操作説明書

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操作説明書 | Manualzz

23.地形形状の設定について

本システムでは波浪変形計算のために、与えられた水深線及び、地形線から各格子の水深

を自動計算します。砕波等の影響を考えた場合、水深が浅くなる汀線付近での水深が精度良

く計算できることが重要になります。しかしながら、港内は防波堤や物揚場などの構造物が

あるように単純ではなく、それにより水深線や地形線が複雑になるケースが多くあります。

そのため、本システムでは従来の地形線に高さを付加する以外に、地形境界の「有効」「無

効」あるいは、補助線を用いることにより、港内の水深を精度良く計算できるようにしてい

ます。以下に、各項目の簡単な説明をします。

[境界有効] 水深計算時に高さは持たないが、境界としては存在する地形線と認識しま

す。最も汀線側の水深線と地形線の間を一定水深に設定する場合などに便

利です。

[境界無効] 水深計算時にその地形線を完全に無視して水深計算を行います。例えば、

[補助線]

防波堤などに設定すると便利です。

水深線・地形線の補助的役割を持つ高さ及び「境界有効」を持った線分で

す。図面には描画されません。足りない水深線を補間する場合や、陸から

突き出ている突堤などを「境界無効」に設定した場合、データ上は陸域接

続部分に穴が空いた状態になりますので、それを塞ぐために使用すると便

利です。

以降に、設定例を示しますので参考にしてください。

23-1.突堤を有する形状の場合の設定例1

次図のような形状を考えます。

境界有効

本形状の場合、防波堤に水深線が接続しており、防波堤に対して一律に高さを与える

ことは無理があるように感じます。そのため、[ツール]-[地形線]-[連設定(有効/無効)]

を使用して全ての境界を「境界有効」に設定します。

「境界有効」に設定して水深計算を行って水深コンター図を描画したものが次の図で

す。

- 97 -

○で囲んだ部分などは、突き出た防波堤の影響を受け、うまく水深計算されていない

ことが分かります。そこで、防波堤部分のみ[ツール]-[地形線]-[連設定(有効/無効)]

を用いて「境界無効」に設定します。

「境界無効」に設定して水深計算を行って水深コンター図を描画したものが次の図で

す。

境界無効

0.0m

①の部分については、「境界無効」にすることにより、うまく水深計算できているよ

うに思います。②の部分は、①の部分の防波堤を「境界無効」にしたことにより、①の

防波堤が無視され、さらに上の水深線の影響を受けているように見受けられます。

そのため、①の一部分を「境界有効」に設定します。また、地形部分を見ると0.0 mの水深線が接続しているため、①防波堤と0.0mの水深線の間は0.0mと設定で

きると考え[ツール]-[地形線]-[連設定(地盤高)]を用いて地盤高0.0mを与え再度水

深計算を行ったのが次図です。

- 98 -

境界有効

0.0m

0.0m

②の上側部分はかなりきれいに水深コンター図が描けました。丁度②の防波堤がある

部分については、防波堤を「境界無効」に設定したために、根本に穴が空いた状態にな

っています。そのため若干水深コンター図が乱れているようです。そこで、ここに補助

線を設定します。

[要素編集]-[線分編集]-[結線]を用いて地形が分割されている位置を未定義線で結線

し、その未定義線に対して[ツール]-[補助線]-[単設定]を用いて補助線を定義し、再度

水深計算を行います。結果が次の図です。

補助線

ここまで設定すれば、おおよそ良い結果の水深コンター図が描画できました。もう少

し詳細に設定すればもっと良い計算結果が得られる可能性もあります。

- 99 -

23-2.突堤を有する形状の場合の設定例2

次図のような形状を考えます。

0.0m

0.0m

境界有効

本形状の場合、中央に港があり、その横の領域は同一の水深線で囲まれています。こ

のような場合はどうでしょうか?

まず、[ツール]-[地形線]-[連設定(有効/無効)]を使用して全ての境界を「境界有効」

に設定します。

「境界有効」に設定して水深計算を行って水深コンター図を描画したものが次の図で

す。

0.0m

0.0m

①の部分では、突き出た防波堤の影響を受け、うまく水深計算されていないことが分

かります。②の部分は、地形線を「境界有効」で囲んでいるため上の0.0mの水深線

の値が採用され、一定水深となっています。

①の辺りに着目すると、0.0mの水深線が港を挟んで存在します。したがって、港

の外形を沿うように[ツール]-[地形線]-[連設定(地盤高)]/[単設定]を用いて0.0m

の地盤高を与えてみます。また、港口が空いていますので、ここは[要素編集]-[線分編

集]-[結線]を用いて未定義線で結線し、その未定義線に対して[ツール]-[補助線]-[単設

定]を用いて補助線を定義し地盤高0.0mを与えます。再度水深計算を行ったのが次図

です。

- 100 -

0.0m

地形線0.0m

補助線0.0m

0.0m

ほぼ満足できる程度の水深計算ができているように思います。

ところで、港内及び丸印の部分は、今のところ一定水深となっていますので、必要であ

れば、これを平行等深線のように変更します。図にあるように地形線の高さあるいは、

「境界有効/無効」を適宜変更し、再度水深計算を行ったのが次図です。

境界無効

地形線0.0~4.5m 地形線4.5m

ここまで設定すれば、汀線まで水深が変化したデータが作成できます。もう少し詳細

に設定すればもっと良い計算結果が得られる可能性もあります。

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