには計測不能になります。従いまして、被測定物が遠方の場合、反射光量を上げる機
構が必要となります。(
たとえば、平面ミラーではなく、小さな曲率の凹面ミラーを利用されるなどです.)
(
本プローブでは1.2m遠方に平面ミラーを置き、中間に50%と45%透過の2枚フィルター(
反射光量は2度透
過しますので、出射光の0.5×0.5×0.45×0.45=5%に相当)
を介在させても計測できることを確認していま
す。プローブの入射口でのビーム径は目視で6mm(
1.3mr
ad程度の広がりに相当)
くらいです。)
なお、横モードシングル、ガウシアン分布であるほかに、光ビームは直線偏光光です.
<<ご注意>>光ファイバーは折れやすい部品であり、光を通さない限り、部品の破損は外観から判断できませ
ん。本体とプローブを結ぶ光ファイバーは金属管で保護しておりますが、金属管やプローブに強い衝撃.張力を与
えた場合などでは破損も生じます。取り扱いにはご注意ください。
*光ファイバからの出射光をコリメート光にする光学系も単独で販売しております。
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2.構成
HV250は2つの部分からなります
(
1)
本体
(
2)
プローブ(
本体とは光ファイバーで結ばれ、着脱はできません。光ファイバーは保護のために金属管で覆わ
れています。長さは2mです。)
基本的機能は以下のとおりです.
(
1)
本体
次の系からなります。周波数安定化HeNeレーザを有し、被測定物体へレーザ光を入射させ、反射光を検出する
プローブ、そのプローブにレーザ光を送り出す光学系。光を周波数シフトさせる周波数シフト系。プローブからの戻
り光を信号処理する信号処理系、及び、これらの電源系、です。
フロントパネル上に、計測結果が表示され、RESET入力端子及びスイッチ、アナログ出力レンジ切り替えスイッ
チ及び表示、インジケータ表示があります。
リアパネル上には、デジタル出力端子(
36ピン)
、アナログ出力端子(
BNC端子)
、AC100V入力コネクタ、ヒュー
ズボックス、電源スイッチがあります。
光学系等は、非常に微細な調整が含まれています。本体をあけることはお止めください。ましてや、光学系等を
調整することは絶対お止めください。(
弊社以外で調整された場合、弊社では責任を負いません)
。また微細な調
整を保護するために、衝撃や振動を極力避けてください。
** 微細な調整とは **
光ファイバーコア径は4mです。レーザ光はこのファイバーへの入出射を行います。1mの変動は光量を
変動させ、最悪の場合、プローブからの出射光量が減少し、消失してしまいます。
また、干渉計測ですので、干渉させる2つの光の電場ベクトルを合わせることが必要となります。干渉が阻害
されるほどにレーザ光が乱れますと、計測できなくなります。
微調理由をご理解いただいて、取り扱いにはご注意ください。
(
2)
プローブ
本体からのレーザ光を受け、外部に出射し、反射光を受け、干渉し、本体に戻す機能全てを含んでいます。出射
光は1本または2本です。ビーム径は出射口で約0.4mm、拡がり角は3mr
ad以下です。
出射光量は100uW以上です。取り扱う際は安全管理上、HeNeレーザ用のゴーグルを利用することをお薦めし
ます。直接目に入らないようにするほか、反射光が通行人の目に入らないようにも注意してください。
干渉はきわめて繊細な条件で実現します。プローブに圧力/振動等、が加わらないようにしてください。内部に
は光学部材があります。これらを損傷しないためにも、設置はプローブ底の取り付けビスを用いて行ってください。
取り付けビスはプローブ部でのネジ部長さが5mm以下になるようにしてください.これ以上の長さのネジを利用さ
れた場合、最悪の場合、内部光学系を歪めてしまいます。ご注意ください。
本体と結合されている金属管内には光ファイバーが通っています。金属管の許容する曲げ半径以上に曲げた場
合、光ファイバーが破損する恐れがあります。必要以上に曲げることはお止めください。また、光ファイバーは測定
の一部ですので、金属管に振動を加えますと、測定値も振動いたします。外部振動が伝わないように固定してくだ
さい。また、光ファイバーはその伝送損失は曲率半径に強く依存する性質を有しています。従って、金属管は可能
な限りまっすぐ伸ばしてください。
プローブの外観等は添付図面を参照してください。
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3.機能
3−1概要
HV250はプローブから1本または2本のレーザ光が出射されます。このレーザ光を被測定面に照射させ、被測
定面からの反射光を再度プローブで受光させたとき、被測定面の変動を測定します。変動量はレーザ光と同方向
成分のみ測定します。レーザ光のビーム径は、プローブ出口で約0.4mm、50cm遠方で0.7mm程度です。
測定データは3種の方法で出力します。(
1)7SEGLED表示、(
2)
30ビットパラレルのデジタル出力、(
3)アナロ
グ出力、です。機能の詳細を以下に示します。
3−2仕様
機能
仕様値/説明
計測方式
光ヘテロダイン方式
測定対象物理量
変位量
縦分解能
10nm
応答速度
0−70mm/s
応答周波数
DC−100kHz
使用レーザ
周波数安定化HeNeレーザ(
弊社製)
出射ビーム数
1または2
プローブ
1プローブ1出射
表示
7s
egLED表示
出力
デジタル出力
アナログ出力
リセット
マニュアルリセット(
押しボタン操作)
トリガリセット(
TTLレベルで”
L”
でリセット、”
H”
でリセット解除)
構成
本体、プローブ(
両者は金属管で結合されており、分離することはできません)
使用温度範囲
20±5℃
ウオームアップ
45分
消費電力
AC100V、250W
バルジ測定器への組み込みの場合;
組み込んだ後、単独でお使いになることに変更される場合は弊社までご連絡ください.
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3−3表示
3−3−1。データ表示
8個の7s
egLEDを用いて変位量を表示します。一番小さな桁は10nmです。ミクロン表示を用い小数点以下とし
て示されています.表示スピードは目で追える程度の遅さに抑えてあります。(
データは250kHz
で得られています
が、表示する際は間引きする方式で表示しています。)
10nm以下の値は四捨五入しています。被測定物がプローブに近づく変位方向を正方向としています。
<反射光量が不十分な場合の自走>
反射光量が不十分な場合、表示値が自走します。三角波的変動をします。この自走は表示数値を大きく変動さ
せします。反射光量が十分な場合、表示値は一定になります.(
これは反射光量が十分な値に近づくにつれ、自走
スピードが遅くなりますので、反射光量の調整の際には、I
NDI
CATORよりわかりやすい調整になります。ご利用く
ださい.)
<表示値と変位量の関係>
HV250は絶対距離は測定できません。ある時刻の被測定物の位置をゼロとし、その位置からの変動を求めるの
みです.ある時刻に、たとえば1234.56と表示されており、X秒後に1267.89と表示されていれば、1234.56、
及び1267.89の絶対値には何らの意味もありません。測定量はX秒間に1267.89−1234.56=33.33ミクロ
ンの変位量です。この値のみが、測定において有効な値です。従いまして、表示数値そのものより、その変化量、
変化度合いを測定対象としてください。(
このことはデジタル出力でも同じことが言えます。次に述べますリセットを
加えて、見栄えの良い数字にするよりは、連続計測おける不連続性をリセットが生み出すと考えられて、数値処理
する選択が好ましい選択になると思います。)
<リセット動作と表示値>
フロントパネル上のリセット機能を用いると表示が見やすくなります。リセットすると、0.00にリセットされます。ご利
用ください.リセットは2通りの方法があります。
(
1)
フロントパネル上の押しボタンを用いる方法
押しボタンを押してリセットされ、離した瞬間に計測が開始します。押している間中リセットが常に働きますので、0.
00の表示が継続します。
(
2)
フロントパネル上のBNC端子間をショートして行う場合
BNCに接続できるように回路を構成してください。BNC端子には何らの電圧も加えないでください。BNC端子を
ショートするか開放にするかの選択のみ行えるようにしてください。ショートから開放へ切り替える瞬間にリセットが
終了し計測が始まります。ショートしている間中リセットが常に働きますので、0.00の表示が継続します。
3−3−2.I
NDI
CATOR表示
計測対象の被測定物からの戻り光の大きさ、反射光量を12段レベルでを表示します。あおり調節にお使いくださ
い.強度が強くなるほど右から左へ移動します。
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3−4.出力
出力はデジタル出力とアナログ出力があります。
3−4−1.デジタル出力
変位量をTTLレベル、30ビットパラレル、出力周波数250kHz
で出力します。
1ビットは9.88775664nmに対応します。デジタル処理される際は換算にご注意ください.
ビット表現と数字の関係は次表のとおりです。正数の場合はそのまま変換し、負数の場合は(
1)
ビット反転し1を加
える、(
2)
10000000000000000000000000000からデータを引き算、のいずれかの処置をした後変換してく
ださい。
ビット表現(
2進数)
10進数数値
表示変位量
最大桁 <− −>最小桁
ビット数
(
四捨五入)
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
000000000000000000000000000100
4
40nm
000000000000000000000000000011
3
30nm
000000000000000000000000000010
2
20nm
000000000000000000000000000001
1
10nm
000000000000000000000000000000
0
0nm
111111111111111111111111111111
−1
−10nm
111111111111111111111111111110
−2
−20nm
111111111111111111111111111101
−3
−30nm
111111111111111111111111111100
−4
−40nm
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
3−4−2.アナログ出力
計測値をアナログ出力します。電圧範囲は0Vから4.96Vです。2.5V出力が計測値0.00umに対応していま
す。4レンジを有していますので、必要なレンジで出力してください.レンジの切り替えはフロントパネル上で行いま
す。出力電圧と変位量の関係は次表のとおりです.
計測値は,7s
egLEDで表示された値です。結果としての変位量ではありません.計測値がオーバーフローした
場合は、リセットしてください。
レンジ
1mVに相当
計測値0.00 4.96V出力に
0V出力に対
する変位量
umに対応す
対応する計測
応する計測
る電圧
値
値
測定可能範囲
*1
10nm
2.5V
+24.6um
−25um
+24.6 t
o −25um
*10
100nm
2.5V
+246um
−250um
+246 t
o −250um
*100
1um
2.5V
+2.46mm
−2.5mm
2.46 t
o 2.5mm
*1000
10um
2.5V
+24.6mm −25mm
24.6mm t
o 25mm
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注意
(
1)
測定可能範囲を越えた場合は、飽和値で表示されます。正の飽和値は4.96V、負の飽和値は0Vです。
(
2)
DAコンバータが12ビット対応のため、電圧分解能が1.2mV程度です。したがって、正確な値からずれが発
生します。また、DAコンバータの性能より、ゼロ点が2.5Vより数mV食い違うことがあります。変化量に対する電圧
変動は正しい動きをいたしますので、ゼロ点の電圧に対する変化分として計測値を判断してください。またDAコン
バータの性能より4.96Vを越える場合や、0.0Vを下回る場合もあります。但し1mV程度です。
4.使用前の注意
使用する前に必ずご一読ください。
<<安全管理>>
HV250はJ
I
S規格クラス3bに属するレーザを使用しています。
レーザを直視しますと失明の恐れがあります。間違えても、人の目がある方向にはレーザを飛ばさないでください.
また、反射光でも目を傷めますので、所定(
OD2.5以上)
のゴーグルを使ってください.
レーザに対する安全管理には十分注意を払ってください。
慣れてきますと、安全管理がおろそかになる場合もあります。常に注意してご使用ください。
** 産業総合研究所様納品プローブからの出射光量 **
380マイクロワットの出力があります。くれぐれも直視することのないように環境を整えてください。
<<ウォーミングアップ>>
周波数安定化HeNeレーザは周波数を安定化するまでウォーミングアップ時間が必要です。最低30分はウォーミ
ングアップしてください。
<<防振/温度>>
測定対象は10nmの変動を考慮していると思われますので、環境には十分な配慮をしてください。
サブミクロンの変動は簡単に発生できます。1トンの重さを有する物体でも、1um/s
^
2の加速度は10^
−3Nで作
れます。1円玉(
1g)
が押す力は約0.01Nです。端的にいえば、1円玉が重力で引かれる力は、自動車を1秒に1
0ミクロン動かしえるのです。HV250はその1/1000の動きを測定するのです。様々な環境により、測定値が変わ
りうることをご理解していただき、防振(
空調、話し声、なども含む)
対策、温度管理をお願いします。重力に逆らった
プローブの取り付けの際には、プローブの移動も当然測定されます。固定方法も検討ください。
<<その他>>
光学部品は清浄な空間で動作/使用することが基本的使用方法です。従いまして、液体が本体、プローブにかか
らないようにしてください。また、埃の多い環境での作業は特性の劣化を早めますので、できるだけ埃の少ない環
境での使用をお願いします。保存環境も同様です。
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Optical Measuring Instruments and Parts
5.操作
5−1.概要
本体を安定した台の上に置き、プローブをしっかりと固定できるステージ等を用いて固定してください。被測定物を
アオリ調節できるステージでしっかりと固定してください。プローブと被測定物缶の距離の変動を測定しますので、
プローブと被測定物は、同じ定盤の上で固定してください.プローブからの出射光を被測定面で反射させ、その反
射光をプローブに戻す様にアオリ調節を用いて光軸を調整してください.
また以下に述べる影響を考慮の上、設置環境への注意を払ってください.
<固定台の必要性>
通常の金属は10^
−6程度の先膨張係数を有しています。部屋の温度が1度変動した場合でも、プローブと被測
定物を50cm離した場合には0.5ミクロン移動します。この値を被測定物の変動なのか、環境の変動なのか区別
することが難しくなります。強固に固定した場合で、温度変動がほとんどない場合でもエラーを発生します。片持ち
梁の構造では特に注意してください。
<空気の変動>
空気の対流も問題になります。空気の屈折率は、温度と圧力に依存して変化します。温度係数は約4×10^−7程
度です。空気の密度も温度と圧力で変動します。測定時間内にこれらが変動することのないように、環境を整えてく
ださい。これらの環境は結果に大きく影響を与えます。クリーンルーム内のダウンフローは流速も大きく大きな影響
を与えます.遮る手段を施してください.
<騒音>
音は被測定物を振動させます。その振動を測定しますので、音波が被測定物に影響を与えないようにカバー等の
設置をしてください.人の話し声まで影響を与えますので、測定中は静かに願いします。
<振動>
床振動は勿論のこと、人の歩く振動、近くの振動物の影響を受けます。除震台などを用いて除外するようにご配慮
ください.
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5−2フロントパネル
フロントパネルは次図のような構成になっています。
各部は以下の機能を有しています
名称
説明
7s
egLED
変位量をデジタル数字で出力します。単位はミクロンです。8個のLEDにより数
字化しています。最小の桁は10nmです。
RESET
2つの方法でリセットできます
(
1)
マニュアル操作(
押しボタン)
;
押すことでRESETされます。
(
2)
トリガ操作(
BNC端子)
;
TTLレベルの”
L”
入力でRESETされ、”
H”
入力
でRESETは解除されます。
リセットすると7s
egLED表示は0.00と表示されます。
RANGE
アナログ出力のレンジを切り替えます。切り替えに伴い、相当するレンジが点灯
します。*1、*10、*100、*1000から選択します。
I
NDI
CATOR
被測定物からの反射光量がレベル表示されます。右から左へ移動します.
プローブへの接続口
本体とプローブを結ぶ金属管の取り出し口です。抜き差しはできません.
接続口周辺に応力をかけることはお止めください.最悪、金属管内の光ファイ
バーが破断します。
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5−3 リアパネル
リアパネルは次図に示すような構成になっています
機能は次のとおりです.
項目
説明
デジタル出力コネクタ
デジタルパラレル出力端子です。セントロタイプコネクタの36ピン(
ロックスプリ
ング付)
を利用しています。信号取り出し側のコネクタもセントロタイプコネクタを
利用してください。ピン配置と信号名は別図に示します。
30ビット信号の取得ができます。
アナログ出力コネクタ
アナログ出力のBNCコネクタです.
ACI
N
AC100V入力コネクタです、
ヒューズボックス
ヒューズが格納されています。3Aヒューズをお使いください.
電源スイッチ
電源のON/OFFスイッチです.
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5−3−1 デジタル出力ピン配置
リアパネル上のコネクタ(
36p)
より出力します.
各ピンの信号を右図に示します。
S2
ピン番号と信号名、信号機能
ピン番号
信号名
機能
1
S0(
LSB)
30ビット出力の最下位ビット、第0ビット
2
S1
30ビット出力の第1ビット
3
S2
30ビット出力の第2ビット
4
S3
30ビット出力の第3ビット
5
S4
30ビット出力の第4ビット
6
S5
30ビット出力の第5ビット
7
S6
30ビット出力の第6ビット
8
S7
30ビット出力の第7ビット
9
S8
30ビット出力の第8ビット
10
S9
30ビット出力の第9ビット
11
S10
30ビット出力の第10ビット
12
S11
30ビット出力の第11ビット
13
S12
30ビット出力の第12ビット
14
S13
30ビット出力の第13ビット
15
S14
30ビット出力の第14ビット
16
S15
30ビット出力の第15ビット
Photon Probe, Inc.
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17
S16
30ビット出力の第16ビット
18
S17
30ビット出力の第17ビット
19
S18
30ビット出力の第18ビット
20
S19
30ビット出力の第19ビット
21
S20
30ビット出力の第20ビット
22
S21
30ビット出力の第21ビット
23
S22
30ビット出力の第22ビット
24
S23
30ビット出力の第23ビット
25
S24
30ビット出力の第24ビット
26
S25
30ビット出力の第25ビット
27
S26
30ビット出力の第26ビット
28
S27
30ビット出力の第27ビット
29
S28
30ビット出力の第28ビット
30
S29(
MSB)
30ビット出力の最上位ビット、第29ビット
31
GND
グラウンド
32
SET
データがセットされたことを示す信号
33
NOT−SET
SET信号の反転信号
34
調整用信号
調整用に出力する信号
35
GND
グラウンド
36
GND
グラウンド
5−3−2 SET信号とデータ信号の関係
信号間の関係は以下のとおりです.
Photon Probe, Inc.
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Optical Measuring Instruments and Parts
6.プローブ図面(例〉
添付図面は次の3つの図面です
(1)
外観図面
(2)
プローブ裏面ネジ取り付け図面
(3)
スペーサ図面
寸法区分
等級
A級 B級 C級 D級 E級
30以下 0.1 .15 .25
30を超え120以下.15 .25 .45
120を超え315以下
0.2 0.4 0.6
315を超え1000以下
0.3 0.7 1.1
1000を超え2000以下 0.5
1.1 1.8
0.4 0.6
0.7 1.1
1.1 1.6
1.8 2.8
3
未使用
4.5
26.2
59
レーザ出射口
7.5
7.5
127
20
40
42.5
承認;産総研様提出
設計製図
検図承認
平野
日付
03.12.10
材料(サイズ)
投影法
(株)フォトンプローブ
スペーサはオプションとして今回の納品対象です。
プローブ外観図面
Photon Probe, Inc.
-17-
仕上面
システム名
−
処理(色)
黒アルマイト
尺度
加工許容度 図名(品名)
図番(品番)
枚数
1/1 1/1
HV250
プローブ外観図
産総研様提出用
REV
1
Optical Measuring Instruments and Parts
寸法区分
等級
A級
B級 C級 D級
E級
30以下 0.1 .15 .25 0.4 0.6
30を超え120以下 .15 .25 .45 0.7 1.1
120を超え315以下0.2 0.4 0.6 1.1 1.6
315を超え1000以下
0.3 0.7 1.1 1.8 2.8
1000を超え2000以下 0.5 1.1 1.8
3
4.5
10×M6 ネジ部長さ5以下(厳守)
127
35
20
20
13.5
11
40
11
20
25
光ファイバー金属管側
注意;現物は上記以外に多くのネジ穴を有しています。
内部の光学系に影響を与えますので、
上記以外のねじ穴を調整等しないでください.
レーザ出射口側
設計製図
検図承認
材料(サイズ)
日付
処理(色)
03.12.10
投影法
(株)フォトンプローブ
プローブ裏面ネジ取り付け図面
Photon Probe, Inc.
仕上面
−
-18-
システム名
HV250
加工許容度 図名(品名)
プローブ裏側取り付けネジ穴位置
尺度
図番(品番)
枚数
産総研様提出用
2/1
−
REV
1
Optical Measuring Instruments and Parts
寸法区分
等級
A級
B級
C級 D級
30以下 0.1 .15 .25
30を超え120以下.15 .25 .45
120を超え315以下
0.2 0.4 0.6
315を超え1000以下
0.3 0.7 1.1
1000を超え2000以下 0.5
1.1 1.8
E級
0.4
0.6
0.7
1.1
1.1
1.6
1.8
2.8
3
4.5
25
5
25
127
35
8
20
20
13.5
50
22
60
19
5
25
4×φ4.2、φ8ザグリ深さ4
設計製図
平野
検図承認
8×φ6.2、φ12ザグリ深さ4
日付
03.12.10
アライメントステージとの介在
-19-
仕上面
システム名
HV250
加工許容度 図名(品名)
15mmスペーサ
黒アルマイト
精級
尺度
図番(品番)
投影法
枚数
産総研様提出用
2/1
1/1
処理(色)
(株)フォトンプローブ
スペーサ図面
Photon Probe, Inc.
材料(サイズ)
-
REV
1
Optical Measuring Instruments and Parts
7.消耗品
HV250内で使用している一部部品について説明します。
HV250は次の部品が消耗品です.
周波数安定化HeNeレーザ;
寿命約3000時間
寿命に近づいた場合の動作;
測定値が安定しなくなります。
光量もふらつきます。
次の部品は消耗品ではありませんが、寿命のある使用部品です。
光ファイバーコリメータ
AOM
PBS,NPBS,ミラー、波長板など光学部品
周波数シフタ
劣化とともに、特性が多少悪くなります。
消耗品交換、部品交換の場合は弊社にご連絡ください。
8.調整等の対応
衝撃等を加えたことにより、プローブからの出射光量が減少した状態になりましても、ご自身で調整されることはお
止めください。有償にて弊社において調整等を行います。
またお気づきの点がありましたら、下記弊社までご連絡ください
フォトンプローブ
株式会社 代表取締役 理博 平野雅夫
東京都日野市東平山1−6−2
TEL 042−582−2558
FAX 042−582−0583 電子メール [email protected] Photon Probe, Inc.
-20-
Was this manual useful for you? yes no
Thank you for your participation!

* Your assessment is very important for improving the work of artificial intelligence, which forms the content of this project

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