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M210669JA-E
取扱説明書
シリアル出力付きデジタル気圧計
PTB210 シリーズ
発行
Vaisala Oyj
Vanha Nurmijärventie 21, FI-01670 Vantaa, Finland
P.O. Box 26, FI-00421 Helsinki, Finland
+358 9 8949 1
ホームページ: www.vaisala.com
© Vaisala 2021
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す。ヴァイサラは、いずれの時点におい
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表明してはおらず、それらに関連したい
かなる責任も負いません。
本書は、顧客あるいはエンドユーザーに
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的に拘束力のある義務、あるいは合意事
項はすべて、該当する供給契約または
ヴァイサラの販売用標準取引条件および
サービス用標準取引条件に限定して記載
されています。
目次
本書について........................................................................................... 5
バージョン情報.................................................................................... 5
本書の表記について............................................................................. 5
PTB210 製品概要..................................................................................6
PTB210 の取り付け.............................................................................. 9
屋外気圧取り入れ口.....................................................................10
接続方式............................................................................................. 11
.BAUD ボーレートの設定............................................................. 14
シリアル通信パラメータの設定...................................................15
.ID 識別コードの設定................................................................... 15
.PMIN / .PMAX 圧力限界の設定....................................................15
.MPM 計測/分............................................................................... 16
.AVRG 平均の定義.........................................................................16
操作コマンド...................................................................................... 16
.P 単一メッセージの出力............................................................. 16
.BP 連続出力................................................................................ 17
.UNIT 圧力単位の選択.................................................................. 17
.FORM 単位ありまたはなしの出力...............................................17
.RESET 計測機器のリセット........................................................ 18
.MPCON / MPCOFF 圧力補正のオン/オフの設定......................... 18
.CALD 校正日の設定..................................................................... 18
.RON/ .ROFF RS-485 終端抵抗のオン/オフの設定.......................18
セルフテスト...................................................................................... 19
.? 気圧計設定の基本情報..............................................................19
校正および調整......................................................................................21
校正および調整.................................................................................. 21
ウィザードソフトウェアの使用......................................................... 21
PTB210 の仕様................................................................................... 25
付録 A: FCC Part 15 適合宣言.............................................................. 29
テクニカルサポート............................................................................ 31
目次
1
PTB210 シリーズ 取扱説明書 M210669JA-E
リサイクル........................................................................................ 31
2
図のリスト
図 1 PTB210 と標準アクセサリ.....................................................................7
図 2 BAROCAP® 圧力センサ.......................................................................... 7
図 3 PTB210 取り付けオプション................................................................. 9
図のリスト
3
PTB210 シリーズ 取扱説明書 M210669JA-E
表のリスト
表 1 文書のバージョン(英語)....................................................................5
表 2 PTB210 と RS-232C の配線................................................................. 12
表 3 PTB210 と RS-485/RS-232C インターフェースの配線........................12
表 4 PTB210 と RS-232C/TTL インターフェース........................................12
表 5 PTB210 計測性能................................................................................. 25
表 6 PTB210 動作環境................................................................................. 26
表 8 PTB210 一般仕様................................................................................. 27
表 9 PTB210 適合規格................................................................................. 27
4
章 1 – 本書について
1. 本書について
1.1 バージョン情報
本書では、PTB210 デジタル気圧計の使用方法について説明します。
表 1 文書のバージョン(英語)
文書コード 日付 説明
M210669EN-E 2021 年 6 月 • シリアル出力情報を更新
• 仕様を更新
M210669EN-D 2009 年 6 月 旧版
1.2 本書の表記について
警告 警告は重大な危険があることを知らせています。本書を読んで指示に
従い、正しく使用しない場合、死亡、または傷害を負うことがあり得ます。
注意 注意は潜在的な危険性があることを示します。本書をよく読んで指示に
従っていただかないと、製品が破損する、あるいは重要なデータが失われる
ことがあります。
注はこの製品の使用に関する重要な情報を強調しています。
ヒントは製品をより効率的に使用するための情報を提供します。
タスクを実行するために必要なツールを一覧表示します。
タスクの実行中にメモを取る必要があることを示します。
5
6
PTB210 シリーズ 取扱説明書 M210669JA-E
2. 製品概要
2.1 PTB210 製品概要
PTB210 はさまざまな圧力範囲で使用できるよう設計されています。以下の 3 つの構成、2
種類の圧力範囲で利用できます。
• シリアル出力:500〜1,100hPa
• シリアル出力:50〜1,100hPa
• アナログ出力:500〜1,100hPa 間の複数の出力範囲
PTB210 は、屋外への取り付けや厳しい環境に最適です。PTB210は幅広い温度範囲で使用
できるよう設計されており、電子回路部のハウジングは、防滴防塵構造IP65(NEMA 4)規
格を採用しています。
頑丈な耐腐食性ハウジングを備え小型サイズのため、気圧計の設置が簡単になり寿命が長
くなります。
PTB210 は、気象ステーション、データブイおよび船舶、空港、土壌学などの用途に最適で
す。また、PTB210 気圧計はレーザー干渉計やエンジンテストベンチといった産業機械にお
ける気圧のモニタリングにも最適です。
また、PTB210はヴァイサラ屋外気圧取入れ口(スタティック・プレッシャー・ヘッド)
SPH10/20シリーズに直接取付けることができます。この組み合わせにより、どんな風の条
件でも精度の高い計測を実現します。
PTB210 は、作業標準器を使用したデジタル調整と校正が行われています。500〜1,100hPa
の圧力範囲向けには、高精度圧力校正器を使用して調整と校正が行われた、さらに高精度
の気圧計もご用意しています。
章 2 – 製品概要
図 1 PTB210 と標準アクセサリ
PTB210 には、ヴァイサラが気圧計測用に開発したシリコン製静電容量式絶対圧力センサで
あるヴァイサラ BAROCAP® センサが使用されています。ヴァイサラBAROCAP®センサは、
ヒステリシスや繰り返し性に優れ、卓越した温度安定性と長期安定性を実現しています。
PTB210は、トレーサブルな英文校正証明書付で工場から出荷されます。
図 2 BAROCAP® 圧力センサ
7
8
PTB210 シリーズ 取扱説明書 M210669JA-E
BAROCAP® 圧力センサは、ガラスの層を間に挟んだ 2 層の単結晶シリコンで構成されてい
ます。薄いほうのシリコン層により、統合された真空基準チャンバーが作り出され、感圧
シリコンダイヤフラムが形成されます。厚いほうのシリコン層はセンサの剛性ベースプ
レートであり、ガラス誘電体で覆われています。薄膜メタライゼーションは、真空基準チャ
ンバー内にコンデンサ電極を形成するために配置されています。もう 1 つの電極は感圧シ
リコンダイヤフラムです。
BAROCAP® 圧力センサで使用されるシリコンとガラス材料の熱膨張係数を注意深く一致さ
せることで、温度依存性を最小限に抑え、長期安定性を最大化しています。BAROCAP® 圧
力センサは、1,000hPa で温度依存性がゼロになるように設計されており、高温での熱老化
によって長期安定性が最大化されています。
2.2 安全性
警告 免許を持つエキスパートのみが電気部品を取り付けることができま
す。自治体の法規制を順守する必要があります。
2.3 商標
Vaisala â および BAROCAP â は Vaisala Oyj の登録商標です。
Windows â は、米国およびその他の国における Microsoft Corporation の登録商標または
商標です。
本書に記載されている他のすべての製品名または会社名は、それぞれの所有者の商号、商
標、または登録商標です。
章 3 – 設置
3. 設置
3.1 PTB210 の取り付け
PTB210 のコンパクトな設計により、計測機器を取り付けて配線を接続するだけで済みま
す。次の 3 つの取り付けオプションのいずれかを選択します。
• 圧力フィッティングを取り外し、気圧計を目的の構造物に配置します。アタッチメン
トを O リングでシールし、すり割り付きネジで気圧計を取り付けます(A)。
• 付属の取り付けプレートを目的の場所に固定し、付属のネジで気圧計をプレートに取
り付けます(B)。
• 取り付けプレートとクリップを使用して、PTB210 を標準レール(DIN 35)に取り付け
ます(B)。付属のネジでクリップと気圧計をプレートに固定します。クリップをレー
ルに取り付けます。
図 3 PTB210 取り付けオプション
気圧計は、必ず圧力フィッティングが下向きになるように配置してください。
9
PTB210 シリーズ 取扱説明書 M210669JA-E
水がケーブルを伝って流れ、フィードスルー付近にたまるのを防ぐために、
ケーブルが気圧計から上向きに伸びていることを確認してください。
PTB210 には IP65 クラスのハウジングがあります。追加の保護なしで屋外に取り付けるこ
とができます。雨水が開いた圧力フィッティングを塞がないようにしてください。内径
4mm 以上のチューブ片をフィッティングに接続することをお勧めします。
SPH10/20 屋外気圧取り入れ口を使用して、圧力チャネルを雨から保護し、風
の影響を最小限に抑えることもできます。
3.1.1 屋外気圧取り入れ口
変換器に付属の圧力フィッティングは屋外気圧取り入れ口ではありません。乱気流や高速
で一定の風が吹く条件には適していません。風の条件が厳しい場合は、ヴァイサラ
SPH10/20 屋外気圧取り入れ口の使用をお勧めします。PTB210 デジタル気圧計は
SPH10/20 に直接統合できます。SPH10/20 を搭載した PTB210 は、すべての風の条件で正
確な計測を提供します。
10
章 3 – 設置
3.2 接続方式
PTB210 デジタル気圧計では、次の 3 つの異なるシリアル出力インターフェースを使用でき
ます。
• RS-232C
• RS-485/232C
• RS-232C/TTL
接続方式は、使用している出力プロトコルによって異なります。
接続されていない配線の端部を絶縁することをお勧めします。
11
PTB210 シリーズ 取扱説明書
表 2 PTB210 と RS-232C の配線
配線色
灰色
緑色
青色
ピンク
茶色
白色
黄色
信号
RX
TX
GND
電源電圧(5〜28VDC)
接続なし
接続なし
節電モード(TTL レベル:0V = オフ、5V = オン)
表 3 PTB210 と RS-485/RS-232C インターフェースの配線
配線色
灰色
緑色
青色
ピンク
茶色
白色
黄色
信号
RX(RS-232C との接続)
TX(RS-232C との接続)
GND
電源電圧(8〜18VDC)
RS-485 -
RS-485 +
節電モード(TTL レベル:0V = オフ、5V = オン)
M210669JA-E
2 つの出力プロトコルを同時に使用することはできません。RX/TX と RS-485
のいずれかの配線を接続します。
表 4 PTB210 と RS-232C/TTL インターフェース
配線色
灰色
緑色
青色
ピンク
茶色
白色
黄色
信号
RX(RS-232C との接続)
TX(RS-232C との接続)
GND
電源電圧(5〜28VDC)
RXD(TTL レベル)
TXD(TTL レベル)
節電モード(TTL レベル:0V = オフ、5V = オン)
12
2 つの出力プロトコルを同時に使用することはできません。RX/TX と
RXD/TXD ワイヤーのいずれかを接続します。
詳細
‣
.RON/ .ROFF RS-485 終端抵抗のオン/オフの設定 (ページ 18)
章 3 – 設置
13
PTB210 シリーズ 取扱説明書 M210669JA-E
4. 操作
PTB210 は、Windows® ハイパーターミナルなどの適切なターミナルソフトウェアを使用し
て、シリアルラインを介して操作できます。コマンドについては、以降のページで説明し
ます。
コマンドの書式は .ZZZ
.xxx
です。 zzz xxx
イベントの定義
与えられたパラメータ値
同じラインに複数の気圧計がある場合、 123.BAUD
.9600
(123 は ID コード)のように、
コマンドの前に計測機器固有の識別コードを記載する必要があります。
を参照してください。このコードにより、コマンドはその特定の計測機器
に送信されます。これにより、気圧計とホストシステム間の不整合が防止されます。気圧
計は、その ID のあるコマンド、またはコードのないコマンドにのみ反応します。
ID コードなしで共通の設定コマンドを入力できます。この設定はすべての気圧計に同時に
適用されます。
気圧計は、与えられたコマンドをエコーしたり、新しい設定をエコーして確認
したりすることはありません。設定は ?
コマンドを使用して確認できます。
4.1 設定
新しい設定をアクティブ化するには、 .reset<cr> コマンドで気圧計をリセッ
トします。
4.1.1 .BAUD ボーレートの設定
.BAUD.xxxx
xxxx
例
.BAUD.9600
(非表示を指示)
.RESET
ボーレート(1,200〜19200)
14
章 4 – 操作
4.1.2 シリアル通信パラメータの設定
PTB210 では、次のパラメータの組み合わせを使用できます。パラメータの工場出荷時設定
は E71 です。
.E71
または
.O71
または
.N81
このコマンドは、単一の気圧計またはすべての気圧計のシリアル通信パラメータを設定し
ます。
4.1.3 .ID 識別コードの設定
.ID.xxx
xxx 識別コード(最大 15 文字)
既定の ID コードは 0 です。複数の気圧計が同じラインにある場合は、ID コー
ドを使用して、コマンドを特定の計測機器に個別に送信します。
気圧計は ID コードを文字として処理します。たとえば、0001、01、1 は異な
るコードです。
4.1.4 .PMIN / .PMAX 圧力限界の設定
気圧計の圧力の下限と上限を定義できます。たとえば、ホストシステムに対して校正され
た圧力範囲を定義できます。
.PMIN.xxxx
xxxx 圧力下限(0〜15,000hPa)
現在の圧力が限界を下回っている場合、気圧計は圧力指示値の代わりに ****.** を出力しま
す。
.PMAX.xxxx
15
PTB210 シリーズ 取扱説明書 M210669JA-E xxxx 圧力上限
4.1.5 .MPM 計測/分
.MPM.xxx
xxx 1 分あたりの計測回数(6〜4200)
このコマンドは、1 分間に実行される計測の数を設定します。既定では、MPM は 60 です。
60min -1 = 1s -1 = 1 計測/秒
4.1.6 .AVRG 平均の定義
.AVRG.xxx
xxx 平均を計算する計測の数(0〜255).既定の
AVRG は 0 です。
このコマンドは、平均圧力指示値の計算に使用される計測ポイントの数を設定します。こ
れは移動平均ではありません。
例
1 分あたりの計測数が 30 に設定され、平均化が 5 に設定されている場合、圧力指示値は
10 秒ごとに更新されます。
4.2 操作コマンド
新しい設定をアクティブ化するには、 .reset
コマンドで気圧計をリセットし
ます。
4.2.1 .P 単一メッセージの出力
.P
このコマンドは、小数点以下 2 桁の最新のマルチポイント補正圧力指示値を出力します。
.P<cr> (command invisible)
1012.99
16
章 4 – 操作
4.2.2 .BP 連続出力
.BP
このコマンドは、マルチポイント補正圧力指示値を継続的に出力します。出力間隔は、計
測速度と平均化によって異なります。出力を停止するには、[ENTER]を押します。
.P<cr> (command invisible)
997.99
998.01
998.01
...
998.02
<cr> (command invisible)
4.2.3 .UNIT 圧力単位の選択
.UNIT.x
x 0(hPa)
1(mbar)
2(inHg)
3(psia)
4(torr)10(bar)
5(mmHg)
6(kPa)
7(Pa)
8(mm H
2
O)
9(in H
2
O)
10(bar)
初期設定値は 0 です。
4.2.4 .FORM 単位ありまたはなしの出力
.FORM.0
このコマンドは、圧力指示値の後の単位出力をキャンセルします。これは、出力書式の工
場出荷時の設定でもあります。
1017.61
1017.61
17
PTB210 シリーズ 取扱説明書 M210669JA-E
このコマンドは、単位を出力に追加します。標準出力フィールドは 6 文字用です。最初の
文字は必ずスペースです。
1017.61 hPa
4.2.5 .RESET 計測機器のリセット
.RESET
このコマンドは気圧計をリセットし、設定変更をアクティブ化します。
4.2.6 .MPCON / MPCOFF 圧力補正のオン/オフの設定
.MPCON
および .MPCOFF
を参照してください。
.MPCON
このコマンドは、マルチポイント補正をアクティブ化します。
.MPCOFF
このコマンドは、マルチポイント補正を非アクティブ化します。
4.2.7 .CALD 校正日の設定
.CALD
は、最終校正日を気圧計のメモリに保存します。
.CALD.xxx
xxx
例
.CALD.991015
校正日、最大 15 文字
4.2.8 .RON/ .ROFF RS-485 終端抵抗のオン/オフの設定
PTB210 気圧計には RS-485 終端抵抗が内蔵されており、既定ではオフになっていま
す。 .RON
/ .ROFF
コマンドで、この抵抗をオンまたはオフに設定できます。気圧計がシリ
アルラインの端にある場合、特に長いケーブルを使用する場合は、この抵抗をオンに設定
します。
複数の気圧計が同じラインに接続されている場合は、最後の気圧計の抵抗にのみ設定して
ください。他の気圧計の抵抗はオフにする必要があります。これにより、ラインに過度の
負荷がかかるのを防ぎます。同じライン上の気圧計の最大数は 32 です。
18
章 4 – 操作
シリアルバスの最後には、PTB210、ダイナミックラインアダプタ、またはラインマスター
が必要です。
.RON
.RON
コマンドは終端抵抗をオンに設定します。
.ROFF
.ROFF
コマンドは終端抵抗をオフに設定します。
4.3 セルフテスト
4.3.1 .? 気圧計設定の基本情報
.?
このコマンドは、気圧計設定の基本情報を一覧表示します。次の例は、50〜1,100hPa モデ
ルの工場出荷時の設定も表示しています。
19
PTB210 シリーズ 取扱説明書
.?<cr> (command not visible)
PTB210 Ver 1.0
CAL DATE :1999-06-10
ID CODE :10
SERIAL NUMBER :T00100004
MULTIPOINTCORR:ON
MEAS PER MINUTE: 60
AVERAGING : 0
PRESSURE UNIT : hPa
Pressure Min...Max: 500 1100 (50 1100 for model 50…1100)
LOW CURRENT MODE
RS485 RESISTOR OFF
M210669JA-E
20
章 5 – 校正および調整
5. 校正および調整
5.1 校正および調整
PTB210 は、高い精度と安定性、および国際標準への既知のトレーサビリティを備えた圧力
標準に対して調整および校正できます。
• クラス A 気圧計の場合、不確かさが 70ppm(標準偏差値 2)以下の標準を使用します。
• クラス B 気圧計の場合、不確かさが 150ppm の作業標準器をお勧めします。
校正には調整は含まれていません。
PTB210 の圧力再調整を実行するには、最初に mpcoff コマンドを使用してマルチポイント
補正を非アクティブ化します。すべての微調整が非アクティブ化されます。出力を基準と
比較することにより、再調整に必要な補正を決定できます。
以前のマルチポイント補正を書き留めます。
補正を行うには、ウィザードソフトウェアを使用します。気圧計に新しいマルチポイント
補正を行ったら、PTB210 ウィザードまたは mpcon コマンドを使用して補正をアクティブ
化できます。PTB210 は、実際の精度を検証するために校正されています。
詳細
‣
.MPCON / MPCOFF 圧力補正のオン/オフの設定 (ページ 18)
‣
5.2 ウィザードソフトウェアの使用
ウィザードソフトウェアを使用すると、シリアルラインを介して PTB210 のマルチポイン
ト圧力補正を行うことができます。また、PTB210 の一部の設定を変更することもできま
す。
ウィザードソフトウェアを操作する前に、ターミナルソフトウェアが閉じてい
ることを確認してください。
ウィザードソフトウェアは、RS-232 または RS-485 インターフェースを使用し
ます。TTL レベルを使用する場合は、RXD/TXD ワイヤーを外し、RX/TX ワイ
ヤーを接続します。
21
PTB210 シリーズ 取扱説明書
1.
http://www.vaisala.com/PTB210Wizard/ にアクセスします。
PTB210_calibration_wizard.zip
をダウンロードします。
2.
zip ファイルを解凍し、 exe ファイルをダブルクリックします。
3. [Run > Next > Next > Next > Install > Finish]を選択します。
4. 使用する COM を選択するには、[File > ComPort]を選択します。
5. 接続を開くには、[Read PTB210]を選択します。
M210669JA-E
22
章 5 – 校正および調整
6. 圧力基準値と対応する補正値を入力します。
次の式に従って補正値を計算します。左側で設定を変更することもできます。 corr = P
基準
- P
計測
値の単位は hPa です。基準値は整数と小数点以下 2 桁の補正値で表しま
す。
7. 補正を保存するには、[Write PTB210]を選択します。
23
PTB210 シリーズ 取扱説明書 M210669JA-E
8. パスワードの入力を求められたら、[OK]を選択します。既定では、パスワードは設定
されていません。パスワードを使用して、新しい補正を保護できます。パスワードを
入力するには、[Change]を選択します。
9. 新しいパスワードを入力し、指示されたらもう一度入力します。
マルチポイント補正をオンに設定していることを確認してください。
24
章 6 – 技術情報
6. 技術情報
6.1 PTB210 の仕様
表 5 PTB210 計測性能
項目
動作圧力範囲
シリアル出力
アナログ出力
シリアル出力精度(hPa)
動作圧力範囲 500 … 1100
クラス A
非直線性
ヒステリシス
繰り返し性
± 0.10
± 0.05
± 0.05
校正の不確かさ
± 0.07
精度(+20℃ において)
± 0.15
温度依存性
± 0.20
総合精度(-40〜+60°C
において)
± 0.25
長期安定性(hPa/年) ± 0.10
アナログ出力精度
非直線性
ヒステリシス
繰り返し性
校正の不確かさ
説明/値
500〜1,100hPa
50〜1,100hPa
500〜1,100hPa
600〜1,060hPa
800〜1,060hPa
900〜1,100hPa
クラス B
± 0.15
± 0.05
± 0.05
± 0.15
± 0.20
± 0.20
± 0.30
± 0.10
±0.20hPa
±0.05hPa
±0.05hPa
±0.15hPa
±0.30hPa
50 … 1100
± 0.20
± 0.10
± 0.10
± 0.20
± 0.35
± 0.40
± 0.50
± 0.20
25
PTB210 シリーズ 取扱説明書 M210669JA-E
項目
温度依存性
総合精度(-40〜+60°C において)
長期安定性
説明/値
±0.50hPa
±0.60hPa
±0.10hPa/年
1) エンドポイントの非直線性、ヒステリシスまたは繰り返し性誤差における±2×標準偏差
限界として定義。
2) 国際標準へのトレーサビリティを含む作業標準器の誤差における±2×標準偏差限界と
して定義。
3) 非直線性、ヒステリシスまたは繰り返し性誤差、および室温における校正不確かさにお
ける二乗和平方根(RSS)として定義。
4) 動作温度範囲における温度依存の±2×標準偏差限界として定義。
表 6 PTB210 動作環境
項目
動作温度
動作湿度範囲
説明/値
-40〜+60°C
0〜100%RH(結露のないこと)
表 7 PTB210 入出力
項目
シリアル出力
シャットダウン
起動時間
シリアル I/O
説明/値
パリティ
データビット
ストップビット
ボーレート
応答時間
分解能
消費電流(通常モード)
消費電流(シャットダウンモード)
ON/OFF
2 秒
RS-232C
RS-232C/TTL(オプション)
RS-485、非絶縁(オプション)
なし、偶数、奇数
7, 8
1, 2
1200, 2400, 4800, 9600, 19200
1 秒
0.01hPa(1計測/秒)
0.03hPa(10計測/秒)
< 15mA(工場出荷時)
0.2mA
26
章 6 – 技術情報
項目 説明/値
アナログ出力
出力
シャットダウン
応答時間
分解能
計測速度
消費電流(通常モード)
消費電流(シャットダウンモード)
全モデル
最大圧力
圧力接続部
圧力フィッティング
電源電圧(逆極性保護)、RS-232/TTL 出力
電源電圧(逆極性保護)、RS-485 またはアナロ
グ出力
0〜5VDC、0〜2.5VDC
(選定による)
ON/OFF
500 ミリ秒
300μV
3 計測/秒
< 8mA
0.2mA
5,000hPa 絶対圧
M5(10-32)メネジ
1/8 インチ内径チューブ用フィッティング
5〜28VDC
8〜18VDC
表 8 PTB210 一般仕様
項目
ハウジングの材質
IP 規格(電子回路部)
IP 規格(センサ)
質量(センサ)
ケーブル質量
表 9 PTB210 適合規格
項目
指令
EMC規格
説明/値
PC プラスチック
IP65(NEMA 4)
IP53
110g
28g/m
説明/値
EMC 指令(2014/30/EU)
RoHS 指令(2011/65/EU)
EN/IEC 61326-1(計測、制御、および試験所用
の電気機器 - EMC 要求事項 - 一般環境)
CISPR 32/EN 55032、クラスB
27
PTB210 シリーズ 取扱説明書
項目
適合規格
説明/値
CE、FCC、UKCA
図 4 PTB210 の寸法
M210669JA-E
28
付録 A – FCC Part 15 適合宣言
付録 A. FCC Part 15 適合宣言
This equipment has been tested and found to comply with the limits for a Class B digital device, pursuant to Part 15 of the FCC rules. These limits are designed to provide reasonable protection against harmful interference in a residential installation. This equipment generates, uses and can radiate radio frequency energy and, if not installed and used in accordance with the instructions, may cause harmful interference to radio communications. However, there is no guarantee that the interference will not occur in a particular installation. If this equipment does cause harmful interference to radio or television reception, which can be determined by turning the equipment off and on, the user is encouraged to try to correct the interference by one or more of the following measures:
• Reorient or relocate the receiving antenna.
• Increase the separation between the equipment and receiver.
• Connect the equipment into an outlet on a circuit different from that to which the receiver is connected.
• Consult the dealer or an experienced radio/TV technician for help.
注意 Changes or modifications to this equipment not expressly approved by the party responsible for compliance could void the user's authority to operate the equipment.
This device complies with part 15 of the FCC Rules. Operation is subject to the following two conditions: (1) This device may not cause harmful interference, and (2) this device must accept any interference received, including interference that may cause undesired operation.
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保証
標準的な保証条件については、 www.vaisala.com/warranty を参照してください。
通常の損耗、特別な環境における使用、不注意な使い方またはインストール、もしく認証
されていない改造による損傷に対しては、上記保証は無効となります。各製品の保証の詳
細については、適用される供給契約または販売条件を参照してください。
テクニカルサポート
ヴァイサラのテクニカルサポート( [email protected]
)までお問い
合わせください。サポートに必要な以下の情報をご提供ください(該当する場
合)。
• 製品の名前、モデル、シリアル番号
• ソフトウェア/ファームウェアバージョン
• 設置場所の情報(会社名、用途など含む)
• 情報をご提供いただける担当者様の氏名および連絡先
詳細については、 www.vaisala.com/support を参照してください。
リサイクル
リサイクル可能な材料は、すべてリサイクルしてください 。
製品および梱包は、法定規則に従って廃棄してください。
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