戸田市給水装置工事施行基準・解説書 [PDFファイル/3.81MB]

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第7章 貯水槽給水の実施基準

(関係法規等)

第35条 貯水槽は、安全上及び衛生上支障のない管理をしなければならない。

2 一般給水用として使用する受水槽以降の設備は、水質管理上、本市の水道

水のみの専用系統として管理することが好ましい。

3 簡易専用水道における貯水槽水道の設置者は、水道法、同施行規則及び管

理者の定める条例により貯水槽水道を管理しなければならない。

4 簡易専用水道以外における貯水槽水道、すなわち、小規模貯水槽水道の設

置者は、管理者の定める条例及び同施行規則により貯水槽水道を管理しなけ

ればならない。

〔解 説〕

1 水道法上における貯水槽水道の位置付けは、以下のとおりである。

水道事業

水道事業

(法第3条第2項)

簡易水道事業

(法第3条第3項)

水道法上の水道

水道用水供給事業

(法第3条第4項)

専用水道

(法第3条第6項)

簡易専用水道

(法第3条第7項)

小規模貯水槽水道

貯水槽水道

(法第 14 条第2項第5号)

貯水槽水道の位置付け

2 貯水槽とは、配水管からの水を貯める施設・設備のことであり、受水槽、高置水

3 貯水槽内の水は、構造的に直接配水管と連結していないものであり、水道法にい

う給水装置でないが、法第14条第2項第5号に定める貯水槽水道の適用を受ける

ものであり、貯水槽水道に関し、水道事業者及び当該貯水槽水道の設置者の責任に

関する事項が、条例第39条及び第40条に適正かつ明確に定められている。

この設備は使用者の側から考えれば、構造、衛生いずれの面からみても給水装置

と同様に極めて重要な施設であり、その管理は極めて重要である。

4 貯水槽水道とは、法第3条第7項の簡易専用水道となるが、管理上、その水槽の

有効容量の合計が10m

3

を境に、法第34条の2による簡易専用水道と条例施行規

則第20条による小規模貯水槽水道とに分類される。

5 法第3条第7項には「施設の規模が政令で定める基準以下」とあるが、その簡易

専用水道の適用除外の基準については、施行令第2条によるものとする。

85

6 一般給水用の受水槽より二次側において、本市の水道水に井水等の他水を混入す

ることは水質の管理が困難となり、衛生上好ましくない。このため、原則として、

一般給水用の受水槽より二次側においても本市の水道水のみを使用するものとし、

井水等の他水を混用しないこと。

ただし、飲用に供するものであっても、水道法上、専用水道の規制を受けるもの

で管理が適切に行われ、衛生上問題がない場合はこの限りでない。

7 貯水槽給水における本市及び設置者の責務においては、条例第39条と条例第40

条及び施行規則第55条によるものとする。

8 条例第40条第2項には「簡易専用水道以外の貯水槽水道」とあるが、その簡易

専用水道以外の貯水槽水道、すなわち、小規模貯水槽水道の設置者の責務について

は、条例施行規則第20条によるものとする。

9 一般の需要に応じて、水道により水を供給する事業者は、法第20条第3項によ

る水質検査を行わなければならない。

10 水道使用者等からの給水装置の機能又は水質等における検査の請求があった

場合、管理者は、条例第21条によりその検査を行ない、その結果を請求者に通知

すること。

11 受水槽以下の装置適用区分(参考)

貯水槽給水施設の適用区分表

事項

水道分類

建築物衛生法

適用建物

専用水道 簡易専用水道

小規模

貯水槽水道

対象・規模等

延べ床面積3,000m

2

以上の商業施設・事務

所等

100人を超える居住者の

もの、又は1日最大給水

量が20m

3

を超えるもの。

水道水の場合は、水槽容

貯水槽の有効容量が

量の合計が100m

3

を超え

10m

3

を超えるもの。

るか導水管が1,500mを

超えるもの

貯水槽の有効容量が10 m

3

以下のもの。

管 理 す る 者

建築物環境衛生

管理技術者

(厚労大臣免状)

水道技術管理者 設置者 設置者

貯水槽の清掃 1年以内に1回 ―

貯水槽の点検 適宜

水 質 管 理 6ヶ月以内に1回

適宜

毎月1回

1年以内に1回 1年以内に1回

適宜

(1ヶ月に1回程度)

適宜

(1ヶ月に1回程度)

適宜

(1日に1回程度)

異常があれば水質

検査

適宜

(1日に1回程度)

異常があれば水質

検査

残留塩素測定 7日以内に1回

検 査 ―

毎日

法第20条第3項

(水質検査)

― 1年以内に1回

法第34条の2第2項

(簡易専用水道)

施行規則第55条

(管理基準)

条例第40条

(設置者の責務)

条例施行規則第20条

(自主検査)

86

(貯水槽の容量等)

第36条 貯水槽の有効容量は、使用時間及び使用水量の時間的変化を考慮して

決定すること。

2 貯水槽は、他用途タンク(消火用、雑用等)と兼用しないこと。

3 給水負荷の変動に容易に対応(容量の変更)可能なように施工すること。

〔解 説〕

1 具体的な使用水量の算定方法

申込者に資料の提出を求め、原則として提出資料に基づき使用水量を算定する。

2 貯水槽の有効容量

貯水槽の有効容量は、計画一日使用水量の 1/2 程度(

4

10

6

~ が標準)が望ま

しいが(高置水槽がある場合は、受水槽と高置水槽の有効容量の合計が半日分でも

また、有効容量は計画一日使用水量を超えてはならない。

3 高置水槽の有効容量

高置水槽の有効容量は計画一日使用水量の 1/10 を標準とするが、使用時間を考

慮する場合は 30 分~1 時間の使用水量相当とすること。

4 地下室(地下2階より下層階)の受水槽設置

地下1階より下層の地下室に設置された受水槽へ、直接ボールタップ又は定水位

弁等を介して注水すると、受水槽の注水口(ボールタップ又は定水位弁等)の位置

が配水管より低い位置にあるため、過剰な瞬時流量が受水槽に注入されることがあ

る。

そのため、給水管のボールタップ又は定水位弁等の開閉時において、通常以上の

急激な圧力変動(ウォータハンマ)が発生し、配水管にも影響をきたすことがある。

対策としては、一旦、地上に設置した副受水槽(通常、1m

3

以上)に給水し、

地下の受水槽に落とし込む給水方式とすることが望ましい。

副受水槽は、受水槽への中継水槽であるため大容量を必要としないが、副受水槽か

ら地下の受水槽への供給には、配水管から副受水槽への給水量を超える能力の供給管

を用い、ボールタップ、定水位弁又は電動弁等で水位設定をする構造とすること。

定水位弁

副受水槽

公 道

▽1階

GL

B1階

受水槽

B2階

地下室の受水槽廻りの配管要領

87

5 飲用水及び消火用水の貯水槽

飲用水及び消火用水の貯水槽は、別々に設けること。ただし、止むを得ず共用す

る場合は、貯水槽有効容量が計画一日使用水量を超えないこと。

貯水槽有効容量(消火用水+計画 1 日使用水量×1/2)< 計画 1 日使用水量

6 流入量の調整は、流入量過大によるメーター故障防止のために行うものであり、

貯水槽手前の流入量調整バルブで時間平均使用水量に設定すること。

7 貯水槽の有効容量の計算

貯水槽の有効容量とは、水槽において適正に利用可能な容量をいい、水の最高水

位と最低水位との間に貯留されるものをいう。

・最高水位と上壁の間隔は、原則 30cm 以上とする。また、最低水位はポンプ

引込管中心より 2.0d(d=ポンプ引込管口径)上とする。

8 給水負荷の変動への対応

貯水槽内部における水の滞留を防ぎ、残留塩素濃度を保持して水質を確保するこ

とを目的として、貯水槽の有効容量を容易に変更できる構造にすることをいう。

具体例としては、

① 共同住宅や事務所ビル等における入居率の変動

② 学校等における長期夏休み等の水の使用量の激減

前記解説2 の貯水槽の有効容量としては、計画一日使用水量の1/2程度を保持して

水質を確保することを目的とするものである。

≪給水負荷変動に容易に対応可能な措置の一例≫

受水槽のボールタップ廻りの配管例【図―1】のように建物竣工当初から受水槽

内にSSP管の配管を施して、ボールタップを取付けておけば、後日、給水使用量が

大幅に減少した場合(例えば、共同住宅の入居率が大幅に低下した場合等)には、

受水槽における1日当りの水の回転数(理想的には、1日2回転)が大幅に減少し、

受水槽内において残留塩素が発散し減少するおそれが生じた場合、【図―2】のよ

うなSSP管の短管を新たに取付けることにより、受水槽の満水水位を下げることがで

きる。

結果、受水槽内の有効容量は減少し、1日当りの水の回転数を理想的な1日2回

転程度に戻すことが可能となる。

また、ボールタップの給水停止の水位を簡単に下げる目的から、水位調整可変式

ボールタップ(JWWA認証品)を使用することも、良好な水質の確保を目指す配

管における対策例の一つである。

88

ボールタップ

SSP L

SSP 管

VLP L

VLP 管

ボールタップ

SSP 短管

受水槽

給水停止

給水開始

VLP 管

受水槽

▽GL

【図―1】 【図―2】

受水槽のボールタップ廻りの配管例

SSP L

SSP 管

VLP L

VLP 管

給水停止

給水開始

VLP 管

▽GL

9 貯水槽の構造及び設置等

(1) 貯水槽構造

① 貯水槽の天井、床または周壁は、建物の躯体その他の部分と兼用せず、保守

点検が容易かつ安全にできる構造とすること。 e a d b a a a a c a

GL a、b、cのいずれも保守点検が容易にできる距離とする(標準的にはa、c≧60 ㎝、b≧100

支障のない距離とする。

屋外設置の場合も周囲の建物、地盤面等の間隔は屋内基準に準ずる。また、屋外設置の場合は、

外部から受水槽の天井、底又は周壁の保守点検を容易に行えるようにする必要がある。

② 貯水槽の清掃が円滑に行えるよう、中仕切り、共用栓等を設置すること。

貯水槽を2槽にする規模は、有効容量が 4m

3

以上とする。

③ マンホール等の開口部は周囲より 10cm 以上高くし、雨水等の侵入ができな

い構造とすること。

④ 貯水槽には、越流管(オーバーフロー管)及び排水管(ドレン管)を設置する。

越流管の先端は、排水設備へ直接接触しないよう 15cm 以上の間隔(排水口空

間)をとること。また、その越流管等の先端には、虫類の潜入を防止するため

防虫網等を取付けること。

⑤ 有効容量が 2m

3

以上の貯水槽には、通気口を設置すること。

89

(貯水槽への給水量制限)

第37条 設置者は、次の各号に掲げる対策を行うものとする。

(1)貯水槽への給水管の口径は、建物の時間平均使用水量(以下「設計水

限範囲を超えない口径とすること。

(2)メーター口径φ75mm 以上の場合は、給水管に定流量弁又は流量調節弁

を取付け、過大な水量が貯水槽へ流入しないようにすること。

(3)貯水槽への給水用具である定水位弁又はボールタップ(以下「給水弁」と

いう。)の口径は、給水引込口径より小さいこと。

2 管理者は、配水施設に比べて最大給水量が過大と判断した場合は、給水時

間の制限又は給水量を制限するための改良工事を指導することがある。

〔解 説〕

1 貯水槽への給水管の口径

貯水槽への給水管の口径は、建物の時間平均使用水量以上の水量を満足する給水

管口径が必要である。ただし、必要以上の管口径にてメーターの使用流量上限範囲

を超えないよう、十分に注意すること。

(詳細は、本基準第26条の解説を参照)

2 給水引込口径が大きい貯水槽給水

給水引込口径が大きい場合、貯水槽流入口の給水弁からの水量は、配水管の水圧

と給水弁の口径によっては過大となり、配水管に過大な負荷を与え、ウォータハン

マの発生原因となる場合がある。したがって、給水弁の口径決定に当たっては、以

下の流量線図を基に、配水管分岐部の水圧より貯水槽流入口からの概ねの流入流量

を算出し、検討する必要がある。

(流入流量は、設計流量の 1.5 倍~2.0 倍程度までを標準とする。)

3 給水弁の口径

貯水槽への給水弁の口径は、原則、給水引込口径より1口径又は2口径以上小さ

いものを設置すること。また、給水引込口径がφ40mm 以上の場合、ウォータハン

マ及び停水時の騒音等を考慮し、原則として定水位弁を設置すること。

4 減圧弁、定流量弁又は流量調節弁の設置

貯水槽への接続口に設置する給水弁における水圧が計算上 0.3MPa 以上と予測さ

れる場合は、給水弁の一次側に減圧弁を取り付けること。

また、給水引込口径が大きく、メーター口径がφ75mm 以上の場合は、過大な水

量が貯水槽へ流入し配水管に過大な負荷を与えないように、原則として定流量弁又

は流量調節弁を設置すること。

5 給水量の制限

貯水槽給水方式は、貯水槽を設置する建物施設における水の使用ピークを緩和

し、配水管の負荷を軽減させるために採用する給水方式である。したがって、受水

槽に流入する設計水量が必要以上に過大にならないように、設置する給水弁の口径

を制限するものである。

90

≪ボールタップの流量線図(参考)≫

(メーカー実測資料より)

φ25→110 L/min

φ20→ 60 L/min

φ13→ 25 L/min

ボールタップ設置部における水圧=

配水管分岐部の水圧-高低差-給水管等の摩擦損失値

(分岐部道路面とボールタップ設置部の高低差)

≪定水位弁の流量線図(参考)≫

【計算例】

問.ファミリータイプ 40 戸の共同住宅に

おける引込口径と給水弁口径

条件.住宅1戸の人数:3.5 人

1人1日当りの給水使用量:250

L/日・人

1日当りの給水使用時間:15 時間

設計水圧:0.3 MPa

給水分岐部と給水弁との高低差:

2.0m

給水分岐部から給水弁までの抵抗

Q=40*3.5*250=35,000 L/日

時間平均給水量Q

は、

=35,000÷15=2,333 L/H

=2,333÷60= 38.9 L/min

・給水弁における想定水圧Pは、

P=0.3-0.02(2m)-0.1=

・引込口径は、Q

0.18 MPa

の 1.5~2 倍程度を

想定して決定することとした場合、

VLP 管で、管内流速を 2.0m/sec 以

下にする口径は、 φ40 ㎜ となる。

・メーター口径は、Q=35,000 L/日よ

り、口径は φ40 ㎜ となる。

・定水位弁口径は、①右図横軸で 0.18

MPa の位置に縦線(赤)を引き、②右図

右上がり斜線の交点より横線(青)を

引く。横線の流量は 70(130)L/min

25)㎜ となる。

・ちなみに、

上述

のボールタップを使

用する場合も、 φ20(又はφ25)㎜ と

なる。

91

縦軸:流量(単位 L/min )

斜線軸:定水位弁口径(単位 ㎜ )

②流量

①水圧

(メーカー実測資料より)

③口径

横軸:水圧(単位 MPa )

(貯水槽の付属設備)

第38条 貯水槽への給水用具(ボールタップ及び定水位弁等)には、必要に応じ

波浪防止板を設置するものとする。

2 貯水槽には、満減水警報装置を設け、受信器は管理室等に設置するものと

する。

3 越流管は、給水用具によるタンクへの流入水量を十分排出できる口径とす

るものとする。

4 吐水口径φ13~φ20mm までは、複式ボールタップによる流入とする。また、

吐水口径φ20mm 以上においては、原則としてウォータハンマを防止するた

め、定水位弁(副弁付き)を使用するものとする。なお、パイロット管の頂

上部には必要に応じ空気弁等を取付けるものとする。

5 2槽式受水槽に定水位弁を設置して水を流入させる場合は、原則として、

1個の定水位弁より受水槽の2槽へ給水するものとする。2個の定水位弁を

設置する場合、1個は予備の定水位弁として設置するものとする。

6 貯水槽以降の給水方式が加圧送水ポンプ方式の場合で、かつ、貯水槽への

吐水口径が φ25mm 以上の場合は、副弁としての電磁弁又は水位調整可変式ボ

ールタップによる流入制御を標準とする。またその際の電極棒又は可変式ボ

ールタップの設定水位は、日平均使用水量の 30 分から1時間分を標準とし

て決定するものとする。

7 管がタンクの壁を貫くところは、水密に注意し、壁面外側近くに耐震性を

考慮し必要に応じて伸縮継手又は可とう継手を組み込むものとする。

8 揚水ポンプは、所要水量を十分揚水できる能力のものを設置するものとする。

〔解 説〕

1 貯水槽への給水用具の種類

貯水槽への流入口の給水用具としては、ボールタップと定水位弁等がある。

(1) ボールタップ

① 受水槽へのボールタップには、構造的に単式と複式とがある。

単式:浮玉の下がりに応じて水圧でバルブを押し下げ弁を開ける構造であり、

構造は単純である。

単式ボールタップ

複式:浮玉が水位下降により下がった時に弁も浮玉の下がる重みで開く構造

であり、開閉は確実に行なわれるが、構造も複雑である。

複式ボールタップ

92

② 受水槽へのボールタップには、用途別に、前記①の直接受水槽への水の流入

をオン・オフ制御する給水用具と、後記(2) 定水位弁からの水の流入をオン・

オフ制御する給水用具(副弁)とがある。

③ 受水槽へのボールタップには、機能的に水位調整固定式と可変式とがある。

固定式:前記①の単式又は複式のボールタップであり、流入オン・オフ範囲

は通常 10cm から 15cm 程度で固定である。

変動式:ア) 単独で給水用具として使用

水位調整範囲は、通常 30cm から 1.0m程度であ

り、調整バンド(鎖)にてその範囲を調節でき、

受水槽の水位を簡単に調整・設定できる給水器

具である。

イ) 定水位弁の副弁として使用

吐水空間調整範囲は、通常 15cm から 50 cm 程度

であり、調整バンド(鎖)にてその範囲を簡単に

調整・設定できる、口径φ20 ㎜の定水位弁の補

助給水器具である。 変動式ボールタップ

(2) 定水位弁

① 定水位弁は圧力差により徐々に閉止するのでウォータハンマを緩和するこ

とができる。

② 定水位弁から受水槽への水の流入制御方式としては、ボールタップ方式と電

磁弁方式とがある。

ボールタップ方式:定水位弁からのパイロット管に取付けられたボールタッ

プの開閉により、定水位弁内とパイロット管内において

水圧差が生じ、その水圧差にて定水位弁を開閉し、水の

流入をオン・オフする方式であり、停電時においても正

常に作動する。

電磁弁方式:定水位弁からのパイロット管に取付けられた電極棒と組合わさ

れた電磁弁の開閉により、上述と同様、定水位弁内とパイロッ

ト管内において水圧差が生じ、その水圧差にて定水位弁を開閉

し、水の流入をオン・オフする方式であり、停電時においては

作動しない。

③ 受水槽以降の給水方式が加圧送水ポンプ方式の場合、定水位弁と電磁弁(電

極棒による水位設定)又は水位調整可変式ボールタップによる流入制御を標準

とする。

また、パイロット弁として電磁弁を使用する場合、停電時等の予備としてボ

ールタップ(副弁)を設置すること。

パイロット弁へ

定 水 位 弁

93

2 吐水口設置の波浪防止板

貯水槽への給水用具の吐水口からの水量が多い場合、貯水槽水面に大きな波がで

き、満水警報用の電極部においては水面が安定しないため、満水の誤報を発する場

合がある。

また、ボールタップにおいては、貯水槽水面が安定しないためその開閉が繰返し

発生し、故障や「水切り音」等の騒音発生の原因となるおそれがある。

したがって、電極部やボールタップには吐水による水面の影響を避けるため、必

要に応じ波浪防止板を設置すること。

また、定水位弁から二次側の配管を、受水槽水面における吐水影響を避けるため

受水槽内の水中に伸ばし、配管の水面より上部に孔(真空破壊孔)を開ける工法は、

本市においては禁止とする。

3 満減水警報装置の設置

貯水槽には、その設置場所に関係なく、水位が満水位面を超えた時及び有効水位

面を低下した時に作動する満減水警報装置を設置すること。

警報装置は、音と同時に回転灯等の光も同時に発する装置を設置することが望ま

しい。

なお、減水警報に伴い揚水又は加圧ポンプを自動停止させる装置を設置すること

が望ましい。

4 給水用具開閉時の配水管への影響

給水用具の開閉時の影響を避けるため、極力、水撃防止機能付の給水用具、すな

わち、ウォータハンマを緩和することができる定水位弁を使用すること。但し、定

水位弁の吐水量は、同口径のボールタップと比較して多いため、過大な吐水量が出

ないよう適正な口径を選択すること。

5 定水位弁の設置個数

2槽式受水槽に水を流入させる場合は、1個の定水位弁より各水槽(2槽)へ給

水するものとする。また、定水位弁の故障等を考慮し、原則、2個の定水位弁を並

列に設置し、年1回の貯水槽清掃時に稼働弁を交換するものとする。

ボールタップ

又は電磁弁へ

( 閉 )

受水槽へ

空気弁を設置する場合もある。

パイロット管

定水位弁

定水位弁 ( 予備 )

( 閉 )

※)定水位弁の設置高さは、基本的には同一高さとする。

※)φ

75 以上の定水位弁や弁類は、フランジ型とする。

( 閉 )

( 閉 )

( 閉 )

定水位弁廻り配管要領図

94

6 給水用具の給水弁における給水閉止から開始までの時間

① ボールタップ

貯水槽の水位が低下し、一般的には満水水位から 10~15cm 程度低下するま

② パイロット管にボールタップを使用した定水位弁

定水位弁の開閉制御を機械的なボールタップにて行うため、上述と同様、満

③ パイロット管に水位調整可変式ボールタップを使用した定水位弁

定水位弁の開閉制御を機械的な可変式ボールタップにて行うため、稼働シス

テムは上述と同様ではあるが、満水水位から 10~35cm 程度低下するまでの時

④ パイロット管に電磁弁を使用した定水位弁

定水位弁の開閉制御を電気的な電極棒と電磁弁にて行うため、その時間は電

極棒の長さにより調整できる。一般的には高置水槽の容量分程度(一般的には、

日平均使用水量の 30 分から1時間分程度の水量)まで受水槽の水面が低下し

7 受水槽廻りの配管例

越流管は、流入水量を十分に排出できる管径とし、給水用具口径の 1.5 倍以上の

口径とすること。また越流管の放水口は間接排水とし、溢れ面との間隔を 15 ㎝以

上確保するとともに、先端には防虫網等を施して衛生上有害なものが貯水槽に入ら

ない構造とすること。

有効容量が 2m

3

以上の受水槽には通気口を設置すること。

通気笠

10cm 程度

通気管 マンホール マンホール

金網(防虫網)

20cm 程度

流入口下端

オーバーフロー管中心

吐水口空間

ボールタップ

受 水 槽

ドレーン管

給水管

金網(防虫網)

コンクリート基礎

基礎固定ボルト

排水口空間

排水管

(トラップを付けて排水管へ接続する)

受水槽に設置する越流管及び通気のための装置例

95

受水槽へ給水する場合は落し込み方式とし、その給水管又は、器具の水の落ち口

と満水面との間は、一定の吐水口間隔(吐水口空間)を保持すること。

一定の吐水口間隔を設けず、真空破壊孔と称する小穴をパイプに開ける工法は認

めない。

8 給水用具の口径

ボールタップ及び定水位弁の口径は、原則、給水引込口径より1口径又は2口径

以上小さいものを設置するが、消火専用タンク等の貯水を目的とするタンク(消火

専用タンク等)で常時水を使用しないものは、給水引込口径と同口径のボールタッ

プ等を設置してもよい。

9 その他の付属設備

万一に備え、貯水槽のマンホール蓋には必ず南京錠を取付け、関係者以外の者の

開閉ができないようにすること。

また、関係者以外の者が受水槽廻りに容易に出入りできないよう、受水槽の周囲

をフェンス等で囲うことが望ましい。

10 貯水槽の清掃義務

貯水槽設置者においては、1 年以内に1回、貯水槽を清掃する義務がある。

受水槽や高架水槽の水を一旦抜いて清掃するため、その間、水道使用者等にとっ

ては「断水」となる。ある程度の規模以上の建物においては、その「断水」の影響

を受ける水道使用者等が多くなることから、受水槽を設置当初から2槽(外見は1

槽だが、水槽内部に隔壁を設けるタイプと、受水槽を2基設けるタイプとがある。)

受水槽を2槽にする規模は、有効容量が 4m

3

以上とする。

1槽のみ 内部に隔壁(仕切板)をもつ2槽 2基の槽を連結管で接続

WL

WL

WL

連結管

WL

連結管

1槽式 受水槽 2槽式 受水槽

清掃時に「断水」する 1槽ずつ清掃すれば「断水」しない

WL

96

11 定水位弁の開閉頻度の低減策

貯水槽以降の給水方式が加圧送水ポンプ式の場合で、かつ、貯水槽への吐水管口

径が φ25mm 以上の場合は、定水位弁を使用すると同時に電磁弁による流入制御の

使用を標準とする。また電極棒の設定水位は、日平均使用水量の 30 分から1時間

分を標準として決定すること。

一般的な高置水槽式及び加圧送水ポンプ式の稼働サイクルは、以下のとおりである。

(1) 高置水槽式の場合

① 建物内の水道水が使用され、高置水槽内の水位が徐々に低下する。

② 高置水槽内の水位が低下し、揚水ポンプの稼働水位にまで低下して、揚水ポ

ンプが稼動する。

③ 揚水ポンプの稼動にて、受水槽内の水位が徐々に低下する。

④ 受水槽内の水位が低下し、定水位弁が開く水位にまで低下して定水位弁が開

き、受水槽への給水流入を開始する。

⑤ 直結給水の受水槽への流入は、受水槽の満水水位に達すると、受水槽への給

水流入を停止する。

以上、高置水槽式の給水は、①から⑤を繰り返す。

(2) 加圧送水ポンプ式の場合

① 建物内の水道水が使用され、給水配管内の水圧が徐々に低下する。

② 加圧送水ポンプユニット内の圧力センサー及び流量センサーにて、加圧送水

ポンプが稼動する。

③ 水道水の使用が小水量(10L/min)又は加圧送水ポンプユニット内の圧力セ

ンサー値が設定値以下になった場合、加圧送水ポンプが停止する。

④ 受水槽内の水位が低下し、定水位弁が開く水位にまで低下して定水位弁が開

き、受水槽への給水流入を開始する。

⑤ 直結給水の受水槽への流入は、受水槽の満水水位に達すると、受水槽への給

水流入を停止する。

以上、加圧送水ポンプ式の給水は、加圧送水ポンプユニット内の圧力センサー及

び流量センサーの設定値の範囲内で、①から⑤にて受水槽の満水変動を繰り返す。

すなわち、上述の高置水槽方式と加圧送水ポンプ方式の閉止した定水位弁が次に

開く時間における相違点は、以下のとおりである。

(1) 高置水槽式の場合

閉止した定水位弁が次に開く時間は、高置水槽から建物内に高低差にて給水さ

れ、高置水槽の設定水位の上限から下限に低下するまでの時間(一般的には、日

平均使用水量の 30 分から1時間分程度の水量が使用される時間。)と、揚水ポ

ンプの稼働により受水槽の水面が所定の水位まで低下する時間との合計時間と

なる。

解り易くいえば、高置水槽の水位低下時間と受水槽の水位低下時間との合計時間。

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(2) 加圧送水ポンプ式の場合

閉止した定水位弁が次に開く時間は、加圧送水ポンプの稼働にて建物内に給水

され、受水槽の水面が所定の水位まで低下するまでの時間となる。

解り易くいえば、受水槽の水位低下の時間のみ。

結果、加圧送水ポンプ式の場合でパイロット管に水位調整可変式ボールタップ又

は電磁弁を使用した定水位弁を使用する場合は、従来の高置水槽式の場合と同様、

定水位弁の閉止から開くまでの時間は、日平均使用水量の 30 分から1時間分程度

以上に設定することができるため、結果、貯水槽への吐水頻度を減少させることが

できる。

(1) 高置水槽式の場合

定水位弁の開閉頻度の低減対策を施す必要はない。

(2) 加圧送水ポンプ式の場合

パイロット管に、電磁弁又は水位調整可変式ボールタップを使用した定水位弁

を使用する対策を施すこと。

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