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目次
Ⅰ.はじめに
■広報資料策定の経緯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
Ⅱ.用語の解説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Ⅲ.VOC 等簡易測定技術分野と実証試験の方法について
(平成 25 年度) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
Ⅳ.平成 25 年度実証試験結果について ・・・・・・・・・・・・7
V.これまでの実証対象技術一覧 ・・・・・・・・・・・・・・29
Ⅵ.「環境技術実証事業」について ・・・・・・・・・・・・・ 30
■「環境技術実証事業」とは?
■事業の仕組みは?
(1)事業の実施体制
(2)事業の流れ
■なぜVOC等簡易測定技術を実証対象技術分野としたのか?
■実証番号を付した固有の環境技術実証事業ロゴマーク
(個別ロゴマーク)について
■環境技術実証事業のウェブサイトについて
【参考文献】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
Ⅰ.はじめに
■広報資料策定の経緯
環境省では環境技術の普及促進を目指して、「環境技術実証事業(ETV 事業。以下、「実証
事業」といいます)」を実施しています。この実証事業では、さまざまな分野における環境技術
(個別の製品も含めて、幅広く「環境技術」という言葉を使います)を実証しています。
ここでいう実証とは、「第三者である試験機関により、既に実用化段階にある技術(製品)の
性能が試験され、結果を公表」することです。技術や製品の実用化等の前段階として行う「実証
実験」とは異なる意味であり、また、JIS 規格のように何かの基準をクリアしていることを示す
認証でもありません。(事業の詳細は本冊子の VI 以降をご覧下さい)
本冊子(広報資料)は、この事業において平成 25 年度に実証された技術(製品)について、
その環境保全効果等を試験した結果の概要を示したものであり、環境技術や、環境技術を使った
環境製品の購入・導入をお考えのユーザーのみなさんに、実証された技術(製品)や関連する技
術分野を知っていただき、積極的な購入・導入を促すために作成したものです。
なお、平成 25 年度以前に実証された技術に関する試験結果を含め、より詳しい詳細版が環境
技術実証事業ウェブサイト内の「実証結果一覧」
(http://www.env.go.jp/policy/etv/verified/index.html#01)にございます。
是非ともご覧ください。
-1-1-
Ⅱ.用語の解説
本広報資料では、実証事業や VOC 等簡易測定技術分野に関する以下のような用語を使用して
います。
表2-1:本冊子で使用されている用語の解説
用語
定義・解説
<実証事業に関する用語>
実証対象技術
実証対象製品
実証項目
実証機関
実証試験の対象となる技術を指す。本分野では、「VOC 等簡易測定技術」を
指す。
実証対象技術を製品として具現化したもののうち、実証試験で実際に使用す
るものを指す。
実証対象技術の性能や効果を測るための試験項目を指す。本技術分野にお
いては「繰返し性や直線性」等。
実証試験の実施、「VOC 等簡易測定技術分野」の運営全般を担う機関を指
す。
試験実施機関
実証機関からの外注により、実証試験を実施する機関を指す。
実証申請者
技術実証を受けることを希望する者を指す。開発者や販売店等。
<本技術分野に関する用語>
実証試験を行う技術に関し、実証の核となる理論や性能(本実証試験要領
実証対象技術
では「VOC 等簡易測定技術」)
実証対象技術を機器・装置として具現化したもののうち、実証試験で実際
実証対象製品
に使用するもの(具体的には「○○社」の「○○計測器」など)
実証対象製品の性能を測るための項目(具体的には「感度」「90%応答時
実証項目
間」など)
大気中に排出され、又は飛散した時に気体である有機化合物 (浮遊粒子
VOC(揮発性有機
状物質及びオキシダントの生成の原因とならない物質として政令で定める
化合物, Volatile
物質を除く)「大気汚染防止法第二条4」の定義を基本とする。ただし、VOC
Organic
取扱事業所の実態等を考慮し、必要に応じて他の化学的性質が類似した
Compound)
物質を追加することを妨げない。
対象技術分野(対象とする物質、対象とする事業所又は測定対象場所、対
VOC 等
象とする濃度範囲 等)の拡張を意図したもので、例えば、「排ガス中の
VOC」「室内環境 VOC」「におい」等々を含む。
本実証試験で、測定対象とする試験ガスの 1 種。
模擬ガス
実際に使用される現場や実証対象技術の仕様から想定される複数のガス
種を混合した試料ガス(模擬ガス)。
-2-2-
Ⅲ.VOC 等簡易測定技術分野と実証試験の方法について
(平成 25 年度)
■ VOC等簡易測定技術とは?
本事業が対象としているVOC等簡易測定技術とは、操作・管理が容易であったり、迅速に定
量が可能であるといった特徴をもったもので、VOC取扱い事業所における工程管理、機器管理
等、VOC排出削減の自主的取組みに有用な技術を指します。
VOC測定方法は、VOCの個々の成分の濃度を測定する方法と、全VOC濃度を包括的に測定
する方法の2つに分類されます。前者は、労働安全衛生法(作業環境測定基準)によりVOCの
個々の成分ごとに測定法が定められていて、後者は、大気汚染防止法改正に伴い、環境省告示で
測定法が定められています。
環境省が定めるVOC濃度の測定法(以下、公定法)は、排出されるVOCの種類が多種に及ぶ
ことから個別の物質ごとに測るのではなく、炭素数として包括的に測定するよう定められていま
す。このような測定方法で、得られる濃度は炭素換算のppm値(ppmC)という単位で表記されま
す。
本事業で対象とするVOC等簡易測定技術は、複数成分からなるVOCを同時に測定できる技術
であることを前提としていますが、各事業所における取扱溶剤の種類等の実情に応じた自主的取
組に活用可能なものとするため、公定法において求められる、VOCの包括的な定量(測定結果
の単位をppmCで求める)を必須条件とはしていません。また、測定原理についても、原則とし
て限定していません。
これらの簡易測定技術は、規制のための測定方法である公定法と比べて、一般的に機器が安価
で、測定方法が簡易であるとされています。
■実証試験の概要
実証試験は、VOC等簡易測定技術分野で定められた「実証試験要領」に基づき実施され、実
証申請者から提出された実証対象製品について、以下の各項目を実証しています。
○ 製品性能の信頼性
○ VOC取扱事業所において、対象となるVOCの測定の際の実用性
○ 製品操作等の簡便性
VOC等簡易測定技術を有するメーカーなどは、実証を希望する技術の概要を実証申請書に明
記し、実証機関に対して申請を行います。実証機関は申請された内容を審査し、問題がない場合、
実証試験の計画を策定します。この実証試験計画に基づいて、実証試験が実施されます。本実証
-3-3-
試験では、実際の現場(工程)で想定されるガス成分の試料(模擬ガス)を測定します。また、
事業所から実際に排出される実ガスも任意で測定できます。実証試験結果のデータ分析と検証は
実証機関によって行われ、実証試験結果報告書が作成されます。
実証申請者
○
申請書の作成
測定装置の提供
実証機関
○
申請技術の受理・審査
各物質の測定能力を確認
○ 申請技術の承認
○ 実証試験計画書の策定
・ 工程区分の決定
技術実証委員会
・
○
○
○
実証試験計画についての助言
実証試験の過程で発生した問題
に対し、適宜助言
報告書の作成について助言
実証試験(模擬ガス)
実証試験(VOC 取扱事業所)
○
実証試験の実施
・ 工程区分に 応 じ た模擬 ガス
(混合ガス)の測定
・ 個別の VOC の測定は必要に
応じて実施
○
実証機関
○
データ分析と評価
申請技術の実用性、簡便性を
評価
報告書の作成
・
○
任意実証項目(オプション)
事業所における実ガスの採取
試験機関にて測定
・
・
図 3-1:実証試験の流れ
-4-4-
■実証項目について
VOC等簡易測定技術の実証試験では、実際の現場(工程)で想定されるガス成分の試料(模
擬ガス)を測定します。一般に、VOC取扱事業所(工程)では、複数の種類のVOCが同時に存在
しているので、本実証試験ではこれらを模した混合ガス(模擬ガス)を包括的に測定します。現
場に近い条件で実証試験を行うために実証試験区分が便宜的に設定されており、本実証試験で測
定する模擬ガスは、この実証試験区分別に作成します。
表3-1:実証試験区分
実証試験区分
試験対象 VOC
備考
一般的な規制対象施設
炭化水素系、アルコール系、ケ
トン系、エステル系など
塗装、接着、印刷事業所で使用
される VOC に関して試験す
る。
ハロゲン系 VOC が多
い事業所
ハロゲン系、石油系混合溶剤な
ど
工業洗浄関連の事業所で使用さ
れる VOC に関して試験する。
その他
実証機関と協議の上、決定する
上記で対象としていない VOC
に関して試験する。
※ 申請者は、実証対象製品の性能を考慮したうえで、実証試験区分を選択する。
※ 複数の区分を選択することも可能である。
本実証試験では、複数の種類のVOCからなる模擬ガスを測定し、個別の物質の測定能力は、
原則として申請者が提出する書類を参考にします。この他、事業所から実際に排出される実ガス
も任意で測定します。これらの実証に関わる実証項目は表3-2で示す通りです1。
1
これらの実証試験項目について、実証機関は実証対象製品の原理、技術仕様等を考慮して、試験項
目を適宜追加変更することが可能です。
-5-5-
表3-2:実証項目別の視点と方法の例
視点
項目
方法
指標
信頼性
実用性
簡便性
書類
試験
○
-
1.個別の物質測定に係る評価項目(書類確認)
①測定範囲
○
②繰り返し性
偏差等
○
○
◎
③直線性
相関等
○
○
◎
④干渉影響試験
比率等
○
○
◎
⑤応答時間
時間
○
○
○
◎
⑥相対感度
比率等
○
○
-
⑦再現性
偏差等
-
◎
○
-
○
2.混合物質測定に係る評価項目(実測)
①測定範囲
○
②繰り返し性
偏差等
○
○
◎
③直線性
相関等
○
○
◎
④干渉影響試験
比率等
○
○
-
時間
○
○
○
◎
○
○
◎
-
◎
⑤応答時間
⑥ppmC 換算
3.事業所における実際の試料測定に係る評価項目(オプション)
①再現性
偏差等
○
②他分析法(公定法、
相関等
○
-
GC-MS 等)との比較
注:方法の◎印は、実証に当たって重視される項目で、実測等によってデータを取得する。
◎
1 及び 2 は分析対象物質又は類似物質の市販標準品で調製した試料、3 は事業所における実際の試料を測定する。
詳細な実証項目については、実証試験を行う際の基本的考え方、試験条件・方法等を定めた
「実証試験要領」及び実証試験要領に基づき詳細な試験条件等を定めた「実証試験計画」に明記
されています。「実証試験要領」については、実証事業ウェブサイト
(http://www.env.go.jp/policy/etv/)でご覧いただくことができます。
-6-6-
Ⅳ.平成 25 年度実証試験結果について
平成25年度は、申請者負担体制で実施しました。
■ 実証機関
○公益社団法人 日本環境技術協会
■実証試験結果報告書概要の見方
実証試験結果報告書は、実証対象技術の仕様や測定原理を最初に説明しています。その後に、
それぞれの試験項目に対する、実証試験結果のデータとまとめを記載しています。最後に実証試
験における視点である、信頼性、実用性、簡便性について、実証試験結果及び実際に装置を使用
した観点からまとめをしています。
■実証試験結果報告書の概要
実証番号
環境技術開発者
実証対象技術
測定原理
実証試験期間
100-1301
新コスモス電機
株式会社
XG-100V
室内環境VOC用低濃度
測定仕様
半導体ガスセンサ +
ガスクロマトグラフ
平成25年12月9日
~12月20日
100-1302
新コスモス電機
株式会社
XG-100V
作業環境VOC用高濃度
測定仕様
半導体ガスセンサ +
ガスクロマトグラフ
平成25年12月9日
~12月20日
VM-603
干渉増幅反射法
平成25年12月9日
~12月20日
100-1303
有限会社オー・エス・ピー
<実証機関連絡先>
公益社団法人 日本環境技術協会
〒102-0074 東京都千代田区九段南4丁目8番30号 アルス市ヶ谷201
TEL:03-3263-3755, 050-5530-2324 Fax:03-3263-3741
-7-7-
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(室内環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
■全体概要
実証対象技術/
環境技術開発者
ポータブルガス分析装置
実証機関
実証試験期間
(室内環境 VOC 用 低濃度測定仕様)
新コスモス電機株式会社
公益社団法人日本環境技術協会
平成 25 年 12 月9日(月)~12 月 20 日(金)
VOC 排出削減の自主的取組みに利用できる「室内環境 VOC」用の簡易
測定
本技術の目的
XG-100V
1.実証対象技術の概要
(本章の情報は、環境技術開発者が自らの責任において申請した内容及びその情報を参考に整理
したものであり、環境省及び実証機関は、内容に関して一切の責任を負いません。)
○ 機器の特徴
検出器に半導体式センサ(金属酸化物半導体式)を用いた、ポータブルタイプのガスクロマトグ
ラフで、室内環境の揮発性有機化合物(以下:VOC)測定をターゲットとした高感度測定機で
ある。検出器は芳香族炭化水素に対しての選択性と ppb レベルが計測可能な高感度性を有し、サ
ンプルを濃縮することなく室内環境レベルの VOC 濃度の計測が可能である。ガスクロマトグラ
フのキャリアガスには周辺空気を使用し、全体を小型、軽量化することにより、現場で使用でき
るポータブルガス分析装置となっている。簡単な操作、日常での部品交換が不要なこと、シリン
ジによる直接導入あるいはオートサンプリング(自動吸引)機能(仕様により異なるが実証試験
機はオートサンプリング機能付き)の搭載など、操作が容易で保守性に優れている。
○ 仕様の概要
項目
記
入
欄
企業名
新コスモス電機株式会社 URL http://www.new-cosmos.co.jp
住
〒532-0036 大阪府大阪市淀川区三津屋中 2-5-4
所
担当者所属・氏名
連絡先
TEL/FAX
技術・製品の名称・型番
営業開発部
吉栄
康城
TEL:06(7668)8577
FAX:06(6308)1708
ポータブルガス分析装置 XG-100V
測定対象物質
(室内環境 VOC 用低濃度測定仕様)
標準仕様:トルエン、m-キシレン、o-キシレン、エチルベンゼン、
スチレン
追加可能成分:トリエチルベンゼン、酢酸ブチル等
測定濃度範囲
1〜1000 ppb
測定原理
金属酸化物半導体式センサ+ガスクロマトグラフィ
重量(kg)
約 10kg
価格(円)
240 万円(参考市場価格)
外形寸法
W 240 × D 380 × H 190 mm
電
AC100V 50/60Hz 35W
源
-8-8-
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(室内環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
概
観
○ 測定原理
XG-100V(室内環境用)には VOC の検出に金属酸化物半導体式センサを採用し、VOC の分
離方法としてガスクロマトグラフィを採用している。金属酸化物半導体式センサは、300~
500℃に加熱した金属酸化物半導体表面の吸着酸素を可燃ガスが消費(酸化)した時に生じる抵
抗値の変化を検出する。センサは加熱ヒータと電極上に金属酸化物を焼結した検知面から構成さ
れている。
ガスクロマトグラフィはガス分析に用いられる手法のひとつで、ガス成分がカラム(サンプルガ
スを分離させる管)を通過する際の速度の違いを利用し、ガスを分離する。下図のように、カラ
ムを通過する速度の早い成分は短時間で検出器まで到達する。この通過時間はガス成分ごとに固
有の値をもち、その結果を利用して同定する。また検出器の出力に応じて定量結果を得ることが
できる。
-9-9-
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(室内環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
2.実証試験の概要
○ 試験期間
実証試験は平成 25 年 12 月9日(月)~12 月 20 日(金)の期間に実施した。また、実証試験
に関しては「平成 25 年度 環境技術実証事業 実施要領」(平成 25 年4月1日)及び「VOC 等簡易
測定技術 実証試験要領」(平成 25 年8月 29 日)に従い実施した。
○ 実証対象試験機の台数等
試験に供する実証製品の台数は1台とした。
○ 実証項目
繰返し性、直線性、干渉影響試験、応答時間、再現性(ドリフト)等について実証した。
○ 実証試験実施場所
横浜市環境科学研究所 標準ガス試験室
3.実証試験結果
各試験方法は、本編 5.4 実証試験実施方法を参照。
○ 繰返し性試験
XG-100V は装置の仕様として、ゼロ校正モードが存在しないため、繰返し性試験はスパン点
のみ確認を実施した。また、装置が室内環境の VOC 計測を目的とするため、酸素や塩素を含有
した VOC ガスに対する試験も実施しなかった。繰返し性は、良好であった。スチレンが他の測
定成分と比較すると、若干大きな値となった。
実証製品
ガス種
ゼロガス
XG-100V
室内環境用
スパンガス
結果まとめ
ゼロ校正機能はなく、装置としてもゼロであれば濃度表示さ
れない。このため、繰返し性試験は実施しなかった。
○スパン校正ガス
トルエン、エチルベンゼン、m-キシレン、o-キシレン、
スチレン(各 100ppb)
○試験結果
トルエン -3.7~3.7%、エチルベンゼン -0.3~0.3%、
m-キシレン -0.9~1.0%、o-キシレン -0.9~1.0%であった。
スチレンは-19.1~17.9%と他の成分と比較すると変動幅は大
きかった。
○ 直線性試験
直線性試験結果は、分割器における分割点 5/5 において、直線性の傾向が異なる現象が見られ
た。分割点 1/5~4/5 においては良好な直線性が確認できた。このため、近似直線の R2 値が若干
低めとなっている。実証試験終了後におけるメーカによる確認試験では、良好な直線性の結果が
得られており、これは実証試験におけるガス導入方法及びガス種の差に起因するものと考えられ
る。
- 10 - 10 -
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(室内環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
実証製品
ガス種
XG-100V
室内環境用
スパンガス
結果まとめ
偏差は、トルエン -52.0~-11.3%、エチルベンゼン
-37.0~-12.0%、 m-キシレン -28.0~-10.7%、 o-キシレン
ン -24.4~-10.1%、スチレン 6.3~262.8%であった。全体
的に高濃度領域での直線性相関が低かったため、近似直線の
R2 値も 0.69~0.93 であった。
また、スチレンに関しては、80ppb と 100ppb で測定値の逆
転現象が見られた。再確認試験を実施したが、同じ結果となっ
た。本現象の原因は不明であるが、濃度に対して出力が逆転す
ることは原理上考えられないこと、また試験終了後メーカにて
確認した結果、本現象は発生していないことから、装置として
は問題ないと考える。
- 11 - 11 -
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(室内環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
○ 干渉影響試験
ゼロ点における影響は、酸素、二酸化炭素、水分とも影響は見られなかった。また、スパン点
では、水分の影響は小さかったが、酸素および二酸化炭素では影響が見られた。試験に使用した
スパンガス濃度及び装置の仕様を考慮すると、問題のないレベルと考えられる。トルエン及びス
チレンについては影響がやや大きかった。
実証製品
XG-100V
室内環境用
干渉影響試験結果まとめ
結果まとめ
酸素濃度 21vol%の測定値を 100(各スパンガス濃度 10ppb)とした場合の酸
素濃度 15vol%及び 5vol%における最大偏差は、トルエン -38.2%、エチルベン
ゼン -47.0%、m-キシレン -50.9%、o-キシレン -40.0%、スチレン 2.7%で
あった。
二酸化炭素添加なしの精製空気の測定値を 100(各スパンガス濃度 10ppb)と
した場合に、二酸化炭素 1080ppm 及び 1800ppm を添加した時の最大偏差は、
トルエン 203.3%、エチルベンゼン -28.8%、m-キシレン -65.6%、o-キシレ
ン -49.0%、スチレン -100.0 であった。トルエンの影響が特に大きかったた
め、再試験を実施したが同じ結果であった。
水分濃度(相対湿度 8%)の測定値を 100(各スパンガス濃度 10ppb)とした
場合の相対湿度 30%、60%、80%における最大偏差は、トルエン 5.2%、エチル
ベンゼン -1.9%、m-キシレン -15.9%、o-キシレン -17.9%、スチレン -
23.9%であった。
○ 応答時間試験
90%応答時間は、各試験用ガスの繰返し性試験時に実施した。XG-100V は設定により変更で
きるが、本実証試験では、30 分に1回の計測インターバルに設定されていた。また、連続計測
を実施する場合には各測定の間隔を 10 分から 15 分あける必要があるとされている。
実証製品
XG-100V 室内環境用
結果まとめ
測定周期 30 分
○ 再現性(ドリフト)試験
再現性試験は実証試験開始時に校正を行い、その後装置の校正は実施せず、実証試験終了時に
再度、開始時と同条件にてスパンガスを導入し、その偏差を確認した。
実証製品
XG-100V
室内環境用
結果まとめ
試験期間中の 8 日間(12 月 12 日~12 月 20 日)におけるスパン点感度変化は、
トルエン 25.6%、エチルベンゼン 27.1%、 m-キシレン 5.1%、 o-キシレン
16.8%、スチレン 11.7%であった。
- 12 - 12 -
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(室内環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
4.実証試験結果まとめ
視点
信頼性
実用性
実証試験結果まとめ
XG-100V 室内環境用
結果まとめ
繰返し性試験はスパンガス濃度各 100ppb の濃度で実施したが、良好な性能を有し
ていた。直線性試験結果は、分割器における分割点 5/5 において、直線性の傾向が異
なる現象が見られたが、分割点 1/5~4/5 においては良好な直線性が確認できた。
干渉成分の影響については、酸素、二酸化炭素、水分ともに、ゼロ点における影響
は見られなかった。また、スパン点では、水分の影響は小さかったが、酸素および二
酸化炭素では影響が見られた。試験に使用したスパンガス濃度(10ppb)及び装置の使
用用途を考慮すると、問題のないレベルと考えられる。トルエン及びスチレンについ
ては影響がやや大きかった。
応答時間はクロマトの分離時間で決まっているため、測定対象成分の組み合わせに
より設定が変化する。
ドリフトについては、ゼロ点は無いため、スパン点の変化となるが、感度が上昇し
ている測定成分と、感度が低下している測定成分があり、最大で 40%程度の感度変
化があった。 実証試験では、試験用ガスを発生装置から直接導入し、試験を実施し
た。測定ガスをバックに採取し、30 分間置いた後に計測を実施した場合に、絶対値
の差異や直線性の差異が確認されている。
このため、今後の運用としては、メーカにて、校正及びサンプル測定は、バックに
採取したガスを 30 分放置した後計測を行うことを、取扱説明書等に明記し、運用方
法を基本的には統一することとする。
実証試験では、トルエン、エチルベンゼン、m-キシレン、o-キシレン、スチレン
の 5 成分を測定対象とした装置の実証試験を実施した。
測定対象によりガスクロの分離時間が異なるため、測定時間も変動する。今回試験
した装置は 30 分で、連続計測する場合は各測定の間隔が 15 分に設定されていた。
装置の制御や濃度演算は全てパソコンからのコントロールとなり、装置は
AC100V が必要なため、電源のない現場でのオンサイトでの使用はできない。ま
た、装置を使用していない場合も、本体を電源に接続しておく必要がある。
測定中はパソコンの画面にクロマトグラムがリアルタイムで表示されるため、計測
の状況が見えてわかりやすい。
操作手順は一度使用してからは、簡単かつ容易である。取扱説明書(操作マニュ
アル)は 60 頁あり、わかりやすく記載されている。また、校正及び測定方法に関
するクイックマニュアルが別途作成されており、使用しやすい。
測定は、シリンジを使用して注入する方法と、内臓ポンプによる連続自動測定が
出来る仕様があり、用途に応じて選択できる。実証試験では連続自動測定方式を使
用したが、操作は非常に簡易であった。
簡便性
価格
240 万円(参考市場価格)
重量
約 10Kg
AC100V
電源
暖機時間
30 分
データはエクセルに保存が可能で、またクロマトグラムの保存も可能である。
対話形式で操作しやすい。
- 13 - 13 -
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(作業環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
■全体概要
実証対象技術/
環境技術開発者
実証機関
実証試験期間
本技術の目的
ポータブルガス分析装置
XG-100V
(作業環境 VOC 用 高濃度測定仕様)
新コスモス電機株式会社
公益社団法人日本環境技術協会
平成 25 年 12 月9日(月)~12 月 20 日(金)
VOC 排出削減の自主的取組みに利用できる「作業環境 VOC」用の簡易
測定
1.実証対象技術の概要
(本章の情報は、環境技術開発者が自らの責任において申請した内容及びその情報を参考に整理
したものであり、環境省及び実証機関は、内容に関して一切の責任を負いません。)
○ 機器の特徴
検出器に半導体式センサ(金属酸化物半導体式)を用いた、ポータブルタイプのガスクロマトグ
ラフで、作業環境の揮発性有機化合物(以下:VOC)測定をターゲットとした測定機である。
検出器は様々な芳香族炭化水素に対して高い感度を有しており、試料を濃縮することなく、作業
環境における ppm レベルの VOC 濃度の計測が可能である。ガスクロマトグラフのキャリアガ
スには周辺空気を使用し、全体を小型、軽量化することにより、現場で使用することができるポ
ータブルガス分析装置となっている。簡単な操作、日常での部品交換が不要なこと、シリンジに
よる直接導入あるいはオートサンプリング(自動吸引)機能(仕様により異なるが実証試験機は
オートサンプリング機能付き)の搭載など、操作が容易で保守性に優れている。
○ 仕様の概要
項目
記
入
欄
企業名
新コスモス電機株式会社 URL http://www.new-cosmos.co.jp
住
〒532-0036 大阪府大阪市淀川区三津屋中 2-5-4
所
担当者所属・氏名
連絡先
TEL/FAX
技術・製品の名称・型番
営業開発部
吉栄
康城
TEL:06(7668)8577
FAX:06(6308)1708
ポータブルガス分析装置 XG-100V
測定濃度範囲
(作業環境 VOC 用高濃度測定仕様)
n-ヘキサン、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、メタノール、
ジクロロメタン、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イ
ソブチルアルコール、酢酸イソブチル、トルエン、1-ブタノール、
メチルイソブチルケトン、酢酸 n ブチル、エチルベンゼン、p-キシ
レン、m-キシレン、o-キシレン、シクロヘキサノン、ブチルセロソ
ルブ
0.5ppm~250ppm
測定原理
金属酸化物半導体式センサ+ガスクロマトグラフィ
重量(g)
約 10Kg
価格(円)
240 万円(参考市場価格)
外形寸法
W 240 × D 380 × H 190 mm
測定対象物質
- 14 - 14 -
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(作業環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
電
源
概
観
AC100V 50/60Hz 35W
○ 測定原理
XG-100V(室内環境用)には VOC の検出に金属酸化物半導体式センサを採用し、VOC の分
離方法としてガスクロマトグラフィを採用している。金属酸化物半導体式センサは、300~
500℃に加熱した金属酸化物半導体表面の吸着酸素を可燃ガスが消費(酸化)した時に生じる抵
抗値の変化を検出する。センサは加熱ヒータと電極上に金属酸化物を焼結した検知面から構成さ
れている。
ガスクロマトグラフィはガス分析に用いられる手法のひとつで、ガス成分がカラム(サンプル
ガスを分離させる管)を通過する際の速度の違いを利用し、ガスを分離する。下図のように、カ
ラムを通過する速度の早い成分は短時間で検出器まで到達する。この通過時間はガス成分ごとに
固有の値をもち、その結果を利用して同定する。また検出器の出力に応じて定量結果を得ること
ができる。
- 15 - 15 -
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(作業環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
2.実証試験の概要
○ 試験期間
実証試験は平成 25 年 12 月9日(月)~12 月 20 日(金)の期間に実施した。また、実証試験
に関しては「平成 25 年度 環境技術実証事業 実施要領」(平成 25 年4月1日)及び「VOC 等簡易
測定技術 実証試験要領」(平成 25 年8月 29 日)に従い実施した。
○ 実証対象試験機の台数等
試験に供する実証製品の台数は1台とした。
○ 実証項目
繰返し性、直線性、干渉影響、応答時間、再現性(ドリフト)等について実証した。
○ 実証試験実施場所
横浜市環境科学研究所 標準ガス試験室
3.実証試験結果
各試験方法は本編 5.4 実証試験実施方法を参照。
○ 繰返し性試験
XG-100V は装置の仕様として、ゼロ校正モードが存在しないため、繰返し性試験はスパン点
のみ確認を実施した。また、装置は作業環境の VOC 計測を目的とするため、酸素や塩素を含有
した VOC ガスに対しても試験を実施した。ガス種及び濃度に関しては、過去に実施した実証試
験との共通化を考慮して選定したため、酸素含有 VOC 及び塩素含有 VOC ガスについては、測
定成分と、干渉成分の混合ガスとなった。
繰返し性試験結果としては、良好な結果が得られた。
実証製品
ガス種
結果まとめ
ゼロ校正機能はなく、装置としてもゼロであれば濃度表示さ
ゼロ点
れない。このため、繰返し性試験は実施しなかった。
○スパン校正ガス:
メチルエチルケトン、トルエン、エチルベンゼン、 m-キシ
スパン点
レン、o-キシレン(各 15ppm)
○試験結果
VOC スパン
メチルエチルケトン -4.6~2.7%、エチルベンゼン、
ガス
- 2.0~2.8% 、 m- キ シ レ ン - 5.0~3.7 % 、 o- キ シ レ ン -
3.8~4.9%といずれも±5.0%の範囲であった。トルエン -
10.3~6.3%であった。
XG-100V
○酸素含有 VOC ガス
作業環境用
イソプロピルアルコール、酢酸エチル、トルエン、n-ヘキサ
ン、メチルエチルケトン 各 5ppm
スパン点
○試験結果
試験に使用した酸素含有 VOC 5 成分は、測定対象成分であ
酸素含有 VOC
るメチルエチルケトンとトルエンを含むためこの2成分に関し
ガス
ては干渉影響も含めた測定成分としての繰返し性試験となっ
た。2成分ともに±1%以内であった。 n-ヘキサン、イソプロ
ピルアルコール、酢酸エチルは干渉成分としての評価となった
- 16 - 16 -
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(作業環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
スパン点
塩素含有 VOC
ガス
*
が、測定対象成分である、エチルベンゼン、m-キシレン、o-キ
シレンには指示影響は見られなかった。
○塩素含有 VOC ガス
ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン各 15ppm
○試験結果
ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン各 15ppm のガスを導入した結果、メチルエチルケトン、
-8.1~9.5%、トルエン -9.2~7.2%、m-キシレンは 3 回測定
中 2 回影響値が確認された。エチルベンゼン及び o-キシレンは
影響なかった。
VOC 計の測定用途を考慮して、実証試験は、スパン VOC ガス、酸素含有 VOC ガス
(VOC 5 成分:トルエン+イソプロピルアルコール+ n-ヘキサン+酢酸エチル+メチルエチ
ルケトン)は事業所の排出量や高圧容器に充填可能なガスから選定したもので、塗装、接着、
印刷、化学品製造事業所を想定、塩素含有 VOC ガス(塩素系 VOC 3 成分: ジクロロメタ
ン+トリクロロエチレン+テトラクロロエチレン)は事業所の排出量や高圧容器に充填可能
なガスから選定したもので、洗浄事業所を想定したガスとして、試験を実施した。
○ 直線性試験
直線性試験結果は、分割器における分割点 5/5 において、スパンガスの一部の成分で、直線性
の傾向が異なる現象が見られた。分割点 1/5~4/5 においては良好な直線性が確認できた。この
ため、
近似直線の R2 値が若干低めとなっている。実証試験終了後における申請メーカによる確認試験
では、良好な直線性の結果が得られており、実証試験におけるガス導入方法及びガス種の差に起
因するものと考えられる。
実証製品
結果まとめ
偏差は、メチルエチルケトン -28.9~-8.7%、トルエン
-30.5~-8.1%、エチルベンゼン -14.7~-3.1%、m-キシレ
スパンガス
ン-10.4~-0.5%、o-キシレン -8.4~0.3%であった。いずれ
の成分も近似直線の R2 値は 0.88~0.99 の範囲内であった。
エチルベンゼン、m-キシレン、o-キシレンは想定対象成分で
ないため、メチルエチルケトンとトルエンに対する直線性の確
酸素含有 VOC 認となった。偏差は、メチルエチルケトン 2.3~7.4%、トルエ
XG-100V
ン-0.6~4.1%であった。近似直線の R2 値は 0.99 以上であっ
作業環境用
た。
エチルベンゼン、m-キシレン、o-キシレンは想定対象成分で
ないため、メチルエチルケトンとトルエンに対する直線性の確
認となった。偏差は、メチルエチルケトン 30.6~58.9%、トル
塩素含有 VOC
エン 32.0~38.5%であった。偏差の数値としては大きいが、含
酸素 VOC の影響値が小さいため、偏差としては大きく見えて
いる。このため近似直線の R2 値も 0.63、0.81 であった。
- 17 - 17 -
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(作業環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
スパンガス直線性
酸素含有 VOV ガス直線性
- 18 - 18 -
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(作業環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
塩素含有 VOC ガス直線性
○ 干渉影響試験
ゼロ点における影響は、酸素、二酸化炭素、水分とも影響は見られなかった。また、スパン点
では、水分の影響は小さかったが、酸素および二酸化炭素ではメチルエチルケトンに大きな影響
が見られたが、その他の成分に関しては、試験に使用したスパンガス濃度及び装置の仕様を考慮
すると、問題のないレベルと考えられる。
実証製品
XG-100V
作業環境用
干渉影響試験結果まとめ
結果まとめ
酸素濃度 21vol%の測定値を 100(各濃度 1.5ppm)とした場合の酸素濃度
15vol%及び 5vol%における最大偏差は、メチルエチルケトン 103.6%、トルエ
ン 5.3%、エチルベンゼン 71.4%、m-キシレン -6.2%、o-キシレン -8.0%で
あった。
二酸化炭素濃度添加なしの精製空気の測定値を 100(各濃度 1.5ppm)とした
場合の二酸化炭素濃度 1080ppm 及び 1800ppm%における最大偏差は、メチル
エチルケトン 242.0%、トルエン -29.9%、エチルベンゼ 13.5%、m-キシレン
-18.5%、o-キシレン -21.3%であった。
水分濃度 RH8%の測定値を 100(各濃度 1.5ppm)とした場合の相対湿度
30%、60%、80%における最大偏差は、メチルエチルケトン -25.5%、トルエン
14.6%、エチルベンゼン 12.9%、m-キシレン 14.4%、o-キシレン 20.9%であっ
た。
- 19 - 19 -
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(作業環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
○ 応答時間試験
90%応答時間は各試験用ガスの繰返し性試験時に実施した。XG-100V は設定により変更でき
るが、本実証試験では、25 分に1回の計測インターバルに設定されていた。また、連続計測を
実施する場合には各測定の間隔を 10 分から 15 分あける必要があるとされている。
実証製品
XG-100V 作業環境用
結果まとめ
測定周期 25 分
○ 再現性(ドリフト)試験
再現性試験は実証試験開始時に校正を行い、その後装置の校正は実施せず、実証試験終了時に
再度、開始時と同条件にてスパンガスを導入し、その偏差を確認した。
実証製品
XG-100V
作業環境用
結果まとめ
試験期間中の 8 日間におけるスパン点感度変化は 13.7%~55.1%でメチルエ
チルケトン以外の4成分では、感度が約 1.5 倍になった。
- 20 - 20 -
VOC 等簡易測定技術分野
XG-100V(作業環境 VOC 用)
新コスモス電機株式会社
4.実証試験結果まとめ
実証試験結果まとめ
XG-100V 作業環境用 結果まとめ
視点
繰返し性試験は、スパンガス濃度各 15ppm のガスで実施したが、良好な性能を有
していた。直線性試験結果は、分割器における分割点 5/5 において、直線性の傾向が
異なる現象が見られたが、分割点 1/5~4/5 においては良好な直線性が確認できた。
干渉成分の影響については、酸素、二酸化炭素、水分ともに、ゼロ点における影響
は無かった。スパン点においてはデータとしては変動があるように見えるが、試験に
使用したスパンガス濃度(1.5ppm)及び装置の使用用途を考慮すると、問題のないレ
ベルと考えられる。メチルエチルケトンに関しては、酸素、二酸化炭素にて影響が見
信頼性
られた。
応答時間はクロマトの分離時間で決まっている。ドリフトについては、ゼロ点は無
いため、スパン点の変化となるが、メチルエチルケトンを除く4成分で 50%の感度
上昇が見られた。
実証試験では、試験用ガスを発生装置から直接導入し、試験を実施した。測定ガス
をバックに採取し、30 分間置いた後に計測を実施した場合に、絶対値の差異や直線
性の差異が確認されている。このため、今後の運用としては、メーカにて、校正及び
サンプル測定は、バックに採取したガスを 30 分放置した後計測を行うことを、取扱
説明書等に明記し、運用方法を基本的には統一することとする。
実証試験では、メチルエチルケトン、トルエン、エチルベンゼン、m-キシレン、
o-キシレンの 5 成分を測定対象とした装置の試験を実施したが、作業環境測定用途で
は、それ以外の VOC 濃度の計測も要求される場合がある。本装置では、20 成分の
VOC に関して、リテンションタイム、検出下限、検出上限が記載されており、用途
実用性
に応じた計測が可能であるため、実用性が高い。
装置の制御や濃度演算は全てパソコンからのコントロールとなり、装置は
AC100V が必要なため、電源のない現場でのオンサイトでの使用はできない。
測定中はパソコンの画面にクロマトグラムがリアルタイムで表示されるため、計測
の状況が見えてわかりやすい。
操作手順は一度使用してからは、簡単かつ容易である。
取扱説明書(操作マニュアル)は 60 頁あり、わかりやすく記載されている。ま
た、校正及び測定方法に関するクイックマニュアルが別途作成されており、初めて
装置を使用する場合でも、操作が簡易にできる。
測定は、シリンジを使用して注入する方法と、内蔵ポンプによる連続自動測定が
出来る仕様があり、用途に応じて使用できる。試験では連続自動測定方式を使用し
簡便性
たが、操作は非常に簡易であった。
データはエクセルに保存が可能で、またクロマトグラムの保存も可能である。対
話形式で操作しやすい。
価格
240 万円(参考市場価格)
重量
約 10Kg
電源
AC100V
暖機時間
30 分
- 21 - 21 -
VOC 等簡易測定技術分野
VM-603
(簡易 VOC モニター)
有限会社オー・エス・ピー
■全体概要
実証対象技術/
環境技術開発者
実証機関
実証試験期間
本技術の目的
簡易 VOC モニター VM-603
有限会社オー・エス・ピー
公益社団法人日本環境技術協会
平成 25 年 12 月9日(月)~12 月 20 日(金)
VOC 排出削減の自主的取組みに利用できる「作業環境 VOC」用の簡易
測定
1. 実証対象技術の概要
(本章の情報は、環境技術開発者が自らの責任において申請した内容及びその情報を参考に整理
したものであり、環境省及び実証機関は、内容に関して一切の責任を負いません。)
○ 機器の特徴
測定原理に干渉増幅反射法((Interference Enhanced Reflection Method:IER 法)を用いた、
連続測定用の簡易型の VOC モニタ。測定対象は、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、
アルコール類、ジクロロメタンなどのあらゆる揮発性有機物質(VOC)が検知可能である。
測定シーケンスは、ゼロ校正→測定→クリーニングのインターバルを 30 秒~1 分程度で実施さ
れ、毎回ゼロ校正を実施するため、ゼロドリフトフリーの装置仕様となっている。
濃度警報やデータをマイクロSDカードに保存する機能を有しており、シンプルな操作で現場
の作業環境を連続でモニタリングできる装置となっている。
○ 仕様の概要
項目
記
企業名
有限会社オー・エス・ピー
住
〒350-1302
所
担当者所属・氏名
連絡先
TEL/FAX
技術営業担当
入
URL http://www.osp-inc.co.jp
埼玉県狭山市東三ツ木2-14
吉川
進
TEL:04(2968)2282
FAX:04(2968)2283
測定原理
簡易 VOC モニター VM-603
揮発性有機物質(VOC)
L: 5 ~ 100ppm
H:25 ~ 2500ppm
干渉増幅反射法
重量(kg)
約 3.5Kg
価格(円)
オープン価格
外形寸法
W230×D100×H260 (mm)
AC100V 0.3A または DC24V 1A
技術・製品の名称・型番
測定対象物質
測定濃度範囲
電
源
欄
- 22 - 22 -
VOC 等簡易測定技術分野
VM-603
(簡易 VOC モニター)
有限会社オー・エス・ピー
概
観
○測定原理
①IER 法とは
高分子薄膜が VOC(被測定物質)に接することにより、VOC ガスを吸収し、その濃度に応じ
て膨潤する現象と、その膨潤の度合いが光の反射と干渉に変化をもたらす現象とを組み合わせ、
VOC 濃度を測定する方法を干渉増幅反射法(Interference Enhanced Reflection Method;IER
法)と称します。
②VOC 成分による高分子膜の膨潤
VOC 検出用にテーラーメードされた高分子薄膜は大気中の種々の VOC 成分と接触すると、
その化学的・物理的特性と濃度に比例して瞬時に効率良く吸収して膨潤し、平衡状態に達しま
す。その結果薄膜の厚みが変化します(図A 参照)。高分子膜は、ある特定の成分だけを吸収
するのではなく、VOC 成分を区別なく吸収するので VOC 成分の総量(トータル)を検出しま
す(VOC 成分の種類は特定できません)。また、成分の違いやその濃度によって高分子膜の膨
潤の度合い(=感度)が異なります。膨潤した薄膜は、その後に清浄な空気で置換すると直ち
に VOC 成分を放出して初期膜厚に戻るので、可逆性があり繰返し使用することができます。
図A VOC 成分による高分子膜の膨潤イメージ
③膨潤現象のイメージ
例えば、お風呂の水(=膜)の中に大きさの異なったボール(種類の異なるVOC 成分の分子)
を沈めていく様子をイメージすることにより膨潤現象が理解できます。
ボールを次から次へと沈めていくと、水位が上昇します(これが膜の膨潤です)。
同じ数のボールを沈めても、ボールの大きさにより水位の上昇に差異が生じます(これがVOC
成分により感度が異なる理由です)。
ボールの大きさが特定されていることにより、水位の上昇をボールの数により特定できます
(これが定量値の近似値を表示できる理由です)。
④薄膜の光干渉を応用した化学センサー
- 23 - 23 -
VOC 等簡易測定技術分野
VM-603
(簡易 VOC モニター)
有限会社オー・エス・ピー
図Bのように、シリコン(Si)基板上の高分子薄膜(これをセンサーチップと称します)にレ
ーザーのような光をある角度で入射させると、2つの界面による光の多重反射が生じます。VOC
成分により薄膜が膨潤すると、その厚みの変化と屈折率の状態に応じて、それぞれの光波の位
相が強めあったり弱めあったりします(=光の干渉現象が起きます)。この現象は反射光強度
をサインカーブ状に増加・減少させます(この曲線をIER 曲線と呼びます)。反射強度が増加
するIER 曲線の上り部分を活用することにより、IER 法のセンサーとして機能します。つまり
高分子薄膜がVOC 成分を吸収して膨潤すると反射光強度が増加し、VOC 成分を放出して膜厚
が減少する(=元に戻る)と反射光強度が減少します。
IER 法のVOC センサーでは、上述のとおりVOC が高分子薄膜に接触した時の高分子膜の厚
みの変化量(濃度ゼロの時との差)を高感度に検出し、トルエン等の検量線と比較してVOC 濃
度(ppm 単位)として表示します。
図B
IER 法の原理図(薄膜干渉と IER 曲線)
⑤VOC センサの構造と応答
・IER 法の原理図B のように、センサーチップに対して、レーザー光等の光源を照射し、反
射光をフォトダイオード等の光検出器で計測する為に、フローセル構造のセンサーユニット
を
構成します(図C 参照)。吸引ポンプ等でサンプルガスを吸引し、センサーチップ表面に
ガス
を接触させます。
・はじめにきれいな空気を導入して、ゼロ点の信号を安定化させます。
・次にトルエン等のVOC を導入すると、高分子膜がVOC を吸収することにより瞬時に反射
光強度が増加し、5 秒程度で平衡状態に達して信号が安定します。
・次に、きれいな空気でセンサーチップ表面をクリーニングすると、高分子膜がVOC を放
出し、5~10 秒程度で元の状態に戻ります。
図 C VOC センサ構成図と応答信号
- 24 - 24 -
VOC 等簡易測定技術分野
VM-603
(簡易 VOC モニター)
有限会社オー・エス・ピー
2.実証試験の概要
○ 試験期間
実証試験は平成 25 年 12 月 9 日(月)~12 月 20 日(金)の期間に実施した。また、実証試験
に関しては「平成 25 年度 環境技術実証事業 実施要領」(平成 25 年4月1日)及び「VOC 等簡易
測定技術 実証試験要領」(平成 25 年8月 29 日)に従い実施した。
○ 実証対象試験機の台数等
試験に供する実証製品の台数は1台とした。
○ 実証項目
繰返し性、直線性、干渉影響、応答時間、再現性(ドリフト)等について実証した。
○ 実証試験実施場所
横浜市環境科学研究所 標準ガス試験室
3.実証試験結果
各試験方法は本編 5.4 実証試験実施方法を参照。
VOC 計の測定用途を考慮して、実証試験は、校正ガス VOC、酸素含有 VOC ガス(VOC 5 成
分:トルエン+イソプロピルアルコール+ n-ヘキサン+酢酸エチル+メチルエチルケトン)は事
業所の排出量や高圧容器に充填可能なガスから選定したもので、塗装、接着、印刷、化学品製造
事業所を想定、塩素含有 VOC ガス(塩素系 VOC 3 成分: ジクロロメタン+トリクロロエチレ
ン+テトラクロロエチレン)は事業所の排出量や高圧容器に充填可能なガスから選定したもので、
洗浄事業所を想定したガスとして、試験を実施した。
○ 繰返し性試験
スパン校正ガスとしてはトルエンを使用し、酸素や塩素を含有した VOC ガスに対しても試験
を実施した。ガス種及び濃度に関しては、過去に実施した実証試験との共通化を観点において選
定した。
試験結果としては、ゼロ点、スパン点ともにいずれの VOC ガスにおいても、最大で±1.5%以
内であり、良好な結果が確認できた。
実証製品
ガス種
ゼロガス
VM-603
スパンガス
結果まとめ
○ゼロガス:空気
○試験結果
校正ガス(トルエン)-0.7~0.4%、酸素含有 VOC ガス
-1.5~1.5%、塩素含有 VOC ガス -1.0~0.5%でいずれの
VOC ガスにおいてもゼロ点の安定した繰返し性が確認され
た。
○スパン校正ガス:トルエン(88.3ppm)
○酸素含有 VOC ガス
メチルエチルケトン、トルエン、エチルベンゼン、 m-キシ
レン o-キシレン(各 50ppm)
○塩素含有 VOC ガス
ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
- 25 - 25 -
VOC 等簡易測定技術分野
VM-603 (簡易 VOC モニター)
有限会社オー・エス・ピー
ン(各 150ppm)
○試験結果
校正ガス -0.8~0.3%、含酸素 VOC ガス -0.3~1.2%、含塩
素ガス -0.7~0.7%でいずれの VOC ガスにおいてもスパン点
の安定した繰返し性が確認された。
○ 直線性試験
スパン校正ガスのトルエン、酸素や塩素を含有した VOC ガスに対する直線性試験を実施した。
校正ガスのトルエン及び酸素含有 VOC ガスに関しては良好な直線性が確認できた。塩素含有
VOC ガスについては、150ppm 付近での相関が若干低下しているが、近似直線の R2 値は 0.98
以上あり、良好な結果が確認できた。
指示値の絶対値に関しては、それぞれの VOC ガスに対する相対感度があるため、試験ガス種
により差異があるが、相対感度については、メーカから提示されている VOC ファクター確認を
実施した結果相関性があることが確認できており問題ない。
実証製品
VM-603
ガス種
スパンガス
結果まとめ
○スパン校正ガス:トルエン(88.3ppm)
○酸素含有 VOC ガス
メチルエチルケトン、トルエン、エチルベンゼン、 m-キシ
レン o-キシレン(各 50ppm)
○塩素含有 VOC ガス
ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン (各 150ppm)
○試験結果
偏 差 は 、 校 正 ガ ス 0.4~1.3 % 、 酸 素 含 有 VOC ガ ス -
3.4~3.1%、
塩素含有 VOC ガス 2.7~10.6%であった。いずれのガスも近似
直線の R2 値は 0.99 以上であった。
○ 干渉影響試験
干渉影響については、ゼロ点及びスパン点における影響を確認した、酸素及び二酸化炭素につい
てはゼロ点、スパン点ともに影響は全く見られなかった。水分影響については、ゼロ点で確認さ
れた。
- 26 - 26 -
VOC 等簡易測定技術分野
VM-603
(簡易 VOC モニター)
有限会社オー・エス・ピー
但し、VM-603 は、湿度による影響を受ける場合があるので、ゼロ校正した清浄空気の湿度分
と測定サンプルガスの湿度差が約±30%以上となった場合には、湿度エラーが表示され、再度測
定サンプルガスの湿度条件に近い状態でゼロ校正を実施する仕様となっている。
また、通常ゼロ校正時には、相対湿度が 40~60%程度の活性炭フィルタを使用している。今
回の実証試験では、湿度エラー機能を解除し、また活性炭フィルタを使用しない条件で試験を実
施した。VM-603 に使用している測定原理及びセンサは過去にも実証試験を実施しており、試験
方式の共通化のため、同じ試験方法で実施したが、通常の装置の使用とは異なる条件で試験を実
施しているため、実証試験における干渉影響値は、実使用においては、生じないことを注意願い
たい。
実証製品
VM-603
干渉影響試験結果まとめ
結果まとめ
酸素 濃度 21vol%の測定値を 100(濃度 74ppm ) とした場 合の酸素濃度
15vol%及び 5vol%における影響はなかった。
二酸化炭素濃度 1080ppm 及び 1800ppm における影響はなかった。
水分干渉影響としては、ゼロ点及びスパン点において、同じレベルの影響値が
確認された。影響値の表現としては、試験対象レンジである、100ppm に対する
影響値として記載した。相対湿度 30%、60%、80%における影響値は、それぞ
れ 12.5%、31.5%、51.5%であったが、本来装置の実使用条件としては、ゼロ点
を相対湿度 10%以下で校正した場合には、相対湿度 60%及び 80%の試験ガスで
は湿度エラーを表示し計測しない(再校正が必要)ため、実質的な影響値として
は、相対湿度 30%における 12.5%となった。
○ 応答時間試験
装置の測定シーケンスは、自動ゼロ校正→測定→自動クリーニングとなっている。インターバ
ルは 30 秒~1 分程度となっており、実証製品は 30 秒の設定となっていた。このため、応答時間
としては、30 秒となった。
実証製品
結果まとめ
30 秒
VM-603
○ 再現性(ドリフト)試験
再現性試験は実証試験開始時に校正を行い、その後装置の校正は実施せず、実証試験終了時に
再度、開始時と同条件にて校正ガスを導入し、その偏差を確認した。
実証製品
VM-603
結果まとめ
試験期間中の 10 日間におけるゼロ点変化は 4.5%で、スパン点(幅)は 0%で
あり、良好な安定性が確認された。
- 27 - 27 -
VOC 等簡易測定技術分野
VM-603
(簡易 VOC モニター)
有限会社オー・エス・ピー
4.実証試験結果まとめ
視点
信頼性
実用性
簡便性
実証試験結果まとめ
VM-603 結果まとめ
繰返し性、直線性、干渉成影響(酸素、二酸化炭素)、応答時間、再現性ともに、
非常に良好な性能を有していた。干渉成分の影響(水分)は見られたが、ゼロ校正時
とサンプル測定時の湿度差が発生した場合の対処方法について、取扱説明書に「湿度
誤差と調整方法に関して」記載されており、記載されている方法、手順により校正を
実施すれば、実使用上は問題ない。
連続用途の VOC モニタであるが、再現性(ドリフト)試験においても、安定した
データが確認できているため、長期のモニタリングにも使用可能である。
測定結果は校正用ガスのトルエン換算濃度であり、トルエン以外の各種 VOC の濃
度値を測定したい場合は、各種ガスの換算係数(VOC ファクター)を使用して計算
を行う必要がある。換算係数は、取扱説明書にもテーブルとして示されており、実証
試験に使用したガスを例に計算を実施した結果、計算値と指示値は非常に良い相関が
得られていた。
なお、換算係数は本機のメニュー内で任意に設定することができる。
操作手順は非常に簡単かつ容易である。
濃度やシーケンス表示部もシンプルでわかりすい。暖機時間も不要で、応答 30
秒程度と早いため、電源投入後、速やかに測定が可能である。
価格
重量
電源
暖機時間
オープン価格(参考市場価格)
約 3.5kg
AC100V または DC24V
特に必要なし
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V.これまでの実証対象技術一覧
平成 21 年度の実証対象技術
実証番号
100-0901
100-0902
100-0903
100-0904
実証対象技術
VOC 簡易測定システム VOC-1
ハ ン デ ィ VOC セ ン サ ー
VOC-121H 、 VOC-101H
(同一規格製品)
エイブル株式会社 ハンディ VOC センサー VOC-201H
ハンディ TVOC モニター FTVR-02
ガスリーク検知器 GL-103
環境技術開発者
光明理化学工業株式会社
有限会社オー・エス・ピー
フィガロ技研株式会社
理研計器株式会社
平成 22 年度の実証対象技術
実証番号
100-1001
実証対象技術
VOC モニター VM-501
環境技術開発者
有限会社オー・エス・ピー
平成 24 年度の実証対象技術
実証番号
実証対象技術
100-1201
ppbRAE3000・PGM-7340
100-1202
ToxiRAE ProPID・PGM-1800
100-1203
100-1204
パーソナル TVOC モニター・FTVR-01
VOC 成分濃度モニター・FTVR-06
環境技術開発者
日本レイシステムズ株式会
社
日本レイシステムズ株式会
社
フィガロ技研株式会社
フィガロ技研株式会社
平成 25 年度の実証対象技術
実証番号
100-1301
100-1302
100-1303
実証対象技術
ポータブルガス分析装置 XG-100V
(室内環境 VOC 用低濃度測定仕様)
ポータブルガス分析装置 XG-100V
(作業環境 VOC 用高濃度測定仕様)
簡易 VOC モニター VM-603
環境技術開発者
新コスモス電機株式会社
新コスモス電機株式会社
有限会社オー・エス・ピー
- 29 - 29 -
Ⅵ.「環境技術実証事業」について
■「環境技術実証事業」とは?
既に適用可能な段階にあり、有用と思われる先進的環境技術でも、環境保全効果等についての
客観的な評価が行われていないために、地方公共団体、企業、消費者等のエンドユーザーが安心
して使用することができず、普及が進んでいない場合があります。環境技術実証事業とは、この
ような普及が進んでいない先進的環境技術について、その環境保全効果等を第三者機関が客観的
に実証する事業です。本事業の実施により、ベンチャー企業等が開発した環境技術の普及が
促進され、環境保全と環境産業の発展による経済活性化が図られることが期待されます。
平成25年度は、以下の9分野を対象技術分野として事業を実施しました。
(1) 中小水力発電技術分野
(2) 自然地域トイレし尿処理技術分野
(3) 有機性排水処理技術分野
(4) 閉鎖性海域における水環境改善技術分野
(5) 湖沼等水質浄化技術分野
(6) ヒートアイランド対策技術分野(建築物外皮による空調負荷低減等技術)
(7) ヒートアイランド対策技術分野(地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システム)
(8) VOC等簡易測定技術分野
(9) 地球温暖化対策技術分野(照明用エネルギー低減技術)
■事業の仕組みは?
環境省が有識者の助言を得て選定する実証対象技術分野において、公募により選定された第三
者機関(「実証機関」)が、実証申請者(技術を有する開発者、販売者等)から実証対象技術を
募集し、その実証試験を実施します。実証試験を行った技術に対しては、その普及を促すため、
また環境省が行う本事業の実証済技術である証として、「環境技術実証事業ロゴマーク」(図6
-1)及び実証番号を交付しています。
なお、本事業において「実証」とは、「環境技術の環境保全効果、副次的な環境影響等を、当
該技術の開発者でも利用者でもない第三者機関が試験等に基づいて客観的なデータとして示すこ
と」と定義しています。「実証」は、一定の判断基準を設けてそれに対する適合性を判定する
「認証」や「認定」とは異なります。
- 30 - 30 -
図6-1:環境技術実証事業ロゴマーク(共通ロゴマーク)
(さらに技術分野ごとに、「個別ロゴマーク」を作成しています。)
※ロゴマークを使用した宣伝など、当事業で実証済みの技術について「認証」をうたう事例が
ありますが、このマークは環境省が定めた基準をクリアしているという主旨ではなく、技術
(製品・システム)に関する客観的な性能を公開しているという証です。ロゴマークのつい
た製品の購入・活用を検討される場合には、本冊子や、各実証試験結果報告書の全体を見て
参考にしてください。詳細な実証試験結果報告書については、ロゴマークに表示のURL
(http://www.env.go.jp/policy/etv/)から確認することができます。
(1)事業の実施体制
事業運営の効率化を更に図るため、平成24年度からは、前年度まで分野ごとに設置され
ていた実証運営機関を一元化するなど、新たな事業運営体制(図6-2)に移行しました。
図6-2:平成25年度における『環境技術実証事業』の実施体制
- 31 - 31 -
各技術分野について、実証システムが確立するまでの間(原則として分野立ち上げ後最初
の2年間)は、実証試験の実費を環境省が負担する「国負担体制」で実施し、その後は受益
者負担の考え方に基づき、実証試験の実費も含めて申請者に費用を負担いただく「手数料徴
収体制」で実施しています。
事業の企画立案、広報や技術分野の設置・休廃止に関する検討、実証機関の公募・選定等
の事業全体のマネジメントについては、「実証運営機関」が実施します。実証運営機関は、
公平性や公正性確保、体制及び技術的能力等の観点から、公募により選定され、平成25年度
は株式会社エックス都市研究所が担当しました。
各技術分野の事業のマネジメント(実証試験要領の作成、実証対象技術の募集・選定、実
証試験の実施、実証試験結果報告書の作成等)については、「国負担体制」、「手数料徴収
体制」のどちらの体制においても「実証機関」が実施します。実証機関は、公平性や公正性
確保、体制及び技術的能力等の観点から、公募により選定されます。
事業の運営にあたっては、有識者からなる環境技術実証事業運営委員会及び各技術分野の
技術実証検討会等において、事業の進め方や技術的な観点について、専門的見地から助言を
いただいています。
(2)事業の流れ
実証事業は、主に以下の各段階を経て実施されます(図6-3)。
○実証対象技術分野の選定
環境省及び実証運営機関が、環境技術実証事業運営委員会における議論を踏まえ、実証
ニーズや、技術の普及促進に対する技術実証の有効性、実証可能性等の観点に照らして、
既存の他の制度で技術実証が実施されていない分野から選定を行います。
○実証機関の選定
環境省及び実証運営機関は、技術分野ごとに実証機関を原則として1機関選定します。実
証機関を選定する際には、公平性や公正性確保、体制及び技術的能力等の観点から、公募を
行い、環境技術実証事業運営委員会において審査を行います。
○実証試験要領の策定・実証対象技術の募集・実証試験計画の策定
実証機関は、実証試験を行う際の基本的考え方、試験条件・方法等を定めた「実証試験要
領」を策定し、実証試験要領に基づき実証対象技術を募集します。応募された技術について、
有識者からなる技術実証検討会での検討を行い、その結果を踏まえて実証機関は対象技術を
選定します。その後実証機関は、実証申請者との協議を行いつつ、有識者からなる技術実証
検討会で検討した上で、実証試験計画を策定します。
- 32 - 32 -
○実証試験の実施
実証機関が、実証試験計画に基づき実証試験を行います。
○実証試験報告書の作成・承認
実証機関は、実証試験データの分析検証を行うとともに、実証試験結果報告書を作成しま
す。実証試験結果報告書は、技術実証検討会等における検討を踏まえ、環境省に提出されま
す。提出された実証試験結果報告書は、実証運営機関及び環境省による確認を経て、環境省
から承認されます。承認された実証試験結果報告書は、実証機関から実証申請者に報告され
るとともに、一般に公開されます。
図6-3:平成25年度における『環境技術実証事業』の流れ
- 33 - 33 -
■なぜVOC等簡易測定技術を実証対象分野としたのか?
VOC(揮発性有機物質)は大気中で光化学反応、物理反応等により、光化学オキシダントや
浮遊粒子状物質(SPM)を生成する原因物質の一つです。大気汚染防止法においては、VOC排
出量が多く、大気環境への影響も大きい施設に対して、排出口における排出濃度規制を適用する
とともに、事業者自らが行う排出抑制の自主的取組みを組み合わせた制度(ベストミックス)に
よりVOC排出量を抑制するという考え方に基づいた規制がなされていることから、事業者の自
主的な取組を一層促進させる支援が必要となっています。
VOC排出事業者は、日々の管理等で排出量を的確に把握することで、最適なVOC削減策を自
主的に講じることができます。その結果として、VOCの排出量が削減されるだけではなく、い
っそうの作業環境の改善、溶剤コストの削減、環境情報の透明化によるCSRの確保といったメ
リットに繋がることが期待されます。
ところが、自主的取組に活用可能な簡易型の測定器は多様な機種が販売されているものの、そ
の精度、操作性、解析に要するコスト等のデータは、メーカーが公表しているもののみとなって
います。このため、国がVOC等簡易測定技術の実証を行い、その有用性等に関する客観的な技
術情報を提供することで、VOC排出事業者による簡易測定機器を活用した自主的取組の促進に
寄与することを目的に、対象技術分野に選定しました。
図5:改正大気汚染防止法における「自主的取り組み」の位置づけ
- 34 - 34 -
自主的取り組みに期待
換気能力が
毎時十万立米未満(吹き付け)
毎時一万立米未満(塗装乾燥)
その他
のVOC
排出業
換気能力が
毎時十万立米以上(吹き付け)
毎時一万立米以上(塗装乾燥)
タンク容量が千キロリットル未満
法規制の対象
塗装
タンク容量が千キロリットル以上
換気能力が
毎時二万七千立米未満(
グラビア印刷)
毎時七千立米未満(オフセット印刷)
貯蔵
換気能力が
毎時二万七千立米以上(
グラビア印刷)
毎時七千立米以上(オフセット印刷)
換気能力が
毎時五千立米未満(粘着テープ類の乾燥)
毎時一万五千立米未満(
それ以外の乾燥)
換気能力が毎時三千立米未満
換気能力が
毎時五千立米以上(粘着テープ類の乾燥)
毎時一万五千立米以上(
それ以外の乾燥)
槽液
液
面積
積
5
平米
米未
未
洗洗
浄浄
槽
面
がが
5
平
満満
換気能力が毎時三千立米以上
洗浄槽液面積が5平米以上
中小事業者
化学製品
製造
印刷
接着
工業用
洗浄
大規模事業者
改正大気汚染防止法(
H 年4月施行)
18
■実証番号を付した固有の環境技術実証事業ロゴマーク
(個別ロゴマーク)について
VOC等簡易測定技術分野において実証試験を行った実証対象技術については、環境省が行う
本事業の実証済技術である証として、1つの実証済技術に対し1つの実証番号が付された固有の
環境技術実証事業ロゴマーク(個別ロゴマーク)を交付しています。これにより、以下のような
効果を期待しています。
1. 実証申請者とって、固有の個別ロゴマークを実証済技術が掲載されたカタログやウェブサ
イト等に掲載することにより、次のことから実証済技術(製品)の付加価値を高めること
ができます。
①
技術(製品)毎の固有のロゴマークであること。
②
製品カタログ等に掲載された個別ロゴマークと同じ個別ロゴマークが掲載された実証
試験結果報告書を示すことで、実証済技術(製品)の技術的裏付けになる。
2. 実証済技術(製品)を購入・採用するエンドユーザーにとって、製品カタログと実証試験
結果報告書の双方に同じ固有の個別ロゴマークが掲載されることで、双方の繋がりがより
明確になります。さらに、実証試験結果報告書に掲載の個別ロゴマークの実証番号を確認
することで、実証済技術の実証試験結果を容易に知ることができます。
【平成25(2013)年度版表記例】
実証番号 100 - 1300
分野番号
識別番号
年度(西暦下2桁)
- 35 - 35 -
■環境技術実証事業のウェブサイトについて
環境技術実証事業では、事業のデータベースとして環境技術実証事業ウェブサイト
(http://www.env.go.jp/policy/etv/)を設け、以下の情報を提供していますので、詳細につ
いてはこちらをご覧ください。
[1] 実証済み技術一覧
本事業で実証が行われた技術及びその環境保全効果等の実証結果(「実証試験結果報告書」
等)を掲載しています。
[2] 実証試験要領
実証試験を行う際の基本的考え方、試験条件・方法等を技術分野ごとに定めた「実証試験要
領」を掲載しています。
[3] 実証運営機関・実証機関/実証対象技術の公募情報
実証運営機関・実証機関あるいは実証対象技術を公募する際、公募の方法等に関する情報を
掲載しています。
[4] 検討会情報
本事業の実施方策を検討する検討会、分野別WGにおける、配付資料、議事概要を公開して
います。
■参考文献
・揮発性有機化合物の測定方法(平成17年6月10日
- 36 - 36 -
環境省告示第61号)
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